JP4501742B2 - 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤並びに画像形成方法 - Google Patents
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Description
これらの方法は、一般に乳化重合などにより樹脂微粒子分散液を調製し、一方、溶媒に着色剤を分散した着色剤分散液を作成し、これらを混合してトナー粒径に相当する凝集粒子を形成し、加熱して融合・合一させ、トナーを製造する方法である。この方法を用いると、粒度分布がシャープで小粒子径のトナーの製造が可能となるだけでなく、トナー形状の制御が可能、トナー表面への離型剤露出の抑制が可能となる。
<1> 結着樹脂と着色剤と体積平均粒径が0.1〜0.5μmであり比重が1.0〜2.0である無機微粒子と体積平均粒径が0.1〜1.0μmのテルペン変性ノボラック樹脂微粒子とを含有するガラス転移温度が20〜40℃のコア粒子の表面を、ガラス転移温度が50〜100℃の被覆層で被覆してなる静電荷像現像用トナーである。
<静電荷像現像用トナー及びその製造方法>
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、「本発明のトナー」と称することがある。)は、結着樹脂と着色剤と体積平均粒径が0.1〜0.5μmであり比重が1.0〜2.0である無機微粒子とを含有するガラス転移温度が20〜40℃のコア粒子の表面を、ガラス転移温度が50〜100℃の被覆層で被覆してなるものである。
コア粒子のガラス転移温度は20〜40℃であり、好ましくは、20〜30℃である。コア粒子のガラス転移温度が20℃を下回ると定着後の画像表面上にコア粒子に含まれる低ガラス転移温度の結着樹脂成分が露出する確立が高まり、定着画像のドキュメントオフセット性が低下する。また、40℃を超えると定着時にコア粒子の低ガラス転移温度成分が寄与しにくくなり、低温定着性が損なわれる。また、被覆層はガラス転移温度が50〜100℃であり、好ましくは、60〜80℃である。被覆層のガラス転移温度が50℃を下回ると定着後の画像表面上に高ガラス転移温度の樹脂成分が存在しなくなるため、定着画像のドキュメントオフセット性が低下する。
また分子量のピーク面積の算出にはゲルパーミエションクロマトグラフィー(GPCを用い、以下の条件で行った。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min.、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
これをリテンションタイム範囲ごとにピーク面積をスライスし、その面積比から分布割合を求めた。
また、被覆層が複数の樹脂層からなる場合、本発明のトナーの構成上、50〜100℃の範囲に複数の異なるピークが観察される。ピーク観察での分離が容易でない場合は、必要に応じて測定軸の拡大調整を行うことによりピーク観察が可能となる。
したがって、高速印刷や、低エネルギーでの定着や定着画像のハーフトーンなど、低温定着とドキュメントオフセット性の両立にストレスな条件においても、その両立が可能となる。
<無機微粒子の比重測定>
ルシャテリエ比重瓶を用いJIS−K−0061の5−2−1に準拠して比重を測定した。操作は次の通り行う。
(1)ルシャテリエ比重瓶に約250mlのエチルアルコールを入れ、メニスカスが目盛りの位置にくるように調整する。
(2)ルシャテリエ比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2°Cになったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取る。(精度0.025mlとする)
(3)試料約100gを正確に量り取り、その質量をWとする。
(4)量り取った試料をルシャテリエ比重瓶に入れ泡を除く。
(5)ルシャテリエ比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2°Cになったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取る。(精度0.025mlとする)
(6)次式により比重Sを算出する。
S=D/0.9982
被覆層の厚みは、下記方法でもとめた。
(1)透過型電子顕微鏡で、下記方法により測定される体積平均粒径の80〜120%の粒径のトナーについて10000倍の倍率でトナー断面図を写真撮影する。
(2)撮影された写真を観察して各トナーの被覆層の膜厚を測定する。
(3)トナー100個についての被覆層の厚みを測定し、その平均値を被覆層の厚みとした。
トナーの粒径は、例えば、コールターカウンターTA II(ベックマン−コールター社製)、マルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)等の測定器を用いて50μmのアパーチャー径で測定することにより求めることができる。この際、測定はトナーを電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ、超音波により30秒以上分散させた後に行う。
測定した粒度分布を基にして、分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数、それぞれに小径側から累積分布を描き、累積50%となる粒径を体積平均粒径(D50V)、数平均粒径(D50P)と定義する。
被覆層が少なくとも2層の樹脂層からなる場合、そのうちの1層のガラス転移温度が50〜100℃であればよい。また、内側の樹脂層から外側の樹脂層に向かってガラス転移温度が高くなることが好ましい。
なお、本発明において樹脂層の酸価とは、被覆樹脂の酸価をいう。
さらに、この凝集の段階的操作は複数回繰り返してもよい。凝集の段階的操作を複数回繰り返すことにより、コア粒子の表面を少なくとも2層の樹脂層で被覆することができる。また、凝集粒子中に離型剤をトナー重量当たり固形分換算で5〜25質量%含有させてもよい。離型剤は被覆樹脂微粒子を付着する前に添加する方が、帯電性、耐久性の点から好ましい。
得られた離型剤分散液中の離型剤微粒子の体積平均粒径は、例えばレーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700堀場製作所製)で測定する。離型剤微粒子の体積平均粒径は、50〜400nmが好ましく、70〜350nmがさらに好ましい。50nm未満では定着時の離型剤の必要量が多くなりやすく、また400nmを超えると凝集が不安定となりやすい場合がある。
本発明の静電荷像現像剤は、結着樹脂と着色剤と体積平均粒径が0.1〜0.5μmであり比重が1.0〜2.0である無機微粒子とを含有するガラス転移温度が20〜40℃のコア粒子の表面を、ガラス転移温度が50〜100℃の被覆層で被覆してなる静電荷像現像用トナーを少なくとも含有するものである。
二成分系の静電荷像現像剤に使用し得るキャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを用いることができる。例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、これら芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア等を挙げることができる。またマトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。本発明においては、帯電特性の制御を良好に行うことができるために帯電分布の狭い現像剤を得ることが可能となることから、樹脂被覆層を表面に設けたキャリアを用いた現像剤を用いることが好ましい。
