JP2008120283A - 報知装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 不快感を与えることを回避しつつ、車両の存在または接近を周囲の歩行者に把握させることを可能する。
【解決手段】 車両に配置される1又は複数のスピーカと、前記車両に配置され、その周囲の環境音を収音する1又は複数のマイクと、前記車両の走行速度が所定の閾値以上である場合には、前記1又は複数のマイクにより収音された環境音の波形データを記憶する第1の処理を実行し、前記走行速度が前記閾値未満である場合には、前記記憶した波形データを読み出し、その波形データに応じた音信号を前記1又は複数のスピーカに供給する第2の処理を実行するコントロールユニットとを具備し、前記コントロールユニットは、前記1又は複数のスピーカへ供給する音信号のピッチを前記走行速度が遅いほど低くするピッチ変換部を含んでいることを特徴とする報知装置を提供する。
【選択図】図1
Description
このような報知装置によれば、上記閾値以上の走行速度で走行している高速走行中に録音された環境音が、走行速度が上記閾値未満である低速走行中に再生出力される。
また、別の好ましい態様においては、上記報知装置のコントロールユニットは、通過域の中心周波数を可変に設定し得るフィルタを含み、そのフィルタを介して前記1又は複数のスピーカへ音信号を供給するとともに、前記車両の走行速度が遅いほど前記中心周波数を低く設定することを特徴とする。
さらに別の好ましい態様においては、前記コントロールユニットは、前記1又は複数のスピーカへ供給する音信号を増幅して前記1又は複数のスピーカに供給するアンプを含み、前記第2の処理においては、前記車両の走行速度が増加する過程では、走行速度が前記閾値に達する手前で前記1又は複数のスピーカから出力される環境音がフェードアウトするよう前記アンプの増幅率を制御し、前記車両の走行速度が減少する過程では、前記走行速度が前記閾値を下回った直後に前記1又は複数のスピーカから出力される環境音がフェードインするよう前記アンプの増幅率を制御することを特徴とする。
つまり、本発明によれば、不快感を与えることを回避しつつ、車両の存在または接近を周囲の歩行者に把握させることが可能になる、といった効果を奏する。
(A:第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る報知装置10の構成例を示すブロック図である。
報知装置10は、例えば電気自動車など電動機を動力源として走行する車両に搭載され、その車両の存在や接近を音の再生出力によって周囲の歩行者に報知するものである。図1に示すように、報知装置10は、6つのマイク(マイク100a〜100f)と6つのスピーカ(スピーカ200a〜200f)と、コントロールユニット300とを含んでいる。なお、図1では詳細な図示は省略したが、上記6つのマイクの各々はA/D変換器を介してコントロールユニット300に接続されている一方、上記6つのスピーカはD/A変換器を介してコントロールユニット300に接続されている。
マイク100a〜100fおよびスピーカ200a〜200fは、図2(A)および図2(B)に示すように、報知装置10が搭載される車両の車体下部にその車体の周囲に沿って配置されている。具体的には、マイク100a〜100fやスピーカ200a〜200fは、フロントバンパーやリアバンパー、サイドボディ下部などに所定方向に指向軸を向けた状態で埋設されている。
スピーカ200a〜200fは、コントロールユニット300から供給された音信号に応じた音を周囲に向けて放音するためのものである。スピーカ200a〜200fの各々は、その出力音を歩行者が聴き取り易い方向に指向軸が向けられているとしても良く、また、路面による音の反射を利用するために路面に向う方向に指向軸を向けておくとしても良い。
本実施形態では、6つのマイクおよび6つスピーカを用いる場合について説明するがマイクとスピーカの数が同じである必要はなく、また、その数も6に限定されるものではない。以下では、マイク100a〜100fの各々を区別する必要がない場合には「マイク100」と表記し、同様に、スピーカ200a〜200fの各々を区別する必要がない場合も「スピーカ200」と表記する。
