JP2007335467A - レーザーダイシング用ダイシングテープ - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザーダイシングにより半導体ウエハを半導体チップに切断した後に吸着テーブルから問題なく剥離できるレーザーダイシング用ダイシングテープを提供する。
【解決手段】基材フィルム上に粘接着剤層が設けられたレーザーダイシング用ダイシングテープであって、少なくとも前記基材フィルムの最外層がポリプロピレン樹脂を含有する樹脂組成物からなることを特徴とするレーザーダイシンング用ダイシングテープ。
【選択図】なし

Description

本発明は、レーザーダイシングによりウエハをチップ状に分割個片化する際に使用されるダイシングテープに関する。
ここ最近において、実装部品の小型化のニーズはより一層高まり、半導体パッケージングの小型化技術はますます進化してきている。これに伴い、半導体チップも薄膜化・小チップ化を余儀なくされ、同時に、それら薄膜・小チップの半導体チップをコンパクトにパッケージングするための技術的ニーズは今後も高まる傾向にある。従来、これらの半導体チップは、バックグラインド工程において裏面研削され薄膜化された半導体ウェハを、ダイシング工程にてチップ化されることにより得られる。更に、チップ化された半導体チップは、ピックアップダイボンダ等により、連続的に流れるリードフレームにダイボンディング毎に液状接着剤が必要量塗布され、その位置にダイボンディングされることになる。
これらの工程のうちダイシング工程において、半導体ウェハ(以下、単にウェハという場合がある)にはダイシングテープを貼り合わせ、リングフレームでダイサーのチャックテーブルに固定し、そしてブレードにより切断されるのが一般的である。この際、ウェハにはブレードによる切削抵抗がかかるため、個片化された半導体チップ(以下、単にチップという場合がある)に微小な欠けやクラック(以下、チッピングという)が発生することがある。このチッピング発生は、昨今、重要な問題のうちの1つとして捉えられ、これまでにもチッピング低減のための検討が種々行われてきたが、未だ満足できる手段は無いのが現状である。
更に、このチッピングはウェハの厚さが薄くなると発生しやすくなる傾向にあり、また、小チップではチッピングの許容レベルも厳しくなる。したがって、前述のように半導体チップの薄膜化・小チップの傾向がますます進むことにより、このチッピングの問題は今後より一層深刻化してくるものと容易に推測される。
またチッピング発生防止、コンパクトパッケージングの要求を解決する方法として、レーザー光線を使用して、被加工物を切断する際に前記被加工物を支持固定するためのダイシングテープであって、支持シートを含む基材と、前記基材の片側表面に配置される粘着剤層とからなり、前記粘着剤層は前記レーザー光線により切断可能であり、前記支持テープは前記レーザー光線により切断不可能であることを特徴とする、ダイシングテープが開示されている。この方法により素子小片を得ることができ、しかも被加工物の切断がレーザー光線で行われるので、チッピングが少ないとされている(特許文献1)。
更に、個片化された半導体チップには、チッピング発生防止と共に、コンパクトにパッケージングされることも求められる。これは、パッケージサイズの小型化のニーズからくるものであり、望ましくは半導体チップの寸法とほぼ同じサイズでパッケージングされることが求められている。
このような課題に対し、ダイシング工程までに、フィルム状接着剤とダイシングテープを貼付け、これをさらに半導体ウエハ裏面に貼付けるという2つの貼付工程を要することなく、基材フィルム上に粘着剤層と接着剤層が順次この順で設けられたダイシングダイボンドシートをウエハに貼り付け、ダイシングを行い、その後接着剤層をウエハ側に残して、接着剤付きの素子小片を得る技術が提案されている(特許文献2)。
特開2002−343747号公報 WO2005/088700公報
本発明者等は、レーザーダイシングにより半導体チップを得る方法につき、鋭意検討した。レーザーを半導体ウエハに照射し半導体チップを得るに際し、半導体ウエハよりやや大きめの中空部を有するリングフレームにダイシングテープを貼合し、半導体ウエハの切断が行われるが、そのときダイシングテープは半導体ウエハ貼合面とは反対側の基材フィルム側から吸着テーブルによりダイシングテープは保持されることになる。その際レーザー照射により熱が発生し、その熱により吸着テーブルにダイシングテープの基材フィルムが融着し、うまく剥離できないという課題があることがわかった。
本発明はそのような課題に鑑みてなされたものであって、レーザーダイシングにより半導体ウエハを半導体チップに切断した後に吸着テーブルから問題なく剥離できるレーザーダイシング用ダイシングテープを提供するものである。
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討した結果、以下のダイシングテープがその目的に適合することを見出した。
すなわち本発明は、
(1)基材フィルム上に粘接着剤層が設けられたレーザーダイシング用ダイシングテープであって、少なくとも前記基材フィルムの最外層が、ポリプロピレン樹脂を含有する樹脂組成物からなることを特徴とするレーザーダイシンング用ダイシングテープ、
