JP2009047185A - ストラット式フロントサスペンション装置 - Google Patents

ストラット式フロントサスペンション装置 Download PDF

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Abstract

【課題】車両発進時のトルクステアを防止することが可能な、コスト上有利で、簡易な構造になるストラット式フロントサスペンション装置を提供する。
【解決手段】ストラット部材の上端を車体側に連結し、ストラット部材の軸力を受け持つ前記コイルスプリング9の下端をリンク部材で車輪支持部材に対して相対回動不能に取り付け、前記コイルスプリング9の上端を相対回動可能なベアリング機構25を介して車体側に取り付けたストラット式フロントサスペンション装置において、前記ベアリング機構25と前記車体側に設けた車体側部材27との間に、前記軸力に応じて弾性変形する弾性部材26を介挿し、前記コイルスプリング9上端には、前記車体側部材27に当接する当接部材24を取り付け、前記当接部材24は、前記軸力が所定値よりも小さくなると、前記車体側部材27に当接する。
【選択図】図3

Description

本発明は、運転者のステアリング操作がないにもかかわらず、前輪が転舵してしまうというトルクステアを防止する技術に関するものである。
車両の発進時に想定されるトルクステアを抑制することで運転者のステアリング操作に違和感を与えないようにする発明として出願人は特許文献1に記載のストラット式フロントサスペンション装置を既に提案している。
特許文献1に記載のストラット式フロントサスペンション装置は、ストラットのコイルスプリングが伸長するときに発生する軸線回りのトルクを利用して、トルクステアを打ち消すという着想を具体化したものであり、ストラットのコイルスプリング上端部でコイルスプリングの弾撥力を受け止めるアッパーサポートと車体との間に摩擦力可変支持部を介挿し、車両の発進直後に車両前部がリフトアップしてストラットが伸びると、摩擦力可変支持部が軸線回りの大きな摩擦力を発生して、アッパーサポートのストラット軸線回りの相対回動を規制するというものである。
特開2006−168416号公報
しかし、上記従来のようなストラット式フロントサスペンション装置にあっては、上述した摩擦力可変支持部を、複雑な形状のアッパーサポートや、3個の樹脂ベアリングや、皿ばねや係止版といった多くの部品を用いて組み立てる必要があり、構造が複雑となっていた。このため、組み立て工数の増大やコスト高の懸念があった。
本発明は、上述の実情に鑑み、より簡易な構成で、前輪のトルクステアを解消する技術を提案するものである。
この目的のため本発明によるストラット式フロントサスペンション装置は、請求項1に記載のごとく、
前輪を軸支する車輪支持部材を、コイルスプリングおよびショックアブソーバで構成した略上下方向に延在するストラット部材の下端に転舵可能に連結し、前記ストラット部材の上端を車体側に連結し、ストラット部材の軸力を受け持つ前記コイルスプリングの下端を前記車輪支持部材に対して相対回動不能に取り付け、前記コイルスプリングの上端を相対回動可能なベアリング機構を介して車体側に取り付けたストラット式フロントサスペンション装置において、
前記ベアリング機構と前記車体側に設けた車体側部材との間および前記ベアリング機構と前記コイルスプリング上端との間の少なくとも一方に、前記軸力に応じて弾性変形する弾性部材を介挿し、
前記コイルスプリング上端には、前記車体側部材に当接する当接部材を取り付け、
前記当接部材は、前記軸力が所定値よりも小さくなると、前記車体側部材に当接することを特徴としたものである。
