JP4882595B2 - 光スキャナおよび画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光スキャナおよび画像形成装置に関するものである。
例えば、レーザープリンタ等にて光走査により描画を行うための光スキャナとして、捩り振動子で構成されたアクチュエータを用いたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1には、1自由度振動系の捩り振動子を備えるアクチュエータが開示されている。このようなアクチュエータは、1自由度振動系の捩り振動子として、質量部と、固定枠部と、質量部を固定枠部に対して回動可能に連結する1対の捩りバネを有している。そして、質量部が、その両側から1対の捩りバネにより支持されている構造を有している。そして、質量部上には光反射性を有する光反射部が設けられており、1対の捩りバネを捩れ変形させながら質量部を回動駆動させて、光反射部で光を反射し走査する。これにより、光走査により描画を行うことができる。
このようなアクチュエータは、シリコン基板(シリコンウエハ)をエッチングすることにより、質量部と1対の捩りバネと固定枠部とが一体的に形成されている。
このアクチュエータにおいて、質量部を高速駆動させたい場合には、弾性部のねじりバネ定数を高くしなければならず、その方法としては、例えば、(1)弾性部の厚さを大きくする、(2)弾性部の長手方向での長さを短くするなどが挙げられる。
しかし、シリコンは、比較的硬いため、上記(1)、(2)のような方法を用いた場合には、弾性部の長さおよび/または厚さの変化量に対する弾性部のねじりバネ定数の変化量が大きくなってしまう。すなわち、弾性部のねじりバネ定数の微調整が困難であるという問題がある。
一方、質量部を低速駆動させたい場合には、弾性部のねじりバネ定数を低くしなければならず、その方法としては、例えば、(1)捩りバネの長手方向での長さを長くする、(2)質量部の質量を大きくするなどが挙げられる。
しかし、上記(1)、(2)のような方法を用いた場合には、アクチュエータの大型化を招くこととなる。すなわち、アクチュエータの小型化を図りつつ、低速駆動させることが困難であるという問題がある。
以上より、特許文献1にかかるアクチュエータは、ねじりバネ定数の微調整が困難であり、かつ、使用目的(例えば、高速駆動用アクチュエータ、低速駆動用アクチュエータ)に適した種々のアクチュエータを提供することが困難であるという問題がある。
特開2004−191953号公報
本発明の目的は、バネ定数の微調整を行うことのできる光スキャナおよび画像形成装置を提供することにある。
このように、一般にシリコンよりも低い硬度を有する樹脂材料を主材料とした前記樹脂部を前記シリコン部上に形成することで、1対の前記弾性部のねじりバネ定数の微調整が可能となる(前記樹脂部の厚さの変化量に対する前記弾性部のねじりバネ定数の変化量が、前記シリコン部の厚さの変化量に対する前記弾性部のねじりバネ定数の変化量と比べて小さいため)。
また、前記シリコン部と前記樹脂部との構成比(厚さの比など)を変更することにより、使用目的(例えば、高速駆動用アクチュエータ、低速駆動用アクチュエータなど)に適した種々のアクチュエータを提供することができる。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の光スキャナは、光反射性を有する光反射部を備え、板状をなす質量部、前記質量部を支持するための支持部、および、前記質量部を前記支持部に対し回動可能とするように前記質量部と前記支持部とを連結し、長手形状をなし弾性変形可能な一対の弾性部を有する基体と、前記基体を支持する支持基板と、前記質量部を回動駆動させるための駆動手段と、前記質量部の挙動を検知する挙動検知手段とを有し、前記駆動手段を作動させることにより、前記弾性部を捩れ変形させながら、前記質量部を回動させ、前記光反射部で反射した光を走査する光スキャナであって、
前記質量部は、樹脂材料を主材料として構成された板状の第1の樹脂部と、前記第1の樹脂部の前記支持基板と反対側の面に設けられ、シリコンを主材料として構成された板状の第1のシリコン部と、前記第1のシリコン部の前記第1の樹脂部と反対の面に設けられた前記光反射部とを有し、
各前記弾性部は、前記第1の樹脂部の主材料である前記樹脂材料と同一の樹脂材料を主材料として構成された第2の樹脂部と、前記第2の樹脂部の前記支持基板と反対側の面に設けられ、シリコンを主材料として構成された第2のシリコン部とで構成され、
前記支持部は、前記第1の樹脂部の主材料である前記樹脂材料と同一の樹脂材料を主材料として構成された第3の樹脂部と、前記第3の樹脂部の前記支持基板と反対側の面に設けられ、シリコンを主材料として構成された第3のシリコン部とで構成され、
前記支持部の前記支持基板側の面は、前記支持基板に接合される部位と、前記支持基板から露出する部位とを有し、
前記第1の樹脂部、前記第2の樹脂部および前記第3の樹脂部が一体的に形成されているとともに、前記第1のシリコン部、前記第2のシリコン部および前記第3のシリコン部が一体的に形成されており、
前記駆動手段は、前記第1の樹脂部の前記第1のシリコン部と反対側の面に設けられたコイルと、
前記コイルに電気的に接続された一対の端子と、
前記一対の端子を介して前記コイルに交流電圧を印加する交流電源と、
前記質量部を介して前記質量部の回動中心軸に直交する方向に対向配置されるとともに、対向する面側が互いに異なる磁極となるよう設けられた一対の永久磁石とを有し、
前記交流電源から前記コイルへ前記交流電圧を印加することにより、前記質量部を前記支持部に対して回動させるように構成され、
前記挙動検知手段は、前記弾性部に設けられたピエゾ抵抗素子と、
前記第1のシリコン部の前記第1の樹脂部側の面に形成され、前記ピエゾ抵抗素子と電気的に接続された増幅回路と、
前記増幅回路に電気的に接続された入力端子および出力端子とを有し、
