JP2008037935A - インクジェットインクとそれを用いた印刷方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(i) 非プロトン性極性有機溶媒としてN−エチル−2−ピロリドンを用いるか、または、
(ii) 非プロトン性極性有機溶媒と、式(1):
で表される有機溶媒とを併用すると、
前記インクジェットインクを、先に説明した非プロトン性極性有機溶媒の持つ優れた特性を維持しながら、なおかつ、従来に比べて、より乾燥しやすくできることを見出した。したがって、請求項1に記載の発明は、顔料と、水と、界面活性剤と、非プロトン性極性有機溶媒としてのN−エチル−2−ピロリドンとを含むことを特徴とするインクジェットインクである。
で表される有機溶媒とを含むことを特徴とするインクジェットインクである。
で表される繰り返し単位と、式(3):
で表される繰り返し単位とを少なくとも含む、水に可溶性の共重合体からなるフッ素系界面活性剤を用いるのが好ましい。
本発明のインクジェットインクは、先に説明したように、
(I) 顔料と、水と、界面活性剤と、非プロトン性極性有機溶媒としてのN−エチル−2−ピロリドンとを含むか、または、
(II) 顔料と、水と、界面活性剤と、非プロトン性極性有機溶媒と、式(1):
で表される有機溶媒とを含む
ことを特徴とするものである。
前記(I)のインクジェットインクにおいては、非プロトン性極性有機溶媒としてN−エチル−2−ピロリドンが使用されるが、(II)のインクジェットインクにおいては、前記N−エチル−2−ピロリドンを含む、水素イオンを生じたり受け取ったりしない、種々の非プロトン性極性有機溶媒が、いずれも使用可能である。中でも、分子量が40〜130、特に40〜115である非プロトン性極性有機溶媒が好ましい。非プロトン性極性有機溶媒の分子量が前記範囲未満では、インクジェットインクが乾燥しやすくなり過ぎて、インクジェットヘッドのノズルでの目詰まりを生じやすくなるおそれがある。また、前記範囲を超える場合には、式(1)で表される有機溶媒を併用しているにも拘らず、インクジェットインクが乾燥しにくくなるおそれがある。
(II)のインクジェットインクにおいて、非プロトン性極性有機溶媒と併用される、式(1)で表される有機溶媒としては、前記式(1)中のRa〜Rdがいずれもメチル基で、かつnが2である1,1,2,2−テトラメトキシエタンや、Ra〜Rdがいずれもメチル基で、かつnが3である1,1,3,3−テトラメトキシプロパンが挙げられる。中でも、インクジェットインクの安定性や吐出安定性を向上することを考慮すると、親水性であるため、非プロトン性極性有機溶媒と水との混合溶媒に対して、非常に相溶性に優れた1,1,2,2−テトラメトキシエタンが好ましい。
(I)(II)のインクジェットインクに含有させる界面活性剤としては、従来公知の種々の界面活性剤が使用可能であるが、特に、式(2):
で表される繰り返し単位と、式(3):
で表される繰り返し単位とを少なくとも含む、水に可溶性の共重合体からなるフッ素系界面活性剤が、好適に使用される。
式(2)で表される繰り返し単位中の基R1がメチル基、基Xが、式(4):
で表される基とされた、式(5):
R5−O− (6)
〔式中、R5は炭素数3〜20のパーフルオロアルキル基である。〕
で表される基とされた、式(7):
式(2)で表される繰り返し単位中の基R1が水素原子、基Xが、式(8):
で表される基とされた、式(9):
で表される基とされた、式(11):
顔料としては、水性のインクジェットインクに通常に使用される任意の無機顔料および/または有機顔料を用いることができる。顔料は、インクジェットインクの色目に応じて、1種または2種以上を用いることができる。顔料の含有割合は、インクジェットインクの総量に対して0.1〜30重量%であるのが好ましい。無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄等の金属化合物や、あるいはコンタクト法、ファーネスト法、サーマル法等の公知の方法によって製造されたカーボンブラック等の1種または2種以上が挙げられる。また有機顔料としては、例えば、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、またはキレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ベリレン顔料、ベリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、またはキノフタロン顔料等)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック等の1種または2種以上が挙げられる。
〈有機酸のエチレンオキシド付加物〉
