JP2008311988A - 送受信機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ミキサーに供給されるローカル信号へのRF信号による干渉を低減すること。
【解決手段】送受信機の送信機は、送信用変調器の送信ミキサー1、2、送信用電圧制御発振器4、送信用分周器3を含む。分周比が非整数の分周器3に発振器4の発振出力φ0が供給され、90度と所定のオフセット角度を有する位相差を持った一対の非クォドラチャー・ローカル信号φITx−LO、φQTx−LOが分周器3から生成されてミキサー1、2に供給される。送信機は、アナログ換算で略90度の位相差を持った一対のクォドラチャー・送信信号I、Qを一対の非クォドラチャー・変換送信信号I´、Q´に変換する変換ユニット11を含む。その結果、ミキサー1、2でクォドラチャー変調が行われる。類似の構成で、受信機の受信ミキサーに供給されるローカル信号へのRF信号による干渉も低減できる。
【選択図】図10

Description

本発明は携帯電話、無線LAN等のRF通信に利用される受信機(レシーバー)と送信機(トランスミッター)とを具備する送受信機(トランシーバー)に関する。本発明は、特に送信用変調器もしくは受信用復調器に供給されるローカル信号へのRF信号による干渉を低減するのに有益な技術に関する。
世界中のどんな場所でも無線通信すると言う携帯電話端末等の通信端末機器の能力であるユビキタス・カバレージは、今日現実のものではなく、現在開発が進められている。
これらのモバイルシステムは、GSM、GPRS、EDGE、WCDMA、DCS、PCSのセルラーを含んでいる。これらのシステムの特性は、一定包落線と包落線変化との信号、時分割とコード分割とのマルチプレックスの広範囲な組み合わせのマルチバンド、マルチモードへの要望が、大きくなっている。尚、GSMはGlobal System for Mobile Communicationの略であり、GPRSはGeneral Packet Radio Serviceの略である。EDGEは、Enhanced Data for GSM Evolution; Enhanced Data for GPRSの略である。WCDMAは、Wideband Code Division Multiple Accessの略である。DCSは、Digital Cellular Systemの略である。PCSは、Personal Communication Systemの略である。
下記非特許文献1には、一般的なツーステップ送信機が記載されている。この一般的なツーステップ送信機は、ミキサー、π/2位相分割器、加算器を含むクォドラチャー変調器、第1バンドパスフィルタ、RFミキサー、バッファアンプ、第2バンドパスフィルタにより構成され、第2バンドパスフィルタの出力信号はRF電力増幅器に供給される。ツーステップ送信機では、ベースバンド信号I、Qはクォドラチャー変調器の2つのミキサーの一方の入力端子に供給され、中間周波数ローカル信号がπ/2位相分割器の入力端子に供給され、π/2位相分割器のπ/2(90度)の位相差の2つの出力信号は2つのミキサーの他方の入力端子に供給される。2つのミキサーの2つの出力信号は、加算器の2つの入力端子に供給される。それにより、ベースバンド信号は、中間周波数ローカル信号によって例えば70MHzの中間周波数にアップコンバートされる。クォドラチャー変調器の加算器の出力とRFミキサーの一方の入力端子との間には中間周波数の高調波を除去するための第1バンドパスフィルタが接続され、RFミキサーの他方の入力端子にはRF(無線周波数)ローカル信号が供給される。RFミキサーのRF出力信号はバッファアンプにより増幅された後、不所望なサイドバンドを除去するための第2バンドパスフィルタに供給される。高レベルのサイドバンドを減衰するためフィルタを使用すると言う解決は非常に単純で低電力であるが、フィルタの実現は困難で物理的に大きなオフチップ寸法を必要とする。更に下記非特許文献1には、より少ない素子で実現されることが可能なダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーも紹介されている。このアーキテクチャーでは、ベースバンド信号は、クォドラチャー変調器のπ/2位相分割器に供給されるRFローカル信号によってクォドラチャー変調器の加算器の出力にてダイレクトにRF送信信号に変換される。
下記非特許文献2には、高価な外部部品の省略による高集積の送信機の有力な候補として、ダイレクトアップコンバージョン(DUC)アーキテクチャーが紹介されている。DUC送信機アーキテクチャーでは、I、Q送信ベースバンド信号は、ベースバンドフィルターを介してI/Q変調器に供給される。I/Q変調器は、送信ベースバンド信号を無線周波数(RF)に変換する。この無線周波数では、I、Q信号が合成され、増幅されている。外部フィルタリングと更なる増幅の後、信号はアンテナから送信される前にデュプレクサに供給される。電力増幅器(PA)の出力による発振器引き込みを低減するため、ローカル発振器(LO)はキャリア周波数の2倍の4GHzに設定されている。2GHzの正確なクォドラチャーローカル信号を生成するために、ディジタル分周器が使用される。また、下記非特許文献2には、DUCアーキテクチャーの深刻な欠点はキャリア漏洩であることが記載されている。このキャリア漏洩は、1.895〜1.905GHzのWCDMA信号の周波数帯域の内部の略1.9GHzの妨害信号となっている。このキャリア漏洩は、EVM(エラーベクトルマグニチュード)やACPR(隣接チャンネル電力レシオ)が仕様を越える原因となるものである。下記非特許文献2では、キャリア漏洩の抑圧のために、ベースバンドフィルターの2つのオペアンプで6ビット電流源を使用したオフセットキャリブレーションが採用されている。また、下記非特許文献2では、キャリア漏洩の抑圧のために、I/Q変調器に5ビットバイナリ重み付けの電流源を使用したキャリア漏洩キャリブレーションが採用されている。送信信号が無い状態でのキャリア漏洩電力がオンチップパワー検出器で検出され、この検出器のアナログ出力電圧は自動ディジタルキャリブレーションアルゴリズムを使用することでディジタル信号に変換される。このアルゴリズムは、測定キャリア漏洩が最小となるように、変調器とベースバンドフィルターの校正回路を制御するものである。
一方、下記特許文献1には、ダイレクトコンバージョン方式において、送信周波数とローカル発振器の周波数とが同じ場合に、変調送信信号のローカル発振器への飛び込みによる干渉を防止することが記載されている。そのため、下記特許文献1では、ローカル発振器からのローカル信号をバンドパスフィルタに供給することより所定の高調波(例えば、3次高調波)を取り出す。この高調波を所定の分周比で分周して、送信信号の周波数がローカル発振器の発振周波数の整数倍の関係とならないように設定している。
また、下記特許文献2には、受信系ローカル発振器と送信系ローカル発振器との干渉による受信感度への悪影響を低減するために、受信周波数と受信系ローカル発振器の発振周波数の比C/Dを、送信周波数と送信系ローカル発振器の発振周波数の比A/Bと異ならせることが記載されている。
Abdellatif Bellaouar, "RF Transmitter Architectures for Integrated Wireless Transceivers", The Eleventh International Conference on Microelectronics, 1999, 22−24 Nov.1999, PP.25−30. Gabriel Brenna et al, "A 2−GHz Carrier Leakage Calibrated Direct−Conversion WCDMA Transmitter in 0.13−μm CMOS", IEEE JOURNAL OF SOLID−STATE CIRCUITS, VOL.39, NO.8, AUGUST 2004, PP.1253−1262. 特開2003−152558号 公報 特開2003−324366号 公報
前記非特許文献2に記載されているように、通信用RF半導体集積回路(以下、通信用RF IC)ではトランシーバーの送信信号の周波数帯域内へのキャリア信号の漏洩は可能な限り低く抑圧する必要がある。
本発明者等は、本発明に先立ってWCDMA方式の通信が可能な通信用RF ICの開発に従事した。この通信用RF ICの送信機には、ダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーの採用が検討された。
図1は、本発明に先立って検討された通信用RF ICのダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーの送信機を示す図である。図1において、アナログI、Q信号入力端子15、16に供給されるアナログベースバンド送信信号TxABI、TxABQは可変利得増幅器94、95で増幅され、I/Q変調器を構成する一対のミキサー1、2の一方の入力端子に供給される。分周比が2に設定された分周器36のVCO入力端子96には、4.0GHzの周波数の送信用電圧制御発振信号fTx−VCOが供給される。それにより、分周器36の2つの出力端子から一対のミキサー1、2の他方の入力端子に、90度(π/2)位相の異なる2.0GHzの周波数の送信用ローカル信号fTx−LOが供給される。一対のミキサー1、2のRF出力信号は合成された後、可変利得増幅器8で増幅され、送信機の出力端子14からRF送信信号が生成される。
図2は、図1に示したダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーの送信機の各部の信号の周波数の関係を示す図である。図2では、2.0GHzの周波数fTxの送信用ローカル信号22(fTx−LO)の近傍には、送信機の出力端子14からのRF送信信号23の周波数信号成分が分布している。また図2では、4.0GHzの周波数2fTxの送信用電圧制御発振信号37(fTx−VCO)の近傍には、送信機の出力端子14からのRF送信信号23の2次高調波38の周波数信号成分が分布している。RF送信信号23の2次高調波38による分周器36の入力端子96の送信用電圧制御発振信号37(fTx−VCO)への干渉により、インジェクションロック現象が発生すると言う問題が本発明者等の検討により明らかとされた。このインジェクションロック現象により、分周器36の入力端子96の送信用電圧制御発振信号37に対して送信機の出力端子14からのRF送信信号23の2次高調波38が干渉信号となり、送信用ローカル信号の位相精度が低下する。
従って、この干渉を低減するために、図1に示すように通信用RF ICのチップには送信用電圧制御発振器を形成しないことも、本発明者等により検討された。実際に、前記非特許文献2に記載されたDUCアーキテクチャーのオンチップの内部に4GHzの周波数の送信ローカル信号を生成する発振器が存在するとは記載されていない。しかし、通信用RF ICのチップ内部に送信用電圧制御発振器を形成しないことは、通信用RF ICの実用的価値を著しく低下させるものである。
また、前記特許文献1に記載されたように、送信用ローカル発振器からのバンドパスフィルタにより所定の高調波(例えば、3次高調波)を取り出す方法もある。しかし、送信用ローカル発振器からの基本波成分は破棄されてしまうので、S/N比が劣化して、EVM(エラーベクトルマグニチュード)が増大する問題が本発明者等の検討により明らかとされた。
更に、前記特許文献2に記載された方式は、受信系ローカル発振器と送信系ローカル発振器との干渉を低減することはできるが、ダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーの送信機でのインジェクションロック現象の問題を解決できないと言う問題が本発明者等の検討により明らかとされた。
図3は、本発明に先立って検討された通信用RF ICの他の方式によるダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーの送信機を示す図である。図3の通信用RF ICのチップ内部では、送信用ローカル信号の生成のために送信用電圧制御発振器4とRFフェーズロックドループ回路5とが使用されている。またこのチップ内部では、送信用ローカル信号の位相精度の低下を軽減するために、ポリフェーズフィルタ(PPF)21が使用されている。すなわち、ポリフェーズフィルタ21は複数の抵抗R1…R8と複数の容量C1…C8とで構成されることにより、ポリフェーズフィルタ21から生成される送信用ローカル信号の位相の精度を向上することができる。送信用電圧制御発振器4からの逆位相の送信用発振信号φTx−VCO、/φTx−VCOがポリフェーズフィルタ21に供給され、一対のミキサー1、2に供給される一対の送信用ローカル信号φITx−LO、φQTx−LOは正確な90度(π/2)の位相差を有するものとなる。同様にして、一対のミキサー1、2に供給される一対の逆相送信用ローカル信号/φITx−LO、/φQTx−LOも正確な90度(π/2)の位相差を有するものとなる。
図4は、図3に示したダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーの送信機の各部の信号の周波数の関係を示す図である。すなわち、図3の通信用RF ICでは、図4に示すように周波数fTx−VCOの送信用電圧制御発振器4の送信用電圧制御発振信号22の近傍には、送信機の出力端子14からのRF送信信号23の周波数信号成分が分布している。その結果、図3の通信用RF ICでは、RF送信信号23から送信用電圧制御発振信号22への干渉によってインジェクションロック現象が発生してしまう。
図5は、図3の通信用RF ICでインジェクションロック現象が発生するメカニズムを説明する図である。図5に示すように、送信機の出力端子14からのRF送信信号23を生成する可変利得増幅器8と送信用電圧制御発振信号22を生成する送信用電圧制御発振器4とは、共通の電源24から電源電圧Vddが供給されることが多い。電源24から電源ライン25を介して送信用電圧制御発振器4に電源電圧Vddが供給され、更に電源ライン28を介して可変利得増幅器8に電源電圧Vddが供給される。一方、送信用電圧制御発振器4には、RFフェーズロックドループ回路5から発振周波数制御信号Vcが供給されている。しかし、電源ライン28を介しての可変利得増幅器8から送信用電圧制御発振器4への擾乱によって、RF送信信号23から送信用電圧制御発振信号22への干渉が生じて、インジェクションロック現象が発生してしまう。