かかる本発明の構成によれば、ストラット部材の軸力に応じて伸縮する弾性部材を介挿したため、車両発進時に係る車両前部のリフトアップの際にはストラット部材の軸力が小さくなって弾性部材が弾性変形し、車体側部材とコイルスプリング上端との間の距離が変化する。そして、前記コイルスプリング上端には、車体に取り付けた車体側部材に当接する当接部材を取り付け、前記当接部材は、前記軸力が所定値よりも小さくなると、前記車体側部材に当接するため、このリフトアップの際に、車体とストラット部材との間に摩擦力を発生し、車両発進時に係るトルクステアによって、ストラット部材の軸線回り回動を規制することができる。しかも、ベアリング機構は1個で十分であり、複雑な形状の部材を用いる必要もないことから、従来の摩擦力可変支持部よりも簡易な構成で軸線回り回動を規制する効果を相することができる。したがって、従来のストラット式フロントサスペンション装置と比較して、組み立て工数を減らして、コストを低減することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例になる左前輪用のストラット式サスペンション装置を車両前方からみた状態を示す斜視図である。なお、図示しなかった右前輪用のストラット式サスペンション装置も図1に示すものと対称かつ同一である。
図1により全体的な構成を説明するに、本実施例のストラット式サスペンション装置は、ほぼ車両上下方向に延在するショックアブソーバを可とする伸縮動作可能なストラット部材3を具える。ストラット部材3はショックアブソーバ8と、ショックアブソーバ8の一端から摺動自在に突出させたピストンロッド6とよりなる通常のものとし、ショックアブソーバ8とピストンロッド6との間にコイルスプリング9を伸長方向に作用させ、このコイルスプリング9をストラット部材3に嵌め合わせてこれに一体的に組み込む。
ショックアブソーバ8上部から上方へ突出したピストンロッド6の上端は、後述するベアリング機構を具えたストラット上端部7を貫通し、図示しない車体に取り付けられる。車体とショックアブソーバ8とを上下方向伸縮可能に繋ぐピストンロッド6は、これら車体とショックアブソーバ8との相対回動を拘束するものではない。ショックアブソーバ8の底端にナックルやアクスル等の車輪支持部材1を剛結合し、これを介してストラット部材3に車輪(前輪)を回転自在に軸支する。
ストラット式サスペンション装置には更に、ほぼ車幅方向に延在するロアリンク4を設け、該ロアリンク4の車幅方向に係る内端4aを車体のサスペンションメンバ(図示せず)に上下方向揺動可能に連結し、外端4bを車輪支持部材1に連結することにより、車輪支持部材1および車輪(図示せず)を上下方向へストローク(サスペンションストローク)可能にして車幅方向に拘束する。
上記実施例になるストラット式サスペンション装置の作用を次に説明する。
車輪からの入力で発生するサスペンションストローク時における衝撃はコイルスプリング9の弾性変形により緩和され、このコイルスプリング9の弾性変形に起因して発生する振動は、ショックアブソーバ8の伸縮動作によって行われるピストンの前後での封入液体の置換流動抵抗により減衰させることができる。
図2(a)は、ストラット部材3の上端を、ストラット軸線上方からみた平面図であり、図2(b)は、ストラット部材3の上端を、ストラット軸線を含む面で切断した状態を示す断面図である。
図3は、図2(a)のストラット上端部7をA−Aで断面とし、矢の方向からみた状態を示す断面図である。
ストラット上端部7は、図2(a)に示すような円環状の部材であって、ストラット上端部7の中心に、ストラット上端部7の内径よりも小さな外径のショックアブソーバ8のピストンロッド6を遊挿する。
図3の断面図に示すように、ストラット上端部7は、ストラット軸線上下方向の下側に配置した円環状の当接部材24と、上側に配置した円環状の車体側部材27と、これら当接部材24と車体側部材27との間に介挿されて両者24,27の相対回動を許容するベアリング機構25とを具える。つまり当接部材24と車体側部材27とは、ベアリング機構25を介して略同径の嵌め合い形状である。
当接部材24の上面はベアリング機構25の下側レース25dと結合する。当接部材24の下面は、コイルスプリング9の上端と係合してコイルスプリング9のストラット軸線方向弾撥力を受け止める。また当接部材24はコイルスプリング9の上端と一体回転する。
当接部材24は金属あるいは硬質プラスチィック製であり上側へ向かって突出する突起24tを具える。突起24tの先端部は、上下方向に延在するストラット軸線に対し直角な平面になるフランジ面24fと、このストラット軸線に対し傾斜するテーパ面24kとを具える。突起24tはストラット軸線と同軸リング状の突条であってもよいし、周方向に複数配列したものであってもよい。好ましくは、フランジ面24fに摩擦材28を敷設して、肌理を粗くする。
