JP2008297455A - 多孔質脱硫剤及びこれを用いた炭化水素の脱硫方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】特定の条件下で炭化水素を長期間にわたって安定にかつ経済的に脱硫できる脱硫剤、並びに該脱硫剤を用いた脱硫方法を提供する。
【解決手段】常温常圧においてガス状及び/又は液状炭化水素に含まれる硫黄化合物を除去するためのニッケル及び亜鉛を含む多孔質脱硫剤であって、多孔質脱硫剤中の亜鉛化合物に対する塩基性炭酸亜鉛の割合が30%以上であることを特徴とする多孔質脱硫剤、並びに、硫黄分を2質量ppm以上含有する炭化水素を前記多孔質脱硫剤と水素存在下で、温度50〜250℃で接触させることを特徴とする炭化水素の脱硫方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ガス状及び/又は液状炭化水素に含まれる硫黄化合物を脱硫する際に用いる多孔質脱硫剤及び該多孔質脱硫剤を用いた炭化水素の脱硫方法に関する。
21世紀の自動車及びその燃料においては環境問題への対応が大きな課題であり、地球温暖化ガスであるCO2排出削減とNOx等のいわゆる自動車排出ガス削減との両方の観点から、燃料の硫黄分低減が益々求められている。具体的には、ガソリンや軽油の硫黄分は、サルファー・フリー(硫黄分10質量ppm以下)に規制され、さらに低硫黄分、すなわちゼロ・サルファー(硫黄分1質量ppm以下)の燃料油も求められている。
従来主に用いられてきた脱硫技術である水素化脱硫法(例えば、コバルト、ニッケル、モリブデンを担持したアルミナ触媒を用いて、高温高圧水素雰囲気下で脱硫する方法)を適用してガソリンや軽油などの燃料油に残存する硫黄化合物を除去し、硫黄分を10質量ppm以下、さらには1質量ppm以下にするには、高温・高圧の反応である水素化脱硫反応において従来よりもさらに高温・高圧での操作が求められるため、エネルギー消費が大きくなり、また、水素消費量も膨大になる。また、上記水素化脱硫において、空間速度を下げてマイルドな条件で反応させようとすると、膨大な触媒量を要する。そのため、水素化脱硫反応法を適用する場合には、いずれにせよ多大なコストアップとなることは避けられない。さらに、上記水素化脱硫を適用した場合、ガソリン基材については、オレフィン分まで水素化されてしまうため、オクタン価のロスが大きい。
この問題に対して、オクタン価のロスを抑制しながら接触分解ガソリンを脱硫するための脱硫剤として、酸化亜鉛、アルミナ及び真珠岩の混合物にニッケルを担持した脱硫剤が提案されている(特許文献1)。しかしながら、この脱硫剤では、比表面積が小さいため、十分な脱硫レベルが得られないと共に、300℃以上の高い反応温度が必要となる。
一方、炭化水素を特定の条件下で吸着剤と接触させて硫黄化合物を吸着させる工程と、吸着剤に水素を通気させることにより吸着剤から硫黄化合物を脱離させる工程とを繰り返すことにより、オレフィンの水素化反応など不要な反応を抑制しつつガソリンの基材となる炭化水素に含まれる硫黄分を連続的に低減する方法が提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、このような吸着剤を用いる方法も、水素非存在下であることや室温での脱硫であることによって頻繁に再生処理を行う必要があり、経済的な脱硫という観点からは必ずしも満足できる方法ではない。
これに対して本出願人は、ニッケルと亜鉛を含む脱硫剤を用いて特定の条件のもとで脱硫することで、接触分解ガソリンを高度に脱硫できることを見いだしている(特許文献3、4)。しかしながらこの方法では、300℃と比較的高い反応温度が必要であり、経済的な脱硫という観点では十分とは言えなかった。