図6は、図3の通信用RF ICで発生するインジェクションロック現象の特性を説明する図である。図6に示すように、送信用電圧制御発振器4の発振周波数f0より低い周波数ではラインL1よりも高いレベルの干渉信号によりインジェクションロック現象が発生する。また、送信用電圧制御発振器4の発振周波数f0より高い周波数ではラインL2よりも高いレベルの干渉信号によりインジェクションロック現象が発生する。すなわち、ラインL1とラインL2の信号レベルよりも高い干渉信号レベルの領域30と送信機の出力端子14からのRF送信信号23の分布とのオーバーラップ部分で、インジェクションロック現象が発生する。また、RF送信信号23が送信用電圧制御発振器4の発振周波数f0に近い周波数である時に、低レベルの干渉信号によりインジェクションロック現象が発生する。インジェクションロック現象が発生すると、送信用電圧制御発振器4の送信用電圧制御発振信号22の発振周波数は発振周波数制御信号Vcにより決定されずにRF送信信号23の周波数にロックされてしまう。
図7は、図3の通信用RF ICでインジェクションロック現象が発生するメカニズムをより詳細に説明する図である。図7に示すように、送信用電圧制御発振器4へ供給される発振周波数制御信号Vcを生成するRFフェーズロックドループ回路5は分周器31、位相比較器32、チャージポンプ回路33、ローパスフィルタ34で構成されている。分周器31の入力は送信用電圧制御発振器4の送信用電圧制御発振信号22により駆動され、分周器31の出力は位相比較器32の一方の入力端子に供給され、位相比較器32の他方の入力端子には基準周波数fREFが供給される。位相比較器32の出力はチャージポンプ回路33の入力端子に供給され、チャージポンプ回路33の出力はローパスフィルタ34の入力端子に供給される。ローパスフィルタ34の出力から、送信用電圧制御発振器4へ供給される発振周波数制御信号Vcが生成される。
図8は、図3の通信用RF ICで発生するインジェクションロック現象の特性をより詳細に説明する図である。図8に示すように、図7のRFフェーズロックドループ回路5は分周器31の分周比と基準周波数fREFとで決定されるPLLロック周波数f0の中心近傍35で干渉に対して強くなる。しかし、PLLロック周波数f0の中心近傍35より低い低周波数領域36と高い高周波数領域37では、図7のRFフェーズロックドループ回路5は干渉に対して弱くなる。
図9は、図3の通信用RF ICでPLLロック周波数f0の付近の周波数領域への擾乱による影響を示す図である。RFフェーズロックドループ回路5のカットオフ周波数は30KHzに設定され、送信機の出力端子14からのRF送信信号23による擾乱は−40dBmに設定されている。図9に示すように、RFフェーズロックドループ回路5のカットオフ周波数30KHzと略等しいオフセット周波数f_ofsで最も大きな位相誤差PE[deg]の干渉の影響を受けることが理解できる。
本発明は、以上のような本発明に先立った本発明者等の検討の結果、なされたものである。従って、本発明の目的とするところは、送信用電圧制御発振器から生成され送信用変調器に供給される送信用ローカル信号への送信機からのRF送信信号による干渉を低減することにある。また、本発明の他の目的とするところは、受信用電圧制御発振器から生成され受信用復調器に供給される受信用ローカル信号への受信機のRF受信信号による干渉を低減することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次の通りである。
すなわち、本発明の1つの代表的な送受信機の送信機は、送信用変調器(1、2)、送信用電圧制御発振器(4)、送信用分周器(3)を含む。分周比が非整数に設定された送信用分周器に送信用電圧制御発振器からの送信用発振出力信号が供給されることにより、90度と所定のオフセット角度を有する位相差を持った一対の非クォドラチャー・ローカル信号が送信用分周器から生成されて送信用変調器に供給される。送信機は、アナログ換算で略90度の位相差を持った一対のクォドラチャー・送信信号(I、Q)をアナログ換算で90度と所定のオフセット角度を有する位相差を持った一対の非クォドラチャー・変換送信信号(I´、Q´)に変換する変換ユニット(11)を含む(図10、図11参照)。
また、本発明の他の1つの代表的な送受信機の受信機は、ローノイズアンプ(85)、受信用復調器(86I、86Q)、受信用電圧制御発振器(4)、受信用分周器(3)を含む。分周比が非整数に設定された受信用分周器に受信用電圧制御発振器からの受信用発振出力信号が供給されることにより、90度と所定のオフセット角度を有する位相差を持った一対の非クォドラチャー・ローカル信号が受信用分周器から生成されて受信用変調器に供給される。受信用変調器の出力からの受信アナログ信号として90度と所定のオフセット角度を有する位相差を持った一対の非クォドラチャー・受信信号(I´、Q´)は変換ユニット(90)により、アナログ換算で略90度の位相差を持つ一対のクォドラチャー・変換受信信号(I、Q)に変換される(図24、図26参照)。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下の通りである。
すなわち、本発明によれば、送信用電圧制御発振器から生成され送信用変調器に供給される送信用ローカル信号への送信機からのRF送信信号による干渉を低減することができる。また、本発明によれば、受信用電圧制御発振器から生成され受信用復調器に供給される受信用ローカル信号への受信機のRF受信信号による干渉を低減することができる。
《代表的な実施の形態》
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
〔1〕本発明の代表的な実施の形態に係る本発明の代表的な送受信機は、受信したRF受信信号を受信アナログ信号に変換する受信用復調器を含む受信機と、送信アナログ信号をRF送信信号に変換する送信用変調器を含む送信機とを具備する。
前記送信機は、送信ディジタル信号(I、Q)を前記送信アナログ信号(I´、Q´)に変換するディジタル/アナログ変換器(9、10)を更に含む。前記送信機は、送信用電圧制御発振器(4)と、前記送信用電圧制御発振器から生成される送信用発振出力信号(φ0)を分周することによって前記送信用変調器に供給される第1送信用ローカル信号(φITx−LO)と第2送信用ローカル信号(φQTx−LO)とを生成する送信用分周器(3)とを更に含む。前記送信用分周器の分周比は、1よりも大きな非整数に設定されている。前記非整数に設定された前記分周比を有する前記送信用分周器は、そのロジック動作によって位相の異なる前記第1送信用ローカル信号と前記第2送信用ローカル信号とを生成するロジック分周器によって構成されている(図12参照)。
前記送信用分周器から生成される前記第1送信用ローカル信号と前記第2送信用ローカル信号とは、90度と所定のローカル・オフセット角度を有する位相差を持った一対の非クォドラチャー・ローカル信号である。前記送信ディジタル信号は、アナログ換算で略90度の位相差を持った一対のクォドラチャー・送信信号である。
前記送信機は、前記一対のクォドラチャー・送信信号をアナログ換算で90度と所定の送信信号・オフセット角度を有する位相差を持った一対の非クォドラチャー・変換送信信号に変換する変換ユニット(11)を更に含む。
前記送信機の前記送信用変調器では、前記変換ユニットからの前記一対の非クォドラチャー・変換送信信号と前記送信用分周器からの前記一対の非クォドラチャー・ローカル信号とのミキシングとが行われる。
前記送信機の前記送信用変調器の出力から、前記ミキシングの結果によるクォドラチャー変調による前記RF送信信号が形成される(図10、図11参照)。
前記実施の形態によれば、送信用分周器の分周比が非整数に設定されているので、RF送信信号の高調波による送信用分周器からの送信用ローカル信号への干渉が低減されることができる。前記非整数に設定された前記分周比を有する前記送信用分周器は、そのロジック動作によって位相の異なる前記第1送信用ローカル信号と前記第2送信用ローカル信号とを生成するロジック分周器により構成されている。その結果、前記第1送信用ローカル信号と前記第2送信用ローカル信号との振幅は電源電圧と接地電圧との間のフル振幅となり、前記特許文献1に記載されたようなS/N比の劣化、EVM(エラーベクトルマグニチュード)の増大の問題を回避することができる。
好適な実施の形態として、前記送信用変調器は、第1ミキサー(1)と第2ミキサー(2)と加算器(8a)とを含む。前記送信用電圧制御発振器から生成される前記送信用発振出力信号が前記送信用分周器に供給されることにより、前記第1ミキサーと前記第2ミキサーとにそれぞれ供給される前記第1送信用ローカル信号と前記第2送信用ローカル信号とが前記送信用分周器から生成される。前記一対の非クォドラチャー・変換送信信号として前記第1ミキサーと前記第2ミキサーとにそれぞれ供給される第1送信アナログ信号と第2送信アナログ信号とのアナログ信号位相差は90度と所定のアナログオフセット角度を有している。前記送信用変調器の前記第1ミキサーの出力と前記第2ミキサーの出力とに接続された前記加算器の出力から前記RF送信信号が形成される。
より好適な実施の形態として、前記送信ディジタル信号は第1送信ディジタル信号と第2送信ディジタル信号とを含む。前記変換ユニットの第1入力端子と第2入力端子とに前記第1送信ディジタル信号と前記第2送信ディジタル信号とがそれぞれ供給される。前記ディジタル/アナログ変換器は、前記変換ユニットの第1出力端子の第1送信ディジタル変換信号が供給される第1ディジタル/アナログ変換器と、前記変換ユニットの第2出力端子の第2送信ディジタル変換信号が供給される第2ディジタル/アナログ変換器とを含む。前記変換ユニットの前記第1出力端子の前記第1送信ディジタル変換信号と前記第2出力端子の前記第2送信ディジタル変換信号とはアナログ換算で90度と前記所定の送信信号・オフセット角度を持つように設定されている(図10参照)。
前記より好適な実施の形態によれば、前記変換ユニットによるディジタル信号処理により前記所定の送信信号・オフセット角度が設定されることができる。
他のより好適な実施の形態として、前記送信ディジタル信号は第1送信ディジタル信号と第2送信ディジタル信号とを含む。前記ディジタル/アナログ変換器は、前記第1送信ディジタル信号が供給される第1ディジタル/アナログ変換器と、前記第2送信ディジタル信号が供給される第2ディジタル/アナログ変換器とを含む。前記変換ユニットの第1入力端子と第2入力端子とに前記第1ディジタル/アナログ変換器からの前記第1送信アナログ信号と前記第2ディジタル/アナログ変換器からの前記第2送信アナログ信号とがそれぞれ供給される。前記変換ユニットの第1出力端子と第2出力端子とから、前記送信用変調器の前記第1ミキサーと前記第2ミキサーとにそれぞれ供給される前記第1送信アナログ信号と前記第2送信アナログ信号とが生成される。前記変換ユニットの前記第1出力端子の前記第1送信アナログ信号と前記第2出力端子の前記第2送信アナログ信号とは90度と前記所定の送信信号・オフセット角度を持つように設定されている(図11参照)。
前記他のより好適な実施の形態によれば、前記変換ユニットによるアナログ信号処理により前記所定の送信信号・オフセット角度が設定されることができる。
具体的な実施の形態として、前記送信用電圧制御発振器から生成される前記送信用発振出力信号の発振周波数は、その閉ループに前記送信用電圧制御発振器と発振分周器と位相比較器とローパスフィルタとを含むフェーズロックループによって制御される。
他の具体的な実施の形態として、前記所定のローカル・オフセット角度と前記所定の送信信号・オフセット角度との和は実質的にゼロである。
更に他の具体的な実施の形態として、前記送信用変調器と前記送信用電圧制御発振器と前記送信用分周器とは、ダイレクトアップコンバージョン送信機アーキテクチャーと低IFアップコンバージョン送信機アーキテクチャーとのいずれか一方の送信機を構成するものである。
また更に他の具体的な実施の形態として、前記送信機は略1.7GHzから略2.0GHzの周波数に設定されたWCDMA方式の前記RF送信信号を送信するものである。
最も具体的な実施の形態として、前記受信機の前記受信用復調器と、前記送信機の前記送信用変調器と前記ディジタル/アナログ変換器と前記送信用電圧制御発振器と前記送信用分周器と前記変換ユニットとが、半導体チップに構成されている。
他の最も具体的な実施の形態として、前記送信用分周器の前記非整数の前記分周比は奇数と偶数との比または異なる奇数の比より設定されている。
〔2〕本発明の別の観点の代表的な実施の形態に係る本発明の代表的な送受信機は、受信したRF受信信号を受信アナログ信号に変換する受信用復調器(1、2)を含む受信機と、送信アナログ信号をRF送信信号に変換する送信用変調器を含む送信機とを具備する。
前記受信機は、前記RF受信信号を増幅するローノイズアンプ(85)と、受信用電圧制御発振器(4)とを更に含む。前記受信機は、前記受信用電圧制御発振器から生成される受信用発振出力信号を分周することによって前記受信用復調器に供給される第1受信用ローカル信号(φIRx−LO)と第2受信用ローカル信号(φQRx−LO)とを生成する受信用分周器(3)を更に含む。前記受信機は、前記受信用復調器の出力から生成される受信アナログ信号を受信ディジタル信号に変換するアナログ/ディジタル変換器(89I、89Q)を更に含む。
前記受信用分周器の分周比は、1よりも大きな非整数に設定されている。前記非整数に設定された前記分周比を有する前記受信用分周器は、そのロジック動作によって位相の異なる前記第1受信用ローカル信号と前記第2受信用ローカル信号とを生成するロジック分周器によって構成されている。
前記受信用分周器から生成される前記第1受信用ローカル信号と前記第2受信用ローカル信号とは90度と所定のローカル・オフセット角度を有する位相差を持った一対の非クォドラチャー・ローカル信号である。
前記受信機の前記受信用復調器では、前記ローノイズアンプからのRF受信増幅信号と前記受信用分周器からの前記一対の非クォドラチャー・ローカル信号とのミキシングとが行われる。
前記受信機の前記受信用復調器の出力から、前記ミキシングの結果による非クォドラチャー復調による前記受信アナログ信号が形成される。
前記受信アナログ信号は90度と所定の受信信号・オフセット角度を有する位相差を持った一対の非クォドラチャー・受信信号である。
前記受信機は、前記一対の非クォドラチャー・受信信号をアナログ換算で略90度の位相差を持つ一対のクォドラチャー・変換受信信号に変換する変換ユニットを更に含む(図24、図26参照)。
前記実施の形態によれば、受信用分周器の分周比が非整数に設定されているので、RF受信信号の高調波による受信用分周器からの受信用ローカル信号への干渉が低減されることができる。前記非整数に設定された前記分周比を有する前記受信用分周器は、そのロジック動作によって位相の異なる前記第1受信用ローカル信号と前記第2受信用ローカル信号とを生成するロジック分周器により構成されている。その結果、前記第1受信用ローカル信号と前記第2受信用ローカル信号との振幅は電源電圧と接地電圧との間のフル振幅となり、前記特許文献1に記載されたようなS/N比の劣化、EVM(エラーベクトルマグニチュード)の増大の問題を回避することができる。また、前記変換ユニットによるディジタル信号処理によってアナログ換算の前記アナログ信号位相差が生成されることができる。