前記弾性部の捩れ変形の程度に応じて変化する前記ピエゾ抵抗素子を流れる電気信号を、前記増幅回路で増幅し、増幅後の信号に基づいて前記質量部の挙動を検知するよう構成され、
前記一対の端子、前記入力端子および前記出力端子は、それぞれ、前記支持部の前記支持基板側の面の前記支持基板から露出する部位に形成されていることを特徴とする。
このように、一般にシリコンよりも低い硬度を有する樹脂材料を主材料とした前記樹脂部を前記シリコン部上に形成することで、1対の前記弾性部のねじりバネ定数の微調整が可能となる(前記樹脂部の厚さの変化量に対する前記弾性部のねじりバネ定数の変化量が、前記シリコン部の厚さの変化量に対する前記弾性部のねじりバネ定数の変化量と比べて小さいため)。
また、前記シリコン部と前記樹脂部との構成比(厚さの比など)を変更することにより、使用目的(例えば、高速駆動用光スキャナ、低速駆動用光スキャナなど)に適した種々の光スキャナを提供することができる。
本発明の画像形成装置は、光反射性を有する光反射部を備え、板状をなす質量部、前記質量部を支持するための支持部、および、前記質量部を前記支持部に対し回動可能とするように前記質量部と前記支持部とを連結し、長手形状をなし弾性変形可能な一対の弾性部を有する基体と、前記基体を支持する支持基板と、前記質量部を回動駆動させるための駆動手段と、前記質量部の挙動を検知する挙動検知手段とを有し、前記駆動手段を作動させることにより、前記弾性部を捩れ変形させながら、前記質量部を回動させ、前記光反射部で反射した光を走査する光スキャナを備えた画像形成装置であって、
前記質量部は、樹脂材料を主材料として構成された板状の第1の樹脂部と、前記第1の樹脂部の前記支持基板と反対側の面に設けられ、シリコンを主材料として構成された板状の第1のシリコン部と、前記第1のシリコン部の前記第1の樹脂部と反対の面に設けられた前記光反射部とを有し、
各前記弾性部は、前記第1の樹脂部の主材料である前記樹脂材料と同一の樹脂材料を主材料として構成された第2の樹脂部と、前記第2の樹脂部の前記支持基板と反対側の面に設けられ、シリコンを主材料として構成された第2のシリコン部とで構成され、
前記支持部は、前記第1の樹脂部の主材料である前記樹脂材料と同一の樹脂材料を主材料として構成された第3の樹脂部と、前記第3の樹脂部の前記支持基板と反対側の面に設けられ、シリコンを主材料として構成された第3のシリコン部とで構成され、
前記支持部の前記支持基板側の面は、前記支持基板に接合される部位と、前記支持基板から露出する部位とを有し、
前記第1の樹脂部、前記第2の樹脂部および前記第3の樹脂部が一体的に形成されているとともに、前記第1のシリコン部、前記第2のシリコン部および前記第3のシリコン部が一体的に形成されており、
前記駆動手段は、前記第1の樹脂部の前記第1のシリコン部と反対側の面に設けられたコイルと、
前記コイルに電気的に接続された一対の端子と、
前記一対の端子を介して前記コイルに交流電圧を印加する交流電源と、
前記質量部を介して前記質量部の回動中心軸に直交する方向に対向配置されるとともに、対向する面側が互いに異なる磁極となるよう設けられた一対の永久磁石とを有し、
前記交流電源から前記コイルへ前記交流電圧を印加することにより、前記質量部を前記支持部に対して回動させるように構成され、
前記挙動検知手段は、前記弾性部に設けられたピエゾ抵抗素子と、
前記第1のシリコン部の前記第1の樹脂部側の面に形成され、前記ピエゾ抵抗素子と電気的に接続された増幅回路と、
前記増幅回路に電気的に接続された入力端子および出力端子とを有し、
前記弾性部の捩れ変形の程度に応じて変化する前記ピエゾ抵抗素子を流れる電気信号を、前記増幅回路で増幅し、増幅後の信号に基づいて前記質量部の挙動を検知するよう構成され、
前記一対の端子、前記入力端子および前記出力端子は、それぞれ、前記支持部の前記支持基板側の面の前記支持基板から露出する部位に形成されていることを特徴とする。
これにより、優れた描画特性を有する画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の光学デバイスの好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の光学デバイスの第1実施形態を説明する。
図1は、本発明の光学デバイスの第1実施形態を示す斜視図、図2は、図1中のA−A線断面図、図3は、駆動手段を説明するための図、図4は、図1中のB−B線断面図、図5は、半導体回路を説明するための概略図である。
なお、以下では、説明の便宜上、図1中の紙面手前側を「上」、紙面奥側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言い、図2、図4中の上側を「上」、下側を「下」、右側を「右」、左側を「左」と言う。
アクチュエータ1は、図1に示すような1自由度振動系を有する基体2と、この基体2を支持する支持基板3とを有している。さらに、アクチュエータ1は、質量部21を回動させるための駆動手段4と、質量部21の挙動を検知するための挙動検知手段5とを有している。駆動手段4および挙動検知手段5については後に詳述する。
基体2は、質量部21と、1対の連結部22、23と、支持部24とを備えている。
このようなアクチュエータ1にあっては、後述するコイル43に電圧を印加することにより1対の連結部22、23を捩れ変形させながら、質量部21を回動させるように構成されている。このとき、1対の連結部22、23は、図1に示す回動中心軸Xを中心にして回動する。
このような1対の連結部22、23は、非駆動時での質量部21の平面視にて、質量部21を中心として、ほぼ左右対称となるように設けられている。すなわち、本実施形態にかかるアクチュエータ1は、非駆動時での質量部21の平面視にて、質量部21を中心として、ほぼ左右対称となるように形成されている。さらに、アクチュエータ1は、平面視にて、回動中心軸Xに対して対称となるように形成されている。
