JP2008087088A

JP2008087088A - 刃具及び刃具の製造方法

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Publication number: JP2008087088A
Application number: JP2006269098A
Authority: JP
Inventors: Yukitaka Makino; 行高牧野; Hideki Hayashi; 英樹林; Toshiki Hirukawa; 俊樹蛭川
Original assignee: Denso Corp
Current assignee: Denso Corp
Priority date: 2006-09-29
Filing date: 2006-09-29
Publication date: 2008-04-17
Also published as: US20080080938A1

Abstract

【課題】切屑が溶着することを確実に防止することができる刃具の製造方法及びその製造方法によって製造された刃具を提供すること。
【解決手段】アルミ材の加工部位にクーラントを供給するクーラント供給穴４２０と、加工によって生じたアルミ材の切屑を排出する螺旋状の切屑排出溝４１０と、ダイヤモンドからなり、クーラント供給穴４２０の開口部が形成された刃先４３０ａとを備えるアルミ材を加工するドリル４００。
【選択図】図３

Description

本発明は、刃具及び刃具の製造方法に関するものである。

従来、非鉄金属材からなる被加工体を加工する刃具があった。その刃具によって非鉄金属材等からなる被加工体を加工する場合、刃具によって切削された非鉄金属材の切屑が刃具に溶着し、加工精度の悪化、刃具の折損を生じる可能性があるため、刃具に切屑が溶着することを防止する必要があった。

そこで、このような刃具への切屑の溶着を防止する技術として特許文献１及び特許文献２に示すものがあった。特許文献１は、超硬合金製の母材における刃先にダイヤモンド焼結体をロウ付けするものである。また、特許文献２は、超硬合金製の母材の表面に所定の成膜条件によってダイヤモンドをコーティングするものである。
特開平１１−３０９６０９号公報特開２００６−１３０５７８号公報

しかしながら、特許文献１に示すように、母材にダイヤモンド焼結体をロウ付けする場合、加工領域から外部に切屑をかき出すために母材を捩じって切屑排出溝を設けるとダイヤモンド焼結体をロウ付けしにくい。また、ダイヤモンド焼結体をロウ付けした母材は、加工領域から外部に切屑をかき出すための切屑排出溝を設けにくい。したがって、特許文献１に示すように、母材にダイヤモンド焼結体をロウ付けする場合は、切屑の排出性が低下するため刃具に切屑が溶着することを十分に防止できない可能性があった。

また、刃先にダイヤモンドを一体焼結することも考えられる。しかしながら、この場合、刃先にクーラント供給穴の開口部を設けることができないため、切屑の排出性が低下して刃具に切屑が溶着することを十分に防止できない可能性があった。

また、特許文献２に示すように、母材にダイヤモンドをコーティングする場合、切屑排出溝を設けることはできるものの、加工を繰り返すことによってダイヤモンドのコーティングが剥離して母材が露出し、その露出した母材に切屑が溶着する可能性があった。

本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、切屑が溶着することを確実に防止することができる刃具の製造方法及びその製造方法によって製造された刃具を提供することを目的とする。

上記目的を達成するために請求項１に記載の刃具は、回転することよって非鉄金属材を加工する刃具であって、非鉄金属材の加工部位にクーラントを供給するクーラント供給穴と、加工によって生じた非鉄金属材の切屑を排出する螺旋状の切屑排出溝と、ダイヤモンドからなりクーラント供給穴の開口部が形成された刃先とを備えることを特徴とするものである。

このように、切屑排出溝を備え、非鉄金属材との親和性の低いダイヤモンドでできた刃先にクーラント供給穴の開口部が形成されていることによって、切屑が刃先に溶着することを確実に防止することができる。

また、請求項２に記載の刃具の製造方法は、少なくとも刃具の刃先及び螺旋状の切屑排出溝に対応する内部形状を有する成形金型における刃先に対応する領域にバインダとダイヤモンド粒とが充填され、成形金型内における刃先以外の部位に対応する領域にバインダと金属粒とが充填された状態でプレス成形して成形体を作るプレス成形工程と、プレス成形工程後に成形体を予備焼結する予備焼結工程と、予備焼結工程後に予備焼結された前記成形体に対して刃先に開口部を有するクーラント供給穴を形成する穴形成工程と、穴形成工程後にクーラント供給穴が形成された予備焼結された成形体を焼結する焼結工程とを備えることを特徴とするものである。

このように、少なくとも刃具の刃先及び螺旋状の切屑排出溝に対応する内部形状を有する成形金型における刃先に対応する領域にバインダとダイヤモンド粒を充填してプレス成形及び予備焼結された成形体に対して刃先に開口部を有するクーラント供給穴を形成することによって、切屑排出溝を備え、非鉄金属材との親和性の低いダイヤモンドでできた刃先にクーラント供給穴の開口部が形成された、切屑が溶着することを確実に防止することができる刃具を製造することができる。

