JP2009045872A - 感熱記録体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 記録濃度が高く、地肌かぶりが少なく、且つ記録部の耐可塑剤性、耐油性に優れた感熱記録体を提供する。
【解決手段】 支持体上に、p−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩及びロイコ染料を含有する感熱記録層を有する感熱記録体であって、前記感熱記録層におけるp−ヒドロキシ安息香酸に対する亜鉛の含有モル比率(亜鉛/p−ヒドロキシ安息香酸)は0.75/1〜1.7/1である。前記感熱記録層は、p−ヒドロキシ安息香酸と酸化亜鉛とが、亜鉛/p−ヒドロキシ安息香酸を上記モル比で含有する水分散液、あるいは上記モル比のp−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩が分散してなる水分散液を含む感熱記録層用塗工液を、塗工後、乾燥して得られたものであることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、記録濃度、記録部の耐可塑剤性、耐油性に優れた感熱記録体に関する。
無色乃至は淡色のロイコ染料と該ロイコ染料の電子受容体として作用できる呈色剤とを、熱により反応させて発色させることにより記録像を得るようにした感熱記録体がよく知られている。
呈色剤としては、従来より、フェノール性化合物が、電子供与性の発色性化合物との反応による発色性に優れていることが知られており、利用されている。例えば、特公平1−30640(特許文献1)には、発色感度が優れているとして、p−ヒドロキシ安息香酸フェネチル、p−ヒドロキシ安息香酸3−フェニルプロピル等のp−ヒドロキシ安息香酸の芳香族エステルを呈色剤として用いることが提案されている。
しかしながら、例えば、特開平7−68936(特許文献2)の従来技術の欄に記載されているように、p−ヒドロキシ安息香酸の芳香族エステルを呈色剤として使用した感熱記録材料は、油、可塑剤等の接触下、あるいは高温多湿の環境下において、未発色部が著しく汚染されたり、発色画像が退色する等の欠点が知られている。このため、近年のラベルやプリペイドカードのように過酷な環境で使用される感熱記録体の呈色剤としては不十分である。
耐油性、記録保存性に優れる感熱記録体用呈色剤として、特公平4−17157(特許文献3)に、ハロゲン置換安息香酸亜鉛塩を含有させることが提案されている。この文献文献3によれば、4−クロル安息香酸や、4−ブロモ安息香酸等のハロゲン置換安息香酸では顕色能力が認められず、またサリチル酸亜鉛や5−(α−メチルベンジル)サリチル酸亜鉛等のサリチル酸誘導体亜鉛塩は地色が悪く、ハロゲン置換がない安息香酸亜鉛、テレフタル酸亜鉛等のカルボン酸亜鉛は、発色濃度、耐油性、記録保存性などを総合的に満足できなかった(特許文献3の第4欄)のに対し、4−フルオロ安息香酸亜鉛、3−クロル安息香酸亜鉛、3,4−ジクロル安息香酸亜鉛等のハロゲン置換安息香酸亜鉛塩では、発色濃度に優れ、耐油性、保存安定性に優れていると説明されている。
また、耐油性、耐可塑剤性に優れた印字を提供できる感熱記録体として、特開平5−345742(特許文献4)に、芳香族カルボン酸のアルカリ金属塩と硫酸亜鉛との塩交換により合成される芳香族カルボン酸の亜鉛塩を使用すると、画像特性に悪影響を与えることなく、耐油性や耐可塑剤性など地肌部の安定性に優れた感熱記録体を得ることができることが開示されている。ここでは、芳香族カルボン酸として、安息香酸、サリチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、ナフトエ酸などが例示されており、具体的には、2−アセチルオキシ−3−ナフトエ酸と硫酸亜鉛の組合わせが、2−アセチルオキシ−3−ナフトエ酸と塩化亜鉛又は硝酸亜鉛との組合わせを用いて合成される亜鉛塩よりも、地肌部の耐油性、耐可塑剤性が優れていることが示されている。
特公平1−30640 特開平7−68936 特公平4−17157 特開平5−345742
このように、芳香族カルボン酸の亜鉛塩が、記録保存性に優れた記録部を提供できるということは知られているものの、芳香族カルボン酸の種類、亜鉛塩の製造方法などによって、耐油性、耐可塑剤性をはじめとする特性が異なる。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、記録濃度が高く、地肌かぶりが少なく、且つ記録部の耐可塑剤性、耐油性に優れた感熱記録体を提供することにある。
本発明者は、種々の芳香族カルボン酸亜鉛塩について検討した結果、芳香族カルボン酸としてp−ヒドロキシ安息香酸を使用し、且つp−ヒドロキシ安息香酸に対する亜鉛の含有モル比率を調節することで、記録濃度が高く、地肌かぶりが少なく、記録部の耐可塑剤性、耐油性に優れた感熱記録体が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の感熱記録体は、支持体上に、p−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩及びロイコ染料を含有する感熱記録層を有する感熱記録体であって、前記感熱記録層におけるp−ヒドロキシ安息香酸に対する亜鉛の含有モル比率(亜鉛/p−ヒドロキシ安息香酸)は0.75/1〜1.7/1である。
