JP2008076696A - アクチュエータ、光スキャナおよび画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のアクチュエータ1は、質量部21と、支持部24、25と、弾性部22、23と、駆動手段4と、質量部21の駆動および/または挙動検知のための半導体回路52とを有し、駆動手段4を作動させることで質量部21を回動させるように構成され、弾性部22、23は、シリコンを主材料として構成されたシリコン部221、231と、該シリコン部に接合され樹脂材料を主材料として構成された樹脂部222、232とを有し、支持部24、25は、弾性部22、23のシリコン部221、231と接続しシリコンを主材料として構成されたシリコン部241、251を備え、半導体回路52は、支持部24のシリコン部241に設けられている。
【選択図】図3
Description
特許文献1には、1自由度振動系の捩り振動子を備えるアクチュエータが開示されている。このようなアクチュエータは、1自由度振動系の捩り振動子として、質量部と、固定枠部と、質量部を固定枠部に対して回動可能に連結する1対の捩りバネを有している。そして、質量部が、その両側から1対の捩りバネにより支持されている構造を有している。そして、質量部上には光反射性を有する光反射部が設けられており、1対の捩りバネを捩れ変形させながら質量部を回動駆動させて、光反射部で光を反射し走査する。これにより、光走査により描画を行うことができる。
このアクチュエータにおいて、質量部を高速駆動させたい場合には、弾性部のねじりバネ定数を高くしなければならず、その方法としては、例えば、(1)弾性部の厚さを大きくする、(2)弾性部の長手方向での長さを短くするなどが挙げられる。
一方、質量部を低速駆動させたい場合には、弾性部のねじりバネ定数を低くしなければならず、その方法としては、例えば、(1)捩りバネの長手方向での長さを長くする、(2)質量部の質量を大きくするなどが挙げられる。
しかし、捩れ検出回路および/または駆動回路は、光偏向器自体に設けられていない。したがって、光偏向器全体の大型化を招き、光偏向器の小型化を図るのが難しい。
本発明のアクチュエータは、質量部と、
前記質量部を支持するための支持部と、
前記質量部を回動可能に前記支持部に連結する連結部と、
前記質量部を回動駆動させるための駆動手段と、
前記質量部を駆動させるための半導体回路とを有し、
前記連結部は、弾性部を備え、前記駆動手段を作動させることで、前記弾性部を捩り変形させつつ前記質量部を回動させるように構成されたアクチュエータであって、
前記弾性部は、シリコンを主材料として構成されたシリコン部と、該シリコン部に接合され樹脂材料を主材料として構成された樹脂部とを有し、
前記支持部は、前記弾性部のシリコン部と接続しシリコンを主材料として構成されたシリコン部を少なくとも備え、
前記半導体回路は、前記支持部の前記シリコン部に設けられていることを特徴とする。
これにより、小型化を図りつつ、バネ定数の微調整を行うことのできるアクチュエータを提供することができる。
前記挙動検知手段は、
前記弾性部に設けられた応力検出素子と、
前記応力検出素子に接続された増幅回路とを有し、
前記増幅回路からの信号に基づいて前記質量部の挙動を検知するように構成され、
前記半導体回路には、前記増幅回路が含まれていることが好ましい。
これにより、前記増幅回路と前記応力検出素子との間の距離を小さくすることができ、前記増幅回路と前記応力検出素子との間でのノイズの発生を抑制することができる。その結果、より正確に前記質量部の挙動を検知することができる。
前記挙動検知手段は、
前記質量部に設けられた受光素子と、
前記光学素子に接続された増幅回路とを有し、
前記増幅回路からの信号に基づいて前記質量部の挙動を検知するように構成され、
前記半導体回路には、前記増幅回路が含まれていることが好ましい。
これにより、前記増幅回路と前記受光素子との間の距離を小さくすることができ、前記増幅回路と前記受光素子との間でのノイズの発生を抑制することができる。その結果、より正確に前記質量部の挙動を検知することができる。