好適な実施の形態として、前記受信用復調器は、第1ミキサーと第2ミキサーとを含む。前記受信用電圧制御発振器から生成される前記受信用発振出力信号が前記受信用分周器に供給されることにより、前記第1ミキサーと前記第2ミキサーとにそれぞれ供給される前記第1受信用ローカル信号と前記第2受信用ローカル信号とが前記受信用分周器から生成される。前記ローノイズアンプからの前記RF受信増幅信号が供給される前記送信用変調器の前記第1ミキサーの出力と前記第2ミキサーの出力とから前記受信アナログ信号としての前記一対の非クォドラチャー・受信信号が形成される。
より好適な実施の形態として、前記受信アナログ信号としての前記一対の非クォドラチャー・受信信号は第1受信アナログ信号と第2受信アナログ信号とを含む。前記アナログ/ディジタル変換器は、前記第1受信アナログ信号が供給される第1アナログ/ディジタル変換器と、前記第2受信アナログ信号が供給される第2アナログ/ディジタル変換器とを含む。前記変換ユニットの第1入力端子と第2入力端子とに前記第1アナログ/ディジタル変換器の出力からの第1受信ディジタル信号と前記第2アナログ/ディジタル変換器の出力からの第2受信ディジタル信号とが供給される。前記アナログ/ディジタル変換器からの前記第1受信ディジタル信号と前記第2受信ディジタル信号とはアナログ換算で90度と前記所定の受信信号・オフセット角度と略等しいオフセット角度を有している。前記変換ユニットの第1出力端子と第2出力端子とからそれぞれ生成される第1変換受信ディジタル信号と第2変換受信ディジタル信号とがアナログ換算で略90度の位相差を持つように設定されている(図24参照)。
前記より好適な実施の形態によれば、前記変換ユニットによるディジタル信号処理により前記略90度の位相差が設定されることができる。
他のより好適な実施の形態として、前記受信アナログ信号としての前記一対の非クォドラチャー・受信信号は第1受信アナログ信号と第2受信アナログ信号とを含む。前記変換ユニットの第1入力端子と第2入力端子とに前記第1受信アナログ信号と前記第2受信アナログ信号とが供給される。前記アナログ/ディジタル変換器は、前記変換ユニットの第1出力端子からの第1変換受信アナログ信号が供給される第1アナログ/ディジタル変換器と、前記変換ユニットの第2出力端子からの第2変換受信アナログ信号が供給される第2アナログ/ディジタル変換器とを含む。前記変換ユニットの前記第1出力端子と前記第2出力端子とからそれぞれ生成される前記第1変換受信アナログ信号と前記第2変換受信アナログ信号とが略90度の位相差を持つように設定される。前記第1アナログ/ディジタル変換器から生成される第1変換受信ディジタル信号と前記第2アナログ/ディジタル変換器から生成される第2変換受信ディジタル信号とがアナログ換算で略90度の位相差を持つように設定されている(図26参照)。
前記他のより好適な実施の形態によれば、前記変換ユニットによるアナログ信号処理により前記略90度の位相差が設定されることができる。
具体的な実施の形態として、前記受信用電圧制御発振器から生成される前記受信用発振出力信号の発振周波数は、その閉ループに前記受信用電圧制御発振器と発振分周器と位相比較器とローパスフィルタとを含むフェーズロックループによって制御される。
他の具体的な実施の形態として、前記受信用復調器と前記受信用電圧制御発振器と前記受信用分周器とは、ダイレクトダウンコンバージョン受信機アーキテクチャーと低IFダウンコンバージョン受信機アーキテクチャーとディジタルIFダウンコンバージョン受信機アーキテクチャーとのいずれか一方の受信機を構成するものである。
更に他の具体的な実施の形態として、前記受信機は略1.8GHzから略2.17GHzの周波数に設定されたWCDMA方式のRF受信信号を受信するものである。
また更に他の具体的な実施の形態として、前記受信機の前記受信用復調器と前記ローノイズアンプと前記受信用電圧制御発振器と前記送信用分周器と前記アナログ/ディジタル変換器と前記変換ユニットと、前記送信機の前記送信用変調器とが、半導体チップに構成されている。
最も具体的な実施の形態として、前記受信用分周器の前記非整数の前記分周比は奇数と偶数との比または異なる奇数の比により設定されている。
《実施の形態の説明》
次に、実施の形態について更に詳述する。以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、発明を実施するための最良の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
≪通信用RF ICのダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーの送信機≫
図10は、本発明の1つの実施の形態による通信用RF ICのダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーの送信機を示す図である。この通信用RF ICは、受信したRF受信信号を受信アナログ信号に変換する受信用復調器を含む受信機と、送信アナログ信号をRF送信信号に変換する送信用変調器を含む送信機とを具備する。また、この通信用RF ICは、ディジタル位相変換ユニット11、D/A変換器9、10、送信用のI/Q変調器の一対のミキサー1、2、ロジック分周器3、送信用電圧制御発振器4、送信用RF・PLL回路5を半導体チップに含んでいる。図10において、送信用のI/Q変調器を構成する一対のミキサー1、2と送信用電圧制御発振器4との間に接続されたロジック分周器3の分周比は、従来のような整数(例えば、分周比2)に設定されるのではなく、例えば3/2=1.5のような非整数(少数を含む分数)に設定されている。
従って、送信用電圧制御発振器4の発振出力信号の2.55〜3.0GHzの発振周波数は、一対の送信用ローカル信号φITx−LO、φQTx−LOの1.7〜2.0GHzの送信用ローカル信号周波数に変換される。送信用のI/Q変調器を構成する一対のミキサー1、2、加算器8a、可変増幅器8b、バンドパスフィルタ12、RF電力増幅器13により生成され送信機の送信出力端子14から得られるRF送信質力信号のRF送信周波数も1.7〜2.0GHzの周波数となる。RF送信周波数の2次高調波の周波数は3.4〜4.0GHzとなり、RF送信周波数の3次高調波の周波数5.1〜6.0GHzとなる。このように高い周波数を有する2次高調波と3次高調波の信号は、インジェクションロック現象の原因となることはない。
また、3/2=1.5のような非整数(分数)に設定された分周比を有するロジック分周器3は、そのロジック動作によって位相の異なる一対の送信用ローカル信号φITx−LO、φQTx−LOを生成する。ロジック動作による1.5分周の最も簡単な実現方法は、一対の送信用ローカル信号φITx−LO、φQTx−LOを、0.5期間にハイレベル、1.0期間にローレベルとなるデューティー比を33.33%に設定して、位相差を120度(2π/3)に設定することである(分周器3の右の波形図参照)。一対の送信用ローカル信号φITx−LO、φQTx−LOの振幅は電源電圧と接地電圧との間のフル振幅となり、前記特許文献1に記載されたようなS/N比の劣化、EVM(エラーベクトルマグニチュード)の増大の問題を回避することができる。
ロジック分周器3の1よりも大きな非整数に設定された分周比をNとすると、第1送信用ローカル信号φITx−LOと第2送信用ローカル信号φQTx−LOとのローカル信号位相差は、π/Nとなる。図10の送信機の例のようにN=1.5の場合では、ローカル信号位相差は180°/1.5=120°となる。クォドラチャー変調では、一般的には第1送信用ローカル信号と第2送信用ローカル信号とは90度のローカル信号位相差を有するが、この第1送信用ローカル信号φITx−LOと第2送信用ローカル信号φQTx−LOとのローカル信号位相差は、90度と+30度のローカルオフセット角度を有する120°となる。
その結果、分周比Nが非整数1.5に設定されたロジック分周器3から送信用のI/Q変調器を構成する一対のミキサー1、2の他方の入力端子に供給される一対の送信用ローカル信号φITx−LO、φQTx−LOは、従来のように90度(π/2)の位相差を有するのではなく、120度(2π/3)の位相差を有するものとなる。このように120度(2π/3)の位相差を有する一対の送信用ローカル信号φITx−LO、φQTx−LOは、ロジック分周器3、送信用電圧制御発振器4、RFフェーズロックドループ回路5により形成される。RFフェーズロックドループ回路5の制御により、送信用電圧制御発振器4は、例えば2.55〜3.0GHzの安定な周波数で発振する。送信用電圧制御発振器4よりの発振出力信号φ0に応答して、分周器3は分周比が3/2(=1.5)の分周動作を実行する。従って、送信用電圧制御発振器4よりの発振出力信号φ0の周期の略1.5倍の周期を有する一対の送信用ローカル信号φITx−LO(17)、φQTx−LO(18)が分周器3の出力から生成される。分周器3の右の波形図に示すように、一対の送信用ローカル信号φITx−LO(17)、φQTx−LO(18)は、120度(2π/3)の位相差を有するものとなる。また、図10の下の図に示すように、I軸上の送信用ローカル信号φITx−LOとQ軸と+30度の角度を持つ送信用ローカル信号φQTx−LO(18)とは、120度(2π/3)の位相差を有するものとなる。
一方、送信用のI/Q変調器を構成する一対のミキサー1、2で正確なクォドラチャー変調を行うために、一対のミキサー1、2の一方の入力端子に供給されるアナログベースバンド送信信号I´、Q´も従来のように90度(π/2)の位相差を有するのではなく、60度(π/3)の位相差を有するものとなる。図10の下の図に示すように、I軸上のアナログベースバンド送信信号I´とQ軸と−30度の角度を持つアナログベースバンド送信信号Q´とは、60度(π/3)の位相差を有するものとなる。すなわち、第1ミキサー1と第2ミキサー2とにそれぞれ供給される第1送信アナログ信号I´と第2送信アナログ信号Q´とのアナログ信号位相差は、90度と−30度のアナログオフセット角度を有する。また、+30度のローカルオフセット角度と−30度のアナログオフセット角度との和は、ゼロとなる。
その結果、一方のミキサー1でのI軸上のアナログベースバンド送信信号I´とI軸上の送信用ローカル信号φITx−LOとのアナログ乗算によって、I軸上のアナログ乗算信号I´・φITx−LOが形成される。また、他方のミキサー2でのQ軸と−30度の角度を持つアナログベースバンド送信信号Q´とQ軸と+30度の角度を持つ送信用ローカル信号φQTx−LOとのアナログ乗算によって、Q軸上のアナログ乗算信号Q´・φQTx−LOが形成される。従って、一方のミキサー1からのI軸上のアナログ乗算信号I´・φITx−LOと他方のミキサー2からのQ軸上のアナログ乗算信号Q´・φQTx−LOとは正確な90度(π/2)の位相差を有するものとなり、正確なクォドラチャー変調を行うことができる。
送信用電圧制御発振器4が2.55〜3.0GHzの安定な周波数で発振する一方、分周器3が分周比3/2(=1.5)の分周動作を実行することにより、一対のミキサー1、2の出力の加算器8aで合成されるRF送信信号RF_TxのRF周波数は1.7〜2.0GHzとなる。加算器8aで合成されたRF送信信号は可変利得増幅器8bで増幅された後、バンドパスフィルタ12を介して、RF ICのチップ外部のRF電力増幅器13により増幅される。かくして、ダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーの送信機の出力端子14から送信アンテナへ、RF送信出力信号が供給される。尚、バンドパスフィルタ12は、分周器3が分周比3/2(=1.5)の分周動作による波形歪を抑圧するような伝達特性を持つことが推奨される。
また、送信機の出力端子14からのRF送信出力信号の周波数は、送信用電圧制御発振器4の発振周波数の非整数倍に設定されている。その結果、送信用電圧制御発振器4の発振周波数が送信機の出力端子14のRF送信出力信号の基本波成分や2次、3次の高調波成分によりロックされると言うインジェクションロック現象の発生を回避することができる。
また、図10の送信機でも送信用電圧制御発振器4の発振周波数f0は、図7に示すように分周器31、位相比較器32、チャージポンプ回路33、ローパスフィルタ34により構成されたRFフェーズロックループ5により制御される。図10の送信機を採用することにより、図8に示すように、PLLロック周波数f0の中心近傍35だけではなく、PLLロック周波数f0の中心近傍35より低い低周波数領域36と高い高周波数領域37とでインジェクションロック現象の発生を回避することができる。尚、図7のRFフェーズロックループ5で位相比較器32の他方の入力端子に供給されるシステム基準発振器の基準周波数fREFが26.0MHzに設定され、分周器31の分周比Mを10.196に設定すると、送信用電圧制御発振器4の発振周波数f0は2.55MHzとすることができる。また、分周器31の分周比Mを8.667に設定すると、送信用電圧制御発振器4の発振周波数f0は3.00MHzとすることができる。分周比Mが整数と伴に少数を含む分周器31をΔΣ変調器で構成することで、図7のRFフェーズロックループ5はΔΣフラクショナルPLL回路となる。尚、システム基準発振器は水晶振動子を含むと伴にベースバンド信号処理ユニットからAFC(自動周波数制御信号)が供給されることにより、安定で正確な26.0MHzの基準周波数fREFを生成するものである。
≪ディジタル位相変換ユニット≫
図10の送信機では、アナログベースバンド送信信号I´とアナログベースバンド送信信号Q´との間の60度(π/3)のアナログ位相差は、実効的にはディジタル位相変換ユニット11で生成されるものである。図示されていないディジタルベースバンド信号処理LSI等のディジタルベースバンド信号処理ユニットからのディジタルベースバンド送信信号Iとディジタルベースバンド送信信号Qとは、ディジタル位相変換ユニット11の入力端子15b、16bに供給される。この2つのディジタルベースバンド送信信号I、Qは、アナログ換算で90度(π/4)の位相差を持つようなディジタル値を持っている。ディジタル位相変換ユニット11はディジタルベースバンド送信信号I、Qに応答して、アナログ換算で60度(π/3)の位相差を持つような2つの位相変換ディジタルベースバンド送信信号を生成する。この2つの位相変換ディジタルベースバンド送信信号はD/A変換器9、10によりアナログ信号に変換されることにより、60度(π/3)の位相差を持つアナログベースバンド送信信号I´、Q´が生成されることができる。
≪アナログ位相変換ユニットを含む送信機≫
図11は本発明の他の1つの実施の形態による通信用RF ICのダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーの送信機の主要部を示す図である。図11において、アナログ換算で90度(π/4)の位相差を持つディジタルベースバンド送信信号I(t)、Q(t)は、ディジタルアナログ変換器9、10の入力端子15b、16bに供給される。従って、ディジタルアナログ変換器9、10の出力からのアナログベースバンド送信信号は、アナログ位相変換ユニット11の入力端子15、16に供給される。アナログ位相変換ユニット11は供給されるアナログベースバンド送信信号I(t)、Q(t)と下記のマトリックスとの行列演算を実行して、出力端子19、20には2つの位相変換アナログベースバンド送信信号I´(t)、Q´(t)が生成される。
