JP2000001928A - プレキャストコンクリ−ト壁板、及び同壁板の回収方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、回収作業が容易かつ安全で、リサ
イクルが可能な、ＰＣ壁板及び同壁板の回収方法を提供
することを課題とする。 【解決手段】 ＰＣ壁板１を製作する際に、同壁板１の
横方向に凹み２を設けてくさび３を配設するように成型
する。躯体４に取付けてあるＰＣ壁板１を解体し回収す
る場合は、前記壁板１の凹み２にくさび３を打込み、凹
み２位置で切断・分割する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、非構造材であるプ
レキャストコンクリ−ト壁板、及び建物解体時における
プレキャストコンクリ−ト壁板の回収方法に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来から、オ−トクレ−ブした気泡コン
クリ−ト（ＡＬＣ）壁板、プレキャスト軽量コンクリ−
ト（ＰＬＣ）壁板、プレキャスト普通コンクリ−ト（Ｐ
Ｃ）壁板、即ち、それらを総称したプレキャストコンク
リ−ト壁板（以下、ＰＣ壁板と略す。）は、建物の外壁
用及び間仕切り用の非構造材として多く使用されてい
る。 一方、建物の用途変更に伴うＰＣ壁板の撤去時、
或いは建物の解体時に、ＰＣ壁板を重機械を用いて壊
し、廃棄物として処理する方法が取られていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ＰＣ壁板を建物の躯体
に取付けるに際し、従来は、ロ−コストで、且つ容易に
回収が可能な手段が全くなされていない。従って、再利
用が可能なように取外すのは殆ど不可能か、または、可
能であっても多大な手間・時間及びコストがかかる、な
どの課題があった。

【０００４】

【本発明の目的】上記のような課題を解決するためにな
された本発明は、回収作業が容易かつ安全で、リサイク
ルが可能な、ＰＣ壁板及び同壁板の回収方法を提供する
ことにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明のＰＣ壁板は、製作する際に、壁板の横方
向に凹みを設けてくさびを配設するように成型したこと
にあり、また、同壁板を解体し回収する方法は、前記壁
板の凹みにくさびを打込み、凹み位置で切断・分割する
ことにある。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を説明する。 ＜イ＞ＰＣ壁板１ ＡＬＣ、ＰＬＣなどのＰＣ壁板１を製作する際に、この
壁板１の横方向、即ち躯体に建込まれる壁面に、凹み
（溝）２を略水平に且つ連続的に入れておく。凹み２は
壁型枠に目地棒を取付けることで簡単に形成できる。

【０００７】図示によると、凹み２は上下２段に設けて
あるが、位置や段数は後述するＰＣ壁板１の回収が可能
なように設ける。図中１１，１２は回収後のＰＣ板であ
る。

【０００８】凹み２の断面形状はコの字型に限らず、後
述する「くさび３」の装着が可能なように、くの字型、
円弧状などでもよい。

【０００９】凹み２の断面サイズは壁厚により決めるこ
とができる。例えば、壁厚ｔが１０〜１５ｃｍなら、幅
ｂは５〜１５ｍｍ、深さｄは１０〜２０ｍｍ程度とす
る。

【００１０】上記のＰＣ壁板１を躯体４に取付ける。そ
の際、凹み２に「くさび３」をセットしておくと便利で
ある。尚、くさび３は、後述するＰＣ壁板１の回収時に
セットしてもよい。

【００１１】ＰＣ壁板１を外壁に用いる場合は、外面の
凹みに石膏などを充填しておく。内壁の場合は石膏を充
填するか、テ−プでシ−ルし内装材により仕上げてもよ
い。

【００１２】＜ロ＞ＰＣ壁板１の回収方法 将来、建物を解体する時、或いは用途変更などによりＰ
Ｃ壁板１を取外す必要が生じた時にそれを回収する。そ
の方法は、ＰＣ壁板１の凹み２に「くさび３」をセット
し、或いは予めセットされている「くさび３」を打込
む。打込み金具５を用いてハンマ−により殴打し、凹み
２位置でコンクリ−トを分断する。次いで、その位置の
壁板１の図示しない縦筋を切断用具で切断して分割す
る。くさび３は金属製が好ましいが、硬質材であればよ
い。

【００１３】図示によると、凹み２はＰＣ壁板１の両面
に２箇所設けてあり、上下の凹み２位置において、両面
を交互に上記の操作を行う。

【００１４】それにより、従来のような大掛かりな機械
を用いて壊すことなく、容易に解体でき回収が可能とな
る。切断・分割したＰＣ板１１，１２は小型サイズであ
り、人力により、又は小型の搬送用具により容易に搬出
できる。

【００１５】＜ハ＞回収したＰＣ板１１，１２の再利用
について 分割したＰＣ板１１，１２は、再使用の目的・用途によ
っては、切断面を整形・補修する。このＰＣ板１１，１
２は、簡易建物の壁、塀、駐車場等の床、歩道・遊舗道
の敷板、側溝の蓋、簡易土留め壁、型枠など、特に補強
を施すことなく、直ちに再利用できる。即ち、ＰＣ板１
１，１２内には鉄筋が内蔵してあるので汎用性があり、
その用途は極めて広い。

【００１６】

【発明の効果】本発明は以上説明したようになるから、
次のような効果を得ることができる。 ＜イ＞ＰＣ壁板は、製作する際に、壁板の横方向に凹み
を設けてくさびを配設するするように成型することによ
り、凹みの形成が簡単で、小型の用具で容易に分断が可
能であり、その作業は一人でも短期間に行える上、搬出
も容易である。 ＜ロ＞ＰＣ壁板を解体し回収する方法は、前記壁板の凹
みにくさびを打込み、凹み位置で切断・分割することに
よって、分断した後の壁板の補強が不要であり、用途範
囲が広く、再利用が可能である。その結果、従来のよう
な廃棄処分にならないので地球環境に優しく、また資源
の節約に大いに寄与できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るＰＣ壁板、及び同壁板の回収方法
を説明する縦断面図

【図２】ＰＣ壁板が躯体に取付けられている全体正面
図、及び部分拡大図

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】建物の躯体４に取付ける非構造材であるプ
   レキャストコンクリ−ト壁板１であって、 同壁板１を製作する際に、この壁板１の横方向に凹み２
   を設けてくさび３を配設するように成型したことを特徴
   とする、 プレキャストコンクリ−ト壁板。
2. 【請求項２】請求項１に記載のプレキャストコンクリ−
   ト壁板１を建物の躯体４に取付けた後、 前記壁板１を解体する際に、同壁板１の凹み２にくさび
   ３を打込み、凹み２位置で切断し分割することを特徴と
   する、 プレキャストコンクリ−ト壁板の回収方法。