前記感熱記録層は、p−ヒドロキシ安息香酸と酸化亜鉛とが、亜鉛/p−ヒドロキシ安息香酸(モル比)=0.75/1〜1.7/1で含有する水分散液を含む感熱記録層用塗工液を、塗工後、乾燥して得られたものであってもよいし、亜鉛/p−ヒドロキシ安息香酸(モル比)=0.75/1〜1.7/1のp−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩が分散してなる水分散液を含む感熱記録層用塗工液を、塗工後、乾燥して得られたものであってもよい。
前記p−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩の平均粒子径は0.1〜3μmであることが好ましく、前記感熱記録層において、p−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩は、ロイコ染料1質量部に対して、0.5〜50質量部含有されていることが好ましい。
前記感熱記録層には、炭素数12〜24の脂肪酸の亜鉛塩、及び/又は炭素数12〜24の脂肪酸のアミドが、さらに含まれていることが好ましい。前記脂肪酸の亜鉛塩及び/又は脂肪酸のアミドは、p−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩1質量部に対して、0.1〜10質量部含有されていることが好ましい。
本発明の感熱記録体は、呈色剤として用いられているp−ヒドロキシ安息香酸亜鉛塩においてp−ヒドロキシ安息香酸に対する亜鉛の含有モル比率が一定範囲に調節されていて、記録濃度が高く、地肌かぶりが少なく、記録部の耐可塑剤性、耐油性に優れている。
本発明の感熱記録体は、支持体上に、p−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩及びロイコ染料を含有する感熱記録層を有する感熱記録体であって、前記感熱記録層におけるp−ヒドロキシ安息香酸に対する亜鉛の含有モル比率(亜鉛/p−ヒドロキシ安息香酸)が0.75/1〜1.7/1である。
本発明の感熱記録体に用いられる支持体としては、特に限定しないが、例えば、中性または酸性の上質紙、合成紙、透明又は半透明のプラスチックフィルム、白色のプラスチックフィルム等が挙げられる。支持体の厚みは特に限定しないが、通常、20〜200μm程度である。
感熱記録層内には、p−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩及びロイコ染料が含有されている。これらは、それぞれ微粒子状に分散していることが好ましい。分散状態にあるp−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩とロイコ染料とは、熱によって溶融または昇華して互いに接触し、混合して発色することができる。
p−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩は、ロイコ染料の呈色剤として含有されている。p−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩を呈色剤として用いた感熱記録体は、安息香酸の亜鉛塩のようにヒドロキシル基を有しない芳香族カルボン酸の亜鉛塩やハロゲン置換安息香酸等の芳香族カルボン酸の亜鉛塩を呈色剤として用いた感熱記録体よりも、耐油性、耐可塑剤性に優れた記録部が得られる。また、サリチル酸等のo−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩を呈色剤として用いた感熱記録体と比べても、記録部の耐油性、耐可塑剤性が優れている。理由は明らかではないが、p−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩では、分子内の電子が移動しやすくなり、亜鉛のd軌道が電子受容体として有効に作用しやすくなるためではないかと考えられる。
また、p−ヒドロキシ安息香酸と亜鉛のモル比率(亜鉛/ヒドロキシ安息香酸)は、0.75/1〜1.7/1、好ましく0.9/1〜1.5/1であり、さらに好ましくは0.9/1〜1.3/1である。p−ヒドロキシ安息香酸と亜鉛のモル比率(亜鉛/ヒドロキシ安息香酸)を1/1にした場合は、特に芳香環に結合したカルボキシル基やヒドロキシル基が亜鉛塩の状態で存在することで安定した状態となり、亜鉛の電子受容体効果が充分に発揮されるためではないかと考えられる。一方、p−ヒドロキシ安息香酸に対する亜鉛の含有モル比率が0.75/1未満では、p−ヒドロキシ安息香酸において、亜鉛が結合していないカルボキシイオン、フェノキシドイオンが多くなるとともに、亜鉛による呈色能が小さくなって、耐油性、耐可塑剤性が低下する傾向がある。また、p−ヒドロキシ安息香酸と亜鉛のモル比率(亜鉛/ヒドロキシ安息香酸)が1.7/1を越えると、記録濃度が低下する傾向にあり、好ましくない。
p−ヒドロキシ安息香酸と亜鉛の含有モル比率の調節は、p−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩の製造の際に行なうことができる。例えば、p−ヒドロキシ安息香酸と酸化亜鉛を、調節しようとするモル比率で混合した後、アンモニア水で溶解し、その後乾燥することによって、所望の比率のp−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩を合成することができる。あるいは、p−ヒドロキシ安息香酸と酸化亜鉛を、調節しようとするモル比率で混合した懸濁液を湿式同時粉砕することによって合成してもよい。好ましくは、一旦、亜鉛を供給する亜鉛化合物を溶解して、p−ヒドロキシ安息香酸を反応させる方法である。当該方法で合成される亜鉛塩を含有する塗工液を用いて得られる感熱記録層の方が、湿式同時粉砕法を用いて合成される亜鉛塩を含有する塗工液を用いて得られる感熱記録層よりも、記録濃度が高くなる傾向にある。