Figure 2008311988
送信用のI/Q変調器を構成する一方のミキサー1では一方の位相変換アナログベースバンド送信信号I´(t)=I(t)+tan(π/6)・Q(t)と一方の送信用ローカル信号φITx−LO=cos(ωt)とのアナログ乗算が行われる。他方のミキサー2では他方の位相変換アナログベースバンド送信信号Q´(t)=Q(t)/cos(π/6)と他方の送信用ローカル信号φQTx−LO=sin(ωt−(π/6))とのアナログ乗算が行われる。送信用ローカル信号φITx−LO、φQTx−LOは120度(2π/3)の位相差を持ち、一方の位相変換アナログベースバンド送信信号I´(t)、Q´(t)は60度(π/3)の位相差を持つ。その結果、ミキサー1、2の出力に接続された加算器8aから正確なクォドラチャー変調出力信号SOUTが得られることができる。
≪ロジック分周器≫
図12は、図10に示した本発明の1つの実施の形態による通信用RF ICのダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーの送信機に含まれた分周比が非整数(分数)のロジック分周器3の構成を示す図である。入力端子48には、送信用電圧制御発振器4よりの発振出力信号φ0であるクロック信号CLKが供給される。入力端子48のクロック信号は直接に1ビットカウンターで構成された2分周器42のトリガー入力端子に供給され、インバータ43を介して1ビットカウンターで構成された2分周器41のトリガー入力端子に供給される。2分周器41、42はトリガー入力端子に供給されるポジティブエッジに応答することなくネガティブエッジにのみ応答して出力状態を反転して、分周比2の分周動作を実行する。2分周器41、42の出力からは位相差が120度(2π/3)の出力信号a、bが形成され、2つのインバータにより反転信号aB、bBが形成される。出力信号a、bと反転信号aB、bBとは4個のアンド回路AND1〜AND4に供給され、4個のアンド回路AND1〜AND4の出力から論理信号a*bB、aB*bB、aB*b、a*bが生成される。この4個の論理信号はマルチプレクサ45と選択ロジック46とに供給され、選択ロジック46からマルチプレクサ45に供給される4ビットの選択信号が形成される。すなわち、選択ロジック46はステートマシンであり、論理信号a*bB、aB*bB、aB*b、a*bの複雑な論理レベルの組み合わせの推移に従って、マルチプレクサ45に選択すべき入力信号を選択するものである。
図13は、図12に示したロジック分周器3の内部の波形を示す図である。すなわち、ロジック分周器3の出力端子47a、47bから、120度(2π/3)の位相差を有する一対の送信用ローカル信号φITx−LO(17)、φQTx−LO(18)が生成される。
図14は、図10に示した本発明の1つの実施の形態による通信用RF ICのダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーの送信機に含まれた分周比が非整数(分数)のロジック分周器3の他の構成を示す図である。図14の入力端子48には、送信用電圧制御発振器4よりの発振出力信号φ0の周波数の2倍の周波数の信号であるクロック信号CLKが供給される。図14のロジック分周器3は、6個の遅延型フリップフロップ(FF)59、60、61、62、63、64がループ接続されたカウンタを含んでいる。6個の遅延型FF59、60、61、62、63、64のそれぞれはサンプリング入力端子Sに供給された入力信号をトリガー入力端子に供給されるネガティブエッジに応答してその内部にラッチする。1番目の遅延型FF59、3番目の遅延FF61、5番目の遅延FF63の各トリガー入力端子にはクロック信号CLKのポジティブエッジが供給され、2番目の遅延型FF60、4番目の遅延FF62、6番目の遅延FF64の各トリガー入力端子にはインバータにより反転クロック信号CLKBのポジティブエッジが供給される。
入力端子48のクロック信号は直接に1ビットカウンターで構成された2分周器81のトリガー入力端子に供給され、2分周器81の出力端子72からクロック信号CLKの2分周の出力信号D0が生成される。この2分周の出力信号D0は、図10に示した通信用RF ICの送信用電圧制御発振器4の発振出力信号φ0として利用されることができる。アンド回路82の一方の入力端子と他方の入力端子には、ハイレベルの選択信号SEL1と1番目の遅延FF59の入力信号D1とがそれぞれ供給される。アンド回路83の一方の入力端子と他方の入力端子には、ハイレベルの選択信号SEL2と3番目の遅延FF61の入力信号D3とがそれぞれ供給される。
図15は、図14に示したロジック分周器3の内部の波形を示す図である。すなわち、アンド回路82、83により、入力信号D1、D3が120度(2π/3)の位相差を有する一対の送信用ローカル信号φITx−LO(17)、φQTx−LO(18)として出力されることができる。
≪他のアナログ位相変換ユニットを含む送信機≫
図16は本発明の他の1つの実施の形態による通信用RF ICのダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーの送信機の主要部を示す図である。図16において、入力端子15、16に供給されるディジタルベースバンド送信信号I、Qは、アナログ換算で90度(π/4)の位相差を持つようなディジタル値を持っている。D/A変換器9、10はこのディジタルベースバンド送信信号I、Qをアナログ信号に変換するので、90度(π/4)の位相差を持つアナログベースバンド信号I、Qがアナログ位相変換ユニット11に供給される。アナログ位相変換ユニット11は、D/A変換器9のアナログ出力に入力が接続された第1アナログ増幅器74aと、D/A変換器10のアナログ出力に入力が接続された第2アナログ増幅器75とを含む。D/A変換器9のアナログ出力は、直接位相変換アナログベースバンド送信信号I´(t)としてローパスフィルタ6の入力に供給される。アナログ位相変換ユニット11の第1アナログ増幅器74と第2アナログ増幅器75との出力端子ではディジタルベースバンド送信信号I、Qに対応するアナログ信号が合成されることにより、位相変換アナログベースバンド送信信号Q´(t)が生成される。図10の下の図に示すように、位相変換アナログベースバンド送信信号Q´(t)はQ軸と−30度の角度に対応する位相差を有するものとなる。
また、図16においては、図10と同様に、送信用電圧制御発振器4よりの発振出力信号φ0に応答して、分周器3は分周比が3/2(=1.5)の分周動作を実行する。従って、送信用電圧制御発振器4よりの発振出力信号φ0の周期の略1.5倍の周期を有する一対の送信用ローカル信号φITx−LO(17)、φQTx−LO(18)が分周器3の出力から生成される。分周器3の右の波形図に示すように、一対の送信用ローカル信号φITx−LO(17)、φQTx−LO(18)は、120度(2π/3)の位相差を有するものとなる。また、図16の下の図に示すように、I軸上の送信用ローカル信号φITx−LOとQ軸と+30度の角度を持つ送信用ローカル信号φQTx−LO(18)とは、120度(2π/3)の位相差を有するものとなる。
また、送信用のI/Q変調器を構成する一対のミキサー1、2で正確なクォドラチャー変調を行うために、一対のミキサー1、2の一方の入力端子に供給される位相変換アナログベースバンド送信信号I´(t)、Q´(t)は、60度(π/3)の位相差を有するものとなる。すなわち、図16の下の図に示すように、I軸上の位相変換アナログベースバンド送信信号I´(t)とQ軸と−30度の角度を持つ位相変換アナログベースバンド送信信号Q´(t)とは、60度(π/3)の位相差を有するものとなる。
その結果、図10と同様に図16でも、一方のミキサー1からのI軸上のアナログ乗算信号I´・φITx−LOと他方のミキサー2からのQ軸上のアナログ乗算信号Q´・φQTx−LOとは正確な90度(π/2)の位相差を有するものとなり、正確なクォドラチャー変調を行うことができる。
≪他の分周比の分周器を含む送信機≫
図17は本発明の他の1つの実施の形態による通信用RF ICのダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーの送信機の主要部を示す図である。図10の送信機と比較すると、図17の送信機の分周器3は非整数の分周比Nが5/2(=2.5)の分周動作を実行する。従って、送信用電圧制御発振器4の発振出力信号の4.25〜5.0GHzの発振周波数は、一対の送信用ローカル信号φITx−LO、φQTx−LOの1.7〜2.0GHzの送信用ローカル信号周波数に変換される。送信用のI/Q変調器を構成する一対のミキサー1、2、加算器8a、可変増幅器8b、バンドパスフィルタ12、RF電力増幅器13により生成され送信機の送信出力端子14から得られるRF送信質力信号のRF送信周波数も1.7〜2.0GHzの周波数となる。RF送信周波数の2次高調波の周波数は3.4〜4.0GHzとなり、RF送信周波数の3次高調波の周波数5.1〜6.0GHzとなる。このように高い周波数を有する2次高調波と3次高調波の信号は、インジェクションロック現象の原因となることはない。
また、5/2=2.5のような非整数N(分数)に設定された分周比を有するロジック分周器3は、そのロジック動作によって位相の異なる一対の送信用ローカル信号φITx−LO、φQTx−LOを生成する。ロジック動作による2.5分周の最も簡単な実現方法は、一対の送信用ローカル信号φITx−LO、φQTx−LOを、0.4期間にハイレベル、0.6期間にローレベルとなるデューティー比を40%に設定して、位相差を72度(π/N=2π/5)に設定することである(分周器3の右の波形図参照)。その結果、一対の送信用ローカル信号φITx−LO、φQTx−LOの振幅は電源電圧と接地電圧との間のフル振幅となり、前記特許文献1に記載されたようなS/N比の劣化、EVM(エラーベクトルマグニチュード)の増大の問題を回避することができる。
その結果、ロジック分周器3から送信用のI/Q変調器を構成する一対のミキサー1、2の他方の入力端子に供給される一対の送信用ローカル信号φITx−LO、φQTx−LOは、従来のように90度(π/2)の位相差を有するのではなく、72度(2π/5)の位相差を有するものとなる。このように72度(2π/5)の位相差を有する一対の送信用ローカル信号φITx−LO、φQTx−LOは、ロジック分周器3、送信用電圧制御発振器4、RFフェーズロックドループ回路5により形成される。RFフェーズロックドループ回路5の制御により、送信用電圧制御発振器4は、例えば4.25〜5.0GHzの安定な周波数で発振する。送信用電圧制御発振器4よりの発振出力信号φ0に応答して、分周器3は分周比が5/2(=2.5)の分周動作を実行する。従って、送信用電圧制御発振器4よりの発振出力信号φ0の周期の略2.5倍の周期を有する一対の送信用ローカル信号φITx−LO(17)、φQTx−LO(18)が分周器3の出力から生成される。分周器3の右の波形図に示すように、一対の送信用ローカル信号φITx−LO(17)、φQTx−LO(18)は、72度(2π/5)の位相差を有するものとなる。また、図17の下の図に示すように、I軸上の送信用ローカル信号φITx−LOとQ軸と−18度の角度を持つ送信用ローカル信号φQTx−LO(18)とは、72度(2π/5)の位相差を有するものとなる。
一方、送信用のI/Q変調器を構成する一対のミキサー1、2で正確なクォドラチャー変調を行うために、一対のミキサー1、2の一方の入力端子に供給されるアナログベースバンド送信信号I´、Q´も従来のように90度(π/2)の位相差を有するのではなく、108度(3π/5)の位相差を有するものとなる。図17の下の図に示すように、I軸上のアナログベースバンド送信信号I´とQ軸と+18度の角度を持つアナログベースバンド送信信号Q´とは、108度(3π/5)の位相差を有するものとなる。
その結果、一方のミキサー1でのI軸上のアナログベースバンド送信信号I´とI軸上の送信用ローカル信号φITx−LOとのアナログ乗算によって、I軸上のアナログ乗算信号I´・φITx−LOが形成される。また、他方のミキサー2でのQ軸と+18度の角度を持つアナログベースバンド送信信号Q´とQ軸と−18度の角度を持つ送信用ローカル信号φQTx−LOとのアナログ乗算によって、Q軸上のアナログ乗算信号Q´・φQTx−LOが形成される。従って、一方のミキサー1からのI軸上のアナログ乗算信号I´・φITx−LOと他方のミキサー2からのQ軸上のアナログ乗算信号Q´・φQTx−LOとは正確な90度(π/2)の位相差を有するものとなり、正確なクォドラチャー変調を行うことができる。
≪他のディジタル位相変換ユニット≫
図17の送信機では、アナログベースバンド送信信号I´とアナログベースバンド送信信号Q´との間の108度(3π/5)の位相差は、図17のディジタル位相変換ユニット11で生成される。図示されていないディジタルベースバンド信号処理LSI等のディジタルベースバンド信号処理ユニットからのディジタルベースバンド送信信号Iとディジタルベースバンド送信信号Qとは、ディジタル位相変換ユニット11の入力端子15、16に供給される。この2つのディジタルベースバンド送信信号I、Qは、アナログ換算で90度(π/4)の位相差を持つようなディジタル値を持っている。ディジタル位相変換ユニット11はディジタルベースバンド送信信号I、Qに応答して、アナログ換算で108度(3π/5)の位相差を持つような2つの位相変換ディジタルベースバンド送信信号を生成する。この2つの位相変換ディジタルベースバンド送信信号はD/A変換器9、10によりアナログ信号に変換されることにより、108度(3π/5)の位相差を持つアナログベースバンド送信信号I´、Q´が生成されることができる。
≪他のロジック分周器≫
図18は、図17に示した本発明の他の1つの実施の形態による送信機に含まれた分周比が非整数である2.5のロジック分周器3の構成を示す図である。入力端子48には、送信用電圧制御発振器4よりの発振出力信号φ0であるクロック信号CLKが供給される。図18のロジック分周器3は、図14に示したロジック分周器3と類似している。
図18のロジック分周器3は、2個の遅延型フリップフロップ(FF)を含む5個のマスタースレーブフリップフロップ77、78、79、80、81がループ接続されたカウンタを含んでいる。各遅延型FFは、サンプリング入力端子Sに供給された入力信号をトリガー入力端子に供給されるネガティブエッジに応答してその内部にラッチする。奇数番目の遅延FFの各トリガー入力端子にはクロック信号CLKのネガティブエッジが供給され、偶数番目の遅延FFの各トリガー入力端子にはインバータにより反転クロック信号CLKBのネガティブエッジが供給される。
