JP2008251934A - 半導体チップの製造方法 - Google Patents

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淳 前田
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Abstract

【課題】粘着剤残渣物の発生を抑制可能であり、ウエハ回路面等に対する凹凸追従性があって、研削時の研削水等のウエハ回路面への浸入を防止可能な半導体チップの製造方法を実現する。
【解決手段】ウエハの回路面を紫外線硬化型ウエハ保護テープ12で覆った状態で、ウエハ裏面を研削し、ウエハを多数のチップ20に分割、個片化する。そして、紫外線硬化型ウエハ保護テープ12に紫外線を照射し、紫外線硬化型粘着剤層16を硬化させる(硬化工程)。硬化工程において、酸素濃度が10%以下の環境で紫外線硬化型粘着剤層16を硬化させることにより、紫外線硬化型ウエハ保護テープ12をチップ20から容易に剥離可能とし、さらにチップ20の端部等に紫外線硬化型粘着剤層16の一部が残留することを防止する。
【選択図】図3

Description

本発明は、半導体チップの製造方法に関し、さらに詳しくは、半導体ウエハを保護するための保護シートの成分による汚染を防止可能な半導体チップの製造方法に関する。本発明の半導体チップの製造方法は、特に、高密度の配線パターンが形成された極薄の半導体チップ製造に適している。
半導体ウエハにおいては、表面に回路が形成された後に、ウエハの裏面側に研削加工が施されてウエハの厚さを調整する加工が行われる。研削加工の間、表面に形成された回路面に粘着シートからなる保護シートを貼付し、回路を保護する。このような保護シートにおいては、回路やウエハ本体へのダメージを防止することの他に、粘着剤が剥離後に回路上に残留(糊残り)しないこと、研削くずの洗い流しや冷却のための研削水の回路面への浸入を防止すること、研削後のウエハの厚み精度を充分に保つことが要求される。このような保護シートとして、紫外線硬化型粘着剤を有する粘着シート(例えば特許文献1)を用いることが知られている。
通常の加工プロセスにおいては、半導体ウエハは、研削工程後のダイシング工程によりチップ化される。近年の半導体製造工程においては、半導体ウエハの径が大きくなるとともに厚みの極薄化が進んでいることから、半導体ウエハが極めて破損しやすくなり、研削工程後のウエハの取り扱いが困難になってきている。このため、研削工程に先立ちウエハにハーフカットダイシングを行い、研削と同時にウエハをチップ化する先ダイシングプロセス(DBGプロセス)が有望視されている。DBGプロセスにおいては、保護シートは、ハーフカットされたウエハの回路面に貼付される(例えば特許文献2)。
通常プロセスに用いられる保護シートは、研削水の浸入をウエハの外周で防止できる程度にウエハの回路面に密着していれば良い。これに対し、DBGプロセスでは、研削の途中でウエハがチップ化されるため、用いられる保護シートには、研削水の浸入をチップごとに防止するのに充分なほどの表面への密着性が必要とされている。このように、ウエハの回路面に密着させるために保護シートの粘着性を高めると、剥離後の回路面に粘着剤残渣が多くなる傾向にあることから、紫外線硬化型粘着剤を有する粘着シートが保護シートとして用いられる場合がある(例えば特許文献3)。
特開昭60−189938号公報 特開平5−335411号公報 特開2000−68237号公報
DBGプロセスにおいては、通常の研削とは異なり、研削中にチップが小さく個片化される。このため、研削工程後に、上記の紫外線硬化型粘着剤を有する紫外線硬化型ウエハ回路保護シート(DBG用BGテープ)に紫外線照射を行った後にテープを剥離させた場合であっても、個片化されたチップの端部に粘着剤残渣物が残るという問題が生じ易い。後述するように、上記のチップ端部における粘着剤残渣物は、特に、近年の高密度化されて複雑な回路凹凸が形成されたウエハを研削するための高い凹凸追従性を有する粘着シートを使用した場合や、厚さが100μm以下のような極薄チップ製造時に著しく多く生じている。