本発明で用いられるロイコ染料としては、各種公知のものが使用できる。ロイコ染料の具体例としては、例えば3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノ−ベンゾ[α]フルオラン等の青発色性染料;3−(N−エチル−N−p−トリル)アミノ−7−N−メチルアニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン等の緑発色性染料;3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン等の赤発色性染料;3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジ(n−ブチル)アミノ−7−(o−フルオロフェニルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン等の黒発色性染料;3,3−ビス[1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ジメチルアミノフェニル)エチレン−2−イル]−4,5,6,7−テトラクロロフタリド、3−p−(p−ジメチルアミノアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−p−(p−クロロアニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3、6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3’−(6’−ジメチルアミノ)フタリド等の近赤外領域に吸収波長を有する染料等が挙げられる。勿論、これらに限定されるものではなく、また2種類以上を併用することも可能である。
感熱記録層中のロイコ染料とp−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩の含有比率は、特に限定しないが、一般にロイコ染料1質量部に対して0.5〜50質量部、好ましくは1〜10質量部、より好ましくは1〜5質量部程度のp−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩を含有することが好ましい。
感熱記録層は、ロイコ染料、p−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩が、それぞれ微粒子状で存在していることが好ましい。ロイコ染料、呈色剤を、水を媒体として分散してなる塗液(感熱記録層用塗工液)を、例えばエアナイフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアブレードコーティング、ロッドブレードコーティング、カーテンコーティング、ダイコーティング、グラビアコーティング、スライドビードコーティング、オフセットグラビアコーティング、5本ロールコーティング等の適当な塗工方法により、支持体上に塗工し、乾燥することにより感熱記録層が形成される。このようにして形成される感熱記録層は、通常、ロイコ染料、p−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩が、それぞれ微粒子状で含有されている、
感熱記録層用塗工液は、上記のようなロイコ染料、p−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩を、直接、水を媒体として混合することによりを調製してもよいが、好ましくは、ロイコ染料、p−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩、それぞれについて、予め、水を溶媒として湿式粉砕して、一定粒径に分散させた分散液を調製した後、両分散液を混合して、感熱記録層用塗工液とすること好ましい。
分散液の調製に際しては、超音波、高速回転ミル、ローラミル、容器駆動媒体ミル、媒体攪拌ミル、ジェットミル、サンドグラインダー、メディアレス微粒化装置などにより、平均粒子径が0.1〜3μm、好ましくは0.3〜1.5μm程度に湿式粉砕しておくことが好ましい。ここでいう平均粒子径は、水分散液の状態で、レーザー回折式粒径測定器で測定される粉末の粒子径のメジアン径をいう。
感熱記録層中には、さらに、炭素数12〜24の脂肪酸の亜鉛塩及び/又はアミドを含有させることが好ましい。例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの亜鉛塩又はアミドが挙げられ、好ましくはステアリン酸亜鉛又はステアリン酸アミドである。亜鉛塩がより好ましく、特に好ましくはステアリン酸亜鉛である。これらは、発色濃度を向上させることができ、さらにステアリン酸亜鉛の場合には、記録部の耐油性、耐可塑剤性の向上も期待できる。
炭素数12〜24の脂肪酸の亜鉛塩及び/又はアミドは、p−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩1質量部に対して、0.1〜10質量部含有されていることが好ましく、より好ましくは0.1〜5質量部である。
