JP4027685B2 - 内燃機関の可変動弁装置及びこの装置に用いられる制御機構 - Google Patents

内燃機関の可変動弁装置及びこの装置に用いられる制御機構 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機関弁である吸気弁や排気弁の開閉時期あるいはリフト量を機関運転状態に応じて可変にできる内燃機関の可変動弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来の可変動弁装置としては、本出願人が先に出願した特開平2000−120417号などに記載されたものがある。
【0003】
概略を説明すれば、この可変動弁装置は、吸気弁側に適用されたもので、クランク軸の回転に同期して回転する駆動軸の外周に、軸心が駆動軸の軸心から偏心した駆動カムが設けられていると共に、駆動カムの回転力が多節リンク状の伝達手段を介して伝達されて、吸気弁の上端部に有するバルブリフターの上面をカム面が摺接して吸気弁をバルブスプリングのばね力に抗して開作動させる揺動カムを有している。
【0004】
前記伝達手段は、揺動カムの上方に配置されて制御軸に揺動自在に支持されたロッカアームと、円環状の一端部が駆動カムの外周面に嵌合しかつ他端部がロッカアームの一端部にピンを介して回転自在に連結されたリンクアームと、一端部がロッカアームの他端部にピンを介して回転自在に連結され、他端部が前記揺動カムのカムノーズ部にピンを介して回転自在に連結されたリンクロッドとから構成されている。
【0005】
また、前記制御軸は、図外の電動アクチュエータによって減速歯車機構を介して回転駆動されており、その外周面には、軸心が制御軸の軸心から所定量だけ偏心した制御カムが固定されている。この制御カムは、ロッカアームのほぼ中央に穿設された支持孔内に回転自在に嵌入保持されて、その回転位置に応じてロッカアームの揺動支点を変化させて、揺動カムのカム面のバルブリフター上面に対する転接位置を変化させて、吸気弁のバルブリフト量を可変制御するようになっている。
【0006】
すなわち、機関運転状態が、低回転低負荷域の場合は、前記電動アクチュエータが減速歯車機構を介して制御軸を他方向へ回転させて、制御カムも同方向へ回転させることにより、ロッカアームの揺動支点位置を駆動軸より離れる方向へ移動させる。これにより、ロッカアームとリンクロッドとの枢支点が上方に移動して揺動カムのカムノーズ部を引き上げ、これによって揺動カムのバルブリフター上面に対する当接位置がリフト部から離れる方向に移動する。したがって、吸気弁は、そのバルブリフト量が最小となるように制御される。
【0007】
したがって、機関運転状態に応じて機関性能を十分に発揮させる、つまり燃費や出力の向上などを図ることができる。
【0008】
一方、中回転中負荷域から高回転高負荷域へ移行した場合は、電動アクチュエータにより減速歯車機構を介して制御軸が破線矢印方向(反時計方向)へ回転して、制御カムを同方向へ回転させるため、ロッカアームの揺動支点が駆動軸に近づく方向に移動する。これにより、揺動カムは、リンクロッドなどによって端部が押し下げられて、バルブリフター上面の当接位置がリフト部側に移動するため、吸気弁のバルブリフト量が増加するように制御される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の可変動弁装置にあっては、制御軸による制御カムの回転位置に応じてロッカアームの揺動支点を変化させることによりバルブリフト量を大小可変にすることができるものの、機関の停止時には、一般的に制御軸がバルブスプリングのばね反力によって揺動カムと伝達手段を介して低リフト側の制御方向へ次第に回転してしまい、最終的には、機関の良好な再始動性を得るために要求されるバルブリフト量よりも小さなリフト制御位置に保持されてしまう可能性がある。このため、機関の再始動性が悪化してしまうおそれがある。
【0010】
また、前記制御軸は、再始動のクランキング時に機関の回転トルク変動やバルブスプリングのばね力の反力の影響を受けて正逆方向へ僅かに回転してしまう可能性があり、この点でも再始動性が悪化したり、リフト制御の不安定化を招くおそれがある。
【0011】