以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。なお、本実施の形態においては、本発明における刃具をその一例であるドリルに適用した例を用いて説明する。

図１は、本発明の実施の形態におけるドリル４００を示す断面図である。図２は、本発明の実施の形態におけるドリル４００の製造工程の攪拌・混合工程の概略を示す透視図である。図３は、本発明の実施の形態におけるドリル４００の製造工程の乾燥工程の概略を示す透視図である。図４は、本発明の実施の形態におけるドリル４００の製造工程のプレス成形工程の概略を示す透視図である。図５は、本発明の実施の形態におけるドリル４００の製造工程の予備焼結工程の概略を示す透視図である。図６は、本発明の実施の形態におけるドリル４００の製造工程の成形工程の概略を示す透視図である。図７は、本発明の実施の形態におけるドリル４００の製造工程の本焼結工程の概略を示す透視図である。

本実施の形態におけるドリル４００は、回転することよって非鉄金属材（例えば、アルミ材）を加工する刃具であり、図１に示すように、回転軸を中心とした概略円柱状をなし、その後端部はシャンク部（図示省略）が形成されており、先端部はこのシャンク部よりも僅かに小径とされた切刃部４３０ｂとされている。また、この切刃部４３０ｂの更に先端部位は刃先４３０ａが形成される。

さらに、この切刃部４３０ｂの外周には、ドリル４００の先端の刃先４３０ａから後端側に向けてシャンク部の直前までに、一対の切屑排出溝４１０が形成される。この一対の切屑排出溝４１０は、ドリル４００の回転軸に対して互いに対称に、かつ後端側に向かうに従い回転軸を中心として穴明け加工時のドリル回転方向の後方側に捩れる螺旋状に形成される。この切屑排出溝４１０によって、刃先４３０ａによる加工によって生じたアルミ材の切屑が加工部位から排出される。

また、ドリル４００内には、シャンク部の後端から先端側に向けて、クーラント供給用の一対のクーラント供給穴４２０が形成される。このクーラント供給穴４２０は、切刃部４３０ｂにおいては切屑排出溝４１０を避けるように延設されて刃先４３０ａに開口部が形成される。

また、本実施の形態におけるドリル４００は、切刃部４３０ｂにおける刃先４３０ａはダイヤモンドからなり、それ以外の部分は超硬合金等の硬質材料により形成されている。つまり、ドリル４００は、刃先４３０ａがダイヤモンドからなり、外周に切屑排出溝４１０を有し、かつ、ダイヤモンドからなる刃先４３０ａに開口部を有するクーラント供給穴４２０を内部に備えるものである。このようにすることによって、切屑が刃先４３０ａに溶着することを確実に防止することができる。

ここで、本実施の形態におけるドリル４００の製造方法に関して説明する。本発明のドリル４００は、ドリル４００の母材となる粉末をプレス成形、焼結などする所謂粉末冶金法によって製造されるものである。

まず、図２に示すように、アトライター１０によって切刃部４３０ｂにおける刃先４３０ａ以外の部分の材料である炭化タングステンなどの超硬合金原料１００を粉砕して混合する粉砕・混合工程を行う。容器１１に超硬合金原料１００を挿入し、羽部１３が形成された棒部１２を回転させることによって超硬合金原料１００を粉砕して混合する。

次に、図３に示すように、攪拌装置２０によって超硬合金原料１００にバインダを混合して乾燥させる混合・乾燥工程を行いバインダ入り超硬合金原料２００を作る。容器２１に超硬合金原料１００とバインダとを挿入し、攪拌部２３が形成された基部２２を回転させて、超硬合金原料１００とバインダを混合すると共に乾燥させる。なお、この混合・乾燥工程後に篩い工程を行ってもよい。また、図示は省略するが、切刃部４３０ｂにおける刃先４３０ａの材料であるダイヤモンド粒に関しても粉砕・混合工程、及び混合・乾燥工程を行う。

次に、図４に示すように、油圧プレス機３０によって、バインダとダイヤモンド粒からなるバインダ入りダイヤモンド原料３００、及びバインダと超硬合金原料１００からなるバインダ入り超硬合金原料２００をプレス成形して成形体を作るプレス成形工程を行う。ここで、成形金型３１は、少なくともドリルの形状に対応した内部形状をなすものであり、刃先４３０ａ及び切屑排出溝４１０に対応する内部形状を有する。

