JP2009133297A - 開弁特性可変型動弁装置 - Google Patents

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Hiroyuki Murase
広之 村瀬
Kiminori Komura
公典 甲村
Takeo Kobayashi
武夫 小林
Mitsuru Sugimoto
充 杉本
Fumihisa Takemoto
史久 竹本
Hiroichi Tochigi
博一 都知木
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Abstract

【課題】ギア機構のバックラッシ除去機能及びフェールセーフ機能の双方が実現されると共に、部品点数の削除及び省スペース化を図ることができるようにする。
【解決手段】コントロールシャフト20をその動作方向に付勢するリターンスプリング101を設け、このばねの付勢力が、ギア51〜53間のバックラッシを除去するようにギアを付勢すると同時に、フェール時にデフォルト位置(最大リフト位置)にコントロールシャフトが復帰するようにそのコントロールシャフトを付勢するものとする。特に、ばねの付勢力が、バルブを閉鎖方向に付勢するバルブスプリングの付勢力と逆向きにコントロールシャフトに作用するように設定する。
【選択図】図8

Description

本発明は、運転状態に応じてバルブのリフト量などの開弁特性を変更可能とした開弁特性可変型動弁装置に関するものである。
近年、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関では、出力及び燃費の向上や有害排出ガス成分の低減等を図るべく、種々の開弁特性可変型動弁装置を搭載したものが増えている。この開弁特性可変型動弁装置としては、運転状況に応じて低速型カムと高速型カムとを切り換えるものが従来より存在するが、近年では過渡特性の更なる向上やスロットルレス化等を実現すべく、開弁特性(バルブリフトやバルブタイミング)を連続的に変化させるものも出現している。
この種の開弁特性可変型動弁装置においては、バルブの開弁特性を変更する制御部材を電動モータなどの駆動源を備えたアクチュエータで駆動するようにしており、駆動源の駆動力は、減速用のギア機構などを介して制御部材に伝達されるが、このギア機構においては、動弁カムの動作に伴うバルブの開閉時のトルク変動が原因で、ギア機構内のバックラッシに起因する衝突音が発生することから、このギア機構内のバックラッシを除去するようにした技術が知られている(特許文献1参照)。
特開2001−263014号公報
しかるに、開弁特性可変型動弁装置においては、電動モータなどの駆動源自体あるいはこれを制御する制御回路などに失陥が発生すると、制御部材の駆動によるバルブのリフト量の変更が困難となるが、失陥発生時の制御部材の位置によってはエンジンの適切な動作に支障を来すことから、失陥が発生すると所要のリフト量を確保可能なデフォルト位置に制御部材を自然に復帰させるようにしたフェールセーフ機能が望まれる。
しかしながら、バックラッシ除去機能とフェールセーフ機能とは目的が異なることから、各々の目的に応じた最適な動作特性が得られるように構成しようとすると、通常、各機能を実現する構造を個別に設けることになり、このために部品点数が増加すると共に大きな配置スペースを確保する必要が生じる不都合があった。
本発明は、このような発明者の知見に基づいて案出されたものであり、その主な目的は、ギア機構のバックラッシ除去機能及びフェールセーフ機能の双方が実現されると共に、部品点数の削除及び省スペース化を図ることができるように構成された開弁特性可変型動弁装置を提供することにある。
このような課題を解決するために、第1の発明による開弁特性可変型動弁装置においては、吸気または排気を行うバルブ(2)の開弁特性を変更する制御部材(コントロールシャフト20、ギアリンク21、及びローラリンク22)と、この制御部材を駆動する駆動源(電動モータ41)と、この駆動源の駆動力を前記制御部材に伝達する複数のギア(リンク駆動用ギア51〜53)を備えた動力伝達手段とを有し、前記制御部材(コントロールシャフト20)をその動作方向に付勢するばね(101・111・131)が設けられ、このばねの付勢力が、前記ギア間のバックラッシを除去するように前記ギアを付勢すると同時に、フェール時にデフォルト位置に前記制御部材が復帰するようにその制御部材を付勢するようにしたものとした。
