JP2010067646A - 半導体チップの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウエハの極薄研削時等において、ウエハ回路面等に対する凹凸追従性を向上させ、研削時の研削水等のウエハ回路面への浸入を防止した場合においても、粘着剤残渣物の発生を抑制して品質の高い半導体チップを製造する方法を実現する。
【解決手段】ウエハの回路面に紫外線硬化型粘着剤層を有する表面保護シート12の紫外線硬化型粘着剤層16が貼着された状態で、ウエハ裏面を研削し、ウエハを多数のチップ20に分割、個片化する。そして、表面保護シート12の紫外線硬化性粘着剤層16に紫外線を照射し、紫外線硬化型粘着剤層16を硬化させる(硬化工程)。硬化工程において、矢印AおよびBの示すように貼着面12Aと非貼着面12Bとの両面に紫外線を照射し、チップ20の端部等に紫外線硬化型粘着剤層16の一部が残留することを確実に防止する。
【選択図】図3

Description

本発明は、半導体チップの製造方法に関し、さらに詳しくは、半導体ウエハを保護するための紫外線硬化型粘着剤層を有する粘着シートの硬化不良による汚染を防止可能な半導体チップの製造方法に関する。本発明の半導体チップの製造方法は、特に、高密度の配線パターンが形成された極薄の半導体チップの製造に適している。
半導体ウエハにおいては、表面に回路が形成された後に、ウエハの裏面側に研削加工が施されてウエハの厚さを調整する加工が行われる。研削加工の間、表面に形成された回路面に粘着シートからなる表面保護シートを貼着し、回路を保護する。このような表面保護シートにおいては、回路やウエハ本体へのダメージを防止することの他に、粘着シート剥離後に粘着剤が回路上に残留(糊残り)しないこと、研削くずの洗い流しや冷却のための研削水の回路面への浸入を防止すること、研削後のウエハの厚み精度を充分に保つことが要求される。このような表面保護シートとして、紫外線硬化型粘着剤層を有する粘着シート(例えば特許文献1)を用いることが知られている。
通常の加工プロセスにおいては、半導体ウエハは、研削工程後のダイシング工程によりチップ化される。近年の半導体製造工程においては、半導体ウエハの径が大きくなるとともに厚みの極薄化が進んでいることから、半導体ウエハが極めて破損しやすくなり、研削後のウエハの取り扱いが困難になってきている。このため、研削工程に先立ちウエハにハーフカットダイシングを行い、研削と同時にウエハをチップ化する先ダイシングプロセス(DBGプロセス)が有望視されている。DBGプロセスにおいて、表面保護シートは、ハーフカットされたウエハの回路面に貼着される(例えば特許文献2)。
通常の加工プロセスに用いられる表面保護シートは、研削水の浸入をウエハの外周で防止できる程度にウエハの回路面に密着していれば良い。これに対し、DBGにおける研削加工では、研削の途中でウエハがチップ化されるため、用いられる表面保護シートには、研削水の浸入をチップごとに防止するのに充分なほどの表面への密着性が必要とされている。このように、ウエハの回路面に密着させるために表面保護シートの粘着性を高めると、剥離後の回路面に粘着剤残渣が多くなる傾向にあることから、紫外線硬化型粘着剤を有する粘着シートが表面保護シートとして用いられる場合がある(例えば特許文献3)。
特開昭60−189938号公報 特開平5−335411号公報 特開2000−68237号公報
DBGプロセスにおいては、通常の研削とは異なり、研削中にウエハが小さく個片化される。このため、研削工程後に、上記の紫外線硬化型粘着剤層を有する表面保護シートに紫外線照射を行って粘着剤を硬化してからシートを剥離させた場合であっても、個片化されたチップの端部に粘着剤残渣物が残るという問題が生じることもある。
特に、半導体部品の形状の変化に伴い、半導体チップの外周には比較的凹凸差のある素子(電極等)が組み込まれることが多くなっているため、狭い領域により大きな凹凸が密集し、チップ外周部への密着が困難となっている。このように、近年の高密度化されて複雑な回路凹凸が形成されたウエハを研削するための高い凹凸追従性を有する粘着シートを使用した場合や、厚さが100μm以下のような極薄チップ製造時には、上記の粘着剤残渣物が著しく多く生じている。