これにより、アクチュエータを所望の回動特性で回動させることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記弾性部は、該弾性部の前記シリコン部と該弾性部の前記樹脂部とが、質量部の平面視にて、前記質量部の厚さ方向に積層していることが好ましい。
これにより、前記質量部の平面視にて、前記質量部の回動中心軸に平行かつ垂直な線に対して、前記各弾性部をほぼ対象となるように形成することができるため、前記質量部を安定的に回動させることができる。
これにより、アクチュエータの機械的強度を向上させることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記弾性部の前記樹脂部は、前記弾性部の長手方向のほぼ全域にわたって形成されていることが好ましい。
これにより、前記弾性部の前記シリコン部と前記弾性部の前記樹脂部との位置関係がずれることにより、1対の前記弾性部のねじりバネ定数が変動してしまうことを防止することができる。
これにより、前記弾性部の物理的特性を長手方向の全域にわたって均一にすることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記弾性部の前記シリコン部の厚さが、前記弾性部の長手方向のほぼ全域にわたって、ほぼ均一であることが好ましい。
これにより、前記弾性部の物理的特性を長手方向の全域にわたって均一にすることができる。
これにより、アクチュエータの機械的強度を向上させることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記支持部の前記樹脂部は、前記半導体回路を覆うように設けられていることが好ましい。
これにより、前記支持部の前記樹脂部に前記半導体回路の配線などを形成することができ、前記半導体回路内での短絡を防止することができる。また、配線のパターニングなど設計の自由度を増加させ、アクチュエータの製造の容易化を図ることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記質量部は、前記弾性部の樹脂部と一体化され、該樹脂部と同一の材料で構成された樹脂部を有することが好ましい。
これにより、アクチュエータの機械的強度を向上させることができる。
前記質量部の樹脂部に設けられたコイルと、
前記コイルに電圧を印加する電圧印加手段とを有し、
前記電圧印加手段により前記コイルに電圧を印加することで、前記質量部を回動させるように構成されていることが好ましい。
これにより、前記質量部の樹脂部が絶縁層として機能するため、前記コイルの配線間での短絡を防止することができる。また、別途絶縁層を設ける必要がなく、アクチュエータの製造工程の簡易化を図ることができる。
本発明のアクチュエータでは、前記質量部には、光反射性を有する光反射部が設けられていることが好ましい。
これにより、本発明のアクチュエータを光学デバイスとして用いることができる。
前記質量部を支持するための支持部と、
前記質量部を回動可能に前記支持部に連結する連結部と、
前記質量部を回動駆動させるための駆動手段と、
前記質量部を駆動させるための半導体回路とを有し、
前記連結部は、弾性部を備え、前記駆動手段を作動させることで、前記弾性部を捩り変形させつつ前記質量部を回動させ、前記光反射部で反射した光を走査する光スキャナであって、
前記弾性部は、シリコンを主材料として構成されたシリコン部と、該シリコン部に接合され樹脂材料を主材料として構成された樹脂部とを有し、
前記支持部は、前記弾性部のシリコン部と接続しシリコンを主材料として構成されたシリコン部を少なくとも備え、
前記半導体回路は、前記支持部の前記シリコン部に設けられていることを特徴とする。
これにより、小型化を図りつつ、バネ定数の微調整を行うことのできる光スキャナを提供することができる。
前記質量部を支持するための支持部と、
前記質量部を回動可能に前記支持部に連結する連結部と、
前記質量部を回動駆動させるための駆動手段と、
前記質量部を駆動させるための半導体回路とを有し、
前記連結部は、弾性部を備え、前記駆動手段を作動させることで、前記弾性部を捩り変形させつつ前記質量部を回動させ、前記光反射部で反射した光を走査する光スキャナを備えた画像形成装置であって、