半導体部品の形状の変化に伴い、半導体チップの外周には比較的凹凸差のある素子(電極等)が組み込まれることが多くなっているため、狭い領域により大きな凹凸が密集し、チップ外周部への密着が困難となっている。このため、DBGプロセスに用いる保護シートには、回路への密着性(凹凸追従性)が不足し、研削水が浸入して汚染されるおそれがあり、そこで密着性を向上させるために粘着剤の凝集力を低下させた結果、個片化したチップ端部に粘着剤残渣物が発生する。特に、極薄ウエハを加工する場合には、研削時の応力によって粘着剤が変形し、カーフライン付近、すなわちチップ端部には粘着剤が付着し易い。
そこで本発明は、複雑な回路凹凸が設けられたウエハの研削時、特に100μm以下の極薄研削時等において上記粘着剤残渣物の発生を抑制可能であり、ウエハ回路面等に対する凹凸追従性があって、研削時の研削水等のウエハ回路面への浸入を防止可能な半導体チップの製造方法を実現することを目的とする。
本発明における半導体チップの製造方法は、半導体回路が形成された回路面に溝を有するウエハに、表面保護シートの紫外線硬化型粘着剤層が前記回路面を覆うように貼着された状態で、前記ウエハの裏面が研削されて前記溝により分割されたチップが形成される半導体チップの製造方法である。そして、酸素濃度が10%以下の環境において表面保護シートに紫外線を照射して、紫外線硬化型粘着剤層を硬化させる硬化工程を備えることを特徴とする。
半導体チップの製造方法においては、硬化した表面保護シートを回路面から剥離する剥離工程をさらに有することが好ましい。
また、硬化工程において、不活性ガス雰囲気下で表面保護シートに紫外線を照射して紫外線硬化型粘着剤層を硬化させることが好ましい。
硬化工程における紫外線硬化前の状態で、紫外線硬化型粘着剤層の貯蔵弾性率が25℃において0.20MPa以下であり、tanδの値が25℃において0.20以上であることが好ましい。また、硬化工程における紫外線硬化後の状態で、紫外線硬化型粘着剤層の貯蔵弾性率が25℃において0.20MPa以上であり、tanδの値が25℃において0.60以下であることが好ましい。
硬化工程と剥離工程との間で、チップをピックアップするためのピックアップ用粘着シートをチップの研削面に貼着するピックアップシート貼着工程をさらに有することが望ましい。
本発明によれば、複雑な回路凹凸が設けられたウエハの研削時、特に100μm以下の極薄研削時等において上記粘着剤残渣物の発生を抑制可能であり、ウエハ回路面等に対する凹凸追従性があって、研削時の研削水等のウエハ回路面への浸入を防止可能な半導体チップの製造方法を実現できる。
具体的には、カーフライン上の粘着剤が酸素阻害によって十分に紫外線硬化されていないことが、上記粘着剤残渣物の発生原因の一つであることを突き止め、表面保護テープへの紫外線照射を酸素濃度が10%以下の環境において行うことにより、カーフ上の紫外線硬化型粘着剤を完全に硬化させ、チップ端部における粘着剤残渣物の発生を抑制し、高品質な半導体チップの製造方法の実現が可能となった。
本発明における半導体チップの製造方法の実施形態につき説明する。本発明の半導体チップの製造方法は、紫外線硬化型ウエハ保護テープを使用した先ダイシング工程(DBG工程)において、紫外線硬化型ウエハ保護テープに対する紫外線照射を、酸素濃度が10%以下の環境において行うことを特徴とする。
以下、本実施形態における、紫外線硬化型ウエハ保護テープを用いたDBG工程につき説明する。図1は、半導体回路面に溝が設けられた状態のウエハを示す図である。図2は、ウエハの回路面に紫外線硬化型ウエハ保護テープが貼着された状態で実施される研削工程を示す図である。図3は、紫外線硬化型ウエハ保護テープを硬化させる硬化工程を示す図である。図4は、紫外線硬化型ウエハ保護テープを回路面から剥離する剥離工程を示す図であり、図5は、半導体チップのピックアップ工程を示す図である。