そしてDBGプロセスに用いられる表面保護シートには、回路への密着性(凹凸追従性)の不足により研削水が浸入して回路面が汚染されるおそれもある。そこで、密着性を向上させるために粘着剤の凝集力を低下させた結果、個片化したチップ端部に粘着剤残渣物がより発生し易くなる。特に、厚さが100μm以下の極薄チップを製造するためにウエハを加工する場合には、研削時の応力によって粘着剤が変形し、カーフライン付近、すなわちチップ端部に粘着剤が付着し易いことが確認されている。
また、通常の加工プロセスにおいては、ダイシング時には粘着力が高くピックアップ時には粘着力が低くなる紫外線硬化型粘着剤層を有するダイシングテープが用いられてきた。近年の半導体部品の小型化に伴い、ウエハ厚みが極薄化し、さらにチップサイズが小型化している。特に100μmの極薄ウエハでチップサイズが小さくなると、ダイシング工程によりウエハをチップに個片化した後に、紫外線硬化型粘着剤層を有するダイシングテープに紫外線照射を行って粘着剤を硬化してからチップをピックアップする場合においても、個片化されたチップの端部に粘着剤残渣物が発生し易くなり、ピックアップ不良やピックアップ時にチップが破損するなどの問題が生じている。
そこで本発明は、複雑な回路凹凸が設けられたウエハを例えば100μm以下まで薄くする極薄研削時等において、ウエハ回路面に対する凹凸追従性を向上させ、研削時の研削水等のウエハ回路面への浸入を防止するとともに、個片化したチップ端部への粘着剤残渣物の発生を抑制し、両方の課題を解決することにより品質の高い半導体チップを製造する方法の実現を目的とする。また、本発明は通常の加工プロセスにおいても、ダイシング工程によりウエハをチップに個片化した後に、チップの端部への粘着剤残渣物の発生を防止するとともに、チップをピックアップする際にチップの破損やピックアップ不良を抑制し、品質の高い半導体チップを製造する方法の実現を目的とする。
本発明における半導体チップの第1の製造方法は、半導体回路が形成された回路面に溝を有するウエハに、紫外線硬化型粘着剤層を有する表面保護シートの紫外線硬化型粘着剤層が前記回路面に貼着された状態で、前記回路面とは反対側の裏面を研削して前記溝により分割されたチップを形成する半導体チップの製造方法において、前記ウエハの研削後に、前記表面保護シートの表面であって分割された前記チップが貼着されている貼着面と、前記貼着面とは反対側の表面である非貼着面との両面に紫外線を照射して前記紫外線硬化型粘着剤層を硬化させる硬化工程を備えることを特徴とする。
硬化工程においては、空気雰囲気下で表面保護シートに紫外線を照射してもよい。また、貼着面と非貼着面とに同時に紫外線を照射してもよく、非貼着面よりも先に貼着面に紫外線を照射してもよい。
第1の製造方法は、硬化した表面保護シートをチップの回路面から剥離する剥離工程をさらに有することが好ましい。この場合、第1の製造方法は、硬化工程と剥離工程との間で、チップにおける回路面とは反対側の裏面にピックアップシートを貼着し、剥離工程の後でチップをピックアップするピックアップ工程をさらに有することがより好ましい。
本発明における半導体チップの第2の製造方法は、紫外線硬化型粘着剤層を有するダイシングテープがウエハに貼着された状態で、ウエハを分割してチップを形成する半導体チップの製造方法において、ウエハをチップに個片化した後に、紫外線を前記ダイシングテープの粘着剤面であって、前記チップが貼着されている貼着面と、前記貼着面とは反対側の前記ダイシングテープの基材表面との両方に紫外線を照射して、前記紫外線硬化型粘着剤層を硬化させる硬化工程を備えることを特徴とする。
