JP2009019393A - コンクリート躯体の解体方法 - Google Patents

コンクリート躯体の解体方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009019393A
JP2009019393A JP2007182046A JP2007182046A JP2009019393A JP 2009019393 A JP2009019393 A JP 2009019393A JP 2007182046 A JP2007182046 A JP 2007182046A JP 2007182046 A JP2007182046 A JP 2007182046A JP 2009019393 A JP2009019393 A JP 2009019393A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cut
notch
dismantling
groove width
concrete frame
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007182046A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5096819B2 (ja
Inventor
Akio Anno
章夫 安納
Koichi Nakazawa
公一 中澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taisei Corp filed Critical Taisei Corp
Priority to JP2007182046A priority Critical patent/JP5096819B2/ja
Publication of JP2009019393A publication Critical patent/JP2009019393A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5096819B2 publication Critical patent/JP5096819B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)

Abstract

【課題】作業性、安全性および経済性に優れたコンクリート躯体の解体方法を提案する。
【解決手段】撤去領域2に、撤去領域2の外周囲を囲むように形成された周縁切込み10と、周縁切込み10の内部に形成された縁内切込み20とを形成し、少なくとも周縁切込み10のうちの1辺である第一切込み11を、第一切込み11の表面側の溝幅が底側の溝幅よりも大きくなるように形成し、第一切込み11と平行に形成された縁内切込み20である第二切込み21の溝幅を広げることにより第一切込み11と第二切込み21との間のブロック30を撤去する。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリート躯体を解体するコンクリート躯体の解体方法に関する。
原子力発電所、核燃再処理施設、医療用放射線利用施設等において、コンクリート躯体の放射能により汚染された部分を取り除く場合がある。
従来、このようなコンクリート躯体の解体を行う場合には、ブレーカ等の破砕機を利用してはつる方法が一般的に行われていた。
ところが、放射能により汚染された部分の破砕機によるはつり作業は、放射能により汚染された粉じんが多量に発生するため、作業員等の被ばく防止のための排気設備の設置や、排気フィルターの交換頻度等、安全性を確保するための労力や費用が嵩むという問題点を有していた。
また、被ばく防護服の着用によるはつり機器の取り扱いは、作業性が悪く、手作業のため、大面積の汚染に対しては不向きであった。
また、被ばく防護服や排気フィルター等の二次的な放射性廃棄物の発生が多いという問題点も有していた。
また、コンクリート躯体の解体に伴い発生した廃棄物は、ドラム缶等の処分容器に密閉した状態で処分する必要があるが、ガラ状に破砕された廃棄物は、処分容器に60%程度しか充填することができなかった。このような廃棄物処分の費用は、処分容器一体あたりで換算されるため、廃棄物の充填率が低い従来の解体方法は、割高となっていた。
さらに、汚染濃度の高いコンクリート躯体の解体に使用した機械は、原則として廃棄処分となるため、大掛かりな破砕機の買取、処分により、費用が嵩むという問題点を有していた。
そのため、放射能により汚染されたコンクリート躯体の解体方法として、粉じんの発生が少ないコンクリートの解体方法が多数開発されて実用化に至っている。
例えば、特許文献1には、部分的に放射能汚染された側壁の表面側の汚染部分と、放射能汚染されていない裏側の部分との境界部に沿って縦孔を形成し、この縦孔を利用してワイヤーソーにより上下方向に切断面を形成し、次にワイヤーソーにより水平方向に切断面を形成して、放射能汚染された部分をブロックとして、順次切断除去する汚染箇所を含むコンクリート塊を撤去する解体方法が開示されている。