入力端子48のクロック信号は直接に1ビットカウンターで構成された2分周器81のトリガー入力端子に供給され、2分周器81の出力端子72からクロック信号CLKの2分周の出力信号D0が生成される。この2分周の出力信号D0は、図17に示した通信用RF ICの送信用電圧制御発振器4の発振出力信号φ0として利用されることができる。オア回路82の一方の入力端子と他方の入力端子には、1番目の遅延の入力信号D1と3番目の遅延FFの入力信号D3とがそれぞれ供給される。オア回路83の一方の入力端子と他方の入力端子には、2番目の遅延の入力信号D2と4番目の遅延FFの入力信号D4とがそれぞれ供給される。
図19は、図18に示したロジック分周器3の内部の波形を示す図である。すなわち、オア回路82、83により、72度(2π/5)の位相差を有するオア出力信号D1+D3、D2+D4が、一対の送信用ローカル信号φITx−LO(17)、φQTx−LO(18)として出力されることができる。
≪送信用のI/Q変調器の位相誤差によるイメージ抑圧量の変化≫
図20は、通信用RF ICのダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーの送信機のロジック分周器3の分周比による送信用のI/Q変調器の位相誤差によるイメージ抑圧量の変化を示す図である。同図の横軸PEは送信用のI/Q変調器に供給される一対の送信用ローカル信号の位相誤差または一対のアナログベースバンド送信信号の位相誤差であり、縦軸ISはイメージ抑圧量である。
送信機のロジック分周器3の分周比が一般的な2に設定された場合には(2DIV)、位相誤差の変化に対するイメージ抑圧量が大きく良好な特性である。本発明の実施の形態の図10、図11、図16の送信機のようにロジック分周器3の分周比が3/2(=1.5)に設定された場合には(3/2DIV)、位相誤差の変化に対するイメージ抑圧量が小さくそれほど良好な特性とは言えない。本発明の実施の形態の図17の送信機のようにロジック分周器3の分周比が5/2(=2.5)に設定された場合には(5/2DIV)、位相誤差の変化に対するイメージ抑圧量は分周比2と分周比3/2との間の比較的良好な特性が得られる。
≪送信用ローカル信号のデューティー比によるイメージ抑圧量の変化≫
図22は、通信用RF ICのダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーの送信機の送信用ローカル信号のデューティー比によるイメージ抑圧量の変化を示す図である。
図21は、通信用RF ICのダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーの送信機のロジック分周器3の分周比が2、5/2、3/2に設定された場合の送信用ローカル信号のデューティー比の変化を示す図である。図21(A)は、ロジック分周器3の分周比が2に設定され、送信用ローカル信号のデューティー比が50%となる様子を示している。図21(B)は、ロジック分周器3の分周比が5/2に設定され、送信用ローカル信号のデューティー比が40%となる様子を示している。また、図21(C)は、ロジック分周器3の分周比が3/2に設定され、送信用ローカル信号のデューティー比が33%となる様子を示している。
図22の横軸は送信機の送信用ローカル信号のデューティー比であり、縦軸ISはイメージ抑圧量である。分周比2の場合と比較すると、分周比が5/2、3/2に変化すると2次高調波によりイメージ抑圧量が小さくなってしまう。しかし、分周比が3/2に設定された場合には、3次高調波によるイメージ抑圧量が極めて大きく良好な特性となる。
≪その他の送信機≫
例えば、図23は本発明の他の1つの実施の形態による通信用RF ICのダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーの送信機の主要部を示す図である。すなわち、図23は図10の送信機の可変利得増幅器8bの出力とバンドパスフィルタ12との間にノッチフィルタ84を追加したものである。このノッチフィルタ84は、ロジック分周器3の分周比が5/2、3/2であることにより、上述の2次高調波を低減するものである。
また、ロジック分周器3の分周比は5/2(=2.5)、3/2(=1.5)の以外にも、4/3(=1.333)、8/5(=1.6)、5/3(=1.666)、7/4(=1.75)、7/3(=2.333)、8/3(=2.666)、7/2(=3.5)等の非整数に設定することも可能である。
≪通信用RF ICのダイレクトダウンコンバージョンアーキテクチャーの受信機≫
また、本発明は一対の送信ミキサを含む変調器を具備する送信機だけではなく、一対の受信ミキサを含む復調器を具備する受信機に適用することができる。すなわち、図24は本発明の他の1つの実施の形態による通信用RF ICのダイレクトダウンコンバージョンアーキテクチャーの受信機の主要部を示す図である。この通信用RF ICは、受信したRF受信信号を受信アナログ信号に変換する受信用復調器を含む受信機と、送信アナログ信号をRF送信信号に変換する送信用変調器を含む送信機とを具備する。また、この通信用RF ICは、ローノイズアンプ85、受信用復調器のミキサー86I、86Q、ローパスフィルタLPF、可変利得増幅器VGA、A/D変換器89I、89Q、ディジタル位相変換ユニット90、分周器3、受信用電圧制御発振器4、受信用RF・PLL回路5を半導体チップに含んでいる。
図24で、携帯電話のアンテナANTで受信されたRF受信信号は、受信機の入力端子91に印加され、バンドパスフィルタ92を介してローノイズアンプ85の入力端子に供給される。ローノイズアンプ85のRF増幅出力信号は、受信用復調器の第1ミキサー86Iと第2ミキサー86Qの一方の入力端子に供給される。また、受信用復調器の第1ミキサー86Iと第2ミキサー86Qの他方の入力端子には、ロジック分周器3からの第1受信用ローカル信号φIRx_LOと第2受信用ローカル信号φQRx_LOとが供給される。受信用RF・PLL回路5により制御された受信用電圧制御発振器4から生成される受信用発振出力信号φ0がロジック分周器3の入力端子に供給されることにより、第1受信用ローカル信号φIRx_LOと第2受信用ローカル信号φQRx_LOとがロジック分周器3から生成される。また、受信用RF・PLL回路5は、図7に示すPLL回路と略同様に構成されることができる。
受信用のロジック分周器3の分周比は、従来のような整数(例えば、分周比2)に設定されるのではなく、例えば3/2=1.5のような非整数(少数を含む分数)に設定されている。
従って、受信用電圧制御発振器4の発振出力信号の2.7〜3.255GHzの発振周波数は、一対の受信用ローカル信号φIRx_LO、φQRx_LOの1.8〜2.17GHzの受信用ローカル信号周波数に変換される。WCDMAのBand3、Band1、Band4の受信RF信号周波数は略1.805〜2.17GHzであるので、これらのWCDMAの受信RF信号を図24に示す受信機が受信することができる。受信用のロジック分周器3の分周比が1.5のような非整数に設定されているので、これらのWCDMAの受信RF信号の強受信電界強度による高調波の影響により、一対の受信用ローカル信号φIRx_LO、φQRx_LOの受信用ローカル信号周波数が干渉されることがなくなる。
図25は、図24に示した通信用RF ICのダイレクトダウンコンバージョンアーキテクチャーの受信機の各部の信号の周波数の関係を示す図である。図25の左では、受信用ローカル信号周波数fRx_LO(=fRx)の受信用ローカル信号22の近傍に、WCDMAの受信RF信号23の周波数信号成分が分布している。図25の略中央には、発振周波数fRx_VCO(=1.5fRx)の受信用電圧制御発振器4の発振出力信号37が存在している。図25の右には、WCDMAの受信RF信号の強受信電界強度による高調波信号(周波数2fRx)が分布している。
また、図24に示した受信機の受信用ロジック分周器3は、図12または図14の回路により構成されることができる。従って、受信用ロジック分周器3から生成される一対の受信用ローカル信号φIRx_LO、φQRx_LOの位相差は、90度(π/2)ではなく、120度(2π/3)となる。その結果、受信用復調器の第1ミキサー86I、第2ミキサー86Qの出力から得られる一対の受信アナログベースバンド信号の位相差も、90度(π/2)ではなく、120度(2π/3)となる。この120度(2π/3)の位相差を有する一対の受信アナログベースバンド信号は、ローパスフィルタ87Ia、87Qa、87Ib、87Qb、87Ic、87Qcと可変利得増幅器88Ia、88Qa、88Ib、88Qbとを介して一対のA/D変換器89I、89Qの入力端子に供給される。従って、一対のA/D変換器89I、89Qの出力端子から得られる受信ディジタルベースバンド信号I´(t)、Q´(t)も、アナログ換算で略120度(2π/3)の位相差を持っている。一対の入力端子が一対のA/D変換器89I、89Qの出力端子に接続されたデータ変換ユニット90は、受信ディジタルベースバンド信号I´(t)、Q´(t)を変換ディジタルベースバンド信号I、Qに変換して一対の出力端子91、92へ出力する。データ変換ユニット90の変換機能によって、一対の出力端子91、92から得られる変換ディジタルベースバンド信号I、Qはアナログ換算で略90度(π/2)の位相差を持つようになる。従って、一対の出力端子91、92から正確なクォドラチャー復調ディジタルベースバンド信号が得られ、ベースバンド信号処理ユニットで処理されることができる。
図26は本発明の更に他の1つの実施の形態による通信用RF ICのダイレクトダウンコンバージョンアーキテクチャーの受信機の主要部を示す図である。図24に示した受信機と比較すると、図26に示す受信機ではデータ変換ユニット90の接続位置と変換機能とが異なっている。すなわち、図26に示す受信機では、データ変換ユニット90はローパスフィルタ87Ic、87Qcの出力端子とA/D変換器89I、89Qの入力端子との間に接続されている。従って、図26のデータ変換ユニット90は、ローパスフィルタ87Ic、87Qcの出力端子に得られる120度(2π/3)の位相差を有する一対の受信アナログベースバンド信号I´(t)、Q´(t)を略90度(π/2)の位相差を持つ一対の変換アナログベースバンド信号I、Qに直接的にアナログ変換してA/D変換器89I、89Qの入力端子に供給する。従って、図26に示す受信機でも一対の出力端子91、92から正確なクォドラチャー復調ディジタルベースバンド信号が得られ、ベースバンド信号処理ユニットで処理されることができる。
または、本発明はダイレクトアップコンバージョン(DUC)アーキテクチャーやダイレクトダウンコンバージョン(DDC)アーキテクチャーに限定されるものではない。例えば、受信RF信号を比較的低い中間周波数受信信号に変換する低IFダウンコンバージョン受信機アーキテクチャーや、比較的低い中間周波数送信信号を送信RF信号に変換する低IFアップコンバージョン送信機アーキテクチャーに適用することができる。
また、図24の受信機において、ディジタルIFダウンコンバージョン受信機アーキテクチャーを採用することもできる。このアーキテクチャーでは、受信ミキサー86I、86QでRF受信信号から第1中間周波数信号へ変換するファーストダウンコンバージョンを行い、A/D変換器89I、89QをバンドパスΔΣ変調器により構成する。バンドパスΔΣ変調器により構成されたA/D変換器89I、89Qにて、第1中間周波数信号のアナログ信号からベースバンドデジタル受信信号へのセカンドダウンコンバージョンを伴うA/D変換を実行することができる。
また、本発明はWCDMA方式の送受信機に限定されるものではなく、GSMのDCS1800、PCS1900の約2GHzのRF信号の送受信を行う送受信機や、2GHz無線LANの送受信機にも適用することができる。
《マルチバンド対応の通信用RF IC》
図27は、本発明の他の1つの実施の形態によるマルチバンド対応の通信用RF ICを示すブロック図である。この通信用RF ICは、WCDMA方式のBand1、Band2、Band5の送受信を行うとともに、GSM850、GSM900、DCS1800、PCS1900の方式の送受信を行うことが可能である。
図29は、携帯電話の各種の通信方式の送受信帯域を示す図である。図29の上部には、WCDMA方式の送受信帯域を示している。WCDMA方式の一番低い周波数帯域のBand5(地域は米国)の場合、無線通信端末のRF送信信号TXの周波数帯域が824〜849MHzであるのに対して、無線通信端末のRF受信信号RXの周波数帯域は869〜894MHzとなっている。同様に、WCDMA方式のBand2(地域は欧州)の場合も、無線通信端末のRF送信信号TXの周波数帯域が1850〜1910MHzであるのに対して、無線通信端末のRF受信信号RXの周波数帯域は1930〜1990MHzとなっている。また、UMTS規格におけるWCDMA方式の一番高い周波数帯域のBand1(地域は米国)の場合、無線通信端末のRF送信信号TXの周波数帯域が1920〜1980MHzであるのに対して、無線通信端末のRF受信信号RXの周波数帯域は2110〜2170MHzとなっている。
更に、これ以外のWCDMA方式の通信も存在する。WCDMA方式の低い周波数帯域のBand6(地域は日本)の場合、無線通信端末のRF送信信号TXの周波数帯域が830〜840MHzであるのに対して、無線通信端末のRF受信信号RXの周波数帯域は875〜885MHzとなっている。WCDMA方式の周波数帯域のBand4(地域は米国)の場合、無線通信端末のRF送信信号TXの周波数帯域が1710〜1775MHzであるのに対して、無線通信端末のRF受信信号RXの周波数帯域は2110〜2155MHzとなっている。WCDMA方式の周波数帯域のBand3(地域は欧州他)の場合、無線通信端末のRF送信信号TXの周波数帯域が1710〜1785MHzであるのに対して、無線通信端末のRF受信信号RXの周波数帯域は1805〜1880MHzとなっている。
図29の下部には、WCDMA方式以外の通信方式の送受信帯域を示している。GSM850の場合、無線通信端末のRF送信信号TXの周波数帯域が824〜849MHzであるのに対して、無線通信端末のRF受信信号RXの周波数帯域は869〜894MHzとなっている。GSM900の場合、無線通信端末のRF送信信号TXの周波数帯域が880〜915MHzであるのに対して、無線通信端末のRF受信信号RXの周波数帯域は925〜960MHzとなっている。DCS1800の場合、無線通信端末のRF送信信号TXの周波数帯域が1710〜1785MHzであるのに対して、無線通信端末のRF受信信号RXの周波数帯域は1805〜1880MHzとなっている。PCS1900の場合、無線通信端末のRF送信信号TXの周波数帯域が1850〜1910MHzであるのに対して、無線通信端末のRF受信信号RXの周波数帯域は1930〜1990MHzとなっている。このように、いずれの周波数帯域(バンド)においても、受信帯域周波数RXが送信帯域周波数TXよりも高いFDD方式が採用されている。尚、FDDは、Frequency Division Duplexの略である。