質量部21は、シリコンを主材料として構成された板状のシリコン部(第1のシリコン部)211と、樹脂材料を主材料として構成された樹脂部(第1の樹脂部)212と、光反射性を有する光反射部213とを有している。
樹脂部212は、図2に示すように、シリコン部211の下面(支持基板3に対向する側の面)に設けられている。また、樹脂部212は、平面視にて、シリコン部211と同一形状かつ同一寸法をなしている。
光反射部213は、図2に示すように、シリコン部211の上面(樹脂部212と反対側の面)に設けられている。
以上より、質量部21は、シリコン部211と、樹脂部212と、光反射部213とが、質量部21の厚さ方向へ積層した積層構造を有しているといえる。また、質量部21は、シリコン部211を樹脂部212と光反射部213とで挟み込むようにして形成されているともいえる。
ここで、一般に、シリコン部211の主材料であるシリコンの硬度は、樹脂部212の主材料である樹脂材料の硬度に比べて高い(すなわち、硬い)。そのため、質量部21にシリコン部211を設けることにより、質量部21の機械的強度を向上させることができる。これにより、質量部21の反り、歪み、撓みなどを抑制することができる。その結果、アクチュエータ1を光スキャナに用いた場合などには、光反射部213により、光を所望の走査位置に走査させることができ、アクチュエータ1は、所望の走査特性を発揮することができる。
シリコン部211の下面(光反射部213と反対側の面)上には、増幅回路(半導体回路)52が形成されている。光反射部213とは反対側の面に半導体回路を設けることにより、光反射部の配置などの設計の自由度を増加させることができる。
また、樹脂部212の下面(本体部211と反対側の面)上には、後述するコイル43が形成されている。
すなわち、本実施形態のアクチュエータ1は、質量部21の厚さ方向において、質量部21の上面から、光反射部213、シリコン部211、増幅回路52、樹脂部212、コイル43の順に形成されている。
このような質量部21は、連結部22、23を介して支持部24に接続されている。
連結部22は、弾性変形(捩れ変形)可能な棒状(長手形状)の弾性部(弾性部材)で構成されている。同様に、連結部23は、弾性変形可能な棒状の弾性部で構成されている。なお、以下、説明の便宜上「連結部22」を「弾性部22」ともいい、「連結部23」を「弾性部23」ともいう。
弾性部22は、質量部21を支持部24に対して回動可能とするように、質量部21と支持部24とを連結している。これと同様に、弾性部23は、質量部21を支持部24に対して回動可能とするように、質量部21と支持部24とを連結している。このような弾性部22および弾性部23は、互いに同一形状かつ同一寸法となっている。
弾性部22および弾性部23は、互いに同軸的に設けられており、これらを回動中心軸(回転軸)Xとして、質量部21が支持部24に対して回動可能となっている。
また、弾性部22には、後述する応力検出素子51が設けられている。
以下、弾性部22および弾性部23について詳述するが、弾性部22と弾性部23とは同様の構成であるため、弾性部22を代表して説明し、弾性部23については、その説明を省略する。
弾性部22は、図2に示すように、シリコンを主材料として構成されたシリコン部(第2のシリコン部)221と、シリコン部221に接合され、樹脂材料を主材料として構成された樹脂部(第2の樹脂部)222とで構成されている。これにより、弾性部22のねじりバネ定数を微調整することができる。具体的に説明すれば、一般に、樹脂材料の硬度は、シリコンの硬度に比べて低い(すなわち、柔らかい)。したがって、例えば、弾性部22の厚さ(質量部21の面に垂直な方向での長さ)を変更することにより弾性部22のねじりバネ定数を変化させる場合、樹脂部222の厚さの変化量に対する弾性部22のねじりバネ定数の変化量は、シリコン部221の厚さの変化量に対する弾性部22のねじりバネ定数の変化量と比較して極めて小さい。すなわち、樹脂部222の厚さを変更することで、弾性部22のねじりバネ定数の微調整を行うことができる。
また、シリコン部221と樹脂部222との構成比(体積比など)を調整(変更)することにより、弾性部22のねじりバネ定数を広範囲にわたって変更することができる。その結果、使用目的(高速駆動用アクチュエータ、低速駆動用アクチュエータなど)に適した種々のアクチュエータを容易に提供することができる。
このようなシリコン部221と樹脂部222とは、平面視にて、質量部21の厚さ方向(質量部21の面に垂直な方向)に積層している。これにより、シリコン部221および/または樹脂部222の厚さ(質量部21の面に垂直な方向での長さ)を調整することにより、弾性部22のねじりバネ定数を調整(変更、微調整)することができる。
また、シリコン部221と樹脂部222とを質量部21の厚さ方向に積層させることで、平面視にて、回動中心軸Xに平行かつ垂直な線に対して、弾性部22を対称的に形成することができる。これにより、回動中心軸Xに対して対象的に質量部21を回動させることができる。すなわち、質量部21を安定的に回動させることができる。
シリコン部221は、弾性部22の長手方向の全域にわたって形成されている。これにより、アクチュエータ1の機械的強度を向上させることができる。
樹脂部222は、弾性部22の長手方向の全域にわたって形成されている。これにより、シリコン部221と樹脂部222との位置関係がずれることにより、弾性部22のバネ定数が変動してしまうことを防止することができる。その結果、アクチュエータ1は、所望の振動特性を発揮することができる。
弾性部22は、その厚さが、弾性部22の長手方向の全域にわたって均一となるように形成されている。また、シリコン部221は、その厚さが、弾性部22の長手方向の全域にわたって均一となるように形成され、さらに、樹脂部222は、その厚さが、弾性部22の長手方向の全域にわたって均一となるように形成されている。これにより、弾性部22の物理的特性を長手方向の全域にわたり均一にすることができる。その結果、質量部21を安定的に回動させることができる。