感熱記録層には、上記のようなロイコ染料、p−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩、必要に応じて含有される脂肪酸アミド及び/又は脂肪酸亜鉛の他に、本発明の効果を阻害しない範囲で、各種公知の呈色剤を1種又は2種以上併用してもよい。併用できる呈色剤としては、以下のようなものが例示される。
4,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルメタン、4,4’−イソプロピリデンジフェノール(ビスフェノールA)、ハイドロキノン、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノール、4,4’−(1,3−ジメチルブチリデン)ビスフェノール、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−ペンタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルサルファイド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、p−ヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、p−ヒドロキシ−4’−ベンジルオキシジフェニルスルフォン、2,4−ビス(フェニルスルホニル)フェノール、2,2’−〔4−(p−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ〕ジエチルエーテル、1,3,3−トリメチル−1−(p−ヒドロキシフェニル)−6−ヒドロキシインダン、p−ヒドロキシ−4’−メトキシジフェニルスルホン、p−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン、p−ヒドロキシ−3’,4’−トリメチレンジフェニルスルホン、p−ヒドロキシ−3’,4’−テトラメチレンジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシ−4’−メチルジフェニルスルホン、ビス(3−アリル−p−ヒドロキシフェニル)スルホン、1,3−ジ〔2−(p−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕ベンゼン、ヒドロキノンモノベンジルエーテル、p−ヒドロキシ安息香酸フェニル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、p−ヒドロキシ安息香酸トリル、p−ヒドロキシ−N−(2−フェノキシエチル)ベンゼンスルホンアミド、1,8−ビス(p−ヒドロキシフェニルチオ)−3,6−ジオキサ−オクタン、(p−ヒドロキシフェニルチオ)酢酸−2−(p−ヒドロキシフェニルチオ)エチルエステル、ノボラック型フェノール樹脂、フェノール重合体等のフェノール性化合物、N−(p−トリルスルホニル)カルバモイル酸−p−クミルフェニルエステル、4,4’−ビス(N−p−トリルスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、4,4’−ビス(N−p−トリルスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルスルホン、N−p−トリルスルホニル−N’−p−ブトキシカルボニルフェニルウレア、N−p−トリルスルホニル−N’−フェニルウレア、N−p−トリルスルホニル−N’−3−(p−トリルスルホニルオキシ)フェニルウレア等の分子内に−SONH−結合を有するもの、p−クロロ安息香酸亜鉛、4−〔2−(p−メトキシフェノキシ)エチルオキシ〕サリチル酸亜鉛、4−〔3−(p−トリルスルホニル)プロピルオキシ〕サリチル酸亜鉛、5−〔p−(2−p−メトキシフェノキシエトキシ)クミル〕サリチル酸亜鉛等の芳香族カルボン酸の亜鉛塩等が挙げられる。
他の呈色剤を併用する際の併用比率については特に限定されるものではないが、p−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩100質量部に対し、併用する呈色剤が10〜100質量部の範囲内となるように調節することが好ましい。
また、本発明では必要に応じて、公知の増感剤を併用することもできる。かかる増感剤の具体例としては、例えばメチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、2−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、p−ベンジルビフェニル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(β−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、シュウ酸ジ−p−クロロベンジルエステル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、シュウ酸ジベンジルエステル等が挙げられる。
さらに、感熱記録層中には、必要により助剤としてカオリン、炭酸カルシウム、無定形シリカ、酸化チタン、水酸化アルミニウム、焼成カオリン等の顔料、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ステアリン酸カルシウム等の滑剤、蛍光染料、着色染料、紫外線吸収剤、界面活性剤、耐水化剤等が含有されていてもよい。