まず、ウエハ10の表面に半導体回路を形成する。そして、半導体回路が形成された回路面10Sに、ダイシングにより互いに平行な溝10K(カーフ)を複数形成する(ダイシング工程)。溝10Kは、ウエハ10の裏面10Rまでは達しておらず、いずれの溝10Kも、ウエハ10の厚さ10Tよりも浅い一定の切り込み深さ10Dを有する。なお、図1以下の各図面においては、説明の便宜上、回路面10Sを厚さ10T方向に拡大して示している。
次に、紫外線硬化型ウエハ保護テープ12(表面保護シート)をウエハ10に貼着する(シート貼着工程・図2参照)。紫外線硬化型ウエハ保護テープ12は、基材14と、基材14の表面上に形成された紫外線硬化型粘着剤層16とを含む。そして、ウエハ10の回路面10Sを紫外線硬化型粘着剤層16が覆うように、紫外線硬化型ウエハ保護テープ12をウエハ10に貼付する。
この状態で、グラインダ18を用いてウエハ10の裏面10Rを研削する(研削工程)。この研削工程において、ウエハ10に貼着させた紫外線硬化型ウエハ保護テープ12により、回路面10Sは、研削に用いられる研削水の浸入等から保護される。そして、グラインダ18が溝10Kの底面を越えて所定のチップの厚さまでウエハ10を研削することにより、ウエハ10を、溝10Kを境界とした多数のチップ20に分割、個片化する(図3参照)。このように、個片化されたチップ20を生じる研削工程において、紫外線硬化型ウエハ保護テープ12は、隣接するチップ20同士の接触による破損等も防止する。
ここで、紫外線硬化型ウエハ保護テープ12に紫外線を照射し、紫外線硬化型粘着剤層16を硬化させる(硬化工程)。紫外線硬化型粘着剤層16中には、後述する光重合開始剤が含まれており、紫外線照射によって光重合開始剤から生じるラジカルに起因した光重合反応により、紫外線硬化型粘着剤層16は硬化する。
この硬化工程における紫外線照射に先立って、図3に示すチップ20を保持した状態にある紫外線硬化型ウエハ保護テープ12の周囲を強制的に減圧し、窒素ガスを供給する。このように、酸素濃度の低い環境において紫外線硬化型粘着剤層16を硬化させることにより、紫外線硬化型ウエハ保護テープ12をチップ20から容易に剥離可能とし、さらに、後述する糊残り、すなわちチップ20の端部等に紫外線硬化型粘着剤層16の一部が残留することが確実に防止される。
硬化工程においては、例えば、矢印Aの示すように紫外線硬化型ウエハ保護テープ12の周囲の空気を除去し、矢印Bの示すように窒素ガスを供給し、その後、矢印Cの示すように紫外線を照射させる。ここで、密閉容器内で窒素置換、紫外線照射をさせても良いが、窒素雰囲気下で紫外線を照射させることができる限り、紫外線硬化型ウエハ保護テープ12等が完全に密閉されていることは必要ではなく、矢印Aの示すように窒素ガスを連続的に供給しながら紫外線を照射しても良い。後述するように、紫外線硬化型ウエハ保護テープ12の周囲における酸素濃度を10%以下にできる限り、硬化工程は良好に進むからである。
なお、紫外線硬化型ウエハ保護テープ12の周囲における酸素濃度を低下させることができる限り、減圧(真空)下で紫外線を照射しても良く、また、窒素ガス以外の硬化反応に対して不活性なガス、例えばヘリウム、アルゴン、二酸化炭素あるいはこれらの混合ガスの雰囲気下で紫外線を照射しても良い。また、紫外線によって硬化する紫外線硬化型粘着剤層16の代わりに、他のエネルギー線によって硬化するエネルギー線硬化型粘着剤層を設け、紫外線以外のエネルギー線を照射させても良い。
紫外線硬化型粘着剤層16が硬化した後、チップ20の研削面20Gにピックアップ用粘着シート24を貼着する(ピックアップシート貼着工程・図4参照)。ピックアップ用粘着シート24は、適度な粘着性によりチップ20の研削面20Gを保持する。そして、既に紫外線硬化型粘着剤層16が硬化している紫外線硬化型ウエハ保護テープ12を、矢印Dの示すように回路面10Sから剥離する(剥離工程)。
なお、ピックアップシート貼着工程の後に硬化工程を行うことも可能であるが、この場合、ウエハ10の溝10Kに由来するチップ20間の隙間20K(図4参照)が、紫外線硬化型ウエハ保護テープ12とピックアップ用粘着シート24とによってほぼ閉塞されてしまい、窒素ガスが十分に浸透することが阻害され易い。このため、硬化反応の酸素阻害が十分に防止できず、未硬化の紫外線硬化型粘着剤層16による糊残りが生じ易い。従って、本実施形態のように、硬化工程の後にピックアップシート貼着工程を行い、硬化工程においてはチップ20間の隙間20K(図3参照)の酸素をより多く排除することが好ましい。
