JP2008133377A - 低硫黄炭化水素油の製造方法 - Google Patents

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【課題】水素消費、エネルギー消費が少ない等、環境への負荷を低減した工程で、炭化水素油を高度に脱硫することができる炭化水素油の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】ジスルフィドを硫黄として全硫黄分に対し質量比で0.1以上含み、かつオレフィンをジスルフィドよりもモル数で多く含む炭化水素油を、オレフィン存在下でジスルフィドの分子量を大きくさせる機能を持つ吸着剤を用いて脱硫する低硫黄炭化水素油の製造方法。炭化水素油が、重質油熱分解装置から得られたものであることが好ましく、オレフィン存在下でジスルフィドの分子量を大きくさせる機能を持つ吸着剤が、活性白土及び/又はプロトン型ゼオライトであることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、低硫黄炭化水素油の製造方法に関し、特には、特定の硫黄化合物を含有する炭化水素油を吸着剤により高度に脱硫して低硫黄炭化水素油を製造する方法に関する。
21世紀の自動車及びその燃料においては環境問題への対応が大きな課題であり、地球温暖化ガスであるCO2排出削減とNOx等のいわゆる自動車排出ガス削減との両方の観点から、燃料の硫黄分低減が益々求められている。具体的には、ガソリンの硫黄分は、近い将来サルファー・フリー(10ppm以下)に規制され、さらに低硫黄分、すなわちゼロ・サルファー(硫黄分1ppm以下)の燃料油も求められている。また、オンボード改質方式燃料電池自動車等の燃料電池の普及によっては、さらに低硫黄の石油系液体燃料油が求められる可能性も有り、超低硫黄までの脱硫技術が盛んに研究されている。一方、石油化学分野においても、微量の硫黄分が触媒反応などに影響を及ぼすことなどから、硫黄分の効率的除去が求められている。
従来主に用いられてきた脱硫技術である水素化脱硫方法で、ガソリンなどの燃料油に残存する硫黄化合物を除去して硫黄分10ppm以下、さらには1ppm以下に脱硫することは、水素化脱硫が高温・高圧の反応であるためエネルギー消費が大きく、また、膨大な触媒量と水素消費量を要することなどにより、多大なコストアップとなる。
例えば、LPG(液化石油ガス)のような低沸点の炭化水素の場合、製油所において通常は液相の状態で配管を通して輸送されるが、精製の際には一旦加熱・気化してから水素化脱硫した後に再び冷却・液化して貯蔵されるなど、エネルギーロスが非常に大きい。また、ガソリンについては、水素化脱硫によってオレフィン分まで水素化されてしまうためにオクタン価のロスが大きい。
エネルギー消費の少ない炭化水素油の脱硫方法として、吸着による脱硫方法が知られている。この方法は、水素を用いない緩やかな条件下で脱硫することができるため、簡便な設備かつ経済的な運転コストで実施可能であり、低エネルギー消費であるというメリットがある。吸着剤によるLPGの脱硫方法も知られているが、一般に100℃以上の温度に加熱することが必要であり、蒸気圧の高いLPGを処理するためには、高圧に耐え得る設備を必要としていた。また、常温付近でのLPGの吸着剤による気相脱硫方法も知られているが、一旦気化して脱硫後に再度液化することになり多大なエネルギーロスは免れなかった。
一方、石油精製の中間工程において生成する炭化水素油には、その原料や製造工程により、硫黄濃度が高いのみならず、様々な形態の硫黄化合物、炭化水素化合物を含む炭化水素油がある。このような炭化水素油は、一般的に脱硫工程のコストがかかること、反応性が高く不安定な化合物を含むことなどの理由から、専ら製油所の自家燃料などに消費され、商品として有効に活用されていなかった。例えば、このような留分として、石油精製の重質油熱分解装置から得られる留分を処理した炭化水素油が挙げられる。この留分は硫黄濃度が高く、特に重質油熱分解装置が回分式(バッチ式)プロセスであると、硫黄濃度はロットにより経時的に大きく変動する。また、硫黄化合物としては、ジスルフィド化合物が主成分であり、その他にも多種類の硫黄化合物が含まれる。さらにこの留分には窒素化合物なども含まれ、炭化水素化合物にも、多種類のパラフィン類、オレフィン類が含まれる。