本発明の画像形成方法は、潜像保持体表面に静電荷像を形成する潜像形成工程と、現像剤担持体に担持された現像剤を用いて前記潜像保持体表面に形成された静電荷像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー画像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー画像を熱定着する定着工程と、を少なくとも有するものであり、前記現像剤として、本発明の静電荷像現像剤を用いる。
電子写真感光体の場合、該電子写真感光体の表面を、コロトロン帯電器、接触帯電器等により一様に帯電した後、露光し、静電荷像を形成する(潜像形成工程)。次いで、表面に現像剤層を形成させた現像ロールと接触若しくは近接させて、静電荷像にトナーを付着させ、電子写真感光体上にトナー像を形成する(現像工程)。形成されたトナー像は、コロトロン帯電器等を利用して紙等の被転写体表面に転写される(転写工程)。さらに、被転写体表面に転写されたトナー像は、定着機により熱定着され、最終的なトナー像が形成される。
尚、前記定着機による熱定着の際には、オフセット等を防止するため、通常、前記定着機における定着部材に離型剤が供給される。
このヘキサン中に含まれる離型剤の量を、原子吸光分析装置にて定量することで、普通紙に付着した離型剤の量を定量できる。この量を離型剤の定着部材への供給量と定義する。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、前記被転写体の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を好適に使用することができる。
下記の樹脂微粒子分散液、着色剤分散液、無機微粒子分散液、離形剤分散液、テルペン変性ノボラック樹脂微粒子分散液をそれぞれ調製し、これらを所定の割合で混合し攪拌しながら、これに無機金属塩の重合体を添加しイオン的に中和して凝集粒子を形成する。無機水酸化物で系内のpHを弱酸性から中性に調整した後、前記樹脂微粒子のガラス転移温度以上に加熱して融合・合一させる。その後、十分な洗浄、固液分離、乾燥の各工程を経て所望のトナーを得た。以下、それぞれの調製方法を説明する。
スチレン(和光純薬製) 200質量部
nブチルアクリレート(和光純薬製) 200質量部
βカルボキシエチルアクリレート(ローディア日華製) 9質量部
1、10デカンジオールジアクリレート(新中村化学製) 1.5質量部
ドデカンチオール(和光純薬製) 2.7質量部
以上を混合溶解し、これをアニオン性界面活性剤ダウファックス(ダウケミカル社製)4質量部を含有するイオン交換水550質量部に溶解し、さらにフラスコ中で分散、乳化し10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム6質量部を溶解したイオン交換水50質量部を投入した。次いで系内の窒素置換を十分に行った後、フラスコ内を攪拌しながらオイルバスで系内が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。これにより体積平均粒径196nm、ガラス転移温度28.3℃のアニオン性の樹脂微粒子分散液1Aを得た。
樹脂微粒子分散液1Aの調整において、スチレン210質量部、nブチルアクリレート190質量部としたこと以外は樹脂微粒子分散液1Aの調整と同様にして樹脂微粒子分散液2Aを得た。体積平均粒径195nm、ガラス転移温度32.1℃であった。
樹脂微粒子分散液1Aの調整において、スチレン230質量部、nブチルアクリレート170質量部としたこと以外は樹脂微粒子分散液1Aの調整と同様にして樹脂微粒子分散液3Aを得た。体積平均粒径199nm、ガラス転移温度35.5℃であった。
樹脂微粒子分散液1Aの調整において、スチレン250質量部、nブチルアクリレート150質量部としたこと以外は樹脂微粒子分散液1Aの調整と同様にして樹脂微粒子分散液4Aを得た。体積平均粒径200nm、ガラス転移温度38.9℃であった。
樹脂微粒子分散液1Aの調整において、スチレン315質量部、nブチルアクリレート75質量部としたこと以外は樹脂微粒子分散液1Aの調整と同様にして樹脂微粒子分散液5Aを得た。体積平均粒径201nm、ガラス転移温度54.2℃であった。
樹脂微粒子分散液1Aの調整において、スチレン330質量部、nブチルアクリレート70質量部、βカルボキシエチルアクリレート9.5質量部としたこと以外は樹脂微粒子分散液1Aの調整と同様にして樹脂微粒子分散液6Aを得た。体積平均粒径198nm、ガラス転移温度58.7℃であった。
樹脂微粒子分散液1Aの調整において、スチレン360質量部、nブチルアクリレート40質量部としたこと以外は樹脂微粒子分散液1Aの調整と同様にして樹脂微粒子分散液7Aを得た。体積平均粒径202nm、ガラス転移温度62.4℃であった。
樹脂微粒子分散液1Aの調整において、スチレン375質量部、nブチルアクリレート25質量部としたこと以外は樹脂微粒子分散液1Aの調整と同様にして樹脂微粒子分散液8Aを得た。体積平均粒径199nm、ガラス転移温度68.2℃であった。
フタロシアニン顔料(大日精化社製、PVFASTBLUE) 90質量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC) 10質量部
イオン交換水 240質量部
以上を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した後、循環式超音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて着色剤分散液1Aを調製した。着色剤分散液1Aにおける着色剤の数平均粒径は150nmであった。
カーボンブラック(CABOT社製、R330) 90質量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC) 10質量部
イオン交換水 240質量部
以上を混合し、着色剤分散液1Aと同様の条件にて着色剤分散液2Aを調製した。着色剤分散液2Aにおける着色剤の数平均粒径は155nmであった。
C.Iピグメント・レッド122(大日製化社製、ECR−185)90質量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC) 10質量部
イオン交換水 240質量部
以上を混合し、着色剤分散液1Aと同様の条件にて着色剤分散液3Aを調製した。着色剤分散液3Aにおける着色剤の数平均粒径は165nmであった。
C.Iピグメントイエロー74(クラリアント社製) 90質量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC) 10質量部
イオン交換水 240質量部
以上を混合し、着色剤分散液1Aと同様の条件にて着色剤分散液4Aを調製した。着色剤分散液4Aにおける着色剤の数平均粒径は175nmであった。
シリカゾル(比重1.6) 50質量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC) 5質量部
イオン交換水 200質量部
以上を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した後、循環式超音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて、体積平均粒径0.4μmのシリカ微粒子を含有する無機微粒子分散液1Aを得た。
シリカゾル(比重3.0) 50質量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC) 5質量部