本発明は、前記従来の可変動弁装置の実状に鑑みて案出されたもので、請求項1に記載の発明は、機関弁の作動角特性及びリフト量を可変制御する可変機構と、前記可変機構の作動角特性及びリフト量を制御軸の位置によって制御する制御機構と、機関運転状態に応じて前記制御機構の制御軸の位置を制御する駆動機構と、を備えた内燃機関の可変動弁装置において、前記機関の停止時に、前記制御軸の位置が、前記機関弁のリフト量がアイドリング運転時のリフト量より大きなリフト量となるように付勢するばね部材を設けたことを特徴としている。
【0012】
したがって、機関停止時には、制御軸が、ばね部材のばね力によって所定の方向へ回転して、アイドリング運転時のリフト量より大きな中間リフト制御位置に保持されることになる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記制御軸を、前記機関弁のリフト量がアイドリング運転時のリフト量より大きなリフト量となる位置に規制する位置規制機構を設けたことを特徴としている。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記制御機構は、前記制御軸を回転させて前記可変機構の作動角特性及びリフト量を制御するものであり、前記ばね部材は、前記制御軸に固定された位置規制カムに弾接するように構成されていることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記ばね部材は、プランジャを介して前記位置規制カムに弾接し、前記プランジャには、前記位置規制カムの方向へ突出量を規制するストッパ部を設けたことを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の内燃機関の可変動弁装置において、前記プランジャの突出量を、前記ストッパ部の形成位置に応じて任意に設定可能に形成したことを特徴としている。
請求項6に記載の発明は、機関弁のリフト量を可変制御する可変機構を制御軸の位置によって制御する内燃機関の可変動弁装置に用いられる制御機構であって、前記制御軸は、駆動機構によって機関運転状態に応じて位置を制御され、機関の停止時に、前記制御軸の位置が、前記機関弁のリフト量がアイドリング運転時のリフト量より大きくなるように付勢するばね部材を設けたことを特徴としている
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る可変動弁装置の実施形態を図面に基づいて詳述する。この実施形態の可変動弁装置は、1気筒あたり2つの吸気弁を備え、かつ吸気弁のバルリフト量を機関運転状態に応じて可変にする可変機構を備えている。
【0016】
すなわち、この可変動弁装置は、図1〜図5に示すようにシリンダヘッド1に図外のバルブガイドを介して摺動自在に設けられて、バルブスプリング3,3によって閉方向に付勢された一対の吸気弁2,2と、該各吸気弁2,2のバルブリフト量を可変制御する可変機構4と、該可変機構4の作動位置を制御にする制御機構5と、該制御機構5を駆動する駆動機構6と、機関停止時に前記制御機構5の回転位置を規制する位置規制機構7とを備えている。
【0017】
前記可変機構4は、シリンダヘッド1上部の軸受14に回転自在に支持された中空状の駆動軸13と、該駆動軸13に圧入等により固設された偏心回転カムである駆動カム15と、駆動軸13の外周面13aに揺動自在に支持されて、各吸気弁2,2の上端部に配設されたバルブリフター16,16に摺接して各吸気弁2,2を開作動させる2つの揺動カム17,17と、駆動カム15と揺動カム17,17との間に連係されて、駆動カム15の回転力を揺動カム17,17の揺動力として伝達する伝達手段18とを備えている。
【0018】
前記駆動軸13は、図4,図5にも示すように、機関前後方向に沿って配置されていると共に、一端部に設けられた図外の従動スプロケットや該従動スプロケットに巻装されたタイミングチェーン等を介して機関のクランク軸から回転力が伝達されており、この回転方向は図3中、反時計方向に設定されている。
【0019】
前記軸受14は、図1に示すように、シリンダヘッド1の上端部に設けられて駆動軸13の上部を支持するメインブラケット14aと、該メインブラケット14aの上端部に設けられて後述する制御軸32を回転自在に支持するサブブラケット14bとを有し、両ブラケット14a,14bが一対のボルト14c,14cによって上方から共締め固定されている。
【0020】