前記弾性部は、シリコンを主材料として構成されたシリコン部と、該シリコン部に接合され樹脂材料を主材料として構成された樹脂部とを有し、
前記支持部は、前記弾性部のシリコン部と接続しシリコンを主材料として構成されたシリコン部を少なくとも備え、
前記半導体回路は、前記支持部の前記シリコン部に設けられていることを特徴とする。
これにより、小型で、優れた描画特性を有する画像形成装置を提供することができる。
<第1実施形態>
まず、本発明のアクチュエータの第1実施形態を説明する。
図1は、本発明のアクチュエータの第1実施形態を示す斜視図、図2は、図1中のA−A線断面図、図3は、駆動手段および半導体回路を説明するための図、図4は、図1中のB−B線断面図、図5は、半導体回路を説明するための図、図6は、制御系を説明するためのブロック図である。
なお、以下では、説明の便宜上、図1および図3中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言い、図2および図4中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
基体2は、質量部21と、1対の連結部22、23と、1対の支持部24、25とを備えている。連結部22、23は、それぞれ、長手形状をなし弾性変形可能な弾性部で構成されている。したがって、以下、説明の便宜上、連結部22を「弾性部22」ともいい、連結部23を「弾性部23」ともいう。
このような1対の弾性部22、23は、非駆動時での質量部21の平面視にて、質量部21を中心として、ほぼ左右対称となるように設けられている。すなわち、本実施形態にかかるアクチュエータ1は、非駆動時での質量部21の平面視にて、質量部21を中心として、ほぼ左右対称となるように形成されている。
また、質量部21の樹脂部212の下面(シリコン部211と反対の面)には、後述するコイル43が設けられている。
弾性部22および弾性部23は、互いに同軸的に設けられており、これらを回動中心軸(回転軸)Xとして、質量部21が支持部24、25に対して回動可能となっている。
また、弾性部22には、後述する応力検出素子51が設けられている。
弾性部22は、シリコンを主材料として構成されたシリコン部221と、シリコン部221に接合され、樹脂材料を主材料として構成された樹脂部222とで構成されている。これにより、弾性部22のねじりバネ定数を微調整することができる。具体的に説明すれば、一般に、樹脂材料の硬度は、シリコンの硬度に比べて低い(すなわち、柔らかい)。したがって、例えば、弾性部22の厚さ(質量部21の面に垂直な方向での長さ)を変更することにより弾性部22のねじりバネ定数を変化させる場合、樹脂部222の厚さの変化量に対する弾性部22のねじりバネ定数の変化量は、シリコン部221の厚さの変化量に対する弾性部22のねじりバネ定数の変化量と比較して小さい。すなわち、樹脂部222の厚さ(膜厚)を変更することで、弾性部22のねじりバネ定数の微調整を行うことができる。
また、弾性部22、23の厚さを変更するだけで、すなわち、アクチュエータ1の平面示形状を変更することなく使用目的に適した種々のアクチュエータ1を提供することができるため、アクチュエータ1の製造の簡易化および製造コストの削減を図ることができる。
弾性部22の樹脂部222は、弾性部22の長手方向の全域にわたって形成されている。これにより、シリコン部221と樹脂部222との位置関係がずれることにより、弾性部22のバネ定数が変動してしまうことを防止することができる。その結果、アクチュエータ1は、所望の振動特性を発揮することができる。
ここで、シリコン部221の厚さと、樹脂部222の厚さとの関係について説明する。なお、説明の便宜上、弾性部22の平面視形状は一定に保たれるものとする。すなわち、弾性部22の長さ、幅は変化しないものとする。
言い換えすれば、弾性部22の厚さが一定の場合、樹脂部222の厚さが小さくなるほど弾性部22のねじりバネ定数が大きくなり、反対に、樹脂部222の厚さが大きくなるほど弾性部22のねじりバネ定数が小さくなる。
本実施形態のアクチュエータ1によれば、弾性部22のねじりバネ定数を広範囲で調整することができ、かつ、弾性部22のねじりバネ定数を微調整することができる。
