JP4875402B2 - レーザーダイシング用ダイシングダイボンドシート - Google Patents
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Description
更に、このチッピングはウェハの厚さが薄くなると発生しやすくなる傾向にあり、また、小チップではチッピングの許容レベルも厳しくなる。したがって、前述のように半導体チップの薄膜化・小チップの傾向がますます進むことにより、このチッピングの問題は今後より一層深刻化してくるものと容易に推測される。
このような課題に対し、ダイシング工程までに、フィルム状接着剤とダイシングテープを貼付け、これをさらに半導体ウエハ裏面に貼付けるという2つの貼付工程を要することなく、基材フィルム上に粘着剤層と接着剤層が順次この順で設けられたダイシングダイボンドシートを作製し、これをウエハに貼り付け、ダイシングを行い、その後接着剤層をウエハ側に残して、接着剤付きの素子小片を得る技術が提案されている(特許文献1)。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、レーザーダイシングによりウエハを切断しても剥離できるレーザーダイシング用ダイシングダイボンドシートを提供するものである。
その目的に適合することを見出した。
すなわち本発明は、
(1)基材フィルム上に、粘着剤層およびウエハ固定用接着剤層が順次積層されたレーザ
ーダイシング用ダイシングダイボンドシートであって、前記粘着剤層は、アクリル系の粘
着剤が2層以上積層されてなり、上記ウエハ固定用接着剤層は、ウエハが貼り付けられた
状態でレーザーダイシング装置のレーザー光が照射されて切断するためのもので、さらに
、接着剤として使用するために裏面に当該ウエハ固定用接着剤層を残したままダイシング
された上記ウエハと一緒に上記粘着剤層から剥離させるものであり、上記粘着剤層は上記
レーザーが照射された場合、当該レーザーを散乱反射させることを特徴とするレーザーダ
イシング用ダイシングダイボンドシート。
を提供するものである。
(基材フィルム)
本発明のレーザーダイシング用ダイシングダイボンドシートを構成する基材フィルムについて説明する。本発明においては、被加工物であるウエハを保持できる機能を有するものであれば特に制限なく使用することができるが、レーザーダイシングを行う際に照射されるレーザー光により切断されることのないよう、レーザー光の透過率の高いものが好ましい。
本発明のレーザーダイシング用ダイシングダイボンドシートは基材フィルム上に粘着剤層が形成されるが、該粘着剤層は従来公知の方法により適宜基材フィルム上に粘着剤を形成して製造することができ、例えば、基材フィルム上に塗工して製造することができる。本発明においては、粘着剤層側から光を照射したときに、波長355nmにおける拡散反射率が10%以上とされる。そのような特性を有するものであれば特に制限なく使用することができるが、例えば、粘着剤層を少なくとも2層以上で積層することで達成することができる。その場合、積層する材料は同種材料でもよく、異種材料でも、適宜選択することにより達成することができる。
またその他粘着剤層にビーズ粒子やフレーク形状を有する添加剤を配合することにより、粘着剤層側から光を照射したときに、波長355nmにおける拡散反射率が10%以上とすることができる。
なお本発明においては、粘着剤層側から光を照射したときの波長355nmにおける拡散反射率は、例えば、粘着剤層に予め貼合されるウエハに応じた形状に切断された(プリカットされた)接着フィルムを積層するとともに、ダイシング用のリングフレームが貼合される部分には接着剤層がない部分を有するレーザーダイシング用ダイシングダイボンドシートの場合には、その接着剤層がない部分で、粘着剤層側から光を照射することによって得られる。すなわち粘着剤層側から光を照射したときの波長355nmにおける拡散反射率は、接着剤層のない粘着剤層に直接照射した場合の拡散反射率である。
本発明においては、積層構造からなる粘着剤層の波長355nmでの全光線透過率が80%以上とするのが好ましい。本発明においては、ダイシング加工後、粘着剤層とウエハ固定用接着剤層の間で剥離される。
粘着剤層の厚さは、5〜30μmであることが好ましい。
本発明のレーザーダイシング用ダイシングダイボンドシートは、粘着剤層に接着剤層が積層される。以下、ウエハ固定用接着剤層を単に、接着剤層ともいう。
なお、ここで接着剤層とは半導体ウエハ等が貼合されダイシングされた後、チップをピックアップする際に、チップに付着しており、チップを基板やリードフレームに固定する際の接着剤として使用されるものである。接着剤層は、ダイシングダイボンドシートに一般的に使用されるフィルム状接着剤を使用することができ、アクリル系粘接着剤、エポキシ樹脂/フェノール樹脂/アクリル樹脂のブレンド系粘接着剤等を好ましく使用することができる。その厚さは適宜設定してよいが、5〜100μm程度が好ましい。
接着剤層を構成する樹脂組成物は、常温でウエハに貼合できダイシング加工できるような粘着性を有するとともに、ダイシング加工が終了した後に粘着剤層から剥離でき、その後加熱することにより接着性が発現し、ダイボンド剤として作用するものである。この際の加熱は、特に制限するものではないが、好ましくは40〜100℃、より好ましくは60〜80℃で行う。
このような性能を発揮できる接着剤であれば、特に制限なく最外層である接着剤層として使用できる。エポキシ樹脂とともに放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有するエポキシ基含有共重合体を含有することが好ましい。放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有するエポキシ基含有共重合体としては、例えば放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有するグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートを例示することができる。
本発明においては、レーザーダイシング時に照射されるレーザー光線のエネルギーは、接着剤層で吸収されるとともに接着剤層の熱可塑性フィルム界面近くまで伝達され、接着剤層が素子小片に合わせて切断されることが必要である。そのようにするためには、前記のフィラー含有量で調整することができるのが好ましく、その含有量は重量%で5〜40質量%とするのが好ましい。
