JP2007525399A - 水素貯蔵系材料の再生および水素化物と水酸化物を含む方法 - Google Patents

水素貯蔵系材料の再生および水素化物と水酸化物を含む方法 Download PDF

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Abstract

一面において、本発明は、水素化した状態と脱水素化した状態を有する水素貯蔵組成物を提供する。水素化した状態において、その組成物は水素化物と水酸化物を含む。脱水素化した状態において、その組成物は酸化物を含む。本発明はまた、水酸化物と水素化物材料の種を再生するための方法と組成物を提供する。
【選択図】図1

Description

発明の詳細な説明
発明の分野
本発明は水素貯蔵組成物、その水素貯蔵組成物の製造方法およびその使用に関する。
発明の背景
水素は、空気と清浄に反応して副生物として水を生成するために、エネルギー源として望ましいものである。燃料源としての、特に自動車用途のための水素の望ましさを向上させるために、貯蔵物の単位容積当りおよび単位質量当りの利用できるエネルギー含量を増大させるのが望ましい。現在、これは、平方インチ当り数千ポンド(例えば5000〜10000psi)の高圧下での貯蔵、液体状態への冷却、または金属水素化物などの固体中への吸収のような在来の手段によって行われている。加圧および液化は、比較的費用のかかる処理と貯蔵装置を必要とする。
金属水素化物などの固体材料中に水素を貯蔵することは、貯蔵媒体として比較的高くて圧密した水素の容積密度をもたらす。水素を固体として拘束することは望ましいことである。というのは、それは熱が加えられると脱着し、それによって水素の制御可能な供給源が与えられるからである。
水素の使用を容易にするために、再チャージ可能な水素貯蔵装置が提案されている。そのような装置は比較的単純にすることができて、また一般に、熱伝達媒体が脱着のための熱を伝えるようなシェル状で管状の熱交換器として、単純に構成される。そのような熱伝達媒体は、水素貯蔵材料を収容する空間(chamber)から離れた導管の中に供給される。従って、水素が放出されることが望まれる場合、水素の放出を容易にするために、貯蔵材料との熱伝達関係において、異なる温度の流体を導管を通して循環させることができる。特定の材料については、貯蔵媒体の再チャージ(recharging)は、空間内へ貯蔵材料を通して水素を送り込むことによって達成することができ、このとき熱伝達媒体は熱を取り出し、それによってチャージプロセスまたは水素添加プロセスが促進される。温度制御のための適当な熱伝達表面と熱伝達媒体を与えるように配置された典型的な水素貯蔵材料と貯蔵装置は、米国特許第6,015,041号に例示される。
現在、比較的軽量の水素貯蔵材料の選択は本質的にマグネシウムおよびマグネシウム系合金に限られていて、それらは重量で数パーセントの水素貯蔵容量を提供し、何らかの可逆性能を有する本質的に最も知られた在来の貯蔵材料である。しかし、そのようなマグネシウム系材料は、非常に高い温度と高い水素圧力において水素を吸収するという制限を有する。さらに、その貯蔵材料の水素化は、マグネシウムの表面酸化によって概して妨げられる。LaNi5やTiFeなどのその他の例は、非常に重いために、比較的低い水素貯蔵重量密度を有する。
従って、改善された水素貯蔵媒体が要望されているのに応えて、本発明は、改善された水素貯蔵組成物、その貯蔵媒体としての使用、およびそのような材料を形成するための方法を提供する。
発明の概要
一面において、本発明は、水素貯蔵材料から水素を放出するための方法を提供し、この方法は、水素(H2)と酸化物組成物が生成するのに十分な時間と温度で、水素貯蔵材料組成物を第二の水素貯蔵材料組成物と反応させることによって水素生成反応を行わせることを含む。第一の水素貯蔵材料は水素化物を含み、第二の水素貯蔵材料は水素以外の1以上の陽イオン種(cationic species)を有する水酸化物を含む。酸化物組成物を用いて再生反応が行われ、それによって水素化物または水酸化物の種が形成される。
別の面において、本発明は、水素ガスの供給源を生成する方法を提供し、この方法は、水素化物および水素以外の1以上の陽イオン種を有する水酸化物を含む水素化した出発材料組成物中で水素生成反応を行わせ、それによって水素ガスおよび酸化物を含む脱水素化した反応生成物を生成させることを含む。脱水素化した反応生成物を用いることによって再生反応が行われ、それによって水素化した材料が形成される。
本発明のさらに別の面において、水素貯蔵材料から水素を放出するための方法が提供され、この方法は、第一の水素貯蔵材料と第二の水素貯蔵材料の間で発熱の水素生成反応を行わせ、それによって水素および酸化物を含む副生物材料を生成させることを含み、このとき第一の水素貯蔵材料はMIxHxによって表される水素化物組成物を含み、第二の水素貯蔵材料はMIIy(OH)yによって表される水酸化物組成物を含む。MIとMIIは水素以外の陽イオン種または陽イオン種の混合を表わし、またxとyはMIとMIIそれぞれの平均の原子価状態(valence state)を表わす。酸化物組成物を用いて再生反応が行われ、それによって水素化物と水酸化物のいずれかの種が形成される。
本発明を適用できるさらなる分野は、以下に記載する詳細な説明から明らかになるであろう。その詳細な説明と特定の実施例は本発明の好ましい態様を示しているが、それらは例示の目的だけのものであって、本発明の範囲を限定することを意図してはいない、ということが理解されるべきである。
好ましい態様の詳細な説明
本発明は詳細な説明と添付する図面から、さらに十分に理解されるであろう。
好ましい態様の以下の説明は本質的に単なる例示のものであり、本発明とその適用または用途を限定することを決して意図していない。
一面において、本発明は、水素貯蔵材料系から水素を生成しそして放出する方法を提供する。一つの好ましい態様において、水素化物組成物と水素以外の1以上の陽イオン種を有する水酸化物組成物とを反応させることによる水素生成反応を行わせることによって、水素貯蔵材料から水素を放出するための方法が提供される。水素生成反応によって、水素と酸化物組成物を含む反応副生物とが生成する。本発明はさらに、酸化物組成物上で1以上の再生反応を行わせることによって出発材料の少なくとも一部が再生することを可能にし、それによって水素化物または水酸化物の種を再生することを提供する。ここにおいて「組成物」という用語は概して、少なくとも優先的な化合物を含む物質を指すが、それは不純物を含めたさらなる物質または化合物をも含んでいてもよい。「材料」という用語も概して、優先的な化合物または組成物を含む物質を指す。本発明の他の好ましい態様は水素貯蔵組成物を形成する方法に関し、それについては以下でさらに詳しく説明する。
別の面において、本発明は水素貯蔵材料を提供する。本発明の一つの好ましい態様において、水素貯蔵組成物は水素化した状態と脱水素化した状態を有し、そのとき、水素が貯蔵されてそれに続いて水素が放出されうる、二つの異なる物理的状態が提供される。水素化した状態において、組成物は水素化物と水酸化物を含む。脱水素化した状態において、組成物は酸化物を含む。
本発明の一つの好ましい態様において、水素化物は一般式MIxHxによって表され、ここでMIは水素以外の1以上の陽イオン種を表わし、またxはMIの平均の原子価状態を表わし、その平均の原子価状態は化合物の電荷の中性を維持する。
本発明の別の好ましい態様において、水酸化物は一般式MIIy(OH)yによって表され、ここでMIIは水素以外の1以上の陽イオン種を表わし、またyはMIIの平均の原子価状態を表わし、その平均の原子価状態は化合物の電荷の中性を維持する。
本発明のさらに別の好ましい態様において、水素化物組成物はMIxHxによって表され、そして水酸化物組成物はMIIy(OH)yによって表され、ここでMIとMIIはそれぞれ水素以外の1以上の陽イオン種を表わし、またxとyはMIとMIIの平均の原子価状態を表わし、それらの平均の原子価状態はそれぞれの化合物の電荷の中性を維持する。
本発明によれば、MIとMIIの各々は、1以上の水素以外の陽イオン種または陽イオン種の混合を表わす。MIとMIIは互いに独立して選択されることに留意すべきである。すなわち、本発明においては、MIとMIIは同じ陽イオン種を含むか、あるいは好ましい態様においては、MIとMIIは互いに異なる別個の陽イオン種を含むことを意図している。さらに、MIとMIIあるいは両者は、二つまたはそれ以上の別個の陽イオン種を含む複合陽イオンとなるように選択してもよい。MIとMIIあるいは両者が複合陽イオンである場合、MIとMIIは1以上の同じ陽イオン種を含んでいてもよく、あるいは互いに全く異なる陽イオン種を含んでいてもよい。水素化物はしばしば複合水素化物であるとされていて、複合水素化物が本発明においてさらに意図されている。複合水素化物は二つの陽イオン種を含むが、しかし陽イオン種のうちの一つは水素と陰イオンの基を形成し、これはさらに第二の陽イオン種と相互に作用する。この概念はMIxHxとして表される水素化物を用いて下記の式によって表すことができ、ここでMIは二つの別個の陽イオン種であるM’ およびM’’ を含み、従って MI=M’+M’’ である。従って、水素化物はM’a d(M’’bHc)-d a と表すことができ、ここで (M’’bHc) は陰イオンの基であり、d=(c−b)であり、a、b、cおよびdは化合物の電荷の釣り合いと電気的中性を維持するように選択される。本発明の全ての好ましい態様について好ましい陽イオン種は、金属の陽イオンとホウ素などの非金属の陽イオンを含む。さらに、MIIもまた、CH3などの有機陽イオンの基であって非金属の陽イオンであるように、任意に選択される。
本発明の化合物のタイプにおけるMIとMIIについての好ましい陽イオンおよび陽イオンの混合を形成する元素は、次の通りである。水素化物と水酸化物の両者について、特定の好ましい陽イオン種は、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、バリウム(Ba)、ベリリウム(Be)、カルシウム(Ca)、セシウム(Cs)、カリウム(K)、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、ナトリウム(Na)、ルビジウム(Rb)、ケイ素(Si)、ストロンチウム(Sr)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、およびこれらの混合を含む。特に、好ましい元素は、アルミニウム(Al)、ホウ素(B)、ベリリウム(Be)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、ナトリウム(Na)、ストロンチウム(Sr)、チタン(Ti)、およびこれらの混合を含む。最も好ましい陽イオン種はLiとNaである。上記の公知の種の査定によれば、類推によって、上に挙げたものの他に、予測の熱力学に基づいて、まだ証明されてはいないが、下記の追加の陽イオン種を用いることができると考えられる。すなわち、ヒ素(As)、カドミウム(Cd)、セリウム(Ce)、ユーロピウム(Eu)、鉄(Fe)、ガリウム(Ga)、ガドリニウム(Gd)、ゲルマニウム(Ge)、ハフニウム(Hf)、水銀(Hg)、インジウム(In)、ランタン(La)、マンガン(Mn)、ネオジム(Nd)、ニッケル(Ni)、鉛(Pd)、プラセオジム(Pr)、アンチモン(Sb)、スカンジウム(Sc)、セレン(Se)、サマリウム(Sm)、スズ(Sn)、トリウム(Th)、タリウム(Tl)、タングステン(W)、イットリウム(Y)、イッテルビウム(Yb)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)である。MIIについて、他の実施可能な陽イオン種としては低分子量の有機基があり、例えばメチル基(CH3)、エチル基(C2H5)、およびプロピル基(C3H7)である。
