JP2009092109A - 減速機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 常に潤滑油で浸されている遊星歯車の軸受けに対して、キャリアの回転方向に係わらず十分な潤滑を行うことができ、しかも、これらの部品寿命を飛躍的に向上させることのできる減速機を提供する。
【解決手段】 潤滑油中に浸漬した遊星歯車機構において、キャリア20dに立設した遊星軸20cに、軸受け20gを介して遊星歯車20bを支承する。遊星軸20cには、縦穴21a及び縦穴21aと交差して軸受け20gに至る貫通横孔21bを形成し、遊星歯車20bの抜け止めを行う上部のリテーナ20hには、フジツボ形状のキャッチプレート26を伏せた状態で取付ける。キャッチプレート26の中央尖塔部には、油取り込み口27を形成する。キャリア20dの正逆回転時に、油取り込み口27から取り込んだ潤滑油を軸受け20gに圧送することができる。
【選択図】 図3
【解決手段】 潤滑油中に浸漬した遊星歯車機構において、キャリア20dに立設した遊星軸20cに、軸受け20gを介して遊星歯車20bを支承する。遊星軸20cには、縦穴21a及び縦穴21aと交差して軸受け20gに至る貫通横孔21bを形成し、遊星歯車20bの抜け止めを行う上部のリテーナ20hには、フジツボ形状のキャッチプレート26を伏せた状態で取付ける。キャッチプレート26の中央尖塔部には、油取り込み口27を形成する。キャリア20dの正逆回転時に、油取り込み口27から取り込んだ潤滑油を軸受け20gに圧送することができる。
【選択図】 図3
Description
本発明は、減速機を構成する遊星歯車機構を、減速機内に溜められた潤滑油中に配設している減速機に関するものである。特に、遊星歯車と遊星軸との間における軸受けに、潤滑油を強制的に供給することのできる減速機に関するものである。
遊星歯車機構において複数の遊星歯車はそれぞれ、太陽歯車との噛み合いによる自転運動に加え、各遊星歯車を回転自在に支承するキャリアを回転させるための公転運動を行う。即ち、遊星歯車機構は、複数の遊星歯車を太陽歯車に噛合させながら、それぞれの遊星軸の回りで自転させつつ、太陽歯車を中心として各遊星軸を太陽歯車の回りで公転させる機構に構成されている。
そして、遊星歯車と遊星歯車の遊星軸との間に介在している軸受けについてみると、軸受けには、遊星歯車の自転運動に伴う回転トルクが加わるとともに、キャリアを回転させる公転運動に伴って、キャリア駆動の反力を常に遊星軸からラジアル方向の荷重として受けることになる。
このため、この軸受けと軸受けの内径を支える遊星軸との間における潤滑状態が、しばしば問題となってくる。特に、遊星歯車が高速で自転運動や公転運動を行う場合には、軸受けと遊星軸との間における潤滑状態が悪化すると、焼付け等が発生してしまう危険性が高くなる。
これを解決するため、軸受けと遊星軸との間に潤滑油を強制的に供給する構成が、様々な態様で各種提案されている。例えば、特開2006−64117号公報に記載されている自動変速機のプラネタリギア構造では、遊星軸(ピニオンシャフト)を強制的に回転させながら、軸受けと遊星軸との間に潤滑油を供給する構成となっている。即ち、外部から強制的に圧送した潤滑油をキャリアに形成した油路内に流し、同油路からの潤滑油を遊星軸の外径部に衝突させることで、遊星軸の回転を行わせるとともに、遊星軸の内部に形成した油路に供給して、軸受けに潤滑油を供給できる構成となっている。
また、例えば、特開2007−120519号公報に記載されている動力伝達装置の潤滑装置では、太陽歯車を取付けた車軸に軸心油路が形成されており、軸心油路にオイルポンプから吐出した潤滑油が供給される構成となっている。軸心油路に供給された潤滑油は、車軸に形成された放射方向の孔を介して環状オイルガイドに供給される。
環状オイルガイドは遊星歯車の一端部側における内周面に取り付けられており、環状オイルガイドに供給された潤滑油は、遊星軸の内部に形成した油路を通って、遊星歯車と遊星軸との間に介装した軸受けに供給される構成となっている。
このように、外部から強制的に供給した潤滑油を、キャリアや太陽歯車の駆動軸等に形成した通路から遊星軸に形成した油路に供給して、遊星歯車と遊星軸との間に介装した軸受けに対して潤滑油を供給する構成が各種提案されている。そして、一般的に遊星軸に形成した油路内で潤滑油を流し、軸受けに供給した後で潤滑油を効率的に排出できるように構成しておくためには、一定の圧力損失に打ち勝って潤滑油を圧送する必要があり、このため、強制潤滑の方式が採用されている。
しかし一方において、構造上の理由から遊星歯車と遊星軸との間に介装した軸受けに対して強制潤滑を行う構成を採用することのできない減速機も存在する。例えば、減速機を備えた建設機械の旋回装置においては、強制潤滑させるための油路等を減速機内に構成することが難しく、しかも、減速機内に強制潤滑させるための油路等を構成することが仮にできたとしても、減速機自体が大型化してしまい実用に耐えない構成となってしまう。
このため、減速機を備えた建設機械の旋回装置等においては、一般に油浴潤滑(オイルバス方式)が採用されており、遊星歯車と遊星軸との間の軸受けや遊星軸は、常に潤滑油に浸漬された状態で使用されている。
そして、オイルバス方式を採用した減速機としては、例えば、以下において特許文献1として示す建設機械用旋回装置や特開2002−357260号公報で開示された旋回用の減速機付き油圧モータ装置、特開2003−232448号公報に開示されている旋回装置、特開2006−220220号公報に開示されている減速機などが提案されている。