ここで、シリコン部221の厚さと、樹脂部222の厚さとの関係について説明する。なお、説明の便宜上、弾性部22の平面視形状は一定に保たれるものとする。すなわち、弾性部22の長さ、幅は変化しないものとする。
前述したように、樹脂部222を構成する樹脂材料の硬度は、一般にシリコンの硬度よりも低い。したがって、例えば、弾性部22の厚さが一定の場合、シリコン部221の厚さが小さくなるほど弾性部22のねじりバネ定数が低くなり、反対に、シリコン部221の厚さが大きくなるほど弾性部22のねじりバネ定数が大きくなる。
言い換えすれば、弾性部22の厚さが一定の場合、樹脂部222の厚さが小さくなるほど弾性部22のねじりバネ定数が大きくなり、反対に、樹脂部222の厚さが大きくなるほど弾性部22のねじりバネ定数が小さくなる。
このように、シリコン部221の厚さと樹脂部222の厚さの比を調整することで、弾性部22のねじりバネ定数の粗調整を行うことができる。さらに、樹脂部222の厚さを調整することにより、弾性部22のねじりバネ定数の微調整を行うことができる。
このように、本実施形態のアクチュエータ1によれば、弾性部22のねじりバネ定数を広範囲で調整することができ、かつ、弾性部22のねじりバネ定数を微調整することができる。
以上、弾性部22について詳述した。弾性部23もまた、シリコン部231と樹脂部232とで構成されている(前述したように、詳しい説明は、省略する)。すなわち、本実施形態のアクチュエータ1によれば、1対の弾性部22、23のねじりバネ定数を広範囲で調整(変更)することができ、かつ、1対の弾性部22、23のねじりバネ定数の微調整を行うことができる。
このような弾性部22の一端(図2でいう左側の端)は、支持部24に連結している。同様に、弾性部23の一端(図2でいう右側の端)は、支持部24に連結している。
支持部24は、シリコンを主材料として構成されたシリコン部(第3のシリコン部)241と、樹脂材料を主材料として構成された樹脂部(第3の樹脂部)242とで構成されている。また、シリコン部241と樹脂部242とは、質量部21の厚さ方向に積層している。
以上、質量部21、弾性部22、23、支持部24について説明した。本実施形態では、質量部21と弾性部22、23と支持部24とは、一体化(一体的に形成)されている。
基体2は、シリコン部211とシリコン部221とシリコン部231とシリコン部241とが一体的に形成されたシリコン層と、樹脂部212と樹脂部222と樹脂部232と樹脂部242とが一体的に形成された樹脂層との積層構造からなる。このような基体2は、後述するように、例えば、シリコンウエハ上に樹脂層を形成し、質量部21、弾性部22、23、支持部24の形状に対応してエッチングすることにより得られる。
ここで、基体2において、質量部21の回動時に最も応力が集中する部分は、各弾性部22、23と質量部21との境界部、および、各弾性部22、23と支持部24との境界部である。したがって、本実施形態のように質量部21と弾性部22、23と支持部24とを一体化することで、質量部21と弾性部22、23と支持部24とが別体として形成されている場合(すなわち、例えば質量部21と弾性部22との接合部が、質量部21と弾性部22との境界部に存在する場合)に比べ、機械的強度を向上させることができる。その結果、アクチュエータ1の耐久性が向上し、アクチュエータ1は、長期間にわたって安定した駆動を行うことができる。
このような効果は、1対の弾性部22、23のねじりバネ定数が低くなるほど、すなわち、弾性部22、23の厚さに対する樹脂部222、232の厚さの割合が大きくなるほど顕著となる。
さらに、樹脂部212と樹脂部222と樹脂部232と樹脂部242とは、同一の樹脂材料で一体的に構成されている。このような樹脂材料としては、弾性部22、23を捩れ変形させることにより質量部21を回動させることができれば、特に限定されないが、各種熱可塑性樹脂、各種熱硬化性樹脂を用いることができる。この中でも、特に、熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。熱硬化性樹脂は、耐熱性に優れ、硬く、変質・変性しにくい性質を持つ。そのため、熱硬化性樹脂を用いることにより、アクチュエータ1は、長期間にわたり、所望の回動特性を維持(発揮)することができる。また、アクチュエータ1を光学デバイスとして用いた場合などには、光反射部213で反射しきれなかった光により質量部21が昇温してしまうことが考えられるが、このような場合であっても、熱硬化性樹脂は優れた耐熱性を有しているため、弾性部22、23などが変質・変性してしまうことを防止することができる。その結果、アクチュエータ1は、長時間、連続的に使用される場合であっても、所望の走査特性を維持することができる。
このような熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂などを好適に用いることができる。
以上のような基体2は、支持基板3に支持されている。
支持基板3は、その上面(基体2に対向する側の面)であって、支持部24に対向する位置に1対の凸部32、33が形成されている。言い換えすれば、支持基板3の上面には凹部30が形成されている。そして、その凸部32、33の上面と支持部24の下面とを接合させることにより、支持基板3は、基体2を支持している。
さらに、凹部30の底面には質量部21に対応する部分に開口部31が形成されている。この開口部31は、質量部21が回動(振動)する際に、支持基板3に接触するのを防止する逃げ部を構成する。開口部(逃げ部)31を設けることにより、アクチュエータ1の全体の大型化を防止しつつ、質量部21の振れ角(振幅)をより大きく設定することができる。
