JP2009090591A - 感熱記録体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 バーコード印字性を損なうことなく、且つ牛乳がかかっても記録部分の退色が少ない感熱記録体を提供する。
【解決手段】 支持体上に、ロイコ染料、呈色剤、及び増感剤を含有する感熱記録層を有する感熱記録体において、前記感熱記録層は、前記ロイコ染料100質量部あたり、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン100〜200質量部、及び1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン20〜90質量部を含有し、更に特定構造のジフェニルスルホン架橋型化合物を、前記感熱記録層に含まれる全固形分の5〜10質量%含有する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、記録濃度、記録部の耐可塑剤性、耐油性に加えて、バーコード印字性、記録部の耐ミルク性に優れた感熱記録体に関する。
ロイコ染料と呈色剤の加熱による発色反応を利用して発色画像を形成する感熱記録体は比較的安価であり、また画像形成のための記録装置は、コンパクトで、且つその保守も容易であるという特徴を有している。このような理由から、ファクシミリや各種計算機等のアウトプット、科学計測機器のプリンター等の記録媒体としてだけでなく、POSラベル、ATM、CAD、ハンディーターミナル、各種チケット、ロッタリー等の記録媒体としても使用されるようになり、画像の鮮明さ、保存安定性に対する要求が厳しくなってきている。
特開平8−333329号公報(特許文献1)に、発色した画像の保存安定性、特に耐可塑剤性に優れた呈色安定剤として、所定構造を有するジフェニルスルホン架橋型化合物が提案されている。また、特開平10−297090号公報(特許文献2)には、上記特定構造を有するジフェニルスルホン架橋型化合物とヒドロキシジフェニルスルホン誘導体とを併用することで、動的発色感度と耐可塑剤性が改善されることが開示されている。
また、特開平10−297092号公報(特許文献3)には、特許文献1に示すジフェニルスルホン架橋型化合物を保存性改良剤として、全固形分の1〜30重量%含有させることにより、記録部の耐水性、耐可塑剤性、高温、高温高湿での保存性を改善することが提案されており、同特許文献3の実施例10には、呈色剤としてビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンを使用し、増感剤として1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタンを使用した組合わせが開示されている。
さらに、特開2001−80219号公報(特許文献4)には、デンプンとポリ酢酸ビニルとのグラフト共重合体である接着剤との併用において、呈色剤として、上記特許文献1に示されているジフェニルスルホン架橋型化合物を使用して、耐可塑剤性、耐油性、耐湿熱性(30℃、80%RHで放置したときの画像保存性)を改善した感熱記録体が開示されている。さらに、呈色剤としてビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンを併用することにより、記録感度と記録部の経時的保存性が高められる効果が得られることが記載されている。
さらにまた、特開2004−276281号公報(特許文献5)には、呈色剤として、ジフェニルスルホン架橋型化合物及びN−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアを、ロイコ染料(3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン)と組合わせて用いることにより、未記録部の耐熱性、耐光性、及び記録部の耐可塑剤性、耐油性に優れた感熱記録体が得られることが開示されている。同文献5の比較例4には、N−p−トルエンスルホニル−N’−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニルウレアに代えて、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンを用いても耐油性、耐可塑剤性は保持されていることが示されている。
ところで、POS(point of sales)システム用のレジ用紙、チケット用紙及びロッタリー用紙といった金券類などに利用される感熱記録体では、従来の、記録部の耐可塑剤性、耐油性、耐湿熱性の充足だけでは足りず、ハンドクリームや牛乳、酢といった、日常一般家庭で用いられるような種々の食品、薬品に対しても、記録部が保持されていることが求められるようになっている。種々の食品、薬品のうち、牛乳は乳脂肪分、蛋白質、水等の混合物で、記録部に対して、油や水とは異なった作用を示す。このため、耐油性又は耐水性を充足している感熱記録体であっても、牛乳がかかった記録部は退色してしまうといった場合が少なくない。
初期の記録濃度を高めておくことで、記録部の保存性を確保するということも可能であるが、上記金券類などには、バーコードを印字している場合があり、印字部分の鮮明さの点から、単に発色感度を高くして発色濃度を上げるだけでは、細いバーコードの線の端縁の鮮明さが損なわれてしまい、バーコード印字性を確保できないといった新たな問題を惹起してしまうといった複雑な事情がある。