インクジェットインクに、有機酸塩のエチレンオキシド付加物を含有させると、特に、サーマルジェット(登録商標)方式のインクジェットプリンタにおいて、インクジェットインクの吐出安定性を向上することができる。その理由は明らかではないが、サーマルジェット方式のインクジェットプリンタにおいて、インクジェットインクが瞬時に高温(およそ400℃程度)に加熱された際に、有機酸塩のエチレンオキシド付加物が、顔料の表面に吸着しようと働きかけて、顔料の分散の安定性が破壊されるのを防止し、分散の安定に寄与するためと考えられる。有機酸塩のエチレンオキシド付加物としては、例えば、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、乳酸、D−リンゴ酸、L−リンゴ酸等の、種々のモノ〜トリカルボン酸の、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、もしくはアンモニウム塩に、エチレンオキシドを付加させた化合物が挙げられる。
で表される、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム等のクエン酸のアルカリ金属塩のエチレンオキシド付加物、およびクエン酸アンモニウムのエチレンオキシド付加物からなる群より選ばれた少なくとも1種が好ましい。式中のrが28を超える化合物は、インクジェットインクの粘度を上昇させたり、水溶性が低下してインクジェットインク中に析出したりして、前記インクジェットインクの吐出安定性を低下させるおそれがある。前記化合物の含有割合は、インクジェットインクの総量に対して0.1〜5.0重量%、特に0.3〜3.0重量%であるのが好ましい。含有割合が、前記範囲未満では、前記化合物を含有させたことによる、先に説明した、インクジェットインクの吐出安定性を向上する効果が不十分になるおそれがある。また前記範囲を超える場合には、ノズル等で目詰まりを生じるおそれがある。
インクジェットインクに、式(13):
で表されるポリオキシエチレンフェニルエーテル、および式(14):
で表されるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルからなる群より選ばれた少なくとも1種を含有させると、先に説明した有機酸塩のエチレンオキシド付加物の機能を補助する働きをして、インクジェットインクの吐出安定性を、さらに向上することができる。
インクジェットインクに、アセチレングリコール類および/またはグリコールエーテル類を含有させると、これらの化合物は、式(13)のポリオキシエチレンフェニルエーテルおよび/または式(14)のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの補助効果を、さらに補完する補完効果を有するため、インクジェットインクの吐出安定性を、さらに向上することができる。アセチレングリコール類としては、エアープロダクツ社製のサーフィノール(登録商標)104およびそのシリーズ品、同サーフィノール420、440、465、485、同ダイノール604、日信化学工業(株)製のオルフィン(登録商標)E4001、4036、4051などの1種または2種以上が挙げられる。アセチレングリコール類の含有割合は、インクジェットインクの総量に対して0.01〜5.0重量%、特に0.05〜3.0重量%であるのが好ましい。含有割合が、前記範囲未満では、前記化合物を含有させたことによる、先に説明した補完効果が不十分になるおそれがある。また、前記範囲を超える場合には、印刷の耐水性が低下するおそれがある。
で表されるアセチレングリコール類を組み合わせると、先に説明した補完効果に加えて、インクジェットインクの、特に、グロス調のUV媒体に対する濡れ性を改善する効果を得ることもできる。式(17)で表されるアセチレングリコール類としては、前記例示の各種化合物のうち、エアープロダクツ社製のサーフィノール420〔式(17)中のu、vの数が異なる複数成分の混合物からなり、u+vの平均値が1.3〕、440〔式(17)中のu、vの数が異なる複数成分の混合物からなり、u+vの平均値が3.5〕、465〔式(17)中のu、vの数が異なる複数成分の混合物からなり、u+vの平均値が10〕、485〔式(17)中のu、vの数が異なる複数成分の混合物からなり、u+vの平均値が30〕が挙げられる。
インクジェットインクにバインダ樹脂を含有させると、前記バインダ樹脂が、オフセットコート媒体の、疎水性のコーティングの表面と、顔料とのバインダとして機能するため、印刷の耐水性や耐擦過性、印刷の鮮明性等を向上することができる。特に、バインダ樹脂として、本質的に水には不溶で、かつ塩基性物質を溶解させたアルカリ水溶液に、選択的に可溶であるバインダ樹脂を使用すると、印刷の耐水性を、さらに向上することができる。アルカリ可溶性のバインダ樹脂としては、例えば、分子中にカルボキシル基を有しており、そのままでは水に不溶であるが、アンモニア、有機アミン、苛性アルカリ等の塩基性物質を溶解させたアルカリ水溶液に加えると、カルボキシル基の部分が塩基性物質と反応することで、水溶性の塩を生成して溶解する樹脂が好ましい。
