JP2011137122A - 水性インクジェットインク - Google Patents
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Abstract
【課題】オフセットコート媒体に駆動周波数が高い状態で印刷しても各種オフセットコート媒体に対して良好な濡れ性を示しかつインクの吐出が安定し、インクの散り、及び/又はインク垂れを生ず、かつオフセットコート媒体印字部の文字、画像にインク滲み、又は擦れ、欠けが生じない水性インクジェットインクを提供する。
【解決手段】水性インクジェットインクに界面活性剤としてフッ素系界面活性剤1種類以上、及びアセチレングリコール系界面活性剤2種類以上添加した水性インクジェットインク。
【選択図】なし
【解決手段】水性インクジェットインクに界面活性剤としてフッ素系界面活性剤1種類以上、及びアセチレングリコール系界面活性剤2種類以上添加した水性インクジェットインク。
【選択図】なし
Description
本発明は、水性インクジェットインクでUVコート媒体を含む、各種オフセットコート媒体の表面に、印字定着性及び、印字品質に優れた印刷をすることができ、更にインクジェットプリンタでの印刷で吐出安定性に優れた水性インクジェットインクに関する。
従来から水性インクジェットインクを用いたインクジェット印刷において、印刷媒体としてPPC、上質紙、あるいは多孔性微粒子系、又は高分子系のインクジェット用紙等の種々紙類の高吸水性を有する媒体が一般的であった。これに対してオフセット印刷用のオフセットコート媒体は、基材の表面に、疎水性で、かつ非多孔質のコーティングを施してあるため、水性インクジェットインクを用いた印刷に適していなかった。
即ち、オフセットコート媒体表面の疎水性で非多孔質のコーティング層は水性インクジェットインクを吸収しないため、印字したインクジェットインクが前記コーティングの表面で濡れず定着せず、乾燥しにくい。その上、乾燥しても印字部表面を擦ると簡単に擦りとれてしまうという問題があった。また、印字した画像や文字のエッジがシャープ、かつ鮮明な画質を得ることはできなかった。
疎水性で非多孔質のコーティング表面に良好な印刷をするためには、水に溶解し、該コーティング表面に良好な濡れ性を示す界面活性剤を水性ビヒクルに添加すること、及び/又は水と良好な相溶性を有し、かつ前記コーティング層に対して良好な浸透性を有する有機溶媒を水と併用することが効果的と考えられる。例えば特許文献1ではUVコート紙等のUVコート媒体に対して良好な濡れ、及びプリントヘッドのノズルでインクの飛散及び垂れ等のない良好な吐出性をフッ素系界面活性剤の添加が提案されている。また、特許文献2ではアクリル系樹脂等からなる疎水性のコーティングに対して浸透性を有する有機溶媒として、非プロトン性極性溶媒を用いることが提案されている。水性インクジェットインクに多量に含有させても、界面活性剤の機能を阻害しにくい特性を有していることから、顔料を凝集させることなく、均一に分散させて、インクジェットヘッドのノズルでの目詰まり等を防止しながら、前記疎水性コーティングに対して適度な浸透性を有し、強固に定着することができる。特許文献3では、サーマルシャットダウンを生じにくい水性のインク組成で、スチレン−マレイン酸樹脂を用いたことを特徴とし、界面活性剤としてフッ素系界面活性剤を添加したインクが提案されている。
インクジェットプリンタでオフセットコート媒体へ高速で印刷する用途に対応したインクの開発が求められており、発明者が更に検討したところ、プリンタの駆動周波数の高い状態、即ち、印字速度が速い場合、インク吐出が安定しない恐れがあることや、オフセット用UVコート紙、及び水性ニス引き紙、マット紙の各種媒体に特許文献1及び特許文献2、特許文献3に記載のインクジェットインクで連続印刷を行うと、印字部のインク乾燥が遅く滲みが生じ、また印字媒体が複数枚重なると、インクの裏移りを生じさせる恐れがあり、各種オフセットコート媒体に対して一定の良好な印字品質を得ることは難しかった。