炭化水素油の硫黄分を液相状態で吸着処理する方法は知られているものの(例えば、特許文献1〜4参照)、これらの方法は、硫黄化合物の主成分がジスルフィド類であるという特別な炭化水素油の脱硫を行うためのものではない。
また、従来、上記の熱分解油のような、硫黄化合物としてジスルフィド類その他多様な化合物を含み、かつ濃度が変動する炭化水素油の吸着脱硫方法、特に、常温付近で液相状態のまま、十分な脱硫が可能な方法は提案されていなかった。
さらに、上記の熱分解油にはオレフィン類が多く含まれ、このオレフィンが脱硫の阻害となり、吸着性能を大きく低下させる要因となっている(非特許文献1)。
これに対し、特許文献5にはジスルフィド類を含む炭化水素油を銅成分を含む吸着剤で脱硫する方法が開示されている。しかしこの方法では、十分な脱硫率を得るためには90℃程度の温度が必要であり、省エネルギーという観点から好ましい方法とはいえない。
特開2001−205004号公報 特公昭38−26866号公報 特許第2938096号公報 特開平03−103493号公報 特開2005−330305号公報 石油学会第35回石油・石油化学討論会講演予稿集、p.47、2005
本発明は、従来技術におけるこのような問題を解決するものであり、水素消費、エネルギー消費が少ない等、環境への負荷を低減した工程で、炭化水素油を高度に脱硫することができる炭化水素油の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、オレフィン共存下で液相の状態のままでも、炭化水素油中に含まれるジスルフィドを効率的に吸着脱硫できる方法を見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明は次のとおりの低硫黄炭化水素油の製造方法である。
(1)ジスルフィドを硫黄として全硫黄分に対し質量比で0.1以上含み、かつオレフィンをジスルフィドよりもモル数で多く含む炭化水素油を、オレフィン存在下でジスルフィドの分子量を大きくさせる機能を持つ吸着剤を用いて脱硫する低硫黄炭化水素油の製造方法である。
(2)炭化水素油が、重質油熱分解装置から得られたものである上記(1)に記載の低硫黄炭化水素油の製造方法である。
(3)オレフィン存在下でジスルフィドの分子量を大きくさせる機能を持つ吸着剤が、活性白土及び/又はプロトン型ゼオライトである上記(1)又は(2)に記載の低硫黄炭化水素油の製造方法である。
本発明の低硫黄炭化水素油の製造方法においては、ジスルフィドを含む炭化水素油を、オレフィン存在下で脱硫性能を損なうことなく脱硫することが可能である。また、常温付近にて液相の状態のまま吸着脱硫することが可能であり、炭化水素油を加熱する必要がないことから、エネルギー消費が少なく、しかも水素を消費することもない。このため、環境への負荷を低減した方法で、炭化水素油を経済的に脱硫することができる。
[炭化水素油]
本発明で脱硫の対象となる原料の炭化水素油としては、ジスルフィド類とオレフィン類を所定量含む炭化水素油であれば、どのような炭化水素油でも使用することができる。好適に適用できる炭化水素油は、LPG留分やガソリン留分(又はナフサ留分とも言う)であり、炭素数が3〜11の炭化水素を主成分とし、ジスルフィド類及びオレフィン類を含むものである。
LPG留分としては、プロパン、プロピレン、ブタン、ブチレン、ブタジエンなどを主成分とする燃料ガスおよび工業用原料ガスが挙げられる。通常、球状タンク中常温、加圧下にて液相状態で貯蔵されるか、あるいは球状ないし円筒形状タンク中氷点下の温度で大気圧に近い状態にて液相で低温貯蔵される。
また、ガソリン留分は、一般的には、炭素数3〜11程度の炭化水素を主体として含有し、密度(15℃)0.783g/cm以下、沸点範囲30〜220℃程度の性状を有する。また、所定量のジスルフィド類及びオレフィン類を含んでいれば炭素数3〜7程度の軽質なガソリン留分でも構わない。