紫外線硬化型ウエハ保護テープ12が剥離され、ピックアップ用粘着シート24によって研削面20Gのみが保持された状態のチップ20を、ピン26によってピックアップする(図5参照)。このように、上述のDBG工程によって、一枚のウエハ10から多数のチップ20(半導体チップ)が製造される。
以下、本実施形態における、紫外線硬化型粘着剤層16を形成する紫外線硬化型粘着剤の製造方法、および紫外線硬化型粘着剤を用いた実施例と比較例の紫外線硬化型ウエハ保護テープの評価結果等につき説明する。表1は、紫外線硬化型粘着剤の実施例と比較例における配合表である。
Figure 2008251934
[紫外線硬化型粘着剤の生成方法]
表1に示す紫外線硬化型粘着剤A〜Hは、以下のように生成される。ここでは、これらの紫外線硬化型粘着剤のうち、粘着剤Aおよび粘着剤Fの紫外線硬化型粘着剤の生成方法を示す。
粘着剤A
主モノマーとしてアクリル酸ブチル(BA)を70重量部、官能基含有モノマーとして2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)を30重量部用いて酢酸エチル溶媒中で溶液重合し、重量平均分子量500,000、ガラス転移温度−7℃のアクリル系共重合体を生成した。このアクリル系共重合体の固形分100重量部と、不飽和基含有化合物(不飽和基含有モノマー)としてのメタクリロイルオキシエチルイソシアナート(MOI)8重量部(アクリル系共重合体の官能基であるヒドロキシル基100当量に対して66.5当量)とを反応させ、紫外線硬化型アクリル共重合体の酢酸エチル溶液(30%溶液)を得た。
この紫外線硬化型アクリル共重合体100重量部に対し、架橋剤として0.625重量部(固形比)の多価イソシアナート化合物CL(日本ポリウレタン社製・コロネートL)と、光重合開始剤PI(チバ・スペシャルティケミカルズ社製、イルガキュア184)3.3重量部(固形比)を混合し、さらにウレタンアクリレート(日本合成化学工業社製、シコウUV−3210EA、重量平均分子量9,000)を30重量部(固形比)配合して、紫外線硬化型粘着剤である粘着剤Aを得た。
粘着剤F
主モノマーとしてアクリル酸ブチル(BA)を85重量部、メタクリル酸メチル(MMA)を10重量部、官能基含有モノマーとして2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)を5重量部用いて酢酸エチル溶媒中で溶液重合し、重量平均分子量500,000、ガラス転移温度−7℃のアクリル系共重合体の酢酸エチル溶液(30%溶液)を得た。このアクリル系共重合体の固形分100重量部に対し、架橋剤として0.625重量部(固形比)の多価イソシアナート化合物CL(日本ポリウレタン社製・コロネートL)と、光重合開始剤PI(チバ・スペシャルティケミカルズ社製、イルガキュア184)3.3重量部(固形比)を混合し、さらにウレタンアクリレート(日本合成化学工業社製、シコウUV−3210EA、重量平均分子量9,000)を100重量部(固形比)配合して、紫外線硬化型粘着剤である粘着剤Fを得た。
なお、粘着剤B〜E、Hについては、紫外線硬化型粘着剤の組成、配合を表1に従って変更した以外は、粘着剤Aと同様の製造方法で得られた。そして、粘着剤Gについては、紫外線硬化型粘着剤の組成、配合を表1に従って変更した以外は、粘着剤Fと同様の製造方法で得られた。
[紫外線硬化型ウエハ保護テープの製造方法]
次に、実施例1〜8、および比較例1〜8の紫外線硬化型ウエハ保護テープの製造方法を示す。上記の方法で得られた紫外線硬化型粘着剤を、ロールナイフコーターを用いて、乾燥後の塗布厚が40μmとなるように、剥離シートとしてシリコーン剥離処理をしたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm)の剥離処理面に塗布し、100℃で1分間乾燥した後、基材14としての厚さ110μmのポリエチレンフィルムと積層し、表2に記載した通りの紫外線硬化型粘着剤層16を有する実施例1〜8、および比較例1〜8の紫外線硬化型ウエハ保護テープ12を作成した。