ヘッドアンプ305は、各々にマイク100a〜100fが1つずつ接続されている合計6つの入力チャネルを有し、各入力チャネルへ入力された音信号のレベルを録音に適したレベルに調整してミキサ310に出力する。
ミキサ310は、ヘッドアンプ305から受け取った6つの音信号を1つにミキシングし、そのミキシング結果である音信号を2分流して、一方を入力レベル検出部315に、他方を録音/再生部325に出力する。なお、本実施形態では、ミキサ310が各マイクから受け取った音信号を1つにミキシングする場合について説明するが、例えば左右2チャネル分の音信号を生成するようにしても勿論良い。
入力レベル検出部315は、ミキサ310から受け取った音信号のレベルを検出しそのレベル値が所定の閾値(本実施形態では、出力アンプ340にてクリップを生じさせる信号レベル)以上であるか否かを判定し、閾値以上であると判定した場合にその旨を示す制御信号を出力レベル制御部320へ与える。出力レベル制御部320は、例えば出力アンプ340にてクリップが発生しないように、その出力アンプ340における増幅率を制御するものであり、入力レベル検出部315から上記制御信号を受け取った場合に上記増幅率の調整を行う。
Memory:図示省略)に記憶されている制御プログラムをRAM(Random Access Memory)に読み出して実行することにより、本発明に係る報知装置に特徴的な処理を実行する。
より詳細に説明すると、図1に示すように、制御部345にはECU400が接続されており、前述した速度情報が与えられる。上記制御プログラムにしたがって作動している制御部345は、ECU400から受け取った速度情報の示す走行速度が予め定められた閾値(本実施形態では、20キロメートル毎時を示す値)未満であるのか、それとも、その閾値以上であるのかを判定する。そして、制御部345は、閾値未満であると判定した場合には、前述した再生指示信号を録音/再生部325に与え、閾値以上であると判定した場合には、前述した録音指示信号を録音/再生部325に与える。このため、本実施形態に係る報知装置10においては、その報知装置10が搭載されている車両の走行速度が上記所定の閾値(本実施形態では、20キロメート毎時)以上である場合には、マイク100により収音された環境音の録音が実行され、逆に、その走行速度が20キロメートル毎時未満である場合には、録音済みの環境音の再生が実行される。
以上が、報知装置10の構成である。
図3(A)は、報知装置10が搭載されている車両の走行速度の時間変化の一例を示す図である。図3(A)に示すように、本動作例では、上記車両の走行速度は、走行を開始した時刻T0から時刻T2までは略線形に速度Vまで増加し、時刻T2から時刻T3までは略一定となる。そして、図3(A)に示すように、上記車両は、時刻T3からT5に至るまでは略線形に減速し、時刻T5において停車する。また、図3(A)に示すように、時刻T0からT2に至るまでの加速中の期間においては時刻T1(T0<T1<T2)にて上記車両の走行速度が所定の閾値V0(20キロメートル毎時)に達する一方、時刻T3からT5までの減速中の期間においては時刻T4(T3<T4<T5)にて上記車両の走行速度が所定の閾値V0を下回るものとする。なお、本動作例では、時刻T0以前の時刻においては記憶部330の記憶領域は初期化されており、波形データは記憶されていないものとする。
このように、本実施形態に係る報知装置10によれば、電動機を動力源として走行する車両の周囲の歩行者に不快感を与えることなく、その車両の存在または接近を把握させることが可能になる。
図4は、本発明の第2実施形態に係る報知装置20の構成例を示すブロック図である。
報知装置20の構成が報知装置10の構成と異なっている点は、ピッチ変換部335に代えてローパスフィルタ(低域通過フィルタ、以下:「LPF」)350を設けた点と、報知装置10とは異なる制御プログラムがROM(図示省略)に記憶されている点とである。
LPF350は、制御部345から与えられる制御信号(以下、「周波数指示信号」)に応じてそのフィルタ特性を変化させる動的フィルタである。より詳細に説明すると、LPF350は、上記周波数指示信号にて指示された周波数から1オクターブ上の周波数で出力信号レベルが6デシベル低下するフィルタ特性(すなわち、周波数指示信号にて指示された周波数を通過域の中心周波数とするフィルタ特性)を実現する。