[オレフィン]
炭化水素油は、原油を精製して得られる留分であるから、パラフィン、オレフィン、ナフテン(シクロアルカン)、アロマ(芳香族)などの炭化水素化合物で構成される。パラフィン、オレフィン、ナフテン、アロマの置換基を2種以上有する炭化水素化合物の場合、通常、後に挙げた置換基の炭化水素化合物として分類される。ここでいうオレフィンとは、分子内に二重結合を有する炭化水素化合物を指し、分子内に二重結合が1個あるモノオレフィンだけではなく、二重結合が2個以上あるジオレフィンやポリオレフィンも含む。
[硫黄化合物とジスルフィド]
本発明の吸着脱硫方法の対象となる炭化水素油の硫黄濃度(全硫黄分)は、特に限定されるものではない。例えば、硫黄濃度は10〜10,000ppmが好ましく、10〜5,000ppmがより好ましい。炭化水素油の硫黄濃度が、低濃度であるほど、吸着剤の寿命を長くすることができ、当該脱硫方法の経済性は良好となる。
炭化水素油に含まれる硫黄化合物は、ジスルフィドを硫黄として全硫黄分に対し質量比で0.1以上含み、さらには0.5以上、特には0.8以上含むことが好ましい。ジスルフィドをオレフィンと共に含んでさえいれば本発明の効果を享受でき、ジスルフィドを含む割合が多いほど本発明による脱硫効果をより多く享受できるが、ジスルフィドを全硫黄分に対し質量比で0.1以上含めば、より確実に本発明の効果を得ることができる。ここでいうジスルフィドは、二硫化物の意味である。二硫化アルキル及び二硫化アリールの総称であり、一般式R-S-S-R(R及びRはアルキル基などの炭化水素基)で表わされる硫黄化合物である。R及びRを構成する炭化水素基の炭素数の和は2〜8個が好ましく、このようなジスルフィドとして具体的には、ジメチルジスルフィド、メチルエチルジスルフィド、メチルプロピルジスルフィド、ジエチルジスルフィド、メチルブチルジスルフィド、エチルプロピルジスルフィド、メチルペンチルジスルフィド、エチルブチルジスルフィド、ジプロピルジスルフィド、メチルヘキシルジスルフィド、エチルペンチルジスルフィド、プロピルブチルジスルフィド、メチルヘプチルジスルフィド、エチルヘキシルジスルフィド、プロピルペンチルジスルフィド、ジブチルジスルフィドなどの鎖状ジスルフィドやこれらの誘導体などが例示できる。
なお、炭化水素油は、メルカプタン、チオフェン、スルフィドなどの他の硫黄化合物を含んでいてもよい。
本発明で脱硫の対象となる原料の炭化水素油としては、ジスルフィド類とオレフィン類を所定量含む炭化水素油であれば、どのような炭化水素油でも使用できることは上記説明のとおりである。具体的には、原油の精製工程で生成ないし副生されるLPG留分やガソリン留分が該当し、いわゆる直接脱硫装置や間接脱硫装置、留出油や残油の接触分解装置、重質油の熱分解装置から得られるLPG留分やガソリン留分が挙げられる。なかでも、重質油熱分解装置から得られたものは、特にオレフィン分が多くより好ましく使用することができる。
[ジスルフィドの分子量を大きくさせる機能を持つ吸着剤]
本発明に用いる吸着剤は、オレフィン共存下でジスルフィド類とオレフィンを反応させ、分子量を大きくさせる機能を持つものであれば何でも良い。とりわけ好ましいのは、酸性質を持つ吸着剤であり、具体的には活性白土、プロトン型ゼオライト、固体超強酸などである。これらの吸着剤は、メルカプタン、チオフェン、スルフィドなどの他の硫黄化合物をも吸着除去する機能を有するため、本発明の低硫黄炭化水素油の製造方法に好適に用いることができる。
活性白土はベントナイトなどのモンモリトナイト系粘土を塩酸や硫酸などの鉱酸で処理した層状化合物である。比表面積は250m/g以上が好ましく、さらに好ましくは350m/g以上である。比表面積が大きい方が硫黄化合物を多く吸着することができる。水分量が多いと吸着脱硫開始後水分を減少させるのに時間がかかるため、水分量は15質量%以下が好ましく、さらに好ましくは10質量%以下、特に好ましくは5質量%以下である。