特開平8−333329号公報 特開平10−297090号公報 特開平10−297092号公報 特開2001−80219号公報 特開2004−276281号公報
このように、近年、新たに求められるようになった牛乳に対する耐性を、バーコード印字性を損なうことなく、確保する必要があるが、従来の耐油性、耐可塑剤性の改善だけでは、十分対処できない。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、バーコード印字性を損なうことなく、且つ牛乳がかかっても記録部分の退色が少ない感熱記録体を提供することにある。
本発明者は、ロイコ染料、呈色剤、増感剤、ジフェニルスルホン架橋型化合物の種々の組合わせを検討し、上記目的を達成できる感熱記録体を見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の感熱記録体は、支持体上に、ロイコ染料、呈色剤、及び増感剤を含有する感熱記録層を有する感熱記録体において、前記感熱記録層は、前記ロイコ染料100質量部あたり、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン100〜200質量部、及び1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン20〜90質量部を含有し、更に下記一般式(1)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物を、前記感熱記録層に含まれる全固形分の5〜10質量%含有することを特徴とする。
Figure 2009090591

(式中、nは1〜7の整数である)
前記感熱記録層における3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンと前記ジフェニルスルホン架橋型化合物との含有量比(3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン:ジフェニルスルホン架橋型化合物)は、1:0.4〜1:0.8であることが好ましい。
また、前記ジフェニルスルホン架橋型化合物は、上記式で表される1種類の化合物であってもよいし、2種以上の混合物であってもよく、含有されるジフェニルスルホン架橋型化合物としての崩壊温度110℃〜180℃であることが好ましい。
更に、本発明の感熱記録体は、前記ロイコ染料は、前記感熱記録層に含まれる全固形分に対して5〜25質量%含有され、前記ロイコ染料100質量部に対して、前記呈色剤170〜400質量部、増感剤20〜120質量部含有されていることが好ましく、さらに、前記感熱記録層には、接着成分が、該感熱記録層の全固形分の5〜30質量%含有されていることが好ましい。
本発明の感熱記録体は、記録部に耐ミルク性が要求される感熱記録体として好適である。具体的には、感熱記録した感熱記録体を、牛乳中に12時間浸漬した後、取り出し、余分な牛乳を吸い取り、10分以上、室温で乾燥させた後の記録部の、波長660nmでの反射率が30%以下であることが要求されるような感熱記録体として好適に用いられる。
本発明の感熱記録体は、感熱記録層において、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタンを、ロイコ染料に対して所定量含有し、特定構造のジフェニルスルホン架橋型化合物を、特定範囲の含有量で組合わせることにより、耐可塑剤性、耐油性だけでなく、バーコード印字性を満足する範囲で印字し、しかも牛乳のような食品に対しても、記録部の保存性を確保することができる。
本発明の感熱記録体は、支持体上に、ロイコ染料、呈色剤及び増感剤を含有する感熱記録層を有する感熱記録体において、前記感熱記録層は、前記ロイコ染料100質量部あたり、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン100〜200質量部、及び1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン20〜90質量部を含有し、更に下記一般式(1)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物を、前記感熱記録層に含まれる全固形分の5〜10質量%含有する。
Figure 2009090591

(式中、nは1〜7の整数である)
本発明の感熱記録体に用いられる支持体としては、特に限定しないが、例えば、中性または酸性の上質紙、合成紙、透明又は半透明のプラスチックフィルム、白色のプラスチックフィルム等が挙げられる。支持体の厚みは特に限定しないが、通常、20〜200μm程度である。
本発明で用いられるロイコ染料としては、例えばトリフェニルメタン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オーラミン系、スピロピラン系、インドリルフタリド系などのロイコ染料が好ましく用いられる。ロイコ染料の具体例として例えば、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、クリスタルバイオレットラクトン、3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−(p−トルイジノ)フルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン、および3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド等が挙げられる。これらのロイコ染料は2種以上併用することもできる。
