JP2007301721A - 研磨液組成物 - Google Patents

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Hiroyuki Yoshida
宏之 吉田
Yuichi Honma
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Abstract

【課題】研磨後の被研磨物の表面粗さが小さく、且つナノスクラッチを顕著に低減できる
研磨液組成物、及び表面粗さが小さく、且つナノスクラッチが顕著に低減した基板の製造
方法を提供すること。
【解決手段】一次粒子の平均粒径が1nm以上40nm未満である研磨材を含有してなる
研磨液組成物であって、該研磨液組成物中の研磨材のゼータ電位が−15〜30mVであ
る研磨液組成物、及び研磨液組成物中の研磨材のゼータ電位を−15〜30mVに調整し
た研磨液組成物を用いて研磨する工程を有する基板の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、研磨液組成物及び基板の製造方法に関する。
近年のメモリーハードディスクドライブには、高容量・小径化が求められ記録密度を上
げるために磁気ヘッドの浮上量を低下させて、単位記録面積を小さくすることが求められ
ている。それに伴い、磁気ディスク用基板の製造工程においても研磨後に要求される表面
品質は年々厳しくなってきており、ヘッドの低浮上化に対応して、表面粗さ、微小うねり
、ロールオフ及び突起を低減する必要があり、単位記録面積の減少に対応して、許容され
る基板面当たりのスクラッチ数は少なく、その大きさと深さはますます小さくなってきて
いる。
また、半導体分野においても、高集積化と高速化が進んでおり、特に高集積化では配線
の微細化が要求されている。その結果、半導体基板の製造プロセスにおいては、フォトレ
ジストの露光の際の焦点深度が浅くなり、より一層の表面平滑性が望まれている。
このような要求に対して、メモリーハードディスク基板の表面平滑性を向上させた研磨
液組成物が特許文献1に記載されているが、メモリーハードディスク基板の高密度化に必
要な表面平滑性を得るには不十分である。
特開2003―193037号公報
そこで、本件発明者らは、メモリーハードディスク基板や半導体基板等の精密部品基板
の高密度化又は高集積化に必要な表面平滑性を達成するための要件について、鋭意検討し
たところ、これまで検出できなかった「ナノスクラッチ」(深さが10nm以上、100nm 未満
、幅が5nm 以上500nm 未満、長さが100 μm以上の基板表面の微細な傷)の発生がメモリ
ーハードディスク基板では高密度化、また半導体基板では高集積化を阻害していることを
初めて見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の目的は、研磨後の被研磨物の表面粗さが小さく、且つナノスクラッチを
顕著に低減できる研磨液組成物、及び表面粗さが小さく、且つナノスクラッチが顕著に低
減した基板の製造方法を提供することにある。
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕一次粒子の平均粒径が1nm以上40nm未満である研磨材を含有してなる研磨液
組成物であって、該研磨液組成物中の研磨材のゼータ電位が−15〜30mVである研磨
液組成物、
〔2〕研磨液組成物中の研磨材のゼータ電位を−15〜30mVに調整した研磨液組成物
を用いて研磨する工程を有する基板の製造方法、
に関する。
本発明の研磨液組成物を、例えば、高密度化又は高集積化用の精密部品基板の研磨工程
で用いることにより、研磨後基板の表面平滑性が優れ、且つ従来では検出できなかった微
細なナノスクラッチを顕著に低減できるため、表面性状に優れた高品質のメモリーハード
ディスク基板及び半導体基板等の精密部品基板を製造することができるという効果が奏さ
れる。
本発明は、一次粒子の平均粒径が1nm以上40nm未満の研磨材を含有する研磨液組