なお、このような従来のコンクリート躯体の解体方法は、放射能により汚染された部分の撤去に限られず、例えば、コンクリート躯体に発生したひびわれや剥落箇所の補修時に、コンクリート躯体の一部を部分的に撤去する場合にも適用可能である。
特開平5−196797号公報
ところが、前記従来の解体方法は、上下方向の全延長にわたる切断面をコンクリート躯体に形成する必要があり、所望の部分のみを取り除くことは困難であったため、必然的に施工範囲が広くなり、作業に手間を要していた。
また、汚染部分周辺の汚染されていない部分も多く含んで解体することになり、放射性廃棄物として処分される廃棄物の量が多くなってしまう。そのため、処分のための費用が嵩むという問題点を有していた。
また、上下方向で一体的に撤去するため、構造耐力上、切断範囲が制限されることや、仮支持構造が必要となるため、大面積範囲にわたる放射能汚染に対応することが困難であるという問題点を有していた。
また、比較的大きな塊状に解体されるため、ドラム缶等の処分容器に収容するためには、2次的な破砕を要し、手間がかかっていた。
さらに、縦孔を削孔するため機械やワイヤーソー等、複数の機械を必要とするため、その買取、処分に費用が嵩むという問題点を有していた。
本発明は、前記の問題点を解決するためになされたものであり、作業性、安全性および経済性に優れたコンクリート躯体の解体方法を提案することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、コンクリート躯体に設定された撤去領域に、メッシュ状の切込みを入れて該撤去領域を複数のブロックに分割する切込み工程と、前記ブロックを撤去する解体工程と、を含むコンクリート躯体の解体方法であって、前記メッシュ状の切込みが前記撤去領域の外周囲を囲むように形成された周縁切込みと、該周縁切込みの内部に形成された縁内切込みと、を備えており、前記切込み工程において、少なくとも前記周縁切込みのうちの1辺である第一切込みを、該第一切込みの表面側の溝幅が底側の溝幅よりも大きくなるように形成し、前記解体工程において、前記第一切込みに沿って形成された縁内切込みである第二切込みの溝幅を広げることにより前記第一切込みと前記第二切込みとの間のブロックを撤去することを特徴としている。
かかるコンクリート躯体の解体方法によれば、撤去領域にメッシュ状の切込みを入れて、細分化されたブロックを撤去するため、粉じんの発生を抑えた状態で解体することが可能となる。そのため、安全性が確保されるとともに、作業性にも優れている。
また、コンクリート躯体を貫通させずに部分的に解体することが可能となるため、仮支持構造等を要することなく、大面積範囲にわたる撤去範囲に対しても適用が可能である。
また、メッシュ状に細分化して撤去するため、撤去範囲を最小限に制限することが可能となり、廃棄物の量を最小限に抑えることが可能となる。
また、第一切込みの表面側の溝が太く形成されているため、第二切込みの溝幅を広げ易くなり、その結果、ブロックに第一切込み方向の力を容易に負荷することが可能となる。これにより、ブロックの根元においてせん断破壊を生じさせることが可能になり、ブロックの撤去が容易となる。
また、解体に伴い発生する廃棄物は、細分化されたブロック状に解体されているため、処分容器に規則正しく詰めることが可能となり、また、廃棄物と処分容器との隙間に切り粉(粉じん)を詰めることで、処分容器の充填率を100%に近づけることが可能となる。そのため、廃棄物処分に要する費用を最小限に抑えることが可能となる。
さらに、コンクリート躯体の解体に使用する機械(買取、処分となる機械)としては、コンクリートカッター等、簡易な機械のみで済むため、設備費が安価である。
なお、前記解体工程において、前記第二切込みにくさびを挿入することで、該第二切込みの溝幅を広げてもよい。
また、前記解体工程において、前記第二切込みに膨張剤を注入し、該膨張剤の膨張力により前記第二切込みの溝幅を広げてもよい。
かかるコンクリート躯体の解体方法によれば、静的破砕を利用しているため、撤去範囲の解体時には、作業員は離れた位置で待機していることが可能となり、コンクリート塊の崩落や粉じんの飛散等による危険性が低減される。
また、膨張剤を注入する深さを調整することにより、所望の深さによる撤去が可能なため、廃棄物の処分量を最小限に抑えることが可能となる。
前記コンクリート躯体の解体方法において、前記第二切込みを、段差付きの溝により形成すれば、例えば、くさび等を利用して第二切込みの溝幅を広げる際に、段差を利用したてこの力により、解体をより簡易に行うことが可能となる。また、くさびを切込みの奥まで挿入することが可能となり、より解体作業を容易に行うことが可能となる。
また、前記段差付きの溝を、異なる直径の刃同士を組み合わせてなる二枚刃のカッターを利用して形成すれば、作業を容易に行うことが可能なため、好適である。