車体側部材27は金属あるいは硬質プラスチィック製であり、上面は車体(図示略)と結合する。車体側部材27の下面は、ゴム製の弾性部材26を介してベアリング機構25の上側レース25uと結合する。
車体側部材27の外縁は外径方向かつ下方へ向かって突出する円環状の車体側部材傾斜部27bを形成する。車体側部材傾斜部27b下端から下方へ向かって突出する円環状の車体側部材円筒部27cを形成する。車体側部材円筒部27c下端で内径方向へ向きをかえてフランジ部27dを形成する。この車体側部材傾斜部27bの内周面は上述した突起24t先端のテーパ面24kと対向する。また、この車体側部材フランジ部27dの上面は上述した突起24t先端のフランジ面24fと対向する。ここで図3に示すように、当接部材24の突起24t先端が、車体側部材27のフランジ部27dよりもストラット軸線上方になるよう、これら突起24tおよびフランジ部27dを配設する。好ましくは、フランジ部27dの上面に摩擦材29を敷設して、肌理を粗くする。
コイルスプリング9は、圧縮または伸長する際に軸線回りのトルクを発生する。したがって、車両発進時に車両前部がリフトアップしてストラット部材3のストローク量が変化すると、左右の前輪2を懸架するコイルスプリング9から左右のコイル上端部7それぞれにこのトルクが入力され、コイル上端部7の上側と下側との間で相対回動する。
前輪駆動車(FF車)は、エンジンなどの駆動源と、該駆動源と駆動結合した前輪差動装置とを、車幅方向に並列配置した一体のパワートレーンを搭載するのが一般的なため、前輪差動装置自体がレイアウト上、車幅方向中央からオフセット配置することになる。このため、左右のドライブシャフト21の長さが異なり、これら異なる長さの左右ドライブシャフト21から左右の前輪2に伝達される駆動トルクにも左右差が生じて、運転者が所望しないにもかかわらず前輪2が転舵するというトルクステアが生じる。トルクステアは、車両発進時に顕著なものとなる。なお、トルクステアの発生原因につき、詳しくは特許文献1を参照されたい。
次に、上述したトルクステアを解消可能な本実施例のストラット式フロントサスペンション装置の作用につき説明する。
車両の駐車中は、前輪2の輪荷重に相当する軸力がストラット3に作用し、コイルスプリング9がこのストラット軸力を受け持つ。図3に示すようにコイルスプリング9の上端が上方へ向かって当接部材24と、ベアリング機構25と、弾性部材26と、車体側部材27とを順次支持するため、弾性部材25はこのストラット軸力(コイルスプリング9の弾撥力でもある)を受けて圧縮する。そうすると、当接部材24の突起24tが上方へ進入して、突起24tがフランジ部27dから離間する。
車両の発進時に前輪2に対してトルクステアが生じるともに、車両前部がリフトアップすると、このリフトアップによりストラット部材3のストローク量が増大して、コイルスプリング9が伸長するとともにストラット軸力が駐車時より減少するため、弾性部材26はストラット軸線方向に伸長する。そうすると、当接部材24の突起24tが下方へ移動して、突起24tのフランジ面24fが車体側部材27のフランジ部27dに当接する。この結果、フランジ面24fとフランジ部27dとの間で摩擦力が発生し、ベアリング機構25を介したコイルスプリング9上端の相対回動を抑制する。
また、車両の発進時に伸長した上記のコイルスプリング9は、軸線回りのトルクを発生するところ、コイルスプリング9上端の相対回動を上述したように抑制していることから、上記の軸線回りのトルクはコイルスプリング9下端からリンク部材10を介してアクスル部材1に伝達される。そして上記の軸線回りのトルクはトルクステアを打ち消すよう作用する。
このような本実施例によれば、ストラッド部材3のストローク量が増大する車両の発進時にストラット上端部7の相対回動を抑制することから、車両の発進時に前輪2が転舵するというトルクステアを防止または軽減することができる。
しかも、従来の摩擦力可変支持部のように複雑な形状のアッパーサポートや複数個のベアリング機構を必要としない。したがって、従来の摩擦力可変支持部よりも組み立てが容易であるとともに、コスト上有利なものとなる。
