JP4640981B2 - 基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基板の製造方法及びナノスクラッチの低減方法に関する。
近年のメモリーハードディスクドライブには、高容量・小径化が求められ、記録密度を上げるために磁気ヘッドの浮上量を低下させて、単位記録面積を小さくすることが求められている。それに伴い、磁気ディスク用基板の製造工程においても研磨後に要求される表面品質は年々厳しくなってきており、ヘッドの低浮上化に対応して、表面粗さ、微小うねり、ロールオフ及びピットや突起を低減する必要があり、また、単位記録面積の減少に対応して、許容される基板面当たりのスクラッチ数は少なく、その大きさと深さはますます小さくなってきている。
また、半導体分野においても、高集積化と高速化が進んでおり、特に高集積化では配線の微細化が要求されている。その結果、半導体基板の製造プロセスにおいては、フォトレジストの露光の際の焦点深度が浅くなり、より一層欠陥の少ない表面品質が望まれている。
このような要求に対して、メモリーハードディスク基板のピットや突起を低減することにより表面平滑性を向上させる研磨液組成物が知られている(特許文献1)。
特開2004−167670号公報
しかし、メモリーハードディスク基板や半導体基板等の精密部品基板の高密度化又は高集積化に必要な表面品質を達成するためには、ピットや突起の低減の他、ナノスクラッチの低減も重要な課題となっている。
従って、本発明の目的は、研磨後の基板のナノスクラッチを顕著に低減できる基板の製造方法及びナノスクラッチの低減方法を提供することにある。
即ち、本発明の要旨は、
[1] コロイダルシリカと、酸又はその塩とを含有する研磨液組成物を基板又は研磨パッドに供給して該基板を研磨する工程を有する基板の製造方法であって、基板又は研磨パッドに供給される際の研磨液組成物中のアルミニウム濃度が50ppm以下である基板の製造方法、及び
[2] コロイダルシリカと、酸又はその塩とを含有する研磨液組成物を基板又は研磨パッドに供給して該基板を研磨する工程を有するナノスクラッチの低減方法であって、基板又は研磨パッドに供給される際の研磨液組成物中のアルミニウム濃度が50ppm以下であるナノスクラッチの低減方法
に関する。
本発明の基板の製造方法及びナノスクラッチの低減方法により、ナノスクラッチが顕著に低減された基板を得ることができるという効果が奏される。
本発明の基板の製造方法は、コロイダルシリカと、酸又はその塩とを含有する研磨液組成物を基板又は研磨パッドに供給して該基板を研磨する工程を有する基板の製造方法であって、基板又は研磨パッドに供給される際の研磨液組成物中のアルミニウム(Al)濃度が50ppm以下であることを特徴とする。基板又は研磨パッドに供給される際の研磨液組成物中のAl濃度を特定値以下に調節することは、従来全く考慮されていなかったが、驚くべきことに、上記のような特徴を有する本発明の基板の製造方法を用いることにより、ナノスクラッチが顕著に低減された基板を得ることができるという優れた効果が奏される。その作用機構については明らかではないが、Al濃度を特定値以下に調節することによりコロイダルシリカの凝集が抑えられ、それによりナノスクラッチが低減されると推定される。
本発明において、Alの濃度は、被験試料をフッ化水素酸、硝酸等で溶解し、シリカ等のAl定量に妨害となる元素を除去した後、4重極型誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP質量分析装置)にて定量を行うことで求めることができる。ICP質量分析装置としては、商品名:SPQ−8000(セイコーインスツルメンツ(株)製)等が挙げられる。
また、本発明におけるナノスクラッチとは、深さが10nm以上、100nm未満、幅が5nm以上500nm未満、長さが100μm以上の基板表面の微細な傷である。ナノスクラッチは、例えば研磨液組成物や環境に由来する粗大粒子又は研磨中に生成する研磨粒子の凝集体により生じると推測される。ナノスクラッチは、原子間力顕微鏡(AFM)で検出することができ、後述の実施例に記載の目視検査装置である「MicroMax」による測定でナノスクラッチ本数として定量評価できる。