ゼオライトは結晶性アルミノシリケートであり、ケイ素とアルミニウムが酸素を介して結合した構造をしている。骨格構造中では、アルミニウム(+3価)とケイ素(+4価)が酸素(−2価)を互いに共有するため、ケイ素の周りは電気的に中性となり、アルミニウムの周りは−1価となっている。この負電荷を補償するために、骨格中に陽イオン(例えばNa)が必要となり、プロトン型ゼオライトはこの陽イオンのほとんどがプロトン(H)のゼオライトのことを指し、このプロトンによって酸性を発現する。後述するようにこの酸性によってオレフィンとジスルフィドの反応が進行するため、陽イオンとしてNa等のアルカリ金属が多く含まれているのは好ましくない。ゼオライト中のアルカリ金属含有量は好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。比表面積は400m/g以上が好ましく、さらに好ましくは500m/g以上である。ゼオライトは数Å程度の規則的な細孔を形成し、この細孔の大きさが酸素12員環以上であるものが本発明に好ましく用いることができる。細孔が大きい方が細孔内に硫黄化合物が入りやすくなるため、X型ゼオライト、Y型ゼオライト、特にプロトン型のHUSYゼオライトやHYゼオライトが好ましく、とりわけ、陽イオンとしてのアルカリ金属の含有量を少なくできるHUSYゼオライトが好ましい。
固体超強酸としては、硫酸ジルコニア、硫酸アルミナ、タングステン酸ジルコニア、タングステン酸すずなどが挙げられ、硫酸、タングステン酸などの酸素酸といわれる物質を、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化アルミニウムなどの酸化物の表面に特定の方法で固定して得られる。非常に強い酸性が発現し、100%純粋の硫酸より高い酸強度を示す固体であることから固体超強酸と言われる。
さらに、ヘテロポリ酸なども本発明に使用する吸着剤として有効に用いることができる。ヘテロポリ酸は、Si、P、As、S、Fe、Coなどのヘテロ元素を中心にオキソ酸を形成し、その周りにMo、W、Vなどのポリ元素が重合した形を有する。
また、石油精製や石油化学の業界において、炭化水素中に含まれる硫黄化合物の吸着除去にCu系吸着剤がよく用いられる。これは、メルカプタンやチオフェンの吸着には効果的であるが、ジスルフィドとオレフィンとの反応に対して触媒作用を示さず好ましくない。
これらの吸着剤の中でも、プロトン型ゼオライト及び/又は活性白土が、脱硫性能が高く、より好ましく用いることができる。
本発明の低硫黄炭化水素油の製造方法において、炭化水素油中のジスルフィドは吸着剤中の酸点においてS−S結合が開裂する。生成したチオアルキル基(−S−R)はオレフィンやジオレフィンなどの二重結合の部分に付加しチオアルキル基を1つ以上含む重質な硫黄化合物を生成する。このうち、特にチオアルキル基を2つ以上含む重質な硫黄化合物(例えば、R−S−R−S−R、ここでR及びRはアルキル基、Rはアルキレン基を示す。)がジスルフィドよりも吸着剤に取り込まれやすいため、オレフィンが共存しても脱硫性能を損なうどころか、脱硫性能が向上する。ここでジスルフィドのS−S結合とオレフィンの二重結合とが対応して反応するので、炭化水素油中のオレフィン分は、ジスルフィド化合物と同じモル数以上含み、2倍以上含むことが好ましく、さらには10倍以上含むことが好ましい。
[吸着脱硫]
原料の炭化水素油の吸着は、公知の吸着操作により行われる。例えば、固定層による吸着(炭化水素油中に一定時間吸着剤を浸漬後、炭化水素油を抜き取る方式、炭化水素油を吸着剤の固定層に通油して接触させる方式)、移動層や流動層による吸着、擬似移動層による吸着などで行うことができる。炭化水素油の通油量又は通油速度、吸着剤量、吸着剤との接触時間、温度などの吸着条件を調整することにより、吸着脱硫された炭化水素油の硫黄濃度は、好ましくは10質量ppm未満の任意のレベルにまで低減することが可能である。通常、吸着温度は60℃以下が好ましく、より好ましくは50℃以下、特に好ましくは40℃以下である。特に吸着剤の吸着容量が大きくなるより低温が好ましいが、経済的な理由からは常温付近が好ましい。また、吸着剤との接触は、液相で行うことが好ましいが、気相状態にて接触させても構わない。
