JP2008528866A - 脈動を抑制するチャンバを備えた内燃機関をターボチャージする装置 - Google Patents

Abstract

本発明は、内燃機関（４）をターボチャージするための装置に関し、本装置は、エンジン（４）の排気ガス（３）によって駆動されるタービン（２）と、前記タービン（２）によって駆動されてエンジンの吸気を圧縮するコンプレッサ（６）とを有するターボコンプレッサ（１）、コンプレッサ（６）の出力（１０）をエンジン（４）の吸気マニホールド（８）に接続し、コンプレッサ（６）の出力に生じる脈動を抑制するためのチャンバ（９ａ）を有する吸気コンジット（７）を備える。本発明の装置は、前記制動チャンバ（９ａ）がコンプレッサ（６）の出力（１０）に直接接続されることを特徴とする。

Description

本発明はコンプレッサの出口に発生する脈動を抑えるチャンバを備えた内燃機関用のターボチャージ装置に関する。

このような種類のターボチャージ装置は、日本特許出願ＪＰ５７０４９０２１及びＪＰ１２３３０２２８０に具体的に記載されている。
これらの出願特許において、第一の制動チャンバは、コンプレッサの出口とエンジンの吸気マニホールドを接続する吸気コンジットの中間に配置されている。

更に、一又は二の他の制動チャンバが、コンプレッサと第一の制動チャンバの間の吸気コンジットの部分に配置されている。
これらのチャンバは、衰及び共振効果の相互作用により、吸気コンジット内の圧力性脈動の振幅を減少させる。

本発明に最も近い先行技術を添付図面１及び２に示す。
図１において、参照番号１は、内燃機関４の排気管３内を流れるガスによって駆動されるタービン２を備えたターボチャージャーを示す。

タービン２はコンプレッサ６のロータ５を駆動し、コンプレッサはエンジン４の吸気マニホールド８に接続されている吸気ダクト７に圧縮空気を送る。
吸気ダクト７はその経路内にチャンバ９を有する。図２にその詳細な構造を示す。

コンプレッサ６の出口端１０に吸気コンジット７を容易に装着できるようにするため、固定用クリップ１９からなるスナップ嵌合手段により、吸気ダクト７の端部１１は出口端１０の周りに装着される。
制動チャンバ９は円筒状の外壁１２を有しており、この外壁は、吸気ダクト７の直径にほぼ等しい直径を有する円筒状の内壁１３を取り囲んでいる。

円筒状の壁１２と１３の間には、隔壁１６によって互いに分離された二つの環状の空間１４及び空間１５が形成されている。空間１４及び１５はそれぞれ、環状のスロット１７、１８を介して吸気ダクト７の内部に開口している。
制動チャンバアセンブリは、溶接された複数の部材から形成される。

図２は、吸気ダクト７の端部１１がコンプレッサ６の出口端１０の周囲を囲むように行われるスナップ嵌合方法の詳細を示す。
ダクト７の端部１１は、コンプレッサに向かってラッパ状に開く形状を有し、コンプレッサは、コンプレッサの出口端１０を取り囲むスリーブ２３の端部に載る環状の肩部２４を有している。

ダクト７のラッパ状の端部１１は、固定用クリップ１９によってスリーブ２３にスナップ嵌合される。端部１１とスリーブ２３の間にはシール２０、２１が挿入される。
本発明の目的は、これらの構造を単純化することにより、前述の既知の装置を改善し、同時に制動チャンバの有効性を高めることである。

本発明による内燃機関のターボチャージ装置は、エンジンの排気ガスによって駆動されるタービンと、該タービンによって駆動され、エンジンの吸気を圧縮するコンプレッサとを有するターボチャージャー、及びコンプレッサの出口をエンジンの吸気マニホールドに接続し、コンプレッサの出口に発生する脈動を抑制するためのチャンバを有する吸気ダクトを備え、前記制動チャンバがコンプレッサの出口に直接接続することを特徴とする。
このような構成により、構造を簡易化し、制動チャンバの有効性を高めることができる。

本発明の好適な実施形態によれば、前記制動チャンバはコンプレッサの出口に接続する管状の終端部を部分的に取り囲む。
好適には、前記制動チャンバは円筒状の外壁と内壁とを有し、これら二つの壁の間には隣接する二つの環状空間が形成され、環状空間の一方の内壁が前記コンプレッサの出口端を取り囲む。
従って、この内壁は吸気ダクトの端部を形成し、コンプレッサの出口端を取り囲むのに適している。この構造は装置の構造を簡易化する。