次に本発明の他の実施例になるストラット式フロントサスペンション装置につき説明する。図4は本実施例のストラット上端部7の断面図である。本実施例の基本構成は、上述した図1〜図3に示す実施例と共通するため、同一部材については、共通する符号を付して説明を省略し、異なる構成について説明する。
当接部材24の突起24tの先端部から外径方向に延設して爪部24vを具える。爪部24vの先端は、後述する車体側部材27の外縁下部27eと対向する。爪部24vはストラット軸線と同軸リング状であってもよいし、周方向に複数配列した突起状であってもよい。金属あるいは硬質プラスチィック製である当接部材24の突起24tは、先端の爪部24vが内径方向に押圧されると、この押圧力に応じて内径側に倒れるよう弾性変形する。
車体側部材27の外縁は外径方向かつストラット軸線下方へ向かって突出する円環状の車体側部材傾斜部27bを形成する。車体側部材傾斜部27b下端から下方へ向かって、やや内径方向にすぼまるよう突出する円環状の車体側部材外縁下部27eを形成する。つまり、この車体側部材外縁下部27eの内周面はストラット軸線に対して傾斜する。また、この車体側部材外縁下部27eの内周面は上述した突起24t先端の爪部24vと対向するよう、また図4に示すように、この当接部材24の突起24t上端は、車体側部材27の下面と対向するよう、これら爪部24vおよび外縁下部27eを配設する。なお、爪部24vが内径方向に弾性変形するものではなく、車体側部材27の外縁下部27eが外形方向に弾性変形するような構成であっても良い。
次に、車両発進時のトルクステアを解消可能な本実施例のストラット式フロントサスペンション装置の作用につき説明する。
車両の駐車中は、弾性部材25がストラット軸力(コイルスプリング9の弾撥力でもある)を受けて圧縮する。そうすると、当接部材24の突起24tが上方へ進入して、突起24t先端の爪部24vが車体側部材外縁下部27eの内周面から離間する。
車両の発進時に前輪2に対してトルクステアが生じるともに、車両前部がリフトアップすると、このリフトアップによりストラット部材3のストローク量が増大して、コイルスプリング9が伸長するとともにストラット軸力が駐車時より減少するため、弾性部材26はストラット軸線方向に伸長する。そうすると図4に示すように、当接部材24の突起24tおよび爪部24vがストラット軸線下方へ移動して、爪部24vが車体側部材外縁下部27eの内周面に当接する。この結果、当接部材24の爪部24vと車体側部材27の外縁下部27eとの間で摩擦力が発生し、ベアリング機構25を介したコイルスプリング9上端の相対回動を抑制する。
また、車両の発進時に伸長した上記のコイルスプリング9は、軸線回りのトルクを発生するところ、コイルスプリング9上端の相対回動を上述したように抑制していることから、上記の軸線回りのトルクはコイルスプリング9下端からリンク部材10を介してアクスル部材1に伝達される。そして上記の軸線回りのトルクはトルクステアを打ち消すよう作用する。
さらに本実施例では、ストラット部材3のストローク量が一層大きくなって弾性部材25の伸長量が増大すると、当接部材24の突起24tおよび爪部24vがストラット軸線下方へさらに移動して、突起24tが外縁下部27eの内周面に沿って大きく弾性変形する。つまり、ストラット軸線下方へ向かうほど内径側に傾斜した外縁下部27eから内径方向の押圧力を受けて、突起24tは内径側に倒れるよう弾性変形する。この結果、当接部材24および車体側部材27間の摩擦力が増大して、これら24,27間の相対回動を一層抑制することができる。
このような本実施例によれば、車両発進時のリフトアップが大きいほど、コイルスプリング9上端の相対回動拘束力が増大して、リフトアップおよびコイルスプリング9の伸び量に比例する大きな軸線回りトルクを、アクスル部材1に伝達することができる。したがって、車両が急発進する場合であっても、的確にトルクステアを解消することができる。
次に本発明のさらに他の実施例になるストラット式フロントサスペンション装置につき説明する。図5は本実施例のストラット上端部7の断面図である。本実施例の基本構成は、上述した図1〜図4に示す実施例と共通するため、同一部材については、共通する符号を付して説明を省略し、異なる構成について説明する。