上記のロイコ染料のなかでも、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランは発色感度が優れているため好ましく用いられる。
ロイコ染料の含有量は感熱記録層の全固形分に対し5〜25質量%程度、好ましくは7〜20質量%程度である。また、ロイコ染料の平均粒径は0.1〜3μm程度とすることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.5μm程度である。ここでいう平均粒径は、水分散液の状態で、レーザ回折式粒径測定器で測定される粉末の粒子径のメジアン径をいう。
本発明で用いられる3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンは、ロイコ染料と接触して発色させる呈色剤として作用する。3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンは、ロイコ染料100質量部に対して100〜200質量部含有される。好ましくは100〜190質量部であり、より好ましくは100〜180質量部である。3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンは、ロイコ染料と反応して、660nmの吸収性に優れた記録部を形成でき、特に、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタンとの組合わせにおいて、含有比を調整することで、端縁が鮮明なバーコードを得ることができるエネルギーの許容範囲を広くとることができる。また、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンは、耐ミルク性に優れた記録部を形成することができる。理由は明らかではないが、特に、特定構造を有するジフェニルスルホン架橋型化合物との組合わせにおいて、含有比を調整することで、記録部の牛乳に対する退色を抑制することができる。
3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンは、平均粒径0.1〜3μm程度とすることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.5μm程度のものを含有させることが好ましい。
1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタンは、増感剤として含有される。
1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタンは、ロイコ染料100質量部に対して20〜90質量部含有される。好ましくは25〜85質量部であり、より好ましくは30〜80質量部である。多すぎると、発色感度が高くなりすぎて、呈色剤の含有量を所定範囲内に止めても、バーコード印字の場合に、線が太くなったり、線の端縁ににじみがでて、シャープな細線のバーコードが得られにくい。一方、少なすぎると、発色感度が低くなって、バーコードの細線では濃度が薄くなり、初期の読取り性の低下はもちろん、記録部の保存性も確保しにくい。
本発明の感熱記録層には、さらに下記一般式(1)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物を含有する。
Figure 2009090591
式中、nは1〜7の整数である。本発明の感熱記録層に含有されるジフェニルスルホン架橋型化合物は、上記一般式において、nの値が1種類の単一化合物であってもよいし、nが異なる複数種類の化合物の混合であってもよい。好ましくは、含有されるジフェニルスルホン架橋型化合物全体としての崩壊温度が110〜180℃のものが好ましく用いられ、より好ましくは110〜170℃である。具体的には、n=1及び2の化合物を50〜80%程度含むものは、崩壊温度が当該範囲内になる。尚、崩壊温度は、DSC(示差走査熱量計)で測定された温度である。
上記(1)式で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物は、呈色剤としても作用し得るし、保存安定剤としても作用し得る。特に、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンとの組合わせにおいて、含有比を調整することで、優れた耐ミルク性を達成できる。
上記ジフェニルスルホン架橋型化合物は、感熱記録層の全固形分の5〜10質量%含有され、好ましくは5〜9.5質量%、より好ましく5〜9質量%含有される。また、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン:ジフェニルスルホン架橋型化合物(含有量比率)は、1:0.4〜1:0.8の範囲とすることが好ましく、より好ましくは1:0.4〜1:0.7の範囲である。上記ジフェニルスルホン架橋型化合物の含有率が高くなりすぎると、記録濃度が低下する傾向にある。一方、少なすぎると、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン及び1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタンを、上記範囲で含有させても、十分な耐ミルク性を確保しにくい傾向にある。