前記駆動カム15は、ほぼリング状を呈し、円環状のカム本体と、該カム本体の外端面に一体に設けられた筒状部とからなり、内部軸方向に駆動軸挿通孔が貫通形成されていると共に、カム本体の軸心Yが駆動軸13の軸心Xから径方向へ所定量だけオフセットしている。また、この各駆動カム15は、駆動軸13に対し前記両バルブリフター16,16に干渉しない両外側に駆動軸挿通孔を介して圧入固定されていると共に、カム本体の外周面が偏心円のカムプロフィールに形成されている。
【0021】
前記バルブリフター16,16は、有蓋円筒状に形成され、シリンダヘッド1の保持孔内に摺動自在に保持されていると共に、揺動カム17,17が摺接する上面が平坦状に形成されている。
【0022】
前記両揺動カム17は、図1〜図3に示すように同一形状のほぼ雨滴状を呈し、円環状の基端部20が支持孔を介して駆動軸13に回転自在に支持されていると共に、一端部のカムノーズ部21側にピン孔が貫通形成されている。また、揺動カム17の下面には、カム面22が形成され、基端部20側の基円面と該基円面からカムノーズ部21側に円弧状に延びるランプ面と該ランプ面からカムノーズ部21の先端側に有する最大リフトの頂面に連なるリフト面とが形成されており、該基円面とランプ面及びリフト面が、揺動カム17の揺動位置に応じて各バルブリフター16の上面の所定位置に当接するようになっている。
【0023】
前記伝達手段18は、図1に示すように、駆動軸13の上方に配置されたロッカアーム23と、該ロッカアーム23の一端部23aと駆動カム15とを連係するリンクアーム24と、ロッカアーム23の他端部23bと揺動カム17とを連係するリンク部材であるリンクロッド25とを備えている。
【0024】
前記ロッカアーム23は、中央に有する筒状の基部が支持孔を介して後述する制御カム33に回転自在に支持されている。また、筒状基部の外端部に突設された前記一端部23aには、ピン26が嵌入するピン孔が貫通形成されている一方、基部の内端部に夫々突設された前記他端部23bには、リンクロッド25の一端部25aと連結するピン27が嵌入するピン孔が形成されている。
【0025】
また、前記リンクアーム24は、比較的大径な円環状の基部24aと、該基部24aの外周面所定位置に突設された突出端24bとを備え、基部24aの中央位置には、前記駆動カム15のカム本体が回転自在に嵌合する嵌合孔24cが形成されている一方、突出端24bには、前記ピン26が回転自在に挿通するピン孔が貫通形成されている。
【0026】
さらに、前記リンクロッド25は、図1にも示すように、ロッカアーム23側が凹状のほぼく字形状に形成され、両端部25a,25bには前記ロッカアーム23の他端部23bと揺動カム17のカムノーズ部21の各ピン孔に挿入した各ピン27,28の端部が回転自在に挿通するピン挿通孔が貫通形成されている。
【0027】
なお、各ピン26,27,28の一端部には、リンクアーム24やリンクロッド25の軸方向の移動を規制するスナップリングそれぞれが設けられている。
【0028】
前記制御機構は、図1及び図4に示すように駆動軸13の上方位置に同じ軸受14に回転自在に支持された制御軸32と、該制御軸32の外周に固定されてロッカアーム23の支持孔に摺動自在に嵌入されて、ロッカアーム23の揺動支点となる制御カム33とを備えている。
【0029】
前記制御軸32は、図4、図5に示すように、駆動軸13と並行に機関前後方向に配設されていると共に、一端部には連係部材である一対のアーム34が軸直角方向に沿って固定されている。このアーム34は、筒状基部に制御軸32の軸方向から螺着した図外のボルトによって制御軸32に固定されていると共に、各先端部に連繋した駆動機構6の後述する螺子伝達手段によって所定回転角度範囲内で回転制御されるようになっている。なお、連係部材は制御軸32と一体成形してもよい。
【0030】
また、前記制御カム33は、図1に示すように円筒状を呈し、軸心P1位置が肉厚部の分だけ制御軸32の軸心P2からα分だけ偏倚している。
【0031】
前記駆動機構6は、図5に示すように、アクチュエータである電動モータ35と、該電動モータ3の回転駆動力を前記制御軸32に伝達する螺子伝達手段とから構成されている。
【0032】
前記電動モ−タ35は、比例型のDCモータによって構成され、シリンダヘッド1の後端部にボルト固定された後述のアクチュエータカバー36を介して制御軸32とほぼ平行に配置されている。また、電動モ−タ3の駆動シャフト34aは、アクチュエータカバー35の一端部内を貫通配置されていると共に、基端部がアクチュエータカバー36内に設けられたボールベアリング37に回転自在に支持されている。
【0033】