接着剤層の355nmにおける光透過率は80%以下とすることが好ましい。
また、接着フィルムは、予め貼合されるウエハに応じた形状に切断された(プリカットされた)接着フィルムを積層してもよい。ウエハに応じた接着フィルムを積層した場合、本発明のレーザーダイシング用ダイシングダイボンドシートの使用時において、ウエハが貼合される部分には接着剤層が有り、ダイシング用のリングフレームが貼合される部分には接着剤層がなく、粘着剤層に貼合されて使用される。一般に接着剤層は被着体と剥離しにくいため、リングフレーム等に糊残りを生じやすい。プリカットされた接着剤フィルムを使用することで、リングフレームは粘着剤層に貼合することができ、使用後のテープ剥離時にリングフレームへの糊残りを生じにくいという効果が得られる。
(ウエハ固定用接着剤層付き離型フィルムの作製)
エポキシ樹脂としてYDCN−703(東都化成(株)製商品名、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量210、分子量1200、軟化点80℃)55質量部、フェノール樹脂としてミレックスXLC−LL(三井化学(株)製商品名、式(I)で表されるフェノール樹脂、水酸基当量175、吸水率1.8%、350℃における加熱重量減少率4%)45質量部、シランカップリング剤としてNUC A−189(日本ユニカー(株)製商品名、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)1.7質量部とNUC A−1160(日本ユニカー(株)製商品名、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン)3.2質量部、フィラーとしてアエロジルR972(シリカ表面にジメチルジクロロシランを被覆し、400℃の反応器中で加水分解させた、メチル基などの有機基を表面に有するフィラー、日本アエロジル(株)製商品名、シリカ、平均粒径0.016μm)32質量部からなる組成物に、シクロヘキサノンを加えて攪拌混合し、更にビーズミルを用いて90分混練した。
(実施例1)
まず、放射線硬化性炭素−炭素二重結合および官能基を有する化合物(A0)として、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートおよびメチルメタクリレートからなり、質量平均分子量70万、ガラス転移温度−64℃、放射線硬化性炭素−炭素二重結合量0.9meq/gを有する共重合体化合物を作製した。この化合物(A0)100質量部に対して、硬化剤としてポリイソシアネート化合物コロネートL(日本ポリウレタン株式会社製、商品名)3質量部を加え、さらに光重合開始剤としてイルガキュア184(日本チバガイギー株式会社製、商品名)5質量部を加えることにより、放射線硬化性の粘着剤組成物(A1)を得た。
次に基材フィルムとして、厚さ100μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムを用意し、このフィルムに上記のアクリル系粘着剤組成物(B1)を乾燥後の厚さが10μmとなるように、粘着剤層1を形成した。これとは別に離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムに上記の放射線硬化性の粘着剤組成物(A1)を乾燥後の厚さが10μmとなるように形成し、(A1)の粘着面と(B1)の粘着面を貼合して、基材フィルム上に粘着剤層1として(B1)、次いで粘着剤層2として(A1)が形成されたシートを得た。さらに(A1)の粘着面に、予め作製しておいた上記の接着剤層の厚さが40μmの接着剤層付き離型フィルムを貼合し、離型フィルムが積層されたレーザーダイシング用ダイシングダイボンドシートを得た。
基材フィルムとして、厚さ100μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムを用意し、このフィルムに上記の(A1)を乾燥後の厚さが10μmとなるように、粘着剤層を形成し、基材フィルムに粘着剤層(A1)が形成されたシートを得た。さらに実施例と同様、この粘着面に、予め作製しておいた接着剤層付き離型フィルムを貼合し、レーザーダイシング用ダイシングダイボンドシートを得た。
上記の離型フィルムが積層されたレーザーダイシング用ダイシングダイボンドシートから、離型フィルムを剥がし、以下の項目の評価を行った。その結果を表1に示す。
粘着剤層の355nmにおける光透過率は、粘着剤層単独で波長355nmでの全光線透過率を透過率測定器(島津製作所製、商品名:UV3101PC&MPC−3100)を使用してN=5で測定し平均値を求めた。同様にウエハ固定用接着剤層の355nmにおける光透過率を測定し、その平均値を355nmにおける光透過率とした。また基材フィルムに粘着剤層1および粘着剤層2が形成された層の355nmにおける拡散反射率は、粘着層側の拡散反射率を測定器(島津製作所製、商品名:UV3101PC&MPC−3100)を使用してN=5で測定し平均値を求めた。
厚さ50μmのウエハ裏面にレーザーダイシング用ダイシングダイボンドシートを70℃で10秒で加熱貼合した後、レーザーダイシング装置を用いて、355nmのレーザーを照射して2段階の照射によりダイシングを行った。1回目の照射によりウエハを切断し、2回目の照射によりレーザーダイシング用ダイシングダイボンドシートのウエハ固定用接着剤層を切断した。
Claims (1)
- 基材フィルム上に、粘着剤層およびウエハ固定用接着剤層が順次積層されたレーザーダ
イシング用ダイシングダイボンドシートであって、
前記粘着剤層は、アクリル系の粘着剤が2層以上積層されてなり、
上記ウエハ固定用接着剤層は、ウエハが貼り付けられた状態でレーザーダイシング装置
のレーザー光が照射されて切断するためのもので、さらに、接着剤として使用するために
裏面に当該ウエハ固定用接着剤層を残したままダイシングされた上記ウエハと一緒に上記
粘着剤層から剥離させるものであり、
上記粘着剤層は上記レーザーが照射された場合、当該レーザーを散乱反射させる
ことを特徴とするレーザーダイシング用ダイシングダイボンドシート。
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