塩基性物質は、インクジェットインクをアルカリ性にして、先に説明したように、アルカリ可溶性のバインダ樹脂を溶解させるとともに、インクジェットヘッドの金属部分等の腐食を防止し、なおかつ、顔料の分散安定性を維持するために含有される。塩基性物質としては、アンモニア、有機アミン、苛性アルカリ等挙げられ、特に有機アミンが好ましい。有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチルモノエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、モノ−1−プロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールおよびこれらの誘導体等の1種または2種以上が挙げられる。塩基性物質の含有割合は、バインダ樹脂の遊離脂肪酸含有量を示す酸価や、あるいはインクジェットインクの、塩基性物質を添加しない状態でのpHなどに応じて適宜、調整できるが、一般的には、バインダ樹脂1重量部あたり0.05〜2重量部、特に0.075〜1.5重量部であるのが好ましい。
本発明のインクジェットインクには、従来公知の種々の添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、例えば、防かび剤、殺生剤等が挙げられる。また、本発明のインクジェットインクには、先に説明した2種の有機溶媒の機能を阻害しない範囲で、他の水溶性の有機溶媒を含有させることもできる。前記他の有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール等のアルコールが挙げられる。前記各成分を含む、本発明のインクジェットインクは、例えば、サーマルジェット(登録商標)方式、バブルジェット(登録商標)方式、ピエゾ方式等の、いわゆるオンデマンド型のインクジェットプリンタに使用できる他、インクを循環させながらインクの液滴を形成して印刷を行う、いわゆるコンティニュアス型のインクジェットプリンタにも使用することができる。
本発明の印刷方法は、疎水性媒体上に、前記本発明のインクジェットインクを用いて、インクジェット印刷法によって印刷する工程と、印刷後の疎水性媒体を加熱する工程とを含むことを特徴とするものである。印刷工程においては、先に説明した各種方式の、オンデマンド型のインクジェットプリンタや、コンティニュアス型のインクジェットプリンタ等を使用して、通常どおりの条件で印刷すればよい。加熱工程においては、例えば、前記インクジェットプリンタの、被印刷物の出口に連続させてヒータを配置する等して、所定の温度で所定時間、加熱できるようにすればよい。加熱温度や加熱時間等の条件は、特に、限定されないが、加熱時間は10秒以下、好ましくは0.1〜5秒程度に設定するのが、印刷に要する時間を長引かせず、乾燥に要する消費エネルギーを増大させないために有効である。
顔料としては、シアン顔料分散液〔キャボット(CABOT)社製のCABOJET250C、C.I.ピグメントブルー15:3のスルホン基改質物、水分散液、固形分:10重量%〕を用い、非プロトン性極性有機溶媒としては、N−エチル−2−ピロリドン〔分子量:113.2、沸点:212℃〕を用いた。フッ素系界面活性剤としては、前出の、セイミケミカル(株)製のサーフロンS−381〔有効成分量:70重量%、表面張力(測定温度25℃):15.2mN/m〕を用い、有機酸のエチレンオキシド付加物としては、式(12)中のrが6で、かつM1〜M3がいずれもナトリウムである、クエン酸ナトリウムのエチレンオキシド付加物を用いた。
シアン顔料分散液 30.0
N−エチル−2−ピロリドン 48.5
フッ素系界面活性剤 2.0
バインダ樹脂 1.0
2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール 0.3
クエン酸ナトリウムのエチレンオキシド付加物 0.5
C6H5O(CH2CH2O)6H 0.5
C8H17C6H4O(CH2CH2O)25H 0.5
エタノール 3.0
アセチレングリコール類 0.8
殺生剤 0.2
イオン交換水 12.7
顔料としては、シアン顔料分散液〔キャボット(CABOT)社製のCABOJET250C、C.I.ピグメントブルー15:3のスルホン基改質物、水分散液、固形分10重量%〕を用い、非プロトン性極性有機溶媒としては、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン〔分子量:114.2、沸点:225.5℃〕を用い、式(1)で表される有機溶媒としては、前記式(1)中のRa〜Rdがいずれもメチル基で、かつnが2である1,1,2,2−テトラメトキシエタンを用いた。フッ素系界面活性剤としては、前出の、セイミケミカル(株)製のサーフロンS−381〔有効成分量:70重量%、0.2重量%濃度の水溶液の表面張力(測定温度25℃):15.2mN/m〕を用い、有機酸のエチレンオキシド付加物としては、式(12)中のrが6で、かつM1〜M3がいずれもナトリウムである、クエン酸ナトリウムのエチレンオキシド付加物を用いた。
シアン顔料分散液 30.0
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン 33.5
1,1,2,2−テトラメトキシエタン 15.0
フッ素系界面活性剤 2.0
バインダ樹脂 1.0
2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール 0.3
クエン酸ナトリウムのエチレンオキシド付加物 0.5
C6H5O(CH2CH2O)6H 0.5
C8H17C6H4O(CH2CH2O)25H 0.5
エタノール 3.0
アセチレングリコール類 0.8
殺生剤 0.2
イオン交換水 12.7
非プロトン性極性有機溶媒として、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンに代えて、同量のN−エチル−2−ピロリドン〔分子量:113.2、沸点:212℃〕を用いたこと以外は、実施例2と同様にしてインクジェットインクを製造した。N−エチル−2−ピロリドンPと、式(1)で表される有機溶媒としての1,1,2,2−テトラメトキシエタンAとの重量比P/A=2.2であった。
〈実施例4〉
式(1)で表される有機溶媒として、1,1,2,2−テトラメトキシエタンに代えて、同量の、前記式(1)中のRa〜Rdがいずれもメチル基で、かつnが3である1,1,3,3−テトラメトキシプロパンを用いたこと以外は、実施例3と同様にしてインクジェットインクを製造した。N−エチル−2−ピロリドンPと、式(1)で表される有機溶媒としての1,1,3,3−テトラメトキシプロパンAとの重量比P/A=2.2であった。
N−エチル−2−ピロリドンの量を42.0重量部、式(1)で表される有機溶媒としての1,1,2,2−テトラメトキシエタンの量を6.5重量部としたこと以外は、実施例3と同様にしてインクジェットインクを製造した。N−エチル−2−ピロリドンPと、式(1)で表される有機溶媒としての1,1,2,2−テトラメトキシエタンAとの重量比P/A=6.5であった。
〈実施例6〉
N−エチル−2−ピロリドンの量を28.5重量部、式(1)で表される有機溶媒としての1,1,2,2−テトラメトキシエタンの量を20.0重量部としたこと以外は、実施例3と同様にしてインクジェットインクを製造した。N−エチル−2−ピロリドンPと、式(1)で表される有機溶媒としての1,1,2,2−テトラメトキシエタンAとの重量比P/A=1.4であった。
N−エチル−2−ピロリドンの量を42.7重量部、式(1)で表される有機溶媒としての1,1,2,2−テトラメトキシエタンの量を5.8重量部としたこと以外は、実施例3と同様にしてインクジェットインクを製造した。N−エチル−2−ピロリドンPと、式(1)で表される有機溶媒としての1,1,2,2−テトラメトキシエタンAとの重量比P/A=7.4であった。
〈実施例8〉
N−エチル−2−ピロリドンの量を25.0重量部、式(1)で表される有機溶媒としての1,1,2,2−テトラメトキシエタンの量を23.5重量部としたこと以外は、実施例3と同様にしてインクジェットインクを製造した。N−エチル−2−ピロリドンPと、式(1)で表される有機溶媒としての1,1,2,2−テトラメトキシエタンAとの重量比P/A=1.1であった。
フッ素系界面活性剤として、サーフロンS−381に代えて、前出の、(株)ジェムコ製のエフトップEF−802〔有効成分量:99重量%、0.2重量%濃度の水溶液の表面張力(測定温度25℃):21.7mN/m〕1.4重量部を用いると共に、イオン交換水の量を13.3重量部としたこと以外は実施例3と同様にしてインクジェットインクを製造した。N−エチル−2−ピロリドンPと、式(1)で表される有機溶媒としての1,1,2,2−テトラメトキシエタンAとの重量比P/A=2.2であった。
〈実施例10〉
フッ素系界面活性剤として、サーフロンS−381に代えて、式(18):
非プロトン性極性有機溶媒として、N−エチル−2−ピロリドンに代えて、同量の1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン〔分子量:114.2、沸点:225.5℃〕を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェットインクを製造した。
〈比較例2〉
非プロトン性極性有機溶媒として、N−エチル−2−ピロリドンに代えて、同量のホルムアミド〔分子量:45.0、沸点:210℃〕を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェットインクを製造した。
〈比較例3〉
非プロトン性極性有機溶媒として、N−エチル−2−ピロリドンに代えて、同量のN−メチルホルムアミド〔分子量:59.1、沸点:197℃〕を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェットインクを製造した。
非プロトン性極性有機溶媒として、N−エチル−2−ピロリドンに代えて、同量のN,N−ジエチルプロピオンアミド〔分子量:129.2、沸点:195℃〕を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェットインクを製造した。
〈比較例5〉
非プロトン性極性有機溶媒として、N−エチル−2−ピロリドンに代えて、同量の2−ピロリドン〔分子量:85.1、沸点:245℃〕を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェットインクを製造した。
