JP2007309338A - 十字軸継手及び車両用操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】軸受カップの内周にあるニードルローラを十字軸の軸部に外嵌させる際に、当該軸部の先端側外周面に傷が付いた場合であっても、この傷による性能の低下及び耐久性の低下を防止できる十字軸継手を提供する。
【解決手段】十字軸1の軸部3の外周面3aのうち軸方向中間部を転走する複数のニードルローラ6と、これらニードルローラ6に外嵌し当該ニードルローラ6の軌道面を内周に有する有底円筒状の軸受カップ5とを備えている。軸受カップ5は、前記軌道面よりも径方向内側に規制部7を有している。規制部7は、ニードルローラ6の軸部先端側への移動を規制して当該ニードルローラ6が軸部先端側の外周面を転走することを防止する。
【選択図】 図2
【解決手段】十字軸1の軸部3の外周面3aのうち軸方向中間部を転走する複数のニードルローラ6と、これらニードルローラ6に外嵌し当該ニードルローラ6の軌道面を内周に有する有底円筒状の軸受カップ5とを備えている。軸受カップ5は、前記軌道面よりも径方向内側に規制部7を有している。規制部7は、ニードルローラ6の軸部先端側への移動を規制して当該ニードルローラ6が軸部先端側の外周面を転走することを防止する。
【選択図】 図2
Description
この発明は、十字軸継手、及び、この十字軸継手を備えた車両用操舵装置に関する。
例えば自動車の操舵装置において、コラムシャフトとステアリングシャフトとを繋ぐために、胴体部の側周面から四方へ突出した四つの軸部を有する十字軸と、前記軸部の外周面を転走する複数の転動体と、これら複数の転動体に外嵌した有底円筒状の軸受カップとを有した十字軸継手が用いられている。前記各シャフトの端部には一対の対向するヨークが設けられており、各ヨークに形成した軸受孔に、内周に複数の転動体を配列した軸受カップを介して、十字軸の軸部がその軸線回りに回動自在に支持されている。
このような十字軸継手を備えた継手構造において伝達トルクが大きくなると、転動体において滑りが生じトルク伝達不良によるガタツキが発生したり、脈動が発生したりする。
そこでこれを解決するために、例えば特許文献1に示しているように、従来では転動体と十字軸の軸部との間を締り嵌め状態とした構造が提案されている。
このような十字軸継手を備えた継手構造において伝達トルクが大きくなると、転動体において滑りが生じトルク伝達不良によるガタツキが発生したり、脈動が発生したりする。
そこでこれを解決するために、例えば特許文献1に示しているように、従来では転動体と十字軸の軸部との間を締り嵌め状態とした構造が提案されている。
特許文献1の十字軸継手を備えた継手構造の組み立ては、図5(a)に示しているように、ヨーク41の軸受孔42に十字軸43の軸部44を挿入した状態で、この軸部44の軸線方向の外側から、内周に複数の転動体45を配列した軸受カップ46を軸部44に接近させ、軸受カップ46を軸受孔42に圧入しながら当該軸受カップ46内の転動体45を軸部44の先端部から外嵌させることで行う。これにより軸受カップ46が縮径することで転動体45と軸部44とが圧接した状態、つまり、前記締り嵌め状態としている。
しかし、軸受カップ46内の転動体45を軸部44に外嵌させる際に、軸受カップ46は軸受孔42への圧入によって縮径するため、その軸受カップ46の内周にある転動体45と、軸部44の先端の角部47とが強く接触し、軸部44の先端側外周面44aにおいて傷(圧痕)が付いたり変形したりするなど損傷するおそれがある。特に、転動体45が軸部44の先端に接触する嵌合初期において、転動体45と軸部44との接触面圧が大きいので当該軸部44の先端側外周面44aに傷が付きやすい。そして、従来では、図5(b)に示しているように、軸部44の先端側外周面44aを含む外周面が転動体45の軌道面となるため、先端側外周面44aに傷などが生じ、この上を転動体45が転走すると、十字軸継手の性能及び耐久性を低下させてしまい、また、操舵装置における操舵感を悪化させるおそれがある。