特許文献1で示す建設機械用旋回装置を本願発明の従来例として、図9には建設機械用旋回装置の一部切欠縦断面図を示している。図9で示すように、建設機械用旋回減速機51は第1段目キャリアアセンブリ52と、第2段目キャリアアセンブリ53と内歯車54とから成る遊星機構部55を備えている。そして、第1段目キャリアアセンブリ52では、太陽歯車52aに遊星歯車52bが噛合しており、遊星歯車52bは、軸受け56及びピン52cを介してキャリア52dに回転自在に支持されている。
また、第2段目キャリアアセンブリ53では、太陽歯車53aに遊星歯車53bが噛合しており、遊星歯車53bは、軸受け57及びピン53cを介してキャリア53dに回転自在に支持されている。そして、軸受け56及び軸受け57を潤滑するため、ピン52c及びピン53cにはそれぞれ流通路58及び流通路59が形成されている。
特開2001−227623号公報
オイルバス方式を採用した減速機として上述した4つの従来例のものに共通している構成でもあるが、特許文献1で示した建設機械用旋回装置は、二段の遊星歯車機構を用いた減速機として構成されている。そして、一段目における遊星歯車と太陽歯車との噛み合い面よりも高い位置で潤滑油の油面レベルが設定されている。また、遊星軸の中央部及び遊星軸の軸方向と直交する方向にも油孔が形成されており、これらの油孔が、遊星歯車と遊星軸との間に介装した軸受けに潤滑油を供給するための油路として構成されている。
この共通する構成を概略的に示すと、そして、二段の遊星歯車機構における一方の遊星歯車を代表させて示すと、遊星歯車部における上面図としては、図10のように示すことができ、同遊星歯車部における部分縦断面図としては、図11のように示すことができる。
図10、図11に示した例では、遊星歯車60bはキャリア60dによって片持ち支持状態で支持されている。遊星軸60cの下端側は、キャリア60dによって支持されており、遊星軸60cの上端側には、遊星軸60cから遊星歯車60bの抜け止めを行うリテーナ62が取付けられている。遊星歯車60bは、図示せぬ駆動モータのモータ軸に取付けられた太陽歯車60aとリング歯車60eとにそれぞれ噛合しており、軸受け63(図示例ではニードル軸受けを例示している)を介して遊星軸60cに対して回転自在に支承されている。
尚、遊星軸60cは、キャリア60dと嵌合した構成となっているため、遊星軸60c自身が自転を行うことに対しての規制は施されていないが、遊星軸60c自身が自由に回転するようには構成されていない。また、遊星軸60cは遊星歯車60bの軸方向への抜け止めを行う部材として、スナップリング62aとワッシャー62bで固定される構造を示しているが、本願明細書では、スナップリング62aとワッシャー62bも含めて、遊星歯車60bの軸方向への抜け止めを行う部材をリテーナという用語を用いて説明を行っている。
遊星軸60cの中央部には上下方向に貫通した貫通孔64が形成されている。貫通孔64の途中には、貫通孔64と直交する横孔65が形成されており、横孔65は軸受け63に連通している。これにより、貫通孔64に入った潤滑油を軸受け63に供給することができる。
しかし、遊星軸60cの中央部に形成した貫通孔64は、キャリア60dの回転方向、即ち、遊星歯車60bの公転方向に対して垂直な方向に配置された構成となっている。このため、キャリア60dの回転時において潤滑油を、貫通孔64内に送り込む力は、キャリア60dの回転から得ることはできない。代りに、キャリア60dの停止時においてのみ、重力の作用によって周囲にある潤滑油を貫通孔64内に送り込むことができる。
そして、キャリア60dが停止状態から回転を開始すると、貫通孔64内に溜められていた潤滑油の一部は、遠心力の作用によって軸受け63へと移動することができる。これにより、軸受け63に移動した潤滑油によって、軸受け63に対する潤滑を行うことができる。しかし、貫通孔64内に溜められていた潤滑油の一部が軸受け63に供給された後は、軸受け63に新たな潤滑油を供給し続けることはない。
これは建設機械に搭載した旋回装置の使われ方として、一定方向に旋回作業を行った後、また元の位置に戻るように逆方向への旋回作業を行い、これを間欠的に繰り返して行う旋回操作が行われている。この旋回操作を利用して、旋回作業を行った後の停止状態において貫通孔64内に潤滑油を溜めておき、旋回時には貫通孔内に溜めておいた潤滑油の一部を軸受けに供給する構成となっているものと思われる。
ところで近年においては、より高速で旋回作業を行える旋回装置が求められており、しかも、高段階で減速させることにより旋回モータを小型化させ、旋回装置を安価に製造したいという要求がある。このため、高速回転を行う旋回モータを用いて、高速回転する駆動軸に取付けた太陽歯車の回転を、同太陽歯車に噛合する遊星歯車を介して減速させることになる。
このとき、一定方向への旋回動作を行っている間における遊星歯車の回転及びキャリアの回転としては、高回転数で回転することになり、軸受けと遊星軸とにおいてはより多くの回転トルクとキャリア駆動の反力とが発生する。
このため、キャリアの停止時に遊星軸の中央部に形成した貫通孔に入り込んだ潤滑油を利用しただけの潤滑方法では、旋回作動中に油切れや潤滑不足の発生が避けられない事態となる。その結果、高速回転する太陽歯車の回転を高段階で減速させていく場合には、軸受け及び遊星軸の寿命が著しく低下してしまうことになる。
本発明では、これらの問題を解決することができ、常に潤滑油で浸されている遊星軸と遊星歯車と遊星軸との間に配した軸受けに対して、遊星歯車における公転回転の方向に係わらず強制的に十分な潤滑を行うことができ、しかも、これらの部品寿命を飛躍的に向上させることのできる減速機を提供することにある。
本願発明の課題は請求項1〜4に記載された各発明により達成することができる。