なお、前述したような逃げ部は、前記効果を十分に発揮し得る構成であれば、必ずしも支持基板3の下面(基体2と反対側の面)で開放(開口)していなくてもよい。すなわち、逃げ部は、支持基板3の上面に形成された凹部で構成することもできる。また、凹部30の深さ(凸部32、33の高さ)が質量部21の振れ角(振幅)に対し大きい場合などには、開口部31を設けなくともよい。
このような支持基板3は、例えば、ガラスやシリコンを主材料として構成されている。
次に、質量部21を回動させるための駆動手段4について詳述する。
駆動手段4は、図3に示すように、樹脂部212に設けられたコイル43と、コイル43に電圧を印加するための交流電源(電圧印加手段)44と、質量部21を介して、回動中心軸Xに直角な方向に対向するように設けられた1対の磁石(磁極)41、42とを有している。このような駆動手段4は、交流電源44からコイル43へ交流電圧を印加することで、質量部21を支持部24に対して振動(回動)させるように構成されている。
コイル43は、樹脂部212の下面(シリコン部211と反対側の面)上に設けられている。これにより、樹脂部212が絶縁層として機能するため、コイル43の配線間での短絡を防止することができる。また、例えば、シリコン基板上にコイルを設ける場合には、シリコン基板上に絶縁層(酸化膜層)などを形成する必要があるが、本発明にかかるアクチュエータ1では、このような工程を別途設ける必要がない(省くことができる)。このような観点からみれば、製造工程の簡易化を図ることができる。
コイル43は、渦巻状に形成されている。また、コイル43は、質量部21の平面視にて、回動中心軸Xに対してほぼ対称となるようにパターニングされている。これにより、コイル43を設けることによる、回動中心軸Xのぶれを抑制することができる。その結果、質量部21を安定的に回動させることができる。
コイル43を形成する電線(配線)の両端部のうちの一方は、支持部24に設けられた端子431に接続され、他方は、支持部24に設けられた端子432に接続されている。
そして、端子431、432には交流電源44が接続されており、この交流電源44からコイル43へ交流電圧を印加することにより、コイル43から磁界を発生させることができる。
磁石41と42とは、磁石41の磁石42と対向する側の面と、磁石42の磁石41と対向する側の面とが、互いに異なる磁極となるように設けられている。
このような磁石41、42としては、特に限定されないが、ネオジウム磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石、アルニコ磁石などの永久磁石を好適に用いることができる。
以上のような構成の駆動手段4は、次のようにして質量部21を回動(駆動)させる。
なお、説明の便宜上、図4に示すように、磁石41の磁石42と対向する側の面をS極とし、磁石42の磁石41と対向する側の面をN極とした場合について代表して説明する。また、図4について、紙面上側を「上」とし、紙面下側を「下」とする。
まず、交流電源44により、端子431から端子432へ向けてコイル43に電流を流した場合(以下「第1の状態」という)について説明する。この場合、質量部21の回動中心軸Xよりも磁石42側の部分に、図4にて下方向の電磁力が作用する。一方、質量部21の回動中心軸Xよりも磁石41側の部分に、図4にて上方向の電磁力が作用する。これにより、質量部21は、図4にて、回動中心軸Xを軸として反時計回りに回転する。
反対に、交流電源44により、端子432から端子431へ向けてコイル43に電流を流した場合(以下「第2の状態」という)、質量部21のうち、回動中心軸Xよりも磁石42側では、図4にて上方向の電磁力が発生する。一方、質量部21のうち、回動中心軸Xよりも磁石41側では、図4にて下方向の電磁力が発生する。これにより、質量部21は、図4にて、回動中心軸Xを軸として時計回りに回転する。
そして、このような第1の状態と第2の状態とを交互に繰り返すことにより、弾性部22、23を捩れ変形させながら、質量部21を支持部24に対して回動させることができる。
さらに、電圧印加手段として交流電源44を用いることで、第1の状態と第2の状態とを周期的に、かつ、円滑に切り換えることができ、質量部21を円滑に回動させることができる。ただし、電圧印加手段としては、コイル43に電圧を印加することができれば、本実施形態(交流電源44)に限定されず、例えば、直流電源を用いてもよい。この場合には、例えば、コイル43に直流電圧を間欠的に印加することで、質量部21を支持部24に対して回動させることができる。
次に、挙動検知手段5について、図5に基づいて詳述する。なお、図5は、図1中C−C線から見た断面図であるが、説明の便宜上、支持基板3および樹脂部212を省略している。
挙動検知手段5は、図5に示すように、弾性部22のシリコン部221の下面(樹脂部222側の面)に設けられた応力検出素子51と、質量部21のシリコン部211に形成され、応力検出素子51に電気的に接続された増幅回路(半導体回路)52とを有している。また、支持部24の下面上には、入力端子521と出力端子522とが形成されており、これらは、それぞれ増幅回路52と電気的に接続されている。また、入力端子521および出力端子522は、それぞれ、外部へ露出するように設けられている。なお、応力検知素子51としては、ピエゾ抵抗素子などを好適に用いることができる。
このような挙動検知手段5は、増幅回路52からの信号に基づいて質量部21の挙動を検知するように構成されている。具体的には、応力検出素子51は、捩れなどによる変形量に対応して抵抗値が変化する性質を有する。このような応力検出素子51を捩れ変形する弾性部22上に設けることで、弾性部22の捩れ変形の程度に対応して(すなわち質量部21の回動角に対応して)、応力検出素子51の抵抗値が変化することとなる。