しかし、軸受カップ46内の転動体45を軸部44に外嵌させる際に、軸受カップ46は軸受孔42への圧入によって縮径するため、その軸受カップ46の内周にある転動体45と、軸部44の先端の角部47とが強く接触し、軸部44の先端側外周面44aにおいて傷(圧痕)が付いたり変形したりするなど損傷するおそれがある。特に、転動体45が軸部44の先端に接触する嵌合初期において、転動体45と軸部44との接触面圧が大きいので当該軸部44の先端側外周面44aに傷が付きやすい。そして、従来では、図5(b)に示しているように、軸部44の先端側外周面44aを含む外周面が転動体45の軌道面となるため、先端側外周面44aに傷などが生じ、この上を転動体45が転走すると、十字軸継手の性能及び耐久性を低下させてしまい、また、操舵装置における操舵感を悪化させるおそれがある。
そこでこの発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、軸受カップの内周にある転動体を十字軸の軸部に外嵌させる際に、軸部先端側の外周面が損傷した場合であっても、この損傷による性能の低下及び耐久性の低下を防止できる構造を提供することを目的とする。
前記目的を達成するためのこの発明の十字軸継手は、胴体部の側周面から四方へ突出した四つの軸部を有する十字軸と、前記軸部の外周面のうち軸方向中間部を転走する複数の転動体と、前記複数の転動体に外嵌し当該転動体の軌道面を内周に有する有底円筒状の軸受カップとを備え、前記軸受カップは、前記軌道面よりも径方向内側に、前記転動体の軸部先端側への移動を規制して当該転動体が前記軸部先端側の外周面を転走することを防止する規制部を有しているものである。
これによれば、軸受カップの規制部は、十字軸の軸部の軸方向中間部を転走する転動体が軸部先端側へ移動することを規制でき、転動体が軸部先端側の外周面を転走することを防ぐことができる。したがって、転動体を十字軸の軸部に外嵌させる際に、軸部先端側の外周面が損傷した場合であっても、この損傷部分を転動体が転走することがなく、前記損傷による十字軸継手の性能の低下及び耐久性の低下を防止できる。
これによれば、軸受カップの規制部は、十字軸の軸部の軸方向中間部を転走する転動体が軸部先端側へ移動することを規制でき、転動体が軸部先端側の外周面を転走することを防ぐことができる。したがって、転動体を十字軸の軸部に外嵌させる際に、軸部先端側の外周面が損傷した場合であっても、この損傷部分を転動体が転走することがなく、前記損傷による十字軸継手の性能の低下及び耐久性の低下を防止できる。
また、前記十字軸継手において、前記規制部は、前記軸受カップの底部側を縮径して形成した段付き部であるのが好ましい。
これによれば、軸受カップの底部側を縮径させるだけで、前記規制部を得ることができ、規制部を簡単に構成できる。
これによれば、軸受カップの底部側を縮径させるだけで、前記規制部を得ることができ、規制部を簡単に構成できる。
また、この発明の車両用操舵装置は、ステアリングシャフトと、コラムシャフトと、前記ステアリングシャフトと前記コラムシャフトとを繋ぐための継手とを備え、前記継手が前記十字軸継手である。
これによれば、転動体を十字軸の軸部に外嵌させる際に、当該軸部の先端側外周面が損傷した場合であっても、この先端側外周面を転動体が転走することがなく、この損傷による性能の低下、耐久性の低下、及び、操舵感の悪化を防止できる。
これによれば、転動体を十字軸の軸部に外嵌させる際に、当該軸部の先端側外周面が損傷した場合であっても、この先端側外周面を転動体が転走することがなく、この損傷による性能の低下、耐久性の低下、及び、操舵感の悪化を防止できる。