本発明の他の特定の特徴を以下に述べる：
−前記制動チャンバは、ほぼその中間の半径方向の平面に、円形の中央開口部を備えた隔壁を有し、当該開口部の直径は、コンプレッサの出口端に接続する管状の出口端の直径にほぼ等しい。
−前記中央開口部からは、前記出口端と反対方向に管状ダクトが伸びており、この管状ダクトは、前記制動チャンバの外壁と共に環状の空間を画定しており、当該環状空間は、前記管状ダクトの自由端と、前記制動チャンバを吸気コンジットに接続する領域との間に形成される環状開口部を介して吸気ダクトに開口している。
−前記制動チャンバは、前記環状の隔壁と、前記制動チャンバをコンプレッサの出口に接続する領域との間の領域に別の環状の空間を有する。
−前記別の環状空間は、前記円形開口部の縁に隣接する環状スロットを介してコンプレッサの出口端の軸に向かって放射状に開口する。
−コンプレッサの出口端は、コンプレッサの出口の周囲に装着されたスリーブによって環状に取り囲まれており、吸気ダクトとは反対側のチャンバの外壁の端部が前記スリーブの周りにスナップ嵌合する。
−前記スリーブは管状要素によって取り囲まれており、当該管状要素の一端は前記出口端の出口の縁によって支えられるリムを有し、当該要素の他端は前記出口端とチャンバの外壁の隣接端部との間に挿入され、チャンバの外壁の端部を前記スリーブにスナップ嵌合するための手段により前記スリーブに装着される。

本発明の他の特徴及び利点は、以下の説明によって明らかとなる。
添付図面に示す実施例は限定的なものではない。

図３では、図１と同一の部材に同じ参照番号が付されている。
図３に示すように、内燃機関４のターボチャージ装置はターボコンプレッサ１を備えており、このターボコンプレッサのタービン２はエンジン４の排気ガス３によって駆動され、コンプレッサ６のロータ５はこのタービン２によって駆動され、エンジンの吸気を圧縮する。

コンプレッサ６の出口１０をエンジン４の吸気マニホールド８に接続する吸気ダクト７は、コンプレッサ６の出口で発生する脈動を抑制するチャンバ９ａを有する。
本発明によれば、この制動チャンバ９ａはコンプレッサ６の出口端１０に直接接続される。

図３及び図４に示すように、制動チャンバ９ａは、コンプレッサ６の出口に接続される管状の端部１０を部分的に取り囲む。
図１及び図２に示す場合と同様に、制動チャンバ９ａは、円筒状の外壁１２ａ、及び内壁１３ａ、１３ｂを有し、これらの壁の間に隣接する二つの環状空間１４ａ、１５ａが形成される。

図３及び図４に示す場合では、環状空間１４ａの内壁１３ａは、コンプレッサの出口端１０をほぼ完全に取り囲む。
制動チャンバ９ａは、ほぼその中間に位置する半径方向の平面に隔壁１６ａを有し、この隔壁には、コンプレッサの出口に接続される管状の端部１０の直径にほぼ等しい直径を有する円形の中央開口部２０ａが設けられている。

この中央開口部２０ａからは、コンプレッサの終端部１０とは反対の方向に管状ダクト１３ｂが伸びており、このダクトは制動チャンバ９ａの外壁１２ａと共に環状空間１５ａを画定している。
この環状空間１５ａは、管状ダクト１３ｂの自由端と、制動チャンバ９ａを吸気ダクト７に接続する領域２１との間に形成された環状の開口部１８ａを介して吸気ダクト７に開口している。

図４は、管状ダクト１３ｂが、中央吸気開口部２０ａとは反対の方向にラッパ状に開く形状を有することを示す。
更に、制動チャンバ９ａは、環状隔壁１６ａと、制動チャンバ９ａをコンプレッサの出口に接続する領域２２との間に伸びる領域に環状の空間１４ａを有する。

環状空間１４ａは、隔壁１６ａの円形の開口部２０ａの縁に隣接する円形スロット１７ａを介して、コンプレッサの出口端１０の軸に向かって放射状に開口している。
図４は更に、コンプレッサの出口端１０が、コンプレッサの出口端１０の周囲に装着されたスリーブ２３ａによって環状に囲まれている状態を示す。

加えて、吸気ダクト７の反対側のチャンバ９ａの外壁１２ａの端部２２は、スリーブ２３ａの周囲にスナップ嵌合されている。
更に、スリーブ２３ａは、チャンバ９ａの内側空間１４ａの内壁１３ａから構成される管状要素によって囲まれている。

この内壁１３ａの一方の端部は、出口端１０の出口の縁によって支えられるリム２４ａを有する。
この壁１３ａの他方の端部は、スリーブ２３ａと、チャンバ９ａの外壁１２ａの隣接端２２との間に挿入され、制動チャンバ９ａの外壁１２ａの端部を前記スリーブ２３ａにスナップ嵌合するために使用されるクリップ１９ａからなる手段によりスリーブ２３ａに装着されている。

図２に示す場合と同様に、空間１４ａを画定する壁３０ａとスリーブ２３ａの間には複数のシールが挿入される。
図１及び図２に示す装置と比較した場合の、図３及び図４に示す装置の主な利点は以下の通りである。

主に、コンプレッサの出口端１０を取り囲むスリーブ２３ａにスナップ嵌合できるように制動チャンバ９ａの内壁１３ａを形成できるため、製造コストが安価である。
従って、内壁１３ａは、図１及び図２に示す装置の二つの壁１３及び１１の代替となるので、二重の機能性を有する。