以下に、実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの例により何ら制限されるものではない。
本発明による低硫黄炭化水素油の製造方法を、以下に示す各種の吸着剤、原料油(炭化水素油)を用いて、後述の試験を行い評価した。
吸着剤としては、次のものを使用した。
活性白土:F−124(エンゲルハルド製、含水率4質量%、残留酸度14mg KOH/g、表面積350m/g)
HUSYゼオライト:HSZ−330HUA(東ソー製、比表面積550m/g、SiO/Al=6.0(モル比)、Na含有量0.16質量%)
HYゼオライト:HSZ―320HOA(東ソー製、比表面積550m/g、SiO/Al=5.7(モル比)、Na含有量2.8質量%)
Cu系吸着剤:NK−311(ジャパンエナジー製;球状のアルミナ担体に酸化銅を担持したもの;銅元素含有量=7.6質量%)
原料油としては、次のものを使用した。
基油として硫黄及びオレフィンを実質的に含んでいないn−デカン(和光純薬工業製試薬特級、純度99%)を用い、硫黄分としてジメチルジスルフィド(DMDS:和光純薬工業製試薬1級、純度99%)とジメチルスルフィド(DMS:純正化学製試薬特級、純度98%)、オレフィン分として1−ヘキセン(東京化成工業製試薬1級、純度95%)を表1に示す配合割合で均一に撹拌、混合して実施例1〜11及び比較例1〜5の供試油を調製した。
Figure 2008133377
[脱硫性能の評価試験]
容量50ccのビーカーに、上記のようにして調製した表1に示す実施例1〜11及び比較例1〜5の炭化水素油を各10g入れた試料を、各実施例及び比較例についてそれぞれ4個ずつ準備し、4個のビーカーに表2に示す吸着剤を1g、2g、3g及び4g加えて、10℃で3分間撹拌した。その後、10℃の恒温槽内に72時間静置した。こうして得られた生成油の硫黄分を測定し、これから吸着等温線(生成油硫黄濃度と吸着容量の関係)を求めた。この吸着等温線から、流通式試験における原料油硫黄分1,000質量ppmにおける硫黄吸着容量を各例について求めた。表2において比較例1の硫黄吸着容量を100とした相対値を示す。
Figure 2008133377
表1と表2に示すように、ジスルフィドを含む炭化水素油を活性白土で吸着脱硫する場合、実施例1〜8と比較例1の比較から、オレフィンをある程度含む方が硫黄吸着容量が高く、石油精製工程の中で比較的オレフィンを多く含むガソリン留分の吸着脱硫に好適に使用できることが分かる。実施例7〜11の結果から、活性白土よりもH型ゼオライト(HUSYゼオライト、HYゼオライト)の方が吸着容量が高く、また、HYゼオライトよりHUSYゼオライトの方が吸着容量が高いことが分かる。
また、比較例2、3からジスルフィドを含まず、スルフィドを含む炭化水素油の活性白土による吸着脱硫ではオレフィン存在下で吸着容量は、実施例とは逆に低下する。また、比較例4、5からCu系吸着剤は、ジスルフィドを含む炭化水素油の吸着脱硫において、吸着容量は活性白土で吸着脱硫する場合よりも遥かに吸着容量が低く、しかもオレフィン共存で吸着容量は低下する。

Claims (3)

  1. ジスルフィドを硫黄として全硫黄分に対し質量比で0.1以上含み、かつオレフィンをジスルフィドよりもモル数で多く含む炭化水素油を、オレフィン存在下でジスルフィドの分子量を大きくさせる機能を持つ吸着剤を用いて脱硫することを特徴とする低硫黄炭化水素油の製造方法。
  2. 炭化水素油が、重質油熱分解装置から得られたものである請求項1に記載の低硫黄炭化水素油の製造方法。
  3. オレフィン存在下でジスルフィドの分子量を大きくさせる機能を持つ吸着剤が、活性白土及び/又はプロトン型ゼオライトである請求項1又は2に記載の低硫黄炭化水素油の製造方法。
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