この発明によれば、転動体を十字軸の軸部に外嵌させる際に、当該軸部の先端側外周面が損傷した場合であっても、軸受カップの規制部は、転動体が軸部の先端側外周面を転走することを防ぐことができるため、この損傷による性能の低下及び耐久性の低下を防止できる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1はこの発明の十字軸継手を備えた自在継手の実施の一形態を示す側面図であり、図2は図1のII−II断面における断面図である。この自在継手Jは、例えば自動車の操舵装置において、ステアリングシャフト31とコラムシャフト32とを繋ぐために用いることができる。図1の形態では、両シャフト31,32の間に中間シャフト33が介在し、この中間シャフト33とステアリングシャフト31とを端部において連結、及び、中間シャフト33とコラムシャフト32とを端部において連結するために、それぞれ十字軸継手10が設けられている。
図1はこの発明の十字軸継手を備えた自在継手の実施の一形態を示す側面図であり、図2は図1のII−II断面における断面図である。この自在継手Jは、例えば自動車の操舵装置において、ステアリングシャフト31とコラムシャフト32とを繋ぐために用いることができる。図1の形態では、両シャフト31,32の間に中間シャフト33が介在し、この中間シャフト33とステアリングシャフト31とを端部において連結、及び、中間シャフト33とコラムシャフト32とを端部において連結するために、それぞれ十字軸継手10が設けられている。
ステアリングシャフト31の端部には、一対の対向するヨーク21,22が設けられており、ヨーク21,22のそれぞれに軸線を同一とする軸受孔21a,22aが形成されている。一方、中間シャフト33の端部には、一対の対向するヨーク23,24が設けられており、ヨーク23,24のそれぞれに軸線を同一とする軸受孔23a,24aが形成されている。
前記十字軸継手10は、四つの軸部3を有する十字軸1と、前記軸部3に外嵌し外周面3aを転走する複数の転動体としてのニードルローラ6と、これら複数のニードルローラ6に外嵌した有底円筒状の軸受カップ5とを備えている。
そして、前記軸受孔21a,22a,23a,24aのそれぞれに、内周に複数のニードルローラ6を配列した有底円筒状の軸受カップ5を介して、十字軸1の各軸部3がその軸線回りに回動自在に支持されている。なお、中間シャフト33とコラムシャフト32との間における構造も同様であり、説明を省略する。
そして、前記軸受孔21a,22a,23a,24aのそれぞれに、内周に複数のニードルローラ6を配列した有底円筒状の軸受カップ5を介して、十字軸1の各軸部3がその軸線回りに回動自在に支持されている。なお、中間シャフト33とコラムシャフト32との間における構造も同様であり、説明を省略する。
図3は十字軸継手の断面図であり、前記ヨーク21における要部を示している。図2と図3において、胴体部2と、この胴体部2の側周面から四方へ突出した四つの軸部3とを有している十字軸1は鋼製であり、胴体部2と四つの軸部3とは鍛造により一体成形されている。なお、ニードルローラ6、及び、軸受カップ5は鋼製である。
軸受カップ5は、段付き形状の円筒部8aと、この円筒部8aの端部と連続している段付き形状の円板部8bとを有しており、軸方向一方側が開口した有底円筒状である。この軸受カップ5は、十字軸1への取り付け状態で、十字軸1の胴体部2側に向かって開口している。軸受カップ5の開口部には、径方向内側へ折り曲げ形成した内鍔部9がある。
軸受カップ5は、段付き形状の円筒部8aと、この円筒部8aの端部と連続している段付き形状の円板部8bとを有しており、軸方向一方側が開口した有底円筒状である。この軸受カップ5は、十字軸1への取り付け状態で、十字軸1の胴体部2側に向かって開口している。軸受カップ5の開口部には、径方向内側へ折り曲げ形成した内鍔部9がある。
ニードルローラ6は、軸受カップ5の円筒部8aの内周面に沿って複数配列されており、この円筒部8aの内周面のうちの一部がニードルローラ6の軌道面17となる。ニードルローラ6は、その軸線方向の長さを従来よりも短くしており、十字軸1の軸部3の外周面3aのうち先端側を除いて軸方向中間部15を転走する。