イオン交換水 200質量部
以上を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した後、循環式超音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて、体積平均粒径0.4μmの微粒子を含有する無機微粒子分散液2Aを得た。
シリカゾル(比重1.8) 50質量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC) 5質量部
イオン交換水 200質量部
以上を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した後、循環式超音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて、体積平均粒径1.1μmのシリカ微粒子を含有する無機微粒子分散液3Aを得た。
パラフィンワックス(日本精蝋社製、HNP0190、融点85℃)50質量部
カチオン性界面活性剤(花王社製、サニゾールB50) 5質量部
イオン交換水 200質量部
上記成分を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA 社製、ウルトラタラックスT50)で十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径200nmの離型剤粒子を含有する離型剤分散液1Aを得た。
(凝集工程)
イオン交換水 500質量部
樹脂微粒子分散液1A 200質量部
樹脂微粒子分散液5A 25質量部
着色剤分散液1A 36質量部
無機微粒子分散液1A 10質量部
離型剤分散液1A 35質量部
凝集剤〔浅田化学社製、ポリ塩化アルミニウム〕 0.5質量部
以上の混合成分を丸型ステンレス製フラスコ中で、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50、IKA社製)で混合分散した。その後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら凝集温度を30℃まで加熱した。その後32℃で1.5時間保持した。
(付着工程)
上記調製した凝集粒子を含む分散液に、樹脂微粒子分散液5Aを25質量部緩やかに添加し、加熱用オイルバスの温度を上げて35℃で1時間保持した。
(融合工程)
次に、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液をpHが6.0になるように添加した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら85℃まで緩やかに加熱し、その後96℃まで加熱し1mol/Lの硝酸水溶液をpH5.0になるまで加え、5時間保持した。その後、冷却、ろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥させることによりトナー1Aを作製した。体積平均粒径は5.3μm、被覆層厚みは0.41μmであった。
樹脂微粒子分散液1Aの代わりに樹脂微粒子分散液2Aを175質量部用い、付着工程にて樹脂微粒子分散液6Aを25質量部添加した。付着工程で樹脂微粒子分散液を添加した際の加熱温度を35℃と変更した以外はトナー1Aの製造と同様にしてトナー2Aを得た。体積平均粒径は5.4μm、被覆層厚みは0.50μmであった。
樹脂微粒子分散液1Aの代わりに樹脂微粒子分散液3Aを150質量部用い、付着工程にて樹脂微粒子分散液7Aを20質量部添加した。付着工程で樹脂微粒子分散液を添加した際の加熱温度を37℃と変更した以外はトナー1Aの製造と同様にしてトナー3Aを得た。体積平均粒径は、6.3μm、被覆層厚みは0.74μmであった。
樹脂微粒子分散液1Aの代わりに樹脂微粒子分散液4Aを160質量部用い、32℃で凝集させ、付着工程にて樹脂微粒子分散液8Aを15質量部添加した。付着工程で樹脂微粒子分散液を添加した際の加熱温度を37℃と変更した以外はトナー1Aの製造と同様にしてトナー4Aを得た。体積平均粒径は6.5μm、被覆層厚みは0.62μmであった。
無機微粒子分散液1Aの代わりに、無機微粒子分散液2Aを用いた以外はトナー1Aの製造と同様にしてトナー5Aを得た。体積平均粒径は5.3μm、被覆層厚みは0.41μmであった。
無機微粒子分散液1Aの代わりに、無機微粒子分散液3Aを用いた以外はトナー1Aの製造と同様にしてトナー6Aを得た。体積平均粒径は5.3μm、被覆層厚みは0.41μmであった。
無機微粒子分散液1Aを添加しない以外はトナー1Aの製造と同様にしてトナー7Aを得た。体積平均粒径は5.3μm、被覆層厚みは0.40μmであった。
樹脂微粒子分散液1Aの代わりに樹脂微粒子分散液5Aを用い、凝集温度を55℃とし、付着工程にて樹脂微粒子分散液5Aの代わりに樹脂微粒子分散液6Aを用い、加熱温度を59℃とした以外は、トナー1Aの製造と同様にしてトナー8Aを得た。体積平均粒径は5.3μm、被覆層厚みは0.53μmであった。
樹脂微粒子分散液1Aの代わりに樹脂微粒子分散液2Aを用い、付着工程にて樹脂微粒子分散液5Aの代わりに樹脂微粒子分散液4Aを用い、加熱温度を40℃とした以外は、トナー1Aの製造と同様にしてトナー9Aを得た。体積平均粒径は5.8μm、被覆層厚みは0.63μmであった。
樹脂微粒子分散液1Aの代わりに樹脂微粒子分散液5Aを用い、凝集温度を55℃し、付着工程にて樹脂微粒子分散液5Aの代わりに樹脂微粒子分散液4Aを用い、加熱温度を55℃とした以外は、トナー1Aの製造と同様にしてトナー10Aを得た。体積平均粒径は5.9μm、被覆層厚みは0.76μmであった。
トナー1A〜10Aのそれぞれのトナー100質量部に対し、疎水性シリカ(キャボット製、TS720)を0.70質量部添加し、サンプルミルで混合して外添トナー1A〜10Aを得た。
外添トナー1A〜10Aを8質量部とキャリア100質量部とをボールミルで5分間攪拌、混合して現像剤1A〜10Aを調整し、以下の手順で定着性能等の評価のための画像出力を行った。キャリアは樹脂被覆型のキャリアであり、メチルメタクリレート(Mw78000、綜研化学社製)を1質量%コートした体積平均粒径が50μmのフェライトキャリアを用いた。調整された現像剤を、定着器を取り外した富士ゼロックス社製カラー複写機Docucolor1250の現像器にセットし未定着画像を出力した。出力画像は40x40mmの大きさのハーフトーン画像で、画像トナー量は0.20mg/cm2となるよう調整した。用紙は富士ゼロックスオフィスサプライ社製の商品名「Jコート紙」を用いた。
定着はDocucolor1250複写機から取り出した定着器を、定着器のロール温度を変更できるように改造し、定着ロールにはその表面材料をテフロン(登録商標)チューブに替えたものを使用した。定着器の用紙搬送速度は毎秒160mmとした。トナー1A〜10Aの未定着画像を定着器の温度を90℃から180℃まで適宜変えて定着し定着画像を得た。
トナー1A〜10Aの最低定着温度は、低温オフセットを起こさずに定着を開始する温度とした。
現像剤1A〜10Aを用いて120℃にて形成された定着画像の画像同士を重ね合わせて80g/cm2の荷重下、60℃雰囲気に7日間放置し、その後これらを引き剥がし、ドキュメントオフセットの有無を目視で確認して評価した。評価基準は、まったく力を加えずに剥離できたものと剥離させるのに力を加えても画像劣化のなかったものを○、軽微な画像劣化のあったものを△、著しい画像劣化が発生したものを×とした。
参考例1A〜4A、比較例1A〜6Aのトナーに対する性能評価を、コア粒子及び被覆層のガラス転移温度並びに無機微粒子の体積平均粒径及び比重とともに表1に示した。