(2)基材フィルム上に粘接着剤層が設けられたレーザーダイシング用ダイシングテープであって、少なくとも前記基材フィルムの最外層が、ポリプロピレン樹脂と、ポリプロピレン樹脂に対し相分離構造を形成する樹脂とからなることを特徴とするレーザーダイシンング用ダイシングテープ、
(3)前記ポリプロピレンに対し相分離構造を形成する樹脂がスチレン・ブタジエン共重合体であることを特徴とする(2)記載のレーザーダイシンング用ダイシングテープ、
(4)前記粘接着剤層は粘着剤層に接着剤層が積層されていることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1に記載のレーザーダイシンング用ダイシングテープ、
(5)前記粘着剤層が放射線硬化性であることを特徴とする(4)記載のレーザーダイシンング用ダイシングテープ、
を提供するものである。
本発明のレーザーダイシング用ダイシングテープは、少なくとも前記基材フィルムの最外層が、ポリプロピレン樹脂を含有する樹脂組成物、さらに好ましくはポリプロピレン樹脂と該ポリプロピレン樹脂に対し相分離構造を形成する樹脂とからなる樹脂組成物で形成されていることを特徴とするので、レーザー照射時に発生する熱により吸着チャックテーブルと基材フィルムが熱融着することがなく、ウエハをチップ状に分割個片化することができる。
本発明のレーザーダイシング用ダイシングテープは、少なくとも前記基材フィルムの最外層がポリプロピレン樹脂を含有する樹脂組成物、さらに好ましくはポリプロピレン樹脂と該ポリプロピレン樹脂に対し相分離構造を形成する樹脂とからなる樹脂組成物で形成されていることを特徴とする。以下、各層を構成する材料ごとに説明する。
(基材フィルム)
本発明のレーザーダイシング用ダイシングテープを構成する基材フィルムについて説明する。本発明においては、最外層を構成する基材フィルムはポリプロピレン樹脂を含有する樹脂組成物を使用することができる。さらに好ましくはポリプロピレン樹脂と、このポリプロピレン樹脂に対し相分離構造を形成する他の樹脂を加えることにもできる。このような相分離構造を有することにより、ポリプロピレンの性能を損なうことなく耐熱性を保持することができ、レーザー照射時に発生する熱により吸着チャックテーブルと基材フィルムが熱融着することがなく、ウエハをチップ状に分割個片化することができる。
ポリプロピレン樹脂としては特に制限されることはないが、ランダム共重合体を好ましく使用することができ、ポリプロピレン樹脂に対し相分離構造を形成する他の樹脂としては、スチレン・ブタジエン共重合体を使用することができる。本発明において相分離構造を形成するとは、一方を連続相とし、他方を分散相とすることが観察されることをいい、その状態は従来公知の方法により、例えば透過電子顕微鏡(TEM)により観察されることをいう。ポリプロピレン樹脂のランダム共重合体にスチレン・ブタジエン共重合体を配合し、溶融混練することにより得られる樹脂組成物は、ポリプロピレン樹脂とスチレン・ブタジエン共重合体の配合比により、一方を連続相とし他方が分散相とされる。その場合、レーザーダイシング時の条件により、その配合比を適宜選択して最適な樹脂組成物とすることができる。
本発明においては、最外層を構成する樹脂組成物としてはポリプロピレン樹脂を含有する樹脂組成物であればよく、例えば基材フィルムが多層構造の積層体である場合において最外層以外の層を他の樹脂組成物で構成することができる。本発明のダイシングテープはレーザーダイシングに使用することができるテープであるので、照射されたレーザーのエネルギーがテープ内部に蓄積されることなく、基材フィルムを透過することが必要である。
そのためには、基材フィルムと後述の粘着剤層の355nmにおける光透過率が80%以上であることが好ましい。
このような観点から例えばポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマーなどのα−オレフィンの単独重合体または共重合体あるいはこれらの混合物、ポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテンもしくはペンテン系共重合体、ポリアミド−ポリオール共重合体等の熱可塑性エラストマー、およびこれらの混合物を列挙することができる。もちろんポリプロピレン樹脂を使用してもよい。また、これらを複層にしたものを使用してもよい。
さらには基材フィルムの表面には、粘着剤層との接着性を向上させるためにコロナ処理、あるいはプライマー層を設ける等の処理を適宜施してもよい。基材フィルムの厚みは、強伸度特性、放射線透過性の観点から通常30〜300μmが好ましい。
(粘接着剤層)
本発明のレーザーダイシング用ダイシングテープは基材フィルム上に粘接着剤層が形成されているが、本発明においては、粘接着剤層は1層で粘着剤としての機能と接着剤としての機能を有するものを含むと同時に、粘着剤としての機能のみを有するものを含むものとする。また基材フィルム側から順次、粘着剤層、接着剤層が形成されたものを含むものとする。したがって、本発明のレーザーダイシング用ダイシングテープは、単なるダイシングテープだけでなく、ダイシングダイボンドテープも含むものである。粘接着剤層は基材フィルム上に従来公知の方法により形成することができ、その一例として基材フィルム状に粘接着剤を塗工して製造することができる。
(粘着剤層)
