JP2009102249A - ジベンゾオキセピン化合物の結晶の製造方法 - Google Patents

ジベンゾオキセピン化合物の結晶の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】医薬品として有用な(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩の結晶の製造方法を提供すること。
【解決手段】(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩を、非プロトン性極性溶媒に溶解させ、得られた溶液をエーテル溶媒に添加して結晶化させることを特徴とする銅K−アルファX線による粉末X線回折で得られるX線回折パターンにおいて、2θ=12.7°、19.0°および19.4°付近に主要ピークを有し、図1に示すX線回折パターンを有する(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩のA型結晶の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、医薬品として有用なジベンゾオキセピン化合物の結晶の製造方法に関し、さらに詳しくは、(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩の結晶の製造方法に関する。
(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸(一般名:オロパタジン)は、下記式[I]:
で示される化合物である。この化合物またはその酸付加塩はアレルギー性鼻炎、蕁麻疹などに適用される抗アレルギー薬として有用な医薬化合物である(特許文献1、2)。
下記式[II]:
で示される(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩の結晶は、アセトン−水から晶析する方法が知られている(非特許文献1)。
この方法で晶析した場合、X線回折(X-ray diffraction;XRD)パターンは図3で示され、顕微鏡写真が図6で示されるような柱状の結晶として得られ、M型結晶と呼ばれている。
また、特許文献3には、粗製の(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩を還流温度でメタノールに加熱して溶解させ、室温に冷却したのち攪拌し、得られる固形物を濾過、乾燥することによりX線回折パターンにおいて、2θ=9.25、10.60、13.09、13.38、14.97、16.73、17.14、17.93、18.39、18.69、19.35、19.60、20.30、21.12、22.11、22.72、23.14、23.44、23.93、25.09、25.85、26.59、28.91、30.02および31.81±0.2°にピークを有するII型結晶を得たことが記載されている(実施例43参照)。
特開平6−9609号公報 特公表2003−520813号公報 国際公開2007/105324号パンフレット MerckIndex14版、1178頁、2006年発行
本発明は、医薬品として有用なオロパタジンの塩酸塩、すなわち(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩の結晶の製造方法を工業的有利に提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、従来知られていない非プロトン性極性溶媒とエーテル溶媒との組合せ、または非プロトン性極性溶媒と塩化水素との組合せにより、(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩のA型およびB型結晶が得られることを見出した。本発明者らはこれらの新知見に基づき、さらに研究を重ねて、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
[1] (Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩を、非プロトン性極性溶媒に溶解させ、得られた溶液をエーテル溶媒に添加して結晶化させることを特徴とする銅K−アルファX線による粉末X線回折で得られるX線回折パターンにおいて、2θ=12.7°、19.0°および19.4°付近に主要ピークを有し、図1に示すX線回折パターンを有する(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩のA型結晶の製造方法、
[2] 非プロトン性極性溶媒がジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンおよびアセトンからなる群から選ばれる1種以上の溶媒であり、エーテル溶媒がジオキサン、テトラヒドロフランおよびジメチルエーテルからなる群から選ばれる1種以上の溶媒である前記[1]に記載の製造方法、
[3] 非プロトン性極性溶媒がジメチルスルホキシドであり、エーテル溶媒がジオキサンである前記[1]に記載の製造方法、
[4] 非プロトン性極性溶媒がN,N−ジメチルホルムアミドであり、エーテル溶媒がジオキサンである前記[1]に記載の製造方法、
[5] (Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩を非プロトン性極性溶媒に溶解させ、得られた溶液に塩化水素または塩酸を添加して結晶化させることを特徴とする銅K−アルファX線による粉末X線回折で得られるX線回折パターンにおいて、2θ=18.5°、19.2°、20.1°および28.8°付近に主要ピークを有する(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩のB型結晶の製造方法、
[6] 非プロトン性極性溶媒が、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンおよびアセトンからなる群から選ばれる1種以上の溶媒である前記[5]に記載の製造方法、および
[7] 非プロトン性極性溶媒が、ジメチルスルホキシドである前記[5]に記載の製造方法、
に関する。