本発明のコンクリート躯体の解体方法によれば、従来の解体方法と比較して作業性、安全性および経済性に優れた方法により、コンクリート躯体を部分的に解体することが可能となった。
本発明の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。
<第1の実施の形態>
本実施形態では、コンクリート躯体1である放射線遮蔽壁について、放射能により汚染された汚染部分3を含む撤去領域2を、本発明のコンクリート躯体の解体方法により撤去する場合について説明する(図1参照)。
本実施形態に係るコンクリート躯体の解体方法は、コンクリート躯体1に設定された撤去領域2に、メッシュ状の切込み(周縁切込み10および縁内切込み20)を入れて該撤去領域2を複数のブロック30,30,…に分割する切込み工程と、これらのブロック30,30,…を撤去する解体工程とを含んでいる(図1および図2参照)。
切込み工程では、汚染部分3を含む矩形状の撤去領域2に、メッシュ状の切込み(周縁切込み10および縁内切込み20)を形成する。切込み工程で形成されるメッシュの大きさ(ブロック30の大きさ)は限定されるものではないが、後記する解体工程において、作業員が安全にブロック30の撤去を行うことが可能な程度の大きさとする。なお、本実施形態では、撤去領域2を矩形状に形成するものとしたが、撤去領域の形状は限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。
まず、撤去領域2の外周囲を矩形状に囲むように、コンクリート躯体1に、縦横の周縁切込み10を形成する(図1(a)参照)。
ここで、本実施形態では、撤去領域2を囲むように形成された周縁切込み10のうち、下側の横方向の周縁切込み10を第一切込み11とする。なお、第一切込み11は、下側に周縁切込み10に限定されるものではない。
なお、周縁切り込み10は、図3(a)に示すように、異なる直径からなるカッター刃C1,C2同士を組み合わせてなる二枚刃のカッターCを利用して形成することで、表面側の溝幅が底側の溝幅よりも大きくなるように段差付きの溝により形成されている。このカッターCのカッター刃C1,C2は、モータC3の動力により、同軸回りに回転する。
本実施形態では、全ての周縁切込み10を、二枚刃のカッターCを利用して溝幅を広く形成するものとしたが、少なくとも1辺(第一切込み10)の溝幅が広く形成されていればよい。
ここで、本実施形態では、周縁切込み10の形成に、溝幅を太くするために2枚刃のカッターCを使用するものとしたが、カッターCの構成はこれに限定されるものではない。なお、カッター刃C1,C2の直径は適宜設定すればよいが、本実施形態では、大型のカッター刃C1の半径が、小型のカッター刃C2の半径よりも、コンクリート躯体に配筋された主筋の鉄筋径+2〜5mm程度大きいものを使用する。このようなカッターCを使用することで、主筋を避けた段差付きの溝を形成し、鉄筋切断負荷を低減させる。
次に、図1(a)に示すように、周縁切込み10,10,…により囲まれた撤去領域2内に、縦切込み22(縁内切込み20)を所定の間隔により複数本形成する。
なお、縦切込み22の形成は、一枚刃のカッターを利用して行うものとし、周縁切込み10の溝幅よりも狭い溝幅で形成する。
続いて、図1(b)に示すように、撤去領域2内に、第一切込み11と平行に第二切込み21(縁内切込み20)を形成する。第二切込み21を形成することにより、最下段のブロック30,30,…が複数形成される。なお、第二切込み21は、第一切込み11に沿って形成されていれば、必ずしも平行でなくてもよい。
本実施形態では、第二切込み21を、第一切込み11と同様に、異なる直径の刃C1,C2同士を組み合わせてなる二枚刃のカッターCを利用して形成することで、表面側の溝幅が底側の溝幅よりも大きくなるように段差付きの溝により形成している(図3(b)参照)。
解体工程では、切込み工程において形成されたメッシュ状の切込み(周縁切込み10および縁内切込み20)により形成されたブロック30,30,…の撤去を行う。
ブロック30の撤去は、図3(b)に示すように、第二切込み21にくさび41を挿入し、第二切込み21の溝幅を広げて、第一切込み11と第二切込み21とにより挟まれたブロック30に、下方向の荷重Pを加えることにより行う。
ここで、第二切込み21には段差が形成されて、第二切込み21の表面側の溝幅が底側の溝幅よりも大きく形成されているため、くさび41を溝(第二切込み21)の奥まで挿入することができる。また、第二切込み21の溝の段差により、てこの原理を利用して、下方向の荷重Pを効率的に加えることができる。
第一切込み11と第二切込み21との間に形成されたブロック30に、下方向の荷重が作用することで、図3(b)に示すように、根元においてせん断破壊Sが生じる。そして、図3(c)に示すように、ブロック30をその根元においてコンクリート躯体1から分離して、撤去することができる。