また、電動モ−タ35は、機関の運転状態を検出するコントローラ38からの制御信号によって駆動するようになっている。このコントローラ38は、クランク角センサやエアーフローメータ、水温センサや、制御軸32の回転位置を検出するポテンショメータ等の各種のセンサからの検出信号に基づいて現在の機関運転状態を演算等により検出して、前記電動モ−タ35に制御信号を出力している。
【0034】
前記螺子伝達手段は、図4及び図5に示すように前記アクチュエータカバー36の一端部内に設けられた平面矩形状のギアハウジング38と、該ギアハウジング38内に設けられて、駆動シャフト34aからの回転トルクを受けるベベルギア39と、前記アクチュエータカバー36の一端部から他端部内に延長配置されてベベルギア39から回転トルクが伝達される螺子軸40と、前記アーム34の先端部に連繋した螺子ナット41とを備えている。
【0035】
前記ベベルギア39は、駆動シャフト34aにキー42によって結合された前記第1ギア39aと、前記螺子軸40の一端部に固着されて第1ギア39aに直角方向から噛合した第2ギア39bとから構成されている。
【0036】
前記螺子軸40は、一端部40aがギアハウジング38の前端開口の内周面に固着された円環状のプレーン軸受43によって回転自在に支持されていると共に、他端部40b側が前記プレーン軸受43を支持した回動部材44を支点として上下方向へ揺動可能になっている。
【0037】
前記螺子ナット41は、内部軸方向に螺子軸40の雄ねじ溝に各ボールを介して螺合する雌ねじ溝が貫通状態に形成されていると共に、両側部のほぼ中央位置に設けられた前記アーム34の先端部が回動自在に連結されている。
【0038】
そして、前記制御軸32は、前記位置規制機構7によって機関停止時における回転位置が規制されるようになっている。
【0039】
すなわち、前記位置規制機構7は、図1及び図2に示すように前記制御軸32の一端部外周に固定された位置規制カム51と、シリンダヘッド1の後端部側に配置された前記軸受14の外側面に固定されたシリンダ壁52と、該シリンダ壁52の内部に上下方向に沿って形成されたシリンダ孔53内に摺動自在に設けられたプランジャ54と、シリンダ孔53内に設けられてプランジャ54をシリンダ孔53から突出する方向に付勢するばね部材であるコイルスプリング55と、シリンダ孔53内でのプランジャ54の最大突出量を規制するストッパ56とから構成されている。
【0040】
前記位置規制カム51は、図1に示すようにほぼ雨滴状に形成され、先端部が前記プランジャ54の先端上壁54aに摺接自在に配置されるようになっている。
【0041】
前記シリンダ壁52は、ほぼ有底角柱状に形成され、外周の一側面が前記軸受14の外面に溶接あるいはボルトなどによって固着されている。前記シリンダ孔53は、ほぼ円柱状に形成されて、その軸心が制御軸32の軸心に直交する位置に穿設されていると共に、上端開口縁に環状ストッパ部56aが一体に形成されている。
【0042】
前記プランジャ54は、ほぼ有蓋円筒状に形成されて前記シリンダ孔53内に摺動自在に保持されていると共に、下端部外周に前記環状ストッパ部56aの下端縁に当接してプランジャ54の最大突出量を規制するフランジ部56bが一体に形成されており、前記環状ストッパ部56aとフランジ部56bとによってストッパ56が構成されている。
【0043】
以下、本実施形態の作用を説明すれば、まず、例えば、機関のアイドリング運転時を含む低回転運転領域には、コントローラ38からの制御信号によって電動モ−タ35からベベルギア39に伝達された回転トルクは、螺子軸40に伝達されて回転すると、この回転に伴って螺子ナット41が最大後方位置に移動し、これによって、制御軸32は、図1の位置から時計方向に回動駆動されて、図2に示す位置に保持される。なお、このとき、位置規制機構7は、図2に示すように位置規制カム51がプランジャ54の上面に乗り上げてコイルスプリング55のばね力に抗してプランジャ54を下方に押圧する。
【0044】
したがって、制御カム33は、軸心P1が図2に示すように、肉厚部が駆動軸13から上方向に離間移動し、制御軸32の軸心P2から左方の回動角度位置に保持される。これにより、ロッカアーム23の他端部23bとリンクロッドの枢支点は、駆動軸13に対して上方向へ移動し、このため、各揺動カム17は、リンクロッド25を介してカムノーズ部21側が強制的に引き上げられて全体が反時計方向へ回動する。
【0045】