本発明によれば、医薬として有用な(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩のA型およびB型結晶の工業的有利な製造方法を提供することができる。
本発明の結晶の製造方法については、以下に詳細に述べる。なお、%は特に指定しない限り、重量%を意味する。
(A型結晶の製造方法)
銅K−アルファX線による粉末X線回折で得られるX線回折パターンにおいて、2θ=12.7°、19.0°および19.4°付近に主要ピークを有する(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩の結晶(以下、単にA型結晶ともいう。)は、(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩のM型結晶(以下、単にM型結晶ともいう。)を非プロトン性極性溶媒に溶かし溶液にしたのち、該溶液をエーテル溶媒に添加し晶析させ、濾別することにより得られる。
原料としての(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩のM型結晶は公知の方法により製造することができ、例えば、以下のようにして得られる。11−ヒドロキシ−11−(3’−ジメチルアミノプロピル)−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸t−ブチルエステルをトルエンまたはクロロベンゼンに溶解させ、得られた溶液に35%塩酸を加え、該反応溶液を浴温約100〜105℃で攪拌した後、水を共沸留去する。次いで、該反応溶液を室温まで冷却後、溶媒を除去し、残渣にアセトンと水を加えて攪拌冷却後、濾過し、冷アセトンで結晶を洗浄する。これにより柱状のM型結晶が得られる。このM型結晶は、銅K−アルファX線による粉末X線回折で得られるX線回折パターンにおいて、2θ=12.7°、19.0°および19.4°付近に主要ピークを有し、図3に示すX線回折パターンを有する。
本発明で用いられる非プロトン性極性溶媒としては、例えば、アミド溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトン等が挙げられ、N,N−ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシドが好ましい。非プロトン性極性溶媒の使用量は、(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩のM型結晶1kgに対し、約10L〜250L、好ましくは約10L〜14Lである。
本発明で用いられるエーテル溶媒としては、例えば、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタンまたはテトラヒドロフラン(THF)等が挙げられ、ジオキサンが好ましい。エーテル溶媒の使用量は、(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩のM型結晶1kgに対し、約650L〜700L、好ましくは約660L〜670Lである。
上記エーテルを加えたのち、約10〜30℃にて約24〜110時間熟成(以下、熟成とは、結晶を十分に晶析する目的で攪拌していることを意味する。)し、析出結晶を採取することにより、A型結晶を得ることができる。
(B型結晶の製造方法)
銅K−アルファX線による粉末X線回折で得られるX線回折パターンにおいて、2θ=18.5°、19.2°、20.1°および28.8°付近に主要ピークを有するB型結晶(以下、単にB型結晶ともいう。)は、M型結晶を非プロトン性極性溶媒に溶かして溶液としたのち、該溶液に塩酸または塩化水素を添加し晶析させ、濾別することにより得られる。
上記製造方法で原料として用いられる(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩のM型結晶および溶媒として用いられる非プロトン性極性溶媒は、前記A型結晶の製造方法で記載されたものが使用できる。
本発明で用いられる塩酸の使用量は、(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩1モル量に対して通常約20〜100モル量、好ましくは約30〜80モル量である。塩化水素の使用量は、(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩1モル量に対して、通常約40〜80モル量、好ましくは約50〜60モル量である。
上記塩酸または塩化水素を加えたのち、約10〜30℃にて約40〜60時間熟成し、析出結晶を採取することにより、B型結晶を得ることができる。
上記で得られた(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩のA型結晶およびB型結晶は、CuKα放射線源を備えたX線回折装置(例えば、RINT2500(リガク社製))を用いてX線回折した場合、図1および図2と実質的に同様なXRDパターンを有する。A型結晶は下記表1に示される2θにおいて代表的な強度(cps)を有する主要ピークを伴い、B型結晶は下記表2に示される2θにおいて代表的な強度(cps)を有する主要ピークを伴う。
以下に実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本発明において、例えば11−ヒドロキシ−11−(3’−ジメチルアミノプロピル)−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸t−ブチルエステルは、(11−ヒドロキシ−11−(3’−ジメチルアミノプロピル)−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−イル)酢酸t−ブチルエステルとも命名できる。
[参考例1]
11−ヒドロキシ−11−(3’−ジメチルアミノプロピル)−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸t−ブチルエステルの製造