軸受カップ5は、円筒部8aにおいて、前記軌道面17よりも径方向内側にある規制部7を有している。なお、図3に示す規制部7は、軸受カップ5の底部側を縮径して形成している。具体的に説明すると、軸受カップ5の円筒部8aは、開口部側の大径筒部11と、底部側にあり前記大径筒部11よりも小径の小径筒部12と、大径筒部11と小径筒部12との間の径方向に延びる円環部13とを有している。そして、軸受カップ5の円筒部8aにおいて段付き形状としている円環部13を前記規制部7としている。このように、円筒部8aの形成の際に、底部側を大径筒部11よりも縮径させて小径筒部12を形成することで、規制部7を簡単に構成でき、製造工数の低減が可能となる。
大径筒部11は、その内周面をニードルローラ6の軌道面17としており、大径筒部11の内周面は、軸部3の外周面3aのうちの軸方向中間部15の径方向外側の位置に存在している。小径筒部12の内周面は、軸部3の先端側の外周面14よりも直径が大きく、この外周面14の径方向外側の位置に存在している。
規制部7は、各ニードルローラ6の軸部3の先端側(図3において右側)への移動を規制して、当該ニードルローラ6が軸部3の先端側の外周面14を転走することを防止している。すなわち、ニードルローラ6の軸方向外側の端面が規制部7(円環部13)に接触することで、ニードルローラ6は軸部3の先端側へ移動できず先端側の外周面14上を転走することがない。
さらに、ニードルローラ6は、軸受カップ5の円筒部8aの開口側にある前記内鍔部9によって、軸方向内側(十字軸1の胴体部2側)への移動が規制されており、前記規制部7と前記内鍔部9との間にニードルローラ6を存在させることで、当該ニードルローラ6を軸部3の外周面3aにおいて軸方向中間部15の位置に維持している。
さらに、ニードルローラ6は、軸受カップ5の円筒部8aの開口側にある前記内鍔部9によって、軸方向内側(十字軸1の胴体部2側)への移動が規制されており、前記規制部7と前記内鍔部9との間にニードルローラ6を存在させることで、当該ニードルローラ6を軸部3の外周面3aにおいて軸方向中間部15の位置に維持している。
図4は十字軸継手の要部の拡大断面図である。軸受カップ5の円環部13の開口側(図4の左側)の面16は、その軸方向位置が、軸部3の先端面3bよりも所定寸法だけ当該軸部3の基端側(図4の左側)の位置にある。さらに説明すると、軸部3の外周面3aの先端には当該軸部3の先端面3bへ繋がるアール部3c(又は面取り部)が形成されており、この軸部3の外周面3aのうちの、前記アール部3c(又は面取り部)を除いた軸部3の軸線に平行な直線部分において、その先端側部18から所定寸法Lだけ軸部3の基端部側の軸方向位置19と、同じ軸方向位置に前記円環部13の開口側の面16が存在している。前記所定寸法Lは、例えば2mm〜10mmに設定することができ、この所定寸法Lの範囲が、後に説明するが、ニードルローラ6を軸部3に外嵌させる際に傷が付きやすい部分となる。
また、軸部3の外周面3aのうち傷が付きやすい部分の境界となる前記軸方向位置19の直ぐ近傍に、傷が生じた場合であっても、ニードルローラ6の軸方向外側の端部をアール面部(又は面取り部)としていることにより、ニードルローラ6の外周面が、軸部3の前記傷が生じた部分に接触することを防止している。
また、軸部3の外周面3aのうち傷が付きやすい部分の境界となる前記軸方向位置19の直ぐ近傍に、傷が生じた場合であっても、ニードルローラ6の軸方向外側の端部をアール面部(又は面取り部)としていることにより、ニードルローラ6の外周面が、軸部3の前記傷が生じた部分に接触することを防止している。
そして、この自在継手Jの組み立て方法は、図2と図3において、ヨーク21の軸受孔21aに、先に十字軸1の軸部3のみを挿入した状態で、この軸部3の軸線方向の外側から、内周に沿って複数のニードルローラ6を配列した軸受カップ5を軸部3に接近させ、当該軸受カップ5内のニードルローラ6を軸部3の先端部側から外嵌させる。この際、ニードルローラ6の軸方向内側の端部が軸部3の先端の周縁部に強く接触し、軸部先端側の外周面14に傷(圧痕)が付いたり変形したりするおそれがある。特に、ニードルローラ6が軸部3の先端に接触する嵌合初期において接触面圧が大きく、軸部先端側の外周面14に傷が付きやすい。
