JP2008040271A - 静電潜像現像用キャリア及び静電潜像現像用現像剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】高温高湿環境下での長期印刷時の帯電安定性、及び高温高湿環境下での長期放置後の帯電安定性が良好な静電潜像現像用キャリア及び静電潜像現像用現像剤を提供する。
【解決手段】コア粒子とコア粒子表面を被覆する樹脂被覆層とを有する静電潜像現像用キャリア及びそのキャリアを含有する静電潜像現像用現像剤において、樹脂被覆層がアクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂及びポリエステル系樹脂から選択される少なくとも1つの被覆樹脂を含有し、当該被覆樹脂がウレタン架橋及びウレア架橋のうち少なくとも1つを含み、被覆樹脂中のウレタン架橋及びウレア架橋の合計のモル比を所定の範囲とすることにより、高温高湿環境下での長期印刷時の帯電安定性、及び高温高湿環境下での長期放置後の帯電安定性が良好な静電潜像現像用キャリア及び静電潜像現像用現像剤を提供することができる。
【選択図】なし
【解決手段】コア粒子とコア粒子表面を被覆する樹脂被覆層とを有する静電潜像現像用キャリア及びそのキャリアを含有する静電潜像現像用現像剤において、樹脂被覆層がアクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂及びポリエステル系樹脂から選択される少なくとも1つの被覆樹脂を含有し、当該被覆樹脂がウレタン架橋及びウレア架橋のうち少なくとも1つを含み、被覆樹脂中のウレタン架橋及びウレア架橋の合計のモル比を所定の範囲とすることにより、高温高湿環境下での長期印刷時の帯電安定性、及び高温高湿環境下での長期放置後の帯電安定性が良好な静電潜像現像用キャリア及び静電潜像現像用現像剤を提供することができる。
【選択図】なし
Description
本発明は、電子写真法及び静電記録等に用いられる静電潜像現像用キャリア(以下、単に「キャリア」と称する場合もある。)及び静電潜像現像用現像剤(以下、単に「現像剤」と称する場合もある。)に関する。
電子写真法では、帯電、露光工程により潜像保持体(感光体)に静電潜像を形成しトナーで現像し、現像像を転写体上に転写し、加熱等により定着し画像を得る。この様な電子写真法で用いられる現像剤は、結着樹脂中に着色剤を分散させたトナーを単独で用いる一成分現像剤と前記トナーとキャリアからなる二成分現像剤とに大別することができる。二成分現像剤は、キャリアが帯電・搬送の機能を有するため制御性が高いことから現在広く用いられている。二成分現像剤はキャリアが現像剤の撹拌・搬送・帯電などの機能を有し、現像剤としての機能は分離されているため制御性が良いなどの特徴があり、現在広く用いられている。
近年、高画質を達成する手段としてデジタル化処理が採用されており、デジタル化処理により複雑な画像の高速処理が可能となった。また潜像坦持体上に静電潜像を形成する過程においてレーザービームが用いられているが、小型レーザービームによる露光技術の発展で静電潜像の細密化が達成されている。この様な画像処理技術により、電子写真法は軽印刷等に展開されつつある。更に、近年の電子写真装置では高速化及び小型化が求められている。特にフルカラーの画質に関しては高級印刷、銀塩写真に近い高画質品位が望まれている。この為、より細密化された潜像を長期にわたり忠実に可視化するためには現像剤帯電を維持することが重要である。つまり、帯電機能を有するキャリアの帯電安定性の更なる向上が望まれている。
また、高画質品位を得るためにトナーはより小粒径化がなされ、定着像へのペン等の書き込みのため低融点ワックス等を含有したトナーが使用されている。特にフルカラートナーでは色再現性及び発色性を向上するために結着樹脂に低軟化点の樹脂及び低融点ワックス等を含有させたトナーが使用されている。現像剤の帯電はトナーとキャリアの摩擦帯電により所望の帯電量を得るが、このようなトナーを使用した場合、トナーキャリア間の摩擦、キャリアの衝突、現像機内の撹拌及び機内温昇によりトナー成分がキャリア表面によりスペントし易くなる。そのため、キャリアのトナーに対する帯電付与能力が低下し、低帯電トナーが増加するため非画像部へのトナー汚れ(カブリ)や機内汚れが使用と共に悪化するといった問題がある。また、ワックスや低軟化点の樹脂を含有したトナーの場合、ストレスによりトナーに添加された添加剤がトナー表面で埋まりこみ本来の機能が発揮できなくなる。例えば、流動性の低下、現像性の低下或いは転写性の低下による画像のがさつき等による画質品位低下などが発生する課題がある。
このような帯電安定性及び長寿命化を向上する為にキャリアの結着樹脂あるいは被覆層について様々な検討が行われている。
例えば、特許文献1には、ウレタン変性ポリエステル樹脂をキャリアの結着樹脂として使用することが提案されている。また、特許文献2,3には、帯電性向上のため、キャリアの被覆樹脂としてウレタン樹脂粒子、ウレア樹脂粒子を用いることがそれぞれ提案されている。また、特許文献4には、キャリアの被覆樹脂としてポリウレタン樹脂を用いることが提案されている。さらに、特許文献5には、キャリアの被覆樹脂として、メラミンホルムアルデヒド樹脂組成物によって架橋したアクリル系樹脂を使用することが提案されている。
上記特許文献1では、ウレタン変性ポリエステル樹脂をキャリアの結着樹脂として使用することにより、キャリア製造時の内添剤分散性、或いはキャリアの衝撃緩和を期待するものであり、コア表面の樹脂被覆層を有さず、高温高湿環境下での長期印刷時の帯電安定性及び高温高湿環境下での長期放置後の帯電安定性を満足するものではない。また、特許文献2,3のキャリアでは、長期のストレスなどによる樹脂粒子の脱離が生じることがあり、長期の帯電安定性維持は困難である。また、被覆層内での樹脂粒子の分散ばらつきによる帯電不良が生じることがある。特許文献4のキャリアでは、被覆樹脂とコアとの密着性は良好であるが、被覆樹脂がNH基を多く含むため、高温高湿環境と低温低湿環境での帯電性に大きな差が生じ、環境適性に劣り、特に高温高湿環境下での長期印刷時の帯電安定性及び高温高湿環境下での長期放置後の帯電安定性に問題があった。また、特許文献5のようなメラミン系化合物を用いたキャリアは、残留ホルムアルデヒドの問題があり、生活環境に問題を生じる場合がある。また、初期の帯電は良好なものの、高温高湿環境下での長期の放置による電荷減衰に劣ることがある。
このように、従来提案された上記キャリアにおいて、高温高湿環境下での長期印刷時の帯電安定性、及び高温高湿環境下での長期放置後の帯電安定性を満足するものはない。すなわち、従来提案された上記キャリアは、高温高湿環境下でのキャリアの帯電立ち上がりが悪く、長期印刷及び長期放置による帯電量変化が大きいため、高温高湿環境下で長期印刷時、あるいは長期放置後の画像の濃度が不足する。
本発明は、高温高湿環境下での長期印刷時の帯電安定性、及び高温高湿環境下での長期放置後の帯電安定性が良好な静電潜像現像用キャリア及び静電潜像現像用現像剤である。
本発明は、コア粒子と前記コア粒子表面を被覆する樹脂被覆層とを有する静電潜像現像用キャリアであって、前記樹脂被覆層は、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂及びポリエステル系樹脂から選択される少なくとも1つの被覆樹脂を含有し、前記被覆樹脂はウレタン架橋及びウレア架橋のうち少なくとも1つを含み、前記被覆樹脂中の前記ウレタン架橋及びウレア架橋の合計含有率がモル比で3〜15mol%の範囲である。
また、前記静電潜像現像用キャリアにおいて、前記コア粒子の表面の粗さは凹凸の平均間隔Smが1.0μm〜4.0μmの範囲であり、かつ前記コア粒子のBET値が0.125m2/g〜0.260m2/gの範囲であることが好ましい。
また、前記静電潜像現像用キャリアにおいて、前記コア粒子は結着樹脂中に磁性体が分散されてなり、前記結着樹脂がフェノール系樹脂を含むことが好ましい。
また、前記静電潜像現像用キャリアにおいて、前記コア粒子は結着樹脂中に磁性体が分散されてなるコアと、前記コアの表面を被覆するコア被覆層とを有し、前記コア被覆層がフェノール系樹脂を含むことが好ましい。
また、前記静電潜像現像用キャリアにおいて、前記被覆樹脂が、ウレタン架橋及びウレア架橋を含むことが好ましい。
また、本発明は、トナー及びキャリアを含む静電潜像現像用現像剤であって、前記キャリアが、前記静電潜像現像用キャリアである。
本発明では、コア粒子とコア粒子表面を被覆する樹脂被覆層とを有する静電潜像現像用キャリア及びそのキャリアを含有する静電潜像現像用現像剤において、樹脂被覆層がアクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂及びポリエステル系樹脂から選択される少なくとも1つの被覆樹脂を含有し、当該被覆樹脂がウレタン架橋及びウレア架橋のうち少なくとも1つを含み、被覆樹脂中のウレタン架橋及びウレア架橋の合計含有率を所定の範囲とすることにより、高温高湿環境下での長期印刷時の帯電安定性、及び高温高湿環境下での長期放置後の帯電安定性が良好な静電潜像現像用キャリア及び静電潜像現像用現像剤を提供することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。
<静電潜像現像用キャリア>
本実施形態に係る静電潜像現像用キャリアは、コア粒子と当該コア粒子表面を被覆する樹脂被覆層とを有し、樹脂被覆層は、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂及びポリエステル系樹脂から選択される少なくとも1つの被覆樹脂を含有し、当該被覆樹脂はウレタン架橋及びウレア架橋のうち少なくとも1つを含み、被覆樹脂中のウレタン架橋及びウレア架橋の合計含有率がモル比で3〜15mol%の範囲である。
本実施形態に係る静電潜像現像用キャリアは、コア粒子と当該コア粒子表面を被覆する樹脂被覆層とを有し、樹脂被覆層は、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂及びポリエステル系樹脂から選択される少なくとも1つの被覆樹脂を含有し、当該被覆樹脂はウレタン架橋及びウレア架橋のうち少なくとも1つを含み、被覆樹脂中のウレタン架橋及びウレア架橋の合計含有率がモル比で3〜15mol%の範囲である。