以上、質量部21、弾性部22、23、支持部24、25について説明した。このような質量部21と弾性部22、23と支持部24、25とは、一体化(一体的に形成)されている。
このシリコン層は、質量部21のシリコン部211と、弾性部22のシリコン部221と、弾性部23のシリコン部231と、支持部24のシリコン部241と、支持部25のシリコン部251とを一体的に形成している。
一方、樹脂層は、質量部21の樹脂部212と、弾性部22の樹脂部222と、弾性部23の樹脂部232と、支持部24の樹脂部242と、支持部25の樹脂部252とを一体的に形成している。
このような基体2は、後述するように、例えば、シリコンウエハ上に樹脂層を形成し、質量部21、弾性部22、23、支持部24、25の平面示形状に対応するようにエッチングすることにより得られる。これにより、基体2の製造の簡易化を図ることができる。
このような樹脂材料としては、質量部21を回動させることができれば、特に限定されないが、各種熱可塑性樹脂、各種熱硬化性樹脂を用いることができる。この中でも、特に、熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。熱硬化性樹脂は、耐熱性に優れ、変質、変性しにくい性質を持つ。そのため、熱硬化性樹脂を用いることにより、アクチュエータ1は、長期間にわたり、所望の回動特性を維持(発揮)することができる。このような熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂などを好適に用いることができる。
支持基板3は、その上面(基体2に対向する側の面)であって、支持部24に対向する位置に1対の凸部32、33が形成されている。言い換えすれば、支持基板3の上面には凹部30が形成されている。そして、凸部32、33の上面と支持部24、25の下面とを接合させることにより、支持基板3は、基体2を支持している。
このような支持基板3は、例えば、ガラスやシリコンを主材料として構成されている。
駆動手段4は、図3に示すように、質量部21の樹脂部212に設けられたコイル43と、コイル43に電圧を印加する交流電源(電圧印加手段)44と、質量部21を介して、回動中心軸Xに直角な方向に対向するように設けられた1対の磁石41、42とを有している。このような駆動手段4は、交流電源44からコイル43へ交流電圧を印加することで、質量部21を支持部24、25に対して振動(回動)させるように構成されている。
このような磁石41、42としては、特に限定されないが、ネオジウム磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石などの永久磁石(硬磁性体)を好適に用いることができる。
なお、説明の便宜上、図4に示すように、磁石41の磁石42と対向する側の面をS極とし、磁石42の磁石41と対向する側の面をN極とした場合について代表して説明する。また、図4について、紙面上側を「上」とし、紙面下側を「下」とする。
まず、交流電源44により、端子431から端子432へ向けてコイル43に電流を流した場合(以下「第1の状態」という)について説明する。この場合、質量部21の回動中心軸Xよりも磁石42側の部分には、図4にて下方向の電磁力が作用する(フレミングの左手の法則)。一方、質量部21の回動中心軸Xよりも磁石41側の部分には、図4にて上方向の電磁力が作用する。これにより、質量部21は、図4にて、回動中心軸Xを軸として反時計回りに回転する。
さらに、電圧印加手段として交流電源44を用いることで、第1の状態と第2の状態とを周期的に、かつ、円滑に切り換えることができ、質量部21を円滑に回動させることができる。ただし、電圧印加手段としては、コイル43に電圧を印加することができれば、本実施形態(交流電源44)に限定されず、例えば、直流電源を用いてもよい。この場合には、例えば、コイル43に直流電圧を間欠的に印加することで、質量部21を支持部24に対して回動させることができる。