本発明によれば、複雑な回路凹凸が設けられたウエハの極薄研削時等において、ウエハ回路面に対する凹凸追従性を向上させ、研削時の研削水等のウエハ回路面への浸入を防止するとともに、個片化したチップ端部への粘着剤残渣物の発生を抑制し、両方の課題を解決することにより品質の高い半導体チップを製造する方法を実現できる。また、通常の加工プロセスにおいて、ダイシング工程によりウエハをチップに個片化した後に、チップの端部への粘着剤残渣物の発生を防止するとともに、チップをピックアップする際にチップの破損を抑制し、品質の高い半導体チップを製造する方法を実現できる。
本発明における半導体チップの第1の製造方法の実施形態につき説明する。本発明の半導体チップの製造方法は、紫外線硬化型粘着剤層を有する表面保護シートを使用した先ダイシング工程(DBGプロセス)等におけるウエハの研削後に、紫外線硬化型粘着剤層を有する表面保護シートのウエハ研削面側(ウエハが分割されたチップが貼着している側)とその反対側(チップが貼着していない側)の両方から紫外線を照射することを特徴とする。
以下、本実施形態における、紫外線硬化型粘着剤層を有する表面保護シートを用いたDBGプロセスにつき説明する。図1は、半導体回路面に溝が設けられた状態のウエハを示す図である。図2は、ウエハの回路面に紫外線硬化型粘着剤層を有する表面保護シートが貼着された状態で実施される研削工程を示す図である。
まず、ウエハ10の表面に半導体回路を形成する。そして、半導体回路が形成された回路面10Sに、ダイシングにより互いに平行な溝10K(カーフ)を複数形成する。溝10Kは、ウエハ10の裏面10Rまでは達しておらず、いずれの溝10Kも、ウエハ10の厚さ10Tよりも浅い一定の切り込み深さ10Dを有する。なお、図1以下の各図面においては、説明の便宜上、回路面10Sを含む白抜きの領域を厚さ10T方向に拡大して示している。
次に、表面保護シート12をウエハ10に貼着する(図2参照)。表面保護シート12は、基材14と、基材14の表面上に形成された紫外線硬化型粘着剤層16とを含む。そして、表面保護シート12の紫外線硬化型粘着剤層16をウエハ10の回路面10Sに貼着する。
この状態で、グラインダ18を用いて回路面10Sとは反対側の裏面10Rを研削する。この研削工程において、ウエハ10に貼着させた表面保護シート12により、回路面10Sは、研削に用いられる研削水の浸入等から保護される。グラインダ18が、溝10Kの底面を越えて所定のチップの厚さまでウエハ10を研削することにより、ウエハ10を、溝10Kを境界とした多数のチップ20に分割、個片化する。研削時および研削後の状態において、個片化されたチップ20は表面保護シート12の紫外線硬化前の強い粘着力によって固定されているため、個片化されたチップ20を生じる研削工程において、表面保護シート12は、隣接するチップ20同士の接触による破損等も防止する。
図3は、表面保護シートを硬化させる硬化工程を示す図である。図4は、表面保護シートを回路面から剥離する剥離工程を示す図であり、図5は、半導体チップのピックアップ工程を示す図である。
研削工程の後に、表面保護シート12の紫外線硬化性粘着剤層16に紫外線を照射して硬化させる(硬化工程)。紫外線硬化型粘着剤層16中には、後述する光重合開始剤が含まれており、紫外線照射によって光重合開始剤から生じるラジカルに起因した光重合反応により、紫外線硬化型粘着剤層16は硬化する。
この硬化工程において、紫外線は、表面保護シート12の両面に照射(以下、両面照射という)される。すなわち、分割されたチップ20が貼着されている、紫外線硬化型粘着剤層16側の貼着面12Aと、貼着面12Aの反対側かつ基材14側の表面であって、チップ20が貼着されていない非貼着面12Bの両面である。このように、矢印Aの示すウエハ研削面側(裏面10R(図1および2参照)側)からの紫外線照射と、矢印Bの示す非貼着面12B側からの照射により、表面保護シート12の紫外線硬化型粘着剤層16を確実に硬化させることができる。
すなわち、矢印Bの示すように非貼着面12Bのみに向かって紫外線を照射した場合、紫外線硬化型粘着剤層16において、紫外線が直接照射されない貼着面12A側の領域は、酸素阻害によって十分に硬化されない恐れがあるのに対し、本実施形態では酸素阻害による硬化不良を防止できるため、当該領域が確実に硬化される。つまり、チップ20間の隙間20Kを通過する紫外線により、貼着面12A側の硬化が促進されるためである。このため、硬化工程後に表面保護シート12を剥離する際に、紫外線硬化型粘着剤層16の未硬化領域がチップ20における回路面20Sと側面20Aとの境界線付近等に付着する糊残りを確実に防止できる。