特表2005−522536号公報 特開2003−277768号公報 国際公開第2005/044959号パンフレット 特開2006−312663号公報
上述したように、炭化水素の硫黄分を10質量ppm、さらには1質量ppm以下まで比較的マイルドな条件において安定にかつ経済的に脱硫する方法は、未だ確立されていない。そこで、本発明は、特定の条件下で炭化水素を長期間にわたって安定にかつ経済的に脱硫できる脱硫剤を提供することを課題とする。
本出願人らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、炭化水素を特定の条件のもと特定の多孔質脱硫剤によって処理することで長期間安定的に硫黄分を低減できることを見出し、この発明に至った。
すなわち、本発明は、
(1)常温常圧においてガス状及び/又は液状炭化水素に含まれる硫黄化合物を除去するためのニッケル及び亜鉛を含む多孔質脱硫剤であって、多孔質脱硫剤中の亜鉛化合物に対する塩基性炭酸亜鉛の割合が30%以上であることを特徴とする多孔質脱硫剤である。
(2)硫黄分を2質量ppm以上含有する炭化水素を前記(1)記載の多孔質脱硫剤と水素存在下で、温度50〜250℃で接触させることを特徴とする炭化水素の脱硫方法である。
本発明の多孔質脱硫剤を特定の条件下で適用する事により、炭化水素の脱硫を長期間にわたって安定かつ経済的に実施する事ができる。
[多孔質脱硫剤]
本発明の多孔質脱硫剤はニッケルと亜鉛を含み、かつ多孔質脱硫剤中の亜鉛化合物に対する塩基性炭酸亜鉛の割合が30%以上、好ましくは50〜99%であり、特に好ましくは80〜95%である。亜鉛成分として塩基性炭酸亜鉛を含む多孔質脱硫剤は、低温での脱硫活性が高い。なお、多孔質脱硫剤中の亜鉛化合物に対する塩基性炭酸亜鉛の割合が30%未満では、低温での脱硫活性が低いため、反応温度を高くせざるを得ず、経済的に脱硫を行うことができない。
なお、多孔質脱硫剤中の亜鉛化合物に対する塩基性炭酸亜鉛の割合とは、XRD測定において2θが10〜15度である塩基性炭酸亜鉛のピークの強度Xと、全範囲における亜鉛化合物の最大のピークの強度Yから 100×(X/Y)1/2 で算出される値をいう。複数の塩基性炭酸亜鉛のピークが検出される場合は、前記式で算出した値の積算値を多孔質脱硫剤中の亜鉛化合物に対する塩基性炭酸亜鉛の割合とする。
脱硫剤総質量に対するニッケル含有量は、好ましくは33質量%以下であり、より好ましくは1〜20質量%、特に好ましくは5〜20質量%である。また、脱硫剤総質量に対する亜鉛含有量は、好ましくは30質量%以上であり、より好ましくは30〜70質量%であり、特に好ましくは50〜70質量%である。ニッケル含有量が33質量%を超えたり、亜鉛含有量が30質量%未満の場合、多孔質脱硫剤の寿命が短くなるため好ましくない。一方、ニッケル含有量が20質量%以下、亜鉛含有量が30質量%以上の場合、多孔質脱硫剤の寿命が長く、また、ニッケル含有量が10質量%以下、亜鉛含有量が40質量%以上の場合、多孔質脱硫剤の寿命が特に長くなる。なお、ニッケル及び亜鉛の総含有量は、脱硫剤の総質量に対して20〜70質量%、特には40〜70質量%の範囲が好ましい。
また、亜鉛含有量に対するニッケル含有量の質量比(Ni/Zn)は1.0以下が好ましく、0.5以下が更に好ましく、0.05〜0.35の範囲がより一層好ましい。亜鉛含有量に対するニッケル含有量の質量比が1.0を超えると、多孔質脱硫剤の寿命が著しく短くなり好ましくない。