応力検出素子51の抵抗値が変化することで、応力検出素子51に流れる電流値(電気信号)が変化し、その電気信号の変化を増幅回路52で増幅し、増幅後の信号に基づいて、質量部21の挙動を検知する。これにより、より正確に質量部21の挙動を検知することができる。
なお、応力検出素子51の抵抗値変化に基づく電流値(電気信号)の変化は、微弱であるため、本実施形態のように、増幅回路52により電気信号を増幅させることで、質量部21の挙動をより正確に検知することができる。
増幅回路52は、シリコン部211の下面(樹脂部212側の面)上に形成されているため、本体部211の下面を有効利用することができる。その結果、アクチュエータ1の小型化を図ることができる。
また、増幅回路52は、応力検出素子51の近傍に形成されている。すなわち、増幅回路52と応力検出素子51との間の距離が極めて小さい。これにより、増幅回路52と応力検出素子51とを接続する配線の長さを短くすることができるため、ノイズの発生を抑制することができる。この結果、より正確に質量部21の挙動を検知することができる。
なお、前述したが、応力検出素子51による電気信号の変化は、微弱であるため、ノイズが検知結果に与える影響が大きい。このような観点からも、ノイズの発生を抑制することにより、より正確に質量部21の挙動を検知することができる。
なお、樹脂部212は、コイル43と増幅回路52とを電気的に絶縁する絶縁層としても機能する。これにより、例えば、コイル43と増幅回路(半導体回路)52とを絶縁する絶縁層を別途形成する工程を必要としないため、アクチュエータ1の製造工程の簡略化を図ることができる。
以上のように、増幅回路52として機能する半導体回路について説明したが、半導体回路としては、質量部21の駆動および/または挙動(回動速度や回動角など)を検知するための半導体回路であれば特に限定されず、例えば、駆動のためのドライバ回路であってもよいし、アクチュエータ1の温度を検知する温度検知用の回路であってもよい。
このようなアクチュエータ1は、例えば、次のようにして製造することができる。
図6および図7は、それぞれ、第1実施形態のアクチュエータ1の製造方法を説明するための図(縦断面図)である。なお、以下では、説明の便宜上、図6および図7中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
また、基体2を得る工程を[A1]とし、支持基板3を得る工程を[A2]とし、基体2と支持基板3からアクチュエータ1を得る工程を[A3]とする。
[A1]まず、図6(a)に示すように、例えば、シリコン基板60を用意する。このようなシリコン基板60は、予めエッチング等により所望の厚さに調整し、1対の弾性部22、23のバネ定数の粗調整をしておくことが好ましい。これにより、使用目的に適したねじりバネ定数を有するアクチュエータを用意に製造することができる。
次に、図6(b)に示すように、シリコン基板60の上面のシリコン部(本体部)211に対応する位置に増幅回路(半導体回路)52を形成する。また、弾性部22に対応する位置に応力検出素子51を形成する(図示せず)。応力検出素子51を形成する方法としては、例えば、応力検出素子51に対応するように、金属マスクを形成し、ホウ酸などの不純物を拡散(ドープ)させる方法などが挙げられる。
次に、図6(c)に示すようにシリコン基板60の上面(増幅回路52が形成された面)の全域にわたって、液化したポリイミドなどの樹脂材料をスピンコートにより塗布し、乾燥、固化させることで、樹脂層(樹脂部)70を形成する。ここで、樹脂層70の厚さを調整することで、1対の弾性部22、23のねじりバネ定数を微調整することができる。
次に、増幅回路52に配線するための貫通穴71、および、応力検出素子51に配線するための貫通穴(図示せず)を形成する。
次に、樹脂層70の上面に図示しない、例えば、Cu、Alなどの金属膜を形成する。この金属膜をコイル43および増幅回路52の配線のパターニング形状(平面視形状)に対応するようにエッチングする。さらに応力検出素子51を所定の位置に形成する。これにより、図6(d)に示すように、樹脂層70の上面にコイル43等が形成された複合基板を得ることができる。
金属膜の成膜方法としては、真空蒸着、スパッタリング(低温スパッタリング)、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、電解メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法、溶射法、金属箔の接合等が挙げられる。なお、以下の各工程における金属膜の成膜においても、同様の方法を用いることができる。
次に、図6(e)に示すように、樹脂部70の上面(コイル43が形成されている面)に、質量部21と支持部24と1対の弾性部22、23との形状(平面視形状)に対応するように、例えば、アルミニウム等により金属マスク80を形成する。
次に、金属マスク80を介して、シリコン基板60および樹脂部70をエッチングした後、金属マスク80を除去する。これにより、質量部21と支持部24と1対の弾性部22、23との形状にエッチングされた、樹脂部70とシリコン基板60との積層体が得られる。
エッチング方法としては、例えば、プラズマエッチング、リアクティブイオンエッチング、ビームエッチング、光アシストエッチング等の物理的エッチング法を用いることができる。
この後、シリコン部211の下面に金属膜を成膜し、光反射部213を形成する。これにより、質量部21と弾性部22、23と支持部24とが一体的に形成された基体2が得られる。
[A2]次に、図7(a)に示すように、支持基板3を形成するための基板として、例えばシリコン基板61を用意する。
そして、図7(b)に示すように、シリコン基板61の一方の面(下面)に、開口部31を形成する領域を除いた部分に対応するように、例えば、アルミニウム等により金属マスク82を形成する。また、シリコン基板61の他方の面(上面)に、凹部30に対応するように、例えば、アルミニウム等により金属マスク83を形成する。