なお、UVコート媒体とは基材表面に紫外線(UV)硬化型樹脂の硬化物からなるコーティングを施したオフセットコート媒体のことである。前記UVコート媒体はアクリル樹脂等からなるコーティングを施した通常のオフセットコート媒体表面の臨界表面張力(測定温度25℃)が32〜42mN/m程度、光沢度(60°)が5〜86程度であるのに対し、該硬化物からなるコーティング表面の臨界表面張力(測定温度25℃)30mN/m以下、光沢度(60°)が88以上と、濡れにくく、光沢性に優れた表面を有した媒体である。
前記課題を解決するため、発明者は水性インクジェットインクに加える式(1):
〔式(1)中、R1〜R3のうちの1つ又は2つは炭素数6〜16のパーフルオロアルキル基、他はアンモニウム基を示す。〕で表されるフッ素系界面活性剤を1種類、又は2種類以上用いる。式(1)のフッ素系界面活性剤として例えば式(1)中のR1〜R3のうち2つがパーフルオロアルキル基で、残り1つがアンモニウム基であるDupontTM製のZonyl FSPを挙げることができる。その他、式(1)中のR1〜R3のうち1つがパーフルオロアルキル基で、残り2つがアンモニウム基であるZonyl FSE、式(1)中のR1〜R3の1つがパーフルオロアルキル基で、残り2つが水酸基、又は2つがパーフルオロアルキル基で、残り1つが水酸基であるZonyl URを挙げられるが、特にZonyl FSPが好ましい。
〔式(2)中、u及びvは、それぞれ別個に0〜40の数を示す。但し、u、vは共に0ではなく、u+vは1〜40の数を示す。〕
で表されるアセチレングリコール系界面活性剤を2種類以上用いる。式(2)で表されるアセチレングリコール類としては、エアープロダクツ株式会社製のサーフィノール420〔式(2)中のu、vの数が異なり、u+vの平均値が1.3〕、サーフィノール440〔式(2)中のu、vの数が異なり、u+vの平均値が3.5〕、サーフィノール465〔式(2)中のu、vの数が異なり、u+vの平均値が10.0〕、サーフィノール485〔式(2)中のu、vの数が異なり、u+vの平均値が30.0〕、を挙げることができる。特にサーフィノール420とサーフィノール440の組み合わせが好ましい。
で表されるアセチレングリコール系界面活性剤を2種類以上用いる。式(2)で表されるアセチレングリコール類としては、エアープロダクツ株式会社製のサーフィノール420〔式(2)中のu、vの数が異なり、u+vの平均値が1.3〕、サーフィノール440〔式(2)中のu、vの数が異なり、u+vの平均値が3.5〕、サーフィノール465〔式(2)中のu、vの数が異なり、u+vの平均値が10.0〕、サーフィノール485〔式(2)中のu、vの数が異なり、u+vの平均値が30.0〕、を挙げることができる。特にサーフィノール420とサーフィノール440の組み合わせが好ましい。
式(1)のフッ素系界面活性剤の含有割合はインクジェットインクの総量に対して0.10〜0.30重量%であるのが好ましい。前記範囲未満ではマット紙に対してインクが濡れにくく、擦れが生じる。一方で前記範囲を超える場合にはマット紙に対してインクが濡れ過ぎ、インク滲みが生じる。他方、式(2)のアセチレングリコール系界面活性剤の総含有割合はインクジェットインクの総量に対して0.40〜0.70重量%であるのが好ましい。前記範囲未満ではUVコート紙又は水性ニス引き紙に対してインクが濡れにくく、擦れが生じる。前記範囲を超える場合はUVコート紙又は水性ニス引き紙に対してインクが濡れ過ぎ、インク滲みが生じる。また、式(1)のフッ素系界面活性剤、及び、式(2)のアセチレングリコール系界面活性剤の総含有割合が0.60〜0.90重量%であると、各種オフセットコート媒体に対するインクの濡れが良好なだけでなく、プリントヘッドのノズル壁面に対しても最適な濡れを示すため、インクの吐出が安定している。
プリンタの駆動周波数の高い状態で、本発明の水性インクジェットインクでオフセットコート用UVコート紙、及び水性ニス引き紙、マット紙等の各種媒体に連続印刷を行った場合でも、インク吐出が安定し、印字部の乾燥性が良好であり、かつ各種オフセットコート媒体に滲み、又ははじきのない良好な印字品質を得ることができる。
<顔料>
顔料としては、水性インクジェットインクに使用される任意の無機顔料、及び/又は有機顔料を用いることができる。顔料は色目に応じて1種類又は2種類以上用いることができる。顔料の含有割合はインクジェットインクの総量に対して0.5〜10.0質量%、特に1.0〜5.0質量%であることが好ましい。
顔料としては、水性インクジェットインクに使用される任意の無機顔料、及び/又は有機顔料を用いることができる。顔料は色目に応じて1種類又は2種類以上用いることができる。顔料の含有割合はインクジェットインクの総量に対して0.5〜10.0質量%、特に1.0〜5.0質量%であることが好ましい。
無機顔料として例えば酸化チタン、酸化鉄等の金属化合物や、コンタクト法、ファーネスト法、サーマル法等の公知の方法によって製造されたカーボンブラック等を挙げることができる。
また有機顔料として、例えば、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、またはキレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ベリレン顔料、ベリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、またはキノフタロン顔料等)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック等を挙げることができる。
顔料の水性ビヒクル中の分散安定性を向上させるために、顔料表面を改質して親水基を導入することが好ましい。導入する親水基としては例えばカルボキシル基、スルホン基等を挙げることができる。該親水基を顔料に吸着させることで、顔料の表面極性を増大させて濡れ性を向上させ、顔料分散性を良好にする。
<非プロトン性極性溶媒>
非プロトン性極性溶媒としては、非多孔質媒体等の疎水性コーティング表面を若干溶かしながら、該コーティング層に浸透する性質を有する非プロトン性極性溶媒を使用することができるが、分子量が40〜130、特に分子量が45〜115であり、かつ沸点が150℃〜250℃である非プロトン性極性溶媒を好適に使用できる。分子量が前記範囲未満では、インクジェットインクの乾燥が早すぎて、インクジェットヘッドのノズル部に目詰まりを生じさせる恐れがある。一方、分子量が前記範囲を超える場合には、インクジェットインクの粘度が高くなり、インクの吐出安定性を低下させる恐れがある。
非プロトン性極性溶媒としては、非多孔質媒体等の疎水性コーティング表面を若干溶かしながら、該コーティング層に浸透する性質を有する非プロトン性極性溶媒を使用することができるが、分子量が40〜130、特に分子量が45〜115であり、かつ沸点が150℃〜250℃である非プロトン性極性溶媒を好適に使用できる。分子量が前記範囲未満では、インクジェットインクの乾燥が早すぎて、インクジェットヘッドのノズル部に目詰まりを生じさせる恐れがある。一方、分子量が前記範囲を超える場合には、インクジェットインクの粘度が高くなり、インクの吐出安定性を低下させる恐れがある。
前記条件を満たす好適な非プロトン性極性溶媒として例えば、ホルムアミド〔分子量:45.0、沸点:210℃〕、N−メチルホルムアミド〔分子量:59.1、沸点:197℃〕、N,N−ジメチルホルムアミド〔分子量:73.1、沸点:153℃〕、2−ピロリドン〔分子量:85.1、沸点:245℃〕、γ−ブチロラクトン〔分子量:86.1、沸点:204℃〕、N−メチル−2−ピロリドン〔分子量:99.1、沸点:202℃〕、N−エチル−2−ピロリドン〔分子量:113、沸点:212℃〕1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン〔分子量:114.2、沸点:225.5℃〕、およびN,N−ジエチルプロピオンアミド〔分子量:129.2、沸点:195℃〕を挙げることができる。該非プロトン性極性溶媒を用いると、先に示した効果を得るだけでなく、非プロトン性極性溶媒は高極性のため、表面極性を増大させた顔料と良好な濡れを示し、インクジェットインク中での顔料分散安定性を向上することもできる。
非プロトン性極性溶媒の含有割合はインクジェットインクの総量に対して10〜50重量%、特に20〜50重量%であることが好ましい。該非プロトン性極性溶媒の含有割合が10重量%未満では、オフセットコート媒体の疎水性コーティング表面への溶解不足、及び該コーティング層への浸透不足のため、印字部に十分な印字定着性を得られない恐れがある。他方、該非プロトン性極性溶媒の含有割合が50重量%を超える場合には、インクの乾燥が遅いため、駆動周波数15kHz以上で連続印刷をすると、オフセットコート媒体印字部のインクが乾ききらない状態のまま、オフセットコート媒体が複数枚重なり、インクの裏移りが生じる。
<バインダ樹脂>
バインダ樹脂としては、オフセットコート媒体の疎水性コーティングの表面とインク中の顔料を接着させる機能を有す樹脂が好ましい。特に前記機能を有し、かつ水に不溶であるが塩基性水溶液に可溶な樹脂が好ましい。該樹脂は塩基性水溶液中で塩の状態で存在し、インク乾燥後、速やかに固化し水不溶性を示す。そのため該樹脂をインクジェットインクに添加すると、印字部の耐水性、及び耐擦過性、印字品質を向上することができる。
バインダ樹脂としては、オフセットコート媒体の疎水性コーティングの表面とインク中の顔料を接着させる機能を有す樹脂が好ましい。特に前記機能を有し、かつ水に不溶であるが塩基性水溶液に可溶な樹脂が好ましい。該樹脂は塩基性水溶液中で塩の状態で存在し、インク乾燥後、速やかに固化し水不溶性を示す。そのため該樹脂をインクジェットインクに添加すると、印字部の耐水性、及び耐擦過性、印字品質を向上することができる。
塩基性水溶液に可溶なバインダ樹脂として例えば、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体等のアクリル樹脂;スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体等のスチレン−アクリル酸樹脂;マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂、スチレン−マレイン酸共重合樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合樹脂等を挙げることができる。
バインダ樹脂の重量平均分子量Mwは1,000〜30,000であることが好ましい。特に樹脂の重量平均分子量Mwが1,500〜3,000であると、プリントヘッドのノズル部でインクを目詰まりさせることなく、印字部に良好な耐擦過性をもたらす。一方、インクヘッドのノズル部で樹脂の重量平均分子量Mwが1,000未満であると、オフセットコート媒体表面と顔料との接着性に乏しく、印字部に実用上問題ない程度の耐擦過性を得ることはできない。樹脂の重量平均分子量Mwが30,000を越えると、プリントヘッド部でインクが目詰まりし、印刷初期段階、及び印刷を一時停止し再度印刷を行うと、インクの吐出不良で印字部に擦れを生じさせる恐れがある。また、インクジェットインクの長期保存の経過で、樹脂の析出並びに沈殿等が生じやすい。
前記条件を満たす塩基性水溶液に可溶な樹脂として、例えばBASF(株)製のJONCRYL682(Mw:1,700)、JONCRYL586(Mw:4,600)JONCRYL67(Mw:12,500)、SARTOMER(株)製のSMA1000(Mw:5500)、SMA1440(Mw:7000)、SMA2625(Mw:9000)、アビシア(株)製のネオクリルB−817(Mw:23,000)等を挙げることができる。
いずれの重量平均分子量Mw値を示すバインダ樹脂についても、樹脂の含有割合はインクジェットインクの総量に対して0.1〜3.0重量%であることが好ましい。特に0.5〜2.0重量%であるとプリントヘッドのノズルでインクの吐出不良を生じさせることなく、また、インクジェットインクの長期保存安定性も良好である。
〈プロトン受容性化合物〉
プロトン受容性化合物としては、水溶性インクジェットインクのpHを7以上にし、塩基性水溶液に可溶なバインダ樹脂を良好に溶解させる好適なプロトン受容性化合物として例えば、アンモニア、有機アミン、苛性アルカリ等を挙げることができる。特に有機アミンが好ましく、有機アミンとして、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチルモノエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、モノ−1−プロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、及び該プロトン受容性化合物の誘導体等を挙げることができる。水溶性インクジェットインクのpHを7以上に保つことで、カルボキシル基やスルホニル基等を粒子表面に有してマイナスチャージを示す顔料の分散性を良好に維持し、またプリントヘッド金属部材の腐食を防ぐ。プロトン受容性化合物の含有割合は、バインダ樹脂1.0重量%あたり0.05〜2.00重量%、特に0.075〜1.50重量%であることが好ましい。(バインダ樹脂の酸価、及び/又はプロトン受容性化合物を添加していないインクジェットインクのpHに応じて、プロトン受容性化合物の含有割合を調整できる。)
プロトン受容性化合物としては、水溶性インクジェットインクのpHを7以上にし、塩基性水溶液に可溶なバインダ樹脂を良好に溶解させる好適なプロトン受容性化合物として例えば、アンモニア、有機アミン、苛性アルカリ等を挙げることができる。特に有機アミンが好ましく、有機アミンとして、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチルモノエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、モノ−1−プロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、及び該プロトン受容性化合物の誘導体等を挙げることができる。水溶性インクジェットインクのpHを7以上に保つことで、カルボキシル基やスルホニル基等を粒子表面に有してマイナスチャージを示す顔料の分散性を良好に維持し、またプリントヘッド金属部材の腐食を防ぐ。プロトン受容性化合物の含有割合は、バインダ樹脂1.0重量%あたり0.05〜2.00重量%、特に0.075〜1.50重量%であることが好ましい。(バインダ樹脂の酸価、及び/又はプロトン受容性化合物を添加していないインクジェットインクのpHに応じて、プロトン受容性化合物の含有割合を調整できる。)
〈その他の添加剤等〉
本発明の水性インクジェットインクには、公知の種々添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、例えば、防カビ剤、殺菌剤等を挙げることができる。また、本発明のインクジェットインクには、先に説明した非プロトン性極性溶媒の機能を阻害しない程度に、揮発性有機溶媒を添加することもできる。該揮発性有機溶媒として例えばメタノール、エタノール等のアルコールを挙げることができる。
本発明の水性インクジェットインクには、公知の種々添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、例えば、防カビ剤、殺菌剤等を挙げることができる。また、本発明のインクジェットインクには、先に説明した非プロトン性極性溶媒の機能を阻害しない程度に、揮発性有機溶媒を添加することもできる。該揮発性有機溶媒として例えばメタノール、エタノール等のアルコールを挙げることができる。
本発明の水性インクジェットインクをオンデマンド型、コンティニュアス型でサーマルジェット方式、又はピエゾ方式のインクジェットプリンタで使用することができる。
以下、本発明における実施するための形態を示す。
カーボンブラックの顔料分散体 30重量%
〔CABOT社製CABO−JET300:固形分15%〕
Zonyl FSP 〔DupontTM製〕 0.20重量%
サーフィノール420〔エアープロダクツ(株)製〕 0.40重量%
サーフィノール440〔エアープロダクツ(株)製〕 0.20重量%
N−エチル−2−ピロリドン 20重量%
〔分子量:113、沸点:212〕
SMA1440 〔SARTOMER(株)製〕 1.0重量%
2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール 0.7重量%
イソプロパノール 4.0重量%
Proxel XL2 〔Arch Chemicals製〕 0.2重量%
イオン交換水 43.3重量%
の各成分を混合し、1時間攪拌させた。この混合溶液を孔径5um(ADVANTEC製メンブランフィルター)のフィルターに通して濾過し、インクジェットインクを得た。
〔CABOT社製CABO−JET300:固形分15%〕
Zonyl FSP 〔DupontTM製〕 0.20重量%
サーフィノール420〔エアープロダクツ(株)製〕 0.40重量%
サーフィノール440〔エアープロダクツ(株)製〕 0.20重量%
N−エチル−2−ピロリドン 20重量%
〔分子量:113、沸点:212〕
SMA1440 〔SARTOMER(株)製〕 1.0重量%
2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール 0.7重量%
イソプロパノール 4.0重量%
Proxel XL2 〔Arch Chemicals製〕 0.2重量%
イオン交換水 43.3重量%
の各成分を混合し、1時間攪拌させた。この混合溶液を孔径5um(ADVANTEC製メンブランフィルター)のフィルターに通して濾過し、インクジェットインクを得た。
フッ素系界面活性剤Zonyl FSPの含有量を0.1重量%にしたこと以外は実施例1と同様の配合、及び手順でインクジェットインクを得た。
フッ素系界面活性剤Zonyl FSPの含有量を0.3重量%にしたこと以外は実施例1と同様の配合、及び手順でインクジェットインクを得た。
アセチレングリコール系界面活性剤サーフィノール420の含有量を0.3重量%、サーフィノール440の含有量を0.1重量%にしたこと以外は実施例1と同様の配合、及び手順でインクジェットインクを得た。
アセチレングリコール系界面活性剤サーフィノール420の含有量を0.45重量%、サーフィノール440の含有量を0.25重量%にしたこと以外は実施例1と同様の配合、及び手順でインクジェットインクを得た。
フッ素系界面活性剤の種類をZonyl FSEに替えたこと以外は実施例1と同様の配合、及び手順でインクジェットインクを得た。
アセチレングリコール系界面活性剤の種類をサーフィノール440からサーフィノール465に代えたこと以外は実施例1と同様の配合及び手順で、インクジェットインクを得た。
アセチレングリコール系界面活性剤の種類をサーフィノール420からサーフィノール465に代えたこと以外は実施例1と同様の配合及び手順で、インクジェットインクを得た。
フッ素系界面活性剤Zonyl FSPの含有量を0.05重量%にしたこと以外は実施例1と同様の配合、及び手順でインクジェットインクを得た。
フッ素系界面活性剤Zonyl FSPの含有量を0.4重量%にしたこと以外は実施例1と同様の配合、及び手順でインクジェットインクを得た。
アセチレングリコール系界面活性剤サーフィノール420の含有量を0.20重量%、サーフィノール440の含有量を0.10重量%にしたこと以外は実施例1と同様の配合、及び手順でインクジェットインクを得た。
アセチレングリコール系界面活性剤サーフィノール420の含有量を0.50重量%、サーフィノール440の含有量を0.30重量%にしたこと以外は実施例1と同様の配合、及び手順でインクジェットインクを得た。
フッ素系界面活性剤を添加しなかったこと以外は実施例1と同様の配合及び手順で、インクジェットインクを得た。
フッ素系界面活性剤の種類を式(3)で表されたセイケミカル(株)製サーフロンS−111Nに替えたこと以外は実施例1と同様の配合、及び手順でインクジェットインクを得た。
式(3):
〔Wが8であるものを主成分とし、wが10、12であるものを若干含む〕
式(3):
アセチレングリコール系界面活性剤サーフィノール440を添加しないこと以外は実施例1と同様の配合及び手順で、インクジェットインクを得た。
オフセットコート媒体印刷用のインクジェットプリンタ Print Mail Wide Array〔Video Jet(株)〕で連続印刷を行った。印刷条件はプリントヘッド駆動周波数が12kHz(解像度:300dpi×40ips)、及び15kHz(解像度:300dpi×50ips)で、印刷媒体はUVコート紙(UV Coated on 120#Centura Gloss Cover)、及び水性ニス引き紙(Aqueous Ni coat Hi Gloss on 120# centura Gloss Cover)、マット紙(No Coating on 120#Centura Gloss Cover)の各種オフセットコート媒体各1000枚、インクジェットインクは[0031]〜[0039]に記載のインクを用いる。
印刷された各種オフセットコート媒体各1000枚の印字部分の品質を検査した。
<印字品質>
○・・・印字部の文字、及び画像に滲み、又は擦れ、欠けは殆ど無い。
△・・・印字部の文字、及び画像に滲み、又は擦れ、欠けがあるが、実使用上問題ない 。
×・・・印字部の文字、及び画像に滲み、又は擦れ、欠けがあり、実使用上問題あり。
<印字品質>
○・・・印字部の文字、及び画像に滲み、又は擦れ、欠けは殆ど無い。
△・・・印字部の文字、及び画像に滲み、又は擦れ、欠けがあるが、実使用上問題ない 。
×・・・印字部の文字、及び画像に滲み、又は擦れ、欠けがあり、実使用上問題あり。
印刷された各種オフセットコート媒体各1000枚の印字部分の品質を検査した。
<吐出安定性>
○・・・印字部の文字、及び画像にインクの飛散跡は殆どない。インク吐出が安定して いる。
△・・・印字部の文字、及び画像にインクの飛散跡は若干あるが、実使用上問題ない。
×・・・インクの飛散跡で印字部の文字、及び画像を認識できない、又は印字されてい ない。インクの吐出不良である。
<吐出安定性>
○・・・印字部の文字、及び画像にインクの飛散跡は殆どない。インク吐出が安定して いる。
△・・・印字部の文字、及び画像にインクの飛散跡は若干あるが、実使用上問題ない。
×・・・インクの飛散跡で印字部の文字、及び画像を認識できない、又は印字されてい ない。インクの吐出不良である。
表より、フッ素系界面活性剤として式(1)で表され、式(1)中、R1〜R3のうち1つ、または2つは炭素数6〜16のパーフルオロアルキル基、2つ、または1つはアンモニウム基を示すフッ素系界面活性剤、及びアセチレングリコール系界面活性剤として式(2)で表され、式(2)中、u、vの数が異なり、それぞれ別個に、0〜40の数を示す(但し、u,vは同時に0ではなく、u+vは1〜40の数を示す。)アセチレングリコール界面活性剤を2種類以上使用したインクジェットインクでは、駆動周波数12kHzではもちろんのこと、駆動周波数15kHzで、インク飛散のない吐出を実現し、各種オフセットコート媒体に対して最適な印字品質で印刷できることが判った。さらに、実施例1と実施例6より、式(1)で表され、式(1)中、R1〜R3のうち2つが炭素数6〜16のパーフルオロアルキル基、他の一つはアンモニウム基を示すフッ素系界面活性剤のZonyl FSPを含有したインクの印字品質がより好ましいことが判った。実施例1と実施例7、8より、アセチレングリコール系界面活性剤として式(2)で表され、式(2)中のu、vの数が異なり、u+vの平均値が1.3であるサーフィノール420と、式(2)中のu、vの数が異なり、u+vの平均値が3.5であるサーフィノール440を併用する場合、UVコート紙、及び水性ニス引き紙上での印字品質が良好であることが判った。実施例1、2、3と実施例9、10より、式(1)で表され、式(1)中、R1〜R3のうち1つ、または2つは炭素数6〜16のパーフルオロアルキル基、2つ、または1つはアンモニウム基を示す、フッ素系界面活性剤を0.10〜0.30重量%含有するインクは駆動周波数15kHzで、インクの吐出がより安定しており、印字品質も良好な結果を得た。実施例1、4、5と実施例11、12から、式(2)で表され式(2)中のu、vの数が異なり、それぞれ別個に、0〜40の数を示す、(但し、u,vは同時に0ではなく、u+vは1〜40の数を示す)2種類のアセチレングリコール系界面活性剤の総含有割合を0.40〜0.70重量%の範囲に調整したインクは、駆動周波数15kHzで、インクの吐出がより安定しており、印字品質も良好な結果を得た。
Claims (4)
- 式(1)で表されるフッ素系界面活性剤の含有割合がインクジェットインクの総量に対して0.1〜0.3重量%であり、かつ式(2)で表されるアセチレングリコール系界面活性剤2種類以上の総含有割合がインクジェットの総量に対して0.40〜0.70重量%である請求項1記載の水性インクジェットインク。
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