JP2009153419A - 果実乳酸発酵組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】果実の処理物に乳酸菌を接種し発酵して、ヨーグルト状の滑らかな食感を有し、風味も良好な果実乳酸発酵組成物を得る。
【解決手段】バナナピューレ、マンゴーピューレ、パイナップルピューレ又はリンゴピューレ等の果実処理物のみに、又はこれに糖類を添加し、pH5.0〜8.0に調整したものに、乳酸菌(好ましくはロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・デキストラニカム)を接種し、15〜40℃の品温で6〜48時間発酵して、粘度が1,000〜15,000mPa・sである果実乳酸発酵組成物を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、バナナピューレ、マンゴーピューレ、パイナップルピューレ又はリンゴピューレ等の果実処理物に乳酸菌を接種し発酵することにより得られる、ヨーグルト状の滑らかな食感を有し、風味も良好な果実乳酸発酵組成物に関する。
なお、本発明でいう果実処理物とは、(1)後述の果実処理物を唯一の原料とするもの、又は(2)これに糖類、フレーバー、増粘剤、食塩等のミネラル、pH調整剤等の副原料の1種又は2種以上を併用したものであって、いずれの場合も獣乳、豆乳を含まないものを意味する。
従来、生理活性の高い経口用組成物(医薬品、医薬部外品の原料)及び経皮用組成物(化粧品)を得るため、果実処理物(マンゴーピューレ)にロイコノストック属、ラクトバチルス属、ストレプトコッカス属又はペディオコッカス属に属する乳酸菌を接種し発酵させる方法(特許文献1参照)が知られているが、この発明にはヨーグルト状の滑らかな食感を有し、風味も良好なマンゴー乳酸発酵物は記載されていない。
一方、豆乳に果汁又は果肉を添加し、これにラクトバチルス属、エンテロコッカス属、ビフィドバクテリウム属、ロイコノストック属、ストレプトコッカス属等の乳酸菌を接種し発酵させ、豆乳を主体とする発酵食品を得る方法(特許文献2参照)が知られているが、この発明は、果汁又は果肉以外に豆乳を原料として使用し乳酸発酵組成物を得る方法であり、果実処理物を唯一の原料として果実乳酸発酵組成物を得ることは記載されていない。
また、上記2つの発明にはロイコノストック属に属する乳酸菌を利用することが示されているが、ロイコノストック属には非常に多くの種、亜種が存在し、例えば、ロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・デキストラニカム(Leuconostoc mesenteroides subsp. dextranicum)、同サブスピーシーズ・メセンテロイデス(subsp. mesenteroides)、同サブスピーシーズ・クレモリス(subsp. cremoris)、同サブスピーシーズ・シトレウム(subsp. citreum)等が存在し、このうちどの乳酸菌が優れた果実乳酸発酵組成物を製造できるかは、知られていない。本発明者らの実験によれば果実処理物に上記ロイコノストック属の乳酸菌を添加する場合に、その種が異なると乳酸発酵物の性状及び風味が大きく異なることが判明した。したがって、果実処理物にロイコノストック属の乳酸菌を添加し発酵を行って発酵物を得ることが知られていても、このように多くの種の中から特定の乳酸菌ロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・デキストラニカムを接種した場合に、どのような乳酸発酵物が得られるか、予測することは困難である。まして、バナナピューレ、マンゴーピューレ、パイナップルピューレ又はリンゴピューレ等の果実処理物のみにロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・デキストラニカムに属する乳酸菌を接種し発酵した場合にヨーグルト状の滑らかな食感を有し、食感ばかりでなく、風味も良好な果実発酵物が得られるか、予測することは困難である。
特開2006−76927号公報 特開2006−296387号公報
本発明は、バナナピューレ、マンゴーピューレ、パイナップルピューレ又はリンゴピューレ等の果実処理物に乳酸菌を接種し発酵することにより、ヨーグルト状の滑らかな食感を有し、風味も良好な果実乳酸発酵組成物を得ることを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討した結果、果実処理物に乳酸菌を添加し15〜40℃の品温で、6〜48時間発酵して得られ、粘度が1,000〜15,000mPa・sである果実乳酸発酵組成物が、ヨーグルト状の滑らかな食感を有し、風味も良好な果実乳酸発酵組成物であることを知った。