成物中の該研磨材のゼータ電位を−15〜30mVにすることで、優れた表面性状を備え
、欠陥の原因となるナノスクラッチを顕著に低減することが可能である。このナノスクラ
ッチは、特に、メモリーハードディスク基板又は半導体基板において、高密度化又は高集
積化に重要になる物性である。したがって、本発明の研磨液組成物を用いることで、表面
性状に優れた高品質のメモリーハードディスク基板又は半導体基板を製造することができ
る。
このナノスクラッチの低減機構は明らかではないが、研磨材のゼータ電位が等電点に近
づくほど、研磨材粒子間の粒子間引力が大きくなり、研磨中にスクラッチの原因と考えら
れる粗大粒子又は微細粒子の凝集体の基板表面への脱落が抑制されるためと推定される。
本発明においてゼータ電位とは、電気泳動の原理によって、研磨液組成物中の研磨材に
外部から電場をかけた時にその研磨材の泳動速度から求められる電位をいう。ゼータ電位
の測定装置としては、例えば、「ELS―8000」(大塚電子社製)、「DELSA4
40SX」(ベックマン・コールター社製)及び「NICOMP Model380」(
パティクルサイジングシステムズ社製)等の電気泳動の原理を用いた装置が好ましい。ま
た、「DT1200」(ルフト社製)等の超音波法の原理による測定で代用することも可
能である。電気泳動の原理による測定では、装置の原理上、研磨材の濃度を希釈する必要
性がある。本明細書における研磨液組成物中の研磨材のゼータ電位とは、研磨液組成物と
同一のpHにあらかじめ調整したゼータ電位調整用水溶液(研磨液組成物中のゼータ電位
調整剤と水とからなる水溶液。ただし、研磨液組成物が2種類以上のゼータ電位調整剤を
含有する場合はそれらの含有比率を保って水溶液を調製する)によって研磨材濃度を所定
の濃度に調整した研磨液組成物のゼータ電位を指す。また、前記ゼータ電位測定装置でゼ
ータ電位を測定する際は、測定値の信頼性を高めるために、同一試料、同一測定条件にて
、少なくとも3回測定を繰り返し、それらの平均値をゼータ電位とする。
本発明の研磨液組成物中の研磨材のゼータ電位は、−15〜30mVであり、ナノスク
ラッチ低減の観点から、好ましくは−15〜20mV、より好ましくは−15〜10mV
、更に好ましくは−10〜10mV、更に好ましくは−5〜5mVである。
本発明における研磨材としては、研磨用に一般的に使用されている研磨材を使用するこ
とができ、金属、金属若しくは半金属の炭化物、窒化物、酸化物、又はホウ化物、ダイヤ
モンド等が挙げられる。金属又は半金属元素は、周期律表(長周期型)の2A、2B、3
A、3B、4A、4B、5A、6A、7A又は8族由来のものである。研磨材の具体例と
しては、酸化珪素(以下、シリカという)、酸化アルミニウム(以下、アルミナという)
、炭化珪素、ダイヤモンド、酸化マンガン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、
酸化セリウム、酸化ジルコニウム等、またこれら研磨材の表面を官能基で修飾あるいは表
面改質したもの、界面活性剤や研磨材で複合粒子化したもの等が挙げられ、これらを一種
以上使用することは表面粗さを低減させる観点から好ましい。更に、ナノスクラッチの低
減の観点から、コロイダル粒子とヒュームドシリカ粒子が好ましく、より好ましくはコロ
イダル粒子、たとえばコロイダルシリカ、コロイダルセリア、コロイダルアルミナであり
、中でもコロイダルシリカ、たとえばケイ酸水溶液から生成させる製法により得られるコ
ロイダルシリカが好ましい。
研磨材の一次粒子の平均粒径は、研磨材が一種以上混合されているかどうかに関係なく
、1nm以上40nm未満であり、研磨速度を向上させる観点から、好ましくは3nm以
上、より好ましくは5nm以上、また、表面粗さ(中心線平均粗さ:Ra、Peak t
o Valley値:Rmax)を低減する観点から、好ましくは35nm以下、より好
ましくは30nm以下、更に好ましくは25nm以下、更に好ましくは20nm以下であ