挙動検知手段5は、図3および図5に示すように、弾性部22のシリコン部221の下面(樹脂部222側の面)に設けられた応力検出素子51と、支持部24のシリコン部241に形成され、応力検出素子51に電気的に接続された増幅回路(半導体回路)52とを有している。また支持部24の樹脂部242には、応力検出素子51と増幅回路52とを接続するための貫通孔53が複数形成されている。また、支持部24の樹脂部242には、入力端子521と出力端子522とが形成されており、これらは、それぞれ増幅回路52と電気的に接続されている。
なお、応力検出素子51の抵抗値変化に基づく電流値(電気信号)の変化は、微弱であるため、本実施形態のように、増幅回路52により電気信号を増幅させることで、質量部21の挙動をより正確に検知することができる。
このような増幅回路52が形成されたシリコン部241の下面には、増幅回路52を覆うように樹脂部242が設けられている。これにより、樹脂部242の下面に増幅回路52の配線をパターニングすることができ、設計の自由度が拡大し、アクチュエータ1の製造工程の簡易化を図ることができる。
このようなアクチュエータ1は、例えば、次のようにして製造することができる。
図7および図8は、それぞれ、第1実施形態のアクチュエータ1の製造方法を説明するための図(縦断面図)である。なお、以下では、説明の便宜上、図7および図8中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
また、基体2を得る工程を[A1]とし、支持基板3を得る工程を[A2]とし、基体2と支持基板3からアクチュエータ1を得る工程を[A3]とする。
次に、図7(b)に示すように、シリコン基板60の上面であって支持部24に対応する位置に増幅回路(半導体回路)52を形成する。増幅回路52の形成方法としては、特に限定されず、例えば、シリコン基板60上にホウ素、イリジウム、カリウムなどの不純物を拡散させることにより形成することができる。
さらに、弾性部22に対応する位置に応力検出素子51を形成する(図示せず)。応力検出素子51を形成する方法としては、例えば、応力検出素子51に対応する金属マスクをシリコン基板60上に形成し、ホウ酸などの不純物を拡散させる方法などが挙げられる。
次に、樹脂層70の上面に図示しない、例えば、Cu、Alなどの金属膜を形成する。このとき、貫通孔53には、金属膜を形成する金属材料が充填されることとなる。この金属膜をコイル43および増幅回路52と応力検出素子51とを接続する配線のパターニング形状(平面視形状)に対応するようにエッチングする。これにより、図7(d)に示すように、樹脂層70の上面にコイル43等が形成された複合基板を得ることができる。
次に、図7(e)に示すように、樹脂部70の上面(コイル43が形成されている面)に、質量部21と支持部24、25と、弾性部22、23との形状(平面視形状)に対応するように、例えば、アルミニウム等により金属マスク80を形成する。
エッチング方法としては、例えば、プラズマエッチング、リアクティブイオンエッチング、ビームエッチング、光アシストエッチング等の物理的エッチング法を用いることができる。
この後、シリコン部211の下面に金属膜を成膜し、光反射部213を形成する。これにより、質量部21と弾性部22、23と支持部24、25とが一体的に形成された基体2が得られる。
そして、図8(h)に示すように、シリコン基板61の一方の面(下面)に、開口部31を形成する領域を除いた部分に対応するように、例えば、アルミニウム等により金属マスク82を形成する。また、シリコン基板61の他方の面(上面)に、凹部30に対応するように、例えば、アルミニウム等により金属マスク83を形成する。
[A3]次に、図8(j)に示すように、前記工程[A1]で得られた基体2と、前記工程[A2]で得られた支持基板3とを例えば接着剤により接合し、アクチュエータ1を得る。
以上のようにして、第1実施形態のアクチュエータ1が製造される。
次に、本発明のアクチュエータの第2実施形態について説明する。
図9は、本発明のアクチュエータの第2実施形態を示す斜視図、図10は、挙動検知手段を説明するための図である。
以下、第2実施形態のアクチュエータ1Aについて、前述した第1実施形態のアクチュエータ1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