次に、実施例と比較例の紫外線硬化型ウエハ保護テープの評価試験につき説明する。まず、紫外線硬化型ウエハ保護テープの評価試験の条件につき説明する。
まず、φ300mm、厚さが760μmのミラーウェハに対して、ダイシング装置(ディスコ(株)製、DFD6361)を用いて2mm×2mmのサイズに溝の深さ80μmまでハーフカットダイシングした。ここでのハーフカット速度は、100mm/sである。そのウエハに対して、リンテック社製、RAD3500F12を用いて、実施例および比較例の紫外線硬化型ウエハ保護テープを貼付した。
そのウエハを、裏面研磨装置(ディスコ(株)製、DGP8760)にて厚さが50μmとなるまで研削した。さらに、リンテック社製、フルオートマウンターRAD−2700にて紫外線照射した。ここでの紫外線の照度は150mW/cm、光量は300mJ/cmである。そして、ウエハ裏面にピックアップテープを貼付し、紫外線硬化型ウエハ保護テープを剥離した。このとき、紫外線硬化型ウエハ保護テープの温度が25℃となるように調整した。また、剥離速度は、2mm/sであった。
なお、この紫外線照射による硬化工程は、紫外線硬化型ウエハ保護テープの周囲の酸素濃度が後述する表2に示す値となるように、窒素雰囲気下で実施した。本評価試験においては、実施例および比較例の紫外線硬化型ウエハ保護テープを密閉された空間内に置き、空間内の空気を窒素に置換することにより、酸素濃度を表2に示す値に調整している。
次に、紫外線硬化型ウエハ保護テープの評価試験の結果および評価法につき説明する。表2は、紫外線硬化型ウエハ保護テープの評価試験結果を示す表である。この評価試験においては、紫外線硬化型ウエハ保護テープを剥離した後、個片化されたチップ表面上の粘着剤残渣の有無、および研削水の浸入による表面汚染の有無を、キーエンス製、デジタルマイクロスコープVHX−200(顕微鏡)を用いて観察し、評価した。
Figure 2008251934
粘着剤残渣の有無は、以下のように評価した。
◎:DBG工程後のウエハ上に、粘着剤残渣物が全く観察されなかった。
○:DBG工程後のウエハ上に、実用上問題ない範囲での粘着剤残渣物がごくわずかに観察された。
△:DBG工程後のウエハ上に、粘着剤残渣物が観察された。
×:DBG工程後のウエハ上に、粘着剤残渣物が多く観察された。
表2における紫外線硬化型粘着剤層の粘弾性、すなわち、紫外線硬化型粘着剤層を硬化させる前の貯蔵弾性率(G’)、tanδ、および紫外線硬化型粘着剤層を硬化させた後の貯蔵弾性率(E’)、tanδは、以下の通り測定した。
実施例および比較例の紫外線硬化型粘着剤について、基材を用いずに剥離シートで露出面を保護した以外は上記と同様(段落[0031]、[0033]参照)に操作し、紫外線硬化型粘着剤層のみの構成の粘着シートを得た。紫外線硬化型粘着剤層を硬化させる前の粘弾性は、この紫外線硬化型粘着剤層のみの構成の粘着シートを紫外線硬化型粘着剤が厚み約4mmとなるまで積層し、直径8mmの円柱型に型抜きして粘弾性測定用の試料を作成した。この試料の25℃における貯蔵弾性率(G’)およびtanδを、粘弾性測定装置(REOMETRIC社製、DYNAMIC ANALYZER RDAII)を用いて測定した。
また、紫外線硬化型粘着剤層を硬化させた後の粘弾性を測定するため、上記紫外線硬化型粘着剤層のみの構成の粘着シートを紫外線硬化型粘着剤が厚み約0.5mmとなるまで積層し、窒素雰囲気下で紫外線を照射し(照射条件:照度150mW/cm、光量300mJ/cm)、その後50mm×4mmの大きさに切り抜き、粘弾性測定用の試料を作成した。この試料の25℃における貯蔵弾性率(E’)およびtanδを、粘弾性測定装置(オリエンテック社製、REOVIBRON DDV−II−EA)を用いて測定した。