本実施形態においては、窒素ガス雰囲気下で表面保護シート12に紫外線を照射することが不要となる。両面照射により、上述のように紫外線硬化型粘着剤層16を確実に硬化させられるからである。このため、紫外線の両面照射は空気雰囲気下で行うことができ、窒素置換が不要となり、そのための設備が不要となる。
紫外線照射は、詳細を後述するように、貼着面12Aと非貼着面12Bとに同時に、もしくは非貼着面12Bよりも先に貼着面12Aに対して行われる。非貼着面12Bに対して優先的に照射する場合に比べ、より確実に紫外線硬化型粘着剤層16を硬化させることができるからであり、特に貼着面12Aと非貼着面12Bとの同時照射が好ましい。なお紫外線は、貼着面12Aと非貼着面12Bとのいずれに対しても垂直な方向に照射される。
紫外線硬化型粘着剤層16を硬化させた後、チップ20の研削面20G、すなわち回路面20Sとは反対側の裏面にピックアップシート24を貼着する(ピックアップ工程・図4参照)。ピックアップシート24は、適度な粘着性によりチップ20の研削面20Gを保持する。そして、既に紫外線硬化型粘着剤層16が硬化した紫外線硬化型粘着剤層を有する表面保護シート12を、矢印Dの示すように回路面10Sから剥離する(剥離工程)。
なお、ピックアップシート24の貼着後に硬化工程を行うと、貼着面12A側に照射する紫外線の一部がピックアップシート24により吸収されてしまい、効率的に紫外線硬化型粘着剤層16を硬化させることができない。このため、本実施形態のように、硬化工程の後にピックアップシート24をチップ20に貼着させることが好ましい。
表面保護シート12の剥離後に、ピックアップシート24によって研削面20G側が保持された状態のチップ20を、ピン26によってピックアップする(ピックアップ工程・図5参照)。この結果、一枚のウエハ10から多数のチップ20(半導体チップ)が製造される。
なお、ピックアップシート24は、基材フィルムに粘着剤層が積層された粘着シートでも、基材フィルムに剥離可能に接着剤層が積層された接着シートでも良い。粘着シートの場合、ピックアップ工程においてチップ20をピックアップすると、チップ20と粘着剤層の界面で剥離が起こり、チップ20が製造される。また、接着シートの場合、ピックアップ工程においてチップ20をピックアップすると、基材フィルムと接着剤層の界面で剥離が起こり、裏面に接着剤層を有するチップ20が製造される。この場合、このチップ20は、接着剤層を介して基板などにダイボンドすることができるため、作業の効率化が可能である。
上述のように紫外線の両面照射によって紫外線硬化型粘着剤層を有する粘着シートを硬化させるチップの製造方法は、DBGプロセスのみならず、通常の加工プロセスに適用することもできる。図6は、通常の加工プロセスにおいて、紫外線硬化型粘着剤層を有するダイシングテープを硬化させる硬化工程を示す図である。
通常の加工プロセスにおいては、ウエハ10の回路面10Sに溝10K(カーフ)を設けることなく裏面10R(図1等参照)を研削する。そして、その研削面(個片化後のチップ20の研削面20Gに相当)を覆うようにダイシングテープ28を貼着させたウエハ10をダイシングし、図6に示されたようにチップ20に個片化する。この状態において、DBG工程における硬化工程(図3参照)と同様に、紫外線を貼着面28Aと非貼着面28Bとに照射すれば、ダイシングテープ28の紫外線硬化型粘着剤層を確実に硬化させることができる。なお、ダイシングテープ28は基材フィルムに剥離可能に粘接着剤層が積層されたダイシング・ダイボンディング機能を兼ね備えた粘接着シートであっても良い。