〈比較例6〉
式(1)で表される有機溶媒に代えて、同量のジプロピレングリコールを用いたこと以外は、実施例2と同様にしてインクジェットインクを製造した。
実施例、比較例の水性のインクジェットインクを、サーマルジェット方式のインクジェットプリンタ〔ビデオジェット(株)製のPrint Mail Wide Array(プリントメールワイドアレイ)〕を使用して、グロス調オフセットコート紙(Aqueous Ni coat Hi Gloss on 120# Centura Gloss Cover)の表面に、バーコード(CODE 39)を印刷し、次いで、温度25℃、相対湿度40%の条件下で自然乾燥させた。そして、乾燥開始から20分後、および25分後に、綿棒を用いて、20gの荷重をかけながらこすった印刷を観察して、下記の基準で、水性のインクジェットインクの乾燥性を評価した。
◎:乾燥開始から20分後の段階で、滲みは見られなかった。乾燥性は極めて良好と評価した。
○:乾燥開始から20分後の段階では、若干の滲みが見られたが、25分後には滲みは見られなくなった。乾燥性は実用レベルに達していると評価した。
×:乾燥開始から25分後の段階でも、大きく滲んでしまった。乾燥性は不良と評価した。
実施例、比較例の水性のインクジェットインクを、サーマルジェット方式のインクジェットプリンタ〔ビデオジェット(株)製のPrint Mail Wide Array(プリントメールワイドアレイ)〕を使用して、グロス調オフセットコート紙(Aqueous Ni coat Hi Gloss on 120# Centura Gloss Cover)の表面に、バーコード(CODE 39)を印刷し、次いで、出力3200Wのヒータで約5秒間、加熱した後、綿棒を用いて、40gの荷重をかけながらこすった。そして印刷を観察して、下記の基準で、水性のインクジェットインクの定着性を評価した。
◎:全く変化なし。定着性は極めて良好と評価した。
○:若干の変化が見られたが、定着性は実用レベルに達していると評価した。
×:インクがとれてしまった。定着性は不良と評価した。
実施例、比較例のインクジェットインクを、サーマルジェット方式のインクジェットプリンタ〔ビデオジェット(株)製のPrint Mail Wide Array(プリントメールワイドアレイ)〕を使用して、UVコート紙(UV Coated on 120# Centura Gloss Cover)の表面、またはグロス調オフセットコート紙(Aqueous Ni coat Hi Gloss on 120# Centura Gloss Cover)の表面に、10ポイントのアルファベットを印刷し、次いで、出力3200Wのヒータで約5秒間、加熱した後、印刷を観察して、下記の基準で、インクジェットインクの印刷鮮明性を評価した。
○:UVコート紙において、鮮明性が若干劣るものの、グロス調オフセットコート紙では良好であり、印刷鮮明性は概ね良好と評価した。
△:UVコート紙において、鮮明性が悪化したものの、グロス調オフセットコート紙では、依然として良好であった。
×:UVコート紙、グロス調オフセットコート紙共に、印刷は鮮明でなく、印刷鮮明性は不良と評価した。
実施例、比較例の水性のインクジェットインクを、サーマルジェット方式のインクジェットプリンタ〔ビデオジェット(株)製のPrint Mail Wide Array(プリントメールワイドアレイ)〕を使用して、グロス調オフセットコート紙(Aqueous Ni coat Hi Gloss on 120# Centura Gloss Cover)の表面に、線幅0.5ポイントまたは1.0ポイントの線を印刷した。そして印刷を観察して、下記の基準で、水性のインクジェットインクの吐出安定性を評価した。
◎:線幅0.5ポイントの線を、途中で途切れることなく印刷できた。吐出安定性は極めて良好と評価した。
○:線幅0.5ポイントの線は途中で途切れることがあったが、線幅1.0ポイントの線は、途中で途切れることなく印刷できた。吐出安定性は実用レベルに達していると評価した。
×:線幅1.0ポイントの線でも、途中で途切れてしまった。吐出安定性は不良と評価した。
以上の結果を表1〜表4に示す。
Claims (6)
- 顔料と、水と、界面活性剤と、非プロトン性極性有機溶媒としてのN−エチル−2−ピロリドンとを含むことを特徴とするインクジェットインク。
- 非プロトン性極性有機溶媒がN−エチル−2−ピロリドンであることを特徴とする請求項2に記載のインクジェットインク。
- N−エチル−2−ピロリドンPと、式(1)で表される有機溶媒Aとを、重量比P/A=1.2〜7.0の割合で含有していることを特徴とする請求項3に記載のインクジェットインク。
- 疎水性媒体上に、請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェットインクを用いて印刷する工程と、印刷後の疎水性媒体を加熱する工程とを含むことを特徴とする印刷方法。
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