次に、この金属マスク83を介して、凹部30に対応する深さまで貫通するようにシリコン基板61をエッチングした後、金属マスク83を除去する。次に、金属マスク82を介してシリコン基板61を貫通するまでエッチングをした後、金属マスク82を除去する。これにより、図7(c)に示すように、凹部30および開口部31が形成された支持基板3が得られる。
[A3]次に、図7(d)に示すように、前記工程[A1]で得られた基体2と、前記工程[A2]で得られた支持基板3とを例えば接着剤により接合し、アクチュエータ1を得る。
以上のようにして、第1実施形態のアクチュエータ1が製造される。
以上説明したようなアクチュエータ1は光反射部213を備えているため、例えば、光スキャナ、光スイッチ、光アッテネータなどに適用することができる。
本発明にかかる光スキャナは、本発明にかかるアクチュエータ1と同様に、質量部と、光反射部と、支持部と、1対の弾性部と、駆動手段とを有している。このような光スキャナは、前記駆動手段を作動させることにより、前記弾性部を変形させながら、前記質量部を回動させ、前記光反射部で反射した光を走査するものである。また、光スキャナの駆動手段は、アクチュエータ1の駆動手段4と同様である。これにより、1対の弾性部のねじりバネ定数の微調整を行うことができる。また、使用目的に適した種々の光スキャナを提供することができる。
このような光スキャナは、例えば、レーザープリンタ、イメージング用ディスプレイ、バーコードリーダー、走査型共焦点顕微鏡などの画像形成装置に好適に適用することができる。
以上、本発明のアクチュエータについて、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明のアクチュエータ1では、各部の構成は、同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
また、前述した実施形態では、アクチュエータの中心を通り質量部や駆動部の回動軸線Xに直角な面に対しほぼ対称(左右対称)な形状をなしている構造を説明したが、非対称であってもよい。
また、前述した実施形態では、質量部の樹脂部と、弾性部の樹脂部と、支持部の樹脂部とが一体的に形成されているものについて説明したが、質量部21を回動させることのできる程度の強度を発揮することができれば、これに限定されない。
また、前述した実施形態では、弾性部が、その長手方向の全域にわたって、樹脂部とシリコン部との積層体で形成されているものについて説明したが、1対の弾性部のねじりバネ定数の調整が可能であれば、これに限定されず、例えば、シリコン部および/または樹脂部が弾性部の長手方向での一部にのみ形成されているものであってもよい。
また、前述した実施形態では、各連結部は、1つの弾性部(弾性部材)で構成されているものについて説明したが、質量部を回動させることができれば、これに限定されない。
また、各連結部における弾性部の数、配置、形状は任意である。例えば、
(1)平面視にて、回動中心軸を介して互いに対向するように設けられた1対の弾性部で構成されているものであってもよい。この場合には、各弾性部が、シリコン部と樹脂部との積層構造を有していてもよいし、いずれか一方の弾性部が、シリコン部と樹脂部との積層構造を有していてもよい。
(2)また、各連結部の弾性部が、その長手方向の途中で分岐しているものであってもよい。この場合、例えば、弾性部の一端から分岐部までをシリコン部と樹脂部との積層体で形成し、分岐部か他端までをシリコン部のみで形成してもよい。
(3)また、各連結部が、回動中心軸上に延在する第1の弾性部と、この中心軸部材を介して互いに対向する1対の第2の弾性部とを有していてもよい。この場合、例えば、第1の弾性部をシリコン部のみで形成し、各第2の弾性部をシリコン部と樹脂部との積層体で形成してもよい。
また、前述した本実施形態では、1自由度振動系について説明したが、質量部を回動させることができれば、これに限定されず、例えば、2自由度振動系であってもよい。具体的には、各連結部が、板状の駆動部と、前記駆動部と支持部とを連結する第1の弾性部と、前記駆動部と質量部とを連結する第2の弾性部とで構成されていてもよい。この場合には、第1の弾性部および/または第2の弾性部の少なくとも一部に、シリコン部と樹脂部との積層構造が形成されることとなる。
本発明のアクチュエータの第1実施形態を示す斜視図である。 図1中のA−A線断面図である。 駆動手段を説明するための図である。 図1中のB−B線断面図である。 挙動検知手段および半導体回路を説明するための図である。 本発明のアクチュエータの製造方法を説明する図である。 本発明のアクチュエータの製造方法を説明する図である。
符号の説明
1‥‥‥アクチュエータ 2‥‥‥基体 21‥‥‥質量部 211‥‥‥シリコン部 212‥‥‥樹脂部 213‥‥‥光反射部 22、23‥‥‥連結部(弾性部) 221、231‥‥‥シリコン部 222、232‥‥‥樹脂部 24‥‥‥支持部 241‥‥‥シリコン部 242‥‥‥樹脂部 3‥‥‥支持基板 30‥‥‥凹部(空間) 31‥‥‥開口部(逃げ部) 32、33‥‥‥凸部 4‥‥‥駆動手段 41、42‥‥‥磁石(磁極) 43‥‥‥コイル 431、432‥‥‥端子(電極) 44‥‥‥交流電源(電圧印加手段) 5‥‥‥挙動検知手段 51‥‥‥応力検出素子 52‥‥‥増幅回路(半導体回路) 521‥‥‥入力端子(電極) 522‥‥‥出力端子(電極) 60、61‥‥‥シリコン基板 70‥‥‥樹脂部(樹脂層) 71‥‥‥貫通穴 80、82、83‥‥‥金属マスク X‥‥‥回動中心軸

Claims (2)

  1. 光反射性を有する光反射部を備え、板状をなす質量部、前記質量部を支持するための支持部、および、前記質量部を前記支持部に対し回動可能とするように前記質量部と前記支持部とを連結し、長手形状をなし弾性変形可能な一対の弾性部を有する基体と、前記基体を支持する支持基板と、前記質量部を回動駆動させるための駆動手段と、前記質量部の挙動を検知する挙動検知手段とを有し、前記駆動手段を作動させることにより、前記弾性部を捩れ変形させながら、前記質量部を回動させ、前記光反射部で反射した光を走査する光スキャナであって、