樹脂被覆層を構成する被覆樹脂中にウレタン架橋(−NH−C(=O)−O−)またはウレア架橋(−NH−C(=O)−NH−)を含むと、樹脂被覆層の強度が向上する。そのため、コア粒子(キャリア芯材)からの樹脂被覆層の剥離が抑えられ、キャリアの長期信頼性や他部材への汚染が少ないなどによる印刷画像の安定性が得られる。また、ウレア架橋及びウレタン架橋はその構造中に窒素原子(N)を含むため正に帯電し易く、ウレタン架橋またはウレア架橋を含む樹脂被覆層を有するキャリアとトナーとを混合した現像剤において良好な帯電性を示す。特に高温高湿環境下において良好な帯電性を示し、高温高湿環境下における長期印刷及び長期放置後の印刷において画像濃度の変化の少ない印刷物が得られる。また、被覆樹脂の構造中に窒素原子を含むため、窒素原子を含む樹脂微粒子として樹脂被覆層に添加する場合に比べて、コア粒子からの脱離等が起こらず、かつキャリア粒子間の帯電性のばらつきが少ない。更には、コア粒子との濡れ、接着性を向上させるため、長期安定性が良好となる。例えば、シリコン系やフッ素系による架橋を考えたとき、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂やポリエステル系樹脂とのドメイン分離が起きることがあり、更には高温高湿環境での帯電性が向上せず、キャリアとしての十分な性能を得ることが困難である。
また、被覆樹脂中のウレタン架橋及びウレア架橋の合計の含有率はモル比で3mol%〜15mol%であると、キャリアの樹脂被覆層の剥離性と高温高湿帯電性のバランスが良好となる。被覆樹脂中のウレタン架橋及びウレア架橋の合計の含有率は好ましくは4mol%〜10mol%である。当該含有率が3mol%未満であると、樹脂被覆層とコア粒子との接着性に十分な強度を得られないことがあり、15mol%を超えると、高温高湿下での帯電性に劣ることがある。
このように本実施形態に係る静電潜像現像用キャリアにおいて、樹脂被覆層に使用する被覆樹脂がウレタン架橋及びウレア架橋のうち少なくとも1つを含み、被覆樹脂中のウレタン架橋及びウレア架橋の合計含有率を上記範囲とすることにより、コア粒子と樹脂被覆層との密着性及び樹脂被覆層の強度を向上することができ、高温高湿帯電性と樹脂被覆層剥離の抑制とを両立することができる。
樹脂被覆層に用いられる被覆樹脂は、ウレタン架橋及びウレア架橋のうち少なくとも1つを含む、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂及びポリエステル系樹脂から選択される少なくとも1つであればよく、特に制限はない。被覆樹脂は、例えば、樹脂酸価を有するアクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂及びポリエステル系樹脂と、イソシアネート化合物等の架橋材料との架橋からなり、イソシアネート化合物を樹脂に直接反応させてウレタン化したもの、事前にイソシアネート化合物をウレア化したウレア変性イソシアネート化合物を樹脂に反応させたもの等を、コア粒子に被覆後に加熱等により架橋処理させた樹脂等が挙げられる。
架橋に用いられるアクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂及びポリエステル系樹脂は、ウレタン架橋あるいはウレア架橋させるために、イソシアネート化合物等の架橋材料と反応可能な置換基、例えば、水酸基、カルボキシル基等を有する。
アクリル系樹脂としては、メチルメタクリレート、メチルエタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベヘニルメタクリレート等のアルキルアクリレート、シクロペンチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート等のシクロアルキルアクリレート、フェニルメタクリレート等の芳香族アクリレート、これらとアクリル酸の共重合体、グリシジルメタクリレート等のエポキシ化合物との共重合体、グリセリンモノメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等のアルコール系化合物との共重合体等が挙げられ、キャリアとしたときの環境依存性等の点からメチルメタクリレート、エチルエタクリレート等の短鎖アルキルアクリレートが好ましい。
スチレンアクリル系樹脂としては、前記アクリル系モノマーとスチレン系モノマーとの共重合体等が挙げられ、高温高湿環境下と低温低湿環境下での帯電の差が小さい等の点からスチレンと短鎖アルキルメタクリレートとの共重合体が好ましい。
ポリエステル系樹脂としては、ビスフェノールAとテレフタル酸等からなる芳香族系ポリエステル、ノナンジオールとドデカン二酸等からなる脂肪族ポリエステル、アルコール又はカルボン酸のメチレン基が硫黄原子に置き換えられるチオエーテル構造を持つポリエステル、マレイン酸、α−オレフィン等の変性体等が挙げられ、樹脂被覆層の強度、環境依存性等の点から芳香族ポリエステルが好ましい。
これらアクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂及びポリエステル系樹脂のうち1種を使用しても良いし、複数の樹脂を混合して使用してもよい。また、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂及びポリエステル系樹脂のうち、環境依存性とコア粒子との濡れ性のバランス等の点からスチレンアクリル系樹脂が好ましい。
ウレタン架橋またはウレア架橋に用いる架橋材料は特に限定しないが、例えば、イソシアネート基を有するジイソシアネート、トリイソシアネート、ポリイソシアネートイソシアネート等のイソシアネート化合物等が挙げられる。
イソシアネート化合物としては、例えば、ジフエニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン1,5−ジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ヘキサメレチンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネン・ジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−プロパンジオールなどのイソシアネート、またこれらから誘導されるイソシアヌレート型ポリイソシアネート、アダクト型ポリイソシアネート、ビュウレット型ポイリイソシアネートなどのポリイソシアネートなどが挙げられる。これらのうち、コア粒子との濡れ性等の点からイソシアヌレート型ポリイソシアネート、アダクト型ポリイソシアネート、ビュウレット型ポイリイソシアネートなどのポリイソシアネートが好ましい。
被覆樹脂は、ウレタン架橋及びウレア架橋のうち少なくとも1つを含むが、ウレタン架橋及びウレア架橋の両方を含むことが好ましい。ウレタン結合、ウレア結合ともに、コア粒子との接着性向上、長期安定性向上及び帯電性向上の効果を有するが、ウレア結合は濡れ性が高いためコア粒子との接着性向上により効果を発揮し、ウレタン結合は樹脂強度が高いため、長期安定性向上により効果を発揮する。したがって、ウレタン架橋及びウレア架橋の両者を有するものは、それぞれの特徴を兼ね備えるため、好ましく用いることができる。
樹脂被覆層をコア粒子表面上に形成する方法は、樹脂被覆層形成用溶液中にコア粒子を浸漬する浸漬法、樹脂被覆層形成用溶液をコア粒子表面に噴霧するスプレー法、コア粒子を流動エアーにより浮遊させた状態で樹脂被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でコア粒子と樹脂被覆層形成用溶液を混合し溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。コア粒子表面の被覆樹脂カバレッジ等の点から流動床型コーティング装置を用いることが好ましい。
樹脂被覆層形成用溶液に使用する溶剤は、前記の被覆樹脂を溶解するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類等を使用できる。
キャリアの樹脂被覆層には、更にキャリア抵抗調整の為、導電性の粉体を併用してもよい。導電性の粉体としては金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が挙げられる。これらの導電粉は、体積平均粒子径1μm以下のものが好ましい。体積平均粒子径が1μmよりも大きくなると、樹脂被覆層での粉体の分散制御が困難となり、電気抵抗の制御が困難になる場合がある。導電性の粉体の添加量としては、樹脂被覆層の20体積%より少ない添加量が好ましい。20体積%以上添加をする場合、樹脂被覆層での粉体の分散制御が困難となり、電気抵抗の制御が困難になることがある。導電性粉体の分散方法としては、サンドミル、ダイノミル、ホモミキサ等がある。
コア粒子に樹脂被覆層を形成する方法としては特に限定されないが、例えば下記の方法で作製することができる。酸価を有するアクリル樹脂とポリイソシアネート化合物とをトルエン等の溶媒に溶解混合し、樹脂被覆層形成用溶液を作製する。次いで、コア粒子に対して被覆樹脂が2重量%になるようにコア粒子と樹脂被覆層形成用溶液とをニーダーに入れ、90℃条件のもと、減圧下で撹拌混合する。溶剤が揮発した後、減圧を解除し、生成キャリアとして取り出す。このとき、更に架橋反応を促進するため、常圧下で、180℃に昇温し、1時間撹拌を続けることが好ましい。また、樹脂被覆層形成用溶液に上記導電性粒子などを添加しても良い。
被覆樹脂がウレタン架橋及びウレア架橋の両方を含むようにするためには、以下の方法を用いることができる。
例えば、イソシアネート化合物を含む被覆樹脂溶液に水酸基成分を有する溶剤を添加し60〜100℃で1〜3時間加熱して、あるいはコア粒子の被覆、乾燥後に水酸基成分を有する溶剤を添加し60〜100℃で1〜3時間加熱してウレア変性イソシアネート化合物を得て、架橋材料として使用することにより被覆樹脂中のウレア架橋を増やすことができる。水酸基成分を持つ溶剤としては、水やメタノール、エタノール等の低級アルコール等が用いられる。好ましくは水又は炭素数が1〜3の飽和一価アルコールである。
また、イソシアネート化合物を事前に高湿環境下、例えば100℃〜120℃の水蒸気を吹き込んだ後、90%RH〜98%RH、60〜90℃で1〜3時間程度撹拌してウレア変性イソシアネート化合物を得て、架橋材料として使用することにより被覆樹脂中のウレア架橋を増やすことができる。
また、被覆樹脂中のウレア架橋を増やす方法として、尿素とホルムアルデヒドを用いる方法も用いることができるが、残留ホルムアルデヒド等の問題もあり、イソシアネートの湿気硬化反応を用いることが好ましい。
イソシアネート化合物の一部ウレア化において、イソシアネート化合物としてポリイソシアネート化合物を用いることもまた好ましい。ポリイソシアネート化合物はウレタン結合を有し、一部ウレア化によりウレタン結合及びウレア結合の両者を有することができる。
被覆樹脂にウレタン架橋あるいはウレア架橋が含まれることは、被覆樹脂の1H−NMR及び13C−NMRにおいて、ウレタン結合(−NH−C(=O)−O−)に起因するプロトン及びカーボンピークまたはウレア結合(−NH−C(=O)−NH−)に起因するプロトン及びカーボンピークの存在により確認することができる。更にFT−IRによる赤外吸収スペクトルから確認することもできる。NMRは日本電子株式会社製のJNM−AL400を用い、5mmガラス管、3重量%重クロロホルム溶液、測定温度25℃の条件で測定することができる。FT−IRは、日本分光社製のFT/IR−410を用い、KBr法により測定することができる。