本実施例では、車体側部材外縁下部27eの内周面を、ストラット軸線下方へ向かうにつれて内径方向に一層すぼまるよう湾曲させる。これにより車体側部材外縁下部27eの内周面は、下方へ向かうほどストラット軸線に対する傾斜角が増大する。
次に、本実施例のストラット式フロントサスペンション装置の作用につき説明する。
ストラット部材3のストローク量が一層大きくなって弾性部材25の伸長量が増大すると、当接部材24の突起24tおよび爪部24vがストラット軸線下方へさらに移動する。そうすると、ストラット軸線下方へ向かうほど内径側に湾曲して傾斜角が増大する外縁下部27eの内周面に沿って、突起24tの変形量が大きくなる。つまり、移動距離に対する突起24tの変形率が大きくなる。この結果、当接部材24および車体側部材27間の摩擦力が益々増大して、これら24,27間の相対回動をさらに一層抑制することができる。
このような本実施例によれば、車両発進時のリフトアップが大きいほど、コイルスプリング9上端の相対回動拘束力がさらに一層増大して、リフトアップおよびコイルスプリング9の伸び量に比例する大きな軸線回りトルクを、アクスル部材1に確実に伝達することができる。したがって、車両が急発進する場合であっても、確実にトルクステアを防止することができる。
次に本発明の別の実施例になるストラット式フロントサスペンション装置につき説明する。図6は本実施例のストラット上端部7の断面図である。本実施例の基本構成は、上述した図1〜図4に示す実施例と共通するため、同一部材については、共通する符号を付して説明を省略し、異なる構成について説明する。
図6は、車両駐車時など、ストラット軸力が大きく、爪部24vが外縁下部27eに当接するに至らない状態を示す。
当接部材24の突起24tの先端部から外径方向に延設して爪部24vを具える。爪部24vの先端は、車体側部材27の外縁下部27eと対向する。爪部24vの先端から突起24tの中程にかけて、外縁下部27eの内周面の傾斜方向と不平行となる傾斜面24hを形成し、ここで、爪部24vの先端から外縁下部27eまでの距離を短くし、突起24tの中程に向かうほど外縁下部27eまでの距離が長くなるよう、傾斜面24hを形成する。
次に、本実施例のストラット式フロントサスペンション装置の作用につき説明する。
車両発進時などストラット軸力が小さいときに突起24tの爪部24vは、外縁下部27eの内周面に当接する。そして、ストラット軸力がさらに小さくなって弾性部材25が軸線方向に伸長するにつれて当接部材24は下方に移動し、突起24tは変形度を高めつつ、突起24の傾斜面24hが外縁下部27eの内周面に近づく。そして、当接部材24が所定の移動距離まで移動すると、傾斜面24hが外縁下部27eの内周面に接触する。この結果、接触面積を大きくしてコイルスプリング9上端の相対回動拘束力を大きくすることができる。
このような本実施例によれば、車両発進時のリフトアップが特に大きい場合に、コイルスプリング9上端の相対回動拘束力を大きくして、リフトアップおよびコイルスプリング9の伸び量に比例する大きな軸線回りトルクを、アクスル部材1に確実に伝達することができる。したがって、車両が急発進する場合であっても、確実にトルクステアを防止することができる。
図1〜図6に沿ってこれまでに説明した実施例によれば、エンジンと駆動結合する差動装置を車幅方向中心からオフセットして配置し、この差動装置から異なる長さで車幅方向に延在する左右の駆動軸21を左右前輪2にそれぞれ連結した前輪駆動車のトルクステアを解消することができる。
つまり、これら実施例のストラット式フロントサスペンション装置は、前輪2を軸支するアクスル部材1を、コイルスプリング9およびショックアブソーバ8で構成した略上下方向に延在するストラット部材3の下端3aに転舵可能に連結し、ストラット部材3の上端を車体側に連結し、ストラット部材3の軸力を受け持つコイルスプリング9の下端をアクスル部材1に対して相対回動不能に取り付け、コイルスプリング9の上端を相対回動可能なベアリング機構25を介して車体側に取り付ける。
そして、ベアリング機構25と車体側に設けた車体側部材27との間に、ストラット軸力に応じて弾性変形する弾性部材26を介挿し、コイルスプリング9上端には、車体側部材27に当接する当接部材25を取り付け、当接部材25は、ストラット軸力が所定値よりも小さくなると、車体側部材27に当接する。