即ち、本願発明の減速機は、減速機内に溜められる潤滑油中に、遊星歯車機構が配設され、遊星歯車と遊星軸との間の軸受けに前記潤滑油を供給する流通路が、前記遊星軸に形成されてなる減速機であって、
前記遊星軸の軸端に開口した前記流通路の端部を、隙間を介して覆うキャッチプレートが、中央に向かって突き出た尖塔部を備え、前記遊星軸から前記遊星歯車の抜け止めを行うリテーナに取付けられ、前記遊星歯車の公転運動時に、面に沿った潤滑油の流れを生成する前記尖塔部の面が、前記遊星軸の軸方向に対して傾斜した傾斜面として形成され、前記流通路と連通してなる油取り込み口が、前記尖塔部の頂部に形成されてなることを最も主要な特徴となしている。
即ち、本願発明の減速機は、減速機内に溜められる潤滑油中に、遊星歯車機構が配設され、遊星歯車と遊星軸との間の軸受けに前記潤滑油を供給する流通路が、前記遊星軸に形成されてなる減速機であって、
前記遊星軸の軸端に開口した前記流通路の端部を、隙間を介して覆うキャッチプレートが、中央に向かって突き出た尖塔部を備え、前記遊星軸から前記遊星歯車の抜け止めを行うリテーナに取付けられ、前記遊星歯車の公転運動時に、面に沿った潤滑油の流れを生成する前記尖塔部の面が、前記遊星軸の軸方向に対して傾斜した傾斜面として形成され、前記流通路と連通してなる油取り込み口が、前記尖塔部の頂部に形成されてなることを最も主要な特徴となしている。
また、本願発明では上述した発明において、キャッチプレートの形状及び油取り込み口の形状を特定したことを主要な特徴となしている。
更に、本願発明では上述した発明において、キャッチプレートを遊星軸の両端部側に取付けた構成を主要な特徴となしている。
更に、本願発明では上述した発明において、キャッチプレートを遊星軸の両端部側に取付けた構成を主要な特徴となしている。
本願発明では、中央に向かって突き出た尖塔部を備えたキャッチプレートを、遊星軸から遊星歯車の抜け止めを行うリテーナに取付けた構成となっている。しかも、尖塔部の頂部には、遊星軸に形成した流通路と連通してなる油取り込み口が形成されている。また、前記遊星歯車の公転運動時に、面に沿った潤滑油の流れを生成する前記尖塔部の面が、遊星軸の軸方向に対して傾斜した傾斜面として形成されている。
この構成によって、キャリアがどちらの方向に回転しても、即ち、遊星歯車がどちらの方向に公転運動を行っても、潤滑油をキャッチプレートの尖塔部に形成した油取り込み口から取り込むことができる。
キャリアの回転時に発生する潤滑油の流れとしては、尖塔部を形成する面の表面に沿った流れが発生する。そして、潤滑油の流れとしては、傾斜面の表面に沿った略直線状の流れの状態から、尖塔部の頂部において角をまわる流れに変化することになる。角をまわる流れによって発生する渦流によって、潤滑油は尖塔部の頂部に形成した油取り込み口の中に導入されることになり、キャッチプレートの内部空間内に潤滑油を取り込むことができる。
そして、尖塔部の頂部における角をまわる流れは、キャリアが正逆どちらの方向に回転しても得られる流れとなる。従って、キャリアの回転方向、即ち、遊星歯車の公転方向がどちらの方向に回転しようとも、常に、油取り込み口から潤滑油をキャッチプレート内に取り込むことができる。キャッチプレート内に取り込んだ潤滑油は、遊星軸に形成した流通路内を圧送されて、遊星歯車と遊星軸との間の軸受けを潤滑することができる。
遊星軸の軸端に開口した流通路の端部形状を、油取り込み口側に向かって拡開したすり鉢形状に形成しておくことによって、キャッチプレート内に取り入れた潤滑油を効率的に流通路内に圧送することができる。これにより、キャリアの回転方向に係わらず、遊星歯車と遊星軸との間の軸受けに対して、強制的に潤滑油を供給することができる。
キャッチプレートは、例えば、板金部材をフジツボ形状に絞り加工し、頂部に開口部を設けた構成としておくことができる。そして、キャッチプレートを溶接、ボルト固定等の固定手段によって、リテーナに取付けることができる。
あるいは、一対の板金部材を二組用意しておき、それぞれの組の板金部材を折り曲げておき、折り曲げた側面部と他の組の折り曲げた側面部とを相互に溶接固定して、内側に空間部を有するオベリスク形状に構成しておくこともできる。オベリスク形状の頂部における形状としては、矩形形状の開口部として構成しておくことができる。オベリスク形状のキャッチプレートも、溶接、ボルト固定等の固定手段によって、リテーナに取付けることができる。
あるいは、一対の板金部材を二組用意しておき、それぞれの組の板金部材を折り曲げておき、折り曲げた側面部と他の組の折り曲げた側面部とを相互に溶接固定して、内側に空間部を有するオベリスク形状に構成しておくこともできる。オベリスク形状の頂部における形状としては、矩形形状の開口部として構成しておくことができる。オベリスク形状のキャッチプレートも、溶接、ボルト固定等の固定手段によって、リテーナに取付けることができる。
このように軸受けに対する潤滑油の供給構造を、遊星歯車機構を用いた減速機に構成しているので、遊星歯車が高速で自転及び公転を行ったとしても、しかも、どちらの方向に公転運動を行ったとしても、軸受けにおいて油切れが生じるのを防止でき、軸受け及び遊星軸を常に良好な状態で使用することができる。従って、軸受け及び遊星軸に対する信頼性を大幅に向上させ、これらの部材の寿命を大幅に向上させることができる。
本発明の好適な実施の形態について、添付図面に基づいて以下において具体的に説明する。本願発明の減速機の構成としては、以下で説明する電動旋回装置に用いた減速機の構成以外にも、例えば、油圧モータと組合された減速機であったとしても、オイルバス方式を採用した各種減速機に対して本願発明を有効に適用することができる。このため、本発明は、以下に説明する実施例に限定されるものではなく、多様な変更が可能である。