本発明の粘着剤層に使用される材料は、従来より公知のアクリル系、ゴム系、ポリウレタン系、シリコーン系、ポリエステル系等の各種の粘着剤を適宜選択することができる。この中でも、特に粘着特性の制御の容易さの点で、アクリル系粘着剤が好ましく使用される。アクリル系粘着剤は、アクリル系共重合体を主成分とする粘着剤である。アクリル系共重合体は通常、炭素数が1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーを主モノマーとし、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の官能基を有するモノマーや、その他の共重合可能なモノマーを共重合してなる。
粘着剤層の厚さは、5〜30μmであることが好ましい。
粘着剤層は、紫外線をはじめとする放射線硬化性粘着剤から形成することもできる。紫外線硬化性の粘着剤としては、上記の粘着剤成分に紫外線硬化性成分及び光開始剤、更に前述のレーザー光線の吸収性付与剤を配合した組成物を挙げることができる。紫外線硬化性成分としては、分子内に重合性の二重結合を有する低分子化合物を挙げることができ、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、オリゴエステルアクリレート、ポリエステル型又はポリオール型のウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシ変性アクリレート等を用いることができる。
また、感圧接着剤成分のポリマー成分として、その側鎖に重合性の二重結合を持った官能基を結合させたポリマー成分を用いて、紫外線硬化性成分とすることもできる。このような光開始剤としては、ベンゾイン化合物、アセトフェノン化合物、アシルフォスフィンオキサイド化合物、チタノセン化合物、チオキサントン化合物、パーオキサイド化合物等の光開始剤、アミンやキノン等の光増感剤などを挙げることができ、具体的には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ジベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノンなどを例示することができる。
(接着剤層)
本発明のレーザーダイシング用ダイシングテープは、粘着剤層に接着剤層を積層して粘接着剤層を形成してもよい。
なお、ここで接着剤層とは半導体ウエハ等が貼合されダイシングされた後、チップをピックアップする際に、チップを基板やリードフレームに固定する際の接着剤として使用されるものである。接着剤層は、一般にダイシングダイボンドテープとして一般的に使用されるフィルム状接着剤を使用することができ、アクリル系接着剤、エポキシ樹脂/フェノール樹脂/アクリル樹脂のブレンド系接着剤等が好ましい。その厚さは適宜設定してよいが、5〜100μm程度が好ましい。
接着剤層を構成する樹脂組成物は、常温でウエハに貼合できダイシング加工できるような粘着性を有するとともに、ダイシング加工が終了した後に適宜熱可塑性フィルムから剥離でき、その後加熱することにより接着性が発現し、ダイボンド剤として作用するものである。この際の加熱は、特に制限するものではないが、好ましくは40〜100℃、より好ましくは60〜80℃でウエハに貼合され、その後好ましくは120〜160℃で加熱されてダイボンディングされる。
このような性能を発揮できる接着剤であれば、特に制限なく最外層である接着剤層として使用できる。エポキシ樹脂とともに放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有するエポキシ基含有共重合体を含有することが好ましい。放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有するエポキシ基含有共重合体としては、例えば放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有するグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートを例示することができる。
接着剤層には、炭素−炭素二重結合を有するエポキシ基含有アクリル共重合体(a)、エポキシ樹脂(b)の他にさらにフェノール樹脂(c)を含有する組成物とすることができる。以下それぞれの成分について説明する。
炭素−炭素二重結合を有するエポキシ基含有アクリル共重合体(a)に関しては、粘着剤層に用いられる化合物(A)と同様の方法で製造することができる。例えば、アクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステルなどの放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する単量体((1)−1)と、エポキシ基を官能基として有する単量体((1)−2)を共重合させて得られた化合物(1)と、カルボキシル基、環状酸無水物、アミノ基を有する化合物(2)との反応により得ることできる。また、炭素−炭素二重結合を有するエポキシ基含有アクリル共重合体(a)のTgとしては、常温でタックを持たせるために−50℃以上0℃以下であることが好ましい。
本発明において使用されるエポキシ樹脂(b)は、硬化して接着作用を呈するものであれば特に制限はないが、二官能基以上で、好ましくは分子量が5000未満、より好ましくは3000未満のエポキシ樹脂が使用できる。また、好ましくは分子量が500以上、より好ましくは800以上のエポキシ樹脂が使用できる。
このようなエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールのジグリシジリエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジリエーテル化物、フェノール類のジグリシジリエーテル化物、アルコール類のジグリシジルエーテル化物、及びこれらのアルキル置換体、ハロゲン化物、水素添加物などの二官能エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。また、多官能エポキシ樹脂や複素環含有エポキシ樹脂等、一般に知られているものを適用することもできる。これらは単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。さらに、特性を損なわない範囲でエポキシ樹脂以外の成分が不純物として含まれていてもよい。
より具体的には、例えば市販のものでは、エピコート807,エピコート815,エピコート825,エピコート827,エピコート828,エピコート834,エピコート1001,エピコート1002,エピコート1003,エピコート1055,エピコート1004,エピコート1004AF,エピコート1007,エピコート1009,エピコート1003F,エピコート1004F(以上、ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)、DER−330,DER−301,DER−361,DER−661,DER−662,DER−663U,DER−664,DER−664U,DER−667,DER−642U,DER−672U,DER−673MF,DER−668,DER−669(以上、ダウケミカル社製、商品名)、YD8125,YDF8170(以上、東都化成株式会社製、商品名)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、YDF−2004(東都化成株式会社製、商品名)等のビスフェノールF型エポキシ樹脂、エピコート152,エピコート154(以上、ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)、EPPN−201(日本化薬株式会社製、商品名)、DEN−438(ダウケミカル社製、商品名)等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、エピコート180S65(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)、アラルダイトECN1273,アラルダイトECN1280,アラルダイトECN1299(以上、チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名)、YDCN−701,YDCN−702,YDCN−703,YDCN−704(以上、東都化成株式会社製、商品名)、EOCN−102S,EOCN−103S,EOCN−104S,EOCN−1012,EOCN−1020,EOCN−1025,EOCN−1027(以上、日本化薬株式会社製、商品名)、ESCN−195X,ESCN−200L,ESCN−220(以上、住友化学工業株式会社製、商品名)等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポン1031S,エピコート1032H60,エピコート157S70(以上、ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)、アラルダイト0163(チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名)、デナコールEX−611,デナコールEX−614,デナコールEX−614B,デナコールEX−622,デナコールEX−512,デナコールEX−521,デナコールEX−421,デナコールEX−411,デナコールEX−321(以上、ナガセ化成株式会社製、商品名)、EPPN501H,EPPN502H(以上、日本化薬株式会社製、商品名)等の多官能エポキシ樹脂、エピコート604(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)、YH−434(東都化成株式会社製、商品名)、TETRAD−X,TETRAD−C(以上、三菱ガス化学株式会社製、商品名)、ELM−120(住友化学株式会社製、商品名)等のアミン型エポキシ樹脂、アラルダイトPT810(チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名)等の複素環含有エポキシ樹脂、ERL4234,ERL4299,ERL4221,ERL4206(以上、UCC社製、商品名)等の脂環式エポキシ樹脂などを使用することができ、これらは単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
また、本発明においては、耐熱性の観点から、室温で固体であり、環球式で測定した軟化点が50℃以上のエポキシ樹脂を使用することが好ましく、その使用量としては、エポキシ樹脂(b)全体の20質量%以上であることが好ましく、40質量%以上がより好ましく、60質量%以上が更に好ましい。例えば、市販品のものでは、YDCN−703,YDCN−704(以上、東都化成株式会社製、商品名)、エピコート1004,エピコート1007(以上、ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)等を挙げることができる。