解体工程では、図1(c)に示すように、ブロック30毎に撤去を行い、最下段のブロック30を全て撤去する。
図2(a)に示すように、最下段のブロック30の撤去が終了したら、第一切込み11と平行な第二切込み21を形成し、2段目のブロック30,30,…を形成する(切込み工程)。
そして、最下段と同様の方法により、2段目のブロックの撤去を行う(解体工程)。
切込み工程と解体工程を必要回数繰り返すことにより、図2(b)に示すように、撤去領域2内の全てのブロック30を撤去する。
なお、最上段のブロック30の解体工程では、上側の周縁切込み10にくさび41を挿入することにより行う。また、施工の手順は前記の手順に限定されるものではなく、例えば、必要段数分の第2切込み21(横切込み)を形成した後、段毎にブロック30を撤去する構成としてもよい。
以上、第1の実施の形態にかかるコンクリート躯体の解体方法によれば、撤去領域2を細分化することに形成されたブロック30を、個々に撤去するため、人力による搬送が可能な程度の塊により解体することが可能となる。また、粉塵の発生も抑制することが可能である。そのため、作業時の安全性が確保されるとともに、作業性にも優れている。
また、コンクリート躯体1を貫通させることなく、所望の厚みにより解体することが可能なため、仮支持構造等を要することなく、大面積範囲にわたる撤去範囲に対しても適用が可能である。
また、複数のブロック30,30,…に細分化して撤去するため、撤去範囲を最小限に制限することが可能となり、廃棄物の量を最小限に抑えることが可能となる。
また、第一切込み11の切削幅が太く形成されているため、第二切込み21の溝幅を広げることで、ブロック30に第一切込み11方向の力を負荷することが容易となる。これにより、ブロック30の根元においてせん断破壊を生じさせて、容易にブロック30の撤去を行うことができる。
また、第二切込み21が、段差を有した溝に形成されているため、くさび41を溝の奥まで挿入して、ブロック30の根元に荷重Pを加えることが可能となる。また、第二切込み21に形成された段差を利用すれば、テーパ状に形成されたくさびを挿入するのみで、下方向の荷重Pを作用させることが可能となる。
また、ブロック30は、ドラム缶等の処分容器に規則正しく詰めることが可能となる。さらに、これらのブロック30と処分容器との間に形成された隙間に切込み10,20の形成に伴い発生した切り粉(粉じん)を詰めることで、処分容器の充填率を限りなく100%に近づけることが可能となる。
また、コンクリート躯体1の解体に使用する機械としては、カッターCのみで済むため、設備費が安価である。
<第2の実施の形態>
本実施形態では、コンクリート躯体1である放射線遮蔽壁について、放射能により汚染された汚染部分3を含む撤去領域2を、本発明のコンクリート躯体の解体方法により撤去する場合について説明する(図4参照)。
本実施形態に係るコンクリート躯体の解体方法は、コンクリート躯体1に設定された撤去領域2に、メッシュ状の切込み(周縁切込み10および縁内切込み20)を入れて該撤去領域2を複数のブロック30,30,…に分割する切込み工程と、これらのブロック30,30,…を撤去する解体工程とを含んでいる(図4および図5参照)。
切込み工程では、汚染部分3を含む矩形状の撤去領域2に、メッシュ状の切込み(周縁切込み10および縁内切込み20)を形成する。切込み工程で形成されるメッシュの大きさ(ブロック30の大きさ)は限定されるものではないが、後記する解体工程において、作業員が安全にブロック30の撤去を行うことが可能な程度の大きさとする。なお、本実施形態では、撤去領域2を矩形状に形成するものとしたが、撤去領域の形状は限定されるものではなく、適宜設定することが可能である。
まず、撤去領域2の外周囲を矩形状に囲むように、コンクリート躯体1に、縦横の周縁切込み10を形成する(図4(a)参照)。
ここで、本実施形態では、撤去領域2を囲むように形成された周縁切込み10のうち、下側の横方向の周縁切込み10を第一切込み11とする。なお、第一切込み11は、下側に周縁切込み10に限定されるものではない。
なお、周縁切り込み10は、図6(a)に示すように、異なる直径からなるカッター刃C1,C2同士を組み合わせてなる二枚刃のカッターCを利用して形成することで、表面側の溝幅が底側の溝幅よりも大きくなるように段差付きの溝により形成されている。
本実施形態では、全ての周縁切込み10を、二枚刃のカッターCを利用して溝幅を広く形成するものとしたが、少なくとも1辺(第一切込み10)の溝幅が広く形成されていればよい。
ここで、周縁切込み10の形成に使用するカッターCの構成は、第1の実施の形態で示したものと同様なため、詳細な説明は省略する。
次に、図4(a)に示すように、周縁切込み10,10,…により囲まれた撤去領域2内に、縦切込み22および横切込み(第二切込み21)を形成し、撤去領域2を複数のブロック30,30,…に分割する。