本発明の多孔質脱硫剤の調製方法は特に限定しないが、特に好ましい方法として共沈法があげられる。具体的には、ニッケルと亜鉛を含む酸性溶液をアルカリ溶液に混合して、ニッケルと亜鉛を含有する脱硫剤を調製することができる。アルカリ溶液には、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等を用いることができるが、なかでも炭酸ナトリウムを用いることが好ましい。また好ましい方法として、塩基性炭酸亜鉛担体にニッケルを含浸する方法、アルミナのような多孔質担体に亜鉛やニッケルなどの金属成分を含浸、担持する方法などがある。亜鉛化合物種はXRDにより特定することができる。塩基性炭酸亜鉛として具体的にはZn(OH)(CO、Zn(OH)(CO・HO、Zn(CO(OH)、Zn(CO)(OH)・HO、Zn(CO(OH)10などが挙げられる。
上記の工程で調製した脱硫剤は乾燥を行う必要があるが、乾燥温度は100〜250℃が好ましい。250℃以上では、塩基性炭酸亜鉛が分解して酸化亜鉛になってしまい、低温での脱硫性能が低くなるため好ましくない。
本発明の多孔質脱硫剤の比表面積は、30m2/g以上が好ましく、45〜600m2/gの範囲が更に好ましい。
本発明の多孔質脱硫剤は、水素雰囲気下200〜350℃で処理して用いられることが好ましい。水素雰囲気下での処理温度が200℃未満では、ニッケルが還元されにくくなるため好ましくない。また、該処理温度が350℃を超えると、ニッケルがシンタリングしてしまって活性が低くなるため好ましくない。
なお、本発明において多孔質脱硫剤とは、硫黄収着機能を持った多孔質脱硫剤をいう。ここでいう硫黄収着機能を持った多孔質脱硫剤とは、有機硫黄化合物中の硫黄原子を脱硫剤に固定化するとともに、有機硫黄化合物中の硫黄原子以外の炭化水素残基については有機硫黄化合物中の炭素−硫黄結合が開裂することによって脱硫剤から脱離させる機能をもった多孔質脱硫剤をいう。この有機硫黄化合物中の炭化水素残基が脱離する際には、硫黄との結合が開裂した炭素に、系内に存在する水素が付加する。したがって、有機硫黄化合物から硫黄原子が除かれてそこに水素が付加した炭化水素化合物が生成物として得られることになる。ただし、硫黄原子が除かれた炭化水素化合物が、さらに水素化、異性化、分解等の反応を受けた生成物を与えることがあっても構わない。一方、硫黄は脱硫剤に固定化されるため、水素化精製処理とは異なり、生成物として硫化水素などの硫黄化合物を発生しない。そのため、水素をリサイクルして使用する場合、硫化水素を除去する設備が不要となり、経済的に有利である。
[炭化水素]
本発明による脱硫方法の対象となる炭化水素は、硫黄分を含んでいれば、常温常圧においてガス状であっても液状であってもよく特に限定されない。なお、常温常圧とは大気圧近傍の圧力及び0〜50℃程度の温度をいう。硫黄分の含有量は2質量ppm以上含むものが好ましく、より好ましくは2〜1,000質量ppm、より一層好ましくは2〜100質量ppm、特に好ましくは2〜40質量ppm含むものである。硫黄分が1,000質量ppmを超えると、脱硫剤の寿命が短くなり好ましくない。
原料の炭化水素として、具体的には、製油所などで一般的に生産されるLPG留分、ガソリン留分、ナフサ留分、灯油留分、軽油留分などに相当する基材が挙げられる。LPG留分は、プロパン、プロピレン、ブタン、ブチレンなどを主成分とする燃料ガスおよび工業用原料ガスである。該LPG留分は、通常は、LPG(液化石油ガス)と称されるように、加圧下の球状タンクに液相の状態で貯蔵されるか、大気圧近傍の低温下にて、やはり液相の状態で貯蔵される。上記ガソリン留分は、一般に炭素数4〜11の炭化水素を主体とし、密度(15℃)が0.783g/cm3以下、10%留出温度が24℃以上、90%留出温度が180℃以下である。上記ナフサ留分は、ガソリン留分の構成成分(ホールナフサ、軽質ナフサ、重質ナフサ、又はそれらの水素化脱硫ナフサ)あるいはガソリン基材を製造する接触改質の原料(脱硫重質ナフサ)となる成分などの総称であり、沸点範囲がガソリン留分と殆ど同じ範囲か、ガソリン留分の沸点範囲に包含されるものである。したがって、ガソリン留分と同じ意味で用いられることも多い。上記灯油留分は、一般に沸点範囲150〜280℃の炭化水素混合物である。上記軽油留分は、一般に沸点範囲190〜350℃の炭化水素混合物である。