図27に示したRF ICの上部の回路RX_SPU_WCDMAはWCDMA方式のBand1、Band2、Band5の受信のための回路である。図27に示したRF ICの下部の回路TX_SPU_WCDMAはWCDMA方式のBand1、Band2、Band5の送信のための回路である。図27に示したRF ICの中央上部の回路RX_SPU_GSMは、GSM850、GSM900、DCS1800、PCS1900の受信のための回路である。図27に示したRF ICの中央下部の回路TX_SPU_GSMは、GSM850、GSM900、DCS1800、PCS1900の送信のための回路である。
図27に示したRF ICの中央の回路Frct_Synthは、RF ICの送受信ローカル信号を形成するフラクショナルシンセサイザである。このフラクショナルシンセサイザFrct_Synthは、受信用電圧制御発振器4Rx−VCOと、システム基準電圧制御発振器(DCX−CVO)を内蔵したフェーズロックループ(PLL)5と、複数の分周器と、複数のスイッチとを含んでいる。
いずれの通信方式の「受信モード」においても、WCDMA方式受信回路RX_SPU_WCDMAの出力または他方式受信回路RX_SPU_GSMの出力にI、Qアナログベースバンド受信信号が形成される。この信号はローパスフィルタ87I、87Qを介してA/D変換器89I、89Qに供給されることよりI、Qディジタルベースバンド受信信号に変換され、ディジタル位相変換ユニット90Rxと、受信系ディジタルインターフェース14とを介してベースバンド信号処理LSIに供給される。図27のWCDMA方式受信回路RX_SPU_WCDMAのロジック分周器3Rx_WCDMAも、図24と図26のロジック分周器3と同様に、受信用電圧制御発振器4Rx−VCOからの発振出力に応答して一対の受信ミキサー86I、86Qに供給される一対の受信用ローカル信号の位相差を120度(2π/3)に設定する。図27の他方式受信回路RX_SPU_GSMのロジック分周器3Rx_GSMも、図24と図26のロジック分周器3と同様に、受信用電圧制御発振器4Rx−VCOからの発振出力に応答して一対の受信ミキサーRX−MIX_I、RX−MIX_Qに供給される一対の受信用ローカル信号の位相差を120度(2π/3)に設定する。A/D変換器89I、89Qに接続されたディジタル位相変換ユニット90Rxは、WCDMA方式の受信でもGSM方式の受信でも、図24のディジタル位相変換ユニット90と同様に、その2つの出力端子から得られる2つのディジタ受信信号がアナログ換算で90度の位相差となるようにデータ変換を行うものである。
逆にベースバンド信号処理LSIからのディジタルベースバンド送信信号TxDBI、TxDBQはRF ICの送信系ディジタルインターフェース37により受信された後、ディジタル位相変換ユニット11Txにてデータ変換される。ディジタル位相変換ユニット11Txの2つの入力端子のディジタルベースバンド送信入力信号はアナログ換算で90度の位相差を持つ一方、ディジタル位相変換ユニット11Txの2つの出力端子のディジタル変換信号はアナログ換算でのアナログ信号位相差が90度と所定のアナログオフセット角度を有するものである。ディジタル位相変換ユニット11Txの2つの出力端子のディジタル変換信号は、D/A変換器9、10によりアナログベースバンド信号に変換される。D/A変換器9、10の出力のアナログベースバンド信号のアナログ信号位相差は、90度と所定のアナログオフセット角度を有するものである。
WCDMA方式の送信では、D/A変換器9、10の出力のアナログベースバンド信号はWCDMA方式送信回路TX_SPU_WCDMAのローパスフィルタ6,7を介して一対の送信ミキサー1、2の一方の入力端子に供給される。送信用RF・PLL回路5により制御された送信用電圧制御発振器4Tx−VCO_WCDMAの発振出力は、ロジック分周器3Tx_WCDMAに供給される。図27のWCDMA方式送信回路TX_SPU_WCDMAのロジック分周器3Tx_WCDMAも、図10のロジック分周器3と同様に、送信用電圧制御発振器4Tx−VCO_WCDMAからの発振出力に応答して一対の送信ミキサー1、2に供給される一対の送信用ローカル信号のローカル信号位相差は90度と所定のローカルオフセット角度を有するものである。所定のローカルオフセット角度と所定のアナログオフセット角度との和が実質的にゼロであることにより、一対の送信ミキサー1、2と加算器8aとからなる送信用変調器で、正確なクォドラチャー変調が可能となる。
GSM方式の送信では、D/A変換器9、10の出力のアナログベースバンド信号は他方式送信回路TX_SPU_GSMの一対の送信ミキサーTX−MIX_I、TX−MIX_Qの一方の入力端子に供給される。フラクショナルシンセサイザFrct_SynthのPLL回路5により制御された電圧制御発振器4Rx−VCOの発振信号は、中間周波数分周器DIV2(1/NIF)を介してロジック分周器3Tx_GSMに供給される。図27の他方式送信回路TX_SPU_GSMのロジック分周器3Tx_GSMも、分周器DIV2(1/NIF)の出力の中間周波数信号に応答して一対の送信ミキサーTX−MIX_I、TX−MIX_Qに供給される一対の送信用中間周波数ローカル信号のローカル信号位相差は90度と所定のローカルオフセット角度を有するものである。所定のローカルオフセット角度と所定のアナログオフセット角度との和が実質的にゼロであることにより、一対の送信ミキサーTX−MIX_I、TX−MIX_Qと加算器とからなる送信用変調器で、正確なクォドラチャー変調が可能となる。
送信系オフセットPLL回路TX_Offset_PLLは、GSM850のRF送信信号Tx_GSM850とGSM900のRF送信信号Tx_GSM900との送信動作に対応する必要が有る。そのため、受信用電圧制御発振器4Rx−VCOの発振周波数は分周比2に設定された2個の分周器DIV1(1/2)、DIV4(1/2)を介して位相制御帰還用周波数ダウンミキサーDWN_MIX_PMの一方の入力端子に供給される。また、送信ミキサTX−MIX_I、TX−MIX_Qのためのロジック分周器3Tx_GSMに接続された中間周波数分周器DIV2(1/NIF)の分周比NIFは、35に設定されている。一方、GSM送信用電圧制御発振器Tx−VCO_GSMの発振出力信号が、分周数2に設定された2個の分周器DIV5、分周器DIV3を介して、位相制御帰還用周波数ダウンミキサーDWN_MIX_PMの他方の入力端子に供給されている。その結果、ダウンミキサーDWN_MIX_PMでは、一方の入力信号と他方の入力信号とのミキシングが行われる。従って、ダウンミキサーDWN_MIX_PMの出力から、2つの入力信号の差の周波数の帰還信号が形成されて、送信系オフセットPLL回路TX_Offset_PLLの位相比較器PCの他方の入力端子に供給される。また、位相比較器PCの一方の入力端子には、送信ミキサTX−MIX_I、Qの出力に接続された加算器の出力のベクトル合成された中間周波送信信号fIFが基準信号として供給されている。中間周波数分周器DIV2(1/NIF)の分周数NIFである35とロジック分周器3Tx_GSMでの分周数1.5とで、合計分周数は52.5となっている。従って、中間周波送信信号fIFの周波数は、受信用電圧制御発振器4Rx−VCOの周波数の1/52.5となる。また、送信系オフセットPLL回路TX_Offset_PLLの負帰還制御によって、位相比較器PCの一方の入力端子の基準信号と他方の入力端子のダウンミキサーDWN_MIX_PMから帰還信号とは一致するようになる。結果としては、0.8GHzのRF送信信号のGSM850と0.9GHzのRF送信信号のGSM900との送信動作に、受信用電圧制御発振器4Rx−VCOとGSM送信用電圧制御発振器Tx−VCO_GSMとは送信周波数の略4倍の略3.6GHzから略3.9GHzで発振すれば良くなる。
また送信系オフセットPLL回路TX_Offset_PLLは、DCS1800のRF送信信号Tx_DCS1800とPSC1900のRF送信信号Tx_PSC1900との送信動作に対応する必要が有る。そのため、受信用電圧制御発振器4Rx−VCOの発振周波数は、分周比2に設定された分周器DIV1(1/2)を介して位相制御帰還用周波数ダウンミキサーDWN_MIX_PMの一方の入力端子に供給される。また、送信ミキサTX−MIX_I、TX−MIX_Qのためのロジック分周器3Tx_GSMに接続された中間周波数分周器DIV2(1/NIF)の分周比NIFは、35に設定されている。一方、GSM送信用電圧制御発振器Tx−VCO_GSMの発振出力信号が、分周数2に設定された1個の分周器DIV5を介して、位相制御帰還用周波数ダウンミキサーDWN_MIX_PMの他方の入力端子に供給されている。その結果、ダウンミキサーDWN_MIX_PMでは、一方の入力信号と他方の入力信号とのミキシングが行われる。従って、ダウンミキサーDWN_MIX_PMの出力から、2つの入力信号の差の周波数の帰還信号が形成されて、送信系オフセットPLL回路TX_Offset_PLLの位相比較器PCの他方の入力端子に供給される。また、位相比較器PCの一方の入力端子には、送信ミキサTX−MIX_I、Qの出力に接続された加算器の出力のベクトル合成された中間周波送信信号fIFが基準信号として供給されている。中間周波数分周器DIV2(1/NIF)の分周数NIFである35とロジック分周器3Tx_GSMでの分周数1.5とで、合計分周数は52.5となっている。従って、中間周波送信信号fIFの周波数は、受信用電圧制御発振器4Rx−VCOの周波数の1/52.5となる。また、送信系オフセットPLL回路TX_Offset_PLLの負帰還制御によって、位相比較器PCの一方の入力端子の基準信号と他方の入力端子のダウンミキサーDWN_MIX_PMから帰還信号とは一致するようになる。結果としては、1.7GHzのRF送信信号のDCS1800と1.9GHzのRF送信信号のPCS1900との送信動作に、受信用電圧制御発振器4Rx−VCOとGSM送信用電圧制御発振器Tx−VCO_GSMとは送信周波数の略2倍の略3.6GHzから略3.9GHzで発振すれば良くなる。
≪携帯電話の構成≫
図28は、上記で説明した本発明の実施の形態によるRF ICと、アンテナスイッチMMICとRF電力増幅器とを内蔵したRFモジュールと、ベースバンド信号処理LSIとを搭載した携帯電話の構成を示すブロック図である。尚、MMICは、Microwave Monolithic ICの略である。
同図で、携帯電話の送受信用アンテナANTにはRFモジュールRF_MLのアンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の共通の入出力端子I/Oが接続されている。ベースバンド信号処理LSI(BB_LSI)からの制御信号B.B_Cntは、RFアナログ信号処理半導体集積回路(RF_IC)を経由して高出力電力増幅器モジュール(HPA_ML)のコントローラ集積回路(CNT_IC)に供給される。送受信用アンテナANTから共通の入出力端子I/OへのRF信号の流れは携帯電話の受信動作RXとなり、共通の入出力端子I/Oから送受信用アンテナANTへのRF信号の流れは携帯電話の送信動作TXとなる。
RF IC(RF_IC)は、ベースバンド信号処理LSI(BB_LSI)からの送信ディジタルベースバンド信号TxDBI、TxDBQをRF送信信号に周波数アップコンバージョンを行う。逆に、RF IC(RF_IC)は、送受信用アンテナANTで受信されたRF受信信号を受信ディジタルベースバンド信号RxDBI、RxDBQに周波数ダウンコンバージョンを行いベースバンド信号処理LSI(BB_LSI)に供給する。
RFモジュールRF_MLのアンテナスイッチMMIC(ANT_SW)は共通の入出力端子I/Oと送信端子Tx1、Tx2、受信端子Rx2、Rx3、Rx4、送受信端子TRx1、TRx5のいずれかの端子の間で信号経路を確立して、受信動作RXと送信動作TXとのいずれかを行う。このRF信号の受送信動作のためのスイッチはHEMT(高電子移動度トランジスタ)で構成され、アンテナスイッチMMICはGaAs等の化合物半導体を使用したマイクロウェーブモノリシック集積回路(MIC)で構成されている。このアンテナスイッチMMIC(ANT_SW)は受信動作RXと送信動作TXとのいずれかのために確立した信号経路以外の信号経路のインピーダンスを極めて高い値に設定することで、必要なアイソレーションが得られるものである。アンテナスイッチの分野では、共通の入出力端子I/Oはシングルポール(Single Pole)と呼ばれ、送信端子Tx1、Tx2、受信端子Rx2、Rx3、Rx4、送受信端子TRx1、TRx5の合計7個の端子は7スロー(7 throw)と呼ばれる。従って、図28のアンテナスイッチMMIC(ANT_SW)は、シングルポール7スロー(SP7T; Single Pole 7 throw)型のスイッチである。
尚、ベースバンド信号処理LSI(BB_LSI)は図示されていない外部不揮発性メモリと図示されていないアプリケーションプロセッサとに接続されている。アプリケーションプロセッサは、図示されていない液晶表示装置と図示されていないキー入力装置とに接続され、汎用プログラムやゲームを含む種々のアプリケーションプログラムを実行することができる。携帯電話等のモバイル機器のブートプログラム(起動イニシャライズプログラム)、オペレーティングシステムプログラム(OS)、ベースバンド信号処理LSIの内部のディジタルシグナルプロセッサ(DSP)によるGSM方式等の受信ベースバンド信号に関する位相復調と送信ベースバンド信号に関する位相変調のためのプログラム、種々のアプリケーションプログラムは、外部不揮発性メモリに格納されることができる。
≪GSM850、GSM900による送受信動作≫
BB_LSIからの送信ベースバンド信号TxDBI、QがGSM850のバンドに周波数アップコンバージョンされるべき場合を想定する。この場合には、RF ICの送信信号処理ユニットTx_SPUは送信ベースバンド信号をGSM850のバンドへの周波数アップコンバージョンを行って、GSM850のRF送信信号Tx_GSM 850が生成される。BB_LSIからの送信ベースバンド信号がGSM900のバンドに周波数アップコンバージョンされるべき場合を想定する。この場合には、RF ICの送信信号処理ユニットTx_SPUは送信ベースバンド信号をGSM900のバンドへの周波数アップコンバージョンを行って、GSM900のRF送信信号Tx_GSM 900が生成される。GSM850のRF送信信号Tx_GSM 850とGSM900のRF送信信号Tx_GSM 900とは、高出力電力増幅器モジュール(HPA_ML)の高出力電力増幅器HPA2で電力増幅される。高出力電力増幅器HPA2のRF出力は、ローパスフィルタLPF2を経由してアンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の送信端子Tx2に供給される。送信端子Tx2に供給されたGSM850のRF送信信号Tx_GSM 850とGSM900のRF送信信号Tx_GSM 900とは共通の入出力端子I/Oを介して送受信用アンテナANTから送信されることができる。