感熱記録層は、以上のような成分の他、接着成分を含有する。接着成分としては、例えば酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系樹脂、完全(または部分)鹸化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、スチレン・無水マレイン酸共重合体及びそのアルカリ塩、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体及びそのアルカリ塩、カゼイン、ゼラチン、酢酸ビニル樹脂系ラテックス、ウレタン樹脂系ラテックス、スチレン・ブタジエン共重合体系ラテックス、アクリル樹脂系ラテックス等が挙げられる。
これらの接着成分は1種又は2種以上組合わせて用いることができる。かかる接着成分は、感熱記録層の全固形分に対して10〜50質量%程度含有されることが好ましい。
感熱記録層は、以上のようなロイコ染料、p−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩、接着剤成分、必要に応じて添加される脂肪酸アミド、脂肪酸亜鉛、増感剤、その他の添加剤を、水を媒体として分散させた感熱記録層用塗工液を塗工、乾燥することにより形成される。
感熱記録層用塗工液は、上記各成分を、直接、水媒体に添加、混合してもよいが、好ましくは、染料分散液、呈色剤分散液を別々に調製した後、両者を混合することが好ましい。接着成分、その他の助剤等の添加剤は、染料分散液及び/又は呈色分散液に添加混合してもよいし、別に水分散液を調製し、染料分散液及び呈色剤分散液と混合して、塗工液としてもよい。
以上のようにして調製される感熱記録層用塗工液は、支持体の一方の面に、乾燥後の塗布量が3〜10g/m程度、好ましく4〜7g/m程度となるように塗工される。
上記のようにして調製される感熱記録層用塗工液を、支持体上に直接塗工することにより、支持体上に感熱記録層を積層してもよいし、支持体上にまず下塗り層を形成し、形成された下塗り層上に感熱記録層を形成してもよい。下塗り層の介在により、感度、画質の改良等することができる。下塗り層の組成は、下塗り層を介在させる目的により適宜選択すればよいが、一般に、接着成分、顔料などが含まれる。
下塗り層に用いられる接着成分としては、感熱記録層で使用するような樹脂を用いることができる。すなわち、酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系樹脂、完全(または部分)鹸化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、珪素変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、スチレン・無水マレイン酸共重合体及びそのアルカリ塩、イソブチレン・無水マレイン酸共重合体及びそのアルカリ塩、カゼイン、ゼラチン、酢酸ビニル樹脂系ラテックス、ウレタン樹脂系ラテックス、スチレン・ブタジエン共重合体系ラテックス、アクリル樹脂系ラテックス等を用いることができる。
下塗り層に含有される無機顔料としては、酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、珪酸アルミニウム等の金属酸化物、金属水酸化物、硫酸塩、炭酸塩などの金属化合物;無定形シリカ、焼成カオリン、タルク等の無機白色顔料などが挙げられる。これらのうち、特に焼成カオリンは、発色感度と画質バランスに優れていることから、好ましく用いられる。尚、無機顔料の粒子径としては、平均粒子径で0.5〜3.0μm程度のものが好ましい。
また、下塗り層に含有される有機顔料としては、球状樹脂粒子(所謂、密実型樹脂粒子)、中空樹脂粒子、貫通孔を有する樹脂粒子、中空樹脂粒子の一部を平面で裁断して得られるような開口部を有する樹脂粒子等が挙げられる。記録濃度を高めたい場合には、中空樹脂が好ましく用いられる。これらの樹脂粒子を構成する樹脂成分については、特に限定するものではなく、例えば、球状樹脂粒子としては、スチレン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリロニトリル等の単量体の単独重合体やこれらの単量体の共重合体等が挙げられる。中空樹脂粒子、貫通孔を有する樹脂粒子、中空樹脂粒子の一部を平面で裁断して得られるような開口部を有する樹脂粒子としては、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリロニトリル等の単量体の単独重合体や、これらの単量体の共重合体等が挙げられる。これらの有機顔料の平均粒子径については特に限定するものではないが、例えば、球状粒子では0.1〜2.0μm程度、中空樹脂粒子では0.5〜5.0μm程度、貫通孔を有する樹脂粒子では0.1〜2.0μm程度、開口部を有する樹脂粒子では0.3〜5.0μm程度のものが好ましく用いられる。
以上のような無機顔料の少なくとも1種と有機顔料の少なくとも1種を併用すると、記録画質により優れ、しかもヘッドマッチング性にも優れた感熱記録体が得られることからより好ましい。無機顔料と有機顔料の使用比率としては、質量比で90:10〜30:70程度が好ましく、70:30〜50:50程度がより好ましい。