る。従って、経済的に表面粗さを低減する観点から該一次粒子の平均粒径は、好ましくは
1〜35nm、より好ましくは3〜30nm、更に好ましくは5〜25nm、更に好まし
くは5〜20nmである。更に、一次粒子が凝集して二次粒子を形成している場合は、同
様に研磨速度を向上させる観点及び基板の表面粗さを低減させる観点から、その二次粒子
の平均粒径は、好ましくは5〜150nm、より好ましくは5〜100nm、更に好まし
くは5〜80nm、更に好ましくは5〜50nm、更に好ましくは5〜30nmである。
研磨材の一次粒子の平均粒径は、研磨材が一種以上混合されているかどうかに関係なく
、走査型電子顕微鏡で観察(好適には3000〜100000倍)した画像を使い、一次
粒子の小粒径側からの積算粒径分布(個数基準)が50%となる粒径(D50)を求め、
この値を一次粒子の平均粒径とする。ここで、ひとつの一次粒子の粒径は、2軸平均(長
径と短径の平均)粒径を用いることとする。また、二次粒子の平均粒径はレーザー光回折
法を用いて体積平均粒径として測定することができる。
また、研磨材の粒径分布としては、研磨材が一種以上混合されているかどうかに関係な
く、ナノスクラッチの低減、表面粗さの低減及び高い研磨速度を達成する観点から、D9
0/D50は、好ましくは1〜5、より好ましくは2〜5、更に好ましくは3〜5である
。尚、D90とは、走査型電子顕微鏡で観察(好適には3000〜100000倍)した
画像を使い、一次粒子の小粒径側からの積算粒径分布(個数基準)が90%となる粒径を
いう。
研磨液組成物中における研磨材の含有量は、研磨速度を向上させる観点から、好ましく
は0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上、更に好ましくは3重量%以上、更に
好ましくは5重量%以上であり、また、表面品質を向上させる観点から、好ましくは20
重量%以下、より好ましくは15重量%以下、更に好ましくは13重量%以下、更に好ま
しくは10重量%以下である。すなわち、経済的に表面品質を向上させる観点から該含有
量は、好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは1〜15重量%、更に好ましくは
3〜13重量%、更に好ましくは5〜10重量%である。
また、本発明の研磨液組成物に含有するゼータ電位調整剤は、研磨液組成物中での研磨
材の表面のゼータ電位を制御するための添加剤である。研磨材粒子の表面に直接的あるい
は間接的に吸着して、又は媒体の酸性度若しくは塩基性度などの性質を変化させることに
より、研磨材粒子の表面電位を制御する剤をいう。例えば、酸、塩基、塩及び界面活性剤
が挙げられる。
ゼータ電位調整剤は、たとえば、以下のように使用する。研磨液組成物中に含有する研
磨材のゼータ電位が30mVを超える場合、ゼータ電位調整剤としては、酸、酸性塩及び
アニオン活性剤を使用しゼータ電位をマイナス側にシフトさせることが好ましい。一方、
研磨材のゼータ電位が−15mVより低い場合、ゼータ電位調整剤としては、塩基、塩基
性塩及びカチオン活性剤を使用しゼータ電位をプラス側にシフトさせることが好ましい。
また、ゼータ電位調整剤が中性塩、非イオン性活性剤及び両性活性剤は、研磨液組成物の
pHを変化させずにゼータ電位を調整する場合に用いられる。
酸としては無機酸又は有機酸が用いられる。無機酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸
、ポリ燐酸、アミド硫酸等が挙げられる。また、有機酸としては、カルボン酸、有機燐酸
、アミノ酸等が挙げられ、例えば、カルボン酸は、酢酸、グリコール酸、アスコルビン酸
等の一価カルボン酸、蓚酸、酒石酸等の二価カルボン酸、クエン酸等の三価カルボン酸が
挙げられ、有機燐酸としては、2−アミノエチルホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン
−1,1−ジホスホン酸(HEDP)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジ
アミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン
酸)等が挙げられる。また、アミノ酸としては、グリシン、アラニン等が挙げられる。こ
れらの内でも、ナノスクラッチ低減の観点から、無機酸、カルボン酸及び有機燐酸が好ま
しく、例えば、硝酸、硫酸、燐酸、ポリ燐酸、グリコール酸、蓚酸、クエン酸、1−ヒド
ロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレ
ンジアミンテトラ(メチレンスルホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホス
ホン酸)が適している。
塩基としては、アンモニア水、ヒドロキシルアミン、アルキルヒドロキシルアミン、一
級〜三級のアルキルアミン、アルキレンジアミン、アルキルアンモニウムヒドロキシド等
が挙げられ、ナノスクラッチ低減の観点から、好ましくはアンモニア水、アルカノールア
ミンである。
また、塩としては、前記酸の塩が挙げられ、その塩を形成する陽イオンとしては、長周
期型周期律表の1A、2A、3B、8族由来の金属、及びアンモニウム、ヒドロキシドア
ンモニウム、若しくはアルカノールアンモニウム等が好ましい。中でも、酸性塩としては
、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化ア
ルミニウム等が挙げられる。塩基性塩としては、クエン酸ナトリウム、シュウ酸ナトリウ
ム、酒石酸ナトリウム等が挙げられる。中性塩としては、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウ
ム、硝酸ナトリウム等が挙げられる。
界面活性剤としては、低分子型活性剤及び高分子型活性剤があり、研磨材の表面に吸着
又は化学結合し、分子中に同種、異種を問わず、1個以上の親水基を持つ剤である。中で
も、エーテル基(オキシエチレン基等)や水酸基に代表される非イオン性基を有する非イ
オン性活性剤、カルボン酸基、スルフォン酸基、硫酸エステル基、燐酸エステル基に代表
されるアニオン性基を有するアニオン活性剤、四級アンモニウムに代表されるカチオン性
基を有するカチオン活性剤、アニオン性基及びカチオン性基を有する両性活性剤が挙げら
れる。
また、前記研磨材とゼータ電位調整剤の好適な組み合わせとしては、研磨材がシリカの
場合は、ゼータ電位調整剤としては、硝酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、グリコール酸、
シュウ酸、クエン酸、1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホ
スホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンスルホン酸)、ジエチレントリアミンペ
ンタ(メチレンホスホン酸)が好ましく、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、1−ヒドロキ
シ−1,1−ジホスホン酸がより好ましい。
また、研磨材がアルミナの場合は、ゼータ電位調整剤としては、硫酸、硫酸アンモニウ
ム、リン酸、ポリリン酸、シュウ酸、クエン酸、1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸
が好ましく、硫酸、硫酸アンモニウム、リン酸、ポリリン酸、クエン酸、1−ヒドロキシ
−1,1−ジホスホン酸がより好ましい。
尚、研磨液組成物中におけるゼータ電位調整剤の含有量は研磨液組成物の液の性質、研
磨材の性質、及び求めるゼータ電位に応じて決められ、一概には限定できないが、例えば
、ナノスクラッチの低減の観点から、0.01〜20重量%が好ましく、0.05〜15
重量%がより好ましい。また、ゼータ電位調整剤はあらかじめ研磨液組成物中に含有させ