アクリル系樹脂及びスチレンアクリル系樹脂中のウレタン架橋及びウレア架橋の合計含有率は、1H−NMRにより、樹脂の繰り返し単位とウレタン結合及びウレア結合との比率を計算することにより求めることができる。例えば、スチレン、メタクリル酸メチル、アクリル酸からなる共重合体とアクリル酸のウレタン化物との混合樹脂であれば、スチレン部のプロトン及びメタクリル酸メチルのメチルエステル部のプロトンピーク面積とウレタン部のプロトンピーク面積との積分値から比率を求めることができる。
同様にポリエステル系樹脂においても、1H−NMRにより、樹脂の各繰り返し単位とウレタン結合及びウレア結合との比率を計算することができる。
上記測定において、1H−NMR装置はJNM−400AL(日本電子株式会社製)を用い、測定条件は、5mmガラス管、重クロロホルム溶液、測定温度25℃にて行うことができる。また、測定サンプルは、現像剤からトナーを脱離させ、キャリアから超音波処理や、解砕機等により樹脂被覆層を剥離させたものを用いることができる。また、溶剤に可溶な樹脂被覆層は、キャリアから直接溶剤で溶かし回収しても良い。
樹脂被覆層の厚みは、0.1μm〜5μm、好ましくは0.3μm〜3μmの範囲が好ましい。樹脂被覆層の厚みが0.1μmより小さいとコア粒子表面に均一で平坦な樹脂被覆層を形成することが困難となる場合がある。また、厚みが5μmより大きいとキャリア同士が凝集したりして均一なキャリアを得ることが困難となる場合がある。樹脂被覆層の厚みは、キャリア粒子をダイヤモンドナイフ等で切削し、透過型電子顕微鏡等で断面画像を取り込み、画像解析により測定することができる。
上記コア粒子としては、従来公知のいずれのものも使用することができるが、特に好ましくはフェライトやマグネタイトが選ばれる。他のコア粒子として、例えば鉄粉が知られている。鉄粉の場合は比重が大きいためトナーを劣化させやすいので、フェライトやマグネタイトの方が安定性に優れている。フェライトの例としては、一般的に下記式で表される。
(MO)X(Fe2O3)Y
(式中、Mは、Cu、Zn、Fe、Mg、Mn、Ca、Li、Ti、Ni、Sn、Sr、Al、Ba、Co、Mo等から選ばれる少なくとも1種を含有する。またX、Yは重量mol比を示し、かつ条件X+Y=100を満たす)。
(式中、Mは、Cu、Zn、Fe、Mg、Mn、Ca、Li、Ti、Ni、Sn、Sr、Al、Ba、Co、Mo等から選ばれる少なくとも1種を含有する。またX、Yは重量mol比を示し、かつ条件X+Y=100を満たす)。
上記Mは、Li、Mg、Ca、Mn、Sr、Snの1種もしくは数種の組み合わせで、それら以外の成分の含有量が1重量%以下であるフェライト粒子であることが好ましい。Cu、Zn、Ni元素は添加することにより低抵抗になり易く、電荷リークが起こり易い。また、樹脂被覆し難い傾向にあり、また環境依存性も悪くなる傾向にある。さらに、重金属であり、重いためかキャリアに与えられるストレスが強くなり、ライフ性に対し悪影響を与えることがある。また、安全性の観点から近年ではMn元素やMg元素を添加するものが一般に普及している。フェライト芯材が好適であり、コア粒子の原料としては、Fe2O3を必須成分として、用いられる磁性粒子としては、マグネタイト、マグヘマイトなどの強磁性酸化鉄粒子粉末、鉄以外の金属(Mn、Ni、Zn、Mg、Cu等)を1種又は2種以上含有するスピネルフェライト粒子粉末、バリウムフェライトなどのマグネットプランバイト型フェライト粒子粉末、表面に酸化被膜を有する鉄や鉄合金の微粒子粉末を用いることができる。
コア粒子として、具体的には、例えばマグネタイト、γ酸化鉄、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Li系フェライト、Cu−Zn系フェライトなどの鉄系酸化物を挙げることができる。中でも安価なマグネタイトが、より好ましく用いることができる。
コア粒子としてフェライト芯材を用いる場合、フェライト芯材の製造方法の例としては、まず各酸化物を適量配合し、湿式ボールミル等で8〜35時間粉砕、混合し、スプレードライヤ等で造粒、乾燥させた後、ロータリーキルン等を用い800℃〜1000℃で8〜10時間仮焼成をする。仮焼成は、必要に応じて0〜3回行う。その後、仮焼成品を水に分散させ湿式ボールミル等で体積平均粒径が0.3〜1.2μmになるまで粉砕を行う。このスラリをスプレードライヤ等を用い造粒乾燥し、磁気特性と抵抗を調整する目的で、酸素濃度をコントロールしながら800〜1300℃で6〜10時間本焼成した後、粉砕し、さらに所望の粒度分布に分級して得ることができる。本実施形態では、コア表面形状を均一にするためにロータリ式電気炉を使用することが好ましい。
本実施形態に使用されるコア粒子の表面粗さは、凹凸の平均間隔Smが1.0μm〜4.0μmの範囲であることが好ましく、1.5μm〜2.5μmの範囲であることがより好ましい。また、同時にコア粒子のBET値が0.125m2/g〜0.260m2/gの範囲であることが好ましく、0.15m2/g〜0.19m2/gの範囲であることがより好ましい。コア粒子の表面凹凸の平均間隔Sm及びBET値がこの範囲であると、コア粒子の表面酸化物と被覆樹脂のウレタン結合及びウレア結合との親和性による投錨硬化が現れ、コア粒子と樹脂被覆層との接着性が向上し、安定した画像濃度がより長期にわたって得られる。平均間隔Smが1.0μm未満であると樹脂被覆層の剥離が生じる場合があり、4.0μmを超えると樹脂被覆層が均一に被覆されない場合がある。また、BET値が0.125m2/g未満であると樹脂被覆層の剥離が生じる場合があり、0.260m2/gを超えるとコアの露出が多く、十分な帯電が得られない場合がある。
ここで、コア粒子の表面の凹凸の平均間隔Smは、JIS B0601に準拠して超深度カラー3D形状測定顕微鏡(VK−9500、キーエンス社製)により測定することができる。また、BET値はSA3100比表面積測定装置(コールター社製)を用い、200℃で30分間真空吸引熱処理を行った後、測定することができる。測定サンプルは、現像剤からトナーを脱離させ、キャリアから溶剤により樹脂被覆層を剥離させたものを用いることができる。樹脂被覆層が溶剤に溶けにくい場合、加温、超音波処理やキャリアを事前に解砕機などの機械処理を行った後に溶剤を用いる等の方法をとることもできる。
コア粒子の表面凹凸の平均間隔Smを上記範囲とするためには、コア粒子の仮焼成及び本焼成前の湿式粉砕時間を調整すればよい。例えば、湿式粉砕時間を長くすることにより、Smは小さくなる。また、コア粒子のBET値を上記範囲とするためには、例えば、コア粒子の仮焼成及び本焼成時の焼成温度及び焼成時間を調整すればよい。例えば、焼成温度を下げるあるいは焼成時間を短くすることによりBET値を高くすることができる。湿式粉砕時間、焼成温度及び焼成時間は、目的のSm及びBET値に対してコア粒子に用いる材料に応じて決めればよい。
また、コア粒子は、結着樹脂中に上記磁性粒子(磁性体)が分散された樹脂分散型コア粒子であってもよい。
結着樹脂としては、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂等が用いられるが、フェノール系樹脂を含むことが好ましい。フェノール系樹脂を用いることにより、キャリア表面にフェノール系樹脂が存在し、樹脂被覆層のウレタン結合及びウレア結合との親和性が向上するため、コア粒子と樹脂被覆層との接着性が向上し、長期安定性がより向上する。
また、コア粒子が、結着樹脂中に上記磁性粒子(磁性体)が分散された樹脂分散型コアと、その樹脂分散型コアの表面を被覆するコア被覆層とを有するものであり、コア被覆層がフェノール系樹脂を含むものであってもよい。キャリア表面にフェノール系樹脂層が存在し、樹脂被覆層のウレタン結合及びウレア結合との親和性が向上するため、コア粒子と樹脂被覆層との接着性が向上し、長期安定性がより向上する。また、コア粒子表面がコア被覆層で覆われているため、コア(芯材)の磁性体露出による影響が少ない。
また、キャリアの円形度は0.975以上であることが好ましく、円形度が1に近いほど形状は真球により近くなり、また、表面粗さが大きいほど表面により微細な凹凸が存在することになる。コア粒子の円形度を0.975以上に調整して真球に近くすることにより、キャリアの流動性を向上させ均一な樹脂被覆層の被覆を可能にし、コア粒子の凝集を抑制できるため製造得率をより向上させることができる。なお、上記円形度は、FPIA−3000(シスメックス社製)を用いHPF測定モードにて測定することができる。
また、キャリアの表面のコア露出率が2%以下であることが好ましい。本実施形態のように表面に凹凸を有するコア粒子を用いる場合、キャリア表面の露出部はコアの凸部であることが多い。現像機ストレス等によりキャリア樹脂被覆層が脱離する場合、キャリア表面のコア露出部を核として樹脂被覆層が脱離する。このようにコアの露出率が2%を超える場合には、樹脂被覆層が脱離する箇所が多く存在するため、長期使用により樹脂被覆層が脱離しやすい。つまり、キャリア帯電機能が低下するという不具合がある。
キャリア表面のコア露出量は、日本分光製X線光電子分光装置(JPS−9000MX)により、X線源MgKα、出力10kV、分析領域10×10mmで測定を行い、測定された各元素のピーク強度より表面原子濃度を算出することによって求めることができる。なお、表面原子濃度の計算は日本分光社提供の相対感光因子を用いる。測定された各元素のピーク強度は分析領域内の存在量に原子毎に比例する。キャリア表面の鉄原子由来のピーク強度とコア粒子表面の鉄原子由来のピーク強度比率をとることにより、キャリア表面のコア露出量を概算することができる。
また、現像剤中のキャリア表面コア露出量を測定するには、現像剤をビーカー等の容器に入れ、界面活性剤水溶液(例えば、ポリオキシエチンオクチルフェニルエーテル0.2wt%水溶液)を適量加え、容器下部から磁石によりキャリアを保持し、トナーのみを洗い流す。この作業を上澄みが無色透明になるまで行う。更に、適量のエタノールを加えキャリア表面に付着している界面活性剤を除去する。トナー除去を行ったキャリアを乾燥機により乾燥させ、その後、上記方法にてキャリア表面のコア露出量を測定することが可能である。
本実施形態のコア粒子の磁化率σは、1kOeの磁場中で、VSM(バイブレーションサンプルメソッド)測定器を用いてBHトレーサ法で測定され、その磁化値σ1000は50〜90Am2/kg(emu/g)、好ましくは55〜70Am2/kg(emu/g)の範囲が適当である。σ1000が50Am2/kg(emu/g)を下回ると、現像ロールへの磁気吸着力が弱くなり、感光体に付着して画像欠陥の原因となるので好ましくない。また、σ1000が90Am2/kg(emu/g)を上回ると、磁気ブラシが硬くなりすぎ、感光体を強く摺擦して傷をつけやすくなるので好ましくない。