これにより、車両発進時など車両前部がリフトアップしてストラット軸力が所定値よりも小さくなると、当接部材25および車体側部材27間の相対回動を制限することが可能になる。そして、コイルスプリング9の軸線回りのトルクを、アクスル部材1に伝達することができ、前輪2のトルクステアを解消することができる。
なお、当接部材25が車体側部材27に当接するストラット軸力の所定値を、一定速走行時の比較的小さなストローク変形に係るストラット軸力よりも小さく、車両発進時のリフトアップに係る大きなストローク変形に係るストラット軸力よりも大きく設定する。これにより、一定速走行時には、当接部材25と車体側部材27との相対回動を制限せず、車両発進時には、当接部材25と車体側部材27との相対回動を制限することができる。また、弾性部材25とともに、あるいは弾性部材25に代えて、ベアリング機構25とコイルスプリング9上端との間にストラット軸力に応じて弾性変形する弾性部材を設けてもよい。
また本実施例では図4に示すように、当接部材24に弾性部材25の弾性変形により移動する突起24tを設け、車体側部材27に当接面を具えた外縁下部27eを設け、ストラット軸力が所定値よりも小さくなる車両発進時に、突起24tの先端部が外縁下部27eの当接面(内周面)に向かって移動して当接し、外縁下部27eの当接面を突起24tの移動方向に対し傾斜するよう配設し、突起24tは下方への移動量が大きくなるほど当接面に沿って大きく弾性変形することから、
車両発進時のリフトアップが大きいほど、コイルスプリング9上端の相対回動拘束力が増大する。したがって、車両が急発進する場合であっても、的確にトルクステアを解消することができる。
なお図には示さなかったが、当接部材24および車体側部材27に取り付ける突起24tおよび外縁下部27eの当接面の設置関係を、逆にして設けてもよい。
また図5に示す実施例では、突起24tの下方への移動距離が大きくなるほど、この移動距離に対する突起24tの変形率が大きくなるよう外縁下部27eの当接面を湾曲させたことから、
車両発進時のリフトアップが大きいほど、当接部材24および車体側部材27間の摩擦力が益々増大して、これら24,27間の相対回動をさらに一層抑制することが可能になる。したがって、車両が急発進する場合であっても、確実にトルクステアを防止することができる。
また図6に示す実施例では、ストラット軸力が所定値以上になる発進時以外(例えば、駐車時)で、図6に示すように外縁下部27eの当接面の傾斜方向と不平行となる傾斜面24hを、突起24tの先端部から中程にかけて形成する。そしてストラット軸力が所定値よりも小さい車両発進時に外縁下部27eの当接面に当接する突起24tが、所定の移動距離まで下方に移動すると、突起24tの傾斜面24hが外縁下部27eの当接面に接触する。
なお図には示さなかったが、非当接時に傾斜面24hの傾斜方向が外縁下部27eの当接面に平行となるよう形成してもよい。
またこれら実施例では、当接部材24が車体側部材27に当接するときのストラット軸力の所定値を、車両発進時における車両前部のリフトアップに係るストラット部材の軸力に設定するものとして説明した。しかしながら、この所定値を、駐車中のストラット部材の軸力以下に定めてもよい。そうすると、車両発進時より前の駐車時から、当接部材24を車体側部材27に当接させることができる。この結果、車両発進時に当接するときの打音を回避することが可能となり、車両発進時の静粛性を向上させることができる。
特に、図3に示す実施例では、当接部材24が車体側部材27に当接する部位24f,27dに肌理の粗い摩擦材28,29を設けたことから、少ないストラット軸力を利用して大きな摩擦力を得ることができ、当接部材24および車体側部材27間の相対回動を大きな摩擦力で制限することが可能になる。また図示しなかったが、図6の実施例に摩擦材28,29を設けてもよい。
なお、上述したのはあくまでも本発明の一実施例であり、本発明はその主旨に逸脱しない範囲において種々変更が加えられうるものである。