本発明で使用される研磨液組成物に含有されるコロイダルシリカは、珪酸ナトリウムや珪酸カリウム等の珪酸塩を原料とする、所謂珪酸塩法により製造されたコロイダルシリカである。かかるコロイダルシリカの態様としては、特に限定されないが、例えば、ゾル又はゲル状態である。
珪酸塩法としては、珪酸塩を原料とし、縮合反応させシリカ粒子を生成させる方法(水ガラス法)等が挙げられる。
本発明においては、かかる珪酸塩法により製造されたコロイダルシリカを用いることで、従来のアルコキシシラン法で得られるコロイダルシリカや乾式法で得られるヒュームドシリカを使用する場合に比べて、ナノスクラッチを顕著に低減することができるという利点がある。
コロイダルシリカの一次粒子の平均粒径は、研磨速度を向上させる観点から、好ましくは1nm以上、より好ましくは2nm以上、さらに好ましくは5nm以上であり、ナノスクラッチを低減する観点から、好ましくは200nm以下、より好ましくは150nm以下、さらに好ましくは120nm以下、さらにより好ましくは100nm以下である。該一次粒子の平均粒径は、好ましくは1〜200nm、より好ましくは1〜150nm、さらに好ましくは2〜120nm、さらにより好ましくは5〜100nmである。なお、該シリカ粒子の粒径は透過型電子顕微鏡で観察して(好適には3000倍〜500000倍)画像解析を行い、2軸平均径を測定することにより求めることができる。また、平均粒径は、小粒径側からの積算粒径分布(個数基準)が50%となる粒径(D50)とする。
研磨液組成物中におけるコロイダルシリカの含有量は、研磨速度を向上させる観点から、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上、さらに好ましくは3重量%以上、さらにより好ましくは5重量%以上であり、また、表面品質を向上させる観点、及び経済性の観点から、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは13重量%以下、さらにより好ましくは10重量%以下である。すなわち、該含有量は、好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは1〜15重量%、さらに好ましくは3〜13重量%、さらにより好ましくは5〜10重量%である。
本発明で使用される研磨液組成物に含有される酸としては、pK1が7以下の化合物が好ましく、ナノスクラッチを低減する観点から、より好ましくはpK1が3以下、さらに好ましくは2.5以下、さらにより好ましくは2以下、さらにより好ましくは1.5以下、さらにより好ましくはpK1で表せない程の強い酸性を示す化合物が望ましい。その例としては、硝酸、硫酸、亜硫酸、過硫酸、塩酸、過塩素酸、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、ピロリン酸、シュウ酸、アミド硫酸、アスパラギン酸、2−アミノエチルホスホン酸、グルタミン酸、ピコリン酸等が挙げられる。中でも、ナノスクラッチを低減する観点から、硝酸、硫酸、塩酸及び過塩素酸が好ましい。これらの酸は単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。ここで、pK1とは有機化合物または無機化合物の酸解離定数(25℃)の逆数の対数値を通常pKaと表し、そのうちの第一酸解離定数の逆数の対数値をpK1としている。各化合物のpK1は例えば改訂4版化学便覧(基礎編)II、pp316−325(日本化学会編)等に記載されている。なお、本発明においては、ナノスクラッチの低減と研磨速度の向上の両立の観点から、pK1が2以下の酸を用いることが特に好ましい。
また、本発明においては、前記酸の塩を酸のかわりに使用することができる。塩の対イオンとしては、イオン化傾向がNiより大きい金属元素の陽イオン、アンモニウムイオン等が挙げられ、中でも、ナトリウムイオン、ニッケルイオン、カリウムイオン、鉄イオン、アンモニウムイオン等が好ましい。
酸又はその塩の研磨液組成物中における含有量は、充分な研磨速度を発揮する観点および表面品質を向上させる観点から、0.0001〜5重量%が好ましく、より好ましくは0.0003〜3重量%であり、さらに好ましくは0.001〜2重量%、さらにより好ましくは0.0025〜1重量%である。