なお、縁内切込み20(縦切込み22および横切込み)の形成は、一枚刃のカッターを利用して行うものとし、周縁切込み10の溝幅よりも狭い溝幅で形成する。
続いて、図4(b)および図6(a)に示すように、最下段の横切込みである第二切込み21と縦切込み22との交点にドリルDにより有底の解体孔23を形成する。
解体工程では、切込み工程において形成されたメッシュ状の切込み(周縁切込み10および縁内切込み20)により形成されたブロック30,30,…の撤去を行う。
ブロック30の撤去は、図6(b)に示すように、解体孔23に破砕剤42を充填し、破砕剤42に膨張力により第二切込み21の溝幅を広げて、第一切込み11と第二切込み21により挟まれたブロック30に下方向の荷重Pを作用させることにより行う。
破砕剤42が膨張することにより、下方向の荷重Pが作用するため、ブロック30には、根元においてせん断破壊Sが生じる。そして、図4(c)および図6(c)に示すように、ブロック30をその根元においてコンクリート躯体1から分離されて、最下段のブロック30が全て撤去される。
最下段のブロック30の撤去が終了したら、図5(a)に示すように、下から2段目の第二切込み21と縦切込み22との交点にドリルDにより解体孔23を形成する(切込み工程)。
そして、最下段と同様の方法により、解体孔23に破砕剤42を充填し、2段目のブロック30,30,…の撤去を行う(解体工程)。
切込み工程の解体孔23の形成と解体工程とを必要回数繰り返すことにより、図5(b)に示すように、撤去領域2内の全てのブロック30を撤去する。
なお、最上段のブロック30の解体は、上側の周縁切込み10に解体孔23を形成し、破砕剤42を充填することにより行えばよい。また、施工の手順は前記の手順に限定されるものではなく、例えば、全ての解体孔23,23,…を形成した後、ブロック30,30,…を段毎に解体する構成としてもよい。
以上、第2の実施の形態にかかるコンクリート躯体の解体方法によれば、破砕材42による静的破砕を利用しているため、撤去範囲2の解体時には、作業員は離れた位置で待機していることが可能となる。そのため、コンクリート塊の崩落や粉じんの飛散等に伴う危険性が低減される。
また、解体孔23の深さを調整することにより、所望の深さによる撤去を容易に行うことができ、廃棄物の処分量を最小限に抑えることが可能となる。
この他の第2の実施の形態にかかるコンクリート躯体の解体方法による作用効果は、第1の実施の形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
以上、本発明について、好適な実施形態について説明した。しかし、本発明は、前述の各実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜設計変更が可能であることはいうまでもない。
例えば、前記各実施形態では、放射能により汚染された汚染部分を有する放射線遮蔽壁について、本発明のコンクリート躯体の解体方法により汚染部分を撤去する場合について説明したが、本発明のコンクリート躯体の解体方法が適用されるコンクリート躯体は限定されるものではなく、あらゆるコンクリート構造物に適用可能である。
また、解体の対象となるコンクリート躯体は、鉄筋コンクリート製のものに限定されるものではなく、例えば無筋コンクリートにより構成されたコンクリート躯体であってもよい。
前記各実施形態では、周縁切込みを段差付きの溝により形成するものとしたが、溝の形状は限定されるものではない。
同様に第二切込みの断面形状も限定されるものではない。
また、縁内切込みについても、段差付きの溝で形成してもよい。
前記第1の実施の形態では、くさびを利用して第二切込みの溝幅を広げるものとしたが、第二切込みの溝幅の拡幅方法は限定されるものではない。
また、前記第2の実施の形態では、解体孔を形成して解体孔に膨張剤を充填するものとしたが、縁内切込みに直接膨張剤を充填して、この膨張剤の膨張力により縁内切込みの溝幅を広げる構成としてもよい。
(a)〜(c)は、第1の実施の形態に係るコンクリート躯体の解体方法の各作業工程を示す斜視図である。 (a)〜(b)は、第1の実施の形態に係るコンクリート躯体の解体方法の各作業工程を示す斜視図である。 図1および図2に示すコンクリート躯体の解体方法の各作業工程を示す拡大断面図であって、(a)は切込み工程、(b)は解体工程、(c)は解体後の状況を示している。 (a)〜(c)は、第2の実施の形態に係るコンクリート躯体の解体方法の各作業工程を示す斜視図である。 (a)〜(b)は、第2の実施の形態に係るコンクリート躯体の解体方法の各作業工程を示す斜視図である。 図4および図5に示すコンクリート躯体の解体方法の各作業工程を示す拡大断面図であって、(a)は切込み工程、(b)は解体工程、(c)は解体後の状況を示している。
符号の説明
1 コンクリート躯体
2 撤去領域
10 周縁切込み
11 第一切込み
20 縁内切込み
21 第二切込み
C カッター
C1,C2 カッター刃