上のことから、陽イオン種MIまたはMIIには一般に、アルミニウム(Al)、ヒ素(As)、ホウ素(B)、バリウム(Ba)、ベリリウム(Be)、カルシウム(Ca)、カドミウム(Cd)、セリウム(Ce)、セシウム(Cs)、銅(Cu)、ユーロピウム(Eu)、鉄(Fe)、ガリウム(Ga)、ガドリニウム(Gd)、ゲルマニウム(Ge)、ハフニウム(Hf)、水銀(Hg)、インジウム(In)、カリウム(K)、ランタン(La)、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、ナトリウム(Na)、ネオジム(Nd)、ニッケル(Ni)、鉛(Pd)、プラセオジム(Pr)、ルビジウム(Rb)、アンチモン(Sb)、スカンジウム(Sc)、セレン(Se)、ケイ素(Si)、サマリウム(Sm)、スズ(Sn)、ストロンチウム(Sr)、トリウム(Th)、チタン(Ti)、タリウム(Tl)、タングステン(W)、イットリウム(Y)、イッテルビウム(Yb)、亜鉛(Zn)、およびジルコニウム(Zr)がある。さらに、MIIは、メチル基(CH3)、エチル基(C2H5)、およびプロピル基(C3H7)などの有機陽イオン種を含んでもよい。
本発明の好ましい態様において、固体の状態の水素化物組成物(すなわち粒状のもの)が水酸化物組成物(すなわち粒状のもの)と固体状態の反応によって反応し、それによってガス状の水素を生成して放出し、また酸化物を含む固体の状態の副生物化合物を生成する。水素化物組成物がMIxHxとして選択され、水酸化物組成物がMIIy(OH)yとして選択されるとき、水素生成反応は下記の反応機構によって進行する:
yMIxHx+xMIIy(OH)y → xyH2+(xy/2)MI(2/x)O+(xy/2)MII(2/y)O
ここで、先に説明したように、xはMIの平均の原子価状態であり、yはMIIの平均の原子価状態であり、それら平均の原子価状態はそれぞれの化合物の電荷の中性を維持する。従って、水素貯蔵組成物の水素化した状態は、水素化した水素化物と水素化した水酸化物に相当し、そして脱水素化した水素貯蔵組成物は、酸化物を含む1以上の副生物化合物に相当する。MIとMIIがMによって表すことのできる同じ陽イオン種である場合、上記の反応機構は次のように単純化することができることに留意されたい:
MzHz+Mz(OH)z → zH2+zM(2/z)O
ここで、zはMの平均の原子価状態を表わし、その平均の原子価状態は化合物の電荷の中性を維持する。
本発明によれば、少なくとも一つの副生物組成物は、水酸化物と水素化物の1以上の陽イオン種(すなわちMI、MII、または両者)を有する酸化物を含むことが好ましい。陽イオン種の独立した選択は、反応の化学量論と形成される副生物化合物のタイプを変化させうる。酸化物の副生物化合物MI2/xOとMII2/yO(あるいはMIとMIIが同じ陽イオンMである場合はM2/zO)は、別個の副生物化合物を形成するか、および/または、それらに分解するのに熱力学的に有利であるかもしれない、ということに留意されたい。さらに、特定の反応物質およびその反応物質の化学量論を用いると、そのような酸化物の副生物化合物は、例えばより高次の複合水素化物をも含むかもしれないが、これについては後にもっと詳しく説明する。これらのさらなる副生物は一次副生物と概ね同じ成分から形成されるが、しかし、含まれる陽イオン種に応じて、それらは異なる原子価状態、原子比率、あるいは化学量論を有していて、このことは当業者の間で認められている。
本発明の特定の好ましい態様において、水素貯蔵組成物は、水素化リチウム(LiH)、水素化ナトリウム(NaH)、水素化カリウム(KH)、水素化ベリリウム(BeH2)、水素化マグネシウム(MgH2)、水素化カルシウム(CaH2)、水素化ストロンチウム(SrH2)、水素化チタン(TiH2)、水素化アルミニウム(AlH3)、水素化ホウ素(BH3)、およびこれらの混合からなる群から選択される水素化物を含む。特に好ましい水素化物組成物はLiHまたはNaHを含む。
本発明の別の好ましい態様において、水素貯蔵組成物は、ホウ水素化リチウム(LiBH4)、ホウ水素化ナトリウム(NaBH4)、ホウ水素化マグネシウム(Mg(BH4)2)、ホウ水素化カルシウム(Ca(BH4)2)、リチウムアラナート(LiAlH4)、ナトリウムアラナート(NaAlH4)、マグネシウムアラナート(Mg(AlH4)2)、カルシウムアラナート(Ca(AlH4)2)、およびこれらの混合からなる群から選択される複合水素化物である水素化物を含む。特に好ましい複合水素化物は、ホウ水素化リチウム(LiBH4)、ホウ水素化ナトリウム(NaBH4)、リチウムアラナート(LiAlH4)、およびナトリウムアラナート(NaAlH4)を含む。
さらに、本発明の他の好ましい態様は、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ベリリウム(Be(OH)2)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、水酸化ストロンチウム(Sr(OH)2)、水酸化チタン(Ti(OH)2)、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、水酸化ホウ素(B(OH)3)(これはホウ酸としても知られていて、より慣例的には(H3BO3)として表される)、およびこれらの混合からなる群から選択される水酸化物組成物を含む。特に好ましい水酸化物化合物はLiOHおよびNaOHを含む。
従って、本発明の一つの好ましい態様によれば、水素生成反応は、LiHを含む水素化物をLiOHを含む水酸化物と反応させることによって行われる。その反応は下記の反応機構に従って進行する:
LiH+LiOH → Li2O+H2
この反応は、材料を基準として理論上6.25重量%の水素を生成する。
本発明の別の好ましい態様において、水素生成反応は、NaHを含む水素化物をLiOHを含む水酸化物と反応させることによって生じる。この反応についての反応機構は下記のように表すことができる:
NaH+LiOH → 1/2Li2O+1/2Na2O+H2
この反応は、材料を基準として理論上4.1重量%の水素を生成する。副生物化合物は一般的にLi2OおよびNa2Oとして表されるが、しかし反応が起こる条件によっては混合した金属酸化物または部分的に混合した金属酸化物が形成されるかもしれず、このことは熱力学的に好ましいかもしれない、ということに留意されたい。従って、例えば、副生物組成物は、副生物として形成される混合した陽イオン酸化物(MIxMIIy 2/x+yO)を含む酸化物組成物を含むかもしれず、ここで、xとyはそれぞれMIとMIIの平均の原子価状態であり、それらの平均の原子価状態は化合物の電荷の中性を維持する。このような場合、上記の反応は副生物化合物としてLiNaOを形成するかもしれない。混合した陽イオン酸化物の副生物化合物は、反応の熱力学に応じて、完全な酸化物生成物であるかもしれず、あるいは単一陽イオンの酸化物との混合であって複数の別個の酸化物の副生物化合物になるかもしれない。
本発明の特定の好ましい態様において、水素化物と水酸化物から水素を生成するための反応機構は可逆的である。「可逆的(reversible)」ということは、出発材料である水酸化物または水素化物の種は、経済的および工業的に有用かつ実施可能であるような温度と圧力の条件において再生される、ということを意味する。特に、好ましい「可逆的」反応は、1以上の副生物化合物が水素に触れることによって、出発材料である水酸化物または水素化物の種が再生するような反応を含む。同様に、「非可逆的反応(non-reversible reaction)」とは一般に、反応機構の経路によって不可逆的である反応と、出発材料である水素化物または水酸化物の種が水素と触れることによる再生が、過度の温度や過度の圧力または扱いにくい生成物の取り出しなど、広範囲で実際的な使用を妨げるような実施不可能な処理条件において実施されるような反応の両者に適用される。本発明に従う吸熱を伴う水素形成反応は一般に、望ましい温度と圧力の条件において可逆的である。
本発明の一面は、水素を貯蔵しそれに続いて放出する系についての総体的なエネルギー要件の低減である。水素貯蔵材料系に関連する総体的なエンタルピーの変化を最少にすることは、結果的に燃料電池系の総体的な効率の改善をもたらす。総体的なエンタルピー変化が増大すると、熱伝達系を管理するための要件(加熱と冷却の操作のための要件)も増大する。特に、燃料電池を含む可動ユニット(例えば車両や電子デバイス)における加熱系と冷却系を最小にすることは非常に有利である。というのは、追加の系は寄生的なエネルギーを引き起こし、そして可動ユニットの総体的な重量を増大させ、それによって重量効率を低下させるからである。
水素貯蔵系における総体的なエンタルピーの変化を最少にすることの他の利点は、起動時およびその他の短期的な条件(例えば低負荷条件)の間にしばしば現実化する。というのは、そのようなときには、他の重要な系の運転からのエネルギーの転換が少ないからである。従って、本発明の一面は、水素貯蔵材料の生成と再生の両者に必要な総体的なエネルギーを最少にすることである。本発明の好ましい態様において、水素の生成と再チャージのために必要なエネルギーは比較的少なく、そして先行技術の水素貯蔵系のエネルギー要件と比較して非常に改善されている。
先に説明したように、本発明の一つの好ましい態様は、水素貯蔵組成物を含み、それにおいて水素化物は水素化リチウムLiHであり、水酸化物は水酸化リチウムLiOHであり、これらは互いに反応してLi2OとH2を形成する。この水素生成反応についての反応エンタルピー(ΔHr)は、それぞれの化合物について標準生成熱(ΔHf)に基づいて計算された結果、理論上のΔHrは−23.3kJ/mol-H2となった。このΔHrは発熱反応を示し、比較的低いエンタルピーである(従って低レベルの熱生成である)。燃料電池系に放出される熱の量は、最少にすることが望ましい。というのは、より大きなエンタルピーはより多くの量の放射熱を生じさせ、これは、特に高温にさらされると特定の部品(例えば、制御回路や膜交換集成部品(MEA))が劣化する可能性のある燃料電池系における環境のような、周囲の環境へのダメージを防ぐために冷却システムによって制御しなければならないからである。反応のエンタルピーが増大すると、熱伝達系のサイズと複雑さは非常に大きくなる。さらに、反応熱が大きくなると制御しにくくなる可能性があり、また反応が完了する前に停止することがしばしば不可能になる。従って、本態様は、水素生成反応のために反応の比較的低い発熱を提供する。発熱の水素生成反応は、水素を発生させるための燃料電池系からの外部エネルギーの持続した投入を必要としない、という利点を有する(ただし、反応を開始させるのに必要な全ての活性化エネルギーは別として。これについては後にもっと詳しく説明する)。水素発生反応によって放出される熱は、熱伝達系によって散逸されるのが好ましい。というのは、反応の間に貯蔵材料を一定の温度に維持するのが好ましいからである。しかし、本態様は広範な冷却システムを必要とせず、そしてさらに、反応が進行するときにその反応に対する良好な制御を提供する。
本発明に従う他の好ましい態様は、発熱の水素生成反応を有し、そして水素化物組成物MIxHxと水酸化物組成物MIIy(OH)yの間の反応を含み、ここでMIとMIIはAl、B、Be、Ca、Mg、Sr、およびTiからなる群から選択される同じ陽イオン種であるように選択される。これらの反応は前の態様よりも高い反応エンタルピーΔHrを有し、例えば次の反応を含む。水素化物がMgH2であるように選択され、そして水酸化物がMg(OH)2であるように選択される場合、反応は次のように表すことができる:
MgH2+Mg(OH)2 → MgO+2H2
これは、−101.3kJ/mol-H2のΔHrおよび4.7wt.%の理論上の水素生成量を有する。水素化物がAlH3であるように選択され、そして水酸化物がAl(OH)3であるように選択される場合、反応は次のように表すことができる:
AlH3+Al(OH)3 → Al2O3+3H2
これは、−129.3kJ/mol-H2のΔHrおよび5.5wt.%の理論上の水素生成量を有する。水素化物がCaH2であるように選択され、そして水酸化物がCa(OH)2であるように選択される場合、反応は次のように表すことができる:
CaH2+Ca(OH)2 → CaO+2H2