通常の加工プロセスにおいては、回路面10Sを覆う表面保護シート12を硬化させるDBGプロセスとは異なり、ウエハ10の裏面10Rに対応するチップ20の研削面20Gを覆うダイシングテープ28を硬化させる。しかしながら、チップ20間の隙間20Kを通る紫外線によりダイシングテープ28の貼着面28A側の硬化が促進されるという点で、両プロセスにおける硬化工程は共通する。
以下、本実施形態における、紫外線硬化型粘着剤層を有する表面保護シート12の製造方法、および評価結果等につき説明する。
まず、紫外線硬化型粘着剤Aの配合につき、説明する。主モノマーとしてアクリル酸ブチルを70重量部、官能基含有モノマーとして2−ヒドロキシエチルアクリレートを30重量部用いて酢酸エチル溶媒中で溶液重合し、重量平均分子量500,000、ガラス転移温度−7℃のアクリル系共重合体を重合した。このアクリル系共重合体の固形分100重量部と、不飽和基含有化合物(不飽和基含有モノマー)としてのメタクリロイルオキシエチルイソシアナート8重量部(アクリル系共重合体の官能基であるヒドロキシル基100当量に対して80当量)とを反応させ、紫外線硬化型アクリル系共重合体の酢酸エチル溶液(30%溶液)を得た。
この紫外線硬化型アクリル系共重合体100重量部に対し、架橋剤として0.625重量部(固形比)の多価イソシアナート化合物(日本ポリウレタン社製・コロネートL)と、光重合開始剤(チバ・スペシャルティケミカルズ社製、イルガキュア184)3.3重量部(固形比)を混合し、紫外線硬化型粘着剤Aを得た。
次に、紫外線硬化型粘着剤Aを用いた表面保護シート12の製造につき、説明する。まず、剥離シートとしてシリコーン剥離処理をしたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm)の剥離処理面に、紫外線硬化型粘着剤Aを塗布した。このとき紫外線硬化型粘着剤Aは、乾燥後の塗布厚が40μmとなるように、ロールナイフコーターを用いて塗布された。紫外線硬化型粘着剤Aを100℃で1分間乾燥した後、基材14(図2等参照)として厚さ110μmのポリエチレンフィルムを積層させた。この結果、紫外線硬化型粘着剤Aによる表面保護シート12を得た。
さらに、紫外線硬化型粘着剤Bの生成につき、説明する。主モノマーとしてアクリル酸ブチルを90重量部、官能基含有モノマーとしてアクリル酸を10重量部用いて酢酸エチル溶媒中で溶液重合し、重量平均分子量500,000、ガラス転移温度−44℃のアクリル系共重合体を生成し、アクリル系共重合体の酢酸エチル溶液(30%溶液)を得た。
この紫外線硬化型アクリル系共重合体100重量部に対し、0.625重量部(固形比)の多価イソシアナート化合物と、3.3重量部(固形比)の光重合開始剤とを混合し、さらに100重量部(固形比)のウレタンアクリレート(日本合成化学工業社製、シコウUV−3210EA)を配合して、紫外線硬化型粘着剤Bを得た。この紫外線硬化型粘着剤Bを用いて、上述の紫外線硬化型粘着剤Aを用いた場合(段落[0036]参照)と同様に、表面保護シート12を得た。
このようにして製造された表面保護シート12について、紫外線照射試験を行った。表1は、紫外線照射試験の評価結果を示す。
Figure 2010067646
紫外線照射試験は、上述の2種類の表面保護シート12をそれぞれ複数製造し、これらに対する紫外線の照射条件を変更することにより行った。すなわち、実施例1、3、5および比較例1においては、紫外線硬化型粘着剤Aによる紫外線硬化型粘着剤層16を有する表面保護シート12、その他の実施例、比較例では、紫外線硬化型粘着剤Bによる紫外線硬化型粘着剤層16を有する表面保護シート12を用いた。
次に、紫外線照射試験の条件につき説明する。まず、φ300mm、厚さが760μmのシリコンウエハ上に最大の段差が20μmとなる回路パターンを有するダミーウエハを用意した。そのウエハに対して、ダイシング装置(ディスコ(株)製、DFD6361)を用いて2mm×2mmのサイズに溝の深さ80μmまでハーフカットダイシングした。そのウエハの回路面に対して、テープラミネーター(リンテック社製、RAD3500F12)を用いて、実施例および比較例の表面保護シート12を貼着した。