また、原料の炭化水素は、製油所などで生産されるものには限らず、硫黄分を2〜1,000質量ppm含有し、石油化学から生産される石油(炭化水素)ガスや前記と同様な沸点範囲を有する留分でも構わない。好ましく使用できる炭化水素としては、重質油を熱分解又は接触分解して得られた炭化水素をさらに分留したものが挙げられる。
なお、本発明による脱硫方法の対象となる原料の炭化水素として特に好ましいのは、接触分解ガソリンや軽油留分である。接触分解ガソリンはオレフィンを多く含むため、一般的に行われる水素化脱硫触媒による水素化精製ではオレフィン分が水素化されてオクタン価が大きく低下してしまうが、本発明の脱硫方法ではオレフィン分はほとんど水素化されない。また、軽油留分には芳香族分が多く含まれるため、一般的に行われる水素化脱硫触媒による水素化精製では芳香族分が水素化されるため水素の消費量が多いが、本発明の脱硫方法では芳香族分はほとんど水素化されない。ただし、軽油留分の場合、通常硫黄分が10,000質量ppm程度含まれるため、水素化脱硫触媒による水素化精製で硫黄分をある程度低減、具体的には2〜40質量ppm程度まで低減したのち、本発明の脱硫方法を適用することが好ましい。硫黄分が多いと、脱硫剤の寿命が大きく低下してしまう。
[脱硫反応条件]
炭化水素を多孔質脱硫剤と接触させる条件としては、反応温度が50〜250℃であることが好ましく、さらに好ましくは100〜200℃、さらに好ましくは100〜150℃である。反応温度が50℃未満であると、脱硫速度が低下し、効率的に脱硫ができず好ましくない。また、反応温度が250℃を超えると、脱硫剤がシンタリングし、脱硫速度、脱硫容量とも低下し好ましくない。なお、反応温度が100℃以上であれば、脱硫速度が十分に高く、効率的に脱硫を行うことができる。また、本発明の多孔質脱硫剤は、低温での脱硫活性が高いため、反応温度200℃以下、特には反応温度150℃以下において、従来の多孔質脱硫剤との差が顕著となる。
また、反応圧力は、ゲージ圧で0.2〜5.0MPaであるのが好ましく、さらには0.2〜3.0MPa、特には0.2〜2.0MPaである。反応圧力が0.2MPa未満だと、脱硫速度が低下し、効率的に脱硫ができず好ましくない。また、反応圧力が5.0MPaを超えると、炭化水素中に含まれるオレフィン分や芳香族分の水素化等の副反応が進行し好ましくない。なお、反応圧力が3.0MPa以下であれば、オレフィン分や芳香族分の水素化等の副反応を十分に抑制でき、2.0MPa以下であれば、これら副反応を確実に防止できる。
更に、液空間速度(LHSV)は、2.0h-1を超えることが好ましく、さらに好ましくは2.1h-1以上である。また、LHSVは、好ましくは50.0h-1以下、より好ましくは20.0h-1以下、より一層好ましくは10.0h-1以下である。LHSVが2.0h-1以下だと、通油量が制限されたり、脱硫リアクターが大きくなり過ぎたりするため、経済的に脱硫できず好ましくない。また、LHSVが50.0h-1を超えると、脱硫するのに十分な接触時間が得られず、脱硫率が低下するため好ましくない。なお、LHSVが2.1h-1以上であれば、十分経済的に脱硫を行うことができ、LHSVが20.0h-1以下であれば、接触時間が十分に長いため脱硫率が向上し、10.0h-1以下であれば、脱硫率が特に高くなる。
水素/油比は特に限定しないが、接触分解ガソリンのようにオレフィンを多く含む留分の場合0.01〜200NL/Lが好ましく、0.01〜100NL/Lが更に好ましく、0.1〜100NL/Lが特に好ましい。水素/油比が0.01NL/L未満だと、十分に脱硫が進行せず好ましくない。また、水素/油比が200NL/Lを超えると、オレフィンの水素化などの副反応が起こる割合が多くなり好ましくない。
また、軽油留分のように多環芳香族を含む留分の場合、水素/油比は1〜1,000NL/Lが好ましく、10〜500NL/Lが更に好ましく、50〜400NL/Lが特に好ましい。水素/油比が1NL/L未満だと、十分に脱硫が進行せず好ましくない。また、水素/油比が1,000NL/Lだと、水素流量が多くなりすぎて、水素コンプレッサーが大きくなり好ましくない。
使用する水素はメタン等の不純物を含んでいてもよいが、水素コンプレッサーが大きくなり過ぎないよう水素純度は50容量%以上が好ましく、さらには80容量%以上、特には95%以上が好ましい。なお、水素中に硫化水素などの硫黄化合物が含まれると脱硫剤の寿命が短くなるので、水素中の硫黄分は1,000容量ppm以下が好ましく、さらには100容量ppm以下、特には10容量ppm以下が好ましい。
以下に、実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの例により何ら制限されるものではない。
(実施例1)
炭酸ナトリウム104gを水に溶かした溶液を60℃に加温し、これに硝酸亜鉛六水和物211g、硝酸ニッケル六水和物23gを加えた溶液を滴下した。得られた沈殿物をろ過した後、水で洗浄した。その後、120℃で16時間乾燥して脱硫剤Aを得た。なお、金属分の含有量はアルカリ融解ICP法で測定し、細孔容積は窒素吸脱着法によるBJH法で測定し、比表面積は窒素吸脱着法によるBET法で測定した。また、脱硫剤中の亜鉛化合物の形態をXRDで分析した。
リアクターに脱硫剤Aを充填し、水素気流中300℃で16時間還元処理を行った後、炭化水素の通油試験を実施した。炭化水素としては、硫黄分が12.5質量ppmの分解ガソリンを用いた。反応温度140℃、反応圧力0.3MPa、水素/油比=100NL/L、LHSV=10.0h-1の条件下、リアクターの入口から炭化水素の通油を開始した。通油開始後6時間後のリアクター出口生成油の硫黄分は0.9質量ppm以下であった。また、同24時間後のリアクター出口生成油の硫黄分は1.3質量ppmであった。尚、硫黄分はASTM D 5453(紫外蛍光法)に準拠して測定した。結果を表1に示す。
(比較例1)
乾燥後に500℃で3時間焼成した以外実施例1と同様の方法により脱硫剤Bを得た。また、実施例1と同様にして炭化水素の通油試験を実施した。結果を表1に示す。
Figure 2008297455
表1に示す通り、本発明に従う実施例1の脱硫剤は、反応温度140℃でも十分な脱硫性能を発揮できることがわかる。一方、比較例1の脱硫剤は、焼成により亜鉛成分の大部分が酸化亜鉛となったため脱硫性能が低かった。なお、焼成による化合物種の変化はC含有量の減少からも確認できる。

Claims (2)

  1. 常温常圧においてガス状及び/又は液状炭化水素に含まれる硫黄化合物を除去するためのニッケル及び亜鉛を含む多孔質脱硫剤であって、多孔質脱硫剤中の亜鉛化合物に対する塩基性炭酸亜鉛の割合が30%以上であることを特徴とする多孔質脱硫剤。
  2. 硫黄分を2質量ppm以上含有する炭化水素を請求項1記載の多孔質脱硫剤と水素存在下で、温度50〜250℃で接触させることを特徴とする炭化水素の脱硫方法。
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