比較例1A〜2Aにおいて、添加する無機微粒子の比重が大きかったり、粒子径が大きかったりすると、所望のコアーシェル構造のガラス転移温度制御により、低温定着は獲得できても、ドキュメントオフセット性が若干悪い。
比較例3Aは、所望の無機微粒子を添加しないと、所望のコアーシェル構造のガラス転移温度制御により、低温定着は獲得できるが、ドキュメントオフセット性が悪い。
比較例4A〜6Aは、コア粒子、被覆層のガラス転移温度が共に高すぎるとドキュメントオフセット性は良好であるが低温定着性が悪い。反対に、コア粒子、被覆層のガラス転移温度が共に低すぎると、低温定着性は良好でもドキュメントオフセット性がとれない。また、コア粒子のガラス転移温度が高く、被覆層のガラス転移温度が低いと、低温定着性もドキュメントオフセット性も共に悪いことになる。
スチレン(和光純薬製) 160質量部
nブチルアクリレート(和光純薬製) 230質量部
βカルボキシエチルアクリレート(ローディア日華製) 9質量部
1、10デカンジオールジアクリレート(新中村化学製) 1.5質量部
ドデカンチオール(和光純薬製) 2.7質量部
以上を混合溶解し、これをアニオン性界面活性剤ダウファックス(ダウケミカル社製)4質量部を含有するイオン交換水550質量部に溶解し、さらにフラスコ中で分散、乳化し10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム6質量部を溶解したイオン交換水50質量部を投入した。次いで系内の窒素置換を十分に行った後、フラスコ内を攪拌しながらオイルバスで系内が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。これにより体積平均粒径196nm、ガラス転移温度20.1℃のアニオン性の樹脂微粒子分散液1Bを得た。
樹脂微粒子分散液1Bの調整において、スチレン2000質量部、nブチルアクリレート200質量部としたこと以外は樹脂微粒子分散液1Bの調整と同様にして樹脂微粒子分散液2Bを得た。体積平均粒径195nm、ガラス転移温度28.3℃であった。
樹脂微粒子分散液1Bの調整において、スチレン250質量部、nブチルアクリレート150質量部としたこと以外は樹脂微粒子分散液1Bの調整と同様にして樹脂微粒子分散液3Bを得た。体積平均粒径199nm、ガラス転移温度38.9℃であった。
樹脂微粒子分散液1Bの調整において、スチレン300質量部、nブチルアクリレート100質量部としたこと以外は樹脂微粒子分散液1Bの調整と同様にして樹脂微粒子分散液4Bを得た。体積平均粒径200nm、ガラス転移温度51.0℃であった。
樹脂微粒子分散液1Bの調整において、スチレン360質量部、nブチルアクリレート40質量部としたこと以外は樹脂微粒子分散液1Bの調整と同様にして樹脂微粒子分散液5Bを得た。体積平均粒径201nm、ガラス転移温度62.4℃であった。
樹脂微粒子分散液1Bの調整において、スチレン390質量部、nブチルアクリレート10質量部、βカルボキシエチルアクリレート9.5質量部としたこと以外は樹脂微粒子分散液1Bの調整と同様にして樹脂微粒子分散液6Bを得た。体積平均粒径198nm、ガラス転移温度75.8℃、であった。
フタロシアニン顔料(大日精化社製、PVFASTBLUE) 90質量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC) 10質量部
イオン交換水 240質量部
以上を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した後、循環式超音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて着色剤分散液1Bを調製した。着色剤分散液1Bにおける着色剤の数平均粒径は150nmであった。
PR−12603(住友デュレズ社製) 50質量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC) 5質量部
イオン交換水 200質量部
以上を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて10分間5500rpmで分散した後、循環式超音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて、体積平均粒径0.11μmの樹脂微粒子を含有するテルペン変性ノボラック樹脂微粒子分散液1Bを得た。
PR−12603(住友デュレズ社製) 50質量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC) 5質量部
イオン交換水 200質量部
以上を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて10分間4500rpmで分散した後、循環式超音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて、体積平均粒径0.52μmの樹脂微粒子を含有するテルペン変性ノボラック樹脂微粒子分散液2Bを得た。
PR−12603(住友デュレズ社製) 50質量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC) 5質量部
イオン交換水 200質量部
以上を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて10分間3000rpmで分散した後、循環式超音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて、体積平均粒径0.98μmの樹脂微粒子を含有するテルペン変性ノボラック樹脂微粒子分散液3Bを得た。
PR−12603(住友デュレズ社製) 50質量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC) 5質量部
イオン交換水 200質量部
以上を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて10分間1500rpmで分散した後、循環式超音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて、体積平均粒径1.3μmの樹脂微粒子を含有するテルペン変性ノボラック樹脂微粒子分散液4Bを得た。
PR−12603(住友デュレズ社製) 50質量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC) 5質量部
イオン交換水 200質量部
以上を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて10分間7000rpmで分散した後、循環式超音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて、体積平均粒径0.06μmの樹脂微粒子を含有するテルペン変性ノボラック樹脂微粒子分散液5Bを得た。
パラフィンワックス(日本精蝋社製、HNP0190、融点85℃)50質量部
カチオン性界面活性剤(花王社製、サニゾールB50) 5質量部
イオン交換水 200質量部
前記成分を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA 社製、ウルトラタラックスT50)で十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径200nmの離型剤粒子を含有する離型剤分散液1Bを得た。
(凝集工程)
イオン交換水 500質量部
樹脂微粒子分散液1B 200質量部
着色剤分散液1B 36質量部
テルペン変性ノボラック樹脂微粒子分散液2B 80質量部
離型剤分散液1B 35質量部
無機微粒子分散液1A 10質量部
凝集剤〔浅田化学社製、ポリ塩化アルミニウム〕 0.5質量部
以上の混合成分を丸型ステンレス製フラスコ中で、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50、IKA社製)で混合分散した。その後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら凝集温度を25℃まで加熱し1.5時間保持した。
(付着工程)
上記調製した凝集粒子を含む分散液に、樹脂微粒子分散液5Bを25質量部緩やかに添加し、加熱用オイルバスの温度を上げて30℃で1時間保持した。
(融合工程)
次に、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液をpHが6.0になるように添加した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら85℃まで緩やかに加熱し、その後96℃まで加熱し1mol/Lの硝酸水溶液をpH5.0になるまで加え、5時間保持した。その後、冷却、ろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥させることによりトナー1Bを作製した。体積平均粒径は5.3μm、被覆層厚みは0.4μmであった。
樹脂微粒子分散液1Bの代わりに樹脂微粒子分散液2Bを用い凝集温度を30℃とし、それ以外はトナー1Bの製造と同様にしてトナー2Bを得た。体積平均粒径は5.4μm、被覆層厚みは0.4μmであった。
樹脂微粒子分散液1Bの代わりに樹脂微粒子分散液3Bを用い凝集温度を40℃とし、付着工程にて加熱温度を45℃とした。それ以外はトナー1Bの製造と同様にしてトナー3Bを得た。体積平均粒径は、6.3μm、被覆層厚みは0.4μmであった。
樹脂微粒子分散液1Bの代わりに樹脂微粒子分散液2Bを用い、30℃で凝集させ、付着工程にて樹脂微粒子分散液5Bの代わりに樹脂微粒子分散液4Bを25質量部添加し加熱温度を55℃とした。それ以外はトナー1Bの製造と同様にしてトナー4Bを得た。体積平均粒径は6.5μm、被覆層厚みは0.4μmであった。
樹脂微粒子分散液1Bの代わりに樹脂微粒子分散液2Bを用い、30℃で凝集させ、付着工程にて樹脂微粒子分散液5Bの代わりに樹脂微粒子分散液6Bを25質量部添加し加熱温度を50℃とした。それ以外はトナー1Bの製造と同様にしてトナー5Bを得た。体積平均粒径は6.3μm、被覆層厚みは0.4μmであった。
樹脂微粒子分散液1Bの代わりに樹脂微粒子分散液2Bを210質量部用い、30℃で凝集させ、付着工程にて樹脂微粒子分散液5Bを15質量部添加し加熱温度を33℃とした。それ以外はトナー1Bの製造と同様にしてトナー6Bを得た。体積平均粒径は6.0μm、被覆層厚みは0.12μmであった。
樹脂微粒子分散液1Bの代わりに樹脂微粒子分散液2Bを160質量部用い、30℃で凝集させ、付着工程にて樹脂微粒子分散液5Bを65質量部添加し加熱温度を40℃とした。それ以外はトナー1Bの製造と同様にしてトナー7Bを得た。体積平均粒径は5.9μm、被覆層厚みは0.89μmであった。
樹脂微粒子分散液1Bの代わりに樹脂微粒子分散液2Bを用い、凝集温度を30℃とし、テルペン変性ノボラック樹脂微粒子分散液2Bの代わりにテルペン変性ノボラック樹脂微粒子分散液1Bを用い、付着工程での加熱温度を35℃とし、それ以外はトナー1Bの製造と同様にしてトナー8Bを得た。体積平均粒径は5.3μm、被覆層厚みは0.4μmであった。
樹脂微粒子分散液1Bの代わりに樹脂微粒子分散液2Bを用い、凝集温度を30℃とし、テルペン変性ノボラック樹脂微粒子分散液2Bの代わりにテルペン変性ノボラック樹脂微粒子分散液3Bを用い、付着工程での加熱温度を35℃とし、それ以外はトナー1Bの製造と同様にしてトナー9Bを得た。体積平均粒径は5.5μm、被覆層厚みは0.4μmであった。
凝集工程にてテルペン変性ノボラック樹脂微粒子分散液及び無機微粒子分散液1Aは添加せず、それ以外は、トナー1Bの製造と同様にしてトナー10Bを得た。体積平均粒径は5.9μm、被覆層厚みは0.4μmであった。
凝集工程にてテルペン変性ノボラック樹脂微粒子分散液2Bの代わりにテルペン変性ノボラック樹脂微粒子分散液5Bを用い、無機微粒子分散液1Aを添加しない以外は、トナー1Bの製造と同様にしてトナー11Bを得た。体積平均粒径は5.8μm、被覆層厚みは0.4μmであった。
凝集工程にてテルペン変性ノボラック樹脂微粒子分散液2Bの代わりにテルペン変性ノボラック樹脂微粒子分散液4Bを用い、無機微粒子分散液1Aを添加しない以外は、トナー1Bの製造と同様にしてトナー12Bを得た。体積平均粒径は6.0μm、被覆層厚みは0.89μmであった。
樹脂微粒子分散液1Bの代わりに樹脂微粒子分散液4Bを用い、50℃で凝集させ、付着工程にて樹脂微粒子分散液5Bの代わりに樹脂微粒子分散液6Bを25質量部添加し加熱温度を55℃とし、無機微粒子分散液1Aを添加しない以外はトナー1Bの製造と同様にしてトナー13Bを得た。体積平均粒径は6.3μm、被覆層厚みは0.4μmであった。
付着工程にて樹脂微粒子分散液5Bの代わりに樹脂微粒子分散液3Bを25質量部添加し加熱温度を40℃とし、無機微粒子分散液1Aを添加しない以外はトナー1Bの製造と同様にしてトナー14Bを得た。体積平均粒径は6.2μm、被覆層厚みは0.4μmであった。
トナー1B〜14Bのそれぞれのトナー100質量部に対し、疎水性シリカ(キャボット製、TS720)を0.70質量部添加し、サンプルミルで混合して外添トナー1B〜14Bを得た。
外添トナー1B〜14Bを8質量部とキャリア100質量部とをボールミルで5分間攪拌、混合して現像剤1B〜14Bを調整し、以下の手順で定着性能等の評価のための画像出力を行った。キャリアは参考例1Aで用いたものをそのまま用いた。調整された現像剤を、定着器を取り外した富士ゼロックス社製カラー複写機Docucolor1250の現像器にセットし未定着画像を出力した。出力画像は40x40mmの大きさのハーフトーン画像で、画像トナー量は0.20mg/cm2となるよう調整した。用紙は富士ゼロックスオフィスサプライ社製の商品名「Jコート紙」を用いた。
定着はDocucolor1250複写機から取り出した定着器を、定着器のロール温度を変更できるように改造し、定着ロールにはその表面材料をテフロン(登録商標)チューブに替えたものを使用した。定着器の用紙搬送速度は毎秒160mmとした。トナー1B〜14Bの未定着画像を定着器の温度を90℃から180℃まで適宜変えて定着し定着画像を得た。
トナー1B〜14Bの最低定着温度は、低温オフセットを起こさずに定着を開始する温度とした。
参考例1Aと同様の方法で現像剤1Bから14Bの評価を行った。
実施例1B〜9B、比較例1B〜5Bのトナーに対する性能評価を、コア粒子及び被覆層のガラス転移温度、テルペン変性ノボラック樹脂微粒子の体積平均粒子径並びに被覆層の厚みとともに表2に示した。
比較例1Bは、所望のテルペン変性ノボラック樹脂微粒子を添加しないと、所望のコアーシェル構造のガラス転移温度制御により、低温定着は獲得できるが、ドキュメントオフセット性が悪い。
比較例2Bにおいて、添加するテルペン変性ノボラック樹脂微粒子の粒子径が小さいと、所望のコアーシェル構造のガラス転移温度制御により低温定着は獲得できても、ドキュメントオフセット性が悪い。
比較例3Bにおいて、添加するテルペン変性ノボラック樹脂微粒子の粒子径が大きいと、ドキュメントオフセット性はより良好となるが、所望のコアーシェル構造のガラス転移温度制御によりコア部に低ガラス転移温度成分を有していても、低温定着に悪影響が発生してしまう。