    前記質量部は、樹脂材料を主材料として構成された板状の第1の樹脂部と、前記第1の樹脂部の前記支持基板と反対側の面に設けられ、シリコンを主材料として構成された板状の第1のシリコン部と、前記第1のシリコン部の前記第1の樹脂部と反対の面に設けられた前記光反射部とを有し、
    各前記弾性部は、前記第1の樹脂部の主材料である前記樹脂材料と同一の樹脂材料を主材料として構成された第2の樹脂部と、前記第2の樹脂部の前記支持基板と反対側の面に設けられ、シリコンを主材料として構成された第2のシリコン部とで構成され、
    前記支持部は、前記第1の樹脂部の主材料である前記樹脂材料と同一の樹脂材料を主材料として構成された第3の樹脂部と、前記第3の樹脂部の前記支持基板と反対側の面に設けられ、シリコンを主材料として構成された第3のシリコン部とで構成され、
    前記支持部の前記支持基板側の面は、前記支持基板に接合される部位と、前記支持基板から露出する部位とを有し、
    前記第1の樹脂部、前記第2の樹脂部および前記第3の樹脂部が一体的に形成されているとともに、前記第1のシリコン部、前記第2のシリコン部および前記第3のシリコン部が一体的に形成されており、
    前記駆動手段は、前記第1の樹脂部の前記第1のシリコン部と反対側の面に設けられたコイルと、
    前記コイルに電気的に接続された一対の端子と、
    前記一対の端子を介して前記コイルに交流電圧を印加する交流電源と、
    前記質量部を介して前記質量部の回動中心軸に直交する方向に対向配置されるとともに、対向する面側が互いに異なる磁極となるよう設けられた一対の永久磁石とを有し、
    前記交流電源から前記コイルへ前記交流電圧を印加することにより、前記質量部を前記支持部に対して回動させるように構成され、
    前記挙動検知手段は、前記弾性部に設けられたピエゾ抵抗素子と、
    前記第1のシリコン部の前記第1の樹脂部側の面に形成され、前記ピエゾ抵抗素子と電気的に接続された増幅回路と、
    前記増幅回路に電気的に接続された入力端子および出力端子とを有し、
    前記弾性部の捩れ変形の程度に応じて変化する前記ピエゾ抵抗素子を流れる電気信号を、前記増幅回路で増幅し、増幅後の信号に基づいて前記質量部の挙動を検知するよう構成され、
    前記一対の端子、前記入力端子および前記出力端子は、それぞれ、前記支持部の前記支持基板側の面の前記支持基板から露出する部位に形成されていることを特徴とする光スキャナ。
  2. 光反射性を有する光反射部を備え、板状をなす質量部、前記質量部を支持するための支持部、および、前記質量部を前記支持部に対し回動可能とするように前記質量部と前記支持部とを連結し、長手形状をなし弾性変形可能な一対の弾性部を有する基体と、前記基体を支持する支持基板と、前記質量部を回動駆動させるための駆動手段と、前記質量部の挙動を検知する挙動検知手段とを有し、前記駆動手段を作動させることにより、前記弾性部を捩れ変形させながら、前記質量部を回動させ、前記光反射部で反射した光を走査する光スキャナを備えた画像形成装置であって、
    前記質量部は、樹脂材料を主材料として構成された板状の第1の樹脂部と、前記第1の樹脂部の前記支持基板と反対側の面に設けられ、シリコンを主材料として構成された板状の第1のシリコン部と、前記第1のシリコン部の前記第1の樹脂部と反対の面に設けられた前記光反射部とを有し、
    各前記弾性部は、前記第1の樹脂部の主材料である前記樹脂材料と同一の樹脂材料を主材料として構成された第2の樹脂部と、前記第2の樹脂部の前記支持基板と反対側の面に設けられ、シリコンを主材料として構成された第2のシリコン部とで構成され、
    前記支持部は、前記第1の樹脂部の主材料である前記樹脂材料と同一の樹脂材料を主材料として構成された第3の樹脂部と、前記第3の樹脂部の前記支持基板と反対側の面に設けられ、シリコンを主材料として構成された第3のシリコン部とで構成され、
    前記支持部の前記支持基板側の面は、前記支持基板に接合される部位と、前記支持基板から露出する部位とを有し、
    前記第1の樹脂部、前記第2の樹脂部および前記第3の樹脂部が一体的に形成されているとともに、前記第1のシリコン部、前記第2のシリコン部および前記第3のシリコン部が一体的に形成されており、
    前記駆動手段は、前記第1の樹脂部の前記第1のシリコン部と反対側の面に設けられたコイルと、
    前記コイルに電気的に接続された一対の端子と、
    前記一対の端子を介して前記コイルに交流電圧を印加する交流電源と、
    前記質量部を介して前記質量部の回動中心軸に直交する方向に対向配置されるとともに、対向する面側が互いに異なる磁極となるよう設けられた一対の永久磁石とを有し、
    前記交流電源から前記コイルへ前記交流電圧を印加することにより、前記質量部を前記支持部に対して回動させるように構成され、
    前記挙動検知手段は、前記弾性部に設けられたピエゾ抵抗素子と、
    前記第1のシリコン部の前記第1の樹脂部側の面に形成され、前記ピエゾ抵抗素子と電気的に接続された増幅回路と、
    前記増幅回路に電気的に接続された入力端子および出力端子とを有し、
    前記弾性部の捩れ変形の程度に応じて変化する前記ピエゾ抵抗素子を流れる電気信号を、前記増幅回路で増幅し、増幅後の信号に基づいて前記質量部の挙動を検知するよう構成され、
    前記一対の端子、前記入力端子および前記出力端子は、それぞれ、前記支持部の前記支持基板側の面の前記支持基板から露出する部位に形成されていることを特徴とする画像形成装置。
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