そして、軸受カップ5の内周にあるニードルローラ6が軸部3の外周面3aのうち軸方向中間部15の位置となるまで、すなわち、ニードルローラ6の軸方向外側の端部が軸部先端側の外周面14を越える位置まで、軸受カップ5を軸受孔21a内に嵌入する。
そして、軸受カップ5の内周にあるニードルローラ6が軸部3の外周面3aのうち軸方向中間部15の位置となるまで、すなわち、ニードルローラ6の軸方向外側の端部が軸部先端側の外周面14を越える位置まで、軸受カップ5を軸受孔21a内に嵌入する。
なお、この軸受カップ5内のニードルローラ6を軸部3に外嵌させる際、軸受カップ5の大径筒部11をヨーク21の軸受孔21aに圧入している。これにより、十字軸継手10の組み立て完了状態で、大径筒部11と軸受孔21aとの間は締り嵌めの状態に維持されている。また、軸受カップ5内においては、複数のニードルローラ6と十字軸1の軸部3との間、及び、ニードルローラ6と軸受カップ5との間が締り嵌めの状態に維持されている。つまり、組み立て後のニードルローラ6におけるラジアル隙間を負隙間としている。または、ニードルローラ6におけるラジアル隙間をゼロの状態としてもよい。
そして、図4に示しているように、ヨーク21の軸受孔21aの開口部の一部を、径方向内方へ突出させるようにかしめ加工を行い(塑性変形させ)、そのかしめ部27を軸受カップ5の円環部13の軸方向外側面28の外周縁部に接触させている。これにより、軸受カップ5がヨーク21の軸受孔21aから軸方向外側へ抜け出ることを防止できる。
このような自在継手Jによれば、軸受カップ5の規制部7は、十字軸1の軸部3の軸方向中間部15を転走するニードルローラ6が軸方向外側へ移動することを規制でき、ニードルローラ6が軸部3の先端側の外周面14を転走することを防ぐことができる。したがって、ニードルローラ6を十字軸1の軸部3に外嵌させる際に、当該軸部3の先端側の外周面14において傷が付いたり変形したりなど損傷した場合であっても、この損傷による性能の低下、及び、耐久性の低下を防止できる。
また、ニードルローラ6はその軸方向長さを短くしているが、ヨーク21の軸受孔21aと十字軸1の軸部3との間において、ニードルローラ6が十分な軸方向長さを有して存在しているため、ヨーク21と軸部3との間で生じるラジアル荷重を安定して伝達できる。
また、ニードルローラ6はその軸方向長さを短くしているが、ヨーク21の軸受孔21aと十字軸1の軸部3との間において、ニードルローラ6が十分な軸方向長さを有して存在しているため、ヨーク21と軸部3との間で生じるラジアル荷重を安定して伝達できる。
そして、図1に示しているように、このような十字軸継手10を用いて、ステアリングシャフト31と中間シャフト23とを連結し、この中間シャフト23とコラムシャフト32とを連結した車両用操舵装置とすることで、ニードルローラ6を十字軸1の軸部3に外嵌させる際に、当該軸部3の先端側の外周面14が損傷した場合であっても、この先端側の外周面14をニードルローラ6が転走することがなく、この損傷による性能の低下、耐久性の低下、及び、操舵感の悪化を防止できる。
また、軸受カップ5の内周にあるニードルローラ6と十字軸1の軸部3との間を締り嵌め状態(負隙間)、又は、隙間がゼロの状態とすることができることから、ニードルローラ6と軸部3との間において滑りが生じることを抑制でき、トルク伝達不良によるガタツキや脈動の発生を防止でき、良好な操舵感を得ることができる。
また、軸受カップ5の内周にあるニードルローラ6と十字軸1の軸部3との間を締り嵌め状態(負隙間)、又は、隙間がゼロの状態とすることができることから、ニードルローラ6と軸部3との間において滑りが生じることを抑制でき、トルク伝達不良によるガタツキや脈動の発生を防止でき、良好な操舵感を得ることができる。