上記ジフェニルスルホン架橋型化合物は、平均粒径0.1〜3μm程度とすることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.5μmである。
本発明の感熱記録体には、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン及び上記ジフェニルスルホン架橋型化合物の他、本発明の効果を阻害しない範囲において他の呈色剤を含有することができる。他の呈色剤の具体例としては、例えば4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−アリルオキシジフェニルスルホン、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、1,4−ビス〔α−メチル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン等のフェノール性化合物、N−p−トリルスルホニル−N’−フェニルウレア、4,4’−ビス〔(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド〕ジフェニルメタン、N−p−トリルスルホニル−N’−p−ブトキシフエニルウレア等の分子内にスルホニル基とウレイド基を有する化合物、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸亜鉛、4−〔3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸等の芳香族カルボン酸の亜鉛塩等が挙げられる。感熱記録層における、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン及び上記ジフェニルスルホン架橋型化合物を含めた呈色剤の含有量は、ロイコ染料100質量部に対して170〜400質量部程度とすることが好ましい。
また、本発明の効果を阻害しない範囲において、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン以外の増感剤を併用することができる。他の増感剤としては、例えば、ステアリン酸アミド、ステアリン酸メチレンビスアミド、ステアリン酸エチレンビスアミド、4−ベンジルビフェニル、p−トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(3−メチルフェノキシ)エタン、2−ナフチルベンジルエーテル、1−(2−ナフチルオキシ)−2−フェノキシエタン、1,3−ジ(ナフチルオキシ)プロパン、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、テレフタル酸ジブチル、テレフタル酸ジベンジル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。感熱記録層における、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタンを含めた増感剤の含有量は、ロイコ染料100質量部に対して20〜120質量部程度とすることが好ましい。
感熱記録層には、上記ロイコ染料;3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン及び上記ジフェニルスルホン架橋型化合物等の呈色剤;1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン等の増感剤の他に、接着剤が含有される。
本発明の感熱記録層に使用される接着剤としては、例えば、種々の分子量のポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、デンプン及びその誘導体、メトキシセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、及びエチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル−メタクリル酸3元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、ポリアクリルアミド、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、及びカゼイン等の水溶性高分子材料、並びに、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、及びスチレン−ブタジエン−アクリル系共重合体等の疎水性重合体のラテックス等が挙げられ、1種または2種以上で併用することも可能である。
以上のような接着剤は、感熱記録層の全固形分に対して5〜30質量%程度含有することが好ましく、より好ましくは6〜25質量%程度である。
また、本発明の感熱記録層中には、通常の感熱記録体に使用される公知の顔料が含有されていてもよい。顔料の具体例としては、例えばカオリン、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、焼成カオリン、無定形シリカ、酸化チタン、炭酸マグネシウム、珪酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、コロイダルシリカ、尿素−ホルマリン樹脂フィラー、プラスティックピグメント等が挙げられる。さらに、各種助剤として、滑剤(例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、ポリオレフィン樹脂エマルジョン等)、消泡剤、濡れ剤、防腐剤、蛍光増白剤、分散剤、増粘剤、着色剤、帯電防止剤、架橋剤等、公知のものが含有されていてもよい。
感熱記録層は、上記ロイコ染料、呈色剤、増感剤、接着剤を含み、さらに必要に応じて添加される顔料、各種助剤等を水に溶解または分散したものを混合・攪拌した塗液の乾燥により形成される。
感熱記録層用塗液の調製は、含有すべき成分を所定量づつ配合し、水に分散させてもよいし、ロイコ染料、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、上記ジフェニルスルホン架橋型化合物、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタンそれぞれについて、分散液を調製した後、所定割合となるように混合してもよい。また、固形分の粒径の調整は、分散液の状態で、超音波、高速回転ミル、ローラミル、容器駆動媒体ミル、媒体攪拌ミル、ジェットミル、サンドグラインダー、メディアレス微粒化装置などを用いて、粉砕することによって行なってもよい。
感熱記録層用塗液の塗布方法としては、特に限定されず、例えば、エアナイフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアブレードコーティング、グラビアコーティング、ロッドブレードコーティング、ショートドウェルコーティング、カーテンコーティング、バーコーティング、ダイコーティング等の従来公知の塗布方法がいずれも採用できる。
感熱記録層は、支持体上に直接積層されていてもよいし、記録感度及び記録走行性を高めるために、下塗り層を介在させてもよい。
下塗り層は、吸油量が70ml/100g以上、特に80〜150ml/100g程度の吸油性顔料、有機中空粒子及び熱膨張性粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種、並びに接着剤を主成分とする下塗り層用塗液を支持体上に塗布乾燥して形成される。ここで、上記吸油量はJIS K 5101−2004の方法に従い求められる値である。
上記吸油性顔料としては、各種のものが使用できるが、具体例としては、焼成クレー、焼成カオリン、無定形シリカ、軽質炭酸カルシウム等の無機顔料が挙げられる。これら吸油性顔料の平均粒子径[レーザ回折式 粒度分布測定装置(商品名:SALD2200、島津製作所社製)による50%値]は0.01〜5μm程度、特に0.02〜3μm程度であるのが好ましい。吸油性顔料の使用量は、広い範囲から選択できるが、一般に下塗り層全固形分に対して2〜95質量%、特に5〜90質量%程度であるのが好ましい。
また、有機中空粒子としては、従来公知のもの、例えば、膜材がアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂等からなる中空率が50〜99%程度の粒子が例示できる。ここで中空率は(d/D)×100で求められる値である。該式中、dは有機中空粒子の内径を示し、Dは有機中空粒子の外径を示す。有機中空粒子の平均粒子径(レーザ回折式 粒度分布測定装置(商品名:SALD2200、島津製作所社製)による50%値)は0.5〜10μm程度、特に1〜3μm程度であるのが好ましい。上記有機中空粒子の使用量は、広い範囲から選択できるが、一般に下塗り層の全固形分に対して2〜90質量%、特に5〜70質量%程度であるのが好ましい。
なお、上記吸油性無機顔料を有機中空粒子と併用する場合、吸油性無機顔料と有機中空粒子とは上記使用量範囲で使用し、且つ吸油性無機顔料と有機中空粒子の合計量が下塗り層の全固形分に対して、5〜90質量%、特に10〜80質量%程度であるのが好ましい。
熱膨張性粒子としては、各種のものが使用できるが、具体例としては、低沸点炭化水素をインサイト重合法により、塩化ビニリデン、アクリロニトリル等の共重合物でマイクロカプセル化した熱膨張性微粒子等が挙げられる。低沸点炭化水素としては、例えば、エタン、プロパン等が挙げられる。熱膨張性粒子の使用量は、広い範囲から選択できるが、一般に下塗り層の全固形分に対して1〜80質量%程度、特に10〜70質量%程度であることが好ましい。
下塗り層に用いられる接着剤としては、前記感熱記録層に使用される接着剤を適宜使用し得るが、特にデンプン−酢酸ビニルグラフト共重合体、各種ポリビニルアルコール、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックスが好ましい。各種ポリビニルアルコールとしては、完全鹸化ポリビニルアルコール、部分鹸化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、ケイ素変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。
上記接着剤の使用割合は広い範囲で選択できるが、一般には下塗り層の全固形分に対して5〜30質量%程度、特に10〜25質量%程度であることが好ましい。
下塗り層には、その他の各種助剤として、滑剤、消泡剤、濡れ剤、防腐剤、蛍光増白剤、分散剤、増粘剤、着色剤、帯電防止剤、架橋剤等、公知のものが含有されていてもよい。
下塗り層の塗布量は、乾燥重量で3〜20g/m程度、好ましくは5〜18g/m程度とするのが好ましい。また、下塗り層を2回以上に分けて塗布すると、記録感度や保存性が向上するため、より好ましい。
さらに、感熱記録層上に、成膜性を有する接着剤を主成分とする保護層を設けてもよい。保護層用塗液は、例えば水を媒体とし、接着成分、顔料、及び必要により助剤とを混合攪拌して調製される。保護層に用いられる接着成分、顔料、助剤は、上記の感熱記録層で用いられ得るものを使用できる。
更にまた、保護層上に光沢層を設けてもよい。光沢層は、電子線または紫外線硬化性化合物を主成分とする塗液を塗布後、電子線または紫外線を照射して硬化することにより形成できる。またさらに、支持体の裏面側に帯電防止層を設けてもよい。
下塗り層、保護層、光沢層等を形成するための塗液は、感熱記録層と同様に、ピュアブレードコーティング、ロッドブレードコーティング、カーテンコーティング等の適当な塗工方法により塗工することができ、乾燥により各層が形成される。
各層を形成した後、または感熱記録体を構成する全ての層を形成した後に、スーパーカレンダー処理する等の感熱記録体製造分野における各種の公知処理技術を適宜付加してもよい。
以上のような構成を有する感熱記録体は、耐油性、耐可塑剤性だけでなく、バーコード印字性に優れ、特にバーコードの細線であっても、端縁がシャープな細線を記録できる濃度範囲が広く、汎用性の点で優れている。また、水、油だけでなく、牛乳のように複雑な組成を有する食品に対しても保存性の優れた記録部を得ることができる。具体的には、記録した感熱記録体を12時間浸漬し、取り出した後、余分な牛乳を吸い取り、10分間室温で放置により乾燥した状態での記録部の波長660nmでの反射率が30%以下の記録部を得ることができる。より好ましくは25%未満の記録部を得ることができる。
なお、以下の実施例において、「部」は「質量部」を示す。
〔測定評価方法〕
(1)記録部の耐可塑剤性
ポリカーボネイトパイプ(40mmΦ)上にラップフィルム(商品名:ハイラップKMA−W、三井化学社製)を3重に巻付け、その上に、感熱プリンターAtlantek300(printrex社製、High Energy、STD Pattern)を用いて印字した3枚の感熱記録体を載せ、更にその上にラップフィルムを3重に巻き付けて、23℃で24時間放置した後、ラップフィルムをはがし、サンプル毎に、Step8(0.464mJ/dotの印加エネルギー)の波長660nmでの反射率を5ケ所測定して、その平均値を測定結果とした。波長660nmでの反射率が30%以下を合格とする。
(2)記録部の耐油性
感熱プリンターAtlantek300(printrex社製、High Energy、STD Pattern)を用いて3枚印字した後、記録部にサラダ油を塗布し、23℃、24時間放置した。24時間後、サラダ油を拭き取って、サンプル毎に、Step8の波長660nmでの反射率を5ケ所測定して、その平均値を測定結果とした。サラダ油処理後の波長660nmでの反射率が30%以下を合格とする。
(3)バーコード印字性
感熱記録体に、バーコードプリンターIntermec 3400eを用いて、印字濃度を21段階(低濃度→高濃度)で変化させ、各印字濃度でシリアルバーを印字する。各印字濃度で印字されたバーコードを波長660nmのバーコードスキャナで検証して、Bar Width Growth(バーコードの太り、細り)を記録し、Bar Width Growthが±0.05%になる印字濃度の範囲を調べ、印字濃度の範囲が広ければ広いほど良好なバーコード印字性を有することになる。印字濃度の範囲、及び線の端縁のシャープさなどから、下記4段階で評価した。
A:Bar Width Growthが±0.05%になる印字濃度の範囲が9段階以上で非常によい。
B:Bar Width Growthが±0.05%になる印字濃度の範囲が5〜8段階で実用上問題ない。
C:Bar Width Growthが±0.05%になる印字濃度の範囲が4段階以下で、記録濃度が薄く、実用上問題あり。
D:Bar Width Growthが±0.05%になる印字濃度の範囲が4段階以下で、線が太く、端縁がにじんでいて、バーコードとして実用上問題あり。
(4)記録部の耐ミルク性
感熱プリンターAtlantek300(Printrex社製、High Energy、STD Pattern)を用いて3枚印字した後、冷蔵していた牛乳の中に浸漬し、12時間室温にて放置した。12時間後、感熱記録体を取り出し、紙タオルでサンプルを挟み、押えて余分な牛乳を吸い取り、さらに少なくとも10分以上室温にて放置し、乾燥させた。乾燥後、サンプル毎にStep8の波長660nmでの反射率を5ケ所測定して、その平均値を測定結果とした。ミルク処理後の波長660nmでの反射率が30%以下を合格とする。
〔感熱記録体No.1の作成〕
(1)下塗り層用塗液の調製
焼成カオリン(商品名:アンシレックス93、エンゲルハード社製)100部、固形分濃度48%のスチレン・ブタジエン系ラテックス12.5部、酸化澱粉の10%水溶液30部、ポリビニルアルコールの10%水溶液45部、及び水96.5部からなる組成物を混合攪拌して下塗り層用塗液を得た。
(2)A液調製
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン100部、スルホン変性ポリビニルアルコールの10%水溶液70部、及び水44部からなる組成物をウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて平均粒子径が1.0μmになるまで粉砕してA液を得た。
(3)B液の調製
3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(以下、単に「呈色剤1」ということがある)100部、スルホン変性ポリビニルアルコールの10%水溶液100部、及び水20部からなる組成物をウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて平均粒子径が1.0μmになるまで粉砕してB液を得た。
(4)C液の調製
1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン100部、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの10%水溶液20部、ポリビニルアルコールの10%水溶液20部、及び水68部からなる組成物をウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて平均粒子径が1.0μmになるまで粉砕してC液を得た。
(5)D液の調製
式(1)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物として、日本曹達株式会社のD−90(商品名:式中のnが1及び2の化合物を主体とする、n=1〜7の化合物の混合物で、崩壊温度117℃以上である。以下の実施例では、単に「ジフェニルスルホン架橋型化合物(1)」という)100部、スルホン変性ポリビニルアルコールの10%水溶液100部、及び水20部からなる組成物をウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて平均粒子径が1.0μmになるまで粉砕してD液を得た。
Figure 2009090591
(6)感熱記録層用塗液の調製
A液21.5部(ロイコ染料含有量10.05部)、B液33部(3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン含有量15部)、C液11.5部(1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン含有量5.53部)、D液16.5部(ジフェニルスルホン架橋型化合物(1)の含有量7.5部)、ポリビニルアルコールの10%水溶液98部、酸化澱粉の10%水溶液62部、無定形シリカ20部、軽質炭酸カルシウム10部、ステアリン酸亜鉛の水分散液(商品名:ハイドリンZ−8−36、固形分濃度36%、中京油脂社製)30部、パラフィンワックス(商品名:ハイドリンP−7、固形分濃度30%、中京油脂社製)3部、ポリエチレンワックス(商品名:ケミパールW−401、固形分濃度40%、三井化学社製)5部、及び水120部からなる組成物を混合攪拌して感熱記録層用塗液を得た。この感熱記録層用塗液に含まれる固形分総量は、100.95部となる。
(7)感熱記録体No.1の作成
65g/m原紙の片面上に、下塗り層用塗液及び感熱記録層用塗液を、乾燥後の塗布量がそれぞれ7.5g/m及び4.5g/mとなるように順次塗布乾燥して下塗り層及び感熱記録層を形成し、感熱記録体を得た。なお、各層を形成した後、スーパーカレンダーによる平滑化処理を行った。
〔感熱記録体No.2〜8、11、12の作製〕
感熱記録層用塗液におけるB液、C液、D液の配合量を下記のように変更した以外は、No.1の場合と同様にして、感熱記録体を作製した。
Figure 2009090591
〔感熱記録体No.9の作製〕
No.1のB液調製において、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(呈色剤1)の代わりに、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン(呈色剤2)を使用した以外は、No.1と同様にして感熱記録体を得た。
〔感熱記録体No.10の作製〕
No.1のD液調製において、ジフェニルスルホン架橋型化合物(1)の代わりに、保存性安定剤として一般に用いられる1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタンを使用した以外は、No.1と同様にして感熱記録体を得た。
上記で作製した感熱記録体No.1〜12について、上記測定評価方法に基づいて、耐可塑剤性、耐油性、バーコード印字性、耐ミルク性を評価した。また、総合評価として、◎(耐可塑剤性、耐油性、バーコード印字性、耐ミルク性のすべてに優れる)、○(耐可塑剤性、耐油性、バーコード印字性、耐ミルク性のすべてを充足)、△(耐可塑剤性、耐油性は充足しているが、バーコード印字性、耐ミルク性のいずれかが使用不可)、×(耐ミルク性、バーコード印字性の点で、これらの特性が要求される分野で使用不可)の4段階で評価した。各評価結果を、ロイコ染料に対する呈色剤1、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタンの含有量率(%)、ジフェニルスルホン架橋型化合物(1)の固形分総量に対する割合(%)、呈色剤1とジフェニルスルホン架橋型化合物(1)の含有量比率(表2中、a:bで示す)とともに示す。尚、表2における各化合物の含有量は、塗液中に含まれる各化合物の含有量(部)である。
Figure 2009090591
No.9は呈色剤1を含まない場合であり、No.10はジフェニルスルホン架橋型化合物(1)を含有しない場合である。いずれも、ロイコ染料に対して、呈色剤、増感剤を所定範囲内で含有していても、耐ミルク性を確保できないことがわかる。すなわち、耐ミルク性の確保のためには、呈色剤1とジフェニルスルホン架橋型化合物(1)とを組合わせて用いる必要があることがわかる。