また、果実処理物にロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・デキストラニカムに属する乳酸菌を接種し発酵させるときは、果実の良好な風味を損なうことなく、速やかに非常に高い粘度の果実乳酸発酵組成物が容易に得られることを知った。
また、上記果実乳酸発酵組成物の製造法において、果実処理物に糖類を加え、pH5.0〜8.0に調整した後乳酸菌を接種し発酵させるときは、安定してヨーグルト状の滑らかな食感を有する果実乳酸発酵組成物が得られることを知った。
果実処理物としては、バナナピューレ、マンゴーピューレ、パイナップルピューレ又はリンゴピューレが好ましいことを知った。
本発明は上記知見に基づいて完成したものであって以下に示す果実乳酸発酵組成物である。
(1)果実処理物に乳酸菌を接種し、15〜40℃の品温で6〜48時間発酵して得られ、粘度が1,000〜15,000mPa・sである果実乳酸発酵組成物。
(2)果実処理物に糖類を加え、pH5.0〜8.0に調整した後、乳酸菌を接種し、15〜40℃の品温で6〜48時間発酵して得られ、粘度が1,000〜15,000mPa・sである果実乳酸発酵組成物。
(3)果実処理物が、バナナピューレ、マンゴーピューレ、パイナップルピューレ又はリンゴピューレである上記(1)〜(2)のいずれかに記載の果実乳酸発酵組成物。
(4)乳酸菌が、ロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・デキストラニカムに属する乳酸菌である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の果実乳酸発酵組成物。
(5)乳酸菌が、ロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・デキストラニカム NRIC 1539である上記(4)に記載の果実乳酸発酵組成物。
本発明は、果実処理物にロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・デキストラニカムに属する乳酸菌を接種し発酵して、ヨーグルト状の滑らかな食感を有し、風味も良好な果実乳酸発酵組成物を得ることができる。また本発明は果実処理物のみを原料に用いているため、通常のヨーグルトと比較して食物繊維、各種ビタミン類を豊富に含み、また、低カロリーであり、健康保持効果が高い特徴を有する。
本発明で用いる果実としては、リンゴ、梨、枇杷、マルメロ及びカリン等の仁果類、温州ミカン、早生温州、ポンカン、ネーブルオレンジ、バレンシアオレンジ、福原オレンジ、日向夏、三宝甘、ハッサク、夏ミカン、伊予甘、ブンタン、スダチ、柚子、グレープフルーツ及びレモン等の柑橘類、モモ、アンズ、スモモ、ウメ及びサクランボ等の核果類、ブドウ、イチジク及びイチゴ等の漿果類、パイナップル、バナナ、スイカ、メロン、パパイヤ、マンゴー、パッションフルーツ、ライチー、クランベリー、ブルーベリー、ブラックベリー、エルダーベリー、ラズベリー、柿、キウイフルーツ、ザクロ及びイチジク等が挙げられる。このうちバナナ、マンゴー、パイナップル及びリンゴが特に好ましい。
果実処理物としては、上記果実の破砕物、磨砕物、搾汁液、これらの膜処理物、酵素処理物、濃縮物又は水希釈物等が挙げられる。
破砕物、磨砕物及び搾汁液は、上記果実を洗浄しブランチングした後、スライサー、ダイサー、クラッシャー、コミトロール、マスコロイダー、パルパーフィニッシャー、フィルタープレス等で処理して調製する。
搾汁液の膜処理物は、上記搾汁液を、精密濾過(micro filtration)や限外濾過(ultra filtration)して調製する。
また、酵素処理物は、上記破砕物、磨砕物、搾汁液又はこれらの膜処理物にセルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ等の植物細胞崩壊酵素を添加し、酵素分解して調製する。また、濃縮物は、減圧濃縮や凍結濃縮等によって脱水することにより調製する。また、水希釈物は、上記破砕物、磨砕物、搾汁液、又はこれらの膜処理物を水で希釈して調製する。