よって、駆動カム15が回転してリンクアーム24を介してロッカアーム23の一端部23aを押し上げると、そのリフト量がリンクロッド25を介して揺動カム17及びバルブリフター16に伝達されるが、そのリフト量L1は充分小さくなる。
【0046】
したがって、かかる機関の低回転領域では、図6の一点鎖線で示すようにバルブリフト量が最も小さくなることにより、各吸気弁2の開時期が遅くなり、排気弁とのバルブオーバラップが小さくなる。このため、燃費の向上と機関の安定した回転が得られる。
【0047】
一方、機関高回転領域に移行した場合は、コントローラ338からの制御信号によって電動モ−タ35が逆回転し、ベベルギア39に伝達されたこの回転トルクは、螺子軸40に伝達されて回転すると、この回転に伴って螺子ナット41が最大前方位置まで移動する。したがって、制御軸32は、制御カム33を図2に示す位置から時計方向へ回転させて、図3に示すように軸心P1が下方向へ移動する。このため、ロッカアーム23は、今度は全体が駆動軸13方向に移動して他端部23bが揺動カム17のカムノーズ部21をリンクロッド25を介して下方へ押圧して該揺動カム17全体を所定量だけ時計方向へ回動させる。
【0048】
なお、このとき、位置規制カム51は、先端部が図3に示すようにプランジャ54から離れたほぼ上方位置に回転移動している。
【0049】
したがって、揺動カム17のバルブリフター16上面16aに対するカム面22の当接位置が、右方向位置(リフト部側)に移動する。このため、吸気弁12の開作動時に駆動カム15が回転してロッカアーム23の一端部23aをリンクアーム24を介して押し上げると、バルブリフター16に対するそのリフト量L2はリフト量L1より十分に大きくなる。
【0050】
よって、かかる高回転領域では、図6の実線で示すようにバルブリフト量も大きくなると共に、各吸気弁2の開時期が早くなると共に、閉時期が遅くなる。この結果、吸気充填効率が向上し、十分な出力が確保できる。
【0051】
また、機関の中回転領域である定常運転時には、前述のようにこの運転状態を検出したコントローラ35を介して制御軸32が反時計方向へ所定量だけ連続的に回転して、各吸気弁2のリフト量を図6の破線で示すように中リフト量に制御する。
【0052】
そして、例えば前記中回転領域あるいは高回転領域に移行した後に、機関を停止した場合は、バルブスプリング3のばね力によってバルブリフター16を介して揺動カム17が押し戻されながら回動して、バルブリフター16の上面にはカム面22の基円面が位置する。これによって、ロッカアーム23の姿勢が変化すると共に、制御カム33を介して制御軸32が前述した低リフト制御方向(時計方向)へ自動的に回転する。
【0053】
このため、位置規制カム51も時計方向へ回転して、先端部の側面が図1に示すように、シリンダ孔53から最大に突出した状態にあるプランジャ54の上端部の外側縁に当接して、制御軸32のそれ以上の時計方向への回転を確実に規制する。これによって、ロッカアーム23等の伝達手段の姿勢を所定の安定した位置に保持することができる。
【0054】
したがって、各吸気弁2は、制御軸32を介して最小リフト領域と最大リフト領域の所定の中間リフト領域(図6の破線)となるように制御され、この制御域は機関の再始動時に最適なリフト領域となる。このため、機関の良好な再始動性が得られる。
【0055】
また、例えば、前記電動モータ35が故障した場合などには、制御軸32の回転制御が不能になるが、前述と同様に、位置規制カム51の先端部の一側面が最大に突出状態にあるプランジャ54の上端部の外側縁に当接して位置決め係止された状態になるため、再始動時の良好性は勿論のこと、機関運転中においても、最大あるいは最小リフト領域に不用意に移行することが防止され、いわゆるフェイルセーフ機能が発揮されて、運転中の安全性を確保できる。
【0056】
本発明は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば環状ストッパ部56aの上下方向の位置を変更してプランジャ54の突出量を自由に設定することができる。また、位置規制カム51の外形状をさらに変更して、例えば逆三角形などの形状に形成することも可能である。さらに、本装置を排気弁側に適用することも可能であり、また、アクチュエータとしては油圧による駆動機構としても良い。