本実施形態のコア粒子の体積平均粒径は、10μm〜100μm、好ましくは20μm〜50μmが適当である。体積平均粒径が10μmより小さいと現像剤の現像装置からの飛び散りが発生しやすく、100μmより大きいと十分な画像濃度を得ることが困難になることがある。
樹脂被覆層を形成したキャリアの電気抵抗は測定電界が10000V/cmの電界の時に1×105〜1×1014Ω・cm、好ましくは1×109〜1×1012Ω・cmの範囲が適当である。
樹脂被覆層を形成したキャリアの帯電性は15〜50μC/gが好ましい。キャリアの帯電性が15μC/g未満の場合には、非画像部位のトナー汚れが発生し(カブリが発生し)高品位なカラー画像が得られない可能性が高く、一方、キャリアの帯電性が50μC/gを超えると、十分な画像濃度が得られにくくなる。
樹脂被覆層を形成したキャリアの電気抵抗が1×105Ω・cmより小さいとキャリア表面を電荷が移動しやすくなってブラシマーク等の画像欠陥が発生しやすいことやプリント動作を暫らくしないで放置しておくと帯電性が低くなりすぎて最初の1枚目のプリントで地汚れなどが発生する場合がある。また、樹脂被覆層を形成したキャリアの電気抵抗が1×1014Ω・cmより大きいと良好なソリッド画像は得られないばかりか、連続プリントを多数回繰り返すとトナー電荷が大きくなりすぎて画像濃度が下がってしまうことがある。
キャリアの磁気ブラシの形にして測定した時の動電気抵抗は104V/cmの電界の下で1×10〜1×109Ω・cm、好ましくは1×103〜1×108Ω・cmの範囲が適当である。動的電気抵抗が1×10Ω・cmより小さいとブラシマーク等の画像欠陥が発生しやすく、1×108Ω・cmより大きいと良好なソリッド画像を得るのが困難となることがある。104V/cmの電界とは実機での現像電界に近く、上記の動的電気抵抗はこの電界下での値である。
以上より、キャリアとトナーとが混合された時の動電気抵抗は104V/cmの電界の下で1×105〜1×109Ω・cmの範囲が適当である。そして、1×105Ω・cmを下回るとプリント後放置後トナー帯電性の低下による地汚れや、過現像による線画像の太りで解像度が悪くなることがある。1×109Ω・cmを超えるとソリッド画像端部の現像性低下で高品位画像が得られなくなる等の問題が発生することがある。
キャリアの動的電気抵抗は次のようにして求めることができる。現像ロール(現像ロールのスリ−ブ表面の磁場が1kOe発生する。)上に約30cm3のキャリアをのせて磁気ブラシを形成し、面積3cm2の平板電極を2.5mmの間隔で現像ロールに対向させる。120rpmの回転速度で現像ロールを回転しながら現像ロールと平板電極の間に電圧を印加して、その時に流れる電流を測定する。得られた電流−電圧特性からオームの法則の式を用いて動的電気抵抗を求める。なお、この時の印加電圧Vと電流Iとの間には一般的にln(I/V)∝V×1/2の関係があることはよく知られている。本実施形態に用いられるキャリアのように動的電気抵抗がかなり低い場合には、103V/cm以上の高電界では大電流が流れて測定できないことがある。そのような場合は低電界で3点以上測定し、先の関係式を使って最小2乗法により104V/cmの電界まで外挿して求める。
本実施形態に係る静電潜像現像用キャリアは、高温高湿環境下での長期印刷時の帯電安定性、及び高温高湿環境下での長期放置後の帯電安定性に優れる。すなわち、本実施形態に係る静電潜像現像用キャリアは、高温高湿環境下でのキャリアの帯電立ち上がりが良好で、長期印刷及び長期放置による帯電量変化が小さいため、高温高湿環境下での長期印刷時、あるいは高温高湿環境下での長期放置後でも良好な画像濃度を維持することができる。
<静電潜像現像用現像剤>
本実施形態に係る静電潜像現像用現像剤は、静電潜像現像用トナー及びキャリアを含み、キャリアが上記静電潜像現像用キャリアである。すなわち、本実施形態に係る静電潜像現像用現像剤は、トナーおよびキャリアからなる二成分現像剤である。但し、以下に述べるトナーは、磁性トナーまたは非磁性トナーであってもよい。
本実施形態に係る静電潜像現像用現像剤は、静電潜像現像用トナー及びキャリアを含み、キャリアが上記静電潜像現像用キャリアである。すなわち、本実施形態に係る静電潜像現像用現像剤は、トナーおよびキャリアからなる二成分現像剤である。但し、以下に述べるトナーは、磁性トナーまたは非磁性トナーであってもよい。
トナーは特に限定しないが、結着樹脂と着色剤を主成分とし、必要に応じて離型剤等を含有する公知のものを使用することができる。トナーは混練粉砕法のような乾式製法で製造されたものであってもよいし、乳化重合凝集法、溶解懸濁法、懸濁重合法等の湿式製法により製造されたものであってもよい。着色剤や離型剤の表面露出が少なく、画像の安定性が良好である等の点から乳化重合凝集法により製造されたトナーが好ましい。
このようなトナーは、粒子の形状が比較的丸く、粒度分布が狭いこと、トナー表面が比較的均一で帯電性が高く、帯電分布も狭く良好である。
従って、前記キャリアとの混合で得られる現像剤は極めて流動性が高く、現像性が良好であるため高品位カラ−現像剤として良好なものが得られる。また、本実施形態に係る現像剤は、高温高湿環境下でのキャリアの帯電の立ち上がりが良好で、高温高湿環境下での長期印刷時の帯電安定性、及び高温高湿環境下での長期放置後の帯電安定性に優れる。
トナーの結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレフィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸のエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン等の単独重合体あるいは共重合体を挙げることができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン・アクリル酸アルキル共重合体、スチレン・メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を挙げることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス類等を挙げることができる。
また、着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレート等の種々の顔料、または、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系等の各種染料を単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
本実施形態に係るトナーにおける、前記着色剤の含有量としては、結着樹脂100重量部に対して、1〜30重量部の範囲であることが好ましいが、また、必要に応じて表面処理された着色剤を使用したり、顔料分散剤を使用することも有効である。前記着色剤の種類を適宜選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等を得ることができる。
離型剤の例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;エステルワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス;ミツロウのような動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物系ワックス;石油系ワックス;及びそれらの変性物等を使用することができる。離型剤の添加量は、トナーに対して50重量%以下の範囲で添加することができる。
その他内添剤として、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、それらの合金、又はそれら金属を含む化合物などの磁性体を使用することができる。帯電制御剤としては、4級アンモニウム塩、ニグロシン系化合物、アルミニウム、鉄、クロムなどの錯体からなる染料や、トリフェニルメタン系顔料など通常使用される種々の帯電制御剤を使用することができるが、凝集や融合一体化時の安定性に影響するイオン強度の制御及び廃水汚染の減少のために、水に溶解しにくい帯電制御剤が好適である。
湿式添加する無機微粒子の例としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなど、通常トナー表面の外部添加剤として使用される全てのものを、イオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基で分散して湿式添加することができる。
湿式製法によるトナー製造工程における乳化重合、シード重合、顔料分散、樹脂粒子、離型剤分散、凝集、又はその安定化などに用いる界面活性剤としては、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン性界面活性剤、アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン性界面活性剤、またポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤を併用することも効果的である。
また、本実施形態において使用する外部添加剤は、特に制限はなく、無機粒子や有機粒子等の公知の外部添加剤を用いることができるが、その中でも、シリカ、チタニア、アルミナ、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグウネシウムおよびりん酸カルシウム等の無機粒子、ステアリン酸亜鉛のような金属石鹸、フッ素含有樹脂粒子、シリカ含有樹脂粒子および窒素含有樹脂粒子等の有機樹脂粒子が好ましい。また、目的に応じて外部添加剤表面に表面処理を施してもよい。表面処理剤としては、疎水化処理を行うためのシラン化合物、シランカップリング剤、シリコーンオイル等が挙げられる。
本実施形態に係るトナーの体積平均粒径としては、4μm〜8μmの範囲が好ましく、5μm〜7μmの範囲がより好ましく、また、個数平均粒径としては、3μm〜7μmの範囲が好ましく、4μm〜6μmの範囲がより好ましい。
前記体積平均粒径および個数平均粒径の測定は、コールターマルチサイザーII型(ベックマン−コールター社製)を用いて、100μmのアパーチャ径で測定することにより得ることができる。この時、測定はトナーを電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ、超音波により30秒以上分散させた後に行う。