乳酸菌としては、果実処理物に乳酸菌を添加し発酵させたとき、当該果実特有の風味を損なうことなく高粘性の果実発酵物を得ることができる性質を有する任意の乳酸菌が挙げられるが、特にロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・デキストラニカムが好ましい。
このような性質を有する乳酸菌としては例えば、ロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・デキストラニカム NRIC 1539が挙げられる。
果実処理物に添加する糖類としては、スクロース、転化糖、異性化糖、ぶどう糖、果糖、麦芽糖等が挙げられる。これらは単独又は併用いずれでもよい。
添加量は、最終濃度1〜10%(w/w)が好ましく、3〜7%(w/w)がより好ましい。
果実処理物のpHは、水酸化ナトリウム等のpH調整剤を用いることが好ましい。そして、果実処理物のpHを5.0〜8.0とすることが好ましく、5.5〜7.0に調整することがより好ましい。
果実処理物に対して接種する乳酸菌は、凍結乾燥菌体または凍結保存菌液を直接接種するよりも、これらの保存乳酸菌を予め前培養して乳酸菌スターターとした後に添加する方が、より安定して乳酸発酵を行うことができるので好ましい。乳酸発酵は、15〜40℃の品温で、6〜48時間発酵することが好ましい。
なお、乳酸菌スターターは、予め90〜121℃、10〜20分間の通常の殺菌処理を行なった乳酸菌の増殖に適した培地(例えば、上記果実処理物)に、乳酸菌の凍結乾燥菌体または凍結保存菌液等を接種して上記乳酸発酵と同じ条件で培養したものを利用することができる。
乳酸菌スターターは、本培養液と同じ果実を含んでいる前培養液でスターターを作製すると、果実処理物中での乳酸菌がより好適に増殖するため好ましい。このようにして得られるスターターは、乳酸菌を10〜10cfu/ml含有しており、このスターターを本培養液に初発菌数が10〜10cfu/ml程度となるように接種する。
また、本発明での果実処理物の発酵温度は、15〜40℃が好ましく、20〜35℃がより好ましい。そして、発酵時間は、果実処理物の種類やその発酵条件に応じて適宜決定し、6〜48時間が好ましい。そして、果実発酵物のpHが4〜5付近で発酵を停止する。
また、発酵終了後に該発酵物を2時間〜14日間、0〜10℃で冷蔵保存することが好ましい。このように冷蔵すると、乳酸菌が保有するデキストランスクラーゼにより発酵組成物内でデキストランの代謝生産を促進して、そのゲル化を進行させて、粘度を更に増大することが可能となるので好ましい。
このようにして、本発明によれば、果実処理物に乳酸菌を接種し6〜48時間発酵して、粘度が1,000〜15,000mPa・sであり、ヨーグルト状の滑らかな食感を有し、風味も良好である果実乳酸発酵組成物が得られる。
(果実乳酸発酵組成物の粘度測定法)
B型粘度計での粘度測定:
サンプル(果実乳酸発酵組成物)を18〜22℃に温度調整し、ローターM4を使用し、回転数12rpm、測定開始後2分後の示度(粘度、mPa・s)で示す。なお、各サンプルとも2回測定し、その平均値を求め、サンプルの粘度とした。
B型回転粘度計としては、例えば、VISCOMETER TV−10(東機産業社製)が挙げられる。
(バナナ乳酸発酵組成物の製造)
市販のバナナピューレにシュークロースをその最終濃度が5%(w/w)となるように添加し、5Nのトーソーパール(東ソー社製)水溶液でpH6.0に調整し、オートクレーブ内で105℃で1分間殺菌し、室温に冷却して粘度が800mPa・sを有するバナナピューレ(果実処理物)を得た。これに、下記要領で調製した乳酸菌スターター(ロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・デキストラニカム NRIC 1539)を2%(v/v)に当たる600μl接種して、30℃で24時間発酵を行ない、本発明のバナナ乳酸発酵組成物を得た。
このバナナ乳酸発酵組成物は、B型粘度が1,000mPa・sを示し、ヨーグルト状の滑らかな食感を有し、風味も良好なバナナ乳酸発酵組成物であることが判明した。
(乳酸菌スターターの調製)
−85℃でグリセロール保存しておいた上記乳酸菌株をMRS培地に1白金耳接種して、30℃で24時間培養して乳酸菌スターター(前培養液)を調製した。
(マンゴー乳酸発酵組成物の製造)
実施例1の市販のマンゴーピューレにシュークロースをその最終濃度が5%(w/w)となるように添加し、5Nのトーソーパール(東ソー社製)水溶液でpH6.0に調整し、オートクレーブ内で105℃で1分間殺菌し、室温に冷却して粘度が2,070mPa・sを有するマンゴーピューレ(果実処理物)を得た。これに、下記要領で調製した乳酸菌スターター(ロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・デキストラニカム NRIC 1539)を2%(v/v)に当たる600μl接種して、30℃で24時間発酵を行ない、本発明のマンゴー乳酸発酵組成物を得た。
この果実乳酸発酵組成物は、B型粘度が2,300mPa・sを示し、ヨーグルト状の滑らかな食感を有し、風味も良好なマンゴー乳酸発酵組成物であることが判明した。
(乳酸菌スターターの調製)
−85℃でグリセロール保存しておいた上記乳酸菌株をMRS培地に1白金耳接種して、30℃で24時間培養して乳酸菌スターター(前培養液)を調製した。
(果実乳酸発酵組成物の製造)
5種類のロイコノストック属の乳酸菌を用いて、果実処理物の乳酸発酵を行なった。
(1)乳酸菌の種別
1)ロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・デキストラニカム NRIC 1539(以下、NRIC 1539ということがある)
2)ロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・メセンテロイデス NRIC 1541
3)ロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・クレモリス NRIC 1538
4)ロイコノストック・シトレウム NRIC 1579
5)ロイコノストック・ラクチス NRIC 1575
(2)乳酸菌スターター(前培養液)の調製
−85℃でグリセロール保存しておいた上記乳酸菌株をMRS培地に1白金耳接種して、30℃で24時間培養して乳酸菌スターター(前培養液)を調製した。
(3)果実処理物(果実ピューレ)
1)バナナピューレ(Brix21.4、デュアルロダス社製)
2)マンゴーピューレ(Brix15.9、デルモンテフィリピンプロフード社製)
3)パイナップルピューレ(Brix16.5、パイナップルを剥皮してミキサーで破砕したもの)
(4)本培養液の調製
上記果実ピューレにシュークロースをその最終濃度が5%(w/w)となるように添加し、5Nのトーソーパール(東ソー社製)水溶液でpH6.0に調整したものを、50ml容プラスチックチューブ(Simport社製)に30gずつ分注し、オートクレーブ内で105℃で1分間殺菌して、本培養液とした。
(5)乳酸発酵
乳酸菌の前培養液を上記果実ピューレ(本培養液)に、該ピューレの2%(v/v)に当たる600μl接種して、30℃で24時間培養した。
(6)果実発酵物の評価
発酵後、4℃の冷蔵庫で24時間冷蔵した。上記果実発酵物の粘度と香味を官能評価した。その結果を表1に示す。
Figure 2009153419
表1より、ロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・クレモリス NRIC 1538及びロイコノストック・ラクチス NRIC 1575を用いるときは、乳酸菌を接種しないコントロールと比べて、乳酸発酵組成物の粘度は、差異がないことが判る。またロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・メセンテロイデス NRIC 1541及びロイコノストック・シトレウム NRIC 1579を用いるときは、風味の良好な乳酸発酵組成物が得にくいことが判る。
これに対し、ロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・デキストラニカム NRIC 1539を用いるときは、乳酸菌を接種しないコントロールと比べて、粘度がかなり高く、またバナナ、マンゴー、パイナップルの良好な風味を有する乳酸発酵組成物が得られることが判る。
(ロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・デキストラニカム NRIC 1539を用いた果実乳酸発酵組成物の製造例)
(1)使用菌株の前培養液の調製
−85℃でグリセロール保存しておいたNRIC 1539株をMRS培地に1白金耳接種して、25℃で24時間培養して前培養液を調製した。
(2)果実処理物の調製
1)バナナピューレ(Brix21.9、N&Nフーズ社製)
2)バナナピューレ(スクロース5%添加):バナナピューレ(Brix21.9)にスクロースをその最終濃度が5%となるように添加したもの。