分子量が600以上であり、軟化点が50℃以上であるエポキシ樹脂は、エポキシ基含有アクリル共重合体(a)との極性の差が大きく相溶しにくいことから、このようなエポキシ樹脂を使用することが好ましい。
また、本発明において、エポキシ樹脂(b)のエポキシ当量は、100〜2000g/eqであることが好ましく、150〜1000g/eqであることがより好ましく、150〜300g/eqであることがさらに好ましい。エポキシ当量が100g/eq未満であると、硬化物が脆く、接着性が低下する傾向があり、2000g/eqを超えると、Tgが低下し、耐熱性が悪化する傾向がある。
フェノール樹脂(c)としては、エポキシ樹脂の硬化剤として作用するものであれば特に制限は無いが、吸湿時の耐電食性に優れることから、ノボラック型あるいはレゾール型の樹脂を用いることが好ましい。水酸基当量は、好ましくは150〜400g/eq、より好ましくは180〜300g/eq、さらに好ましくは180〜250g/eqである。水酸基当量が150g/eq未満であると、吸水率が増大し、耐リフロー性が悪化する傾向があり、400g/eqを超えると、Tgが低下し、耐熱性が悪化する傾向がある。
そのようなフェノール樹脂の具体例として、例えば、次記一般式(I)で示されるフェノール樹脂が挙げられる。
Figure 2007335467
(式中、Rは、それぞれ、同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐アルキル基、環状アルキル基、アラルキル基、アルケニル基、水酸基、アリール基、又はハロゲン原子を表し、nは、1〜3の整数を表し、そしてmは、0〜50の整数を表す)
上記フェノール樹脂(c)は、耐湿性の観点から、85℃、85%RHの恒温恒湿槽に48時間投入後の吸水率が2重量%以下であることが好ましい。また、熱重量分析計(TGA)で測定した350℃での加熱重量減少率(昇温速度:5℃/min,雰囲気:窒素)が5重量%未満のものを使用することは、加熱加工時などにおいて揮発分が抑制されることで、耐熱性、耐湿性などの諸特性の信頼性が高くなり、また、加熱加工などの作業時の揮発分による機器の汚染を低減することができるために、好ましい。
式(I)で示される本発明のフェノール樹脂は、例えば、フェノール化合物と2価の連結基であるキシリレン化合物を、無触媒又は酸触媒の存在下に反応させて得ることができる。また市販品としては、例えば、ミレックスXLC−シリーズ,同XLシリーズ(以上、三井化学株式会社製、商品名)などを挙げることができる。
上記フェノール樹脂(c)とエポキシ樹脂(b)との配合量は、それぞれエポキシ当量と水酸基当量の当量比で0.70/0.30〜0.30/0.70となるのが好ましく、0.65/0.35〜0.35/0.65となるのがより好ましく、0.60/0.30〜0.30/0.60となるのがさらに好ましく、0.55/0.45〜0.45/0.55となるのが特に好ましい。配合比が上記範囲を超えると、接着剤にした際、硬化性に劣る可能性がある。
式(I)のフェノール樹脂の製造に用いられるフェノール化合物としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−エチルフェノール、p−エチルフェノール、o−n−プロピルフェノール、m−n−プロピルフェノール、p−n−プロピルフェノール、o−イソプロピルフェノール、m−イソプロピルフェノール、p−イソプロピルフェノール、o−n−ブチルフェノール、m−n−ブチルフェノール、p−n−ブチルフェノール、o−イソブチルフェノール、m−イソブチルフェノール、p−イソブチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、2,4−キシレノール、2,6−キシレノール、3,5−キシレノール、2,4,6−トリメチルフェノール、レゾルシン、カテコール、ハイドロキノン、4−メトキシフェノール、o−フェニルフェノール、m−フェニルフェノール、p−フェニルフェノール、p−シクロヘキシルフェノール、o−アリルフェノール、p−アリルフェノール、o−ベンジルフェノール、p−ベンジルフェノール、o−クロロフェノール、p−クロロフェノール、o−ブロモフェノール、p−ブロモフェノール、o−ヨードフェノール、p−ヨードフェノール、o−フルオロフェノール、m−フルオロフェノール、p−フルオロフェノール等が例示される。
これらのフェノール化合物は、単独用いてもよく、二種類以上を混合して用いてもよい。特に好ましくは、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等が挙げられる。
式(I)のフェノール樹脂の製造に用いられる2価の連結基であるキシリレン化合物としては、次に示すキシリレンジハライド、キシリレンジグリコール及びその誘導体が用いることができる。すなわち、α,α’−ジクロロ−p−キシレン、α,α’−ジクロロ−m−キシレン、α,α’−ジクロロ−o−キシレン、α,α’−ジブロモ−p−キシレン、α,α’−ジブロモ−m−キシレン、α,α’−ジブロモ−o−キシレン、α,α’−ジヨード−p−キシレン、α,α’−ジヨード−m−キシレン、α,α’−ジヨード−o−キシレン、α,α’−ジヒドロキシ−p−キシレン、α,α’−ジヒドロキシ−m−キシレン、α,α’−ジヒドロキシ−o−キシレン、α,α’−ジメトキシ−p−キシレン、α,α’−ジメトキシ−m−キシレン、α,α’−ジメトキシ−o−キシレン、α,α’−ジエトキシ−p−キシレン、α,α’−ジエトキシ−m−キシレン、α,α’−ジエトキシ−o−キシレン、α,α’−ジ−n−プロポキシ−p−キシレン、α,α’−n−プロポキシ−m−キシレン、α,α’−ジ−n−プロポキシ−o−キシレン、α,α′−ジ−イソプロポキシ−p−キシレン、α,α’−ジイソプロポキシ−m−キシレン、α,α’−ジイソプロポキシ−o−キシレン、α,α’−ジ−n−ブトキシ−p−キシレン、α,α’−ジ−n−ブトキシ−m−キシレン、α,α’−ジ−n−ブトキシ−o−キシレン、α,α’−ジイソブトキシ−p−キシレン、α,α’−ジイソブトキシ−m−キシレン、α,α’−ジイソブトキシ−o−キシレン、α,α’−ジ−tert−ブトキシ−p−キシレン、α,α’−ジ−tert−ブトキシ−m−キシレン、α,α’−ジ−tert−ブトキシ−o−キシレンを挙げることができ、中でも好ましいのはα,α’−ジクロロ−p−キシレン、α,α’−ジクロロ−m−キシレン、α,α’−ジクロロ−o−キシレン、α,α’−ジヒドロキシ−p−キシレン、α,α’−ジヒドロキシ−m−キシレン、α,α’−ジヒドロキシ−o−キシレン、α,α’−ジメトキシ−p−キシレン、α,α’−ジメトキシ−m−キシレン、α,α’−ジメトキシ−o−キシレンであり、これらは単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
上記したフェノール化合物とキシリレン化合物を反応させる際には、塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸等の鉱酸類;ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等の有機カルボン酸類;トリフロロメタンスルホン酸等の超強酸類;アルカンスルホン酸型イオン交換樹脂のような、強酸性イオン交換樹脂類;パーフルオロアルカンスルホン酸型イオン交換樹脂のような、超強酸性イオン交換樹脂類(商品名:ナフィオン、Nafion、Du Pont社製);天然及び合成ゼオライト類;活性白土(酸性白土)類等の酸性触媒を用い、50〜250℃において実質的に原料であるキシリレン化合物が消失し、且つ反応組成が一定になるまで反応させる。反応時間は原料や反応温度にもよるが、おおむね1時間〜15時間程度であり、実際には、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)等により反応組成を追跡しながら決定すればよい。
尚、例外的に、α,α’−ジクロロ−p−キシレンのようなハロゲノキシレン誘導体を用いる場合は、対応するハロゲン化水素ガスを生じながら無触媒にて反応が進行するため、酸触媒は必要としない。その他の場合は、酸触媒の存在下において反応が進行し、対応する水又はアルコールが生じる。
尚、フェノール化合物とキシリレン化合物との反応モル比は通常フェノール化合物を過剰に用い、反応後、未反応フェノール化合物を回収する。この時フェノール化合物の量により平均分子量が決定し、フェノール化合物がより多く過剰にあるほど平均分子量の低いフェノール樹脂が得られる。尚、フェノール化合物部分がアリルフェノールであるフェノール樹脂は、例えば、アリル化されていないフェノール樹脂を製造し、これにアリルハライドを反応させ、アリルエーテルを経て、クライゼン転移によりアリル化する方法により得ることができる。
本発明では、更に、フィラー(d)及び硬化促進剤(e)を添加することもできる。フィラー(d)としては、具体的には無機フィラー及び有機フィラーが挙げられるが、その取り扱い性向上、熱伝導性向上、溶融粘度の調整及びチキソトロピック性付与などのために、無機フィラーを添加することが好ましい。
無機フィラーとしては特に制限が無く、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ほう酸アルミウイスカ、窒化ほう素、結晶質シリカ、非晶質シリカなどが挙げられる。これらは、1種又は2種以上を併用することもできる。熱伝導性向上のためには、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ほう素、結晶性シリカ、非晶性シリカ等が好ましい。特性のバランスの観点ではシリカが好ましい。
本発明においては、レーザーダイシング時に照射されるレーザー光線のエネルギーは、接着剤層で吸収されるとともに接着剤層の熱可塑性フィルム界面近くまで伝達され、接着剤層が素子小片に合わせて切断されることが必要である。そのようにするためには、前記のフィラー含有量で調整することができるのが好ましく、その含有量は質量%で5〜40質量%とするのが好ましい。
フィラーの(d)の平均粒径は、0.005〜0.1μmであることが好ましく、0.008〜0.05μmであることがより好ましく、0.01〜0.03μmであることがさらに好ましい。フィラーの平均粒径が0.005μm未満であると被着体へのぬれ性が低下し、接着性が低下する傾向があり、0.1μmを超えるとフィラー添加による補強効果が小さくなり、耐熱性が低下する傾向がある。なお、本発明において、平均粒径とは、TEM、SEM等により測定したフィラー100個の粒径から求められる平均値をいう。