そのウエハの裏面、すなわち溝の設けられた面を裏面研磨装置(ディスコ(株)製、DGP8760)にて厚さが50μmとなるまで研削した。さらに、テープマウンター(リンテック社製、RAD−2700F/12a)にて、空気雰囲気下で紫外線照射した。ここでの紫外線の波長は365nm、照度は150mW/cm、光量は300mJ/cmである。紫外線照射後にウエハ裏面にピックアップシートを貼着し、表面保護シート12を剥離した。
そして、個片化されたチップの表面上における洗浄水の浸入による表面汚染や粘着剤残渣の有無を、キーエンス製、デジタルマイクロスコープ、VHX−200(顕微鏡)を用いて200倍の倍率で観察した。
水浸入の有無は、以下のように評価した。
無:DBGプロセス後のウエハ上に、水浸入が観察されなかった。
有:DBGプロセス後のウエハ上に、水浸入が観察された。
粘着剤残渣の有無は、以下のように評価した。
◎:DBGプロセス後のウエハ上に、粘着剤残渣物が全く観察されなかった。
○:DBGプロセス後のウエハ上に、実用上問題ない範囲での粘着剤残渣物がごくわずかに観察された。
△:DBGプロセス後のウエハ上に、粘着剤残渣物が観察された。
×:DBGプロセス後のウエハ上に、粘着剤残渣物が多く観察された。
以下に表1の結果を説明する。実施例1〜6と比較例1、2の結果を比較すると、研削時の研削水等のウエハ回路面への浸入を防止する紫外線硬化型粘着剤AおよびBいずれの場合においても、紫外線を表面保護シート12の両面、すなわち貼着面12Aと非貼着面12B(図3参照)とに照射した実施例1〜6においては、非貼着面12Bにのみ照射した比較例1および2に比べ、粘着剤残渣の量が少なかった。このように、両面照射によりチップ20の貼着されていない非貼着面12Bのみに照射する場合よりも効果的に、紫外線硬化型粘着剤層16を硬化させることができる。以上のことから、本実施形態の硬化工程における紫外線の両面照射が、表面保護シート12の紫外線硬化型粘着剤層16を確実に硬化させることが確認された。
さらに、実施例1〜4と実施例5、6とを比較すると、貼着面12Aと非貼着面12Bとに同時に紫外線を照射した場合(実施例1および2)と、非貼着面12Bよりも先に貼着面12Aに照射した場合(実施例3および4)においては、貼着面12Aに優先的に照射した場合(実施例5および6)よりもさらに良好な結果が示される。これは、以下のような理由によるものと考えられる。
上述のように、紫外線硬化型粘着剤層16(紫外線硬化型粘着剤AおよびB)においては、光重合開始剤が含まれている。紫外線硬化型粘着剤層16は、光重合開始剤から生じるラジカルに起因した光重合反応によって硬化する。そして、非貼着面12B(図3参照)のみに紫外線を照射した場合(実施例5および6)、紫外線硬化型粘着剤層16においては、非貼着面12B側、すなわち基材14側が優先的に硬化されるとともに、光重合開始剤の活性が失われる。その後、貼着面12A側から紫外線を照射しても、光重合開始剤の活性が既に低下しており、十分なラジカルが生じないため、紫外線硬化型粘着剤層16における貼着面12A側の硬化がやや不完全となる。
これに対し、貼着面12Aを優先的に照射した場合(実施例3および4)においては、多数のチップ20が貼着されている貼着面12Aにおいては、露出された領域が狭いことから、硬化反応はさほど速やかには進行せず、光重合開始剤の活性が抑制される。従って、その後に、全領域が露出している非貼着面12Bに紫外線が照射されても、非貼着面12B側における硬化不良の問題は生じない。
貼着面12Aおよび非貼着面12Bに同時に紫外線を照射した場合(実施例1および2)は、紫外線硬化型粘着剤層16における貼着面12A側と非貼着面12B側とで同時に硬化反応が進行する。このため、貼着面12A側と非貼着面12B側とにおいて、光重合開始剤の消費に大きな偏りが生じることはなく、硬化不良の問題は生じない。このように、実施例1〜6の結果を比較することにより、紫外線を照射する順番が重要であることが明らかとなった。