表2より明らからかであるように、DBG工程に用いられる紫外線硬化型ウエハ保護テープの紫外線硬化型粘着剤層を、酸素濃度が10%以下の状態で硬化させることにより、ウエハ上における残渣物の発生(糊残り)を抑制できる。特に、DBGプロセスに適合させるべく、ダイシング工程を研削工程の後に行う通常プロセスに用いられるテープよりも優れた回路追従性等を実現するために、硬化前の貯蔵弾性率が25℃において0.20MPa以下であり、tanδの値が25℃において0.20以上であるといった粘弾性の低い紫外線硬化型粘着剤層を用いた場合であっても、研削水の浸入を防ぐとともに、さらにウエハ上の粘着剤残渣物の発生が防止できる。
さらに、窒素雰囲気下で紫外線硬化型粘着剤層を硬化させる際に、紫外線硬化型粘着剤層の周囲の酸素濃度を5%以下にすることにより、優れた残渣物防止効果が発揮されることが確認された。
以上のように本実施形態によれば、紫外線硬化型粘着剤層を充分に硬化させ、粘着剤残渣物の発生を抑制する半導体チップの製造方法が実現できる。特に、DBG工程のために粘弾性の低い紫外線硬化型粘着剤を用いた場合であっても、紫外線硬化型粘着剤層を確実に硬化させ、残渣物の発生を防止できる。
紫外線硬化型ウエハ保護テープ等を構成する各部材の材質は、本実施形態において例示されたものに限定されない。
半導体回路面に溝が設けられた状態のウエハを示す図である。 ウエハの回路面に紫外線硬化型ウエハ保護テープが貼着された状態で実施される研削工程を示す図である。 紫外線硬化型ウエハ保護テープを硬化させる硬化工程を示す図である。 紫外線硬化型ウエハ保護テープを回路面から剥離する剥離工程を示す図である。 半導体チップのピックアップ工程を示す図である。
符号の説明
10 ウエハ
10D 切り込み深さ
10K 溝
10R 裏面
10S 回路面
10T 厚さ
12 紫外線硬化型ウエハ保護テープ(表面保護シート)
14 基材
16 紫外線硬化型粘着剤層
18 グラインダ
20 チップ(半導体チップ)
20G 研削面
20K 隙間
24 ピックアップ用粘着シート
26 ピン

Claims (6)

  1. 半導体回路が形成された回路面に溝を有するウエハに、表面保護シートの紫外線硬化型粘着剤層が前記回路面を覆うように貼着された状態で、前記ウエハの裏面が研削されて前記溝により分割されたチップが形成される半導体チップの製造方法において、
    酸素濃度が10%以下の環境において前記表面保護シートに紫外線を照射して前記紫外線硬化型粘着剤層を硬化させる硬化工程を備えることを特徴とする半導体チップの製造方法。
  2. 硬化した前記表面保護シートを前記回路面から剥離する剥離工程をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の半導体チップの製造方法。
  3. 前記硬化工程において、不活性ガス雰囲気下で前記表面保護シートに紫外線を照射して前記紫外線硬化型粘着剤層を硬化させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体チップの製造方法。
  4. 前記硬化工程における紫外線硬化前の状態で、前記紫外線硬化型粘着剤層の貯蔵弾性率が25℃において0.20MPa以下であり、tanδの値が25℃において0.20以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導体チップの製造方法。
  5. 前記硬化工程における紫外線硬化後の状態で、前記紫外線硬化型粘着剤層の貯蔵弾性率が25℃において30MPa以上であり、tanδの値が25℃において0.60以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半導体チップの製造方法。
  6. 前記硬化工程と前記剥離工程との間で、前記チップをピックアップするためのピックアップ用粘着シートを前記チップの研削面に貼着するピックアップシート貼着工程をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の半導体チップの製造方法。
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