これは、−53.7kJ/mol-H2のΔHrおよび3.4wt.%の理論上の水素生成量を有する。水素化物がSrH2であるように選択され、そして水酸化物がSr(OH)2であるように選択される場合、反応は次のように表すことができる:
SrH2+Sr(OH)2 → SrO+2H2
これは、−17.7kJ/mol-H2のΔHrおよび1.9wt.%の理論上の水素生成量を有する。水素化物がBH3であるように選択され、そして水酸化物がB(OH)3であるように選択される場合、反応は次のように表すことができる:
BH3+B(OH)3 → B2O3+3H2
これは、−94.9kJ/mol-H2のΔHrおよび7.9wt.%の理論上の水素生成量を有する。水素化物がBeH2であるように選択され、そして水酸化物がBe(OH)2であるように選択される場合、反応は次のように表すことができる:
BeH2+Be(OH)2 → BeO+2H2
これは、−147.4kJ/mol-H2のΔHrおよび7.4wt.%の理論上の水素生成量を有する。
本発明に従うさらなる発熱の水素生成反応は、水素化リチウム(LiH)を水酸化ホウ素(B(OH)3)(これは、より一般的にはホウ酸として知られていて、H3BO3として表される)と反応させることを含み、これは特定の圧力、温度、およびその他の反応条件下で下記の反応機構によって進行する:
3LiH+H3BO3 → LiBO2+Li2O+3H2
これは、−84.2kJ/mol-H2のΔHrおよび6.9wt.%の理論上の水素生成量を有する。異なる圧力、温度、およびその他の反応条件下で、これらの同じ反応物質は下記の反応機構に従って進行することがあり、このとき酸化物生成物は上記の二つの酸化物生成物(すなわちLiBO2とLi2O)とは異なり、そして単一の複合した、より高次の酸化物生成物(Li3BO3)を形成する:
3LiH+H3BO3 → Li3BO3+3H2
これは同様に、−84.2kJ/mol-H2のΔHrおよび6.9wt.%の理論上の水素生成量を有する。
本発明のさらに好ましい別の態様は、水素化物組成物がMIxHxであって水酸化物がMIIy(OH)yの場合であり、このとき水素化物は複合水素化物M’a d(M’’bHc)-d であり、M’ がリチウムであるように選択され、そしてM” がホウ素であるように選択される場合、反応は発熱性であり、下記の反応を含む。第一の水素生成反応は次のように生じる:
LiBH4+4LiOH → LiBO2+2Li2O+4H2
このとき、理論上6.8重量%の水素が生成し、そしてこの反応は−22kJ/mol-H2のΔHrを有する。複合水素化物を伴う第二の水素生成反応は、M’ がナトリウムであってM” がホウ素である場合であって、次の反応を含む:
NaBH4+2Mg(OH)2 → NaBO2+2MgO+4H2
これは、理論上5.2重量%の水素および−34kJ/mol-H2のΔHrを生成する。
先に説明した本発明の別の好ましい態様は、水素化物が水素化ナトリウム(NaH)で水酸化物が水酸化リチウム(LiOH)である場合である。計算された反応熱(ΔHr)は、+9.7kJ/mol-H2であり、これは吸熱反応であることを示し、比較的小さい。従って、この水素貯蔵材料系を用いて水素を生成するのには、水素生成反応の全体を通してほんのわずかな加熱を要するであろう。しかし、発生する熱の全体的な量は比較的少ないので、この態様は特定の用途については好ましい。水素生成反応の吸熱性は、発熱の再チャージ反応を許容する。
特定の用途においては、この水素貯蔵材料組成物は、比較的低い温度と圧力の条件において再生反応が概ね可逆的であるために、好ましいかもしれない。例えば、酸化物を含む副生物材料についての予測された平衡圧力は50℃において約1バールであり、従ってこの平衡圧力よりも高く加圧された水素にさらされると、この材料は水素を吸収してこれと反応し、水素化物と水酸化物の種:NaHとLiOH(そして好ましくは両者)を再生するだろう。副生物組成物が混合した陽イオンの酸化物(LiNaO)を含む状況において、再生された水素化物と水酸化物の種はまた、出発材料組成物とは異なる水素化物と水酸化物の種(例えばNaOH、LiH)、または混合した陽イオンの水素化物と水酸化物(例えばLiNa(OH)2)をも含むかもしれない、ということに留意されたい。当業者によって認められているように、ある材料が再チャージされて水酸化物と水素化物の種を含む別の出発材料を形成するとき、水素生成反応の熱力学が変化することがあり、そのために反応熱も同様に変化することがある。比較的低い温度と圧力において水素貯蔵材料が水素で再チャージされる可能性は、本態様および同様の性質を伴う態様を、離れた施設でさらに処理して反応を行わせる必要性を省いて使用時点で(例えば内蔵した形で)水素貯蔵材料を再生することができるような、可動ユニットのために望ましいものにする。
本発明に従う他の好ましい態様は、水素発生反応が吸熱性であって、MIとMIIがそれぞれナトリウムであるように選択されて、水素生成反応が次の反応機構に従って進行する態様を含む場合である:
NaH+NaOH → Na2O+H2
これは理論上3.1重量%の水素生成量を有する。理論上の反応エンタルピーΔHrは+67.4kJ/mol-H2である。本態様も同様に可動ユニットのための内蔵型の再生のために有用であり、475℃において1バールの予測の平衡圧力を有する。別の好ましい態様は、MIとMIIがカリウムであるように選択されて、次の反応機構に従って進行する場合である:
KH+KOH → K2O+H2
このとき理論上の水素生成量は2.1重量%である。水酸化カリウムと水素化カリウムの水素生成反応についての理論上の反応エンタルピーΔHrは+119.7kJ/mol-H2である。
本発明のさらに好ましい別の態様は、水素生成反応が発熱性である場合、水素化物組成物はMIxHxであって水酸化物はMIIy(OH)yであり、水素化物が複合水素化物(すなわち
M’a d(M’’bHc)-d 、例えばNaBH4で、このときM’ はNaであり、M” はB)であるように選択されて、反応が吸熱性である場合、下記の典型的な反応を含む:
NaBH4+4NaOH → NaBO2+2Na2O+4H2
このとき、理論上4.0重量%および+21kJ/mol-H2を生成する。
本発明の別の好ましい態様は、出発材料の反応物質である水素化物と水酸化物の化学量論が変化して、より高次の複合酸化物生成物が生成する場合を含む。すなわち、例えば、複合水素化物(例えば、ホウ水素化リチウム(LiBH4))が水酸化物(例えば、水酸化ホウ素B(OH)3(すなわち、ホウ酸(H3BO3))と反応して、下記の反応機構に従って、より高次の複合酸化物化合物が形成する:
3LiBH4+4H3BO3 → Li3B7O12+12H2
これは、複合した高次の酸化物化合物Li3B7O12および理論上7.6wt.%の水素を生成する。
さらに別の好ましい態様は、MIIがメチル基、エチル基、およびプロピル基などの比較的低分子量の有機基である場合の水酸化物を含む。そのような水素生成反応の一例は、水素化物組成物が水素化リチウム(LiH)であるように選択され、そして水酸化物組成物がメタノール(CH3OH)であるように選択されて、下記のアルコーリシス機構に従って反応が進行する場合である:
LiH+CH3OH → LiOCH3+H2
当業者であれば認めるはずであるが、水素化物と水酸化物の組み合わせのあらゆる数の変形が本発明によって考えられ、またMIとMIIの選択のあらゆる数の組み合わせが含まれるであろう。さらに、水酸化物組成物または水素化物組成物は、水酸化物化合物または水素化物化合物の混合物を含んでいてもよい。例えば、水酸化物組成物は、水素化物組成物と反応させるための互いに混合した複数の異なる水酸化物化合物(例えばLiOH、NaOH)を含んでいてもよい。すなわち、上で開示した態様は、本発明の全体の水素貯蔵材料組成物において有用な広範囲の種の単なる例示である。
本発明の別の好ましい態様は、水素化物と反応する水和水酸化物を含む水酸化物組成物を提供する。多くの水酸化物化合物は、それらのハイドロスコープ的な特質(hydroscopic nature)のために水和化合物を容易に形成する。水和水酸化物化合物は水酸化物化合物の少なくとも一部を含む(すなわち、出発材料である水酸化物は非水和水酸化物と水和水酸化物の混合物である)か、あるいは別の態様においては、水和水酸化物は全てが水酸化物組成物の出発材料を含むのが好ましい。水和水酸化物は、水素の含量が増大すると、水素貯蔵材料の中に貯蔵された水素の密度を増大させるが、しかし同様に、その材料の重量も増大し、またおそらくは、放出される熱も増大する。水和水酸化物化合物から放出される熱は、特定の吸熱反応系を相殺するのに有益であるかもしれず、それによって全体のエンタルピーと反応熱は低減されるだろう。
いかなる特定の理論によっても拘束されることを望まないが、水酸化物に付着した水和水は、最初の発熱性の開始反応において水素化物の一部と反応し、これにより熱と水酸化物が生成する、と理論づけられる。水素化物の残りの部分(このときこれは脱水されている)は、水素生成反応において水酸化物と反応するのに利用される。すなわち、出発材料の組成物は水素化物MIxHxと水和水酸化物MIIy(OH)y・wH2Oを含み、ここでyは水酸化物化合物の電荷の中性を維持するためのMIIの平均の原子価状態を表わし、そしてwは水の理論量(stoichiometric amount)を表わす。水素化物の第一の部分は水和水と反応して、それによって、それを囲む出発材料に熱を与え、そして水酸化物生成物を形成する。水素化物の残りの部分は、最初の反応から新たに形成された生成物と出発材料において与えられた最初の水酸化物とを含んでいる水酸化物と反応する。従って、水酸化物が脱水される態様と比較して、水酸化物が水和する態様においては、反応熱はもっと発熱性である。
その反応は下記のように進行する:
(y+2w)MIxHx+xMIIy(OH)y・wH2O→[x(y+2w)/2]M2/xO+(xy/2)MII2/yO+[x(y+2w)/2]H2
ここで、前に説明したように、xはMIの平均の原子価状態であり、yはMIIの平均の原子価状態であり、平均の原子価状態は化合物の電荷の中性を維持し、そしてwは水和水酸化物化合物中に存在する水の理論量である。
本態様についての好ましい水素化物組成物は、前の態様で先に説明したものと同じである。特に好ましい水素化物化合物は、LiH、LiBH4、NaBH4、MgH2、NaH、およびこれらの混合を含む。好ましい水和水酸化物化合物は、主として、上の非水和水酸化物の態様で説明したものと同じ陽イオン種を含み、それには、アルミニウム(Al)、ヒ素(As)、ホウ素(B)、バリウム(Ba)、ベリリウム(Be)、カルシウム(Ca)、カドミウム(Cd)、セリウム(Ce)、セシウム(Cs)、銅(Cu)、ユーロピウム(Eu)、鉄(Fe)、ガリウム(Ga)、ガドリニウム(Gd)、ゲルマニウム(Ge)、ハフニウム(Hf)、水銀(Hg)、インジウム(In)、カリウム(K)、ランタン(La)、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、ナトリウム(Na)、ネオジム(Nd)、ニッケル(Ni)、鉛(Pd)、プラセオジム(Pr)、ルビジウム(Rb)、アンチモン(Sb)、スカンジウム(Sc)、セレン(Se)、ケイ素(Si)、サマリウム(Sm)、スズ(Sn)、ストロンチウム(Sr)、トリウム(Th)、チタン(Ti)、タリウム(Tl)、タングステン(W)、イットリウム(Y)、イッテルビウム(Yb)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、およびこれらの混合がある。
本発明に従う好ましい水和水酸化物化合物としては、例を挙げれば、Ba(OH)2・3H2O、Ba(OH)2・H2O、KOH・H2O、NaOH・H2Oがある。特に好ましい水和水酸化物化合物としてはLiOH・H2OおよびNaOH・H2Oがある。水和水酸化物はまた、複合の陽イオン種を含む複合陽イオン水和水酸化物化合物を形成するかもしれず、例えばMIIは二つの陽イオン種を含む。そのような複合陽イオン水和水酸化物化合物の例としてはLiAl2(OH)7・2H2OおよびMg6Al2(OH)18・4H2Oがある。水和化合物中の水の量は、水酸化物化合物およびその水和に対する性質に依存して、一つよりも多い水の分子を含むかもしれない(すなわち水の数量比率(stoichiometric ratio)wは変化するかもしれない)、ということに留意されたい。本発明ではさらに、水和水酸化物化合物の混合物も意図されている(前に説明した、水和水酸化物化合物と非水和水酸化物化合物の混合物を有する別の態様も同様である)。