図1は、本発明の実施形態に係わる建設機械に用いられる電動旋回装置の縦断面図である。図2及び図3には、本願発明の特徴的構成である、遊星歯車と遊星軸との間に配した軸受けに潤滑油を供給する流通路の要部構成を模式図で示している。図1に示すように、電動旋回装置4は、電動モータ5と減速機10とを備えて構成されている。
電動モータ5は、図示せぬ旋回制御装置からの制御によって、所定の電力が供給されて回転駆動する。電動モータ5は、従来の油圧モータとほぼ同じ大きさのものを用いているが、従来の油圧モータと異なる大きさのものを用いることもできる。また、電動モータ5は、従来の油圧モータに相当する出力トルクを生じさせるために、油圧モータに比べて高速回転型のモータを用いている。
電動モータ5の下部側には、モータ駆動軸5aの回転を減速する減速機10が設けられている。減速機10は、三段階の減速機として構成されている。三段階の減速機としては、電動モータ5からの回転を最初に減速する第一減速機11、第一減速機11で減速した回転を更に減速する第二減速機12、そして、第二減速機12で減速した回転を更にもう一度減速して出力ピニオン14を回転させる第三減速機13から構成されている。
第一減速機11と第二減速機12との間には、メカニカルブレーキ15が配設されている。また、減速機10内の潤滑油室9には潤滑油が溜められており、第一減速機11、第二減速機12、第三減速機13及びメカニカルブレーキ15は、潤滑油中に配された構成となっている。
電動旋回装置4は上部旋回体2に固定され、スイングサークル3は下部走向体1に固定されている。また、上部旋回体2にはスイングサークル3に対して外接して相対回転できるように同芯円状の外輪8(左側断面の図示は省略)が固定されている。外輪8とスイングサークル3との間で相対回転が行えるように、外輪8とスイングサークル3との間にはベアリング8aが介在されている。
そして、第三減速機13からの出力で回転される出力ピニオン14は、下部走向体1に設けたスイングサークル3に形成された内歯に噛合しており、出力ピニオン14が回転することによって、上部旋回体2は下部走向体1に対して旋回動することができる。
次に減速機10の構成及びメカニカルブレーキ15の構成について説明するが、減速機10としては三段階の減速機に限定されるものではなく、一段階の減速機を含む適宜の段数を備えた減速機として構成しておくことができる。
尚、図示例では、第一減速機11から第三減速機13における各遊星歯車11b、12b、13bが、それぞれのキャリア11d、12d、13dによって片持ち状態で支持された例を示している。しかし、各遊星歯車11b、12b、13bの支持構造としては、各遊星歯車11b、12b、13bの遊星軸11c、12c、13cにおける両端が、それぞれのキャリア11d、12d、13dによって支持された構成としておくこともできる。両端支持の支持構成は公知の支持構成であるため特に例示していないが、オイルバス方式の減速機として背景技術において例示した特開2006−220220号公報には、両端支持の支持構成が開示されている。
また、メカニカルブレーキ15の構成としては、以下で説明するブレーキ機構に限定されるものではなく、周知のブレーキ機構を用いることができる。ブレーキ機構を配設する部位としては、第一減速機11と第二減速機12との間の部位に限定されるものではない。
減速機10及びメカニカルブレーキ15は、上部旋回体2に固定された円筒状のケーシング7内に収納されている。ケーシング7は、上方から順に、内部に第一減速機11が配設される第1ケーシング7aと、内部にメカニカルブレーキ15が配設されるブレーキケーシング7bと、内部に第二減速機12及び第三減速機13の一部が配設される第2ケーシング7cと、内部に第三減速機13の残りの部分が配設される第3ケーシング7dとから構成されている。各ケーシング7a〜7dは、例えばボルト等の固定手段により隣接するケーシング同士が固定されている。
第1ケーシング7aの上端部には、電動モータ5が固定されており、第3ケーシング7dの下端部は、上部旋回体2に固定されている。図示例では、電動モータ5は、水冷ジャケット19内に配設されている。
第一減速機11は、モータ駆動軸5aに設けた第一太陽歯車11aの回転を減速して、駆動トルクを増大させ、第一駆動軸11fから出力させる構成となっている。第一太陽歯車11aの回転は、第一太陽歯車11aと第1ケーシング7aの内周面に形成した第一リング歯車11eとに噛合している第一遊星歯車11bに伝えられる。
第一遊星歯車11bは、第一キャリア11dに支持された第一遊星軸11cとの間で、第一軸受け11gを介して回転自在に支持されている。また、第一遊星軸11cから第一遊星歯車11bの抜け止めを行うため、第一遊星軸11cの上端部側には、第一リテーナ11hが取付けられている。又、詳しい構成については図2、図3を用いて後述するが、第一リテーナ11hには、潤滑油室9内の潤滑油を第一軸受け11gに供給するためのキャッチプレート(不図示)が取付けられている。
第一リテーナ11hとしては、第一遊星軸11cに取付けられた構成となっているため、上部の第一リテーナ11hも第一遊星軸11cに対して自転方向に回転することが規制されている。
第一太陽歯車11aからの回転によって、第一遊星歯車11bは自転するとともに第一太陽歯車11aの外周を公転する。
第一太陽歯車11aからの回転によって、第一遊星歯車11bは自転するとともに第一太陽歯車11aの外周を公転する。