すなわち、挙動検知手段5Aは、質量部21に設けられたフォトダイオード(光学素子)54Aと、支持部24のシリコン部241に形成された増幅回路(半導体回路)52Aと、支持部25に設けられた光源55Aとを有している。このような挙動検知手段5Aは、増幅回路52Aからの信号に基づいて質量部21の挙動を検知するように構成されている。
光源55Aは、回動中心軸Xと平行な方向であって、支持部25から質量部21へ向けて光を照出するように設けられている。
このように光源55Aおよびフォトダイオード54Aをそれぞれ設けることにより、質量部21の回動時にて、フォトダイオード54Aが受光する光量を変化させることができる。ここで、フォトダイオード54Aは、受光量に対応してフォトダイオード54A内を流れる電流の量や発生する電圧値が変化する性質を有する。したがって、質量部21の回動に対応してフォトダイオード54Aに流れる電流値や電圧値(電気信号)が変化することとなり、その電気信号の変化を増幅回路52Aで増幅し、増幅後の信号に基づいて、質量部21の挙動を検知する。これにより、挙動検知手段5は、より正確に質量部21の挙動を検知することができる。
以上、本発明にかかるアクチュエータについて説明したが、本発明にかかるアクチュエータは、光反射部を備えているため、例えば、光スキャナ、光スイッチ、光アッテネータなどの光学デバイスに適用することができる。
具体的に、図11に示すようなプロジェクタ9について説明する。なお、説明の便宜上、スクリーンSの長手方向を「横方向(水平方向)」といい、長手方向に直角な方向を「縦方向(鉛直方向)」という。
光源装置91は、赤色光を照出する赤色光源装置911と、青色光を照出する青色光源装置912と、緑色光を照出する緑色光源装置913とを備えている。
クロスダイクロイックプリズム92は、4つの直角プリズムを貼り合わせて構成され、赤色光源装置911、赤色光源装置912、赤色光源装置913のそれぞれから照出された光を合成する光学素子である。
ここで、光スキャナ93、94の光走査について具体的に説明する。
このような光スキャナ93、94として本発明にかかる光スキャナを用いることにより、小型で、優れた描画特性を有するプロジェクタ(画像形成装置)9を提供することができる。
また、前述した実施形態では、アクチュエータの中心を通り質量部や駆動部の回動中心軸Xに直角な面に対しほぼ対称(左右対称)な形状をなしている構造を説明したが、非対称であってもよい。
また、前述した実施形態では、弾性部が、その長手方向の全域にわたって、樹脂部とシリコン部との積層体で形成されているものについて説明したが、1対の弾性部のねじりバネ定数の調整が可能であれば、これに限定されず、例えば、シリコン部および/または樹脂部が弾性部の長手方向での一部にのみ形成されているものであってもよい。
また、前述した実施形態では、各連結部は、1つの弾性部(弾性部材)で構成されているものについて説明したが、質量部を回動させることができれば、これに限定されない。
Claims (16)
- 質量部と、
前記質量部を支持するための支持部と、
前記質量部を回動可能に前記支持部に連結する連結部と、
前記質量部を回動駆動させるための駆動手段と、
前記質量部を駆動させるための半導体回路とを有し、
前記連結部は、弾性部を備え、前記駆動手段を作動させることで、前記弾性部を捩り変形させつつ前記質量部を回動させるように構成されたアクチュエータであって、
前記弾性部は、シリコンを主材料として構成されたシリコン部と、該シリコン部に接合され樹脂材料を主材料として構成された樹脂部とを有し、
前記支持部は、前記弾性部のシリコン部と接続しシリコンを主材料として構成されたシリコン部を少なくとも備え、
前記半導体回路は、前記支持部の前記シリコン部に設けられていることを特徴とするアクチュエータ。 - 前記質量部の挙動を検知する挙動検知手段を有し、
前記挙動検知手段は、
前記弾性部に設けられた応力検出素子と、
前記応力検出素子に接続された増幅回路とを有し、
前記増幅回路からの信号に基づいて前記質量部の挙動を検知するように構成され、
前記半導体回路には、前記増幅回路が含まれている請求項1に記載のアクチュエータ。 - 前記質量部の挙動を検知する挙動検知手段を有し、