本発明の1実施例になるストラット式フロントサスペンション装置を示す全体斜視図である。 同サスペンション装置のストラット部材の上端を拡大したものであり、(a)はストラット軸線上方から見た平面図、(b)はストラット軸線を含む平面で切断した状態を示す断面図である。 同サスペンション装置のストラット上端部の断面図である。 本発明の他の実施例になるストラット式フロントサスペンション装置のストラット上端部の断面図である。 本発明のさらに他の実施例になるストラット式フロントサスペンション装置のストラット上端部の断面図である。 本発明の別の実施例になるストラット式フロントサスペンション装置のストラット上端部の断面図である。
符号の説明
1 アクスル部材
2 車輪
3 ストラット部材
4 ロアアーム
5 アッパーアーム
6 ピストンロッド
7 ストラット上端部
8 ショックアブソーバ
9 コイルスプリング
10 リンク部材
21 ドライブシャフト
22 タイロッド
24 当接部材
25 ベアリング機構
26 弾性部材
27 車体側部材

Claims (6)

  1. 前輪を軸支する車輪支持部材を、コイルスプリングおよびショックアブソーバで構成した略上下方向に延在するストラット部材の下端に転舵可能に連結し、前記ストラット部材の上端を車体側に連結し、ストラット部材の軸力を受け持つ前記コイルスプリングの下端を前記車輪支持部材に対して相対回動不能に取り付け、前記コイルスプリングの上端を相対回動可能なベアリング機構を介して車体側に取り付けたストラット式フロントサスペンション装置において、
    前記ベアリング機構と前記車体側に設けた車体側部材との間および前記ベアリング機構と前記コイルスプリング上端との間の少なくとも一方に、前記軸力に応じて弾性変形する弾性部材を介挿し、
    前記コイルスプリング上端には、前記車体側部材に当接する当接部材を取り付け、
    前記当接部材は、前記軸力が所定値よりも小さくなると、前記車体側部材に当接することを特徴とするストラット式フロントサスペンション装置。
  2. 請求項1に記載のストラット式フロントサスペンション装置において、
    前記当接部材または前記車体側部材の一方に当接面を設け、前記当接部材または前記車体側部材の他方に前記弾性部材の弾性変形により移動する突起を設け、前記軸力が所定値よりも小さくなると、前記突起の先端部が前記当接面に向かって移動して当接し、
    前記当接面を前記突起の移動方向に対し傾斜するよう配設し、前記突起は移動量が大きくなるほど前記当接面に沿って大きく弾性変形することを特徴とするストラット式フロントサスペンション装置。
  3. 請求項2に記載のストラット式フロントサスペンション装置において、
    前記突起の移動距離が大きくなるほど、この移動距離に対する前記突起の変形率が大きくなるよう前記当接面を湾曲させたことを特徴とするストラット式フロントサスペンション装置。
  4. 請求項2に記載のストラット式フロントサスペンション装置において、
    前記突起の先端部から中程にかけて、前記当接面と対向する傾斜面を形成し、
    前記軸力が前記所定値よりも小さいときに前記当接面に当接する前記突起が、所定の移動距離まで移動すると、前記突起の傾斜面が前記当接面に接触することを特徴とするストラット式フロントサスペンション装置。
  5. 請求項2〜4のいずれか1項に記載のストラット式フロントサスペンション装置において、
    前記所定値を、駐車中のストラット部材の軸力以下に定めたことを特徴とするストラット式フロントサスペンション装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のストラット式フロントサスペンション装置において、
    前記当接部材が前記車体側部材に当接する部位に摩擦材を設けたことを特徴とするストラット式フロントサスペンション装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102713338A (zh) * 2009-12-16 2012-10-03 株式会社普利司通 悬架支座
DE202019100269U1 (de) * 2019-01-17 2020-04-20 Rollax Gmbh & Co. Kg Stützlager- und Federbeinlageranordnung für ein Kraftfahrzeug

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