第一遊星歯車11bの公転運動は、第一遊星歯車11bを回転自在に支障している第一キャリア11dの回転として取り出すことができる。第一キャリア11dの回転速度は、第一太陽歯車11aの外周を公転する第一遊星歯車11bの公転速度となり、第一太陽歯車11aの回転速度よりも減速される。そして、第一キャリア11dの回転は、第一キャリア11dとスプライン結合している第一駆動軸11fに伝えられる。
第二減速機12は、第一駆動軸11fに設けた第二太陽歯車12aの回転を減速して、駆動トルクを増大させ、第二駆動軸12fから出力させる構成となっている。第二太陽歯車12aの回転は、第二太陽歯車12aと第2ケーシング7cの内周面に形成した第二リング歯車12eとに噛合している第二遊星歯車12bに伝えられる。
第二遊星歯車12bは、第二キャリア12dに支持された第二遊星軸12cとの間で、第二軸受け12gを介して回転自在に支持されている。また、第二遊星軸12cから第二遊星歯車12bの抜け止めを行うため、第二遊星軸12cの上端部側には、第二リテーナ12hが取付けられている。又、詳しい構成については図2、図3を用いて後述するが、第二リテーナ12hには、潤滑油室9内の潤滑油を第二軸受け12gに供給するためのキャッチプレート(不図示)が取付けられている。
第二リテーナ12hとしては、第二遊星軸12cに取付けられた構成となっているため、上部の第二リテーナ12hも第二遊星軸12cに対して自転方向に回転することが規制されている。
第二太陽歯車12aからの回転によって、第二遊星歯車12bは自転するとともに第二太陽歯車12aの外周を公転する。
第二太陽歯車12aからの回転によって、第二遊星歯車12bは自転するとともに第二太陽歯車12aの外周を公転する。
第二遊星歯車12bの公転運動は、第二遊星歯車12bを回転自在に支障している第二キャリア12dの回転として取り出すことができる。第二キャリア12dの回転速度は、第二太陽歯車12aの外周を公転する第二遊星歯車12bの公転速度となり、第二太陽歯車12aの回転速度よりも減速される。そして、第二キャリア12dの回転は、第二キャリア12dにスプライン結合している第二駆動軸12fに伝えられる。
第三減速機13は、第二駆動軸12fに設けた第三太陽歯車13aの回転を減速して、駆動トルクを増大させ、第三駆動軸13fから出力させる構成となっている。第三太陽歯車13aの回転は、第三太陽歯車13aと第2ケーシング7cの内周面に形成した第三リング歯車13eとに噛合している第三遊星歯車13bに伝えられる。
第三遊星歯車13bは、第三キャリア13dに支持された第三遊星軸13cとの間で、第三軸受け13gを介して回転自在に支持されている。また、第三遊星軸13cから第三遊星歯車13bの抜け止めを行うため、第三遊星軸13cの上端部側には、第三リテーナ13hが取付けられている。又、詳しい構成については図2、図3を用いて後述するが、第三リテーナ13hには、潤滑油室9内の潤滑油を第三軸受け13gに供給するためのキャッチプレート(不図示)が取付けられている。
第三リテーナ13hとしては、第三遊星軸13cに取付けられた構成となっているため、上部の第三リテーナ13hも第三遊星軸13cに対して自転方向に回転することが規制されている。
第三太陽歯車13aからの回転によって、第三遊星歯車13bは自転するとともに第三太陽歯車13aの外周を公転する。
第三太陽歯車13aからの回転によって、第三遊星歯車13bは自転するとともに第三太陽歯車13aの外周を公転する。
第三遊星歯車13bの公転運動は、第三遊星歯車13bを回転自在に支障している第三キャリア13dの回転として取り出すことができる。第三キャリア13dの回転速度は、第三太陽歯車13aの外周を公転する第三遊星歯車13bの公転速度となり、第三太陽歯車13aの回転速度よりも減速される。そして、第三キャリア13dの回転は、第三キャリア13dにスプライン結合している第三駆動軸13fに伝えられる。第三駆動軸13fの回転は、出力ピニオン14を回転させる回転力として用いられることになる。
このように高速回転していた電動モータ5の回転は、減速機10によって減速されて、高出力トルクの状態となって出力ピニオン14を回転させることができる。また、第一太陽歯車11aから第三太陽歯車13aの構成及び出力ピニオン14の構成としては、それぞれモータ駆動軸5aの先端部、第一駆動軸11fの先端部、第二駆動軸12fの先端部、第三駆動軸13fの先端部を歯車形状に加工して、それぞれの軸5a、11f、12f、13fと一体に形成しておくこともできる。また、それぞれの軸5a、11f、12f、13fに対して回転不可の状態で嵌合させた構成としておくこともできる。
メカニカルブレーキ15は、第一減速機11と第二減速機12との間に配設され、第一減速機11の出力軸である第一駆動軸11fの回転を制動する構成となっている。即ち、メカニカルブレーキ15は、第一駆動軸11fに接合されたブレーキディスク15bを、ブレーキパッド15を介して昇降動制御されるブレーキピストン16であり、挟圧保持したり挟圧保持を解除したりすることができる構成となっている。この構成により、第一駆動軸11fの回転に対して制動を加えることや、制動の解除を行うことができる。
ブレーキディスク15bは、第一駆動軸11fにスプライン接合やセレーション接合などによって接合されたブレーキ連結部15aの外周部に設けられている。ブレーキパッド15cは、ブレーキディスク15bの上下両面に対向する位置に一対設けられている。一対のブレーキパッド15cのうちでブレーキディスク15bの下方側の面に対向して設けられるブレーキパッド15cは、ブレーキケーシング7bのパッド固定部に固定されており、ブレーキディスク15bの上方側の面に対向して設けられるブレーキパッド15cは、ブレーキピストン16の下端部に取り付けられている。