【0057】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、請求項1及び2に記載の発明によれば、機関停止時に、制御軸がばね部材の付勢力によって位置制御されて、機関弁は、制御軸を介して最小リフト領域と最大リフト領域の所定の中間リフト領域となるように制御され、この制御域は機関の再始動時に最適なリフト領域となる。このため、機関の良好な再始動性が得られる。
また、例えば、アクチュエータが故障した場合などには、制御軸の回転制御が不能になるが、ばね部材の付勢力によって位置制御されて、機関運転中においても、最大あるいは最小リフト領域に不用意に移行することが防止され、いわゆるフェイルセーフ機能が発揮されて、運転中の安全性を確保できる。
【0061】
請求項に記載の発明によれば、ストッパの位置を任意に変更することによって、プランジャの突出量も変更することが可能になることから、機関停止中における機関弁のバルブリフトを任意に設定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す図4のA矢視図である。
【図2】本実施形態の作用を示す図4のA矢視図である。
【図3】本実施形態の作用を示す図4のA矢視図である。
【図4】本実施形態の要部側面図である。
【図5】本実施形態の要部平面図である。
【図6】本実施形態によるバルブリフト特性図である。
【符号の説明】
1…シリンダヘッド
2…吸気弁(機関弁)
4…可変機構
5…制御機構
6…駆動機構
7…位置規制機構
13…駆動軸
15…駆動カム
17…揺動カム
32…制御軸
33…制御カム
…電動モータ
51…位置規制カム
52…シリンダ壁
53…シリンダ孔
54…プランジャ
55…コイルスプリング(ばね部材)
56…ストッパ
56a…環状ストッパ部
56b…フランジ部

Claims (6)

  1. 機関弁の作動角特性及びリフト量を可変制御する可変機構と、
    前記可変機構の作動角特性及びリフト量を制御軸の位置によって制御する制御機構と、
    機関運転状態に応じて前記制御機構の制御軸の位置を制御する駆動機構と、を備えた内燃機関の可変動弁装置において、
    前記機関の停止時に、前記制御軸の位置が、前記機関弁のリフト量がアイドリング運転時のリフト量より大きなリフト量となるように付勢するばね部材を設けたことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記制御軸を、前記機関弁のリフト量がアイドリング運転時のリフト量より大きなリフト量となる位置に規制する位置規制機構を設けたことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  3. 請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記制御機構は、前記制御軸を回転させて前記可変機構の作動角特性及びリフト量を制御するものであり、
    前記ばね部材は、前記制御軸に固定された位置規制カムに弾接するように構成されていることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  4. 請求項3に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記ばね部材は、プランジャを介して前記位置規制カムに弾接し、前記プランジャには、前記位置規制カムの方向へ突出量を規制するストッパ部を設けたことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  5. 請求項4に記載の内燃機関の可変動弁装置において、
    前記プランジャの突出量を、前記ストッパ部の形成位置に応じて任意に設定可能に形成したことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  6. 機関弁のリフト量を可変制御する可変機構を制御軸の位置によって制御する内燃機関の可変動弁装置に用いられる制御機構であって、
    前記制御軸は、駆動機構によって機関運転状態に応じて位置を制御され、
    機関の停止時に、前記制御軸の位置が、前記機関弁のリフト量がアイドリング運転時のリフト量より大きくなるように付勢するばね部材を設けたことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置に用いられる制御機構。
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