送受信用アンテナANTで受信されたGSM850のRF受信信号Rx_GSM 850とGSM900のRF受信信号Rx_GSM 900とは、アンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の共通の入出力端子I/Oに供給される。アンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の受信端子Rx2から得られるGSM850のRF受信信号Rx_GSM 850とGSM900のRF受信信号Rx_GSM 900とは表面弾性波フィルタSAW3を介してRF ICの低雑音増幅器LNA1、2で増幅される。その後、これらのRF受信信号は、受信信号処理ユニットRx_SPUに供給される。受信信号処理ユニットRx_SPUでは、GSM850のRF受信信号Rx_GSM 850またはGSM900のRF受信信号Rx_GSM 900から受信ベースバンド信号RxDBI、Qへの周波数ダウンコンバージョンが行われる。
GSM850の送受信モードでは、アンテナスイッチMMICは制御信号B.B_Cntに応答して入出力端子I/Oと送信端子Tx2との接続によるRF送信信号Tx_GSM 850の送信と入出力端子I/Oとの受信端子Rx2との接続によるRF受信信号Tx_GSM 850の受信とを時分割で行う。同様に、GSM900の送受信モードでも、アンテナスイッチMMIC(は制御信号B.B_Cntに応答して入出力端子I/Oと送信端子Tx2との接続によるRF送信信号Tx_GSM 900の送信と入出力端子I/Oとの受信端子Rx2との接続によるRF受信信号Rx_GSM 900の受信とを時分割で行う。
≪DCS1800、PCS1900による送受信動作≫
BB_LSIからの送信ベースバンド信号TxDBI、QがDCS1800のバンドに周波数アップコンバージョンされるべき場合を想定する。この場合には、RF ICの送信信号処理ユニットTx_SPUは送信ベースバンド信号をDCS1800のバンドへの周波数アップコンバージョンを行って、DCS1800のRF送信信号Tx_DCS1800が生成される。BB_LSIからの送信ベースバンド信号がPCS1900のバンドに周波数アップコンバージョンされるべき場合を想定する。この場合には、RF ICの送信信号処理ユニットTx_SPUは送信ベースバンド信号をPCS1900のバンドへの周波数アップコンバージョンを行って、PCS1900のRF送信信号Tx_PCS1900が生成される。DCS1800のRF送信信号Tx_DCS1800とPCS1900のRF送信信号Tx_PCS1900とは、高出力電力増幅器モジュール(HPA_ML)の高出力電力増幅器HPA1で電力増幅される。高出力電力増幅器HPA1のRF出力は、ローパスフィルタLPF1を経由してアンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の送信端子Tx1に供給される。送信端子Tx1に供給されたDCS1800のRF送信信号Tx_DCS1800とPCS1900のRF送信信号Tx_PCS1900とは共通の入出力端子I/Oを介して送受信用アンテナANTから送信されることができる。
送受信用アンテナANTで受信されたDCS1800のRF受信信号Rx_DCS1800とPCS1900のRF受信信号Rx_PCS1900とは、アンテナスイッチMMICの共通の入出力端子I/Oに供給される。アンテナスイッチMMICの受信端子Rx3から得られるDCS1800のRF受信信号Rx_DCS1800は表面弾性波フィルタSAW2を介してRF IC(RF_IC)の低雑音増幅器LNA3で増幅される。アンテナスイッチMMIC(ANT_SW)の受信端子Rx4から得られるPCS1900のRF受信信号Rx_PCS1900は表面弾性波フィルタSAW1を介してRF ICの低雑音増幅器LNA4で増幅される。その後、DCS1800のRF受信信号Rx_DCS1800とPCS1900のRF受信信号Rx_PCS1900は、受信信号処理ユニットRx_SPUに供給される。受信信号処理ユニットRx_SPUでは、DCS1800のRF受信信号Rx_DCS1800またはPCS1900のRF受信信号Rx_PCS1900から受信ベースバンド信号RxDBI、Qへの周波数ダウンコンバージョンが行われる。
DCS1800の送受信モードでは、アンテナスイッチMMICは制御信号B.B_Cntに応答して入出力端子I/Oと送信端子Tx1との接続によるRF送信信号Tx_DCS1800の送信と入出力端子I/Oとの受信端子Rx3との接続によるRF受信信号Rx_DCS1800の受信とを時分割で行う。同様に、PCS1900の送受信モードでも、アンテナスイッチMMICは制御信号B.B_Cntに応答して入出力端子I/Oと送信端子Tx1との接続によるRF送信信号Tx_PCS1900の送信と入出力端子I/Oとの受信端子Rx4との接続によるRF受信信号Rx_PCS1900の受信とを時分割で行う。
≪WCDMAによる送受信動作≫
ベースバンド信号処理LSI(BB_LSI)からの送信ディジタルベースバンド信号TxDBI、Qが、WCDMA方式のBand1またはBand2に周波数アップコンバージョンされるべき場合を想定する。この場合には、RF ICの送信信号処理ユニットTx_SPUは送信ベースバンド信号をWCDMA方式のBand1またはBand2への周波数アップコンバージョンを行う。WCDMA方式のBand1またはBand2のRF送信信号Tx_WCDMA Band1、2は、高出力電力増幅器W_PA1で電力増幅され、デュープレクサDUP1を経由してアンテナスイッチMMICの送受信端子TRx1に供給される。送受信端子TRx1に供給されたWCDMA方式のBand1またはBand2のRF送信信号Tx_WCDMA Band1、2は、共通の入出力端子I/Oを介して送受信用アンテナANTから送信されることができる。
WCDMA方式では、コード分割により送信動作と受信動作とが並列に処理されることができる。すなわち、送受信用アンテナANTで受信されたWCDMA方式のBand1またはBand2のRF受信信号Rx_WCDMA Band1、2は、アンテナスイッチMMICの共通の入出力端子I/Oに供給される。アンテナスイッチMMICの送受信端子TRx1から得られるWCDMA方式のBand1またはBand2のRF受信信号Rx_WCDMA Band1、2はデュープレクサDUP1を経由してRF ICの低雑音増幅器LNA5で増幅され、その後、受信信号処理ユニットRx_SPUに供給される。受信信号処理ユニットRx_SPUでは、WCDMA方式のBand1またはBand2のRF受信信号Rx_WCDMA Band1、2から受信ディジタルベースバンド信号RxDBI、Qへの周波数ダウンコンバージョンが行われる。WCDMA方式のBand1、2による送信と受信との並列処理モードでは、アンテナスイッチMMICは制御信号B.B_Cntに応答して入出力端子I/Oと送受信端子TRx1との間の定常接続によりRF送信信号の送信とRF受信信号の受信とを並列して行う。
ベースバンド信号処理LSI(BB_LSI)からの送信ディジタルベースバンド信号TxDBI、QがWCDMA方式のBand5に周波数アップコンバージョンされるべき場合を想定する。この場合には、RF ICの送信信号処理ユニットTx_SPUは送信ディジタルベースバンド信号TxDBI、QをWCDMA方式のBand5への周波数アップコンバージョンを行う。WCDMA方式のBand5のRF送信信号Tx_WCDMA Band5は、高出力電力増幅器W_PA2で電力増幅され、デュープレクサDUP2を経由してアンテナスイッチMMICの送受信端子TRx5に供給される。送受信端子TRx5に供給されたWCDMA方式のBand5のRF送信信号Tx_WCDMA Band5は、共通の入出力端子I/Oを介して送受信用アンテナANTから送信されることができる。
送受信用アンテナANTで受信されたWCDMA方式のBand5のRF受信信号Rx_WCDMA Band5は、アンテナスイッチMMICの共通の入出力端子I/Oに供給される。アンテナスイッチMMICの送受信端子TRx5から得られるWCDMA方式のBand5のRF受信信号Rx_WCDMA Band5はデュープレクサDUP2を経由してRF ICの低雑音増幅器LNA6で増幅される。低雑音増幅器LNA6の増幅信号は、受信信号処理ユニットRx_SPUに供給される。受信信号処理ユニットRx_SPUでは、WCDMA方式のBand5のRF受信信号Rx_WCDMA Band5から受信ディジタルベースバンド信号RxDBI、Qへの周波数ダウンコンバージョンが行われる。
WCDMA方式のBand5による送信とWCDMA方式のBand5による受信との並列処理モードでは、アンテナスイッチMMICは制御信号B.B_Cntに応答して入出力端子I/Oと送受信端子TRx5との間の定常接続によりRF送信信号の送信とRF受信信号の受信とを並列して行うものである。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変形可能であることは言うまでもない。
例えば、図28に示す携帯電話では通信用RF ICとベースバンド信号処理LSIとはそれぞれ別の半導体チップで構成されていたが、別な実施形態ではそれらは1つの半導体チップに統合された統合ワンチップとされることができる。
図1は、本発明に先立って検討された通信用RF ICのダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーの送信機を示す図である。 図2は、図1に示したダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーの送信機の各部の信号の周波数の関係を示す図である。 図3は、本発明に先立って検討された通信用RF ICの他の方式によるダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーの送信機を示す図である。 図4は、図3に示したダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーの送信機の各部の信号の周波数の関係を示す図である。 図5は、図3の通信用RF ICでインジェクションロック現象が発生するメカニズムを説明する図である。 図6は、図3の通信用RF ICで発生するインジェクションロック現象の特性を説明する図である。 図7は、図3の通信用RF ICでインジェクションロック現象が発生するメカニズムをより詳細に説明する図である。 図8は、図3の通信用RF ICで発生するインジェクションロック現象の特性をより詳細に説明する図である。 図9は、図3の通信用RF ICでPLLロック周波数f0の付近の周波数領域への擾乱による影響を示す図である。 図10は、本発明の1つの実施の形態による通信用RF ICのダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーの送信機を示す図である。 図11は本発明の他の1つの実施の形態による通信用RF ICのダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーの送信機の主要部を示す図である。 図12は、図10に示した本発明の1つの実施の形態による通信用RF ICのダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーの送信機に含まれた分周比が非整数のロジック分周器の構成を示す図である。 図13は、図12に示したロジック分周器の内部の波形を示す図である。 図14は、図10に示した本発明の1つの実施の形態による通信用RF ICのダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーの送信機に含まれた分周比が非整数のロジック分周器の他の構成を示す図である。 図15は、図14に示したロジック分周器の内部の波形を示す図である。 図16は本発明の他の1つの実施の形態による通信用RF ICのダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーの送信機の主要部を示す図である。 図17は本発明の他の1つの実施の形態による通信用RF ICのダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーの送信機の主要部を示す図である。 図18は、図17に示した本発明の他の1つの実施の形態による送信機に含まれた分周比が非整数である2.5のロジック分周器の構成を示す図である 図19は、図18に示したロジック分周器の内部の波形を示す図である。 図20は、通信用RF ICのダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーの送信機のロジック分周器の分周比による送信用のI/Q変調器の位相誤差によるイメージ抑圧量の変化を示す図である。 図21は、通信用RF ICのダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーの送信機のロジック分周器の分周比が2、5/2、3/2に設定された場合の送信用ローカル信号のデューティー比の変化を示す図である。 図22は、通信用RF ICのダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーの送信機の送信用ローカル信号のデューティー比によるイメージ抑圧量の変化を示す図である。 図23は本発明の他の1つの実施の形態による通信用RF ICのダイレクトアップコンバージョンアーキテクチャーの送信機の主要部を示す図である。 図24は本発明の他の1つの実施の形態による通信用RF ICのダイレクトダウンコンバージョンアーキテクチャーの受信機の主要部を示す図である。 図25は、図24に示した通信用RF ICのダイレクトダウンコンバージョンアーキテクチャーの受信機の各部の信号の周波数の関係を示す図である。 図26は本発明の更に他の1つの実施の形態による通信用RF ICのダイレクトダウンコンバージョンアーキテクチャーの受信機の主要部を示す図である。 図27は、本発明の他の1つの実施の形態によるマルチバンド対応の通信用RF ICを示すブロック図である。 図28は、本発明の実施の形態によるRF ICと、アンテナスイッチMMICとRF電力増幅器とを内蔵したRFモジュールと、ベースバンド信号処理LSIとを搭載した携帯電話の構成を示すブロック図である。 図29は、携帯電話の各種の通信方式の送受信帯域を示す図である。
符号の説明
I、Q ディジタルベースバンド送信信号
11 ディジタル位相変換ユニット
9、10 D/A変換器
6、7 ローパスフィルタ
1、2 ミキサー
3 分周器
4 電圧制御発振器
5 PLL回路
8a 加算器
8b 可変利得増幅器
12 バンドパスフィルタ
13 RF電力増幅器
14 送信出力端子
φ0 発振出力信号
φITx−LO、φQTx−LO 送信用ローカル信号