本態様に従う特定の好ましい反応は、水和水酸化物化合物が水素化物化合物と反応する場合の反応を含む。下記の非限定的な例は、水素化物組成物がMIxHxで水和水酸化物がMIIy(OH)y・zH2Oによって表され、そしてMIIがリチウムであるように選択される場合である:
3LiH+LiOH・H2O → 2Li2O+3H2
これは理論上9.0重量%および−45.2kJ/mol-H2のΔHrを生成する。本態様に従う別の反応は次の場合である:
3MgH2+2LiOH・H2O → 3MgO+Li2O+6H2
これは理論上7.4重量%および−99kJ/mol-H2のΔHrを生成する。水和水酸化物を伴うさらに別の反応は次の通りである:
6NaH+2LiOH・H2O → 3Na2O+Li2O+6H2
これは理論上5.3重量%および+11kJ/mol-H2のΔHrを生成する。さらに別の反応は:
3LiBH4+4LiOH・H2O → 3LiBO2+2Li2O+12H2
これは理論上10.2重量%および−43.5kJ/mol-H2の発熱のΔHrを生成する。
同様の例の反応は、ナトリウムであるように選択されたMIIを水和水酸化物が含む場合であって、次のように進行する:
6LiH+2NaOH・H2O → 3Li2O+Na2O+6H2
これは理論上7.3重量%および−34.2kJ/mol-H2の発熱のΔHrを生成する。吸熱性である同様の反応は次の通りである:
3NaH+NaOH・H2O → 2Na2O+3H2
これは理論上4.6重量%および+22.0kJ/mol-H2のΔHrを生成する。別の好ましい発熱反応は次の通りである:
3NaBH4+4NaOH・H2O → 3NaBO2+2Na2O+12H2
これは理論上6.9重量%および−21.4kJ/mol-H2の発熱のΔHrを生成する。
本発明の別の好ましい態様は、水和水酸化物出発材料と非水和水酸化物出発材料を含む出発材料水酸化物の混合物であって、水素化物と反応して水素と「複合酸化物」を生成するものを意図している。「複合酸化物」とは、前の態様の単純な酸化物と比較して、陽イオン種に対する酸素の原子比率がより高次のものを意味し、このことは当業者によって認められている。そのような反応系は、水素化物に水酸化物を加えた次の反応(第一の水素発生反応):
yMIxHx+xMIIy(OH)y → xyH2+(xy/2)MI(2/x)O+(xy/2)MII(2/y)O
および、水素化物に水和水酸化物を加えた次の反応(第二の水素発生反応):
(y+2w)MIxHx+xMIIy(OH)y・wH2O→[x(y+2w)/2]M2/xO+(xy/2)MII2/yO+[x(y+2w)/2]H2
からなる包括的な反応の両者を含む。ここで、水素化物、水酸化物、および水和水酸化物を含む出発反応物質の材料組成物は、第一および第二の水素発生の両者を同時に行うために、いかなる数の割合で化合させてもよい。反応のこのような組み合わせを用いることにより、放出熱の量は、加えられる反応物質の量と、第一および第二の水素生成反応の両者についての対応する反応熱を考慮することによって、設計することができる。一般に、水和水酸化物が水素化物と反応する第二の水素発生反応は、非水和水酸化物が水素化物と反応する第一の水素発生反応よりも発熱性が高い。
従って、上で説明したような反応系は、目標とする全体的な反応熱を生じさせる反応を設計するのに有用な、水和水酸化物と非水和水酸化物の両者についての反応の組み合わせを含む。前に説明したように、本発明の一面は、反応系の総体的なエンタルピーを最少にすることであり、そのことは、選択された量の水和水酸化物を出発材料混合物に加えることによって、さらに制御することができる。さらに、水和水酸化物は単位配合物当り多量の水素を含有するので、出発材料中に存在する多量の水素の故に、水和水酸化物と非水和水酸化物の混合物を、より多くの水素生成を得るために設計することができる。
第一および第二の水素生成反応の両方の水素化物が同じになるように選択されて、水酸化物組成物が水和水酸化物と非水和水酸化物の両者を含んでいて、これら両者が同じ陽イオン種を有している場合、すなわち例えば、水素化物の陽イオン種がリチウムであって(LiH)、水酸化物もリチウムを含む場合(LiOH)、本発明に従えば、結合した反応系の例は、次の単純化された反応機構で表すことができる:
LiBH4+LiOH+LiOH・H2O → Li3BO3+2Li2O+4H2
これは酸化物(Li2O)と複合酸化物(Li3BO3)および理論上9.0重量%の水素を発生する。さらに別の例、すなわち反応物質が同じであるが、しかし異なる化学量論で与えられる場合、下記の反応によって異なる生成物を生成する:
2LiBH4+LiOH+2LiOH・H2O → Li4B2O5+LiH+7H2
これは複合酸化物(Li4B2O5)と単純な水素化物(LiH)および理論上9.2重量%の水素を発生する。
本発明は、水素以外の陽イオン種を有する水素化物と水酸化物の混合物を提供し、それらの各々は、触媒、高温、またはそれら両者の存在下で、他方のものから水素を放出させるのを促進することによって特徴づけられる。
本発明はまた、水素ガスの供給源を生成する方法を提供し、その方法においては、水素化物と水酸化物を含む水素化した出発材料から水素を遊離させ、このとき、水酸化物は水素以外の1以上の陽イオン種を有し、そして水素化物を水酸化物と反応させることによって、脱水素化生成物と水素ガスを生成させる。特定の好ましい態様において、水素化した出発材料組成物は、脱水素化した生成物(これは好ましくは酸化物組成物を含む)を水素ガスにさらすことによって再生することができる。遊離が進行するとき、水素ガスを燃料電池のための燃料として集めるためと、ある反応系においては反応の進行を促進させるためという両方の目的のために、水素ガスを取り出すのが好ましい。水素の放出を促進するために、出発材料組成物と接触する適当な触媒の存在下で水素ガスの遊離を行うことができる。
本発明の好ましい態様において、水素生成反応は固体状態の反応によって行なわれ、このとき出発材料は粒状である。出発材料の望ましい粒子サイズは、その水素放出性能に関係する。粗大すぎる粒子は、所定の温度における水素放出反応のための時間を長くしてしまう。後でもっと詳しく説明するが、より小さな粒子サイズは、水素化した出発材料の反応物質の間の界面の表面積を増大させることによって、活性化エネルギーの障壁を乗り越えるのに寄与するかもしれない。さらに、水素化した出発材料の反応物質の混合物の反応性を増大させるために、出発材料の反応物質は本質的に均質に混合されるのが好ましい。「本質的に均質に混合される」という言い方は、反応物質の粒子が互いに分離することによって反応速度が著しく抑制されないほどに、異なる出発材料の反応物質が互いに十分に分散されることを意味する。適当な出発材料を形成するために、出発材料の粒子は100マイクロメートル(μm)のオーダーのサイズを有するのが好ましく、これは例えば、1〜10時間のボールミル粉砕を行なうことによって達成することができる。好ましくは、反応物質の粒子サイズは約10マイクロメートル未満のオーダーであり、最も好ましくは1マイクロメートル未満である。
実施例1
本実施例は、水素貯蔵材料系においてMIとMIIがリチウムであるように選択される場合の水素貯蔵材料系を例証する。等モル比の水素化リチウム(LiH)と水酸化リチウム(LiOH)が0.248gのLiHおよび0.756gのLiOHで秤量され、これらは混合されて、水素化された混合物である水素貯蔵媒体系を形成し、これは下記の反応に従って水素を放出して水素を生成する:
LiH+LiOH → Li2O+H2
混合は、標準的なボールミル粉砕法を用いて室温において周囲条件下で60分で行なわれた。ボールミル粉砕の工程の間に、いくぶんかの水素の発生が認められた。次いで、混合物は、周囲条件下で毎分2℃の割合で300℃の最高温度まで加熱され、そして改良されたシーベルト(Sievert)装置によって分析され、これにより容積測定のガス吸収量が測定され、そして重量パーセントに変換された。
この分析は図1に示され、これにおいて、合計で5.3重量%が発生した(発生した水素に起因する理論上の6.25重量%と、ボールミル粉砕の工程の間に失われた分と出発材料中の不純物に起因する分のいずれかとの間の差について)。グラフから、水素の発生は約80℃で始まり、約170℃で加速することが明らかである。
実施例2
水素貯蔵材料系は実施例1におけるものと同じである。等モル比の水酸化リチウム(LiOH)と水素化リチウム(LiH)が0.249gのLiHおよび0.749gのLiOHの測定量で混合され、そして実施例1に記載したのと同じボールミル粉砕法を用いて機械的に粉砕された。ただし、混合物はもっと短い時間の12分で粉砕された。
実施例3
上の実施例2と同様に、水素化物が水素化リチウム(LiH)で水酸化物が水酸化リチウム(LiOH)である水素貯蔵材料系が、塩化チタンTiCl3の触媒の存在下で反応に供された。等モル比の水素化リチウム(LiH)と水酸化リチウム(LiOH)が0.201gのLiHおよび0.611gのLiOHで秤量されて、互いに混合された。さらに、触媒が、10モル%で0.385gのTiCl3として秤量されて、粉砕工程の間に添加され、次いで混合物の全体が12分間粉砕された。
実施例2と3から得られた試料が、改良されたシーベルト分析に供され、このとき熱が段階的に上昇させて加えられた。第一の加熱ステップで100℃の温度に達し(A点)、第二のステップで200℃まで上昇し(B点)、次いで最終ステップで250℃に達した(C点)。データから観察することができるように、触媒の無い実施例2からの試料について、水素の発生は約80℃で開始した。第一ステップを通して温度が100℃で一定に維持されたとき、実施例2の試料における水素の発生速度はゆっくりしていて、約0.7重量%に達したにすぎない。温度が次のステップの200℃に増大すると、発生する水素の量は増大したが、しかし試料が200℃に維持されると、水素の発生速度は遅くなった。試料の温度を再び250℃の間隔まで上昇させると、同様の挙動が観察され、このとき水素の生成は一定の温度において遅くなった。250℃に増大した後、5.7wt.%の水素が発生した。この量は、理論上の水素の量である6.25wt.%および実施例1における量と近似していて、これは、粉砕工程の間に発生したかもしくは失われた水素の量が少ないことに起因する。
図2に示すデータは、約80℃において起こる発熱反応について活性化エネルギーの障壁が存在することを示唆し、このとき水素の放出が開始する。このデータから観察することができるように、水素発生反応の間の触媒の存在は、水素の放出を著しく加速する。例えば、100℃において、実施例2で触媒を添加せずに調製した混合物については約0.7wt.%の水素が生成したにすぎないが、一方、10モル%の触媒を添加した実施例3の混合物については100℃において約2.7wt.%の水素が生成した。実施例3の試料において生成した水素の量が全体的に少ないのは、おそらく粉砕工程の間の水素の早すぎる生成に起因する。
実施例1と2の両者における水素貯蔵材料系の挙動は、水素生成反応が動力学的に制限されることを示す。触媒が添加された実施例3からの試料は、比較的低い温度において触媒が多くの水素の放出を促進することを例証する。水素化リチウムと水酸化リチウムの系における水素生成反応は発熱性であるという事実のために、その熱力学的平衡状態は室温においてほぼ完全な反応に相当する。また、水素貯蔵材料混合物の中で反応が起きている場所に蓄積する生成物(例えば、固相の副生物である酸化物組成物または水素ガス)は、貯蔵材料からの水素の完全な放出を抑制するかもしれない、といえる。活性化エネルギーの障壁と生成物の蓄積による抑制という両方の問題を、当業者によって認められている様々な方法によって処理することによって、水素が完全に放出される方向に反応を進めることができる。
例えば、前に説明したように、固体の反応物質粒子を微細なスケールで本質的に均質な混合物として混合することによって、水素貯蔵組成物からのより多くの水素の放出が促進される。また、あらゆる開始エネルギーまたは活性化エネルギーの障壁を克服することによって、反応を促進して、それを完了させる方向に進めるために、適当な触媒(例えば実施例3におけるTiCl3)を選択することができるだろう。本発明で用いるのに適した代表的な触媒としては、例えば、Ti、V、Cr、C、Fe、Mn、Ni、Si、Al、Nb、Pd、およびこれらの混合からなる群から選択される元素を含む化合物がある。そのような触媒化合物は、元素状で選択してもよいし、あるいは、例えば水素化物、ハロゲン化物、酸化物、または窒化物の化合物を含んでいてもよい。そのような触媒化合物の非限定的なリストとしては、例えばTiCl3、TiO2、TiN、V2O5、SiO2、Nb2O5、およびAl2O3がある。
さらに、反応が進行しているときに、生成物を取り出してもよい。例えば、水素ガスを容易に取り出すことができるであろうし、また水素貯蔵材料中の固相の酸化物組成物の蓄積を処理するために、当業者によって知られている固体−固体分離の方法を用いてもよい。さらに、後にもっと詳しく説明するが、本発明の一つの好ましい態様においては、水素生成反応の活性化エネルギーの障壁を克服するために第二の発熱反応からの熱を供給することによって、水素生成反応を開始させる。この発熱の開始反応は、後続の水素発生反応を互いに開始させるのに十分な量で、固体状態の反応物質に熱を渡す。
実施例4
実施例4において、混合した陽イオンの水素貯蔵材料系が用意され、このとき、MIはナトリウムであるように選択され、そしてMIIはリチウムであるように選択された。等モル比の水素化ナトリウム(NaH)と水酸化リチウム(LiOH)が0.655gのNaHおよび0.652gのLiOHとして秤量され、混合され、そして慣用のボールミル粉砕法によって粉砕された。粉砕工程の間にかなりの量の水素の発生が認められた(粉砕容器を開放したときの聞き取れるほどのガスの放出)。次いで、粉砕された混合物は、改良されたシーベルト装置によって図3に示すように分析された。データから観察することができるように、水素の発生は約40℃で開始し(A点)、そして約100℃で完了した(B点)。約0.8wt.%の水素が発生し、これは理論上の収率である4.1重量%よりも少ない。しかし、上で言及したように、計量できない大量の水素が粉砕工程の間に生成し、これを考慮すると、おそらく理論上の収率に近いだろう。
実施例5
混合した陽イオンの水素貯蔵材料系。このとき水素化物は複合水素化物であり(すなわち、ホウ水素化リチウムであって、MIはリチウムであるように選択される)、そして水酸化物においてMIIは水酸化リチウムを形成するリチウムであるように選択される。等モル比のホウ水素化リチウム(LiBH4)と水酸化リチウム(LiOH)が0.224gのLiBH4および0.981gのLiOHとして秤量され、混合され、次いで1時間粉砕された。実施例5の試料は、改良されたシーベルト分析によって、図4に示すように分析された。水素の発生は約250℃で開始するようであるが、しかし(実施例3におけるように)触媒を添加することによって、反応の動力学は、もっと低い温度で水素が発生するように修正されるはずである。最大で6.6wt.%の水素が生成したが、これは理論上の収率である6.8wt.%に近い。
水素貯蔵材料系のシーベルト試験の間に観察された挙動によれば、水酸化物組成物と水素化物組成物の間の水素生成反応は、主として反応の速度を増大させるために、また開始や活性化のあらゆる障壁を克服するために、周囲条件よりも高い温度で実施するのが好ましい。この特定の温度は特定の反応の熱力学について変化し、これは選択される陽イオン種に依存するけれども、本発明の特定の好ましい態様は、約40℃よりも高い温度で反応を行わせることである。本発明の他の好ましい態様は、好ましくは、約80℃以上の温度で実施することである。
さらに、粒子どうしの物理的な接触を増大させ、また反応を増進させるために、本発明の水素生成反応を行う間、固体の出発材料に圧縮力を加えてもよい。しかしながら、出発材料に圧縮力が加えられるような態様においては、水素ガスの形成または放出が妨げられないようなやり方で、圧縮力が加えられるのが好ましい。例えば、多孔質材料で形成された圧盤(platen)を用いて圧縮力を加えてもよく、それにより、出発材料の中にガスが発生しているときに、ガスがそれを貫通して移動するのが可能になる。
本発明の好ましい態様は、水素生成反応の生成物を用いることによって、出発材料からなる1以上の種の再生反応を提供することであり、この場合、副生物が水素にさらされているときに、水素生成反応は一般に非可逆的である。水素(H2)と酸化物組成物が生成するのに十分な時間と温度で、第一の水素貯蔵材料組成物と第二の水素貯蔵材料組成物の間で反応を行わせ、このとき第一の水素貯蔵材料は水素化物を含み、第二の水素貯蔵材料は水素以外の1以上の陽イオン種を有する水酸化物を含む。酸化物組成物を用いて再生反応が行われ、それによって水素化物または水酸化物の種が形成される。第一の出発材料組成物の水素化物は水素以外の1以上の陽イオン種を有し、酸化物組成物は、水素化物または水酸化物のそれぞれから誘導された水素以外の1以上の陽イオン種のうちの少なくとも一つを含むのが好ましい。好ましくは、水素生成反応は、上で説明した前の態様と同じである。
本発明の一つの好ましい態様は、水素貯蔵材料から水素を放出するための方法を含み、この方法は、第一の水素貯蔵材料と第二の水素貯蔵材料の間で発熱の水素生成反応を行わせ、それによって水素および酸化物を含む副生物材料を生成させることを含む。好ましくは、第一の水素貯蔵材料はMIxHxによって表される水素化物組成物を含み、第二の水素貯蔵材料はMIIy(OH)yによって表される水酸化物組成物を含み、ここでMIとMIIは水素以外の陽イオン種または陽イオン種の混合を表わし、またxとyはMIとMIIそれぞれの平均の原子価状態を表わす。この方法はさらに、酸化物組成物を用いて再生反応を行うことを含み、それによって水素化物と水酸化物のいずれかの種が形成される。
別の好ましい態様において、水素ガスの供給源を生成する方法が提供され、この方法においては、水素化物および水素以外の1以上の陽イオン種を有する水酸化物を含む水素化した出発材料組成物中で水素生成反応を行わせることによって水素を生成させ、それによって水素ガスおよび酸化物を含む脱水素化した反応生成物を生成させ、そして脱水素化した反応生成物を用いることによって再生反応を行わせ、それによって水素化した材料が形成される。
本発明は、水素化した材料を形成するための単一の再生反応または複数の別個の反応を含む再生反応を意図している。再生反応において生成される水素化した材料は、水素化した出発材料とは異なるかもしれない。水素化した材料が水素化した出発材料と同じものであるように再生される場合、好ましい態様においては、出発材料を再生するための複数の反応工程を用いることによって、水素化物、水酸化物、または両者からなる同じ種が形成される。すなわち、特定の好ましい態様においては、再生反応によって、水素化した出発材料の水素化物と水酸化物のうちの少なくとも一方を含む水素化した材料が形成される。特に好ましい態様においては、再生反応によって、水素化した出発材料の水素化物と水酸化物の両方が形成される。
前に説明したように、非可逆的反応とは、副生物組成物を水素にさらすだけによる出発材料の再生が技術的もしくは商業的に実施不可能な場合の反応である。従って、様々な異なる反応における反応副生物を用いることによって行われる追加の再生反応により、商業的に実施可能な条件で出発材料の水素化物と水酸化物を形成することができる。一つの好ましい態様において、再生反応は、酸化物組成物を水と反応させて水酸化物の種を形成することを含む。当業者には理解できるはずであるが、酸化物化合物は異なる陽イオン種または種の混合を含むかもしれない(これらは、MIとMIIが異なる陽イオン種を含む場合の水素化物と水酸化物の間の反応が行われる際に形成される)。酸化物化合物が用いられて水素化物または水酸化物の種が再生するとき、それは、最初の出発材料とは異なる出発材料の種を形成するかもしれない。しかし、それにもかかわらず、形成される水酸化物は再水素化され、そして別の水素生成反応において反応することができる。酸化物化合物と水の間の反応は典型的に発熱性であり、系にエネルギーを加える必要はない。水素化物(LiH)と水酸化物(LiOH)におけるMIとMIIの両者について陽イオン種がリチウムである場合、水素生成反応によってLi2Oが形成され、再生反応は次のように進行する:
1/2Li2O+1/2H2O → LiOH
このとき約−42kJ/mol-LiOHの反応熱(ΔHr)を発生する。さらに、両方の出発材料において陽イオン種MIとMIIが同じである状況下では、最初の出発材料の水酸化物と同じ水酸化物の種が再生反応によって形成される。
酸化物組成物からの水素化物材料の種の再生は一般に、酸化物の種の再生よりもエネルギー集中的である。本発明は、(水素生成反応からの)酸化物組成物の副生物から水素化した水素化物の種を有効に再生する様々な反応機構と処理条件を意図している。すなわち、水素化物を再生するための本発明の一つの好ましい態様は、還元剤である水素と酸化物組成物をともに反応させ、それによって水素化物を含む水素化した材料を形成することを含む。酸素(これは一般に酸化物組成物中に存在する酸素の形である)の存在下で還元剤は酸化され、従ってこれは、酸化物組成物中に存在する陽イオン種を還元するように機能する。従って、還元剤は好ましくは、酸化還元反応に関与するために1よりも多い酸化状態を有する。
本発明の一つの好ましい態様において、還元剤は炭素を含む。還元剤が炭素を含む場合、反応は一般にいわゆる「カーボサーマル還元(carbothermal reduction)」の反応によって進み、これは一般に吸熱性であって熱エネルギーを必要とする。炭素は例えば、元素状炭素(C)または一酸化炭素(CO)の形で与えることができる。炭素を含む還元剤の典型的な再生反応は次のように進行する。水素生成反応においてMIとMIIがリチウムであるように選択されて、Li2Oが形成される場合、再生反応は次のように進行する:
1/2Li2O+1/2H2+1/4C → LiH+1/2CO2
このとき水素化リチウムが再生され、そして第二の副生物化合物である二酸化炭素が形成される。二酸化炭素は好ましい第二の副生物化合物である。というのは、それはガス状であって、形成後の特別な扱いや処理を必要としないので、固体の水素化物から容易に分離することができるからである。この再生反応は吸熱性であり、約+110kJ/mol-LiHの反応熱(ΔHr)を発生し、従って一般に、反応を進めるために出発材料に熱が供給される。
還元剤が炭素を含む場合の別の好ましい再生反応は、還元剤が一酸化炭素(CO)である場合である。Li2Oが水素生成反応において形成される酸化物組成物である場合、それは、次の反応機構によって水素化物組成物を再生するために用いることができる:
1/2Li2O+1/2H2+1/2CO → LiH+1/2CO2
このときΔHrは約+67kJ/mol-LiHである。この反応も同様に吸熱性であり、還元剤が元素状炭素(C)である場合の態様よりも少ないけれども、反応を進めるために熱を必要とする。
炭素を含む還元剤を選択することにおいては様々な考慮すべき事柄があり、それらは、プロセスの能力に要因として計算に入れながら、適用に対して合うようにすることができる。すなわち、元素状炭素(C)はより多くの熱の投入量を必要とするが、それはまた、より大きな還元力をも有する(なぜならば、それはより低い酸化状態を有するからである)。しかし、一酸化炭素(CO)は、わずかに小さい還元力を有する(より高い酸化状態を有する)が、必要とする熱の投入量はより少ない。炭素を含む典型的な還元剤は、両者とも第二の副生物として二酸化炭素ガスを発生し、これは扱いの容易さの故に、かなり望ましい副生物である。炭素を含む還元剤が用いられる場合、再生反応を完了させる方向に進めるために、再生反応は、不活性雰囲気(例えば窒素またはアルゴン)中で、過剰な水素ガス(H2)、過剰な還元剤、および継続的なCO2の除去を用いて実施するのが好ましい。
別の好ましい態様において、水酸化物から水素化物を再生するために、カーボサーマル還元反応を用いることができる。前に説明したように、酸化物と水の反応は水酸化物を容易に形成する。本態様において、水素生成反応からの副生物の酸化物の全てが水と反応して、水酸化物を形成する。そのとき、新たに再生される水酸化物の一部は、再生されて水素化物を形成するかもしれない。例えば、(水素生成反応がLiHとLiOHの間で行われてLi2Oが生成した場合の)酸化物と水の間の最初の再生反応は次のように進行する:
1/2Li2O+1/2H2O → LiOH
再生された種である水酸化物LiOHは、次いで、次のいずれかのカーボサーマル還元反応によって再生されるかもしれない:
LiOH+CO → LiH+CO2
(還元剤が一酸化炭素であるように選択された場合)、あるいは
LiOH+1/2C → LiH+1/2CO2
(還元剤が元素状炭素であるように選択された場合)。
本発明のさらに別の好ましい態様は、特定の好ましい金属の還元剤を用いることによって、酸化物組成物から水素化物の種を再生することを含む。すなわち、本発明は、還元剤として安定な酸化物化合物を形成する金属を使用することを意図していて、そしてここに示す金属のリストは単に代表的なものであって、これらには限定されない。そのような還元剤は、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、およびこれらの混合を含む。従って、典型的な反応のひと組において、酸化物組成物がLi2Oである場合、好ましい再生反応は次の非限定的な例によって行われる:
Li2O+Mg+H2 → 2LiH+MgO
このとき反応熱(ΔHr)=−91.5kJ/mol-H2であり、これは発熱性であり、そして二次的な副生物化合物であるMgOを形成する。別の反応は次のものを含む:
3Li2O+2Al+3H2 → 6LiH+Al2O3
このとき反応熱(ΔHr)=−70.3kJ/mol-H2であり、これは発熱性であり、そして酸化物の副生物化合物であるAl2O3を形成する。別の典型的な反応は還元剤としてチタンを含み、次の反応に従って進行する:
Li2O+Ti+H2 → 2LiH+TiO
このとき反応熱(ΔHr)=−62.5kJ/mol-H2であり、これは発熱性であり、そして二次的な副生物化合物であるTiOを形成する。当業者であれば認識できるであろうが、金属は還元剤として特に良く適していて、それは、それらの多様な酸化状態、および酸素が存在する系において還元剤として作用する能力の故である。
本発明の別の好ましい態様は、酸化物組成物から水素化物の種を再生するための多段階の反応である。さらに、本態様によれば、再生反応の副生物化合物を後続の再生反応においてさらに反応させることができ、それによって、所望の副生物化合物を形成するか、還元剤を再生するか、あるいは両方の目的が達成される。一般に、再生反応の1以上の副生物化合物が還元剤を含んでいて、これは再生反応の後にはより高い酸化状態を有するが、その理由は、それが再生反応の間に酸化されるからである。すなわち、前記の再生反応よりも前の最初の酸化状態と比較して、その還元剤はより高い酸化状態を有する。
多段階の再生反応の本態様によれば、水素化物化合物の還元を達成するための好ましい還元剤は、Si、Cr、Zn、Fe、およびこれらの混合を含む。さらに、Mg、Al、Tiなどの金属還元剤を開示する上の態様もまた、酸化物の副生物化合物を形成し、それは同様に第二段階の反応において反応させることができる。中間物としての酸化物化合物は、水素生成反応において形成される酸化物組成物から形成される。第一段階の反応において、最初の還元剤は水素ガスおよび酸化物の副生物組成物と混合されて、再生された水素化物生成物の種、および還元剤を含む中間の酸化物化合物を形成する。次いで、還元剤を含む中間の酸化物化合物は第二段階の反応において反応し、このときそれは追加の第二の還元剤化合物によって還元され、これにより最初の還元剤は再生されてそして還元され、一方で、より望ましい再生反応の副生物化合物が形成される。
多段階の再生プロセスを用いることの一つの利点は、段階的な再生反応の場合、各々の段階のために必要な吸熱量は、全体の合計のエンタルピーとして必要な量よりも少ない、ということである。エネルギー要件をより小さな増分に分割することによって、工業的な適用において、より扱いやすく、また効率的になりうる。下に示すものは、Si、Cr、Zn、およびFeを用いる典型的な再生反応であり、各々が、LiHとLiOHの間の水素生成反応から発生する酸化物組成物であるLi2Oを再生する。
還元剤がケイ素(Si)であるように選択される場合、再生反応の第一段階の反応は:
1/2Li2O+1/4Si+1/2H2 → LiH+1/4SiO2
このとき反応熱(ΔHr)=−19kJであり、これは発熱性であり、そして二次的な副生物化合物を形成し、それはここでは最初の還元剤であるSiを含む酸化物中間体(すなわちSiO2)であるが、これは再生反応の前よりも高い酸化状態にある。第二段階の反応は、追加の第二の還元剤(ここではCOとして選択される)を導入することによって、次の反応機構によって進行する:
1/4SiO2+1/2CO → 1/4Si+1/2CO2
これはΔHr=+86kJを有する。最初の還元剤であるSiは再生されて、より低い酸化状態に戻るが、これは再生反応の前のそれの当初の酸化状態に相当する。追加の還元剤であるCOは酸化されてCO2ガスが形成され、これは固相の生成物から容易に取り出されて、そして容易に加工され処理される。当業者であれば認識できるはずであるが、第二の反応の間、吸熱のカーボサーマル還元反応のために、系にエネルギーが与えられなければならない。第一段階および第二段階の反応を含めて、再生反応のための全体のエンタルピー変化は、ΔH=+67kJである。
本態様に従って選択される別の第一の還元剤はクロム(Cr)である。再生反応の第一段階は次のように進行する:
1/2Li2O+1/3Cr+1/2H2 → LiH+1/6Cr2O3
このときΔHr=+18kJであり、これは吸熱性である。再生反応の第二段階は次のように進行する:
1/4Cr2O3+1/2CO → 1/3Cr+1/2CO2
このときΔHr=+48kJであり、ここでは第二の追加の還元剤はCOとして選択される。形成される第二の副生物化合物の中間体酸化物がCr2O3である場合、系におけるそれの安定性は熱力学によってあまり有利ではなく(このことは、発熱のΔHrによって安定なSiO2が形成される場合の態様と比較して、吸熱のΔHrにおいて表されている)、従って、より広範囲の温度、圧力、および雰囲気の制御が必要であるかもしれない。この系についての全体のエンタルピー変化はΔH=+66kJであると予測されるが、しかし、本態様の一つの利点は、全体のエンタルピー変化が第一段階の反応と第二段階の反応の間で分割されて、必要な熱が複数のプロセス段階に分割されることによって処理加工がより扱いやすくなる、ということである。
さらに別の態様は、第一の還元剤が亜鉛(Zn)であるように選択される場合である。第一段階の再生反応は次のように進行する:
1/2Li2O+1/2Zn+1/2H2 → LiH+1/2ZnO
このときΔHr=+33kJである。第二段階の再生反応は次のように進行する:
1/2ZnO+1/2CO → 1/4Zn+1/2CO2
このときΔHr=+33kJであり、ここでは追加の第二の還元剤としてCOが選択される。ZnOの酸化物組成物の形成は、前の態様よりも熱力学的に安定ではないと思われる。全体の再生反応についての全体のエンタルピー変化はΔH=+66kJである。
本発明の別の代替の態様は、二段階の再生反応系における第一の還元剤が鉄(Fe)であるように選択される場合である。第一段階の再生反応において、反応の機構は次のようである:
1/2Li2O+1/3Fe+1/2H2 → LiH+1/6Fe2O3
これはΔHr=+71kJを有する。中間体の酸化鉄Fe2O3と第二の追加の還元剤COの間の第二の再生反応は次のように進行する:
1/4Fe2O3+1/2CO → 1/3Fe+1/2CO2
このときΔHr=−4kJである。Fe2O3は、前に説明した態様における前の中間体酸化物よりも、安定な化合物を形成するためには熱力学的に有利ではない。全体の再生反応系についての全体のエンタルピー変化はΔH=+67kJである。当業者であれば認識できるはずであるが、上記の還元剤は、カーボサーマルではない代替の第二段階の反応において再生されるかもしれない。そのような反応と手順は、酸化物化合物の元素状のものを形成するために開示されている多くの酸化物の副生物化合物についてありふれたことであって、このことは当業者であれば認識できることであり、そしてそのような手順は本発明とともに用いられてもよい。
本発明の別の好ましい態様は、水素、酸化物組成物、およびヒドラジン(N2H4)であるように選択される還元剤の間の再生反応を含む。好ましい態様において、ヒドラジンは、出発材料の水素化物の種と水酸化物の種の両方を再生する。酸化物組成物が(LiHとLiOHの間の水素生成反応によって形成される)Li2Oである場合の典型的な反応は、次の通りである:
Li2O+1/2N2H4 → LiH+LiOH+1/2N2
このときΔHrは約−21kJ/molであり、これは発熱性であって熱力学的に有利である。ヒドラジンが還元剤として選択されたとき、競争反応が生じる可能性がある(例えばアンモニアを生成する反応)。しかし、ヒドラジンにおけるN−N結合を切ることは一般に、活性化エネルギーの障壁に転換される。そのような活性化エネルギーの障壁はアンモニアの形成を最少にし、そしてそれは反応条件(例えば温度と圧力)によって制御することができる。さらに、新たに形成される水素化物生成物と水酸化物生成物の間で水素が発生するかもしれないが、しかしこれらの競争反応は、温度、圧力、および水素貯蔵材料において触媒を与えることによる選択的触媒作用を適切に制御することによって、制御することができ、このことにより再生反応は促進される。これは当業者によって認識されていることである。さらに、還元剤がヒドラジンである場合の再生反応は自動車用途のために特に有用であり、この場合、水素貯蔵材料系は、燃料電池を備えた自動車用途の使用時点で(例えば内蔵した形で)再生することができる。
従って、本発明の好ましい態様によれば、再生反応は、還元剤、水素、および酸化物をともに反応させ、それによって水素化した水素化物材料の種を形成することを含む。還元剤は好ましくは、炭素(C)、一酸化炭素(CO)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ケイ素(Si)、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、ヒドラジン(N2H4)、およびこれらの混合からなる群から選択される。当業者であれば認識できるはずであるが、還元剤は、再生反応を行うために互いに混合してもよく、あるいは別個の還元剤を用いる複数の再生反応として実施してもよく、その幾つかの例は上で説明した。
従って、本発明による水素貯蔵材料は固相の水素貯蔵物を提供し、これは特に燃料電池の用途に有利であり、とりわけ自動車の燃料電池の用途に最も有利である。このような水素貯蔵材料組成物は一般に広範囲に利用できて、比較的低分子量のものであり、これは燃料電池ユニットの効率を改善するのを促進する。さらに、本発明の変形から利用できる水素生成反応の系は比較的小さな総計のエンタルピー変化を有し、それにより広範囲な制御系と冷却系の必要性が低減され、また燃料電池系からの寄生的なエネルギーの必要性も解消される。本発明はまた、水素化物または水酸化物の種を再生するための方法と化合物を提供し、それらは水素生成反応のための出発材料の再生を容易にし、また水素貯蔵材料の比較的低いエネルギーでの容易な再生を可能にする。
本発明の記述は本質的に典型的なものを示したにすぎず、従って、本発明の要旨からはずれない変形は本発明の範囲内のものであることが意図されている。そのような変形は本発明の精神と範囲から離脱しているものとみなされるべきではない。