Claims (5)

  1. コンクリート躯体に設定された撤去領域に、メッシュ状の切込みを入れて該撤去領域を複数のブロックに分割する切込み工程と、
    前記ブロックを撤去する解体工程と、を含むコンクリート躯体の解体方法であって、
    前記メッシュ状の切込みが前記撤去領域の外周囲を囲むように形成された周縁切込みと、該周縁切込みの内部に形成された縁内切込みと、を備えており、
    前記切込み工程において、少なくとも前記周縁切込みのうちの1辺である第一切込みを、該第一切込みの表面側の溝幅が底側の溝幅よりも大きくなるように形成し、
    前記解体工程において、前記第一切込みに沿って形成された縁内切込みである第二切込みの溝幅を広げることにより前記第一切込みと前記第二切込みとの間のブロックを撤去することを特徴とする、コンクリート躯体の解体方法。
  2. 前記解体工程において、前記第二切込みにくさびを挿入し、該第二切込みの溝幅を広げることを特徴とする、請求項1に記載のコンクリート躯体の解体方法。
  3. 前記解体工程において、前記第二切込みに膨張剤を注入し、該膨張剤の膨張力により前記第二切込みの溝幅を広げることを特徴とする、請求項1に記載のコンクリート躯体の解体方法。
  4. 前記第二切込みを、段差付きの溝により形成することを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のコンクリート躯体の解体方法。
  5. 前記第二切込みを、異なる直径の刃同士を組み合わせてなる二枚刃のカッターを利用して形成することを特徴とする、請求項4に記載のコンクリート躯体の解体方法。
JP2007182046A 2007-07-11 2007-07-11 コンクリート躯体の解体方法 Expired - Fee Related JP5096819B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007182046A JP5096819B2 (ja) 2007-07-11 2007-07-11 コンクリート躯体の解体方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007182046A JP5096819B2 (ja) 2007-07-11 2007-07-11 コンクリート躯体の解体方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009019393A true JP2009019393A (ja) 2009-01-29
JP5096819B2 JP5096819B2 (ja) 2012-12-12