ても良いし、研磨直前に研磨液組成物に含有させて使用してもよい。
また、本発明の研磨液組成物には、必要に応じて他の成分を配合することができる。該
他の成分としては、過酸化水素等の酸化剤、ラジカル捕捉剤、包摂化合物、防錆剤、消泡
剤及び抗菌剤等が挙げられる。
これらの他の成分の含有量としては、研磨液組成物中、研磨速度の観点から、0〜10
重量%が好ましく、0〜5重量%がより好ましい。
更に、本発明の研磨液組成物中の媒体は水及び/又は水溶性有機溶剤が使用できる。水
はイオン交換水、蒸留水、超純水等が挙げられ、水溶性有機溶剤としては一級〜三級アル
コール、グリコール等が挙げられる。媒体の含有量は、100重量%から研磨材、ゼータ
電位調整剤及び他の成分の含有量を引いた残部に相当する。この媒体の含有量としては、
研磨液組成物中、60〜99重量%が好ましく、70〜98重量%がより好ましい。
本発明の研磨液組成物は、前記成分を適宜混合することにより、調製することができる
尚、前記研磨液組成物中の各成分の濃度は、該組成物製造時の濃度及び使用時の濃度の
いずれであってもよい。通常、濃縮液として研磨液組成物は製造され、これを使用時に希
釈して用いる場合が多い。
本発明の研磨液組成物のpHは、研磨速度及びナノスクラッチの低減の観点から、使用
する研磨材及びその表面修飾等の表面改質度等に応じて決められる。コロイダルシリカの
場合、好ましくは7以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは4以下、更に好ましく
は3以下、更に好ましくは2.5以下、更に好ましくは2以下である。
かかる構成を有する研磨液組成物を用いることで、ナノスクラッチが極めて少ない表面
性状に優れた精密部品用基板を得ることができる。
本発明におけるナノスクラッチとは、深さが10nm以上、100nm 未満、幅が5nm 以上500n
m 未満、長さが100 μm 以上の基板表面の微細な傷で、原子間力顕微鏡(AFM)で検出
することができ、後述の実施例に記載の目視検査装置である「MicroMax」による
測定でナノスクラッチ本数として定量評価できる。
また、表面平滑性の尺度である表面粗さは、評価方法は限られないが、本発明では、A
FM(原子間力顕微鏡)における波長10μm以下の短い波長で測定可能な粗さとして評
価し、中心線平均粗さRaとして表わす。具体的には後述の実施例に記載の方法で得られ
る。
本発明において好適に使用される被研磨物の材質としては、例えばシリコン、アルミニ
ウム、ニッケル、タングステン、銅、タンタル、チタン等の金属若しくは半金属、又はこ
れらの合金、ガラス、ガラス状カーボン、アモルファスカーボン等のガラス状物質、アル
ミナ、二酸化珪素、窒化珪素、窒化タンタル、炭化チタン等のセラミック材料、ポリイミ
ド樹脂等の樹脂等が挙げられる。これらの中でも、アルミニウム、ニッケル、タングステ
ン、銅等の金属及びこれらの金属を主成分とする合金を含有する被研磨物に好適である。
例えばNi-Pメッキされたアルミニウム合金基板や結晶化ガラス、強化ガラス等のガラス基
板により適しており、Ni-Pメッキされたアルミニウム合金基板がさらに適している。
被研磨物の形状には特に制限は無く、例えば、ディスク状、プレート状、スラブ状、プ
リズム状等の平面部を有する形状や、レンズ等の曲面部を有する形状が本発明の研磨液組
成物を用いた研磨の対象となる。その中でも、ディスク状の被研磨物の研磨に特に優れて
いる。
本発明の研磨液組成物は、精密部品基板の研磨に好適に用いられる。例えば、メモリー
ハードディスク基板等の磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の磁気記録媒体の
基板、フォトマスク基板、光学レンズ、光学ミラー、光学プリズム、半導体基板等の精密
部品基板の研磨に適している。中でも、本発明の研磨液組成物は、高密度化、高集積化に
おいて重要なナノスクラッチを顕著に低減し得るものであるため、メモリーハードディス
ク基板等の磁気ディスクや半導体基板の研磨により好適であり、磁気ディスク用基板の研