ブレーキピストン16は、略環状に形成されており、ブレーキケーシング7bの段差部分に対向した形状の段差部分を備えている。そして、ブレーキケーシング7bの段差部分とブレーキピストン16の段差部分とによって油圧室17が形成されている。また、ブレーキピストン16は、上部に設けたバネ18によって下方への付勢力が与えられている。
油圧室17に対して圧油の給排を行うことで、ブレーキピストン16の上下方向への摺動を制御することができる。油圧室17への圧油の給排は、ブレーキケーシング7bに形成した油圧ポート17aから行うことができる。油圧室17に圧油が供給されると、ブレーキピストン16はバネ18を圧縮しながら上方側に押し上げられる。これにより、ブレーキピストン16によるブレーキディスク15bの挟圧保持状態が解除され、第一駆動軸11fの回転は制動されない状態となる。
油圧室17から圧油が排出されると、ブレーキピストン16はバネ18の付勢力によって下方側に押し下げられる。これにより、ブレーキディスク15bはブレーキピストン16によって挟圧保持され、第一駆動軸11fの回転は制動されることになる。
尚、本実施例において、1枚のブレーキディスク15bを用いた例を説明したが、この構成に限定されるものではなく、複数枚のブレーキディスクを用いた構成や他の周知の構成によるブレーキ機構を採用しても良い。また、ブレーキディスク15bを用いる場合に、ブレーキパッド15cをブレーキディスク15b側に設けた構成とすることもできる。
次に、図2、図3を用いて、本願発明の特徴的構成である、遊星歯車と遊星軸との間に配した軸受けに潤滑油を供給する流通路構成等について説明する。図2、図3では、第一減速機11〜第三減速機13における軸受けや流通路等の構成を共通した構成として示しており、しかも、特徴的構成が明確になるようにデフォルメした模式図の構成で示している。
図2、図3では、太陽歯車20a、遊星歯車20b、遊星軸20c、キャリア20d、リング歯車20e、軸受け20g、リテーナ20hとした部材符号を用いている。これらの部材符号に付したアルファベットに関しては、第一減速機11〜第三減速機13において上述した部材と対応した各部材に付しているアルファベットと同じアルファベットを用いている。共通のアルファベットを用いることで、第一減速機11〜第三減速機13における部材を代表した形で、図2、図3にそれらの構成を示している。
図2には、遊星歯車20bを中心とした要部の上面図を示しており、図3には、遊星歯車20bを中心とした要部の縦断面図を示している。
図2には、遊星歯車20bを中心とした要部の上面図を示しており、図3には、遊星歯車20bを中心とした要部の縦断面図を示している。
図2、図3に示すように、キャリア20dには、軸受け20gを介して3つの遊星歯車20bをそれぞれ回転自在に支承する遊星軸20cが、3本立設支持されている。軸受け20gとしては、ニードル軸受けなどのような公知のラジアル軸受けを用いることができる。各遊星歯車20bの下端側とキャリア20dとの間にはスラストワシャー23が介在されており、遊星軸20cの上下両端部には、遊星歯車20bの抜け止めを行う一対のリテーナ20hが取り付けられている。
上部のリテーナ20hには、キャッチプレート26が取付けられており、フジツボ形状としたキャッチプレート26が伏せられた状態で上部のリテーナ20hに、ボルト30を介して取付けられている。そして、フジツボ形状としたキャッチプレート26中央の尖塔部26aには、その頂部に油取り込み口27を形成している。リテーナ20hに対するキャッチプレート26の取り付け方法としては、溶接やボルト30による固定方法等の適宜の固定方法を用いることができる。
キャッチプレート26としては、例えば、板金部材をフジツボ形状に絞り加工を施して尖塔部26aを形成し、尖塔部26aの頂部に円形状の油取り込み口27を設けた構成としておくことができる。また、尖塔部26aの周囲には、円板状のフランジ部26bを形成しておくことができる。円板状の板金部材において、外周縁側を除いた中央部側に対して、フジツボ形状の絞り加工を施すことで、尖塔部26aとフランジ部26bとを同時に形成することができる。フランジ部26bには、ボルト30を挿入するボルト挿入孔が形成されている。
各遊星軸20cには、上下方向の縦穴21aと、縦穴21aと交差して軸受け20gに至る貫通横孔21bが形成されている。各遊星軸20cに形成した、縦穴21aと貫通横孔21bとによって、軸受け20gに潤滑油を供給する流通路21が構成されている。
遊星軸20cの軸部に形成した縦穴21aは、遊星軸20cの軸端に開口した縦穴として形成されており、キャッチプレート26は尖塔部26aの内面側において、遊星軸20cの軸端に開口した縦穴21aの開口部21cを、隙間を介して全面的に覆うことができる。縦穴21aの開口部21cは、油取り込み口27側に向かって拡開したすり鉢形状に形成されており、キャッチプレート26内に取り込んだ潤滑油を縦穴21a内に導入し易く構成されている。
縦穴21aの構成としては、遊星軸20cの上下方向に貫通した貫通孔として構成せずに、貫通横孔21bの形成位置よりも深く、下端部側が止め穴として形成しておくことが望ましい。また、軸受け20gに供給された潤滑油は、遊星歯車20bの下部を支えるスラストワシャー23に予め形成しておいた放射状の溝から、遊星軸20cの外部に排出されることになる。
各遊星軸20cはキャリア20dと嵌合した状態で支持されているため、自転方向に各遊星軸20cが回転するのを規制されている。また、上部のリテーナ20hは、スナップリング25aとワッシャー25bとから構成されているが、遊星軸20cに対してネジ固定等の他の構成によって遊星軸20cに取付けることのできるリテーナとして構成しておくこともできる。
スナップリング25aと遊星軸20cとの間で、ワッシャー25bが挟まれて取付けられる構成となっているため、上部のリテーナ20hも自転方向に回転することが規制されている。上部のリテーナ20hが、遊星軸20cとの相対回転により滑りの発生が心配される場合には、遊星軸20cの間で位相のずれが生じないように、キー結合などの構成を採用して滑りの発生を防止しておくこともできる。
この様に、油取り込み口27が伏した状態としたフジツボ形状のキャッチプレート26の中央には、尖塔部26aが形成されているので、遊星歯車20bの公転方向に係わらず油取り込み口27から潤滑油を取り込むことができ、キャッチプレート26内に潤滑油を強制的に取り入れることができる。
即ち、キャリア20dの回転時に、潤滑油は尖塔部26aの面に沿って略直線状に流れ、尖塔部26aの頂部において角をまわる流れに変化することになる。角をまわる流れによって発生する渦流によって、潤滑油は尖塔部26aの頂部に形成した油取り込み口27の中に導入されることになり、キャッチプレート26の内部空間内に潤滑油を取り込むことができる。
従って、遊星歯車20bが公転方向に回転している間は、油取り込み口27から取り入れた潤滑油を強制的に軸受け20gに対して供給し続けることができる。また、遊星歯車20bの公転が停止しているときには、図1で示した潤滑油室9中の潤滑油を重力の作用によって、油取り込み口27から流通路21内に流入させておくことができる。
図4は、本願発明に係わる他の実施例における流通路構成等の縦断面図を示している。第1実施例においては、キャッチプレート26を上部のリテーナ20hに取付けた構成となっているが、第2施例では下部のリテーナ20hにもキャッチプレート28を取付けた構成となっている。キャッチプレート28の構成としては、キャッチプレート26と同様の構成を備えており、フジツボ形状の尖塔部28aには油取り込み口29が形成されている。
キャッチプレート28のフランジ部28bに形成した図示せぬボルト挿入孔に挿入したボルト30を介して、キャッチプレート28は下部のリテーナ20hに取付けられる構成となっている。遊星軸20cに形成した縦孔22としては、遊星軸20cの上下方向に貫通した縦孔22として形成されている。また、遊星軸20cの下端部においても、縦孔22の開口部を大きく構成するため、油取り込み口29側に向かって拡開したすり鉢形状に構成されている。
他の構成は、実施例1における構成と同様の構成を備えている。そのため、実施例1と同様の構成については、実施例1において用いた部材符号と同じ部材符号を用いることでその説明を省略する。
第2実施例によれば、上部のリテーナ20hのみならず、下部のリテーナ20hにも上部のリテーナ20hに設けたキャッチプレート26と同じ構造のキャッチプレート28が設けられている。これにより、キャッチプレート28に設けた油取り込み口29からも潤滑油を取り入れることができるようになり、第1実施例による油の取り入れ効果を倍加させることができる。軸受け20gに供給された潤滑油は、実施例1で説明したように、遊星歯車20bの下部を支えるスラストワシャー23に予め形成しておいた放射状の溝から、遊星軸20cの外部に排出されることになる。
尚、上部のリテーナ20h側における油取り込み口27からの潤滑油の取り込み量と、下部のリテーナ20h側における油取り込み口29からの潤滑油の取り込み量との間に差が生じたときには、油取り込み口27の開口径又は油取り込み口29の開口径を調整することで、それぞれにおける取り込み量が略同じ取り込み量となるように調整することもできる。あるいは、油取り込み口29からの潤滑油の取り込み量が、油取り込み口27からの潤滑油の取り込み量よりも、多少多くなるように構成しておくこともできる。
図5〜図8は、本願発明に係わる他の実施例におけるキャッチプレートの構成を示している。図5は、実施例3におけるキャッチプレート32の全体斜視図を示しており、図6はキャッチプレート32の上面図を示している。また、図7は、図5におけるI方向からの側面図を示しており、図8は、図5におけるII方向からの側面図を示している。
実施例1、2では、キャッチプレート26,28が、内側をくり抜いたフジツボ形状に構成されていた。これに対して、実施例3では、キャッチプレート32が、内側をくり抜いたオベリスク形状に構成されている。このため、実施例1、2では、油取り込み口27,28の形状が、円形形状に形成されていたのに対し、実施例3では油取り込み口35の形状が、矩形形状に形成されている。
他の構成は、実施例1、2における構成と同様の構成を備えている。そのため、実施例1、2と同様の構成については、実施例1、2において用いた部材符号と同じ部材符号を用いることでその説明を省略する。また、実施例3のキャッチプレート32をリテーナ20hに取付けた縦断面図は、図3に示す構成と同様の構成となるので図示を省略している。
図5、図6に示すように、キャッチプレート32は、一対の板金部材からなる第一部材33と一対の板金部材からなる第二部材34とをそれぞれ一組用意しておき、それぞれの組の板金部材を折り曲げて、折り曲げた第一部材33の側面部と折り曲げた第二部材34の側面部同士を内側からの隅肉溶接によって固定し、内側に空間部を有するオベリスク形状に構成されている。
第一部材33は、板金部材を折り曲げて長方形形状の第一尖塔部33a(図8参照)とリテーナ20hの外周形状に合った外周形状を有する第一フランジ部33bとを備えた構成となっている。一対の第一尖塔部33aは、キャッチプレート32における尖塔部の対峙する両側面を構成し、第一フランジ部33bには、キャッチプレート32をリテーナ20hに固定するボルト30を挿入するボルト挿入孔36が形成されている。