92 バンドパスフィルタ
85 ローノイズアンプ
86I、86Q ミキサー
87Ia、87Qa ローパスフィルタ
88Ia、88Qa 可変利得増幅器
87Ib、87Qb ローパスフィルタ
88Ib、88Qb 可変利得増幅器
87Ic、87Qc ローパスフィルタ
89I、89Q A/D変換器
90 データ変換ユニット
3 分周器
4 電圧制御発振器
5 PLL回路
φ0 発振出力信号
φIRx−LO、φQRx−LO 受信用ローカル信号
94 可変利得増幅器
95 可変利得増幅器
8 高周波可変利得増幅器
15a アナログベースバンドI信号入力端子
16a アナログベースバンドQ信号入力端子
36 分周器
96 VCO信号入力端子
22 送信局部発振信号
23 送信信号
37 電圧制御発振器出力信号
38 送信信号2倍高調波スペクトル
21 ポリフェーズフィルタ
14 送信出力端子
24 電圧制御発振器用電源回路
25 電圧制御発振器用電源インピーダンス
28 カップリングインピーダンス
29 電圧制御発振器出力端子
30 発振器周波数周波数引き込み領域
L1 引き込み領域境界線
L2 引き込み領域境界線
31 PLL用分周回路、
32 位相比較器
33 チャージポンプ回路
34 ループフィルタ
35 PLL引き込み領域
36 位相雑音増加領域
37 位相雑音増加領域
15b デジタルベースバンドI信号入力端子
16b デジタルベースバンドQ信号入力端子
41、42 1ビットカウンタ回路
49 a信号
50 反転a信号(aB)
51 b信号
52 反転b信号(bB)
53 基本波形生成回路出力波形(a*bB)
54 基本波形生成回路出力波形(aB*bB)
55 基本波形生成回路出力波形(aB*b)
56 基本波形生成回路出力波形(a*b)
45 マルチプレクサ
46 選択ロジック
47a 出力端子
47b 出力端子
48 クロック入力端子
60 セット機能つきD形フリップフロップ(逆相動作)
61 リセット機能つきD形フリップフロップ(正相動作)
62 リセット機能つきD形フリップフロップ(逆相動作)
63 リセット機能つきD形フリップフロップ(正相動作)
64 リセット機能つきD形フリップフロップ(逆相動作)
65 D1信号
66 D2信号
67 D3信号
68 D4信号
69 D5信号
70 D6信号、
71 マスタースレーブフリップフロップ
73 I側局部発振信号出力
74 Q側局部発振信号出力
74A 1次変換用増幅器
75 1次変換用増幅器
8A 加算回路
8B 高周波利得可変増幅器
77、78、79、80、81 マスタースレーブフリップフロップ
82、83 論理和
72 出力端子
84 ノッチフィルタ

Claims (19)

  1. 受信したRF受信信号を受信アナログ信号に変換する受信用復調器を含む受信機と、
    送信アナログ信号をRF送信信号に変換する送信用変調器を含む送信機とを具備する送受信機であって、
    前記送信機は、送信ディジタル信号を前記送信アナログ信号に変換するディジタル/アナログ変換器と、送信用電圧制御発振器と、前記送信用電圧制御発振器から生成される送信用発振出力信号を分周することによって前記送信用変調器に供給される第1送信用ローカル信号と第2送信用ローカル信号とを生成する送信用分周器とを更に含み、
    前記送信用分周器の分周比は1よりも大きな非整数に設定され、
    前記非整数に設定された前記分周比を有する前記送信用分周器は、そのロジック動作によって位相の異なる前記第1送信用ローカル信号と前記第2送信用ローカル信号とを生成するロジック分周器によって構成され、
    前記送信用分周器から生成される前記第1送信用ローカル信号と前記第2送信用ローカル信号とは90度と所定のローカル・オフセット角度を有する位相差を持った一対の非クォドラチャー・ローカル信号であり、
    前記送信ディジタル信号はアナログ換算で略90度の位相差を持った一対のクォドラチャー・送信信号であり、
    前記送信機は、前記一対のクォドラチャー・送信信号をアナログ換算で90度と所定の送信信号・オフセット角度を有する位相差を持った一対の非クォドラチャー・変換送信信号に変換する変換ユニットを更に含み、
    前記送信機の前記送信用変調器では、前記変換ユニットからの前記一対の非クォドラチャー・変換送信信号と前記送信用分周器からの前記一対の非クォドラチャー・ローカル信号とのミキシングとが行われ、
    前記送信機の前記送信用変調器の出力から、前記ミキシングの結果によるクォドラチャー変調による前記RF送信信号が形成される送受信機。
  2. 請求項1において、
    前記送信用変調器は、第1ミキサーと第2ミキサーと加算器とを含み、
    前記送信用電圧制御発振器から生成される前記送信用発振出力信号が前記送信用分周器に供給されることにより、前記第1ミキサーと前記第2ミキサーとにそれぞれ供給される前記第1送信用ローカル信号と前記第2送信用ローカル信号とが前記送信用分周器から生成され、
    前記一対の非クォドラチャー・変換送信信号として前記第1ミキサーと前記第2ミキサーとにそれぞれ供給される第1送信アナログ信号と第2送信アナログ信号とのアナログ信号位相差は90度と所定のアナログオフセット角度を有しており、
    前記送信用変調器の前記第1ミキサーの出力と前記第2ミキサーの出力とに接続された前記加算器の出力から前記RF送信信号が形成されることを特徴とする送受信機。
  3. 請求項2において、
    前記送信ディジタル信号は第1送信ディジタル信号と第2送信ディジタル信号とを含み、
    前記変換ユニットの第1入力端子と第2入力端子とに前記第1送信ディジタル信号と前記第2送信ディジタル信号とがそれぞれ供給され、
    前記ディジタル/アナログ変換器は、前記変換ユニットの第1出力端子の第1送信ディジタル変換信号が供給される第1ディジタル/アナログ変換器と、前記変換ユニットの第2出力端子の第2送信ディジタル変換信号が供給される第2ディジタル/アナログ変換器とを含み、
    前記変換ユニットの前記第1出力端子の前記第1送信ディジタル変換信号と前記第2出力端子の前記第2送信ディジタル変換信号とはアナログ換算で90度と前記所定の送信信号・オフセット角度を持つように設定されていることを特徴とする送受信機。
  4. 請求項2において、
    前記送信ディジタル信号は第1送信ディジタル信号と第2送信ディジタル信号とを含み、
    前記ディジタル/アナログ変換器は、前記第1送信ディジタル信号が供給される第1ディジタル/アナログ変換器と、前記第2送信ディジタル信号が供給される第2ディジタル/アナログ変換器とを含み、
    前記変換ユニットの第1入力端子と第2入力端子とに前記第1ディジタル/アナログ変換器からの前記第1送信アナログ信号と前記第2ディジタル/アナログ変換器からの前記第2送信アナログ信号とがそれぞれ供給され、
    前記変換ユニットの第1出力端子と第2出力端子とから、前記送信用変調器の前記第1ミキサーと前記第2ミキサーとにそれぞれ供給される前記第1送信アナログ信号と前記第2送信アナログ信号とが生成され、
    前記変換ユニットの前記第1出力端子の前記第1送信アナログ信号と前記第2出力端子の前記第2送信アナログ信号とは90度と前記所定の送信信号・オフセット角度を持つように設定されていることを特徴とする送受信機。
  5. 請求項2において、
    前記送信用電圧制御発振器から生成される前記送信用発振出力信号の発振周波数は、その閉ループに前記送信用電圧制御発振器と発振分周器と位相比較器とローパスフィルタとを含むフェーズロックループによって制御されることを特徴とする送受信機。
  6. 請求項5において、
    前記所定のローカル・オフセット角度と前記所定の送信信号・オフセット角度との和は実質的にゼロであることを特徴とする送受信機。
  7. 請求項5において、
    前記送信用変調器と前記送信用電圧制御発振器と前記送信用分周器とは、ダイレクトアップコンバージョン送信機アーキテクチャーと低IFアップコンバージョン送信機アーキテクチャーとのいずれか一方の送信機を構成するものであることを特徴とする送受信機。
  8. 請求項7において、
    前記送信機は略1.7GHzから略2.0GHzの周波数に設定されたWCDMA方式の前記RF送信信号を送信するものであることを特徴とする送受信機。
  9. 請求項2において、
    前記受信機の前記受信用復調器と、前記送信機の前記送信用変調器と前記ディジタル/アナログ変換器と前記送信用電圧制御発振器と前記送信用分周器と前記変換ユニットとが、半導体チップに構成されていることを特徴とする送受信機。
  10. 請求項2において、
    前記送信用分周器の前記非整数の前記分周比は奇数と偶数との比または異なる奇数の比により設定されていることを特徴とする送受信機。
  11. 受信したRF受信信号を受信アナログ信号に変換する受信用復調器を含む受信機と、
    送信アナログ信号をRF送信信号に変換する送信用変調器を含む送信機とを具備する送受信機であって、
    前記受信機は、前記RF受信信号を増幅するローノイズアンプと、受信用電圧制御発振器と、前記受信用電圧制御発振器から生成される受信用発振出力信号を分周することによって前記受信用復調器に供給される第1受信用ローカル信号と第2受信用ローカル信号とを生成する受信用分周器と、前記受信用復調器の出力から生成される受信アナログ信号を受信ディジタル信号に変換するアナログ/ディジタル変換器とを更に含み、
    前記受信用分周器の分周比は1よりも大きな非整数に設定され、
    前記非整数に設定された前記分周比を有する前記受信用分周器は、そのロジック動作によって位相の異なる前記第1受信用ローカル信号と前記第2受信用ローカル信号とを生成するロジック分周器によって構成され、
    前記受信用分周器から生成される前記第1受信用ローカル信号と前記第2受信用ローカル信号とは90度と所定のローカル・オフセット角度を有する位相差を持った一対の非クォドラチャー・ローカル信号であり、
    前記受信機の前記受信用復調器では、前記ローノイズアンプからのRF受信増幅信号と前記受信用分周器からの前記一対の非クォドラチャー・ローカル信号とのミキシングとが行われ、
    前記受信機の前記受信用復調器の出力から、前記ミキシングの結果による非クォドラチャー復調による前記受信アナログ信号が形成され、
    前記受信アナログ信号は90度と所定の受信信号・オフセット角度を有する位相差を持った一対の非クォドラチャー・受信信号であり、
    前記受信機は、前記一対の非クォドラチャー・受信信号をアナログ換算で略90度の位相差を持つ一対のクォドラチャー・変換受信信号に変換する変換ユニットを更に含む送受信機。
  12. 請求項11において、
    前記受信用復調器は、第1ミキサーと第2ミキサーとを含み、
    前記受信用電圧制御発振器から生成される前記受信用発振出力信号が前記受信用分周器に供給されることにより、前記第1ミキサーと前記第2ミキサーとにそれぞれ供給される前記第1受信用ローカル信号と前記第2受信用ローカル信号とが前記受信用分周器から生成され、
    前記ローノイズアンプからの前記RF受信増幅信号が供給される前記送信用変調器の前記第1ミキサーの出力と前記第2ミキサーの出力とから前記受信アナログ信号としての前記一対の非クォドラチャー・受信信号が形成されることを特徴とする送受信機。
  13. 請求項12において、
    前記受信アナログ信号としての前記一対の非クォドラチャー・受信信号は第1受信アナログ信号と第2受信アナログ信号とを含み、
    前記アナログ/ディジタル変換器は、前記第1受信アナログ信号が供給される第1アナログ/ディジタル変換器と、前記第2受信アナログ信号が供給される第2アナログ/ディジタル変換器とを含み、
    前記変換ユニットの第1入力端子と第2入力端子とに前記第1アナログ/ディジタル変換器の出力からの第1受信ディジタル信号と前記第2アナログ/ディジタル変換器の出力からの第2受信ディジタル信号とが供給され、
    前記アナログ/ディジタル変換器からの前記第1受信ディジタル信号と前記第2受信ディジタル信号とはアナログ換算で90度と前記所定の受信信号・オフセット角度と略等しいオフセット角度を有して、前記変換ユニットの第1出力端子と第2出力端子とからそれぞれ生成される第1変換受信ディジタル信号と第2変換受信ディジタル信号とがアナログ換算で略90度の位相差を持つように設定されていることを特徴とする送受信機。
  14. 請求項12において、
    前記受信アナログ信号としての前記一対の非クォドラチャー・受信信号は第1受信アナログ信号と第2受信アナログ信号とを含み、
    前記変換ユニットの第1入力端子と第2入力端子とに前記第1受信アナログ信号と前記第2受信アナログ信号とが供給され、
    前記アナログ/ディジタル変換器は、前記変換ユニットの第1出力端子からの第1変換受信アナログ信号が供給される第1アナログ/ディジタル変換器と、前記変換ユニットの第2出力端子からの第2変換受信アナログ信号が供給される第2アナログ/ディジタル変換器とを含み、
    前記変換ユニットの前記第1出力端子と前記第2出力端子とからそれぞれ生成される前記第1変換受信アナログ信号と前記第2変換受信アナログ信号とが略90度の位相差を持つように設定され、
    前記第1アナログ/ディジタル変換器から生成される第1変換受信ディジタル信号と前記第2アナログ/ディジタル変換器から生成される第2変換受信ディジタル信号とがアナログ換算で略90度の位相差を持つように設定されていることを特徴とする送受信機。
  15. 請求項12において、
    前記受信用電圧制御発振器から生成される前記受信用発振出力信号の発振周波数は、その閉ループに前記受信用電圧制御発振器と発振分周器と位相比較器とローパスフィルタとを含むフェーズロックループによって制御されることを特徴とする送受信機。
  16. 請求項15において、
    前記受信用復調器と前記受信用電圧制御発振器と前記受信用分周器とは、ダイレクトダウンコンバージョン受信機アーキテクチャーと低IFダウンコンバージョン受信機アーキテクチャーとディジタルIFダウンコンバージョン受信機アーキテクチャーとのいずれか一方の受信機を構成するものであることを特徴とする送受信機。
  17. 請求項16において、
    前記受信機は略1.8GHzから略2.17GHzの周波数に設定されたWCDMA方式のRF受信信号を受信するものであることを特徴とする送受信機。
  18. 請求項12において、
    前記受信機の前記受信用復調器と前記ローノイズアンプと前記受信用電圧制御発振器と前記送信用分周器と前記アナログ/ディジタル変換器と前記変換ユニットと、前記送信機の前記送信用変調器とが、半導体チップに構成されていることを特徴とする送受信機。
  19. 請求項12において、
    前記受信用分周器の前記非整数の前記分周比は奇数と偶数との比または異なる奇数の比により設定されていることを特徴とする送受信機。
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