上記フィラーの具体例としては、シリカはシーアイ化成株式会社からナノテックSiO2(接触角:43度、平均粒径:0.012μm)という商品名で、或いは日本アエロジル株式会社からアエロジルR972(平均粒径:0.016μm)という商品名で市販されている。アルミナは、シーアイ化成株式会社からナノテックAl2O3(接触角:55度、平均粒径:0.033μm)という商品名で市販されている。三酸化二アンチモンは日本精鉱株式会社からPATOX−U(接触角:43度、平均粒径:0.02μm)という商品名で市販されている。
本発明の接着剤に使用される硬化促進剤(e)としては、特に制限が無く、例えば、第三級アミン、イミダゾール類、第四級アンモニウム塩などを用いることができる。本発明において好ましく使用されるイミダゾール類としては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を併用することもできる。イミダゾール類は、例えば、四国化成工業(株)から、2E4MZ、2PZ−CN、2PZ−CNSという商品名で市販されている。
硬化促進剤(e)の配合量は、エポキシ樹脂(b)及びフェノール樹脂(c)との総量に対して0.01〜5質量%とすることが好ましく、0.05〜3質量%とすることがより好ましく、更には0.2〜3質量%とすることがより好ましい。硬化促進剤の配合量が0.01質量%未満であると、エポキシ樹脂の架橋が不充分であり、耐熱性が低下する傾向があり、5質量%を超えると、保存安定性が低下し、ポットライフが不充分となる傾向がある。
また、本発明の接着剤組成物には、異種材料間の界面結合を良くするために、更に、各種カップリング剤を添加することもできる。カップリング剤としては、シラン系、チタン系、アルミニウム系などが挙げられるが、シラン系カップリング剤が最も好ましい。カップリング剤の添加量は、その効果や耐熱性およびコストから、樹脂の合計100質量部に対し、0〜10質量部とするのが好ましい。
また、この接着剤層を紫外線照射によって硬化させて熱可塑性フィルム層から剥離する場合には必要に応じて、光重合開始剤、例えばイソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等を使用することができる。粘接着剤層にアクリル系共重合体を使用した粘着剤を用いた場合、これら光重合開始剤の配合量はアクリル系共重合体100質量部に対して0.01〜5質量部が好ましい。
以上のような樹脂の他、接着剤層に使用される樹脂は適宜選択することができ、ポリイミド系樹脂やシリコーン系樹脂を使用することができる。
本発明のレーザーダイシング用ダイシングテープにおいて接着剤層は予め接着剤層がフィルム化されたもの(以下、接着フィルムと言う。)を、前述の粘着剤層にラミネートして形成してもよい。ラミネート時の温度は10〜100℃の範囲で、0.1〜100kgf/cmの線圧をかけることが好ましい。
なお、接着剤フィルムはセパレータ上に形成されたものを用い、ラミネート後にセパレータを剥離してもよく、あるいは、そのままレーザーダイシング用ダイシングテープのカバーフィルムとして使用し、ウエハ等を貼合する際に剥離してもよい。また、接着フィルムは、予め貼合されるウエハに応じた形状に切断された(プリカットされた)接着フィルムを積層してもよい。
ウエハに応じた接着フィルムを積層した場合、本発明のレーザーダイシング用ダイシングテープの使用時において、ウエハが貼合される部分には接着剤層が有り、ダイシング用のリングフレームが貼合される部分には接着剤層がなく、粘着剤層に貼合されて使用される。一般に接着剤層は被着体と剥離しにくいため、リングフレーム等に糊残りを生じやすい。プリカットされた接着剤フィルムを使用することで、リングフレームは粘着剤層に貼合することができ、使用後のテープ剥離時にリングフレームへの糊残りを生じにくいという効果が得られる。
次に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明する。
(接着剤層付き離型フィルムの作製)
エポキシ樹脂としてYDCN−703(東都化成(株)製商品名、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量210、分子量1200、軟化点80℃)55質量部、フェノール樹脂としてミレックスXLC−LL(三井化学(株)製商品名、式(I)で表されるフェノール樹脂、水酸基当量175、吸水率1.8%、350℃における加熱質量減少率4%)45質量部、シランカップリング剤としてNUC A−189(日本ユニカー(株)製商品名、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)1.7質量部とNUC A−1160(日本ユニカー(株)製商品名、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン)3.2質量部、フィラーとしてアエロジルR972(シリカ表面にジメチルジクロロシランを被覆し、400℃の反応器中で加水分解させた、メチル基などの有機基を表面に有するフィラー、日本アエロジル(株)製商品名、シリカ、平均粒径0.016μm)32質量部からなる組成物に、シクロヘキサノンを加えて攪拌混合し、更にビーズミルを用いて90分混練した。
これにグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレート3質量%を含むアクリルゴムHTR−860P−3(ナガセケムテックス(株)製商品名、質量平均分子量80万)を280質量部、及び硬化促進剤としてキュアゾール2PZ−CN(四国化成(株)製商品名、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール)0.5質量部加え、攪拌混合し、真空脱気し、ワニスを得た。
ワニスを厚さ35μmの離型処理したフィルム上に塗布し、140℃で5分間加熱乾燥して、塗膜を形成し、接着剤層の厚さが40μmの接着剤層付き離型フィルムを作製した。
(レーザーダイシング用ダイシングテープの作製)
(実施例1)
まず、放射線硬化性炭素−炭素二重結合および官能基を有する化合物(A0)として、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートおよびメチルメタクリレートからなり、質量平均分子量70万、ガラス転移温度−64℃、放射線硬化性炭素−炭素二重結合量0.9meq/gを有する共重合体化合物を作製した。この化合物(A0)100質量部に対して、硬化剤としてポリイソシアネート化合物コロネートL(日本ポリウレタン株式会社製、商品名)3質量部を加え、さらに光重合開始剤としてイルガキュア184(日本チバガイギー株式会社製、商品名)5質量部を加えることにより、放射線硬化性の粘着剤組成物(A1)を得た。
次に基材フィルムとして、ポリプロピレン樹脂(ランダム共重合体、出光石油化学株式会社製、商品名F−300P)80質量%と水素添加したスチレン・ブタジエン共重合体(JSR株式会社製、商品名ダイナロン1320P)20質量%とからなる樹脂組成物を用いて、厚さ100μmのフィルムを用意した。この樹脂組成物について予め透過電子顕微鏡(TEM)により観察したところ、ポリプロピレン樹脂を連続相とし、水素添加したスチレン・ブタジエン共重合体を分散相とする相分離構造を示していた。このフィルムに上記のアクリル系粘着剤組成物(A1)を乾燥後の厚さが10μmとなるように、粘着剤層を形成しレーザーダイシング用ダイシングテープを得た。
次にこの粘着剤層(A1)に、前記の通り作製した接着剤層付き離型フィルムの接着剤層を貼合し、基材フィルムに粘着剤層、次いで接着剤層が形成されたレーザーダイシング用ダイシングテープを得た。
(実施例2)
基材フィルム上に粘着剤層を設けたのみで接着剤層を設けない以外は実施例1と同様にして、レーザーダイシング用ダイシングテープを得た。
(比較例1)
基材フィルムとして、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂フィルムを使用した以外は実施例2と同様にして、レーザーダイシング用ダイシングテープを得た。
(比較例2)
基材フィルムとして、エチレンメタクリル酸共重合樹脂フィルムを使用した以外は実施例2と同様にして、レーザーダイシング用ダイシングテープを得た。
(比較例3)
基材フィルムとして、アイオノマー樹脂フィルムを使用した以外は実施例2と同様にして、レーザーダイシング用ダイシングテープを得た。
(評価)
上記のダイシングテープから、以下の項目の評価を行った。その結果を表1に示す。
レーザーダイシング用ダイシングテープを、レーザーダイシング装置を用いて、355nmのレーザーを照射して3回の照射によりダイシングを行った。その後吸着チャックテーブルとダイシングテープ面すなわち基材フィルム最外層との貼り付きが生じているかを確認した。
Figure 2007335467
表1に示した結果から明らかなように、基材フィルムの最外層がポリプロピレン樹脂を含有する樹脂組成物からなるレーザーダイシング用ダイシングテープを使用した、実施例1および実施例2の場合には、レーザーダイシングを行った際の吸着チャックテーブルに基材フィルム最外層との貼り付きが生じることなく、ウエハをチップ状に分割個片化することができた。それに対し、基材フィルムの最外層にポリプロピレン樹脂を含有しない樹脂組成物を使用したレーザーダイシング用ダイシングテープを使用した、比較例1〜3の場合には、吸着チャックテーブルに基材フィルム最外層との貼り付きが生じた。

Claims (5)

  1. 基材フィルム上に粘接着剤層が設けられたレーザーダイシング用ダイシングテープであって、少なくとも前記基材フィルムの最外層が、ポリプロピレン樹脂を含有する樹脂組成物からなることを特徴とするレーザーダイシンング用ダイシングテープ。
  2. 基材フィルム上に粘接着剤層が設けられたレーザーダイシング用ダイシングテープであって、少なくとも前記基材フィルムの最外層が、ポリプロピレン樹脂と、ポリプロピレンに対し相分離構造を形成する樹脂とからなることを特徴とするレーザーダイシンング用ダイシングテープ。
  3. 前記ポリプロピレンに対し相分離構造を形成する樹脂がスチレン・ブタジエン共重合体であることを特徴とする請求項2記載のレーザーダイシンング用ダイシングテープ。
  4. 前記粘接着剤層は粘着剤層に接着剤層が積層されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載のレーザーダイシンング用ダイシングテープ。
  5. 前記粘着剤層が放射線硬化性であることを特徴とする請求項4記載のレーザーダイシンング用ダイシングテープ。
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