3000mlの四つ口フラスコにクロロベンゼン1500mlと11−オキソ−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸200g(0.746モル)を仕込み、次いでオキシ三塩化リン45.8g(0.298モル)および水2.7g(0.149モル)を添加した。その後、混合物を40℃に加熱し、イソブテン209.2g(3.728モル)を約8時間かけて吹き込み反応させた。この反応液を、水800mlに炭酸カリウム206.2g(1.492モル)を溶解した溶液中へ冷却しながら投入し、さらに約25℃で1時間攪拌した後、クロロベンゼン層を分取した。さらに、クロロベンゼン層を水200mlに炭酸カリウム51.5g(0.323モル)を溶かした溶液で洗浄した後、減圧下に濃縮して11−オキソ−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸の粗製オイル243gを得た。
得られた粗製オイルをメタノール500mlに溶解し、活性炭10gを加え、50℃で1時間攪拌した後、ブフナーロートで濾過し、50℃に温めたメタノール50mlで活性炭を洗浄した。この母液と洗浄液を徐々に冷却すると30℃で結晶が析出した。さらに10℃にまで冷却の後、ブフナーロートで結晶を濾過し、10℃に冷却したメタノール150mlで結晶を洗浄した。得られた結晶を減圧下に乾燥し、11−オキソ−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸t−ブチルエステル206.2g(0.636モル)を得た。収率は85.3%、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定した純度は99.4%であった。融点68.8℃。
65.1%の3−ジメチルアミノプロピルクロリド塩酸塩水溶液121.4g(0.5モル相当)に水143g、トルエン110mlおよび25%水酸化ナトリウム水溶液146.4gを加えて約25℃で30分攪拌した。分液し、有機層に炭酸カリウム16.8gを加えて脱水したのち濾過し、トルエン60mlで洗浄した。濾液と洗液を合して3−ジメチルアミノプロピルクロリドのトルエン溶液を調製した。
テトラヒドロフラン(THF)10mlとMg0.73gを混合し、1,2−ジブロムエタン0.1gを加えて活性化した。3−ジメチルアミノプロピルクロリドのトルエン溶液11.6gを37〜39℃で滴下した(滴下時間30分間)。ついで、50℃で1時間攪拌して、グリニア試薬を調製した。
THF35mlに11−オキソ−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸t−ブチルエステル6.4g(0.02モル)を溶解した溶液に、15〜20℃で、上記グリニア試薬を約1時間で滴下した。同温度で30分攪拌し、反応液を水30mlと酢酸5.4gの混合液に流入した。28%アンモニア水を加えてpHを9.6に調整し、分液した。有機層を15%食塩水50mlで洗浄後、濃縮し、11−ヒドロキシ−11−(3’−ジメチルアミノプロピル)−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸t−ブチルエステル8.04gを得た。見かけ収率97.68%。11−ヒドロキシ−11−(3’−ジメチルアミノプロピル)−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸t−ブチルエステルは3倍量のイソプロパノールと2倍量の水により精製した。
[参考例2]
(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩の製造
フラスコに、クロロベンゼン2000mlを入れ、これに塩化水素をバブリングしながら、参考例1と同様の製法で得られた11−ヒドロキシ−11−(3’−ジメチルアミノプロピル)−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸t−ブチルエステル192g(0.466モル)をクロロベンゼン691mlに溶解した溶液を2時間で滴下した。250hPaで減圧しながら共沸脱水を行った。塩化水素をさらに40分バブリングし、95℃で3時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し、析出結晶を濾過し、50℃で乾燥して、(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロジベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩146gを得た。収率は見かけで88.4%であった。アセトン:水=2:1を用いて精製し、結晶を得た。得られた結晶は、単斜晶であった。
XRDの測定は、下記条件で行った。測定結果を図3に示す。
(測定条件)
測定装置 :RINT2500(リガク社製)
X線 :Cu−Kα
X線出力 :50kV−300mA
光学系 :集中法光学系
スキャン法 :θ−2θ
スキャン速度 :2θ=4.0°/min
スキャン間隔 :2θ=0.02°
測定範囲 :2θ=2〜40°
スリット :発散スリット−1/2°、受光スリット−0.15mm、散乱スリット−1/2°
得られたM型結晶について、VH−6300(KEYENCE社製)を用いて写真撮影を行った。顕微鏡写真を図6に示す。
得られたM型結晶について、下記条件にてX線結晶解析を行った。
(測定条件)
X線回折装置 :X−AXIS RAPID(リガク社製)
制御ソフトウェア:RAPID AUTO ver.2.30
解析ソフトウェア:Cristal Structure Ver.3.8.1(リガク社製)
X線 :Cu−Kα
出力 :50kV−100mA
温度 :20℃
結晶サイズ :0.2×0.15×0.1mm
(結果)
M型結晶品は単斜晶に属し、格子定数は下記表3の通りであった。オレフィンの絶対配置はZ型である。
[実施例1]
(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩のA型結晶の製造
参考例2で得られた(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩15mgを、ジメチルスルホキシド(DMSO)0.2mlに30℃で溶解し、ジオキサン10mlへ30℃で加え、25℃で96時間熟成した。結晶を濾過し、少量のアセトニトリルで結晶を洗浄し、常圧下乾燥して(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩のA型結晶10mgを得た。