前記挙動検知手段は、
前記質量部に設けられた受光素子と、
前記光学素子に接続された増幅回路とを有し、
前記増幅回路からの信号に基づいて前記質量部の挙動を検知するように構成され、
前記半導体回路には、前記増幅回路が含まれている請求項1に記載のアクチュエータ。 - 前記挙動検知手段の検知結果に基づいて、前記駆動手段の作動を制御する制御手段を有する請求項2または3に記載のアクチュエータ。
- 前記弾性部は、該弾性部の前記シリコン部と該弾性部の前記樹脂部とが、質量部の平面視にて、前記質量部の厚さ方向に積層している請求項1ないし4のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 前記弾性部は、長手形状をなし、その長手方向のほぼ全域にわたり該弾性部の前記シリコン部が形成されている請求項5に記載のアクチュエータ。
- 前記弾性部の前記樹脂部は、前記弾性部の長手方向のほぼ全域にわたって形成されている請求項6に記載のアクチュエータ。
- 前記弾性部の厚さが、該弾性部の長手方向のほぼ全域にわたって、ほぼ均一である請求項7に記載のアクチュエータ。
- 前記弾性部の前記シリコン部の厚さが、前記弾性部の長手方向のほぼ全域にわたって、ほぼ均一である請求項8に記載のアクチュエータ。
- 前記支持部は、前記弾性部の樹脂部と一体化され、該樹脂部と同一の材料で構成された樹脂部を有する請求項7ないし9のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 前記支持部の前記樹脂部は、前記半導体回路を覆うように設けられている請求項10に記載のアクチュエータ。
- 前記質量部は、前記弾性部の樹脂部と一体化され、該樹脂部と同一の材料で構成された樹脂部を有する請求項7ないし11のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 前記駆動手段は、
前記質量部の樹脂部に設けられたコイルと、
前記コイルに電圧を印加する電圧印加手段とを有し、
前記電圧印加手段により前記コイルに電圧を印加することで、前記質量部を回動させるように構成されている請求項12に記載のアクチュエータ。 - 前記質量部には、光反射性を有する光反射部が設けられている請求項1ないし13のいずれかに記載のアクチュエータ。
- 光反射性を有する光反射部を備えた質量部と、
前記質量部を支持するための支持部と、
前記質量部を回動可能に前記支持部に連結する連結部と、
前記質量部を回動駆動させるための駆動手段と、
前記質量部を駆動させるための半導体回路とを有し、
前記連結部は、弾性部を備え、前記駆動手段を作動させることで、前記弾性部を捩り変形させつつ前記質量部を回動させ、前記光反射部で反射した光を走査する光スキャナであって、
前記弾性部は、シリコンを主材料として構成されたシリコン部と、該シリコン部に接合され樹脂材料を主材料として構成された樹脂部とを有し、
前記支持部は、前記弾性部のシリコン部と接続しシリコンを主材料として構成されたシリコン部を少なくとも備え、
前記半導体回路は、前記支持部の前記シリコン部に設けられていることを特徴とする光スキャナ。 - 光反射性を有する光反射部を備えた質量部と、
前記質量部を支持するための支持部と、
前記質量部を回動可能に前記支持部に連結する連結部と、
前記質量部を回動駆動させるための駆動手段と、
前記質量部を駆動させるための半導体回路とを有し、
前記連結部は、弾性部を備え、前記駆動手段を作動させることで、前記弾性部を捩り変形させつつ前記質量部を回動させ、前記光反射部で反射した光を走査する光スキャナを備えた画像形成装置であって、
前記弾性部は、シリコンを主材料として構成されたシリコン部と、該シリコン部に接合され樹脂材料を主材料として構成された樹脂部とを有し、
前記支持部は、前記弾性部のシリコン部と接続しシリコンを主材料として構成されたシリコン部を少なくとも備え、
前記半導体回路は、前記支持部の前記シリコン部に設けられていることを特徴とする画像形成装置。
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