また、本実施形態に係るトナーの体積平均粒度分布指標GSDvは、1.27以下であることが好ましく、より好ましくは1.25以下である。GSDvが1.27を超えると粒度分布がシャープとならず、解像性が低下し、トナー飛散やかぶり等の画像欠陥の原因となる。
なお、体積平均粒径D50v及び体積平均粒度分布指標GSDvは、以下のようにして求めることができる。前述のコールターマルチサイザーII型(ベックマン−コールター社製)で測定されるトナーの粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積D16v、数D16p、累積50%となる粒径を体積D50v、数D50p、累積84%となる粒径を体積D84v、数D84pと定義する。この際、D50vは体積平均粒径を表し、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2として求められる。なお、(D84p/D16p)1/2は数平均粒度分布指標(GSDp)を表す。
また、本実施形態に係るトナーの、下記式で表される形状係数SF1は110〜140の範囲、好ましくは115〜130の範囲である。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
〔ただし、上記式において、MLはトナーの最大長(μm)を表し、Aはトナーの投影面積(μm2)を表す。〕
トナーの形状係数SF1が110より小さい、または140を越えると、長期に渡って、優れた帯電性、クリーニング性、転写性を得ることができないことがある。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
〔ただし、上記式において、MLはトナーの最大長(μm)を表し、Aはトナーの投影面積(μm2)を表す。〕
トナーの形状係数SF1が110より小さい、または140を越えると、長期に渡って、優れた帯電性、クリーニング性、転写性を得ることができないことがある。
なお、形状係数SF1はルーゼックス画像解析装置(株式会社ニレコ製、FT)を用いて次のように測定した。まず、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個のトナーについて最大長(ML)と投影面積(A)を測定し、個々のトナーについて、(ML2/A)×(π/4)×100を算出し、これを平均した値を形状係数SF1として求めた。
トナーとキャリアを混合して現像剤を作製する際のトナーの比率は、現像剤全体の1〜15重量%、好ましくは3〜12重量%の範囲が適当である。
トナーの比率が1重量%未満であると十分な画像濃度が得られにくくなることや、ベタ画像が均一になりにくくなる。また、15重量%を超えるとキャリア表面のトナー被覆率が100%を超えるため帯電量が下がり(平均帯電量の絶対値が15μC/g未満になると)非画像部位のトナー汚れが発生して(かぶり)高品位なカラ−画像が得られなくなる。例えば、15重量%を超えるとキャリア表面のトナー被覆率が100%に近づいて来るために現像剤としての抵抗値が極端に上がり、1×105〜1×108Ω・cmの範囲のなかに収まり難くなり画像エッジ部位のボケなど良好で高品位なカラー画像が得られにくくなる。
但し、低湿環境下ではトナー比率が1重量%未満になると高帯電量(平均帯電量の絶対値が25μC/g超える)になりやすくなり十分な画像濃度が得られにくくなる可能性がある。したがって、環境に応じて、帯電性の絶対値が15〜50μC/gの範囲にあるようにトナーの比率を選ぶことが好ましい。
<画像形成方法>
本実施形態に係る画像形成方法は、潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤担持体に担持された現像剤を用い、潜像保持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、潜像保持体表面に形成されたトナー画像を被転写体表面に転写する転写工程と、被転写体表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を含む画像形成方法において、現像剤として、上記静電潜像現像用キャリアを含有する現像剤を用いる。また、本実施形態に係る画像形成方法は、上記した工程以外の工程を含むものであってもよい。
本実施形態に係る画像形成方法は、潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤担持体に担持された現像剤を用い、潜像保持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、潜像保持体表面に形成されたトナー画像を被転写体表面に転写する転写工程と、被転写体表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を含む画像形成方法において、現像剤として、上記静電潜像現像用キャリアを含有する現像剤を用いる。また、本実施形態に係る画像形成方法は、上記した工程以外の工程を含むものであってもよい。
前記潜像保持体としては、例えば、電子写真感光体および誘電記録体等が使用できる。電子写真感光体の場合、該電子写真感光体の表面を、コロトロン帯電器、接触帯電器等により一様に帯電した後、露光し、静電潜像を形成する(潜像形成工程)。次いで、表面に現像剤層を形成させた現像ロールと接触若しくは近接させて、静電潜像にトナーの粒子を付着させ、電子写真感光体上にトナー像を形成する(現像工程)。形成されたトナー像は、コロトロン帯電器等を利用して紙等の被転写体表面に転写される(転写工程)。さらに、被転写体表面に転写されたトナー像は、定着機により熱定着等され(定着工程)、最終的なトナー像が形成される。
トナー像を転写する被転写体(記録材)としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、前記被転写体の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を好適に使用することができる。
本実施形態に係る画像形成方法は、上記静電潜像現像用キャリアを含有する現像剤を用いているため、高温高湿環境下でも安定して良好な色再現性を実現することができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(コア粒子1の作製)
Fe2O3 75重量部、MnO2 20重量部、Mg(OH)2 5重量部を混合し、湿式ボールミルで25時間混合/粉砕してスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、ロータリーキルンを用いて800℃、7時間の仮焼成1を行った。こうして得られた仮焼成1物を、湿式ボールミルで2時間粉砕し、体積平均粒径を2.0μmとした後、更にスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、ロータリーキルンを用いて900℃、6時間の仮焼成2を行った。こうして得られた仮焼成2物を、湿式ボールミルで5時間粉砕し、体積平均粒径を5.6μmとした後、更にスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、電気炉を用いて温度900℃で12時間の本焼成を行った。解砕工程、分級工程を経て体積平均粒径36μmのコア粒子(Mn−Mgフェライト粒子)1を調製した。Sm=2.0、BET=0.186であった。
Fe2O3 75重量部、MnO2 20重量部、Mg(OH)2 5重量部を混合し、湿式ボールミルで25時間混合/粉砕してスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、ロータリーキルンを用いて800℃、7時間の仮焼成1を行った。こうして得られた仮焼成1物を、湿式ボールミルで2時間粉砕し、体積平均粒径を2.0μmとした後、更にスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、ロータリーキルンを用いて900℃、6時間の仮焼成2を行った。こうして得られた仮焼成2物を、湿式ボールミルで5時間粉砕し、体積平均粒径を5.6μmとした後、更にスプレードライヤにより造粒、乾燥した後、電気炉を用いて温度900℃で12時間の本焼成を行った。解砕工程、分級工程を経て体積平均粒径36μmのコア粒子(Mn−Mgフェライト粒子)1を調製した。Sm=2.0、BET=0.186であった。
なお、コア粒子の体積平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、BECKMAN COULTER社製)により得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径とした。コア粒子表面凹凸の平均間隔Smは、JIS B0601に準拠して超深度カラー3D形状測定顕微鏡(VK−9500、キーエンス社製)により測定した。また、BET値はSA3100比表面積測定装置(コールター社製)により測定した。
(コア粒子2の作製)
混合粉砕:25時間、仮焼成1:800℃,7時間、湿式粉砕1:なし、仮焼成2:なし、湿式粉砕2:3時間、本焼成:900℃,14時間とした以外はコア粒子1と同様にして、体積平均粒径35μmのコア粒子(Mn−Mgフェライト粒子)2を調製した。Sm=4.4、BET=0.108であった。
混合粉砕:25時間、仮焼成1:800℃,7時間、湿式粉砕1:なし、仮焼成2:なし、湿式粉砕2:3時間、本焼成:900℃,14時間とした以外はコア粒子1と同様にして、体積平均粒径35μmのコア粒子(Mn−Mgフェライト粒子)2を調製した。Sm=4.4、BET=0.108であった。
(コア粒子3の作製)
混合粉砕:25時間、仮焼成1:800℃,7時間、湿式粉砕1:10時間、仮焼成2:900℃,6時間、湿式粉砕2:14時間、本焼成:900℃,6時間とした以外はコア粒子1と同様にして、体積平均粒径38μmのコア粒子(Mn−Mgフェライト粒子)3を調製した。Sm=0.5、BET=0.286であった。
混合粉砕:25時間、仮焼成1:800℃,7時間、湿式粉砕1:10時間、仮焼成2:900℃,6時間、湿式粉砕2:14時間、本焼成:900℃,6時間とした以外はコア粒子1と同様にして、体積平均粒径38μmのコア粒子(Mn−Mgフェライト粒子)3を調製した。Sm=0.5、BET=0.286であった。
(コア粒子4の作製)
フェノール40重量部、ホルマリン60重量部、マグネタイト(体積平均粒径0.2μm、球形、1重量%KBM403(信越シリコン)処理品)400重量部、イオン交換水 60重量部、アンモニア水 12重量部を加え、混合撹拌しながら85℃まで徐々に昇温させ、4時間かけて反応、硬化させた。その後、冷却、ろ過、イオン交換水による洗浄を行った。次いで180℃まで徐々に昇温し、乾燥させ、フェノール系樹脂による樹脂分散型のコア粒子4(体積平均粒径38μm)を得た。