また、本発明は、図示する形態に限らずこの発明の範囲内において他の形態のものであっても良い。例えば、前記実施の形態では、規制部7を軸受カップ5の底部側において縮径した部分としたが、これに限らず、図示しないが、軸受カップ5の円筒部8aを直線的な円筒形状とし、この円筒部8aの内周面の軸方向所定位置(前記円環部13に相当する軸方向位置)に当該内周面から径方向内側へ突出する部材を固定し、この部材を規制部としてもよい。
1 十字軸
2 胴体部
3 軸部
3a 外周面
5 軸受カップ
6 ニードルローラ(転動体)
7 規制部
10 十字軸継手
14 先端側の外周面
15 軸方向中間部
21,22,23,24 ヨーク
21a,22a,23a,24a 軸受孔
31 ステアリングシャフト
32 コラムシャフト
33 中間シャフト
2 胴体部
3 軸部
3a 外周面
5 軸受カップ
6 ニードルローラ(転動体)
7 規制部
10 十字軸継手
14 先端側の外周面
15 軸方向中間部
21,22,23,24 ヨーク
21a,22a,23a,24a 軸受孔
31 ステアリングシャフト
32 コラムシャフト
33 中間シャフト
Claims (3)
- 胴体部の側周面から四方へ突出した四つの軸部を有する十字軸と、前記軸部の外周面のうち軸方向中間部を転走する複数の転動体と、前記複数の転動体に外嵌し当該転動体の軌道面を内周に有する有底円筒状の軸受カップと、を備え、
前記軸受カップは、前記軌道面よりも径方向内側に、前記転動体の軸部先端側への移動を規制して当該転動体が前記軸部先端側の外周面を転走することを防止する規制部を有していることを特徴とする十字軸継手。 - 前記規制部は、前記軸受カップの底部側を縮径して形成した段付き部である請求項1に記載の十字軸継手。
- ステアリングシャフトと、コラムシャフトと、前記ステアリングシャフトと前記コラムシャフトとを繋ぐための継手と、を備え、前記継手が請求項1又は2に記載の十字軸継手であることを特徴とする車両用操舵装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006136105A JP2007309338A (ja) | 2006-05-16 | 2006-05-16 | 十字軸継手及び車両用操舵装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006136105A JP2007309338A (ja) | 2006-05-16 | 2006-05-16 | 十字軸継手及び車両用操舵装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007309338A true JP2007309338A (ja) | 2007-11-29 |
Family
ID=38842398
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006136105A Pending JP2007309338A (ja) | 2006-05-16 | 2006-05-16 | 十字軸継手及び車両用操舵装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007309338A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017187176A (ja) * | 2017-07-18 | 2017-10-12 | Ntn株式会社 | シェル形ころ軸受 |
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2006
- 2006-05-16 JP JP2006136105A patent/JP2007309338A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017187176A (ja) * | 2017-07-18 | 2017-10-12 | Ntn株式会社 | シェル形ころ軸受 |
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