つまり、本実施形態の硬化工程における紫外線の両面照射が、表面保護シート12の紫外線硬化型粘着剤層16を確実に硬化させること、および所定のタイミングで貼着面12A側と非貼着面12B側とに紫外線を照射すると特に有効であることが確認された。
以上のように本実施形態によれば、紫外線の両面照射によって、複雑な回路凹凸が設けられたウエハを極薄研削するといった厳しい加工条件下において、ウエハ回路面等に対する凹凸追従性を向上させて、研削時の研削水等のウエハ回路面への浸入を防止しするとともに、個片化したチップ端部への粘着剤残渣物の発生を確実に防止できる。
さらに、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で紫外線を照射することが不要となるため、硬化工程の迅速化および半導体チップの製造装置の簡素化も可能となる。
紫外線硬化型粘着剤層16を有する表面保護シート12を構成する各部材の材質は、本実施形態において例示されたものに限定されない。
半導体回路面に溝が設けられた状態のウエハを示す図である。 DBGプロセスにおいて、ウエハの回路面に表面保護シートが貼着された状態で実施される研削工程を示す図である。 DBGプロセスにおいて、表面保護シートを硬化させる硬化工程を示す図である。 DBGプロセスにおいて、表面保護シートを回路面から剥離する剥離工程を示す図である。 DBGプロセスにおける半導体チップのピックアップ工程を示す図である。 通常の加工プロセスにおいて、ダイシングテープを硬化させる硬化工程を示す図である。
符号の説明
10 ウエハ
10K 溝
10R 裏面
10S 回路面
12 表面保護シート
12A 貼着面
12B 非貼着面
16 紫外線硬化型粘着剤層
20 チップ
20G 研削面(裏面)
20K チップの隙間
20S 回路面
24 ピックアップシート
26 ピン
28 ダイシングテープ
28A 貼着面
28B 非貼着面

Claims (7)

  1. 半導体回路が形成された回路面に溝を有するウエハに、紫外線硬化型粘着剤層を有する表面保護シートの前記紫外線硬化型粘着剤層が前記回路面に貼着された状態で、前記回路面とは反対側の裏面を研削して前記溝により分割されたチップを形成する半導体チップの製造方法において、前記ウエハの研削後に、前記表面保護シートの表面であって分割された前記チップが貼着されている貼着面と、前記貼着面とは反対側の表面である非貼着面との両面に紫外線を照射して前記紫外線硬化型粘着剤層を硬化させる硬化工程を備えることを特徴とする半導体チップの製造方法。
  2. 前記硬化工程において、空気雰囲気下で前記表面保護シートに前記紫外線を照射することを特徴とする請求項1に記載の半導体チップの製造方法。
  3. 前記硬化工程において、前記貼着面と前記非貼着面とに同時に前記紫外線を照射することを特徴とする請求項1に記載の半導体チップの製造方法。
  4. 前記硬化工程において、前記非貼着面よりも先に前記貼着面に前記紫外線を照射することを特徴とする請求項1に記載の半導体チップの製造方法。
  5. 硬化した前記表面保護シートを前記チップの回路面から剥離する剥離工程をさらに有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半導体チップの製造方法。
  6. 前記硬化工程と前記剥離工程との間で、前記チップにおける回路面とは反対側の裏面にピックアップシートを貼着し、前記剥離工程の後で前記チップをピックアップするピックアップ工程をさらに有することを特徴とする請求項5に記載の半導体チップの製造方法。
  7. 紫外線硬化型粘着剤層を有するダイシングテープがウエハに貼着された状態で、ウエハを分割してチップを形成する半導体チップの製造方法において、ウエハをチップに個片化した後に、紫外線を前記ダイシングテープの粘着剤面であって、前記チップが貼着されている貼着面と、前記貼着面とは反対側の前記ダイシングテープの基材表面との両方に紫外線を照射して、前記紫外線硬化型粘着剤層を硬化させる硬化工程を備えることを特徴とする半導体チップの製造方法。
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