フェノール40重量部、ホルマリン60重量部、マグネタイト(体積平均粒径0.2μm、球形、1重量%KBM403(信越シリコン)処理品)400重量部、イオン交換水 60重量部、アンモニア水 12重量部を加え、混合撹拌しながら85℃まで徐々に昇温させ、4時間かけて反応、硬化させた。その後、冷却、ろ過、イオン交換水による洗浄を行った。次いで180℃まで徐々に昇温し、乾燥させ、フェノール系樹脂による樹脂分散型のコア粒子4(体積平均粒径38μm)を得た。
(コア粒子5の作製)
コア粒子4 400重量部、フェノール4重量部、ホルマリン 6重量部、イオン交換水 60重量部、アンモニア水 12重量部、0.1体積モル濃度水酸化ナトリウム水溶液 10重量部、グリシジルアミン 0.2重量部を混合撹拌し、85℃まで徐々に昇温させ、4時間かけて反応硬化させた。その後、冷却、ろ過、イオン交換水による洗浄を行った後、180℃まで徐々に昇温し乾燥させ、フェノール系樹脂のコア被覆層を有するフェノール系樹脂分散型のコア粒子5(体積平均粒径38μm)を得た。
コア粒子4 400重量部、フェノール4重量部、ホルマリン 6重量部、イオン交換水 60重量部、アンモニア水 12重量部、0.1体積モル濃度水酸化ナトリウム水溶液 10重量部、グリシジルアミン 0.2重量部を混合撹拌し、85℃まで徐々に昇温させ、4時間かけて反応硬化させた。その後、冷却、ろ過、イオン交換水による洗浄を行った後、180℃まで徐々に昇温し乾燥させ、フェノール系樹脂のコア被覆層を有するフェノール系樹脂分散型のコア粒子5(体積平均粒径38μm)を得た。
(樹脂被覆層形成用溶液1の作製)
スチレンアクリル系樹脂(スチレン/アクリル酸/メチルメタクリル酸共重合体、モル比79:21:20、重量平均分子量Mw10万) 30重量部
コロネートL(日本ポリウレタン製、アダクト型ポリイソシアネート) 6重量部
カーボンブラック(VXC72、キャボット製) 4重量部
トルエン 250重量部
メタノール 50重量部
上記成分とガラスビーズ(粒径:1mm、トルエンと同量)とを関西ペイント社製サンドミルに投入し、回転速度1200rpmで30分間撹拌し、固形分11重量%の樹脂被覆層形成用溶液1を調製した。
スチレンアクリル系樹脂(スチレン/アクリル酸/メチルメタクリル酸共重合体、モル比79:21:20、重量平均分子量Mw10万) 30重量部
コロネートL(日本ポリウレタン製、アダクト型ポリイソシアネート) 6重量部
カーボンブラック(VXC72、キャボット製) 4重量部
トルエン 250重量部
メタノール 50重量部
上記成分とガラスビーズ(粒径:1mm、トルエンと同量)とを関西ペイント社製サンドミルに投入し、回転速度1200rpmで30分間撹拌し、固形分11重量%の樹脂被覆層形成用溶液1を調製した。
(樹脂被覆層形成用溶液2の作製)
ポリエステル系樹脂(ビスフェノールA/ドデセニルこはく酸/テレフタル酸/トリメリット酸共重合体、モル比=50:10:35:5、Mw12万) 30重量部
コロネートHX(日本ポリウレタン、イソシアネート型ポリイソシアネート)
5重量部
カーボンブラック(VXC72、キャボット製) 4重量部
トルエン 250重量部
メタノール 50重量部
上記成分とガラスビーズ(粒径:1mm、トルエンと同量)とを関西ペイント社製サンドミルに投入し、回転速度1200rpmで30分間撹拌し、固形分11重量%の樹脂被覆層形成用溶液2を調製した。
ポリエステル系樹脂(ビスフェノールA/ドデセニルこはく酸/テレフタル酸/トリメリット酸共重合体、モル比=50:10:35:5、Mw12万) 30重量部
コロネートHX(日本ポリウレタン、イソシアネート型ポリイソシアネート)
5重量部
カーボンブラック(VXC72、キャボット製) 4重量部
トルエン 250重量部
メタノール 50重量部
上記成分とガラスビーズ(粒径:1mm、トルエンと同量)とを関西ペイント社製サンドミルに投入し、回転速度1200rpmで30分間撹拌し、固形分11重量%の樹脂被覆層形成用溶液2を調製した。
(樹脂被覆層形成用溶液3の作製)
タケネートD110N(三井武田ケミカル製、アダクト型ポリイソシアネート)8重量部、トルエン 12重量部、メタノール 2重量部を混合撹拌し、70℃まで昇温した。更に110℃の水蒸気を100mL/秒の条件で2秒吹き込んだ後、70℃、96%環境下で1時間撹拌を行い、ウレア変性ポリイソシアネート溶液を作製した。
タケネートD110N(三井武田ケミカル製、アダクト型ポリイソシアネート)8重量部、トルエン 12重量部、メタノール 2重量部を混合撹拌し、70℃まで昇温した。更に110℃の水蒸気を100mL/秒の条件で2秒吹き込んだ後、70℃、96%環境下で1時間撹拌を行い、ウレア変性ポリイソシアネート溶液を作製した。
アクリル系樹脂(アクリル酸/メチルメタクリル酸/ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体、モル比=1:98:1、重量平均分子量Mw10万) 30重量部
ウレア変性ポリイソシアネート溶液 30重量部
カーボンブラック(VXC72、キャボット製) 4重量部
トルエン(和光純薬工業) 250重量部
上記成分とガラスビーズ(粒径:1mm、トルエンと同量)とを関西ペイント社製サンドミルに投入し、回転速度1200rpmで30分間撹拌し、固形分11重量%の樹脂被覆層形成用溶液3を調製した。
ウレア変性ポリイソシアネート溶液 30重量部
カーボンブラック(VXC72、キャボット製) 4重量部
トルエン(和光純薬工業) 250重量部
上記成分とガラスビーズ(粒径:1mm、トルエンと同量)とを関西ペイント社製サンドミルに投入し、回転速度1200rpmで30分間撹拌し、固形分11重量%の樹脂被覆層形成用溶液3を調製した。
(樹脂被覆層形成用溶液4の作製)
ポリエステル系樹脂(ビスフェノールA/ドデセニルこはく酸/テレフタル酸共重合体、モル比=10mol:2mol:8mol) 30重量部
カーボンブラック(VXC72、キャボット製) 4重量部
トルエン(和光純薬工業) 300重量部
上記成分とガラスビーズ(粒径:1mm、トルエンと同量)とを関西ペイント社製サンドミルに投入し、回転速度1200rpmで30分間撹拌し、固形分10重量%の樹脂被覆層形成用溶液4を調製した。
ポリエステル系樹脂(ビスフェノールA/ドデセニルこはく酸/テレフタル酸共重合体、モル比=10mol:2mol:8mol) 30重量部
カーボンブラック(VXC72、キャボット製) 4重量部
トルエン(和光純薬工業) 300重量部
上記成分とガラスビーズ(粒径:1mm、トルエンと同量)とを関西ペイント社製サンドミルに投入し、回転速度1200rpmで30分間撹拌し、固形分10重量%の樹脂被覆層形成用溶液4を調製した。
(樹脂被覆層形成用溶液5の作製)
スチレンアクリル系樹脂(スチレン/メチルメタクリレート共重合体、モル比=2mol:8mol) 30重量部
カーボンブラック(VXC72、キャボット製) 4重量部
トルエン(和光純薬工業) 300重量部
上記成分とガラスビーズ(粒径:1mm、トルエンと同量)とを関西ペイント社製サンドミルに投入し、回転速度1200rpmで30分間撹拌し、固形分10重量%の樹脂被覆層形成用溶液5を調製した。
スチレンアクリル系樹脂(スチレン/メチルメタクリレート共重合体、モル比=2mol:8mol) 30重量部
カーボンブラック(VXC72、キャボット製) 4重量部
トルエン(和光純薬工業) 300重量部
上記成分とガラスビーズ(粒径:1mm、トルエンと同量)とを関西ペイント社製サンドミルに投入し、回転速度1200rpmで30分間撹拌し、固形分10重量%の樹脂被覆層形成用溶液5を調製した。
(樹脂被覆層形成用溶液6の作製)
スチレンアクリル系樹脂(スチレン/メチルメタアクリレート/β−ヒドロキシエチルメタアクリレート共重合体、モル比=20:60:20、Mw6万) 30重量部
コロネートHX(日本ポリウレタン、イソシアネート型ポリイソシアネート)
2重量部
タケネート500(三井武田ケミカル製、m−キシリレンジイソシアネート)4重量部
カーボンブラック(VXC72、キャボット製) 4重量部
トルエン 250重量部
メタノール 50重量部
上記成分とガラスビーズ(粒径:1mm、トルエンと同量)とを関西ペイント社製サンドミルに投入し、回転速度1200rpmで30分間撹拌し、固形分11重量%の樹脂被覆層形成用溶液6を調製した。
スチレンアクリル系樹脂(スチレン/メチルメタアクリレート/β−ヒドロキシエチルメタアクリレート共重合体、モル比=20:60:20、Mw6万) 30重量部
コロネートHX(日本ポリウレタン、イソシアネート型ポリイソシアネート)
2重量部
タケネート500(三井武田ケミカル製、m−キシリレンジイソシアネート)4重量部
カーボンブラック(VXC72、キャボット製) 4重量部
トルエン 250重量部
メタノール 50重量部
上記成分とガラスビーズ(粒径:1mm、トルエンと同量)とを関西ペイント社製サンドミルに投入し、回転速度1200rpmで30分間撹拌し、固形分11重量%の樹脂被覆層形成用溶液6を調製した。
(キャリア1の作製)
真空脱気型5Lニーダーにコア粒子1を2000重量部入れ、更に樹脂被覆層形成用溶液1を455重量部入れ、撹拌しながら、60℃にて−200mmHgまで減圧し20分混合した後、昇温/減圧させ90℃/−720mHgで30分間撹拌、乾燥させ、コート粒子を得た。次に前記ニーダーで真空にせず、大気圧下で、温度200℃にし、60分撹拌を行い、75μmメッシュの篩分網で篩分を行い、キャリア1を得た。得られたキャリア1のウレタン率は4mol%であった。
真空脱気型5Lニーダーにコア粒子1を2000重量部入れ、更に樹脂被覆層形成用溶液1を455重量部入れ、撹拌しながら、60℃にて−200mmHgまで減圧し20分混合した後、昇温/減圧させ90℃/−720mHgで30分間撹拌、乾燥させ、コート粒子を得た。次に前記ニーダーで真空にせず、大気圧下で、温度200℃にし、60分撹拌を行い、75μmメッシュの篩分網で篩分を行い、キャリア1を得た。得られたキャリア1のウレタン率は4mol%であった。
キャリアのウレタン架橋の含有率(ウレタン率)は、1H−NMR装置としてJNM−400AL(日本電子株式会社製)を用い、測定条件を5mmガラス管、重クロロホルム溶液、測定温度25℃として測定した。サンプルは、キャリアの被覆樹脂を重クロロホルムで溶解したものを用いた。被覆樹脂の1H−NMRにおいて、ウレタン結合(−NH−C(=O)−O−)に起因するプロトンピークとスチレンアクリル繰り返し単位に起因するプロトンピークとのピーク面積比率によりウレタン架橋の含有率を求めた。
(キャリア2の作製)