比較例4B〜5Bは、コア粒子、被覆層のガラス転移温度が共に高いとドキュメントオフセット性は良好であるが低温定着性が悪い。反対に、コア粒子、被覆層のガラス転移温度が共に低いと、本発明所望のテルペン変性ノボラック樹脂粒子を含有していても、低温定着性は良好でもドキュメントオフセット性との両立ができない。
スチレン(和光純薬製) 160質量部
nブチルアクリレート(和光純薬製) 240質量部
βカルボキシエチルアクリレート(ローディア日華製) 9質量部
1、10デカンジオールジアクリレート(新中村化学製) 1.5質量部
ドデカンチオール(和光純薬製) 2.7質量部
以上を混合溶解し、これをアニオン性界面活性剤ダウファックス(ローディア社製)4質量部を含有するイオン交換水550質量部に溶解し、さらにフラスコ中で分散、乳化し10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム6質量部を溶解したイオン交換水50質量部を投入した。次いで系内の窒素置換を十分に行った後、フラスコ内を攪拌しながらオイルバスで系内が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。これにより体積平均粒径198nm、ガラス転移温度18.5℃、重量平均分子量(Mw)32300、酸価12.0mgKOH/gのアニオン性の樹脂微粒子分散液1Cを得た。
樹脂微粒子分散液1Cの調整において、スチレン180質量部、nブチルアクリレート220質量部としたこと以外は樹脂微粒子分散液1Cの調整と同様にして樹脂微粒子分散液2Cを得た。体積平均粒径190nm、ガラス転移温度21.3℃、Mw31200、酸価12.4mgKOH/gであった。
樹脂微粒子分散液1Cの調整において、スチレン200質量部、nブチルアクリレート200質量部としたこと以外は樹脂微粒子分散液1Cの調整と同様にして樹脂微粒子分散液3Cを得た。体積平均粒径196nm、ガラス転移温度30.6℃、Mw31000、酸価12.2mgKOH/gであった。
樹脂微粒子分散液1Cの調整において、スチレン250質量部、nブチルアクリレート150質量部としたこと以外は樹脂微粒子分散液1Cの調整と同様にして樹脂微粒子分散液4Cを得た。体積平均粒径200nm、ガラス転移温度38.9℃、Mw32000、酸価11.8mgKOH/gであった。
樹脂微粒子分散液1Cの調整において、スチレン270質量部、nブチルアクリレート130質量部としたこと以外は樹脂微粒子分散液1Cの調整と同様にして樹脂微粒子分散液5Cを得た。体積平均粒径198nm、ガラス転移温度45.2℃、Mw31800、酸価12.4mgKOH/gであった。
樹脂微粒子分散液1Cの調整において、スチレン280質量部、nブチルアクリレート120質量部としたこと以外は樹脂微粒子分散液1Cの調整と同様にして樹脂微粒子分散液6Cを得た。体積平均粒径201nm、ガラス転移温度48.3℃、Mw32000、酸価11.9mgKOH/gであった。
樹脂微粒子分散液1Cの調整において、スチレン300質量部、nブチルアクリレート100質量部としたこと以外は樹脂微粒子分散液1Cの調整と同様にして樹脂微粒子分散液7Cを得た。体積平均粒径197nm、ガラス転移温度51.0℃、Mw33200、酸価12.5mgKOH/gであった。
樹脂微粒子分散液1Cの調整において、スチレン315質量部、nブチルアクリレート75質量部としたこと以外は樹脂微粒子分散液1Cの調整と同様にして樹脂微粒子分散液8Cを得た。体積平均粒径201nm、ガラス転移温度54.2℃、Mw34100、酸価12.4mgKOH/gであった。
樹脂微粒子分散液1Cの調整において、スチレン330質量部、nブチルアクリレート70質量部、βカルボキシエチルアクリレート9.5質量部としたこと以外は樹脂微粒子分散液1Cの調整と同様にして樹脂微粒子分散液9Cを得た。体積平均粒径198nm、ガラス転移温度58.7℃、Mw32100、酸価13.6mgKOH/gであった。
樹脂微粒子分散液1Cの調整において、スチレン360質量部、nブチルアクリレート40質量部としたこと以外は樹脂微粒子分散液1Cの調整と同様にして樹脂微粒子分散液10Cを得た。体積平均粒径202nm、ガラス転移温度62.4℃、Mw31300、酸価12.2mgKOH/gであった。
樹脂微粒子分散液1Cの調整において、スチレン375質量部、nブチルアクリレート25質量部としたこと以外は樹脂微粒子分散液1Cの調整と同様にして樹脂微粒子分散液11Cを得た。体積平均粒径199nm、ガラス転移温度68.2℃、Mw33600、酸価12.5mgKOH/gであった。
樹脂微粒子分散液1Cの調整において、スチレン390質量部、nブチルアクリレート10質量部としたこと以外は樹脂微粒子分散液1Cの調整と同様にして樹脂微粒子分散液12Cを得た。体積平均粒径197nm、ガラス転移温度75.8℃、Mw32500、酸価12.8mgKOH/gであった。
樹脂微粒子分散液1Cの調整において、スチレン395質量部、nブチルアクリレート5質量部としたこと以外は樹脂微粒子分散液1Cの調整と同様にして樹脂微粒子分散液13Cを得た。体積平均粒径193nm、ガラス転移温度80.3℃、Mw34500、酸価12.5mgKOH/gであった。
樹脂微粒子分散液1Cの調整において、βカルボキシエチルアクリレート12質量部としたこと以外は樹脂微粒子分散液1Cの調整と同様にして樹脂微粒子分散液14Cを得た。体積平均粒径195nm、ガラス転移温度51.2℃、Mw34000、酸価16.8mgKOH/gであった。
フタロシアニン顔料(大日精化社製、PVFASTBLUE) 90質量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC) 10質量部
イオン交換水 240質量部
以上を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した後、循環式超音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけて着色剤分散液1Cを調製した。着色剤分散液1Cにおける着色剤の数平均粒径は150nmで、粒径0.03μm以下の粒子は4.0個数%、0.5μm以上の粒子は0.5個数%であった。
カーボンブラック(CABOT社製、R330) 90質量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC) 10質量部
イオン交換水 240質量部
以上を混合し、着色剤分散液1Cと同様の条件にて着色剤分散液2Cを調製した。着色剤分散液2Cにおける着色剤の数平均粒径は155nmで、粒径が0.03μm以下の粒子は5.0個数%、0.5μm以上の粒子は0.5個数%であった。
C.Iピグメント・レッド122(大日製化社製、ECR−185)90質量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC) 10質量部
イオン交換水 240質量部
以上を混合し、着色剤分散液1Cと同様の条件にて着色剤分散液3Cを調製した。着色剤分散液3Cにおける着色剤の数平均粒径は165nmで、粒径が0.03μm以下の粒子は6.0個数%、0.5μm以上の粒子は0.5個数%であった。
C.Iピグメント・レッド185(クラリアント社製) 90質量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC) 10質量部
イオン交換水 240質量部
以上を混合し、着色剤分散液1Cと同様の条件にて着色剤分散液4Cを調製した。着色剤分散液4Cにおける着色剤の数平均粒径は170nmで、粒径が0.03μm以下の粒子は7個数%、0.5μm以上の粒子は0.5個数%であった。