図1は、改良されたシーベルト(Sievert)装置による容量分析によって分析された、水素化リチウムと水酸化リチウムを含む水素貯蔵材料からの水素の重量パーセント損失による水素の生成量を示す。 図2は、水素化リチウムと水酸化リチウムを含む第一の試料および水素化リチウムと水酸化リチウムと触媒を含む第二の試料を比較して、水素貯蔵材料について水素の生成量を示したグラフであり、改良されたシーベルト装置において温度は漸進的に増大されている。 図3は、改良されたシーベルト装置による分析によって、水素化ナトリウムと水酸化リチウムを含む水素貯蔵材料についての時間に対する水素の生成量を示したグラフである。 図4は、改良されたシーベルト装置による分析によって、ホウ水素化リチウムと水酸化リチウムの複合した水素化物を含む水素貯蔵材料についての時間に対する水素の生成量を示したグラフである。

Claims (129)

  1. 水素貯蔵材料から水素を放出するための方法であって、
    水素(H2)と酸化物組成物が生成するのに十分な時間と温度で、第一の水素貯蔵材料組成物を第二の水素貯蔵材料組成物と反応させることによって水素生成反応を行わせ、このとき前記第一の水素貯蔵材料は第一の水素化物を含み、前記第二の水素貯蔵材料は水素以外の1以上の陽イオン種を有する第一の水酸化物を含み、そして
    前記酸化物組成物を用いて再生反応を行わせ、それによって第二の水素化物の種、第二の水酸化物の種、または両方の種が形成される、
    工程を含む方法。
  2. 前記第一および第二の水素化物の各々は、水素以外の1以上の陽イオン種を有し、そして前記酸化物組成物は、前記第一の水素化物、前記第一の水酸化物、または両方から誘導された水素以外の前記1以上の陽イオン種のうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第一の水素化物と前記第二の水素化物は互いに異なる、請求項2に記載の方法。
  4. 前記第一の水素化物と前記第二の水素化物は同じものである、請求項2に記載の方法。
  5. 前記第一の水酸化物と前記第二の水酸化物は互いに異なる、請求項2に記載の方法。
  6. 前記第一の水酸化物と前記第二の水酸化物は同じものである、請求項2に記載の方法。
  7. 前記第一の水素化物は式:MIxHxによって表され、ここでMIは水素以外の前記1以上の陽イオン種を表わし、そしてxはMIの平均の原子価状態を表わす、請求項1に記載の方法。
  8. 前記第一の水酸化物は式:MIIy(OH)yによって表され、ここでMIIは水素以外の前記1以上の陽イオン種を表わし、そしてyはMIIの平均の原子価状態を表わす、請求項1に記載の方法。
  9. 前記第一の水素化物はMIxHxによって表され、そして前記第一の水酸化物はMIIy(OH)yによって表され、ここでMIとMIIはそれぞれ水素以外の前記1以上の陽イオン種を表わし、そしてxとyはそれぞれMIとMIIの平均の原子価状態を表わす、請求項1に記載の方法。
  10. MIとMIIは異なる陽イオン種である、請求項9に記載の方法。
  11. MIとMIIは同じ陽イオン種である、請求項9に記載の方法。
  12. MIは二つの別個の陽イオン種を含む複合陽イオン種である、請求項9に記載の方法。
  13. MIIは二つの別個の陽イオン種を含む複合陽イオン種である、請求項9に記載の方法。
  14. MIは、Al、As、B、Ba、Be、Ca、Cd、Ce、Cs、Cu、Eu、Fe、Ga、Gd、Ge、Hf、Hg、In、K、La、Li、Mg、Mn、Na、Nd、Ni、Pb、Pr、Rb、Sb、Sc、Se、Si、Sm、Sn、Sr、Th、Ti、Tl、V、W、Y、Yb、Zn、Zr、およびこれらの混合からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
  15. MIIは、CH3、C2H5、C3H7、Al、As、B、Ba、Be、Ca、Cd、Ce、Cs、Cu、Eu、Fe、Ga、Gd、Ge、Hf、Hg、In、K、La、Li、Mg、Mn、Na、Nd、Ni、Pd、Pr、Rb、Sb、Sc、Se、Si、Sm、Sn、Sr、Th、Ti、Tl、V、W、Y、Yb、Zn、Zr、およびこれらの混合からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
  16. MIとMIIはそれぞれ、Al、B、Ba、Be、Ca、Cs、K、Li、Mg、Na、Rb、Si、Sr、Ti、V、およびこれらの混合からなる群から独立して選択される元素である、請求項9に記載の方法。
  17. MIとMIIはそれぞれ、Al、B、Be、Ca、K、Li、Mg、Na、Sr、Ti、およびこれらの混合からなる群から独立して選択される元素である、請求項9に記載の方法。
  18. 前記第一の水酸化物は有機基を含む、請求項1に記載の方法。
  19. 前記第一の水素化物は、水素化リチウム(LiH)、水素化ナトリウム(NaH)、水素化カリウム(KH)、水素化ベリリウム(BeH2)、水素化マグネシウム(MgH2)、水素化カルシウム(CaH2)、水素化ストロンチウム(SrH2)、水素化チタン(TiH2)、水素化アルミニウム(AlH3)、水素化ホウ素(BH3)、ホウ水素化リチウム(LiBH4)、ホウ水素化ナトリウム(NaBH4)、ホウ水素化マグネシウム(Mg(BH4)2)、ホウ水素化カルシウム(Ca(BH4)2)、リチウムアラナート(LiAlH4)、ナトリウムアラナート(NaAlH4)、マグネシウムアラナート(Mg(AlH4)2)、カルシウムアラナート(Ca(AlH4)2)、およびこれらの混合からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  20. 前記第二の水酸化物は、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ベリリウム(Be(OH)2)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、水酸化カルシウム(Ca(OH)2)、水酸化ストロンチウム(Sr(OH)2)、水酸化チタン(Ti(OH)2)、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、水酸化ホウ素(B(OH)3)、およびこれらの混合からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  21. 前記第一の水素化物はLiHを含み、前記第一の水酸化物はLiOHを含む、請求項1に記載の方法。
  22. 前記水素生成反応は、LiH+LiOH → Li2O+H2 の反応機構に従って進行する、請求項21に記載の方法。
  23. 前記第一の水素化物はNaHを含み、前記第一の水酸化物はLiOHを含む、請求項1に記載の方法。
  24. 前記水素生成反応は、NaH+LiOH → 1/2Li2O+1/2Na2O+H2 の反応機構に従って進行する、請求項23に記載の方法。
  25. 前記第一の水素化物はLiBH4を含み、前記第一の水酸化物はLiOHを含む、請求項1に記載の方法。
  26. 前記水素生成反応は、LiBH4+LiOH → LiBO2+2Li2O+4H2 の反応機構に従って進行する、請求項25に記載の方法。
  27. 前記水素化物組成物はMgH2を含み、前記水酸化物はMg(OH)2を含む、請求項1に記載の方法。
  28. 前記反応は、MgH2+Mg(OH)2 → MgO+2H2 の反応機構に従って進行する、請求項27に記載の方法。
  29. 前記水素化物はAlH3を含み、前記水酸化物はAl(OH)3を含む、請求項1に記載の方法。
  30. 前記反応は、AlH3+Al(OH)3 → Al2O3+3H2 の反応機構に従って進行する、請求項29に記載の方法。
  31. 前記水素化物はCaH2を含み、前記水酸化物はCa(OH)2を含む、請求項1に記載の方法。
  32. 前記反応は、CaH2+Ca(OH)2 → CaO+2H2 の反応機構に従って進行する、請求項31に記載の方法。
  33. 前記水素化物はSrH2を含み、前記水酸化物はSr(OH)2を含む、請求項1に記載の方法。
  34. 前記反応は、SrH2+Sr(OH)2 → SrO+2H2 の反応機構に従って進行する、請求項33に記載の方法。
  35. 前記水素化物はBH3を含み、前記水酸化物はB(OH)3を含む、請求項1に記載の方法。
  36. 前記反応は、BH3+B(OH)3 → B2O3+3H2 の反応機構に従って進行する、請求項35に記載の方法。
  37. 前記水素化物はBeH2を含み、前記水酸化物はBe(OH)2を含む、請求項1に記載の方法。
  38. 前記反応は、BeH2+Be(OH)2 → BeO+2H2 の反応機構に従って進行する、請求項37に記載の方法。
  39. 前記水素化物はLiBH4を含み、前記水酸化物はB(OH)3を含む、請求項1に記載の方法。
  40. 前記反応は、3LiH+H3BO3 → LiBO2+Li2O+3H2 の反応機構に従って進行する、請求項39に記載の方法。
  41. 前記反応は、3LiH+H3BO3 → Li3BO3+3H2 の反応機構に従って進行する、請求項39に記載の方法。
  42. 前記反応は、3LiBH4+4H3BO3 → Li3B7O12+12H2 の反応機構に従って進行する、請求項39に記載の方法。
  43. 前記水素化物はLiBH4を含み、前記水酸化物はLiOHを含む、請求項1に記載の方法。
  44. 前記反応は、LiBH4+4LiOH → LiBO2+2Li2O+4H2 の反応機構に従って進行する、請求項43に記載の方法。
  45. 前記水素化物はNaBH4を含み、前記水酸化物はMg(OH)2を含む、請求項1に記載の方法。
  46. 前記反応は、NaBH4+2Mg(OH)2 → NaBO2+2MgO+4H2 の反応機構に従って進行する、請求項45に記載の方法。
  47. 前記水素化物はNaBH4を含み、前記水酸化物はNaOHを含む、請求項1に記載の方法。
  48. 前記反応は、NaBH4+4NaOH → NaBO2+2Na2O+4H2 の反応機構に従って進行する、請求項47に記載の方法。
  49. 前記酸化物組成物はLi2Oを含み、前記再生反応は、反応機構:1/2Li2O+1/2H2O → LiOH に従って進行する、請求項1に記載の方法。
  50. 前記再生反応はさらに、次の反応機構:LiOH+1/2C → LiH+1/2CO2 を含む、請求項1に記載の方法。
  51. 前記再生反応はさらに、次の反応機構:LiOH+CO → LiH+CO2 を含む、請求項1に記載の方法。
  52. 前記酸化物組成物はLi2Oを含み、前記再生反応は、反応機構:1/2Li2O+1/2H2+1/4C → LiH+1/2CO2 に従って進行する、請求項1に記載の方法。
  53. 前記酸化物組成物はLi2Oを含み、前記再生反応は、反応機構:1/2Li2O+1/4Si+1/2H2 → LiH+1/4SiO2 に従って進行する、請求項1に記載の方法。
  54. 前記再生反応はさらに、次の反応:1/4SiO2+1/2CO → 1/4Si+1/2CO2 を含む、請求項1に記載の方法。
  55. 前記酸化物組成物はLi2Oを含み、前記再生反応は、反応機構:1/2Li2O+1/3Cr+1/2H2 → LiH+1/6Cr2O3 に従って進行する、請求項1に記載の方法。
  56. 前記再生反応はさらに、次の反応:1/4Cr2O3+1/2CO → 1/3Cr+1/2CO2 を含む、請求項1に記載の方法。
  57. 前記酸化物組成物はLi2Oを含み、前記再生反応は、反応機構:1/2Li2O+1/2Zn+1/2H2 → LiH+1/2ZnO に従って進行する、請求項1に記載の方法。
  58. 前記再生反応はさらに、次の反応:1/2ZnO+1/2CO → 1/4Zn+1/2CO2 を含む、請求項1に記載の方法。
  59. 前記酸化物組成物はLi2Oを含み、前記再生反応は、反応機構:1/2Li2O+1/3Fe+1/2H2 → LiH+1/6Fe2O3 に従って進行する、請求項1に記載の方法。