コア粒子4、樹脂被覆層形成用溶液2を用いた以外はキャリア1と同様にしてキャリア2を得た。被覆樹脂の1H−NMRにおいて、ウレタン結合に起因するプロトンピークとポリエステル繰り返し単位に起因するプロトンピークとのピーク面積比率によりウレタン架橋の含有率を求めたところ、ウレタン率は6mol%であった。
コア粒子4、樹脂被覆層形成用溶液2を用いた以外はキャリア1と同様にしてキャリア2を得た。被覆樹脂の1H−NMRにおいて、ウレタン結合に起因するプロトンピークとポリエステル繰り返し単位に起因するプロトンピークとのピーク面積比率によりウレタン架橋の含有率を求めたところ、ウレタン率は6mol%であった。
(キャリア3の作製)
コア粒子5、樹脂被覆層形成用溶液3を用いた以外はキャリア1と同様にしてキャリア3を得た。被覆樹脂の1H−NMRにおいて、ウレタン及びウレア結合に起因するプロトンピークと、アクリル繰り返し単位に起因するプロトンピークとのピーク面積比率によりウレタン架橋及びウレア架橋の含有率を求めたところ、ウレタン率は6mol%、ウレア率は4mol%、合計含有率は10mol%であった。
コア粒子5、樹脂被覆層形成用溶液3を用いた以外はキャリア1と同様にしてキャリア3を得た。被覆樹脂の1H−NMRにおいて、ウレタン及びウレア結合に起因するプロトンピークと、アクリル繰り返し単位に起因するプロトンピークとのピーク面積比率によりウレタン架橋及びウレア架橋の含有率を求めたところ、ウレタン率は6mol%、ウレア率は4mol%、合計含有率は10mol%であった。
(キャリア4の作製)
コア粒子2、樹脂被覆層形成用溶液1を用いた以外はキャリア1と同様にしてキャリア4を得た。ウレタン率は6mol%であった。
コア粒子2、樹脂被覆層形成用溶液1を用いた以外はキャリア1と同様にしてキャリア4を得た。ウレタン率は6mol%であった。
(キャリア5の作製)
コア粒子3、樹脂被覆層形成用溶液1を用いた以外はキャリア1と同様にしてキャリア5を得た。ウレタン率は6mol%であった。
コア粒子3、樹脂被覆層形成用溶液1を用いた以外はキャリア1と同様にしてキャリア5を得た。ウレタン率は6mol%であった。
(キャリア6の作製)
コア粒子4、樹脂被覆層形成用溶液1を用いた以外はキャリア1と同様にしてキャリア6を得た。ウレタン率は6mol%であった。
コア粒子4、樹脂被覆層形成用溶液1を用いた以外はキャリア1と同様にしてキャリア6を得た。ウレタン率は6mol%であった。
(キャリア7の作製)
真空脱気型5Lニーダーにコア粒子1を2000重量部入れ、更に樹脂被覆層形成用溶液4を455重量部を入れ、撹拌しながら、60℃にて−200mmHgまで減圧し20分混合した後、昇温/減圧させ90℃/−720mHgで30分間撹拌、乾燥させ、75μmメッシュの篩分網で篩分を行い、キャリア7を得た。得られたキャリア7のウレタン率は0mol%であった。
真空脱気型5Lニーダーにコア粒子1を2000重量部入れ、更に樹脂被覆層形成用溶液4を455重量部を入れ、撹拌しながら、60℃にて−200mmHgまで減圧し20分混合した後、昇温/減圧させ90℃/−720mHgで30分間撹拌、乾燥させ、75μmメッシュの篩分網で篩分を行い、キャリア7を得た。得られたキャリア7のウレタン率は0mol%であった。
(キャリア8の作製)
コア粒子3、樹脂被覆層形成用溶液5を用いた以外はキャリア7と同様にしてキャリア8を得た。ウレタン率は0mol%であった。
コア粒子3、樹脂被覆層形成用溶液5を用いた以外はキャリア7と同様にしてキャリア8を得た。ウレタン率は0mol%であった。
(キャリア9の作製)
真空脱気型5Lニーダーにコア粒子5を2000重量部入れ、更に樹脂被覆層形成用溶液6を460重量部入れ、撹拌しながら、60℃にて−200mmHgまで減圧し20分混合した後、昇温/減圧させ90℃/−720mHgで30分間撹拌、乾燥させ、コート粒子を得た。次に前記ニーダーで真空にせず、大気圧下で、温度200℃にし、イオン交換水を100mL/10分の速度で投入しながら60分撹拌を行い、75μmメッシュの篩分網で篩分を行い、キャリア9を得た。得られたキャリア9のウレタン率は18mol%、ウレア率は3mol%であった。
真空脱気型5Lニーダーにコア粒子5を2000重量部入れ、更に樹脂被覆層形成用溶液6を460重量部入れ、撹拌しながら、60℃にて−200mmHgまで減圧し20分混合した後、昇温/減圧させ90℃/−720mHgで30分間撹拌、乾燥させ、コート粒子を得た。次に前記ニーダーで真空にせず、大気圧下で、温度200℃にし、イオン交換水を100mL/10分の速度で投入しながら60分撹拌を行い、75μmメッシュの篩分網で篩分を行い、キャリア9を得た。得られたキャリア9のウレタン率は18mol%、ウレア率は3mol%であった。
(キャリア10の作製)
コア粒子1、樹脂被覆層形成用溶液1のコロネートLの量を18重量部にした以外はキャリア1と同様にしてキャリア10を得た。ウレタン率は15mol%であった。
コア粒子1、樹脂被覆層形成用溶液1のコロネートLの量を18重量部にした以外はキャリア1と同様にしてキャリア10を得た。ウレタン率は15mol%であった。
(キャリア11の作製)
コア粒子1、樹脂被覆層形成用溶液1のコロネートLの量を3重量部にした以外はキャリア1と同様にしてキャリア11を得た。ウレタン率は2mol%であった。
コア粒子1、樹脂被覆層形成用溶液1のコロネートLの量を3重量部にした以外はキャリア1と同様にしてキャリア11を得た。ウレタン率は2mol%であった。
(キャリア12の作製)
樹脂被覆層形成用溶液1のスチレンアクリル樹脂を28重量部、コロネートLを16重量部とした以外はキャリア1と同様にしてキャリア12を得た。ウレタン率は16mol%であった。
樹脂被覆層形成用溶液1のスチレンアクリル樹脂を28重量部、コロネートLを16重量部とした以外はキャリア1と同様にしてキャリア12を得た。ウレタン率は16mol%であった。
(着色剤分散液1の作製)
シアン顔料(銅フタロシアニンC.I.PigmentBlue15:3、大日精化製) 50重量部
アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬製) 5重量部
イオン交換水 200重量部
上記を混合し、IKA社製ウルトラタラックスにより5分間、更に超音波バスにより10分間分散し、着色剤分散液1を得た。
シアン顔料(銅フタロシアニンC.I.PigmentBlue15:3、大日精化製) 50重量部
アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬製) 5重量部
イオン交換水 200重量部
上記を混合し、IKA社製ウルトラタラックスにより5分間、更に超音波バスにより10分間分散し、着色剤分散液1を得た。
(離型剤分散液1の作製)
パラフィンワックス(HNP−9、日本精鑞製) 19重量部
アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬製) 1重量部
イオン交換水 80重量部
上記を耐熱容器中で混合し、90℃に昇温して30分、撹拌を行った。次いで、容器底部より溶融液をゴーリンホモジナイザーへと流通し、5MPaの圧力条件のもと、3パス相当の循環運転を行った後、圧力を35MPaに昇圧し、更に3パス相当の循環運転を行った。こうして出来た乳化液を前記耐熱溶液中で40℃以下になるまで冷却し、離型剤分散液1を得た。
パラフィンワックス(HNP−9、日本精鑞製) 19重量部
アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業製薬製) 1重量部
イオン交換水 80重量部
上記を耐熱容器中で混合し、90℃に昇温して30分、撹拌を行った。次いで、容器底部より溶融液をゴーリンホモジナイザーへと流通し、5MPaの圧力条件のもと、3パス相当の循環運転を行った後、圧力を35MPaに昇圧し、更に3パス相当の循環運転を行った。こうして出来た乳化液を前記耐熱溶液中で40℃以下になるまで冷却し、離型剤分散液1を得た。
(樹脂分散液1の作製)
(油層)
スチレン(和光純薬(株)製) 30重量部
アクリル酸n−ブチル(和光純薬(株)製) 10重量部
β−カルボキシエチルアクリレート(ローディア日華(株)製) 1.3重量部
ドデカンチオール(和光純薬(株)製) 0.4重量部
(水層1)
イオン交換水 17重量部
アニオン性界面活性剤(ダウファックス、ダウケミカル製) 0.4重量部
(水層2)
イオン交換水 40重量部
アニオン性界面活性剤(ダウファックス、ダウケミカル製) 0.05重量部
ペルオキソ二硫酸アンモニウム(和光純薬(株)製) 0.4重量部
上記の油層成分と水層1の成分をフラスコに入れて撹拌混合し単量体乳化分散液とした。反応容器に上記水層2の成分を投入し、容器内を窒素で十分に置換し、撹拌をしながらオイルバスで反応系内が75℃になるまで加熱した。反応容器内に上記の単量体乳化分散液を3時間かけて徐々に滴下し、乳化重合を行った。滴下終了後更に75℃で重合を継続し、3時間後に重合を終了させ、樹脂分散液1を得た。
(油層)
スチレン(和光純薬(株)製) 30重量部
アクリル酸n−ブチル(和光純薬(株)製) 10重量部
β−カルボキシエチルアクリレート(ローディア日華(株)製) 1.3重量部
ドデカンチオール(和光純薬(株)製) 0.4重量部
(水層1)
イオン交換水 17重量部
アニオン性界面活性剤(ダウファックス、ダウケミカル製) 0.4重量部
(水層2)
イオン交換水 40重量部
アニオン性界面活性剤(ダウファックス、ダウケミカル製) 0.05重量部
ペルオキソ二硫酸アンモニウム(和光純薬(株)製) 0.4重量部
上記の油層成分と水層1の成分をフラスコに入れて撹拌混合し単量体乳化分散液とした。反応容器に上記水層2の成分を投入し、容器内を窒素で十分に置換し、撹拌をしながらオイルバスで反応系内が75℃になるまで加熱した。反応容器内に上記の単量体乳化分散液を3時間かけて徐々に滴下し、乳化重合を行った。滴下終了後更に75℃で重合を継続し、3時間後に重合を終了させ、樹脂分散液1を得た。
(トナー1の作製)
樹脂分散液1 150重量部
着色剤分散液1 30重量部
離型剤粒子分散液1 40重量部
ポリ塩化アルミニウム 0.4重量部
上記の成分をステンレス製フラスコ中でIKA社製のウルトラタラックスを用い十分に混合、分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら48℃まで加熱した。48℃で80分保持した後、ここに上記と同じ樹脂粒子分散液を緩やかに70重量部追加した。
樹脂分散液1 150重量部
着色剤分散液1 30重量部
離型剤粒子分散液1 40重量部
ポリ塩化アルミニウム 0.4重量部
上記の成分をステンレス製フラスコ中でIKA社製のウルトラタラックスを用い十分に混合、分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら48℃まで加熱した。48℃で80分保持した後、ここに上記と同じ樹脂粒子分散液を緩やかに70重量部追加した。