磨に特に適している。
メモリーハードディスク基板や半導体基板の研磨は、シリコンウェハ(ベアウェハ)の
ポリッシング工程、埋め込み金属配線の形成工程、層間絶縁膜の平坦化工程、埋め込み金
属配線の形成工程、埋め込みキャパシタ形成工程等において行われる。
上記のように本発明の研磨液組成物を用いてナノスクラッチを低減することができる。
具体的には、不織布状の有機高分子系研磨布等を貼り付けた研磨盤で基板を挟み込み、ゼ
ータ電位調整剤の配合方法に関係なく、研磨材のゼータ電位を−15〜30mVに調整し
た研磨液組成物を基板表面に供給し、一定圧力を加えながら研磨盤や基板を動かすことに
より研磨する方法等が挙げられる。
本発明の研磨液組成物を用いた研磨工程に供する前の基板の表面性状は特に限定しない
が、例えば、Raが1nmの表面性状を有する基板が適する。
また、本発明の基板の製造方法は、研磨材のゼータ電位を−15〜30mVに調整した
研磨液組成物を用いて研磨する工程を有することに特徴があり、かかる特徴を有すること
で、研磨後の被研磨物の表面粗さが小さく、且つナノスクラッチを顕著に低減することが
できるという効果が発現される。
本発明の基板の製造方法において使用される研磨材としては、前記の本発明の研磨液組
成物に使用されるものと同一のものであればよい。
中でも、研磨材の一次粒子の平均粒径は、研磨速度を向上させる観点から、1nm以上
が好ましく、3nm以上がより好ましく、5nm以上がさらに好ましく、また、表面粗さ
を低減する観点から、40nm未満が好ましく、35nm以下がより好ましく、30nm
以下が更に好ましく、25nm以下が更に好ましく、20nm以下が更に好ましい。従っ
て、経済的に表面粗さを低減する観点から該一次粒子の平均粒径は、好ましくは1nm以
上40nm未満、より好ましくは1〜35nm、更に好ましくは3〜30nm、更に好ま
しくは5〜25nm、更に好ましくは5〜20nmである。更に、一次粒子が凝集して二
次粒子を形成している場合は、同様に研磨速度を向上させる観点及び基板の表面粗さを低
減させる観点から、その二次粒子の平均粒径は、好ましくは5〜150nm、より好まし
くは5〜100nm、更に好ましくは5〜80nm、更に好ましくは5〜50nm、更に
好ましくは5〜30nmである。
前記研磨工程は、複数研磨工程の中でも2工程目以降に行われるのが好ましく、最終研
磨工程に行われるのが特に好ましい。その際、前工程の研磨材や研磨液組成物の混入を避
けるために、それぞれ別の研磨機を使用してもよく、またそれぞれ別の研磨機を使用した
場合では、各段階毎に基板を洗浄することが好ましい。なお、研磨機としては、特に限定
はない。
本発明の研磨液組成物は、ポリッシング工程において特に効果があるが、これ以外の研
磨工程、例えば、ラッピング工程等にも同様に適用することができる。
以上のようにして本発明の研磨液組成物又は本発明の基板の製造方法を用いて製造され
た基板は、表面平滑性に優れ、たとえば表面粗さ(Ra)が0.3nm以下、好ましくは
0.2nm以下、より好ましくは0.15nm以下、更に好ましくは0.13nm以下の
ものが得られる。
また、製造された基板はナノスクラッチが極めて少ないものである。従って、該基板が
、例えば、メモリーハードディスク基板である場合には、記録密度120G/inch2
、更には160G/inch2 のものにも対応することができ、半導体基板である場合に
は、配線幅65nm、更には45nmのものにも対応することができる。
被研磨基板として、Ni−Pメッキされた基板をアルミナ研磨材を含有する研磨液であ
らかじめ粗研磨し、Raが1nmとした、厚さ1.27mmの外周95mmφで内周25
mmφのアルミニウム合金基板を用いて研磨評価を行った。
実施例1〜9及び比較例1〜5
表1に示すように、研磨材としてはコロイダルシリカA(デュポン製、一次粒子の平均
粒径27nm、D90/D50=3.1)、B(デュポン製、一次粒子の平均粒径15n
m、D90/D50=2.2)、C(デュポン製、一次粒子の平均粒径19nm、D90