まず、下側押え部材３３が配置された成形金型３１における刃先４３０ａに対応する領域にバインダ入りダイヤモンド原料３００を充填すると共に、切刃部４３０ｂにおける刃先４３０ａ以外の部分に対応する領域にバインダ入り超硬合金原料２００を充填する。そして、バインダ入りダイヤモンド原料３００及びバインダ入り超硬合金原料２００が充填された成形金型３１に上側押え部材３２を配置してプレス成形する。このようにすることによって、刃先４３０ａに対応する領域にバインダ入りダイヤモンド原料３００が配置された成形体を製造することができる。

次に、図５に示すように、焼結炉４０によってプレス成形工程によって作られた成形体のバインダを脱脂すると共に予備焼結する予備焼結工程を行う。この予備焼結工程においては、成形体は、粉末同士が接合して固形状を保つ程度になるまで簡易焼結される。

次に、図６に示すように、予備焼結工程後に予備焼結された成形体に対して刃先４３０ａに開口部を有するクーラント供給穴４２０を形成する穴形成工程を行う。予備焼結工程後に予備焼結された成形体は、固形状を保つ程度の硬さであるため、この時点で棒状部材などによって成形体に穴をあけて刃先４３０ａに開口部を有するクーラント供給穴４２０を形成する。

そして、図７に示すように、焼結炉４０によって穴形成工程後にクーラント供給穴４２０が形成された予備焼結された成形体を焼結する本焼結工程を行う。なお、予備焼結工程及び本焼結工程においては、ダイヤモンドの炭化温度よりも低い温度で焼結を行うものである。

このようにすることによって、切屑排出溝４１０を備え、アルミ材との親和性の低いダイヤモンドでできた刃先（ダイヤモンド部３２０ｂ）にクーラント供給穴の開口部が形成された、切屑が溶着することを確実に防止することができる刃具を製造することができる。

なお、本実施の形態においては、本発明の刃具をその一つの実施形態であるドリルに適用した場合について説明したが本発明はこれに限定されるものではない。アルミ材を加工する刃具であれば本発明の目的を達成できるものであり、例えば、ねじ加工工具の一つであるタップなどにも適用することができる。

また、本実施の形態においては、被加工体の材料としてアルミ材を適用した例を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ダイヤモンドとの親和性の低い非鉄金属材であれば本発明の目的は達成できるものである。

本発明の実施の形態におけるドリル４００を示す断面図である。本発明の実施の形態におけるドリル４００の製造工程の攪拌・混合工程の概略を示す透視図である。本発明の実施の形態におけるドリル４００の製造工程の乾燥工程の概略を示す透視図である。本発明の実施の形態におけるドリル４００の製造工程のプレス成形工程の概略を示す透視図である。本発明の実施の形態におけるドリル４００の製造工程の予備焼結工程の概略を示す透視図である。本発明の実施の形態におけるドリル４００の製造工程の成形工程の概略を示す透視図である。本発明の実施の形態におけるドリル４００の製造工程の本焼結工程の概略を示す透視図である。

符号の説明

１０アトライター、１１容器、１２棒部、１３羽部、２０攪拌装置、２１容器、２２基部、２３攪拌部、３０油圧プレス機、３１成形金型、３２上側押え部材、３３下側押え部材、４０焼結炉、１００超硬合金原料、２００バインダ入り超硬合金原料、３００バインダ入りダイヤモンド原料、４００ドリル、４１０切屑排出溝、４２０クーラント供給穴、４３０ａ刃先、４３０ｂ切刃部

Claims

回転することよって非鉄金属材を加工する刃具であって、
前記非鉄金属材の加工部位にクーラントを供給するクーラント供給穴と、
加工によって生じた前記非鉄金属材の切屑を排出する螺旋状の切屑排出溝と、
ダイヤモンド粉末とバインダ材とからなり、前記クーラント供給穴の開口部が形成された刃先と、
を備えることを特徴とする刃具。
少なくとも刃具の刃先及び螺旋状の切屑排出溝に対応する内部形状を有する成形金型における前記刃先に対応する領域にバインダとダイヤモンド粒とが充填され、前記成形金型内における前記刃先以外の部位に対応する領域にバインダと金属粒とが充填された状態でプレス成形して成形体を作るプレス成形工程と、
前記プレス成形工程後に前記成形体を予備焼結する予備焼結工程と、
前記予備焼結工程後に前記予備焼結された前記成形体に対して前記刃先に開口部を有するクーラント供給穴を形成する穴形成工程と、
前記穴形成工程後に前記クーラント供給穴が形成された前記予備焼結された前記成形体を焼結する焼結工程と、
を備えることを特徴とする刃具の製造方法。