その後、濃度0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を用いて系内のpHを6.0に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、撹拌軸のシールを磁力シールして撹拌を継続しながら97℃まで加熱して3時間保持した。反応終了後、降温速度を1℃/分で冷却し、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を行った。これをさらに40℃のイオン交換水3L を用いて再分散し、15分間300rpmで撹拌、洗浄した。この洗浄操作をさらに5回繰り返し、ヌッチェ式吸引濾過によりNo.5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続してトナー母粒子を得た。
このトナーに、ヘキサメチルジシラザン(以下、「HMDS」と略す場合がある)で表面疎水化処理した一次粒子体積平均粒径40nmのシリカ(SiO2)粒子と、メタチタン酸とイソブチルトリメトキシシランの反応生成物である一次粒子体積平均粒径20nmのメタチタン酸化合物粒子とを、それぞれの着色粒子の表面に対する被覆率が40%となるように添加し、ヘンシェルミキサーで混合し、トナー1を作製した。
(トナー2)
DCC1250用シアントナー(富士ゼロックス社製、混練粉砕法により製造したもの)を用いた。
DCC1250用シアントナー(富士ゼロックス社製、混練粉砕法により製造したもの)を用いた。
<実施例1>
(効果確認)
DocuCentreColor400(富士ゼロックス社製)の改造機に、キャリア1とトナー1が100:6重量比になるように混合した現像剤を仕込み、32℃、88%RHの環境下で、5cm×10cmのソリッドパッチを20000枚印刷した。1枚目の印刷物をP1、20000枚目の印刷物をP2とする。次に、現像器をはずし、32℃、88%RHの環境下で7日間放置し、放置後、同様に5cm×10cmのソリッドパッチを90枚印刷した。1枚目の印刷物をAP1、50枚目をAP5とした。X−rite社製の反射濃度計X−rite404を用いて画像濃度を測定し、P1に対する各印刷物の画像濃度を確認した。結果を表1にまとめる。表1中のX、Y、Zの定義は以下の通りである。X、Y、Zが10以下のものを許容範囲とした。
X:P1に対するP2の割合(%)=(|P1−P2|/P1)×100
Y:P1に対するAP5の割合(%)=(|P1−AP5|/P1)×100
Z:P1に対するAP1の割合(%)=(|P1−AP1|/P1)×100
(効果確認)
DocuCentreColor400(富士ゼロックス社製)の改造機に、キャリア1とトナー1が100:6重量比になるように混合した現像剤を仕込み、32℃、88%RHの環境下で、5cm×10cmのソリッドパッチを20000枚印刷した。1枚目の印刷物をP1、20000枚目の印刷物をP2とする。次に、現像器をはずし、32℃、88%RHの環境下で7日間放置し、放置後、同様に5cm×10cmのソリッドパッチを90枚印刷した。1枚目の印刷物をAP1、50枚目をAP5とした。X−rite社製の反射濃度計X−rite404を用いて画像濃度を測定し、P1に対する各印刷物の画像濃度を確認した。結果を表1にまとめる。表1中のX、Y、Zの定義は以下の通りである。X、Y、Zが10以下のものを許容範囲とした。
X:P1に対するP2の割合(%)=(|P1−P2|/P1)×100
Y:P1に対するAP5の割合(%)=(|P1−AP5|/P1)×100
Z:P1に対するAP1の割合(%)=(|P1−AP1|/P1)×100
<実施例2>
キャリア2、トナー1を使用した以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1にまとめる。
キャリア2、トナー1を使用した以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1にまとめる。
<実施例3>
キャリア3、トナー1を使用した以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1にまとめる。
キャリア3、トナー1を使用した以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1にまとめる。
<実施例4>
キャリア4、トナー1を使用した以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1にまとめる。
キャリア4、トナー1を使用した以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1にまとめる。
<実施例5>
キャリア5、トナー1を使用した以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1にまとめる。
キャリア5、トナー1を使用した以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1にまとめる。
<実施例6>
キャリア6、トナー1を使用した以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1にまとめる。
キャリア6、トナー1を使用した以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1にまとめる。
<実施例7>
キャリア6、トナー2を使用した以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1にまとめる。
キャリア6、トナー2を使用した以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1にまとめる。
<実施例8>
キャリア10、トナー1を使用した以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1にまとめる。
キャリア10、トナー1を使用した以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1にまとめる。
<比較例1>
キャリア7、トナー1を使用した以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1にまとめる。
キャリア7、トナー1を使用した以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1にまとめる。
<比較例2>
キャリア8、トナー1を使用した以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1にまとめる。
キャリア8、トナー1を使用した以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1にまとめる。
<比較例3>
キャリア9、トナー1を使用した以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1にまとめる。
キャリア9、トナー1を使用した以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1にまとめる。
<比較例4>
キャリア9、トナー2を使用した以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1にまとめる。
キャリア9、トナー2を使用した以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1にまとめる。
<比較例5>
キャリア11、トナー1を使用した以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1にまとめる。
キャリア11、トナー1を使用した以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1にまとめる。
<比較例6>
キャリア12、トナー1を使用した以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1にまとめる。
キャリア12、トナー1を使用した以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1にまとめる。
表1からわかるように、実施例1〜8の現像剤を用いることにより、高温高湿環境下での長期印刷時の帯電安定性、かつ高温高湿環境下での長期放置後の帯電安定性が良好であった。実施例1のようにコア粒子のSm、BET値を所定の範囲としたもの、実施例2のようにコア粒子にフェノール系樹脂を用いたもの、特に実施例3のようにコア表面にフェノール系樹脂を含むコア被覆層を設けたコア粒子を使用したものは、特に良好であった。
Claims (6)
- コア粒子と前記コア粒子表面を被覆する樹脂被覆層とを有する静電潜像現像用キャリアであって、
前記樹脂被覆層は、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂及びポリエステル系樹脂から選択される少なくとも1つの被覆樹脂を含有し、
前記被覆樹脂はウレタン架橋及びウレア架橋のうち少なくとも1つを含み、前記被覆樹脂中の前記ウレタン架橋及びウレア架橋の合計含有率がモル比で3〜15mol%の範囲であることを特徴とする静電潜像現像用キャリア。 - 請求項1に記載の静電潜像現像用キャリアであって、
前記コア粒子の表面の粗さは凹凸の平均間隔Smが1.0μm〜4.0μmの範囲であり、かつ前記コア粒子のBET値が0.125m2/g〜0.260m2/gの範囲であることを特徴とする静電潜像現像用キャリア。 - 請求項1に記載の静電潜像現像用キャリアであって、
前記コア粒子は結着樹脂中に磁性体が分散されてなり、前記結着樹脂がフェノール系樹脂を含むことを特徴とする静電潜像現像用キャリア。 - 請求項1に記載の静電潜像現像用キャリアであって、
前記コア粒子は結着樹脂中に磁性体が分散されてなるコアと、前記コアの表面を被覆するコア被覆層とを有し、前記コア被覆層がフェノール系樹脂を含むことを特徴とする静電潜像現像用キャリア。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の静電潜像現像用キャリアであって、
前記被覆樹脂が、ウレタン架橋及びウレア架橋を含むことを特徴とする静電潜像現像用キャリア。 - トナー及びキャリアを含む静電潜像現像用現像剤であって、
前記キャリアが、請求項1〜5のいずれか1項に記載の静電潜像現像用キャリアであることを特徴とする静電潜像現像用現像剤。
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