下塗り層は、一般に水を分散媒体とし、無機顔料及び有機顔料から選ばれる少なくとも1種と接着剤を混合攪拌して得られる下塗り層用塗液を、支持体上に乾燥後の塗布量が2〜20g/m、好ましくは5〜15g/m程度となるように塗布乾燥して形成される。前記接着剤及び顔料の使用量としては、下塗り層全固形分に対して接着剤が5〜40質量%程度、顔料が10〜95質量%程度が好ましい。更に、下塗り層用塗液には、必要に応じて、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パラフィンワックス等の滑剤、蛍光染料、着色染料、界面活性剤、架橋剤等の各種助剤を添加することもできる。
さらに、感熱記録層上に、成膜性を有する接着剤を主成分とする保護層を設けてもよい。保護層用塗液は、例えば水を媒体とし、接着成分、顔料、及び必要により助剤とを混合攪拌して調製される。保護層に用いられる接着成分、顔料、助剤は、上記の感熱記録層で用いられ得るものを使用できる。
更にまた、保護層上に光沢層を設けてもよい。光沢層は、電子線または紫外線硬化性化合物を主成分とする塗液を塗布後、電子線または紫外線を照射して硬化することにより形成できる。またさらに、支持体の裏面側に帯電防止層を設けてもよい。
下塗り層、保護層、光沢層等を形成するための塗工液は、感熱記録層と同様に、ピュアブレードコーティング、ロッドブレードコーティング、カーテンコーティング等の適当な塗工方法により塗工することができ、乾燥により各層が形成される。
各層を形成した後、または感熱記録体を構成する全ての層を形成した後に、スーパーキャレンダー処理する等の感熱記録体製造分野における各種の公知処理技術を適宜付加してもよい。
なお、以下の実施例において、「部」は「質量部」を示す。
〔測定評価方法〕
(1)記録濃度
感熱記録評価機(商品名:TM−PHD、大倉電気社製)を用いて、印加エネルギー0.5mJ/ドットにて各感熱記録体を印字し、記録部及び未記録部(地肌部)の濃度をマクベス濃度計(商品名:RD−914型、マクベス社)のビジュアルモードで測定した。
数値が大きい程、印字の濃度が濃いことを示しており、実用上、1以上であることが必要とされる。
(2)記録部の耐油性
発色させた各感熱記録体に、コーン油に浸し24時間放置後、引き上げガーゼで拭いた後の記録部の濃度(記録濃度)をマクベス濃度計で測定した。また、下記式により、記録部の保存率を求めた。保存率が高いほど、耐油性に優れている。
保存率(%)=測定値(記録濃度)÷処理前の記録濃度×100
(3)記録部の耐可塑剤性
ポリカーボネイトパイプ(40mmΦ)上にラップフィルム(商品名:ハイラップKMA−W、三井化学社製)を3重に巻付け、その上に発色させた各感熱記録体を載せ、更にその上にラップフィルムを3重に巻き付けて40℃で24時間放置した後の記録部の濃度(記録濃度)をマクベス濃度計で測定した。また、下記式により、記録部の保存率を求めた。保存率が高いほど、耐可塑剤性に優れている。
保存率(%)=測定値(記録濃度)÷処理前の記録濃度×100
(4)固形分濃度
分散液を乾燥して、固形分重量を測定し、分散液に対する重量比率(質量%)を算出した。
〔感熱記録体No.1の作成〕
(1)下塗り層用塗液の調製
球状樹脂粒子分散液(商品名:グロスデール130S、組成:スチレン、平均粒子径:0.8μm、三井化学社製、固形分濃度53%)90部、焼成カオリン(商品名:アンシレックス、エンゲルハード社製)の50%水分散液(平均粒子径:0.6μm)120部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:L−1571、旭化成ケミカルズ社製、固形分濃度48%)10部、酸化澱粉の10%水溶液50部、及び水20部からなる組成物を、混合攪拌して下塗り層用塗液を得た。
(2)ロイコ染料分散液の調製(A液調製)
3−ジ(n−ブチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン20部、鹸化度60モル%、重合度200のポリビニルアルコールの20%水溶液10部、天然油脂系消泡剤の5%エマルション0.5部、及び水20部からなる組成物(懸濁液)を、サンドミルによりレーザー回折式粒径測定器によるメジアン径(商品名:SALD2200、島津製作所社製による50%値)が1.0μmとなる様に処理してA液を得た。
(3)呈色剤分散液の調製(B液調製)
p−ヒドロキシ安息香酸138.1部、酸化亜鉛81.4部、鹸化度88モル%、重合度300のポリビニルアルコールの20%水溶液100部、天然油脂系消泡剤の5%エマルション5部、及び水495部からなる組成物(懸濁液)を、サンドミルによりレーザー回折式粒径測定器によるメジアン径が1.5μmとなる様に処理してB液を得た。B液におけるp−ヒドロキシ安息香酸に対する亜鉛のモル比率(Zn/ヒドロキシ安息香酸)は、1/1である。
尚、このように、p−ヒドロキシ安息香酸と酸化亜鉛を同時湿式粉砕することにより芳香族カルボン酸の亜鉛塩を形成する方法を「方法a」と称する。
(4)感熱記録層用塗液の調製
A液25部、B液80部、微粒子無定形シリカ(商品名:ミズカシールP−603、水澤化学社製)10部、鹸化度88モル%、重合度300のポリビニルアルコールの25%水溶液40部、ステアリン酸アミドの分散液(商品名:G−270、固形分濃度21.5%、中京油脂社製)50部、及び水50部を混合攪拌して感熱記録層用塗液を得た。
(5)感熱記録体の作成
64g/mの上質紙(中性紙)の一方の面に、下塗り層用塗液を乾燥後の重量が8g/mとなるように塗布乾燥して下塗り層を形成し、次いで、この下塗り層上に、上記で調製した感熱記録層用塗液を乾燥後の重量が5g/mとなるように塗布乾燥して感熱記録層を形成した後、スーパーキャレンダーを施し感熱記録体No1を得た。この感熱記録体No1について、上記測定評価方法に従って、記録濃度、記録部の耐油性、耐可塑剤性を評価した。結果を表1に示す。尚、表1において、感熱記録層に含有させた芳香族カルボン酸に対するZnのモル比率は、「Zn/カルボン酸」の値として示す。