  60. 前記再生反応はさらに、次の反応:1/4Fe2O3+1/2CO → 1/3Fe+1/2CO2 を含む、請求項1に記載の方法。
  61. 前記酸化物組成物はLi2Oを含み、前記再生反応は、反応機構:Li2O+1/2N2H4 → LiH+LiOH+N2 に従って進行する、請求項1に記載の方法。
  62. 水素ガスの供給源を生成する方法であって、
    出発材料の水素化物と出発材料の水酸化物とを含む水素化した出発材料組成物中で水素生成反応を行わせ、このとき前記出発材料の水素化物と前記出発材料の水酸化物の各々は水素以外の1以上の陽イオン種を有し、それによって水素ガスおよび酸化物を含む脱水素化した反応生成物を生成させ、そして
    前記脱水素化した反応生成物を用いることによって再生反応を行わせ、それによって再生して水素化した材料が形成される、
    工程を含む方法。
  63. 前記再生反応は、前記再生して水素化した材料を形成するために複数の反応を含む、請求項62に記載の方法。
  64. 前記再生して水素化した材料は、前記水素化した出発材料とは異なるものである、請求項62に記載の方法。
  65. 前記再生して水素化した材料は、前記水素化した出発材料と同じものである、請求項62に記載の方法。
  66. 前記再生反応によって、再生した水素化物、再生した水酸化物、または両方を含む前記再生して水素化した材料が形成される、請求項62に記載の方法。
  67. 前記出発材料の水素化物と前記再生した水素化物は互いに異なるものである、請求項66に記載の方法。
  68. 前記出発材料の水素化物と前記再生した水素化物は同じものである、請求項66に記載の方法。
  69. 前記出発材料の水酸化物と前記再生した水酸化物は互いに異なるものである、請求項66に記載の方法。
  70. 前記出発材料の水酸化物と前記再生した水酸化物は同じものである、請求項66に記載の方法。
  71. 前記再生反応は前記酸化物を水と反応させることを含み、それによって再生した水酸化物を含む前記再生して水素化した材料が形成される、請求項62に記載の方法。
  72. 前記再生反応は、反応機構:1/2Li2O+1/2H2O → LiOH に従って進行する、請求項71に記載の方法。
  73. 前記再生反応は、還元剤、水素、および再生した水酸化物の種をともに反応させることを含み、それによって再生した水素化物を含む前記再生して水素化した材料が形成される、請求項62に記載の方法。
  74. 前記再生反応は、還元剤、水素、および前記酸化物をともに反応させることを含み、それによって再生した水素化物を含む前記再生して水素化した材料が形成される、請求項62に記載の方法。
  75. 前記還元剤は1よりも多い酸化状態を有する、請求項74に記載の方法。
  76. 前記還元剤は炭素を含む、請求項74に記載の方法。
  77. 前記還元剤は、炭素(C)、一酸化炭素(CO)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ケイ素(Si)、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、ヒドラジン(N2H4)、およびこれらの混合からなる群から選択される、請求項74に記載の方法。
  78. 前記還元剤は炭素(C)である、請求項74に記載の方法。
  79. 前記再生反応は、反応機構:1/2Li2O+1/2H2+1/4C → LiH+1/2CO2 に従って進行する、請求項78に記載の方法。
  80. 前記再生反応は、反応機構:LiOH+1/2C → LiH+1/2CO2 に従って進行する、請求項78に記載の方法。
  81. 前記還元剤は一酸化炭素(CO)である、請求項74に記載の方法。
  82. 前記再生反応は、反応機構:1/2Li2O+1/2H2+1/2CO → LiH+1/2CO2 に従って進行する、請求項81に記載の方法。
  83. 前記再生反応は、反応機構:LiOH+CO → LiH+CO2 に従って進行する、請求項81に記載の方法。
  84. 前記還元剤はマグネシウム(Mg)である、請求項74に記載の方法。
  85. 前記再生反応は、反応機構:Li2O+Mg+H2 → 2LiH+MgO に従って進行する、請求項84に記載の方法。
  86. 前記還元剤はアルミニウム(Al)である、請求項74に記載の方法。
  87. 前記再生反応は、反応機構:3Li2O+2Al+3H2 → 6LiH+Al2O3 に従って進行する、請求項86に記載の方法。
  88. 前記還元剤はチタン(Ti)である、請求項74に記載の方法。
  89. 前記再生反応は、反応機構:Li2O+Ti+H2 → 2LiH+TiO に従って進行する、請求項88に記載の方法。
  90. 前記還元剤はケイ素(Si)である、請求項74に記載の方法。
  91. 前記還元剤はクロム(Cr)である、請求項74に記載の方法。
  92. 前記還元剤は亜鉛(Zn)である、請求項74に記載の方法。
  93. 前記還元剤は鉄(Fe)である、請求項74に記載の方法。
  94. 前記還元剤はヒドラジン(N2H4)である、請求項74に記載の方法。
  95. 前記酸化物組成物はLi2Oを含み、前記再生反応は、反応機構:Li2O+1/2N2H4 → LiH+LiOH+N2 に従って進行する、請求項94に記載の方法。
  96. 前記還元剤は、前記再生反応の後に、前記再生反応の前よりも高い酸化状態を有する、請求項74に記載の方法。
  97. 前記再生反応によって、前記第二の水素化した材料、および前記還元剤を含む二次的な副生物化合物が形成される、請求項74に記載の方法。
  98. 前記二次的な副生物化合物は、前記還元剤の二次的な副生物化合物の酸化物を含む、請求項97に記載の方法。
  99. 前記再生反応は、反応機構:1/2Li2O+1/4Si+1/2H2 → LiH+1/4SiO2 に従って進行する、請求項98に記載の方法。
  100. 前記還元剤はケイ素(Si)であり、前記二次的な副生物化合物の酸化物は二酸化ケイ素(SiO2)である、請求項98に記載の方法。
  101. 前記再生反応は、反応機構:1/2Li2O+1/3Cr+1/2H2 → LiH+1/6Cr2O3 に従って進行する、請求項98に記載の方法。
  102. 前記還元剤はクロム(Cr)であり、前記二次的な副生物化合物の酸化物は酸化クロム(Cr2O3)である、請求項98に記載の方法。
  103. 前記再生反応は、反応機構:1/2Li2O+1/2Zn+1/2H2 → LiH+1/2ZnO に従って進行する、請求項98に記載の方法。
  104. 前記還元剤は亜鉛(Zn)であり、前記二次的な副生物化合物の酸化物は酸化亜鉛(ZnO)である、請求項98に記載の方法。
  105. 前記再生反応は、反応機構:1/2Li2O+1/3Fe+1/2H2 → LiH+1/6Fe2O3 に従って進行する、請求項98に記載の方法。
  106. 前記還元剤は鉄(Fe)であり、前記二次的な副生物化合物の酸化物は酸化鉄(Fe2O3)である、請求項98に記載の方法。
  107. 前記二次的な副生物化合物の酸化物と反応する追加の還元剤を与え、それによって前記還元剤の酸化状態を低下させることをさらに含む、請求項98に記載の方法。
  108. 前記還元された還元剤の前記酸化状態は、前記再生反応の前の最初の酸化状態と等しい、請求項107に記載の方法。
  109. 前記還元された還元剤の前記酸化状態は、前記還元剤の元素形態のものである、請求項108に記載の方法。
  110. 前記還元剤の前記二次的な副生物化合物の酸化物は二酸化ケイ素(SiO2)であり、前記還元剤の前記元素形態のものはケイ素(Si)である、請求項109に記載の方法。
  111. 前記追加の還元剤は、次の反応機構:1/4SiO2+1/2CO → 1/4Si+1/2CO2 に従って前記二酸化ケイ素(SiO2)と反応する一酸化炭素(CO)である、請求項110に記載の方法。
  112. 前記還元剤の前記二次的な副生物化合物の酸化物は酸化クロム(Cr2O3)であり、前記還元剤の前記元素形態のものはクロム(Cr)である、請求項109に記載の方法。
  113. 前記追加の還元剤は、次の反応機構:1/4Cr2O3+1/2CO → 1/3Cr+1/2CO2 に従って前記酸化クロム(Cr2O3)と反応する一酸化炭素(CO)である、請求項112に記載の方法。
  114. 前記還元剤の前記二次的な副生物化合物の酸化物は酸化亜鉛(ZnO)であり、前記還元剤の前記元素形態のものは亜鉛(Zn)である、請求項109に記載の方法。
  115. 前記追加の還元剤は、次の反応機構:1/2ZnO+1/2CO → 1/4Zn+1/2CO2 に従って前記酸化亜鉛(ZnO)と反応する一酸化炭素(CO)である、請求項114に記載の方法。
  116. 前記還元剤の前記二次的な副生物化合物の酸化物は酸化鉄(Fe2O3)であり、前記還元剤の前記元素形態のものは鉄(Fe)である、請求項109に記載の方法。
  117. 前記追加の還元剤は、次の反応機構:1/2Li2O+1/3Fe+1/2H2 → LiH+1/6Fe2O3 に従って前記酸化鉄(Fe2O3)と反応する一酸化炭素(CO)である、請求項116に記載の方法。
  118. 前記追加の還元剤は炭素(C)を含む、請求項107に記載の方法。
  119. 前記追加の還元剤は一酸化炭素(CO)を含む、請求項107に記載の方法。
  120. 前記出発材料の水素化物は式:MIxHxによって表され、ここでMIは水素以外の前記1以上の陽イオン種を表わし、そしてxはMIの平均の原子価状態を表わす、請求項62に記載の方法。
  121. 前記出発材料の水酸化物は式:MIIy(OH)yによって表され、ここでMIIは水素以外の前記1以上の陽イオン種を表わし、そしてyはMIIの平均の原子価状態を表わす、請求項62に記載の方法。
  122. 前記出発材料の水素化物はMIxHxによって表され、そして前記出発材料の水酸化物はMIIy(OH)yによって表され、ここでMIとMIIはそれぞれ水素以外の前記1以上の陽イオン種を表わし、そしてxとyはそれぞれMIとMIIの平均の原子価状態を表わす、請求項62に記載の方法。
  123. 前記再生した水酸化物は式:MIIy(OH)yによって表され、ここでMIIは水素以外の前記1以上の陽イオン種を表わし、そしてyはMIIの平均の原子価状態を表わす、請求項62に記載の方法。
  124. 前記再生した水素化物はMIxHxによって表され、そして前記再生した水酸化物はMIIy(OH)yによって表され、ここでMIとMIIはそれぞれ水素以外の前記1以上の陽イオン種を表わし、そしてxとyはそれぞれMIとMIIの平均の原子価状態を表わす、請求項62に記載の方法。
  125. 水素貯蔵材料から水素を放出するための方法であって、
    第一の水素貯蔵材料と第二の水素貯蔵材料の間で発熱の水素生成反応を行わせ、それによって水素および酸化物を含む副生物材料を生成させ、このとき前記第一の水素貯蔵材料はMIxHxによって表される水素化物組成物を含み、前記第二の水素貯蔵材料はMIIy(OH)yによって表される水酸化物組成物を含み、ここでMIとMIIは水素以外の陽イオン種または陽イオン種の混合を表わし、またxとyはMIとMIIそれぞれの平均の原子価状態を表わし、そして
    前記酸化物組成物を用いて再生反応を行わせ、それによって水素化物と水酸化物のいずれかの種が形成される、
    工程を含む方法。
  126. 前記再生反応は複数の別個の反応を含む、請求項125に記載の方法。
  127. 前記再生反応によって、水素化物と水酸化物の両方の種が形成される、請求項125に記載の方法。
  128. 前記水素化物と水酸化物の種のうちの少なくとも一つは、前記水素化物組成物または前記水酸化物組成物と同じものである、請求項125に記載の方法。
  129. 前記水酸化物と水素化物の種の両者は、前記水素化物組成物および前記水酸化物組成物と同じものである、請求項125に記載の方法。
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