制御部345によって上記のような処理が為される結果、報知装置20が搭載されている車両の走行速度が図3(A)に示すように時間変化する場合には、LPF350の中心周波数は図3(C)に示すように時間変化し、その結果、時刻T4からT5までの期間においてスピーカ200から出力される環境音の基本周波数も次第に低くなる。
このように、本第2実施形態に係る報知装置20によっても、電動機を動力源として走行する車両の周囲の歩行者に不快感を与えることなく、その車両の存在または接近を把握させることが可能になる。
以上本発明の実施形態について説明したが、これら実施形態に以下に述べる変形を加えても良いことは勿論である。
(1)上述した第1実施形態では、ピッチ変換部335を設けることにより、スピーカ200から出力される環境音に車両の走行速度に応じたピッチ変換を施す場合について説明し、上述した第2実施形態では、フィルタ350を設けることによって、予め録音した環境音のうち車両の走行速度に応じた帯域成分をスピーカ200から出力させる場合について説明した。このようなピッチ変換やフィルタリングを施すことにより、スピーカ200から出力される環境音のリアルさが向上するのであるが、このようなリアルさを求めない場合には、ピッチ変換部335やフィルタ350を設けず、録音/再生部325から出力される音信号を出力アンプ340へ直接入力するようにしても良い。
また、ハイブリッド車に本発明に係る報知装置を適用する場合、ハイブリッド車には、電動機のみを用いて走行することを指示する切り替えスイッチが設けられている車種もあるので、この切り替えスイッチと本報知装置の作動開始スイッチとを連動させ、電動機のみを用いて走行する旨の選択が為された場合には、本報知装置を作動させないようにするようにしても良い。上記切り替えスイッチは、例えば、深夜や早朝に住宅地などを走行する際に走行音を低く抑えて走行することができるようにするために設けられているものであるから、上記切り替えスイッチにより電動機のみを用いて走行することを指示されている状況下で本発明に係る報知装置を作動させることは、運転者の意図に沿わない可能性があるからである。
Claims (4)
- 車両に配置される1又は複数のスピーカと、
前記車両に配置され、その周囲の環境音を収音する1又は複数のマイクと、
前記車両の走行速度が所定の閾値以上である場合には、前記1又は複数のマイクにより収音された環境音の波形データを記憶する第1の処理を実行し、前記走行速度が前記閾値未満である場合には、前記記憶した波形データを読み出し、その波形データに応じた音信号を前記1又は複数のスピーカに供給する第2の処理を実行するコントロールユニットと
を具備することを特徴とする報知装置。 - 前記コントロールユニットは、前記1又は複数のスピーカへ供給する音信号のピッチを前記走行速度が遅いほど低くするピッチ変換部を含んでいる
ことを特徴とする請求項1に記載の報知装置。 - 前記コントロールユニットは、通過域の中心周波数を可変に設定し得るフィルタを含み、そのフィルタを介して前記1又は複数のスピーカへ音信号を供給するとともに、前記車両の走行速度が遅いほど前記中心周波数を低く設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の報知装置。 - 前記コントロールユニットは、前記1又は複数のスピーカへ供給する音信号を増幅して前記1又は複数のスピーカに供給するアンプを含み、前記第2の処理においては、前記車両の走行速度が増加する過程では、走行速度が前記閾値に達する手前で前記1又は複数のスピーカから出力される環境音がフェードアウトするよう前記アンプの増幅率を制御し、前記車両の走行速度が減少する過程では、前記走行速度が前記閾値を下回った直後に前記1又は複数のスピーカから出力される環境音がフェードインするよう前記アンプの増幅率を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の報知装置。
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