Family

ID=40359269

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007182046A Expired - Fee Related JP5096819B2 (ja) 2007-07-11 2007-07-11 コンクリート躯体の解体方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5096819B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013023921A (ja) * 2011-07-21 2013-02-04 Ohbayashi Corp コンクリート構造物の分割方法
JP2020204229A (ja) * 2019-06-19 2020-12-24 株式会社奥村組 掘削可能な対象物への凹所形成方法
JP2020204228A (ja) * 2019-06-19 2020-12-24 株式会社奥村組 掘削可能な対象物への凹所形成方法

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58146665A (ja) * 1982-02-22 1983-09-01 戸田建設株式会社 硬化コンクリ−トの剥離工法
JPS58173260A (ja) * 1982-04-05 1983-10-12 前田建設工業株式会社 鉄筋コンクリ−ト構造物の表層解体工法
JPS61186673A (ja) * 1985-02-13 1986-08-20 神奈川県 コンクリ−ト表面はつり工法
JPS61242262A (ja) * 1985-04-16 1986-10-28 三菱重工業株式会社 構造物の表層剥離方法
JPS61250265A (ja) * 1985-04-30 1986-11-07 吉澤石灰工業株式会社 限定静的破砕方法
JPH0860875A (ja) * 1994-08-25 1996-03-05 Nippon Kensetsu Kikaika Kyokai コンクリートの破壊方法
JPH08246414A (ja) * 1995-03-13 1996-09-24 Asahi Daiyamondo Kogyo Kk アスファルト舗装切断用組み合わせ型ソーブレード及びアスファルト舗装の切断方法
JPH09125867A (ja) * 1995-11-02 1997-05-13 Kenki Eng:Kk トンネルの掘削方法
JP2000001928A (ja) * 1998-06-16 2000-01-07 Taisei Corp プレキャストコンクリ−ト壁板、及び同壁板の回収方法

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58146665A (ja) * 1982-02-22 1983-09-01 戸田建設株式会社 硬化コンクリ−トの剥離工法
JPS58173260A (ja) * 1982-04-05 1983-10-12 前田建設工業株式会社 鉄筋コンクリ−ト構造物の表層解体工法
JPS61186673A (ja) * 1985-02-13 1986-08-20 神奈川県 コンクリ−ト表面はつり工法
JPS61242262A (ja) * 1985-04-16 1986-10-28 三菱重工業株式会社 構造物の表層剥離方法
JPS61250265A (ja) * 1985-04-30 1986-11-07 吉澤石灰工業株式会社 限定静的破砕方法
JPH0860875A (ja) * 1994-08-25 1996-03-05 Nippon Kensetsu Kikaika Kyokai コンクリートの破壊方法
JPH08246414A (ja) * 1995-03-13 1996-09-24 Asahi Daiyamondo Kogyo Kk アスファルト舗装切断用組み合わせ型ソーブレード及びアスファルト舗装の切断方法
JPH09125867A (ja) * 1995-11-02 1997-05-13 Kenki Eng:Kk トンネルの掘削方法
JP2000001928A (ja) * 1998-06-16 2000-01-07 Taisei Corp プレキャストコンクリ−ト壁板、及び同壁板の回収方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013023921A (ja) * 2011-07-21 2013-02-04 Ohbayashi Corp コンクリート構造物の分割方法
JP2020204229A (ja) * 2019-06-19 2020-12-24 株式会社奥村組 掘削可能な対象物への凹所形成方法
JP2020204228A (ja) * 2019-06-19 2020-12-24 株式会社奥村組 掘削可能な対象物への凹所形成方法
JP7233314B2 (ja) 2019-06-19 2023-03-06 株式会社奥村組 掘削可能な対象物への凹所形成方法
JP7257890B2 (ja) 2019-06-19 2023-04-14 株式会社奥村組 掘削可能な対象物への凹所形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5096819B2 (ja) 2012-12-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5096819B2 (ja) コンクリート躯体の解体方法
JP5795232B2 (ja) 解体方法
JP2011241582A (ja) 仮支承コンクリートの撤去方法
JP2012162787A (ja) 解体工法
JP6788570B2 (ja) 原子炉圧力容器の解体方法
KR102244627B1 (ko) 원자로의 해체 방법
JP6411048B2 (ja) 解体方法
JP2019167690A (ja) 杭頭処理工法
JP2012230084A (ja) 原子力発電所建屋の解体方法
JP6491561B2 (ja) 構造物の解体方法
JP6707001B2 (ja) コークス炉の擁壁解体方法
RU2720706C1 (ru) Способ удаления бака
JPS6144400A (ja) コンクリ−ト構造物の解体方法
JPH02307097A (ja) 原子炉における遮蔽体の解体方法及び解体装置
JP2005083923A (ja) 生体遮蔽壁の解体方法
JP2004077149A (ja) 原子炉撤去工法
JP2912391B2 (ja) 原子力施設の熱遮蔽体
JP6369791B1 (ja) トーラス室内機器の解体工法
JP6436733B2 (ja) コンクリートスラブの解体方法
KR102656665B1 (ko) 무진동 터파기 시공 방법
WO2015108098A1 (ja) 解体方法
JP2004286237A (ja) 煙突内壁の解体方法および装置
JP2014098570A (ja) 開口生成方法
JP2010071052A (ja) 鉄筋コンクリート構造物解体工法
JP6211346B2 (ja) 杭頭処理方法および破砕装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120911

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120921

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5096819

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20180928

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees