JP4843805B2 - インクジェットインクとそれを用いる印刷方法 - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は、特に、オフセットコート媒体等の疎水性媒体に印刷するのに適したインクジェットインクと、それを用いる疎水性媒体への印刷方法とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、水性のインクジェットインクを用いたインクジェット印刷方法においては、上質紙等の通常の紙類や、あるいは、典型的に高いインク吸収性を有するように設計された専用紙等の、吸水性を有する媒体に印刷するのが一般的である。しかし、オフセット印刷用として適したオフセットコート媒体は、基材の表面を、疎水性でかつ平滑な非多孔質のコーティングによって被覆しているため、従来の、水性のインクジェットインクを用いた印刷には適していない。
【0003】
水性のインクジェットインクを用いて印刷しても、コーティングは、水性のインクジェットインクを吸収しないため、インクジェットインクがコーティングの表面ではじかれたり滲んだりして、エッジがシャープで鮮明な印刷を得ることはできない。また、印刷の乾燥性が悪い上、乾燥しても定着性が十分でないため、こすると簡単に滲んでしまうという問題もある。そこで、水性のインクジェットインクを用いて、インクジェット印刷方法によって、オフセットコート媒体に良好な印刷を行うための新たな技術開発が求められている。
【0004】
インクジェット印刷方法によって、オフセットコート媒体に良好な印刷を行うためにまず考えられるのは、インクジェットインクの、疎水性であるコーティングに対する親和性を向上することであり、そのために、界面活性剤の種類を検討したり、水と相溶性を有し、なおかつ、疎水性のコーティングに対する親和性を有するグリコールエーテルや湿潤剤等を配合したりすることが提案されている。また、親和性の向上と共に、印刷後のインクジェットインクの、コーティングに対する定着性を向上するために、水溶性または水分散性のバインダ樹脂(ビヒクル)を配合することも提案されている(例えば、下記特許文献1、2等参照)。
【0005】
また、水と相溶性を有し、なおかつ疎水性のコーティングに対して浸透性を有する溶媒を、水と併用することが考えられ、かかる溶媒として非プロトン性極性溶媒を用いることが提案されている(特許文献3)。
【特許文献1】
特開2003−206426号公報(特許請求の範囲、第0009欄〜第0010欄)
【特許文献2】
特表2004−510028号公報(特許請求の範囲、第0012欄)
【特許文献3】
特開2003−268279号公報(特許請求の範囲、第0009欄)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1、2に記載されているように、水性のインクジェットインクにおいて既知の成分である界面活性剤、グリコールエーテル、湿潤剤およびバインダ樹脂等について検討するだけではその効果に限界があり、オフセットコート媒体の表面に、現状よりもさらに良好な印刷を行うことは難しい。
【0007】
一方、特許文献3に記載された非プロトン性極性溶媒は、オフセットコート媒体に通常に使用されるコーティングに対して良好な浸透性を有するため、インクジェットインクがコーティングの表面ではじかれたり滲んだりするのを防止して、エッジがシャープで鮮明な印刷を得ることや、非プロトン性極性溶媒をコーティングに吸収させて、印刷後のインクジェットインクの乾燥性を向上すること等が期待されている。しかし、この特許文献3に記載されたインクジェットインクの構成では、非プロトン性極性溶媒を含有させているにも拘らず、その効果は未だ十分でなく、さらなる改善が望まれている。
【0008】
本発明の目的は、オフセットコート媒体等の疎水性媒体に対して、現状よりもさらに良好な印刷をすることができる水性のインクジェットインクと、それを用いた疎水性媒体への印刷方法とを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のインクジェットインクは、顔料と、水と、界面活性剤と、分子量が40〜130である非プロトン性極性溶媒とを含み、非プロトン性極性溶媒の含有割合が40〜75重量%で、かつ界面活性剤として、式(1):
【化1】
〔式中、R 1 はエチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基を少なくとも1つ以上含むポリアルキレンオキシド鎖を示し、xは1以上の数を示す。〕
で表されるシリコーン系界面活性剤S 1 と、式(2):
【化2】
〔式中、R 2 はエチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基を少なくとも1つ以上含むポリアルキレンオキシド鎖を示し、yは1以上の数を示す。〕
で表されるシリコーン系界面活性剤S 2 とを併用するとともに、両シリコーン系界面活性剤の配合割合(重量比)が、S 1 /S 2 =6/4〜4/6であることを特徴とするものである。また、非プロトン性極性溶媒Pと、2種のシリコーン系界面活性剤S 1 +S 2 との配合割合(重量比)は、P/(S 1 +S 2 )=45/1〜70/1であるのが好ましい。
【0010】
非プロトン性極性溶媒の沸点は、150〜250℃であるのが好ましい。また、非プロトン性極性溶媒としては、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルプロピオンアミド、およびγ−ブチロラクトンからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0011】
本発明の印刷方法は、疎水性媒体上に、上記本発明のインクジェットインクを用いて印刷する工程と、印刷後の疎水性媒体を加熱する工程とを含むことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
特許文献3に記載のインクジェットインクにおいては、非プロトン性極性溶媒を、インクジェットインクの総量に対して5〜40重量%の含有割合で含有させているが、発明者の検討によると、この程度の含有割合の範囲では、非プロトン性極性溶媒を含有させたことによる、オフセットコート媒体のコーティング等の、疎水性の表面に対する浸透性を向上して、印刷の乾燥性等を改善する効果が十分に得られない。
【0013】
コーティング等に対する浸透性を高めるためには、もっと多量の非プロトン性極性溶媒を含有させる必要があるが、分子量の大きい非プロトン性極性溶媒を、インクジェットインクの総量に対して40重量%以上の割合で含有させると、インクジェットインクの粘度が高くなって、インクジェットプリンタのヘッドの、微細なノズルから吐出させる際の吐出安定性が低下するおそれがある。
【0014】
これに対し、本発明においては、特許文献3に記載の非プロトン性極性溶媒のうち、分子量が130以下という小さいものを選択的に使用すると共に、その含有割合を、40重量%以上に限定しているため、インクジェットインクの粘度の上昇を抑制して、良好な吐出安定性を維持しつつ、疎水性の表面に対する浸透性を向上して、印刷の乾燥性等をこれまでよりも改善することができる。そのため、本発明のインクジェットインクによれば、オフセットコート媒体等の疎水性媒体に対して、現状よりもさらに良好な印刷をすることが可能となる。
【0015】
なお、本発明において、非プロトン性極性溶媒の分子量を40以上に限定しているのは、分子量が40未満である低分子量の非プロトン性極性溶媒を使用した場合には、インクジェットインクが乾燥しやすくなって、前記微細なノズル等での目詰まりを生じやすくなるためである。また、非プロトン性極性溶媒の含有割合を75重量%以下に限定しているのは、含有割合が75重量%を超える場合には、たとえ非プロトン性極性溶媒の分子量を130以下に限定したとしても、インクジェットインクの粘度が高くなって、微細なノズルから吐出させる際の吐出安定性が低下するためである。
【0016】
本発明においては、非プロトン性極性溶媒の沸点を、150〜250℃とするのが好ましい。非プロトン性極性溶媒の沸点が150℃未満では、インクジェットインクが乾燥しやすくなって、ノズル等での目詰まりを生じやすくなるおそれがあり、250℃を超える場合には、逆に、インクジェットインクが乾燥しにくくなって、印刷後の乾燥性が低下するおそれがある。これに対し、非プロトン性極性溶媒の沸点を、150〜250℃とした場合には、これらの問題が生じるのを防止して、疎水性媒体に対して、より一層、良好な印刷をすることができる。
【0017】
これらの条件を満たす好適な非プロトン性極性溶媒としては、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルプロピオンアミド、およびγ−ブチロラクトンからなる群より選ばれる少なくとも1種が挙げられる。これらの非プロトン性極性溶媒を用いると、先に示した各種の効果が得られるだけでなく、その詳細は明らかではないものの、顔料の、インクジェットインク中での分散安定性を向上することもできる。
【0018】
界面活性剤としては、前記式(1)で表されるシリコーン系界面活性剤S1と、式(2)で表されるシリコーン系界面活性剤S2とを併用する。この2種のシリコーン系界面活性剤を併用すると、例えば、BYK−Gardner社製のmicro−TRI−grossを用いて測定した60°光沢度が70°以上であるようなグロス調のオフセットコート媒体から、上記60°光沢度が20°以下であるようなマット調のオフセットコート媒体まで、広い範囲の、様々な表面状態の疎水性媒体に、より一層、安定して、良好な印刷を行うことができる。しかも、この2種のシリコーン系界面活性剤は、PFOS系の界面活性剤と比べて、環境に影響を及ぼすおそれがないという利点もある。
【0019】
すなわち、式(1)のシリコーン系界面活性剤S1は、オフセットコート媒体等の疎水性媒体に対して、きわめて高い濡れ性を有するため、水性のインクジェットインクをはじきやすい、グロス調のオフセットコート媒体にも良好な印刷を行うことができるが、濡れ性が高すぎるため、マット調のオフセットコート媒体においては、その表面の微細な凹凸の影響を受けて、印刷が滲んでしまうおそれがある。
【0020】
これに対し、式(1)のシリコーン系界面活性剤S1を、それよりも濡れ性を抑えた、式(2)のシリコーン系界面活性剤S2と併用することで、マット調のオフセット媒体の表面で滲みが生じるのを防止して、当該マット調のオフセットコート媒体に対しても良好な印刷を行うことが可能となる。
【0021】
上記の併用系においては、両シリコーン系界面活性剤の配合割合(重量比)を、S1/S2=6/4〜4/6とする。この範囲より、式(1)のシリコーン系界面活性剤S1が少ない場合には、当該シリコーン系界面活性剤S1による、インクジェットインクの濡れ性を向上する効果が不十分となるため、特に、グロス調のオフセットコート媒体に印刷した際に、はじかれやすくなるおそれがある。
【0022】
また、逆に、この範囲より、式(2)のシリコーン系界面活性剤S2が少ない場合には、当該シリコーン系界面活性剤S2による、インクジェットインクの濡れ性を抑える効果が不十分となるため、特に、マット調のオフセットコート媒体に印刷した際に、にじみやすくなるおそれがある。
【0023】
これに対し、両シリコーン系界面活性剤の配合割合(重量比)を、S1/S2=6/4〜4/6とした場合には、両シリコーン系界面活性剤を併用したことによる相乗効果によって、先に説明したように、グロス調からマット調まで、広い範囲の、様々な表面状態の疎水性媒体に、より一層、安定して、良好な印刷を行うことができる。
【0024】
非プロトン性極性溶媒Pと、2種のシリコーン系界面活性剤S1、S2との配合割合(重量比)は、先に説明した、23℃における動的接触角が20°以下であるシリコーン系界面活性剤の場合と同じ理由で、P/(S1+S2)=45/1〜70/1とするのが好ましい。
【0025】
上記本発明のインクジェットインクを用いて、オフセットコート媒体等の疎水性媒体に印刷する場合は、印刷直後に加熱して乾燥させるのが好ましい。これにより、非プロトン性極性溶媒を、オフセットコート媒体のコーティング等の、疎水性の表面に浸透させて、インクジェットインクの乾燥性を向上させる効果を補助して、通常の、水性のインクジェットインクを吸水性の被印刷物の表面に印刷する場合とほぼ同等の印刷速度でもって、疎水性媒体に対する印刷を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に、本発明を説明する。
《インクジェットインク》
本発明のインクジェットインクは、顔料と、水と、界面活性剤と、分子量が40〜130である非プロトン性極性溶媒とを含み、非プロトン性極性溶媒の含有割合が40〜75重量%で、かつ界面活性剤として、式(1):
【化3】
〔式中、R 1 はエチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基を少なくとも1つ以上含むポリアルキレンオキシド鎖を示し、xは1以上の数を示す。〕
で表されるシリコーン系界面活性剤S 1 と、式(2):
【化4】
〔式中、R 2 はエチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基を少なくとも1つ以上含むポリアルキレンオキシド鎖を示し、yは1以上の数を示す。〕
で表されるシリコーン系界面活性剤S 2 とを併用するとともに、両シリコーン系界面活性剤の配合割合(重量比)が、S 1 /S 2 =6/4〜4/6であることを特徴とするものである。
【0027】
〈非プロトン性極性溶媒〉
非プロトン性極性溶媒としては、水素イオンを生じたり受け取ったりしない種々の非プロトン性極性溶媒のうち、分子量が40〜130であるものが選択して使用される。また、その含有割合は、インクジェットインクの総量に対して40〜75重量%に限定される。これらの理由は先に説明したとおりである。また、非プロトン性極性溶媒としては、これも先に説明したように、沸点が150〜250℃であるものが好適に使用される。なお、非プロトン性極性溶媒の分子量は、インクジェットインクの粘度上昇を抑えて、その吐出安定性をさらに向上することを考慮すると、上記の範囲内でも、特に、45〜115であるのが好ましい。また、非プロトン性極性溶媒の含有割合は、インクジェットインクの粘度上昇を抑えて、その吐出安定性をさらに向上することを考慮すると、上記の範囲内でも、特に、45〜70重量%であるのが好ましい。
【0028】
これらの条件を満たす、好適な非プロトン性極性溶媒としては、例えば、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン〔分子量:114.2、沸点:225.5℃〕、N−メチル−2−ピロリドン〔分子量:99.1、沸点:202℃〕、2−ピロリドン〔分子量:85.1、沸点:245℃〕、ホルムアミド〔分子量:45.0、沸点:210℃〕、N−メチルホルムアミド〔分子量:59.1、沸点:197℃〕、N,N−ジメチルホルムアミド〔分子量:73.1、沸点:153℃〕、N,N−ジエチルプロピオンアミド〔分子量:129.2、沸点:195℃〕、およびγ−ブチロラクトン〔分子量:86.1、沸点:204℃〕からなる群より選ばれる少なくとも1種があげられる。
【0029】
〈界面活性剤〉
界面活性剤としては、前記のように式(1):
【化5】
〔式中、R1はエチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基を少なくとも1つ以上含むポリアルキレンオキシド鎖を示し、xは1以上の数を示す。〕
で表されるシリコーン系界面活性剤S1と、式(2):
【化6】
〔式中、R2はエチレンオキシド基またはプロピレンオキシド基を少なくとも1つ以上含むポリアルキレンオキシド鎖を示し、yは1以上の数を示す。〕
で表されるシリコーン系界面活性剤S2とを併用する。
【0030】
また、この併用系においては、両シリコーン系界面活性剤の配合割合(重量比)が、S1/S2=6/4〜4/6である必要がある。さらに、非プロトン性極性溶媒Pと、上記2種のシリコーン系界面活性剤S1、S2との配合割合(重量比)は、P/(S1+S2)=45/1〜70/1であるのが好ましい。これらの理由は、先に説明したとおりである。
【0031】
式(1)で表されるシリコーン系界面活性剤の好適な例としては、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製のSILWET L−77、信越シリコーン(株)製のKF−643等が挙げられる。また、式(2)で表されるシリコーン系界面活性剤の好適な例としては、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製のSILWET L−720等が挙げられる。
【0032】
上記2種のシリコーン系界面活性剤を併用したインクジェットインクは、そのpHを、7.3〜7.7に調整するのが好ましい。pHがこの範囲を外れる場合には、式(1)で表されるシリコーン系界面活性剤が経時変化して、インクジェットインクの、特に、グロス調のオフセットコート媒体に対する濡れ性が低下するおそれがある。また、pHが7.3未満では、印刷の耐水性を向上させるために、本質的に水には不溶で、かつ塩基性物質を溶解させたアルカリ水溶液に選択的に可溶であるバインダ樹脂と組み合わせた際に、当該バインダ樹脂を、インクジェットインク中に、良好に溶解させることができなくなるおそれもある。インクジェットインクのpHを前記の範囲に調整するためには、任意の塩基性物質を添加すればよい。
【0033】
〈顔料〉
顔料としては、インクジェット用インクジェットインクに通常に使用される任意の無機顔料および/または有機顔料を用いることができる。このうち、無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄などの金属化合物や、あるいはコンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラック等の1種または2種以上が挙げられる。
【0034】
また有機顔料としては、例えば、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、またはキレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ベリレン顔料、ベリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、またはキノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどの1種または2種以上が挙げられる。
【0035】
顔料の具体例は、イエロー顔料としてC.I.ピグメントイエロー74、109、110、138、マゼンタ顔料としてC.I.ピグメントレッド122、202、209、シアン顔料としてC.I.ピグメントブルー15:3、60、ブラック顔料としてC.I.ピグメントブラック7、オレンジ顔料としてC.I.ピグメントオレンジ36、43、グリーン顔料としてC.I.ピグメントグリーン7、36等である。
【0036】
顔料は、インクジェットインクの色目に応じて、1種または2種以上を用いることができる。顔料の含有割合は、インクジェットインクの総量に対して0.1〜30重量%であるのが好ましい。
【0037】
顔料は、親水性を付与してインクジェットインク中での分散安定性を向上するために、その表面を改質して親水性基を導入しておくのが好ましい。改質により顔料の表面に導入する親水性基としては、カルボキシル基、スルホン基等が挙げられ、特に、カルボキシル基が好ましい。スルホン基によって改質した顔料は親水性が強くなりすぎるため、前記のように多量の非プロトン性極性溶媒を含んでいる本発明のインクジェットインク中での分散安定性が却って低下するおそれがあるのに対し、カルボキシル基によって改質して適度な親水性を付与した顔料は、特に、本発明のインクジェットインク中での分散安定性に優れたものとなる。顔料は、分散剤を用いて水に分散させた顔料分散液の状態で、インクジェットインクの製造に用いるのが好ましい。
【0038】
本発明のインクジェットインクには、上記の各成分に加えて、次に述べる有機酸のエチレンオキシド付加物その他の成分を含有させることもできる。
〈有機酸のエチレンオキシド付加物〉
インクジェットインクに有機酸塩のエチレンオキシド付加物を含有させると、特に、サーマルジェット(登録商標)方式のインクジェットプリンタにおいて、インクジェットインクの吐出安定性を向上することができる。
【0039】
その理由は明らかではないが、サーマルジェット方式のインクジェットプリンタにおいて、インクジェットインクが瞬時に高温(およそ400℃程度)に加熱された際に、上記有機酸塩のエチレンオキシド付加物が顔料の表面に吸着しようと働きかけて、顔料の分散の安定性が破壊されるのを防止し、分散の安定に寄与するためと考えられる。
有機酸塩のエチレンオキシド付加物としては、例えば、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、乳酸、D−リンゴ酸、L−リンゴ酸等の、種々のモノ〜トリカルボン酸の、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、もしくはアンモニウム塩に、エチレンオキシドを付加させた化合物が挙げられる。
【0040】
特に、インクジェットインクの吐出安定性を向上する効果の点では、式(4):
【化7】
〔式中、M1、M2、およびM3は同一または異なってナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、アンモニウム基、または水素を示す。ただしM1、M2、およびM3は同時に水素でない。nは1〜28の数を示す。〕
で表される、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム等のクエン酸のアルカリ金属塩のエチレンオキシド付加物、およびクエン酸アンモニウムのエチレンオキシド付加物からなる群より選ばれた少なくとも1種が好ましい。
【0041】
式中のnが28を超える化合物はインクジェットインクの粘度を上昇させたり、水溶性が低下してインクジェットインク中に析出したりして、その吐出安定性を低下させるおそれがある。上記化合物の含有割合は、インクジェットインクの総量に対して0.1〜5.0重量%であるのが好ましく、0.3〜3.0重量%であるのがさらに好ましい。含有割合がこの範囲未満では、当該化合物を含有させたことによる、前述した、インクジェットインクの吐出安定性を向上する効果が不十分になるおそれがある。またこの範囲を超える場合には、ノズル等で目詰まりを生じるおそれがある。
【0042】
〈ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル〉
インクジェットインクに、式(5):
【化8】
〔式中、pは3〜28の数を示す。〕
で表されるポリオキシエチレンフェニルエーテル、および式(6):
【化9】
〔式中、R3は炭素数8〜10のアルキル基、rは3〜28の数を示す。〕
で表されるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルからなる群より選ばれた少なくとも1種を含有させると、上記有機酸塩のエチレンオキシド付加物の機能を補助する働きをして、インクジェットインクの吐出安定性をさらに向上することができる。
【0043】
このうち、式(5)で表されるポリオキシエチレンフェニルエーテルにおいて、式中のpが3〜28であるのが好ましいのは、pがこの範囲を外れる化合物は、有機酸塩のエチレンオキシド付加物の機能を補助する効果が不十分になるおそれがあるためである。また、特に、pが28を超える化合物は、インクジェットインクの粘度を上昇させたり、水溶性が低下してインクジェットインク中に析出したりして、その吐出安定性を低下させるおそれもある。
【0044】
式(5)のポリオキシエチレンフェニルエーテルの具体例としては、pが6である、式(5-1):
【化10】
で表される化合物が挙げられる。
【0045】
また、前記式(6)で表されるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルにおいて、式中のrが3〜28で、かつR3のアルキル基の炭素数が8〜10であるのが好ましいのは、rがこの範囲を外れる化合物や、R3のアルキル基の炭素数がこの範囲を外れる化合物はいずれも、有機酸塩のエチレンオキシド付加物の機能を補助する効果が不十分になるおそれがあるためである。また、特に、rが28を超える化合物や、R3のアルキル基の炭素数が10を超える化合物は、インクジェットインクの粘度を上昇させたり、水溶性が低下してインクジェットインク中に析出したりして、その吐出安定性を低下させるおそれもある。
【0046】
式(6)のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの具体例としては、rが25でR3のアルキル基の炭素数が8である、式(6-1):
【化11】
で表される化合物が挙げられる。なお、式(6)の化合物には、R3のアルキル基が、フェニル基上の、ポリオキシエチレン基からみてo位、m位およびp位に結合した3種の化合物があるが、この発明ではこのいずれを用いることもできる。また、これらの化合物のうち、2種以上の混合物を用いることもできる。
【0047】
式(5)のポリオキシエチレンフェニルエーテルおよび/または式(6)のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの含有割合は、インクジェットインクの総量に対して0.1〜7.0重量%であるのが好ましく、0.5〜6.0重量%であるのがさらに好ましい。含有割合がこの範囲未満では、これらの化合物を含有させたことによる、前述した、インクジェットインクの吐出を安定させる効果を補助する補助効果が不十分になるおそれがある。またこの範囲を超える場合には、ヘッド内で目詰まりを生じるおそれがある。
【0048】
なお上記の含有割合は、式(5)(6)の化合物をいずれか単独で使用する場合は、当該化合物単独での含有割合であり、2種以上を併用する場合は、併用する化合物の合計の含有割合である。式(5)(6)の化合物は、それぞれ補助効果のメカニズムが異なっていると考えられるため、両者を併用するのが好ましい。特に、前述した式(5-1)の化合物と、式(6-1)の化合物との併用系が、補助効果の点で好ましい。
【0049】
〈アセチレングリコール類、グリコールエーテル類〉
インクジェットインクに、アセチレングリコール類および/またはグリコールエーテル類を含有させると、これらの化合物は、式(2)のポリオキシエチレンフェニルエーテルおよび/または式(3)のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの補助効果を補完する補完効果を有するため、インクジェットインクの吐出安定性をさらに向上することができる。
【0050】
このうち、アセチレングリコール類としては、エアープロダクツ社製のサーフィノール(登録商標)104およびそのシリーズ品、同サーフィノール420、440、465、485、同ダイノール604、日信化学工業(株)製のオルフィンE4001、4036、4051などの1種または2種以上が挙げられる。
【0051】
アセチレングリコール類の含有割合は、インクジェットインクの総量に対して0.01〜5.0重量%であるのが好ましく、0.05〜3.0重量%であるのがさらに好ましい。含有割合がこの範囲未満では、かかる化合物を含有させたことによる、前述した補完効果が不十分になるおそれがある。またこの範囲を超える場合には、印刷の耐水性が低下するおそれがある。
【0052】
また、前記2種のシリコーン系界面活性剤の併用系、または、式(3)のフッ素系界面活性剤に、式(7):
【化12】
〔式中、sおよびtは、それぞれ別個に、0〜40の数を示す。ただし、s、tは同時に0でなく、s+tは1〜40の数を示す。〕
で表されるアセチレングリコール類を組み合わせると、前述した補完効果に加えて、インクジェットインクの、特に、グロス調のオフセットコート媒体に対する濡れ性を改善する効果を得ることもできる。
【0053】
式(7)で表されるアセチレングリコール類としては、前記例示の各種化合物のうち、エアープロダクツ社製のサーフィノール420〔式(7)中のs、tの数が異なる複数成分の混合物からなり、s+tの平均値が1.3〕、440〔式(7)中のs、tの数が異なる複数成分の混合物からなり、s+tの平均値が3.5〕、465〔式(7)中のs、tの数が異なる複数成分の混合物からなり、s+tの平均値が10〕、485〔式(7)中のs、tの数が異なる複数成分の混合物からなり、s+tの平均値が30〕が挙げられる。
【0054】
一方、グリコールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル等の1種または2種以上が挙げられる。
【0055】
グリコールエーテル類の含有割合は、インクジェットインクの総量に対して0.5〜10.0重量%であるのが好ましく、2.0〜7.0重量%であるのがさらに好ましい。含有割合がこの範囲未満では、かかる化合物を含有させたことによる、前述した補完効果が不十分になるおそれがある。またこの範囲を超える場合には、当該化合物が不揮発性の液体であるため、インクジェットインクが乾燥しにくくなるおそれがある。またインクジェットインクの保存安定性が低下するおそれもある。
【0056】
〈バインダ樹脂I〉
インクジェットインクにバインダ樹脂を含有させると、当該バインダ樹脂が、オフセットコート媒体のコーティング等の、疎水性の表面と顔料とのバインダとして機能するため、印刷の耐水性や耐擦過性、印刷の鮮明性等を向上することができる。特に、バインダ樹脂として、本質的に水には不溶で、かつ塩基性物質を溶解させたアルカリ水溶液に選択的に可溶であるバインダ樹脂を使用すると、印刷の耐水性をさらに向上することができる。
【0057】
また、アルカリ可溶性のバインダ樹脂としては、例えば、分子中にカルボキシル基を有しており、そのままでは水に不溶であるが、アンモニア、有機アミン、苛性アルカリ等の塩基性物質を溶解させたアルカリ水溶液に加えると、カルボキシル基の部分が塩基性物質と反応して水溶性の塩を生成して溶解する樹脂が好ましい。
【0058】
その好適な例としては、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体などのアクリル樹脂;スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体などのスチレン−アクリル酸樹脂;マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂、スチレン−マレイン酸共重合樹脂、スチレン−無水マレイン酸共重合樹脂等のうち、上記の特性を有するように分子量、酸価等を調整した樹脂、特に、高酸価樹脂の1種または2種以上が挙げられる。
【0059】
中でも、アルカリ可溶性のアクリル樹脂が好ましく、その具体例としては、例えば、アビシア(株)製のネオクリル(登録商標)B−817(重量平均分子量Mw:23,000)、ネオクリルB−890(重量平均分子量Mw:12,500)、ジョンソンポリマー(株)製のジョンクリル(登録商標)67(重量平均分子量Mw:12,500)等が挙げられる。
【0060】
アルカリ可溶性のバインダ樹脂は、印刷の耐水性、耐擦過性を向上することを考慮すると、重量平均分子量Mwが10,000以上であるのが好ましい。ただし分子量が大きすぎるとバインダ樹脂が沈殿や析出などを生じやすくなって、インクジェットインクの吐出が不安定になるおそれがある。また、インクジェットインクを貯蔵した際にも、沈殿や析出などを生じやすくなるおそれがある。したがってバインダ樹脂の重量平均分子量Mwは、上記の範囲内でも、特に、50,000以下であるのが好ましく、これらの特性を併せ考慮すると20,000〜40,000程度であるのがさらに好ましい。
【0061】
バインダ樹脂の含有割合は、インクジェットインクの総量に対して0.1〜3.0重量%であるのが好ましく、0.5〜2.0重量%であるのがさらに好ましい。含有割合がこの範囲未満では、顔料を、非水性の表面等に定着させて印刷の耐水性、耐擦過性、印刷の鮮明性を向上する効果が不十分になるおそれがある。またこの範囲を超える場合には、特に、前記のように、サーマルジェット方式において、水分の気化に伴ってプリンタのヘッド内でインクジェットインクの粘度が局部的に上昇した際に、インクの吐出が不安定になったり、過剰のバインダ樹脂が析出してヘッド内で目詰まりを生じたりするおそれがある。
【0062】
〈バインダ樹脂II〉
インクジェットプリンタは、通常、不使用時に、ヘッドをホームポジションに戻した際に、キャップをしてノズルを閉じる機構を備えているが、ヘッドをホームポジションに戻す操作を、手動で行う設定になっているものがあり、そのようなインクジェットプリンタにおいて、ヘッドをホームポジションに戻し忘れて、ノズルがキャップされない状態でしばらくの間、放置されると、ノズル内のインクジェットインクが粘度上昇して、印刷を再開した初期の段階で、かすれ等の印刷不良を生じやすい。
【0063】
そのため、ヘッドをホームポジションに戻す操作を手動で行うタイプのインクジェットプリンタに使用するインクジェットインクにおいては、かすれ等の印刷不良を確実に防止するために、バインダ樹脂として、重量平均分子量Mwが1,000〜3,000、特に、1,000〜2,000であるものを使用するのが好ましい。このように、重量平均分子量Mwが小さいバインダ樹脂を含むインクジェットインクは、ノズルがキャップされない状態でしばらくの間、放置されても急激に粘度上昇することがないため、印刷を再開した初期の段階で、かすれ等の印刷不良を生じることがない。
【0064】
なお、重量平均分子量Mwが1,000〜3,000であるバインダ樹脂を、水性のインクジェットインクに使用して、一般の紙等に印刷しても、印刷の耐水性、耐擦過性を向上する効果は得られない。しかし、40〜75重量%という多量の非プロトン性極性溶媒を含み、この非プロトン性極性溶媒によって、オフセットコート媒体のコーティングを若干、溶かしながら、コーティング中に浸透して印刷される本発明のインクジェットインクにおいては、重量平均分子量Mwが1,000〜3,000であるバインダ樹脂を使用しても、印刷の耐水性、耐擦過性を、実用上、問題のない程度まで、十分に向上させることができる。
【0065】
バインダ樹脂のその他の特性は、先の、分子量の大きいバインダ樹脂と同様であるのが好ましい。すなわち、バインダ樹脂は、本質的に水には不溶で、かつ塩基性物質を溶解させたアルカリ水溶液に選択的に可溶であるのが、印刷の耐水性を向上する上で、好ましい。これらの条件を満足する、重量平均分子量Mwが1,000〜3,000であるバインダ樹脂としては、例えば、ジョンソンポリマー(株)製のジョンクリル682(重量平均分子量Mw:1,700)等が挙げられる。
【0066】
バインダ樹脂の含有割合は、インクジェットインクの総量に対して0.1〜3.0重量%であるのが好ましく、0.5〜2.0重量%であるのがさらに好ましい。含有割合がこの範囲未満では、印刷に、実用上問題のないレベルの耐水性、耐擦過性を付与できなかったり、鮮明に印刷できなかったりするおそれがある。またこの範囲を超える場合には、印刷がかすれたり、ノズルの目詰まりを生じたりするおそれがある。
【0067】
〈塩基性物質〉
塩基性物質は、インクジェットインクをアルカリ性にして、前記のようにバインダ樹脂を溶解させるとともに、ヘッドの腐食を防止し、かつ顔料の分散安定性を維持するために用いる。かかる塩基性物質としては、前記のようにアンモニア、有機アミン、苛性アルカリ等が好ましい。
【0068】
このうち有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチルモノエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、モノ−1−プロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールおよびこれらの誘導体等の1種または2種以上が挙げられる。
【0069】
塩基性物質の添加量は、バインダ樹脂の遊離脂肪酸含有量を示す酸価や、あるいはインクジェットインクの、塩基性物質を添加しない状態でのpHなどに応じて適宜、調整できるが、一般的には、バインダ樹脂1重量部あたり0.05〜2重量部であるのが好ましく0.075〜1.5重量部であるのがさらに好ましい。添加量がこの範囲未満では、バインダ樹脂を十分に溶解できないため、均一なインクジェットインクを得られないおそれがある。またこの範囲を超える場合には、インクのpHが高くなりすぎて、安全性に問題を生じたり、インクジェットプリンタのヘッドを腐食させたりするおそれがある。
【0070】
〈その他の添加剤〉
この発明のインクジェット用インク組成物には、上記各成分に加えて、インク用として従来公知の種々の添加剤を添加してもよい。添加剤としては、例えば、顔料分散剤、防かび剤、殺生剤などが挙げられる。
【0071】
製造されたインク組成物は、前述したサーマルジェット方式やピエゾ方式などの、いわゆるオンデマンド型のインクジェットプリンタに使用できる他、インクを循環させながらインクの液滴を形成して印刷を行う、いわゆるコンティニュアス型のインクジェットプリンタにも使用することができる。
【0072】
《印刷方法》
本発明の印刷方法は、疎水性媒体上に、上記本発明のインクジェットインクを用いて、インクジェット印刷法によって印刷する工程と、印刷後の疎水性媒体を加熱する工程とを含むことを特徴とするものである。
【0073】
印刷工程においては、上記のようにサーマルジェット方式やピエゾ方式などの、いわゆるオンデマンド型のインクジェットプリンタや、コンティニュアス型のインクジェットプリンタ等を使用して、通常どおりの条件で印刷すればよい。加熱工程においては、例えば、上記インクジェットプリンタの、被印刷物の出口に連続させてヒータを配置する等して、所定の温度で所定時間、加熱できるようにすればよい。加熱温度や加熱時間等の条件は、特に、限定されないが、加熱時間は10秒以下、好ましくは1〜5秒程度に設定するのが、印刷に要する時間を長引かせないために有効である。
【実施例】
【0074】
以下に本発明を、実施例に基づいて説明する。
《実施例1》
〈インクジェットインクの製造〉
顔料としては、カーボンブラック分散液〔キャボット社製のCABOJET300、カルボキシル基改質、水分散液、固形分15重量%〕を用い、非プロトン性極性溶媒としては、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン〔分子量:114.2、沸点:225.5℃〕を用いた。界面活性剤としては、前記式(1)で表されるシリコーン系界面活性剤としての、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製のSILWET L−77と、前記式(2)で表されるシリコーン系界面活性剤としての、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製のSILWET L−720とを用いた。
【0075】
有機酸のエチレンオキシド付加物としては、前記式(4)中のpが6で、かつM1〜M3がいずれもナトリウムである、クエン酸ナトリウムのエチレンオキシド付加物を用いた。バインダ樹脂としては、アルカリ可溶性のアクリル樹脂〔アビシア(株)製のネオクリルB−817、重量平均分子量Mw:23,000〕を用い、これを、インクジェットインク中に溶解させるための塩基性物質としては、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールを用いた。ポリオキシエチレンフェニルエーテルとしては、前記式(5-1)で表される化合物を用い、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルとしては、前記式(6-1)で表される化合物を用いた。さらに、アセチレングリコール類としては、エアープロダクツ社製のサーフィノール420〔式(7)中のs、tの数が異なる複数成分の混合物からなり、s+tの平均値が1.3〕を用い、殺生剤としては、ゼネカ社製のプロキセルXL−2を用いた。
【0076】
上記の各成分を、イオン交換水と共に、下記の割合で配合し、かく拌して混合した後、5μmのメンブランフィルタを用いてろ過してインクジェットインクを製造した。2種のシリコーン系界面活性剤S1、S2の配合割合(重量比)は、S1/S2=5/5、非プロトン性極性溶媒Pとシリコーン系界面活性剤S1、S2との配合割合(重量比)は、P/(S1+S2)=48.5/1であった。
(成 分) (重量部)
カーボンブラック分散液 15
1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン 48.5
SILWET L−77 0.5
SILWET L−720 0.5
バインダ樹脂 1
2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール 0.1
クエン酸ナトリウムのエチレンオキシド付加物 0.5
C6H5O(CH2CH2O)6H 0.5
C8H17C6H4O(CH2CH2O)25H 0.5
エタノール 2
アセチレングリコール類 1
殺菌剤 0.2
イオン交換水 29.7
【0077】
《実施例2〜5》
前記式(1)で表されるシリコーン系界面活性剤S1としての、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製のSILWET L−77と、前記式(2)で表されるシリコーン系界面活性剤S2としての、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製のSILWET L−720との配合割合(重量比)を、S1/S2=4/6(実施例2)、S1/S2=6/4(実施例3)、S1/S2=3/7(実施例4)、S1/S2=7/3(実施例5)とし、かつ、両シリコーン系界面活性剤S1、S2の合計の配合量を1重量部とすると共に、非プロトン性極性溶媒Pとシリコーン系界面活性剤S1、S2との配合割合(重量比)を、P/(S1+S2)=48.5/1としたこと以外は、実施例1と同様にして、インクジェットインクを製造した。
【0078】
上記各実施例で製造したインクジェットインクについて、下記の各試験を行って、その特性を評価した。
【0079】
《吐出安定性試験》
実施例のインクジェットインクを、サーマルジェット方式のインクジェットプリンタ〔ヒューレットパッカード(株)製のDesk Jet 970Cxi〕用の、空の、黒色のインクカートリッジ〔ヒューレットパッカード(株)製の品番51645A〕に充てんして、市販の光沢紙に、線幅0.5ポイントの線を印刷した。そして印刷を観察して、下記の基準で、インクジェットインクの吐出の安定性を評価した。
【0080】
◎:印刷開始時にかすれが全く見られない上、線が途中で途切れることなく印刷できた。吐出安定性は極めて良好と評価した。
○:印刷開始時にかすれ気味であったが、その後は線が途中で途切れることなく印刷できた。吐出安定性は実用レベルに達していると評価した。
×:線が途中で途切れてしまった。吐出安定性は不良と評価した。
【0081】
《乾燥性試験》
実施例のインクジェットインクを、上記と同じサーマルジェット方式のインクジェットプリンタ〔ヒューレットパッカード(株)製のDesk Jet 970Cxi〕に使用して、オフセットコート媒体(上記インクカートリッジの包装材料)上に印刷し、次いでオーブントースターを用いて出力500Wで2秒間、加熱した後、印刷を、綿棒を用いて、20gの荷重をかけながらこすった。そして印刷を観察して、下記の基準で、インクジェットインクの乾燥性を評価した。なお、BYK−Gardner社製のmicro−TRI−grossを用いて、上記オフセットコート媒体の60°光沢度を測定したところ、46.5°であった。
【0082】
◎:全く滲みは見られなかった。乾燥性は極めて良好と評価した。
○:若干の滲みが見られたが、乾燥性は実用レベルに達していると評価した。
×:滲みが大きく、乾燥性は不良と評価した。
【0083】
《pH測定》
実施例のインクジェットインクのpHを、東亜電波工業(株)製のHM−40Vを使用して測定した。
【0084】
《印刷鮮明性試験》
実施例のインクジェットインクを、前記と同じサーマルジェット方式のインクジェットプリンタ〔ヒューレットパッカード(株)製のDesk Jet 970Cxi〕に使用して、BYK−Gardner社製のmicro−TRI−grossを用いて測定した60°光沢度が85.8°であるグロス調のオフセットコート媒体と、同様にして測定した60°光沢度が17.2°であるマット調のオフセットコート媒体上に、それぞれ、10ポイントのアルファベットを印刷し、次いでオーブントースターを用いて出力500Wで2秒間、加熱した後、印刷を観察して、下記の基準で、インクジェットインクの印刷鮮明性を評価した。
【0085】
◎:エッジがシャープに出ている。印刷鮮明性は極めて良好と評価した。
○:やや鮮明性にかける部分があったものの、印刷鮮明性は実用レベルに達していると評価した。
×:印刷は鮮明でなく、印刷鮮明性は不良と評価した。
以上の結果を、表1に示す。
【0086】
【表1】
【0087】
表の、実施例1〜5の結果より、界面活性剤として、式(1)で表されるシリコーン系界面活性剤と、式(2)で表されるシリコーン系界面活性剤とを併用すると、グロス調からマット調まで、広い範囲の、様々な表面状態のオフセットコート媒体に、安定して、良好な印刷を行えることが判った。また、各実施例を比較すると、上記2種のシリコーン系界面活性剤S1、S2の配合割合(重量比)は、S1/S2=6/4〜4/6である必要があることが判った。
Claims (6)
- 顔料と、水と、界面活性剤と、分子量が40〜130である非プロトン性極性溶媒とを含み、非プロトン性極性溶媒の含有割合が40〜75重量%で、かつ界面活性剤として、式(1):
で表されるシリコーン系界面活性剤S1と、式(2):
で表されるシリコーン系界面活性剤S2とが併用されると共に、両シリコーン系界面活性剤の配合割合(重量比)が、S1/S2=6/4〜4/6であることを特徴とするインクジェットインク。 - 前記非プロトン性極性溶媒Pと、2種のシリコーン系界面活性剤S1+S2との配合割合(重量比)が、P/(S1+S2)=45/1〜70/1である請求項1に記載のインクジェットインク。
- 前記非プロトン性極性溶媒の沸点が、150〜250℃である請求項1または2に記載のインクジェットインク。
- 前記非プロトン性極性溶媒が、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルプロピオンアミド、およびγ−ブチロラクトンからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1ないし3のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
- 前記顔料の表面が、カルボキシル基によって改質されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載のインクジェットインク。
- 疎水性媒体上に、請求項1ないし5のいずれか1項に記載のインクジェットインクを用いて印刷する工程と、印刷後の疎水性媒体を加熱する工程とを含むことを特徴とする印刷方法。
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