更に、チャンバ９ａの別の内壁１３ｂは隔壁１６ａと一体成形することができるので（図４に示すように）、溶接作業が不要となる。
加えて、制動チャンバ９ａをコンプレッサのできるだけ近くに配置できるので、効率が著しく向上し、コンプレッサとエンジンの吸気マニホールドとの間のスペースが低減される。

既知の制動チャンバを備えたターボチャージ装置の概略縦断面図である。 図１に示す装置の部分図であり、制動チャンバ、及び吸気ダクトとコンプレッサの出口との接続の、詳細な構造を示す。 本発明による装置を示す図１と同様の図である。 本発明による装置の制動チャンバ、及びそのコンプレッサの出口への直接接続を示す、図２と同様の図である。

Claims (10)

1. 内燃機関（４）の排気ガスによって駆動されるタービン（２）と、このタービン（２）によって駆動され、エンジンの吸気を圧縮するコンプレッサ（６）とを有するターボチャージャー（１）、及びコンプレッサ（６）の出口をエンジン（４）の吸気マニホールド（８）に接続し、且つコンプレッサ（６）の出口で発生する脈動を抑制するチャンバ（９ａ）を有する吸気ダクト（７）を備える内燃機関（４）のターボチャージ装置であって、前記制動チャンバ（９ａ）がコンプレッサ（６）の出口（１０）に直接接続されることを特徴とする、ターボチャージ装置。
2. 前記制動チャンバ（９ａ）が、コンプレッサ（６）の出口に接続する管状の端部（１０）を部分的に取り囲むことを特徴とする、請求項１に記載のターボチャージ装置。
3. 前記制動チャンバ（９ａ）が、円筒状の外壁（１２ａ）と、内壁（１３ａ、１３ｂ）とを有し、これらの壁の間に二つの隣接する環状空間（１４ａ、１５ａ）が形成されており、環状空間の一方（１４ａ）の内壁（１３ａ）が、前記コンプレッサの出口端（１０）を取り囲むことを特徴とする、請求項２に記載のターボチャージ装置。
4. 前記制動チャンバ（９ａ）が、そのほぼ中間に位置する半径方向の平面内に、円形の中央開口部（２０ａ）を備えた隔壁（１６ａ）を有し、当該開口部の直径が、コンプレッサの出口に接続される管状の出口端（１０）の直径にほぼ等しいことを特徴とする、請求項２又は３に記載のターボチャージ装置。
5. 前記中央開口部（２０ａ）から、前記出口端（１０）とは反対方向に管状ダクト（１３ｂ）が伸びており、このダクトと前記制動チャンバ（９ａ）の外壁（１２ａ）とによって環状の空間（１５ａ）が画定されており、当該環状空間（１５ａ）が、前記管状ダクト（１３ｂ）の自由端と、前記チャンバ（９ａ）を吸気ダクト（７）に接続する領域（２１）との間に形成された環状開口部（１８ａ）を介して、吸気ダクト（７）に向かって開口していることを特徴とする、請求項４に記載のターボチャージ装置。
6. 前記管状ダクト（１３ｂ）が、前記中央開口部とは反対方向にラッパ状に広がった形状を有することを特徴とする、請求項５に記載のターボチャージ装置。
7. 前記制動チャンバ（９ａ）が、前記環状の隔壁（１６ａ）と、前記制動チャンバ（９ａ）をコンプレッサの出口に接続する領域（２２）との間に別の環状の空間（１４ａ）を有することを特徴とする、請求項５又は６に記載のターボチャージ装置。
8. 前記別の環状空間（１４ａ）が、前記円形開口部（２０ａ）の縁に隣接する円形スロット（１７ａ）を介してコンプレッサの出口端（１０）の軸に向かって放射状に開口していることを特徴とする、請求項７に記載のターボチャージ装置。
9. コンプレッサの出口端（１０）が、コンプレッサの出口端（１０）の周囲に装着されるスリーブ（２３ａ）によって環状に取り囲まれており、吸気ダクト（７）とは反対側のチャンバ（９ａ）の外壁（１２ａ）の端部（２２）が前記スリーブ（２３ａ）とスナップ嵌合することを特徴とする、請求項２ないし８のいずれか１項に記載のターボチャージ装置。
10. 前記スリーブ（２３ａ）が管状要素によって取り囲まれており、当該管状要素の一方の端部は前記出口端（１０）の縁によって支えられるリム（２４ａ）を有し、当該要素の他方の端部は、前記出口端と、チャンバ（９ａ）の外壁（１２ａ）の隣接端部（２２）との間に挿入され、制動チャンバ（９ａ）の外壁（１２ａ）の端部を前記スリーブ（２３ａ）にスナップ嵌合するために使用される手段により、前記スリーブ（２３ａ）に装着されることを特徴とする、請求項９に記載のターボチャージ装置。

Images