これによると、ギア機構のバックラッシ除去機能及びフェールセーフ機能の双方が単一のばねで実現されるため、部品点数の削除及び省スペース化を図ることができる。
第2の発明は、第1の発明による前記開弁特性可変型動弁装置において、前記ばねの付勢力が、前記バルブを閉鎖方向に付勢するバルブスプリングの付勢力と逆向きに前記制御部材に作用するように設定された構成とする。
これによると、制御部材に作用するバルブスプリングの付勢力に抗して制御部材を常時、デフォルト位置に向けて付勢された状態に保持することができ、さらにバルブの開閉動作に応じたトルク変動に伴って制御部材に生じるマイナストルクの作用を打ち消すことができ、これによりギア間のバックラッシによるガタの発生を確実に回避することができる。
なお、フェールセーフにおいては、エンジンの適切な動作を確保するために、バルブが適度に開閉可能な状態とする必要があり、フェール時に制御部材を復帰させるデフォルト位置は、バルブにおいて所要のリフト量を確保可能な位置、例えばバルブのリフト量が最大となる位置とすると良い。
また、バルブスプリングの付勢力が制御部材に作用する方向や、制御部材に発生するマイナストルクの方向は、バルブスプリング、動弁カム、及び制御部材などで構成される動弁系の機構学的な条件、例えばバルブスプリングの付勢力や動弁カムの押圧力が入力される制御部材上の作用点と制御部材の回動支点との相対的な位置関係などに応じて変化し、この機構学的な条件を適切に設定することで、制御部材上でのバルブスプリングの付勢力の作用方向やマイナストルクの発生方向を、最大リフト位置に向けたばね付勢力と逆向きにすることができる。
第3の発明による開弁特性可変型動弁装置は、カムシャフト(4)の駆動力を用いて、吸気または排気を行うバルブ(2)を開閉するロッカアーム(6)と、前記カムシャフトと前記ロッカアームとの間に介装されたローラリンク(22)と、前記ローラリンクを揺動自在に支持するとともに、所定の旋回軸を中心に旋回するコントロールシャフト(20)とを有し、前記コントロールシャフトを旋回させることによって、前記ローラリンクの前記ロッカアームに対する相対位置を変化させ、低リフト特性と高リフト特性との間でバルブの開弁特性を連続的に可変制御する開弁特性可変型動弁装置であって、バルブの開弁特性が高リフト特性となる旋回方向に前記コントロールシャフトを付勢する弾性手段(101・111・131)を有することを特徴とする。
これによると、コントロールシャフトは一方向に付勢されて位置が安定し、また当該コントロールシャフトを旋回させるための駆動手段に加わる力が一方向となる。これにより、駆動手段とコントロールシャフトとがギア結合している場合には、バックラッシによるギアのあばれが防止される。また、バルブの開弁特性が高リフト特性となる方向へのコントロールシャフトの移動が円滑かつ容易に行われるようになる。
第4の発明は、第3の発明による前記開弁特性可変型動弁装置において、前記コントロールシャフトに加わるトルクは、各燃焼サイクルにおいて、平均するとバルブの開弁特性が高リフト特性となる方向となることを特徴とする。
これによると、コントロールシャフトが当該コントロールシャフトの駆動手段より駆動力を受けない場合には、コントロールシャフトはバルブの開弁特性が高リフト特性となる方向に移動するようになる。
第5の発明は、第3の発明または第4の発明による前記開弁特性可変型動弁装置において、前記コントロールシャフトに加わるトルクは、常にバルブの開弁特性が高リフト特性となる方向となることを特徴とする。
これによると、コントロールシャフトには常に一方向のトルクが加えられるため、当該コントロールシャフトを旋回させるための駆動手段とコントロールシャフトとがギア結合している場合には、バックラッシによるギアのあばれが防止される。
このように本発明によれば、ばねの付勢力が、ギア間のバックラッシを除去するようにギアを付勢すると同時に、フェール時にデフォルト位置に制御部材が復帰するようにその制御部材を付勢するようにしたため、ギア機構のバックラッシ除去機能及びフェールセーフ機能の双方が単一のばねで実現され、部品点数の削除及び省スペース化を図る上で大きな効果が得られる。
以下、本発明を車両用エンジンに適用した実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係るエンジンの上部を示す斜視図である。図2は、図1に示したエンジンの開弁特性可変型動弁装置を示す斜視図である。図3は、図2に示した開弁特性可変型動弁装置の動作状況を示す縦断面図である。
このエンジンは、図1に示すように、自動車に搭載される直列4気筒エンジンであり、シリンダヘッド1には、各気筒5ごとに2つずつの排気用のバルブ2を備え、このバルブ2を駆動する動弁機構として、カム3を備えたカムシャフト4と、バルブ2及びカム3間に介装されたロッカアーム6と、バルブ2を閉鎖方向に常時付勢するバルブスプリング7とが設けられている。
なお、吸気側にも、各気筒ごとに2つずつの吸気用のバルブ8が設けられると共に、このバルブを駆動する動弁装置として、図示しないが、カムシャフト、ロッカアーム、及びバルブスプリングが設けられている。
カムシャフト4は、カムホルダ11により回転自在に支持されている。このカムホルダ11は、動弁室10を各気筒5ごとに仕切るように設けられており、シリンダヘッド1の上面にボルトにて締結固定される。
このエンジンには、排気用のバルブ2のリフト量を可変制御する開弁特性可変型動弁装置が搭載されている。この開弁特性可変型動弁装置は、動弁室10の上側を覆うように設けられたベースプレート13の上面に設置されたアクチュエータ14と、このアクチュエータ14により駆動されるリンク機構とを有している。なお、同様の機構による開弁特性可変型動弁装置を吸気用のバルブ8に適用することも可能である。
開弁特性可変型動弁装置のリンク機構は、図2に示すように、横方向に延在するコントロールシャフト(制御部材)20と、カムホルダ11に回動可能に支持されると共にコントロールシャフト20を旋回可能に保持するギアリンク(制御部材)21と、コントロールシャフト20に揺動可能に保持されると共に、遊端側をカム3及びロッカアーム6間に介装されたローラリンク(制御部材)22とを有している。
ローラリンク22は各気筒ごとに設けられており、ギアリンク21の回動に伴うコントロールシャフト20の旋回に応じて連動動作し、これによるローラリンク22の揺動支点の変位に応じてバルブ2のリフト量を変化させるようになっている。コントロールシャフト20はリンクホルダ30を介してカムホルダ11に旋回可能に支持されている。なお、ギアリンク21及びローラリンク22の回動中心線は互いに平行となっている。
ギアリンク21は、カムホルダ11に設けられた支軸23周りに回動するアーム部24と、このアーム部24の遊端側から周方向に円弧状に延出されて、アクチュエータ14側のギアに噛み合うギア部25とを有しており、アクチュエータ14の駆動力により回動動作する。またアーム部24の遊端側には、コントロールシャフト20を回動可能に保持するシャフトホルダ26が形成されている。
ローラリンク22は、コントロールシャフト20に嵌合して揺動支点となる基部28と、この基部28から延出された1対のアーム部29とを有している。アーム部29の先端には、カムシャフト4のカム3に転接するローラ31と、ロッカアーム6のスリッパ面に転接するローラシャフト32とを有している。
ロッカアーム6は、カムホルダ11に保持されたロッカシャフト34に回転自在に支持される基部35と、この基部35から延出された1対のアーム部36とを有しており、この1対のアーム部36にはそれぞれ、図3に示すように、バルブ2のステムエンド37を押圧するチップ部38と、その位置を調整するアジャストスクリュ39とが設けられている。
このように構成された開弁特性可変型動弁装置においては、ギアリンク21が、支軸23(図2参照)を中心にして回動するのに伴ってローラリンク22の揺動支点となるコントロールシャフト20が変位することでバルブ2のリフト量が変化し、ギアリンク21の回動角度位置(リンク角)に応じて、バルブ2のリフト量を無段階に調整することができる。
アイドル運転時等にバルブリフトを低減させる場合には、ギアリンク21を図3(A)に示す最小リフト位置(例えばリンク角=0度)とし、この場合、ローラリンク22の揺動支点となるコントロールシャフト20が、ロッカアーム6の上方に位置し、カム3によってローラ31が押し下げられても、矢印で示すようにローラシャフト32がスリッパ面33に沿って転動することで、ロッカアーム6の揺動量(すなわち、バルブ2のリフト量)が小さくなる。
一方、高負荷運転時等にバルブリフトを増大させる場合には、ギアリンク21を図3(B)に示す最大リフト位置(例えばリンク角=60度)とし、この場合、ローラリンク22の揺動支点となるコントロールシャフト20が、ロッカアーム6の側方に位置し、カム3によってローラ31が押し下げられると、スリッパ面33に沿ったローラシャフト32の転動が殆ど起こらないことから、バルブ2のリフト量が大きくなる。
図4は、図1に示したアクチュエータ14の要部断面図である。図5は、図4のV−V線で切断した断面図である。図6は、図4のVI−VI線で切断した断面図である。
アクチュエータ14は、図4に示すように、ギアリンク21を駆動する電動モータ(駆動源)41と、この電動モータ41の運動をギアリンク21に伝達するリンク駆動用ギア機構42と、ギアリンク21の角度位置(リンク角)を検出するポジションセンサ43(図1参照)と、ギアリンク21の運動をポジションセンサ43に伝達するセンサ検出用ギア機構44とを有している。
電動モータ41は、ブラシレスモータであり、エンジンECUにおいて、運転者によるスロットルペダルの踏込量や冷却水温等、種々の運転情報に基づいて設定されたバルブ2の目標リフト量、すなわちギアリンク21の回動角度位置(リンク角)にポジションセンサ43の検出位置が一致するように電動モータ41の駆動電流が制御される。
リンク駆動用ギア機構42は、図5に示すように、電動モータ41の出力軸45に設けられた第1ギア51と、この第1ギア51に歯合する第2ギア52と、この第2ギア52に同軸的且つ相対回転不能に設けられた第3ギア53とを有しており、この第3ギア53がギアリンク21に歯合することで、電動モータ41の駆動力が2段階に減速されてギアリンク21に伝達される。
リンク駆動用の第2ギア52及び第3ギア53は、シャフト55で連結されており、このシャフト55は、軸受56・57を介してハウジング47に支持されている。
図6に示すように、センサ検出用ギア機構44は、ギアリンク21に歯合する第1ギア61と、この第1ギア61に同軸的且つ相対回転不能に設けられた第2ギア62と、この第2ギア62に歯合する第3ギア63とを有しており、この第3ギア63と一体的に、ポジションセンサ43の検出部材65に係合するセンサ係合部材66が回転することで、ポジションセンサ43によりギアリンク21の角度位置(リンク角)が検出される。
ポジションセンサ43は、いわゆるホールセンサであり、ハウジング内に、検出部材65の回転を検出するためのホール素子、永久磁石、及び制御基板などが収容されている。
センサ検出用の第1ギア61及び第2ギア62は、シャフト68で連結されており、このシャフト55は、軸受69を介してハウジング47に支持されている。センサ検出用の第3ギア63はシャフト71の一端側に連結され、シャフト71の他端側にはセンサ係合部材66が連結されており、このシャフト71は、軸受72を介してハウジング47に支持されている。
図2に示したように、コントロールシャフト20を支持するリンクホルダ30は、コントロールシャフト20を保持するシャフト保持部81と、このシャフト保持部81から延出された1対のアーム部82とを有しており、この1対のアーム部82が、カムホルダ11を両側から挟み込む態様で配置されて、カムホルダ11に設けられた支軸83により回動可能に支持されている。この支軸83は、ギアリンク21の支軸23と同軸となっている。
図7は、図1に示したエンジンの開弁特性可変型動弁装置に設けられるリターンスプリングを示す斜視図である。図8は、図7に示したリターンスプリングの作用を説明する模式的な斜視図である。
図1に示したように、コントロールシャフト20は複数のリンクホルダ30によりカムホルダ11に旋回可能に支持されており、このうちの端部のリンクホルダ30には、図7に示すように、コントロールシャフト20を最大リフト位置(デフォルト位置、図3(B)参照)に向けて付勢するリターンスプリング101が設けられている。
このリターンスプリング101は、ねじりコイルばねであり、リンクホルダ30を回転自在に支持する支軸83と同軸的に設けられており、その一端101aが、リンクホルダ30のアーム部82に係止されると共に、他端101bが、図示しない支持部材に固定された係止部材102に係止されて、リンクホルダ30を介してコントロールシャフト20を常時、最大リフト位置に向けて付勢している。
このリターンスプリング101の付勢力により、電動モータ41やその制御回路などに失陥が発生したフェール時には、コントロールシャフト20が最大リフト位置に移動して、十分なリフト量が確保されるため、エンジンの動作に支障を来すことを避けることができ、フェールセーフが実現される。
またコントロールシャフト20に作用するばね付勢力は、図8に示すように、ギアリンク21からリンク駆動用の第3ギア53及び第2ギア52を経て第1ギア51に至るギア列、及びギアリンク21からセンサ検出用の第1ギア61及び第2ギア62を経て第3ギア63に至るギア列に作用し、これらのギア列の各ギアが一方向に付勢され、各ギア間のバックラッシが除去される。
特に図3に示したように、バルブスプリング7の付勢力がロッカアーム6及びそのスリッパ面に転接するローラシャフト32を介してローラリンク22に作用し、このローラリンク22に作用するバルブスプリング7の付勢力は、図8に示すように、コントロールシャフト20を低リフト側に旋回させる向きに作用する。
またカム3に転接するローラリンク22のローラ31は、カム3の乗り上げ時に押圧され、この押圧力がローラリンク22を介してコントロールシャフト20に作用し、コントロールシャフト20上での負荷トルクが、カム3の回転に応じて一定周期で変動するが、負荷トルクが落ち込む際に通常とは逆向きのトルク、いわゆるマイナストルクが発生し、このマイナストルクはコントロールシャフト20を低リフト側に旋回させる向きに作用する。
このようにコントロールシャフト20には低リフト側に旋回させる向きの力が作用するが、リターンスプリング101の付勢力が十分に大きいため、コントロールシャフト20は高リフト側に付勢された状態に保持され、ギア間のバックラッシによるガタの発生を回避することができる。
<第2実施形態>
次に第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態とリターンスプリングの構成においてのみ相違するため、第1実施形態と同一の構成については同一符号を付して説明を省略し、相違点のみについて詳述する。
図9は、第2実施形態に係るエンジンの開弁特性可変型動弁装置に設けられるリターンスプリングを示す斜視図である。図10は、図9に示したリターンスプリングの動作状況を示す側面図である。
コントロールシャフト20を最大リフト位置(デフォルト位置)に向けて付勢するリターンスプリング111を備えたスプリングユニット112が設けられている。
リターンスプリング111は、圧縮コイルばねであり、ガイドシャフト113に沿って移動可能に嵌装されたスライダ114と、端部の係止フランジ115との間に圧縮状態で介装されている。スライダ114にはピン116が嵌挿され、このピン116は、連結シャフト117を介して相互に連結された1対のガイドプレート118・119のガイド孔118a・119aに嵌合している。ガイドシャフト113は、図示しない支持部材に固定されたリテーナ120に保持されており、一方のガイドプレート119はリンクホルダ30に対して固定されている。
このスプリングユニット112においては、図10(A)に示す最小リフト位置と図10(B)に示す最大リフト位置との間でコントロールシャフト20が旋回すると、これに応じてリンクホルダ30も回動し、さらにこれに連動してガイドプレート118・119が回動する。このとき、ガイド孔118a・119aに沿ってピン116が移動すると同時に、スライダ114がガイドシャフト113に沿って移動する。
このようにコントロールシャフト20が最小リフト位置と最大リフト位置との間で旋回するのに応じてスライダ104が変位するが、この間、リターンスプリング111は、圧縮状態に保持され、常時、リターンスプリング111の付勢力がコントロールシャフト20を最大リフト位置に向けて付勢する向きに作用する。
このリターンスプリング111の付勢力により、前記の例と同様に、フェール時に、コントロールシャフト20が最大リフト位置(デフォルト位置)に移動してフェールセーフが実現され、またギアリンク21、リンク駆動用ギア51〜53、及びセンサ検出用ギア61〜63で構成されるギア列におけるバックラッシが除去される。
<第3実施形態>
次に第3実施形態について説明する。第3実施形態は、第1実施形態とリターンスプリングの構成においてのみ相違するため、第1実施形態と同一の構成については同一符号を付して説明を省略し、相違点のみについて詳述する。
図11は、本発明の第3実施形態に係るエンジンの上部を示す斜視図である。図12は、図11のXII−XII線で切断した断面図である。
図11に示すように、ベースプレート13の気筒列方向における両端部のそれぞれにはスプリングユニット130が設けられている。図12に示すように、スプリングユニット130は、圧縮コイルばねであるリターンスプリング131と、ハウジング132と、リテーナ133と、プランジャ134とを有している。
ハウジング132は、プランジャ134が摺動自在に内嵌するガイド孔135を有し、ベースプレート13の上面にボルト148により固定されている。ハウジング132がベースプレート13に固定された状態で、ベースプレート13のガイド孔135と相対する部分には、プランジャ134が遊嵌する貫通孔136が形成されている。ガイド孔135のベースプレート13側と異なる側には、ガイド孔135と同軸の雌ねじ孔137が形成されている。
リテーナ133は、円柱状の雄ねじ部138と、雄ねじ部138の一端に設けられた頭部139と、雄ねじ部138の他端に雄ねじ部138と同軸に設けられたスプリング係止部140と、スプリング係止部140の先端側にスプリング係止部140と同軸に設けられたスプリングガイド部141とを有する。雄ねじ部138は、ガイド孔135の雌ねじ孔137と螺合する。リテーナ133は、雄ねじ部138と雌ねじ孔137との螺合により、ハウジング132に対して挿入深さを調節可能に固定されている。頭部139は、リテーナ133のハウジング132に対する最大挿入深さを規定する。また、頭部139には、リテーナ133をハウジング132に対して進退させるために、レンチ等の工具が係合する六角部149が形成されている。
スプリング係止部140は雄ねじ部138に比べて小径に形成されており、リターンスプリング131の上端を係止する。スプリングガイド部141はスプリング係止部140に比べて小径に形成されており、その直径はリターンスプリング131の内径と概ね一致し、リターンスプリング131の倒れを防止する。
プランジャ134は、有底円筒形状を呈し、円筒部144の外径は概ねガイド孔135の内径と一致し、円筒部144の内径は概ねリターンスプリング131の外形と一致する。プランジャ134は、円筒部144の内部および底部145の円筒部側の面により形成されるリターンスプリング131の座部146を有する。プランジャ134は、円筒部144の内部にリターンスプリング131を受容し、座部146においてリターンスプリング131の下端と当接している。
プランジャ134は、ガイド孔135に内嵌されるとともに、リターンスプリング131によりハウジング132の下方に向けて付勢され、底部145の外面(下面)がリンクホルダ30のシャフト保持部81に当接している。なお、プランジャ134の軸線方向にリンクホルダ30のシャフト保持部81が位置せず、コントロールシャフト20の側周部が露出している部分が位置する場合には、当該部分にコントロールシャフト20に対して回転自在な円筒状のカラー147を設け、カラー147の外周面にプランジャ134の底部145の外面を当接させてもよい(図11参照)。このようにして、コントロールシャフト20は、リンクホルダ30のシャフト保持部81またはカラー147を介して、スプリングユニット130(リターンスプリング131)により高リフト特性側に付勢されている。スプリングユニット130の付勢力はリテーナ133の雌ねじ孔137に対する挿入長さを調節することにより調節可能である。
ハウジング132のガイド孔135はベースプレートに対して所定角度傾斜しており、コントロールシャフト20が最大リフト位置から最小リフト位置まで移動する間に描く円弧軌跡と、リターンスプリング131の軸線方向(伸縮方向)が概ね一致する(重なる)。このため、コントロールシャフト20の位置が変化してもプランジャ134の底部145の外面と、リンクホルダ30のシャフト保持部81またはカラー147との接触は常に維持される。
以上のように第3実施形態を構成することで、第1および第2実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
次に、各実施形態に共通する作用効果について説明する。図13は、実施形態に係るコントロールシャフトに加わるトルクを示すグラフである。図14は、実施形態に係るバルブリフト量を示すグラフである。
図13に示すように、リターンスプリング101,111,131を設けない場合には、コントロールシャフト20にはバルブの開弁特性が低リフト特性となる方向のトルクが加わる。この理由は、上述したように、バルブスプリング7の付勢力がロッカアーム6及びローラリンク22を介してコントロールシャフト20に作用することと、カム3から受ける負荷トルクの変動に伴うトルクが発生することとによる。
このトルクは、各燃焼サイクル間のバルブ2の開閉に伴い最大値201および最小値202の間で振動する。そのため、コントロールシャフト20に加わるトルクを各燃焼サイクル毎に平均したトルク203は、低リフト特性となる方向のトルクとなる。
これに対して、各実施形態では、リターンスプリング101,111,131を設けてコントロールシャフト20に高リフト特性となる方向のトルクを加える。結果として、コントロールシャフト20に加わるトルクが最大値204および最小値205の間で振動するようにする。
コントロールシャフト20に加わるトルクをこのようにすることによって、各燃焼サイクル毎に平均したトルク206は、高リフト特性となる方向のトルクとなり、開弁特性可変型動弁装置に失陥が発生した場合にコントロールシャフト20は高リフト特性となる位置(最大リフト位置)に移動するようになりフェールセーフ機能が実現される。
また、コントロールシャフト20に加わるトルクは常に高リフト特性となる方向に加わる、すなわちトルクの最大値204が0をまたぐことがなく、逆方向のトルクが発生することがない。これにより、ギアリンク21、リンク駆動用ギア51〜53、及びセンサ検出用ギア61〜63で構成されるギア列におけるバックラッシが除去される。
また、各実施形態では、コントロールシャフト20をその両端部付近においてバルブの高リフト特性となる方向に付勢するため、各シリンダにおけるバルブリフトの均一化が図れる。
図14に示すように、リターンスプリング101,111,131を設けない場合には(図中の折れ線301)、両端に配置された第1および第4シリンダのバルブリフトは第2および第3シリンダに比べて小さくなる。この理由は、上述したように、コントロールシャフト20には低リフト特性となる方向のトルクが加わっているためである。コントロールシャフト20の第2および第3シリンダに対応する位置はアクチュエータ14に連結されたギアリンク21により位置が固定されているが、コントロールシャフト20の第1および第4シリンダに対応する末端位置は、低リフト特性となる方向のトルクを受けて低リフト側へと変形している。
これに対して、各実施形態のようにリターンスプリング101,111,131によりコントロールシャフト20の両端部付近に付勢力を加えた場合には(図中の折れ線302)、コントロールシャフト20の第1および第4シリンダに対応する末端位置において、低リフト特性となる方向のトルクに抗する高リフト特性となる方向のトルクが加えられるため、コントロールシャフト20の変形が緩和される。これにより各気筒間でのバルブリフトが均一となる。なお、高リフト特性となる方向にコントロールシャフト20を付勢するため、全ての気筒でバルブリフトはリターンスプリングを設けない場合(301)に比べて大きくなる。
本発明の第1実施形態に係るエンジンの上部を示す斜視図である。 図1に示したエンジンの開弁特性可変型動弁装置を示す斜視図である。 図2に示した開弁特性可変型動弁装置の動作状況を示す縦断面図である。 図1に示したアクチュエータの要部断面図である。 図4のV−V線で切断した断面図である。 図4のVI−VI線で切断した断面図である。 図1に示したエンジンの開弁特性可変型動弁装置に設けられるリターンスプリングを示す斜視図である。 図7に示したリターンスプリングの作用を説明する模式的な斜視図である。 本発明の第2実施形態に係るエンジンの開弁特性可変型動弁装置に設けられるリターンスプリングを示す斜視図である。 図9に示したリターンスプリングの動作状況を示す側面図である。 本発明の第3実施形態に係るエンジンの上部を示す斜視図である。 図11のXII−XII線で切断した断面図である。 実施形態に係るコントロールシャフトに加わるトルクを示すグラフである。 実施形態に係るバルブリフトを示すグラフである。
符号の説明
2 バルブ
14 アクチュエータ
20 コントロールシャフト(制御部材)
21 ギアリンク(制御部材)
22 ローラリンク(制御部材)
41 電動モータ(駆動源)
42 リンク駆動用ギア機構
43 ポジションセンサ
44 センサ検出用ギア機構
51〜53 リンク駆動用ギア
61〜63 センサ検出用ギア
101・111・131 リターンスプリング

Claims (5)

  1. 吸気または排気を行うバルブの開弁特性を変更する制御部材と、この制御部材を駆動する駆動源と、この駆動源の駆動力を前記制御部材に伝達する複数のギアを備えた動力伝達手段とを有し、
    前記制御部材をその動作方向に付勢するばねが設けられ、このばねの付勢力が、前記ギア間のバックラッシを除去するように前記ギアを付勢すると同時に、フェール時にデフォルト位置に前記制御部材が復帰するようにその制御部材を付勢するようにしたことを特徴とする開弁特性可変型動弁装置。
  2. 前記ばねの付勢力が、前記バルブを閉鎖方向に付勢するバルブスプリングの付勢力と逆向きに前記制御部材に作用するように設定されたことを特徴とする、請求項1に記載の開弁特性可変型動弁装置。
  3. カムシャフトの駆動力を用いて、吸気または排気を行うバルブを開閉するロッカアームと、
    前記カムシャフトと前記ロッカアームとの間に介装されたローラリンクと、
    前記ローラリンクを揺動自在に支持するとともに、所定の旋回軸を中心に旋回するコントロールシャフトと
    を有し、
    前記コントロールシャフトを旋回させることによって、前記ローラリンクの前記ロッカアームに対する相対位置を変化させ、低リフト特性と高リフト特性との間でバルブの開弁特性を連続的に可変制御する開弁特性可変型動弁装置であって、
    バルブの開弁特性が高リフト特性となる方向に前記コントロールシャフトを付勢する弾性手段を有することを特徴とする開弁特性可変型動弁装置。
  4. 前記コントロールシャフトに加わるトルクは、各燃焼サイクルにおいて、平均するとバルブの開弁特性が高リフト特性となる方向となることを特徴とする、請求項3に記載の開弁特性可変型動弁装置。
  5. 前記コントロールシャフトに加わるトルクは、常にバルブの開弁特性が高リフト特性となる方向となることを特徴とする、請求項3または請求項4に記載の開弁特性可変型動弁装置。
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