〔感熱記録体No.2〜4の作成〕
感熱記録体No.1の下塗り層用塗液を、下記のように変更した以外は、感熱記録体No.1と同様にして作成し、上記測定評価方法に従って、記録濃度、記録部の耐油性及び耐可塑剤性を評価した。結果を表1に示す。
(1)感熱記録体No.2
球状樹脂粒子分散液90部及び水20部の代わりに、中空樹脂粒子分散液(商品名:AE851、組成:スチレン−アクリル、平均粒子径:1μm、JSR社製、固形分濃度26%)180部を含有させた下塗り用塗液を用いた。
(2)感熱記録体No.3
球状樹脂粒子分散液90部及び水20部の代わりに、開口部を有する樹脂粒子分散液(商品名:ニッポールV−2001、組成:スチレン−アクリル、平均粒子径:0.85μm、日本ゼオン社製、固形分濃度30%)160部を含有させた下塗り用塗液を用いた。
(3)感熱記録体No.4
球状樹脂粒子分散液90部及び焼成カオリンの50%水分散液120部の代わりに、焼成カオリン(商品名:アンシレックス、前出)の50%水分散液210部をを含有させた下塗り用塗液を用いた。
〔感熱記録体No.5の作成〕
感熱記録体No.1の感熱記録層用塗液の調製において、ステアリン酸アミドの代わりにステアリン酸亜鉛の水分散物(商品名:ハイドリンZ−8、固形分濃度36%、中京油脂社製)16部を添加した以外は、感熱記録体No.1と同様にして作成し、上記測定評価方法に従って、記録濃度、記録部の耐油性及び耐可塑剤性を評価した。結果を表1に示す。
〔感熱記録体No.6〜11の作成〕
感熱記録層用塗液を下記のように変更した以外は、感熱記録体No.1と同様にして作成し、上記測定評価方法に従って、記録濃度、記録部の耐油性及び耐可塑剤性を評価した。結果を表1に示す。
(1)感熱記録体No.6
p−ヒドロキシ安息香酸138.1部、酸化亜鉛81.4部(亜鉛/ヒドロキシ安息香酸のモル比率は1/1である)を、28%アンモニア水500部に溶解し、その後、水分及びアンモニアを蒸発させ、p−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩を得た。得られたp−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩、鹸化度88モル%、重合度300のポリビニルアルコールの20%水溶液100部、天然油脂系消泡剤の5%エマルジョン5部、及び水495部を混合し、サンドミルによりB液と同様にメジアン径1.5μmとなるように処理して、呈色剤分散液を調製した。尚、このように、酸化亜鉛をアンモニアで加水分解した後、ヒドロキシ安息香酸亜鉛塩を生成される亜鉛塩の製法を「方法b」と称する。
感熱記録層用塗液に使用する呈色分散液を、上記方法bで調製した呈色分散液に変更した以外は、感熱記録体No.1と同様にして、感熱記録体を作成した。
(2)感熱記録体No.7
感熱記録体No.6で使用した呈色剤分散液を使用した。また、感熱記録層用塗液の調製に際して、ステアリン酸アミドの分散液に代えて、ステアリン酸亜鉛の水分散液(商品名:ハイドリンZ−8、固形分濃度36%、中京油脂社製)16部を使用した。その他は、感熱記録体No.1と同様にして、感熱記録体を作成した。
(3)感熱記録体No.8
感熱記録体No.1で使用した呈色分散液(B液)における酸化亜鉛の含有量を65.12部に変更した(p−ヒドロキシ安息香酸に対する亜鉛のモル比率(Zn/ヒドロキシ安息香酸)は、0.8/1である)。その他は、感熱記録体No.1と同様にして、感熱記録体を作成した。
(4)感熱記録体No.9
感熱記録体No.1で使用した呈色分散液(B液)における酸化亜鉛の含有量を101.75部に変更した(p−ヒドロキシ安息香酸に対する亜鉛のモル比率(Zn/ヒドロキシ安息香酸)は、1.25/1である)。その他は、感熱記録体No.1と同様にして、感熱記録体を作成した。
(4)感熱記録体No.10
感熱記録体No.1で使用した呈色分散液(B液)における酸化亜鉛の含有量を122.1部に変更した(p−ヒドロキシ安息香酸に対する亜鉛のモル比率(Zn/ヒドロキシ安息香酸)は、1.5/1である)。その他は、感熱記録体No.1と同様にして、感熱記録体を作成した。
(5)感熱記録体No.11
感熱記録体No.1で使用した呈色分散液(B液)における酸化亜鉛の含有量を162.8部に変更した(p−ヒドロキシ安息香酸に対する亜鉛のモル比率(Zn/ヒドロキシ安息香酸)は、2/1である)。その他は、感熱記録体No.1と同様にして、感熱記録体を作成した。
〔感熱記録体No.12、13の作成〕
呈色分散液に使用する芳香族カルボン酸の種類を下記のように変更して感熱記録体を作成し、上記測定評価方法に従って、記録濃度、記録部の耐油性及び耐可塑剤性を評価した。結果を表1に示す。
(1)感熱記録体No.12
p−ヒドロキシ安息香酸138.1部の代わりに、サリチル酸138.1部を使用した以外は、B液と同様にして調製(亜鉛塩の製法aを採用)した呈色分散液を用いて、感熱記録体No.1と同様にして、感熱記録体を作成した。
(2)感熱記録体No.13
p−ヒドロキシ安息香酸138.1部の代わりに、安息香酸122.1部を使用した以外は、B液と同様にして調製(亜鉛塩の製法aを採用)、呈色分散液を用いて、感熱記録体No.1と同様にして、感熱記録体を作成した。
〔感熱記録体No.14,15の作成〕