得られたA型結晶について、参考例2と同様の条件でXRDの測定を行うとともに、VH−6300(KEYENCE社製)を用いて写真撮影を行った。XRDの測定結果を図1に、また顕微鏡写真を図4に示す。図4から針状または板状のA型結晶が確認された。
[実施例2]
(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩のB型結晶の製造
参考例2で得られた(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩20mgを常圧、70℃下で、DMSO200μlに超音波攪拌を用いて溶解させた。溶解後、溶液の温度が下がらないうちに35%塩酸約300mgを添加し、25℃にて48時間熟成した。結晶を濾過し、少量のアセトニトリルで結晶を洗浄し、常圧下乾燥して(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩のB型結晶10mgを得た。
得られたB型結晶について、参考例2と同様の条件でXRDの測定を行うとともに、VH−6300(KEYENCE社製)を用いて写真撮影を行った。XRDの測定結果を図2に、また顕微鏡写真を図5に示す。図5から粒状のB型結晶が確認された。
[試験例]
参考例2および実施例1〜2と同様の方法で得られた(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩のM型結晶、A型結晶およびB型結晶各20mgに水1mlを添加し、水温を一定(26〜28℃)に保ち、超音波照射時間を1、3、5分に設定し、水浴中超音波撹拌にて溶解させた。溶液をフィルター濾過し、得られた濾液を下記条件の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)にて分析した。チャートから目的物の面積値を下記データ処理条件で求めることにより、各結晶の溶解度を比較した。結果を図7に示す。
図7から明らかなように、A型結晶およびB型結晶は、M型結晶に比べて水への溶解性が優れていることが確認された。
(HPLC条件)
装置 :島津LC−10A型(島津製作所社製)
カラム :GLサイエンス社製Inertsil ODS−3(4.6mmΦ×150mm、5μm)
カラム温度 :30℃
移動相 :A液 0.1%トリフルオロ酢酸、B液 アセトニトリル
溶離条件 :一定組成(移動相A液/B液=70/30)
移動相流量 :1.0ml/分
検出器 :UV254nm
試料注入量 :1μl
分析時間 :15分
溶出時間 :目的物((Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸) (7.2分)
(デ−タ処理条件)
機種 :LC−solution(島津製作所社製)
設定条件:WIDTH=5,MIN.AREA=1000,SLOPE=200,Drift=0,T.DBL=1000
本発明によれば、医薬として有用な(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩のA型およびB型結晶の製造方法を提供することができる。
A型結晶のXRDパターンを示す。縦軸は強度(cps)を示し、横軸は2θ(°)を示す。 B型結晶のXRDパターンを示す。縦軸は強度(cps)を示し、横軸は2θ(°)を示す。 M型結晶のXRDパターンを示す。縦軸は強度(cps)を示し、横軸は2θ(°)を示す。 A型結晶の顕微鏡写真を示す。 B型結晶の顕微鏡写真を示す。 M型結晶の顕微鏡写真を示す。 A型結晶、B型結晶およびM型結晶の溶解性試験の結果を示す。縦軸は面積値を示し、横軸は攪拌時間(分)を示す。

Claims (7)

  1. (Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩を、非プロトン性極性溶媒に溶解させ、得られた溶液をエーテル溶媒に添加して結晶化させることを特徴とする銅K−アルファX線による粉末X線回折で得られるX線回折パターンにおいて、2θ=12.7°、19.0°および19.4°付近に主要ピークを有し、図1に示すX線回折パターンを有する(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩のA型結晶の製造方法。
  2. 非プロトン性極性溶媒がジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンおよびアセトンからなる群から選ばれる1種以上の溶媒であり、エーテル溶媒がジオキサン、テトラヒドロフランおよびジメチルエーテルからなる群から選ばれる1種以上の溶媒である請求項1に記載の製造方法。
  3. 非プロトン性極性溶媒がジメチルスルホキシドであり、エーテル溶媒がジオキサンである請求項1に記載の製造方法。
  4. 非プロトン性極性溶媒がN,N−ジメチルホルムアミドであり、エーテル溶媒がジオキサンである請求項1に記載の製造方法。
  5. (Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩を非プロトン性極性溶媒に溶解させ、得られた溶液に塩化水素または塩酸を添加して結晶化させることを特徴とする銅K−アルファX線による粉末X線回折で得られるX線回折パターンにおいて、2θ=18.5°、19.2°、20.1°および28.8°付近に主要ピークを有する(Z)−11−(3’−ジメチルアミノプロピリデン)−6,11−ジヒドロベンズ[b,e]オキセピン−2−酢酸・塩酸塩のB型結晶の製造方法。
  6. 非プロトン性極性溶媒が、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンおよびアセトンからなる群から選ばれる1種以上の溶媒である請求項5に記載の製造方法。
  7. 非プロトン性極性溶媒が、ジメチルスルホキシドである請求項5に記載の製造方法。
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