第二部材34は、板金部材を折り曲げて台形形状の第二尖塔部34a(図7参照)とリテーナ20hの外周形状に合った外周形状を有する第二フランジ部34bとを備えた構成となっている。一対の第二尖塔部34aは、キャッチプレート32における尖塔部の第一フランジ部33bで構成した残りの両側面を構成し、第二フランジ部34bには、キャッチプレート32をリテーナ20hに固定するボルト30を挿入するボルト挿入孔36が形成されている。
第一尖塔部33aの両側面部と第二尖塔部34aの両側面部とを、内側から隅肉溶接することで、オベリスク形状に構成することができる。そして、第一尖塔部33aと第二尖塔部34aとで囲まれたオベリスク形状の頂部には、矩形形状となった油取り込み口35が形成される。第一フランジ部33bの側面部と第二フランジ部34bの側面部とは、当接状態にしておくことができる。又、必要に応じて、第一フランジ部33bの側面部と第二フランジ部34bの側面部とを接着剤により接着しておくことも、粘着テープで接合しておくこともできる。
一対の第一尖塔部33aはそれぞれ、キャリア20dの回転時に、面に沿った潤滑油の流れを生成する面として配置構成されている。即ち、キャリア20dの回転時に、潤滑油は一方の第一尖塔部33aの面に沿って略直線状に流れ、第一尖塔部33aの頂部において角をまわる流れに変化することになる。角をまわる流れによって発生する渦流によって、潤滑油は尖塔部の頂部に形成した油取り込み口35の中に導入されることになり、キャッチプレート32の内部空間内に潤滑油を取り込むことができる。
図示例では、特に、図7、図8に示すように、第一尖塔部33aは傾斜面として構成され、第二尖塔部34aは垂直面として構成されているが、第二尖塔部34aに対して多少の傾斜を持たせて構成しておくこともできる。また、キャリア20dの回転時に、第一尖塔部33aの面がキャリア20dの回転方向に対して直交するように配置するため、太陽歯車20aの回転軸側における第二尖塔部34aの横幅を、リング歯車20e側における第二尖塔部34aの横幅よりも狭く構成しておくこともできる。
オベリスク形状のキャッチプレート32を、実施例2と同様に上部のリテーナ20hのみならず、下部のリテーナ20hにも設けておくこともできる。この場合、実施例2で説明したように、遊星軸20cの上下方向に貫通した流通路21を形成しておくことが必要である。
本願発明は、本願発明の技術思想を適用することができる装置等に対しては、本願発明の技術思想を適用することができる。
4・・・電動旋回装置、5・・・電動モータ、9・・・潤滑油室、10・・・減速機、11・・・第一減速機、12・・・第2減速機、13・・・第三減速機、14・・・出力ピニオン、15・・・メカニカルブレーキ、20a・・・太陽歯車、20b・・・遊星歯車、20c・・・遊星軸、20d・・・キャリア、20e・・・リング歯車、20g・・・軸受け、20h・・・リテーナ、21・・・流通路、21a・・・縦穴、21b・・・貫通横孔、21c・・・開口部、22・・・縦孔、22a、22b・・・開口部、25a・・・スナップリング、25b・・・ワッシャー、26・・・キャッチプレート、27・・・油取り込み口、28・・・キャッチプレート、29・・・油取り込み口、32・・・キャッチプレート、33・・・第一部材、34・・・第二部材、35・・・油取り込み口、51・・・建設機械用旋回減速機、52・・・第1段目キャリアアセンブリ、53・・・第2段目キャリアアセンブリ、54・・・内歯車、55・・・遊星機構部、56、57・・・軸受け、58、59・・・流通路、60a・・・太陽歯車、60b・・・遊星歯車、60c・・・遊星軸、60d・・・キャリア、60e・・・リング歯車、62・・・リテーナ、63・・・軸受け、64・・・貫通孔、65・・・横孔。
Claims (4)
- 減速機内に溜められる潤滑油中に、遊星歯車機構が配設され、
遊星歯車と遊星軸との間の軸受けに前記潤滑油を供給する流通路が、前記遊星軸に形成されてなる減速機であって、
前記遊星軸の軸端に開口した前記流通路の端部を、隙間を介して覆うキャッチプレートが、中央に向かって突き出た尖塔部を備え、前記遊星軸から前記遊星歯車の抜け止めを行うリテーナに取付けられ、
前記遊星歯車の公転運動時に、面に沿った潤滑油の流れを生成する前記尖塔部の面が、前記遊星軸の軸方向に対して傾斜した傾斜面として形成され、
前記流通路と連通してなる油取り込み口が、前記尖塔部の頂部に形成されてなることを特徴とする減速機。 - 前記キャッチプレートが、内側をくり抜いたフジツボ形状に形成され、
前記キャッチプレートが、フジツボ形状の尖塔部を突出させた状態で前記リテーナに取付けられ、
前記油取り込み口が、前記フジツボ形状の頂部において円形に形成されてなることを特徴とする請求項1記載の減速機。 - 前記キャッチプレートが、内側をくり抜いたオベリスク形状に形成され、
前記キャッチプレートが、オベリスク形状の尖塔部を突出させた状態で前記リテーナに取付けられ、
前記油取り込み口が、前記オベリスク形状の頂部において矩形に形成されてなることを特徴とする請求項1記載の減速機。 - 前記キャッチプレートが、前記遊星軸の両端部にそれぞれ配したリテーナに取付けられてなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の減速機。
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- 2007-10-05 JP JP2007261883A patent/JP2009092109A/ja active Pending
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