感熱記録体No.1の感熱記録体の作製において、呈色分散液の調製を下記のように変更することにより、亜鉛塩を含まないように変更して、感熱記録体を作成し、上記測定評価方法に従って、記録濃度、記録部の耐油性及び耐可塑剤性を評価した。結果を表1に示す。
(1)感熱記録体No.14
p−ヒドロキシ安息香酸138.1部及び酸化亜鉛81.4部の代わりに、p−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン219.5部を使用した以外はB液と同様にして調製した呈色分散液を用いて、感熱記録体No.1と同様にして、感熱記録体を作成した。
(2)感熱記録体No.15
酸化亜鉛81.4部を添加せずに調製した呈色分散液を用いて、感熱記録体No.1と同様にして、感熱記録体を作成した。
Figure 2009045872

感熱記録体No.1、12、13の比較から、芳香族カルボン酸の亜鉛塩として、サリチル酸亜鉛塩(No.12)、安息香酸亜鉛塩(No.13)では、記録部の耐油性、耐可塑剤性を満足できないが、p−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩では、記録部の耐油性、耐可塑剤性に優れていることがわかる。また、No.15との比較から、亜鉛塩でないp−ヒドロキシ安息香酸では、記録部の耐油性、耐可塑剤性を付与することができないことがわかる。さらに、芳香族カルボン酸亜鉛塩を使用しなかった場合(No.14)にも、記録部の耐油性、耐可塑剤性を付与することができないことがわかる。
感熱記録体No.1、6〜10から、p−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩を用いた場合において、芳香族カルボン酸と亜鉛のモル比が0.8/1のときには、記録部の耐油性、耐可塑剤性が若干劣り、しかも地肌かぶりも認められた。一方、モル比が1/1〜1.5/1では、記録部分の耐可塑剤性、耐油性、地肌かぶりのいずれも優れていた。但し、亜鉛比率が高くなるにつれて、記録濃度が低くなる傾向にある。
感熱記録体No.1とNo.6の比較、No.5とNo.7の比較から、p−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩としては、一旦、完全に溶解した亜鉛イオンを用いて、p−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩を形成させる方法bの方が、酸化亜鉛とp−ヒドロキシ安息香酸を同時粉砕する方法aよりも、記録濃度に優れる傾向にあった。
感熱記録体No.1とNo.5の比較、No.6 とNo.7の比較から、感熱記録層に、増感剤として、ステアリン酸アミドを用いるより、ステアリン酸亜鉛を使用する方が、記録濃度、耐油性、耐可塑剤性に優れる傾向にあった。
また、感熱記録体No.1〜3とNo.4の比較から、無機顔料と有機顔料を併用した下塗り層を介在させる方が記録濃度が高くなり、さらに感熱記録体No.1〜3の比較から、有機顔料として中空樹脂を使用することが若干記録濃度が高くなる傾向にあることがわかる。
本発明の感熱記録体は、記録濃度に優れ、耐油性、耐可塑剤性といった記録部の保存性の優れた感熱記録体であるから、ラベルやプリペイドカードのような過酷な環境で使用される感熱記録体として好適である。

Claims (8)

  1. 支持体上に、p−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩及びロイコ染料を含有する感熱記録層を有する感熱記録体であって、
    前記感熱記録層におけるp−ヒドロキシ安息香酸に対する亜鉛の含有モル比率(亜鉛/p−ヒドロキシ安息香酸)は0.75/1〜1.7/1である感熱記録体。
  2. 前記感熱記録層は、p−ヒドロキシ安息香酸と酸化亜鉛とが、亜鉛/p−ヒドロキシ安息香酸(モル比)=0.75/1〜1.7/1で含有する水分散液を含む感熱記録層用塗工液を、塗工後、乾燥して得られたものである請求項1に記載の感熱記録体。
  3. 前記感熱記録層は、亜鉛/p−ヒドロキシ安息香酸(モル比)=0.75/1〜1.7/1のp−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩が分散してなる水分散液を含む感熱記録層用塗工液を、塗工後、乾燥して得られたものである請求項1に記載の感熱記録体。
  4. 前記p−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩の平均粒子径は0.1〜3μmである請求項1〜3のいずれかに記載の感熱記録体。
  5. 前記感熱記録層において、p−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩は、ロイコ染料1質量部に対して、0.5〜50質量部含有されている請求項1〜4のいずれかに記載の感熱記録体。
  6. 前記感熱記録層には、炭素数12〜24の脂肪酸の亜鉛塩が、さらに含まれている請求項1〜5のいずれかに記載の感熱記録体。
  7. 前記感熱記録層には、炭素数12〜24の脂肪酸のアミドが、さらに含まれている請求項1〜5のいずれかに記載の感熱記録体。
  8. 前記脂肪酸の亜鉛塩及び/又は脂肪酸のアミドは、p−ヒドロキシ安息香酸の亜鉛塩1質量部に対して、0.1〜10質量部含有されている請求項6又は7に記載の感熱記録体。
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