/D50=1.6)又は実施例4に相当するAとBの混合物(デュポン製、一次粒子の平
均粒径18nm、D90/D50=3.0)を、ゼータ電位調整剤としては60重量%の
HEDP水溶液、98重量%の硫酸、及び/又はクエン酸を、またその他成分としては必
要に応じて35重量%の過酸化水素水溶液を用いて、表1に示した組成、pH、及び研磨
材のゼータ電位を有する研磨液組成物を調製した。尚、残部はイオン交換水である。
各成分を混合する順番は、ゼータ電位調整剤であるHEDPと硫酸又はクエン酸とを水
で希釈した水溶液に過酸化水素を加え、次いで残りの成分を添加、混合、調整後、それを
撹拌下のコロイダルシリカスラリーに少しずつ加え、調製した。
実施例1〜9及び比較例1〜5で得られた研磨液組成物について、ゼータ電位、ナノス
クラッチ及び表面粗さ(Ra)を以下の方法に基づいて測定・評価した。得られた結果を
表1に示す。
1.研磨条件
・研磨試験機:スピードファム社製、両面9B研磨機
・研磨布:フジボウ社製、仕上げ研磨用パッド(厚さ0.9mm、開孔径30μm、ショ
アA硬度60°)
・定盤回転数:32.5r/min
・研磨液組成物供給量:100mL/min
・研磨時間:4分
・研磨荷重:7.8kPa
・投入した基板の枚数:10枚
2.ゼータ電位の測定条件
・測定機器:大塚電子社製、「ELS−8000」(平板セルタイプ)
・印加電圧:80V
・測定温度:25℃
・測定試料:研磨液組成物のpHと同一のpHに調整したゼータ電位調整剤水溶液(対応
する研磨液組成物中のゼータ電位調整剤と水とからなる水溶液)を使って、研磨材濃度が
0.05重量%となるように希釈した研磨液組成物を測定試料として調製した。
・測定回数:同一試料、同一測定条件にて、3回測定を繰り返し、その3回の平均値をゼ
ータ電位とした。
3.ナノスクラッチの測定条件
・測定機器:VISION PSYTEC製、「MicroMax VMX−2100C
SP」
・光源:2Sλ(250W)及び3Pλ(250W)共に100%
・チルド角:−6°
・倍率:最大(視野範囲:全面積の120分の1)
・観察領域:全面積(外周95mmφで内周25mmの基板)
・アイリス:notch
・評価:研磨試験機に投入した基板の中、無作為に4枚を選択し、その4枚の基板の各々
両面にあるナノスクラッチ数(本)の合計を8で除して、基板面当たりのナノスクラッチ
数を算出した。また、表に記載したナノスクラッチの評価は比較例1のナノスクラッチ数
(本/面)に対する相対評価で行った。
4.表面粗さ(Ra)の測定条件
・測定機器:デジタルインスツルメント製、「NanoScopeIII 、Dimensi
on3000」
・Scanrate:1.0Hz
・Scanarea:2×2μm
・評価:内周と外周間の中心を120°毎に3点測定し、これを基板の両面について行い
、計6点の平均値を求めた。
Figure 2007301721
表1に示した結果から、実施例1〜9の研磨液組成物を用いて得られた基板は、比較例
1〜5のそれらに比べ、ナノスクラッチの発生が抑制され、かつ表面粗さが低減されたも
のであることがわかる。
本発明の研磨液組成物は、精密部品基板、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気
ディスク等の磁気記録媒体の基板、フォトマスク基板、光学レンズ、光学ミラー、光学プ
リズム、半導体基板等の精密部品基板の研磨に好適に使用される。

Claims (3)

  1. 研磨液組成物中のコロイダルシリカのゼータ電位を−15〜30mVに調整した、pHが1〜4の研磨液組成物を用いて研磨する工程を有する基板の製造方法。
  2. コロイダルシリカの一次粒子の平均粒径が1nm以上30nm以下である請求項1記載の基板の製造方法。
  3. 基板が磁気ディスク用基板である請求項1又は2記載の基板の製造方法。

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