3)マンゴーピューレ(Brix15.9、デルモンテフィリピンプロフード社製)
4)マンゴーピューレ(スクロース5%添加):マンゴーピューレ(Brix15.9)にスクロースをその最終濃度が5%となるように添加したもの。
5)おろしリンゴ(リンゴピューレ)(Brix12.2、日本デルモンテ社製)
上記ピューレをpH6.0に調整して、500ml容デュランビンに300gずつ分注し、オートクレーブ内で105℃で1分間殺菌して、果実処理物(本培養液)を調製した。
(3)発酵
上記NRIC 1539株の前培養液を上記果実処理物(本培養液)に対して、2%に当たる600μl接種して、25℃で24時間発酵した。
(4)乳酸発酵物の評価
発酵後、4℃の冷蔵庫で24時間冷蔵し、果実乳酸発酵組成物を得た。その組成物の粘度をB型粘度計で測定した。
その結果を表2に示す。
Figure 2009153419
表2より、乳酸発酵を行うことにより、バナナ、マンゴー及びリンゴピューレの粘度が増加し、またスクロースを添加することにより、果実発酵組成物の粘度がさらに増加することがわかる。この粘度増加は、乳酸菌がスクロースを代謝して、デキストランを生産したことによるものである。
(果実乳酸発酵組成物の製造)
(1)使用菌株の前培養液の調製
−85℃でグリセロールストック、ロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・デキストラニカム NRIC 1539株を、バナナピューレ(Brix21.9、N&Nフーズ社製)、マンゴーピューレ(Brix15.9、デルモンテフィリピンプロフード社製)1/2希釈液に1白金耳接種した。その液を25℃で24時間培養して、それぞれ前培養液を得た。
(2)果実処理物の調製
1)バナナピューレ(スクロース5%添加):バナナピューレ(Brix21.9)にスクロースをその最終濃度が5%となるように添加したもの。
2)バナナピューレ75%(スクロース5%添加):上記バナナピューレに水の最終濃度が20%となるように、スクロースの最終濃度が5%となるようにそれぞれを添加したもの。
3)マンゴーピューレ(スクロース5%添加):マンゴーピューレ(Brix15.9)にスクロースをその最終濃度が5%となるように添加したもの。
4)マンゴーピューレ75%(スクロース5%添加):上記マンゴーピューレに水の最終濃度が20%となるように、スクロースの最終濃度が5%となるようにそれぞれを添加したもの。
上記各果実処理物(ピューレ)をpH6.0に調整して、500ml容デュランビンに300gずつ分注し、オートクレーブ内で105℃で1分間殺菌して、本培養液とした。
(3)発酵
上記NRIC 1539株の前培養液を上記果実ピューレ濃度の異なる果実処理物(本培養液)に対して、2%に当たる600μl接種して、25℃で24時間発酵し果実乳酸発酵組成物を得た。
(4)果実乳酸発酵組成物の評価
発酵後、4℃の冷蔵庫で24時間冷蔵し、果実乳酸発酵組成物を調製した。その粘度をB型粘度計で測定した。その結果を表3に示す。
Figure 2009153419
表3より、発酵後はバナナ及びマンゴーピューレの粘度が増加し、ピューレ添加量を減らし、水添加を増したものでも、粘度が増加することが分る。この粘度増加は、乳酸菌がスクロースを代謝して、デキストランを生産したことによるものである。

Claims (5)

  1. 果実処理物に乳酸菌を接種し、15〜40℃の品温で6〜48時間発酵して得られ、粘度が1,000〜15,000mPa・sである果実乳酸発酵組成物。
  2. 果実処理物に糖類を加え、pH5.0〜8.0に調整した後、乳酸菌を接種し、15〜40℃の品温で6〜48時間発酵して得られ、粘度が1,000〜15,000mPa・sである果実乳酸発酵組成物。
  3. 果実処理物が、バナナピューレ、マンゴーピューレ、パイナップルピューレ又はリンゴピューレである請求項1〜2のいずれか1項に記載の果実乳酸発酵組成物。
  4. 乳酸菌が、ロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・デキストラニカムに属する乳酸菌である請求項1〜3のいずれか1項に記載の果実乳酸発酵組成物。
  5. 乳酸菌が、ロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・デキストラニカム NRIC 1539である請求項4に記載の果実乳酸発酵組成物。
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