C.Iピグメントイエロー74(クラリアント社製) 90質量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC) 10質量部
イオン交換水 240質量部
以上を混合し、着色剤分散液1Cと同様の条件にて着色剤分散液5Cを調製した。着色剤分散液5Cにおける着色剤の数平均粒径は175nmで、粒径が0.03μm以下の粒子は6個数%、0.5μm以上の粒子は0.3個数%であった。
パラフィンワックス(日本精蝋社製、HNP0190、融点85℃)50質量部
カチオン性界面活性剤(花王社製、サニゾールB50) 5質量部
イオン交換水 200質量部
前記成分を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA 社製、ウルトラタラックスT50)で十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径200nmの離型剤粒子を含有する離型剤分散液1Cを得た。
(凝集工程)
イオン交換水 500質量部
樹脂微粒子分散液3C 175質量部
着色剤分散液1C 36質量部
離型剤分散液1C 35質量部
無機微粒子分散液1A 10質量部
凝集剤〔浅田化学社製、ポリ塩化アルミニウム〕 0.5質量部
以上の混合成分を丸型ステンレス製フラスコ中で、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50、IKA社製)で混合分散した。その後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら凝集温度を30℃まで加熱した。その後30℃で1.5時間保持した。
(付着工程)
上記調製した凝集粒子を含む分散液に、樹脂微粒子分散液9Cを25質量部緩やかに添加し、加熱用オイルバスの温度を上げて56℃で1時間保持し、さらに樹脂微粒子分散液10Cを25質量部添加し、加熱用オイルバスの温度を上げて60℃で1時間保持し、樹脂微粒子分散液12Cを25質量部添加し、加熱用オイルバスの温度を上げて73℃で1時間保持した。
(融合工程)
次に、1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液をpHが6.0になるように添加した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら85℃まで緩やかに加熱し、その後96℃まで加熱し1mol/Lの硝酸水溶液をpH5.0になるまで加え、5時間保持した。その後、冷却、ろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥させることにより3層からなる被覆層を有するトナー粒子1Cを作製した。体積平均粒径は5.2μm、被膜層厚みの合計は0.61μm、コア粒子のガラス転移温度31℃、最外層の樹脂層のガラス転移温度75℃であった。
樹脂微粒子分散液3Cの代わりに樹脂微粒子分散液2Cを用い20℃で凝集させ、付着工程にて樹脂微粒子分散液8C、樹脂微粒子分散液10C、樹脂微粒子分散液12Cを各25質量部添加した。付着工程で樹脂微粒子分散液を添加した際の加熱温度を添加順に52℃、60℃、72℃と変更した以外はトナー1Cの製造と同様にして3層からなる被覆層を有するトナー2Cを得た。体積平均粒径は5.5μm、被膜層厚みの合計は0.68μm、コア粒子のガラス転移温度21℃、最外層の樹脂層のガラス転移温度75℃であった。
樹脂微粒子分散液3Cの代わりに樹脂微粒子分散液4Cを用い36℃で凝集させ、付着工程にて樹脂微粒子分散液9C、樹脂微粒子分散液11C、樹脂微粒子分散液12Cを各25質量部添加した。付着工程で樹脂微粒子分散液を添加した際の加熱温度を添加順に56℃、65℃、72℃と変更した以外はトナー1Cの製造と同様にして3層からなる被覆層を有するトナー3Cを得た。体積平均粒径は5.6μm、被膜層厚みの合計は0.64μm、コア粒子のガラス転移温度39℃、最外層の樹脂層のガラス転移温度76℃であった。
付着工程にて樹脂微粒子分散液7C、樹脂微粒子分散液8C、樹脂微粒子分散液10Cを各25質量部添加し、樹脂微粒子分散液を添加した際の加熱温度を添加順に、50℃、52℃、60℃と変更した以外はトナー1Cの製造と同様にして3層からなる被覆層を有するトナー4Cを得た。体積平均粒径は5.7μm、被膜層厚みの合計は0.65μm、コア粒子のガラス転移温度31℃、最外層の樹脂層のガラス転移温度62℃であった。
付着工程にて樹脂微粒子分散液11C、樹脂微粒子分散液12C、樹脂微粒子分散液13Cを各25質量部添加し、樹脂微粒子分散液を添加した際の加熱温度を添加順に、65℃、72℃、78℃と変更した以外はトナー1Cの製造と同様にして3層からなる被覆層を有するトナー5Cを得た。体積平均粒径は5.0μm、被膜層厚みの合計は0.63μm、コア粒子のガラス転移温度31℃、最外層の樹脂層のガラス転移温度80℃であった。
樹脂微粒子分散液3Cを200質量部用い、付着工程にて樹脂微粒子分散液8C、樹脂微粒子分散液10Cを各25質量部添加し、樹脂微粒子分散液を添加した際の加熱温度を添加順に、52℃、65℃と変更した以外はトナー1Cの製造と同様にして2層からなる被覆層を有するトナー6Cを得た。体積平均粒径は5.4μm、被膜層厚みの合計は0.41μm、コア粒子のガラス転移温度31℃、最外層の樹脂層のガラス転移温度62℃であった。
樹脂微粒子分散液3Cを150質量部用い、付着工程にて樹脂微粒子分散液7C、樹脂微粒子分散液9C、樹脂微粒子分散液10C、樹脂微粒子分散液12Cを各25質量部添加し、樹脂微粒子分散液を添加した際の加熱温度を添加順に、50℃、56℃、60℃、72℃と変更した以外はトナー1Cの製造と同様にして4層からなる被覆層を有するトナー7Cを得た。体積平均粒径は5.5μm、被膜層厚みの合計は0.84μm、コア粒子のガラス転移温度31℃、最外層の樹脂層のガラス転移温度76℃であった。
樹脂微粒子分散液3Cの代わりに樹脂微粒子分散液1Cを200質量部用い、無機微粒子分散液1Aを添加せず、付着工程にて樹脂微粒子分散液7C、樹脂微粒子分散液9Cを各25質量部添加した。付着工程で樹脂微粒子分散液を添加した際の加熱温度を添加順に50℃、56℃と変更した以外はトナー1Cの製造と同様にして2層からなる被覆層を有するトナー8Cを得た。体積平均粒径は5.8μm、被膜層厚みの合計は0.48μm、コア粒子のガラス転移温度18℃、最外層の樹脂層のガラス転移温度59℃であった。
樹脂微粒子分散液3Cの代わりに樹脂微粒子分散液5Cを200質量部用い、無機微粒子分散液1Aを添加せず、付着工程にて樹脂微粒子分散液8C、樹脂微粒子分散液10Cを各25質量部添加した。付着工程で樹脂微粒子分散液を添加した際の加熱温度を添加順に52℃、60℃と変更した以外はトナー1Cの製造と同様にして2層からなる被覆層を有するトナー9Cを得た。体積平均粒径は5.6μm、被膜層厚みの合計は0.43μm、コア粒子のガラス転移温度45℃、最外層の樹脂層のガラス転移温度62℃であった。
無機微粒子分散液1Aを添加せず、付着工程にて樹脂微粒子分散液6C、樹脂微粒子分散液8Cを各25質量部添加し、樹脂微粒子分散液を添加した際の加熱温度を添加順に45℃、52℃と変更した以外はトナー1Cの製造と同様にして2層からなる被覆層を有するトナー10Cを得た。体積平均粒径は5.4μm、被膜層厚みの合計は0.45μm、コア粒子のガラス転移温度31℃、最外層の樹脂層のガラス転移温度54℃であった。
樹脂微粒子分散液3Cを200質量部用い、無機微粒子分散液1Aを添加せず、付着工程にて樹脂微粒子分散液9Cを50質量部添加した。付着工程で樹脂微粒子分散液を添加した際の加熱温度を56℃と変更した以外はトナー1Cの製造と同様にして1層からなる被覆層を有するトナー11Cを得た。体積平均粒径は5.7μm、被膜層厚みは0.42μm、コア粒子のガラス転移温度31℃、最外層の樹脂層のガラス転移温度59℃であった。