No.3は、呈色剤1の含有量が多い場合であり、No.5は1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタンの含有量が多い場合であり、No.11、12は、呈色剤1及び1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタンの双方が多い場合である。特に増感剤が多い場合(No.5,11,12)では、実用可能なバーコードを印字するエネルギー範囲が狭かった。尚、No.3,5,11,12の比較から、呈色剤1とジフェニルスルホン架橋型化合物(1)との含有量比(b/a)が0.3以下では初期記録濃度が高いにもかかわらず、耐ミルク性が低く、記録部の牛乳に対する退色が速いと考えられる。
一方、No.4は呈色剤1の含有量が少ない場合であり、No.6は1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタンの含有量が少ない場合である。いずれも所定熱エネルギー付与による記録濃度が十分ではなく、ジルフェニルスルホン架橋型化合物(1)を所定量含有しても(No.4,6)、また、呈色剤1とジフェニルスルホン架橋型化合物(1)との含有量比(b/a)が0.5であっても(No.6)、耐ミルク性を確保することができなかった。
また、ロイコ染料に対する呈色剤1及び1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタンの含有量が所定範囲であっても、ジフェニルスルホン架橋型化合物(1)の含有量が少なすぎると、やはり耐ミルク性を満足できず(No.8)、ジフェニルスルホン架橋型化合物(1)の含有量が多くなりすぎると、ロイコ染料、呈色剤1及び1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタンの反応が、ジフェニルスルホン架橋型化合物(1)により抑制されるためか、呈色剤1及び1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタンの含有量が所定範囲であるにもかかわらず、バーコード印字が薄かった(No.7)。
No.3〜12が以上のように、耐ミルク性、バーコード印字性の少なくともいずれかを満足することができなかったにもかかわらず、呈色剤1、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、ジフェニルスルホン架橋型化合物(1)のすべてについて、所定範囲で含有されているNo.1、2は、記録部の耐可塑剤性、耐油性はもちろん、バーコード印字性、耐ミルク性のいずれも充足することができた。特に、a:bが1:0.5であるNo.1では、バーコード印字性、耐ミルク性が大変優れていた。
本発明の感熱記録体は、記録部の耐油性、耐可塑剤性だけでなく、バーコード印字性を損なうことなく、耐ミルク性にも優れているので、金券類のような、長期にわたって一般家庭などで所有され、食品、薬品などに曝されるおそれがあるにもかかわらず、記録部の長期保存性が必要とされるような感熱記録体として好適である。

Claims (6)

  1. 支持体上に、ロイコ染料、呈色剤、及び増感剤を含有する感熱記録層を有する感熱記録体において、
    前記感熱記録層は、前記ロイコ染料100質量部あたり、3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン100〜200質量部、及び1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン20〜90質量部を含有し、更に下記一般式(1)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物を、前記感熱記録層に含まれる全固形分の5〜10質量%含有することを特徴とする感熱記録体。
    Figure 2009090591

    (式中、nは1〜7の整数である)
  2. 前記感熱記録層における3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンと前記ジフェニルスルホン架橋型化合物との含有量比(3,3’−ジアリル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン:ジフェニルスルホン架橋型化合物)は、1:0.4〜1:0.8である請求項1に記載の感熱記録体。
  3. 前記ジフェニルスルホン架橋型化合物の崩壊温度が、110℃〜180℃である請求項1又は2に記載の感熱記録体。
  4. 前記ロイコ染料は、前記感熱記録層に含まれる全固形分の5〜25質量%含有され、
    前記ロイコ染料100質量部に対して、前記呈色剤170〜400質量部、増感剤20〜120質量部含有されている請求項1〜3のいずれか1つに記載の感熱記録体。
  5. 前記感熱記録層には、接着成分が、前記感熱記録層に含まれる全固形分の5〜30質量%含有されている請求項1〜4のいずれか1つに記載の感熱記録体。
  6. 耐ミルク性を有する記録部形成用である請求項1〜5のいずれか1つに記載の感熱記録体。
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