樹脂微粒子分散液3Cの代わりに樹脂微粒子分散液4Cを用い無機微粒子分散液1Aを添加せず、35℃で凝集させ、付着工程にて樹脂微粒子分散液8C、樹脂微粒子分散液9C、樹脂微粒子分散液10Cを各25質量部添加した。付着工程で樹脂微粒子分散液を添加した際の加熱温度を添加順に52℃、56℃、60℃と変更した以外はトナー1Cの製造と同様にして3層からなる被覆層を有するトナー13Cを得た。体積平均粒径は5.4μm、被膜層厚みの合計は0.63μm、コア粒子のガラス転移温度39℃、最外層の樹脂層のガラス転移温度62℃であった。
無機微粒子分散液1Aを添加せず、付着工程にて樹脂微粒子分散液14C、樹脂微粒子分散液10C、樹脂微粒子分散液12Cを各25質量部添加した。付着工程で樹脂微粒子分散液を添加した際の加熱温度を添加順に50℃、60℃、72℃と変更した以外はトナー1Cの製造と同様にして3層からなる被覆層を有するトナー14Cを得た。体積平均粒径は5.5μm、被膜層厚みの合計は0.68μm、コア粒子のガラス転移温度31℃、最外層の樹脂層のガラス転移温度76℃であった。
樹脂微粒子分散液3Cを220質量部用い、無機微粒子分散液1Aを添加せず、付着工程にて各樹脂微粒子分散液を各10質量部と変更した以外はトナー1Cの製造と同様にして3層からなる被覆層を有するトナー15Cを得た。体積平均粒径は5.7μm、被膜層厚みの合計は0.28μm、コア粒子のガラス転移温度31℃、最外層の樹脂層のガラス転移温度75℃であった。
樹脂微粒子分散液3Cを100質量部用い、無機微粒子分散液1Aを添加せず、付着工程にて各樹脂微粒子分散液を各50質量部と変更した以外はトナー1Cの製造と同様にして3層からなる被覆層を有するトナー16Cを得た。体積平均粒径は5.8μm、被膜層厚みの合計は1.06m、コア粒子のガラス転移温度31℃、最外層の樹脂層のガラス転移温度75℃であった。
トナー1C〜15Cのそれぞれのトナー100質量部に対し、疎水性シリカ(キャボット製、TS720)を0.70質量部添加し、サンプルミルで混合して外添トナー1C〜15Cを得た。
外添トナー1C〜15Cを8質量部とキャリア100質量部とをボールミルで5分間攪拌、混合して現像剤1C〜15Cを調整し、以下の手順で定着性能等の評価のための画像出力を行った。キャリアは樹脂被覆型のキャリアであり、メタアクリレート(総研化学社製)を1質量%コートした体積平均粒径が50μmのフェライトキャリアを用いた。調整された現像剤を、定着器を取り外した富士ゼロックス社製カラー複写機Docucolor1250の現像器にセットし未定着画像を出力した。出力画像は40x40mmの大きさのベタ画像で、画像トナー量は0.50mg/cm2となるよう調整した。用紙は富士ゼロックスオフィスサプライ社製の商品名「J紙」を用いた。
定着はDocucolor1250複写機から取り出した定着器を、定着器のロール温度を変更できるように改造し、定着ロールにはその表面材料をテフロン(登録商標)チューブに替えたものを使用した。定着器の用紙搬送速度は毎秒160mmとした。トナー1C〜15Cの未定着画像を定着器の温度を90℃から180℃まで適宜変えて定着し定着画像を得た。
トナー1C〜15Cの最低定着温度は、低温オフセットを起こさずに定着を開始する温度とした。評価基準は、定着温度110℃でも低温オフセットを起こさないものを○、最低定着温度120℃以下で△、120℃よりも高い場合を×とした。
参考例1Aと同様の方法で現像剤1Cから15Cの評価を行った。
参考例1C〜7C、比較例1C〜8Cのトナーに対する性能評価を、被覆層厚みの合計及びトナーの体積平均粒径とともに表3に示した。
比較例1C〜3Cにおいて、コア粒子または被覆層のガラス転移温度が低すぎると低温定着性はとれるがドキュメントオフセットが発生した。コア樹脂のガラス転移温度が高すぎるとドキュメントオフセットは発生しないが低温定着性がとれない。比較例4Cは多層構造になっていないため樹脂間の相溶が均一ではなく、低ガラス転移温度であるコア樹脂がトナー表面に出やすい。そのため部分的に著しい画像劣化が見られた。最低定着温度は115℃であった。比較例5Cは、コア粒子と被覆層とのガラス転移温度差が十分ではないため、低温定着と耐ドキュメントオフセットの両立が困難となる。最低定着温度は120℃、軽微な画像劣化が見られた。比較例6Cにおいては、樹脂層間の酸価の差が大きいため樹脂間の電気的反発が大きくなり、コア粒子と被覆層とが均一に相溶せず軽微な画像劣化が生じた。最低定着温度は115℃であった。比較例7Cにおいては被覆層の膜厚が十分ではなく、低ガラス転移温度であるコア粒子中の結着樹脂が表面に出てしまい、ドキュメントオフセットが発生した。比較例8Cは、被覆層の膜厚が厚すぎて低ガラス転移温度であるコア粒子中の結着樹脂が機能せず、低温定着性がとれなかった。
Claims (4)
- 結着樹脂と着色剤と体積平均粒径が0.1〜0.5μmであり比重が1.0〜2.0である無機微粒子と体積平均粒径が0.1〜1.0μmのテルペン変性ノボラック樹脂微粒子とを含有するガラス転移温度が20〜40℃のコア粒子の表面を、ガラス転移温度が50〜100℃の被覆層で被覆してなる静電荷像現像用トナー。
- 結着樹脂と着色剤と体積平均粒径が0.1〜0.5μmであり比重が1.0〜2.0である無機微粒子と体積平均粒径が0.1〜1.0μmのテルペン変性ノボラック樹脂微粒子とを含有するガラス転移温度が20〜40℃のコア粒子の表面を、ガラス転移温度が50〜100℃の被覆層で被覆してなる静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
体積平均粒径が1.0μm以下の結着樹脂微粒子を分散した結着樹脂微粒子分散液、着色剤分散液、体積平均粒径が0.1〜0.5μmであり比重が1.0〜2.0である無機微粒子を分散した無機微粒子分散液及び体積平均粒径が0.1〜1.0μmのテルペン変性ノボラック樹脂微粒子を分散したテルペン変性ノボラック樹脂微粒子分散液を混合して凝集粒子を形成する凝集工程と、前記凝集粒子の表面に被覆樹脂微粒子を付着させる付着工程と、前記被覆樹脂微粒子が付着した凝集粒子を加熱して融合させる融合工程と、を少なくとも有する静電荷像現像用トナーの製造方法。 - 結着樹脂と着色剤と体積平均粒径が0.1〜0.5μmであり比重が1.0〜2.0である無機微粒子と体積平均粒径が0.1〜1.0μmのテルペン変性ノボラック樹脂微粒子とを含有するガラス転移温度が20〜40℃のコア粒子の表面を、ガラス転移温度が50〜100℃の被覆層で被覆してなる静電荷像現像用トナーを少なくとも含有する静電荷像現像剤。
- 潜像保持体表面に静電荷像を形成する潜像形成工程と、現像剤担持体に担持された現像剤を用いて前記潜像保持体表面に形成された静電荷像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー画像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー画像を熱定着する定着工程と、を少なくとも有する画像形成方法であって、
前記現像剤が、結着樹脂と着色剤と体積平均粒径が0.1〜0.5μmであり比重が1.0〜2.0である無機微粒子と体積平均粒径が0.1〜1.0μmのテルペン変性ノボラック樹脂微粒子とを含有するガラス転移温度が20〜40℃のコア粒子の表面を、ガラス転移温度が50〜100℃の被覆層で被覆してなる静電荷像現像用トナーを少なくとも含有する、画像形成方法。
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