本発明で使用される研磨液組成物は、媒体として水を含有する。研磨液組成物中における水の含有量は、被研磨物を効率よく研磨する観点から、好ましくは75重量%以上であり、より好ましくは82重量%以上であり、さらに好ましくは85重量%以上であり、さらにより好ましくは89重量%以上であり、また、好ましくは99.4重量%以下であり、より好ましくは98.9重量%以下であり、さらに好ましくは96.9重量%以下であり、さらにより好ましくは94.9重量%以下である。すなわち、該含有量は、好ましくは75〜99.4重量%であり、より好ましくは82〜98.9重量%であり、さらに好ましくは85〜96.9重量%であり、さらにより好ましくは89〜94.9重量%である。
本発明で使用される研磨液組成物は、必要に応じて、さらに過酸化水素、過ヨウ素酸塩、過マンガン酸塩等の酸化剤、ラジカル捕捉剤、包摂化合物、防錆剤、消泡剤、抗菌剤等を添加剤として含有することができる。これらの添加剤の含有量としては、ナノスクラッチ低減の観点から、研磨液組成物中、0.001〜5重量%が好ましく、0.01〜1重量%がより好ましい。
本発明で使用される研磨液組成物は、コロイダルシリカ、酸又はその塩、水、及び必要であれば前記の添加剤等の他の成分を公知の方法で混合することにより調製することができる。尚、前記の研磨液組成物中の各成分の濃度は、該組成物製造時の濃度及び使用時の濃度のいずれであってもよい。通常、濃縮液として研磨液組成物は製造され、これを使用時に希釈して用いる場合が多い。
前記の研磨液組成物を用いた基板の研磨方法としては、例えば、研磨液組成物を希釈し、次いで不織布状の有機高分子系研磨パッド等を貼り付けた研磨盤で基板を挟み込み、基板又は研磨パッドに前記希釈された研磨液組成物をポンプ等で汲み上げ配管を通して供給し、一定圧力を加えながら研磨盤や基板を動かすことにより研磨する方法等が挙げられる。
前記の研磨方法において、基板又は研磨パッドに供給される際の研磨液組成物中のAl濃度は、ナノスクラッチを低減する観点から、50ppm以下であり、好ましくは40ppm以下、より好ましくは30ppm以下、さらに好ましくは25ppm以下、さらにより好ましくは20ppm以下、さらにより好ましくは15ppm以下である。
したがって、前記の研磨方法は、前記の研磨液組成物を基板又は研磨パッドに供給して該基板を研磨する方法であって、基板又は研磨パッドに供給される際の研磨液組成物中のアルミニウムの濃度が50ppm以下である研磨方法である。かかる方法を用いることにより、ナノスクラッチの発生をより効果的に抑制し、かつ研磨速度を向上させることができる。即ち、前記の研磨方法はまた、基板のナノスクラッチを低減する方法であり、具体的には、前記の研磨液組成物を基板又は研磨パッドに供給して該基板を研磨する工程を有するナノスクラッチの低減方法であって、基板又は研磨パッドに供給される際の研磨液組成物中のアルミニウム濃度が50ppm以下であるナノスクラッチの低減方法である。
ナノスクラッチを低減する観点から、基板又は研磨パッドに供給される際の研磨液組成物中のコロイダルシリカに対するアルミニウムの含有量比(アルミニウム重量/コロイダルシリカ重量)は、5/10000以下であることが好ましく、より好ましくは4/10000以下、さらに好ましくは3/10000以下、さらにより好ましくは2.5/10000以下、さらにより好ましくは2/10000以下、さらにより好ましくは1.5/10000以下である。
基板又は研磨パッドに供給される際の研磨液組成物中のAl濃度を特定値以下に低減するための手段としては、前記のAl濃度及び含有量比を満たすように予め調製された研磨液組成物を用いる手段や、 研磨液組成物をイオン交換樹脂で処理する手段等が挙げられる。なかでも、操作性の観点から、後述のように研磨液組成物の製造設備及び供給配管等からのAlの汚染を防止した上で、前記のAl濃度及び含有量比を満たすように予め調製された研磨液組成物を用いることが好ましい。
Al濃度が特定値以下に低減された研磨液組成物を調製するためには、研磨液組成物を調製するそれぞれの原料のAl含有量を低減することが好ましい。例えば、Al含有量が低濃度に管理された原料を選定することが好ましく、また研磨液組成物の製造においては、各原料中のAlの除去、製造後の精製そして製造設備からの汚染防止対策等が講じられることが好ましい。例えば、研磨材として使用されるコロイダルシリカの原料となるシリカカレット等の製造においても、原石の選定、精製が十分なものであることが好ましく、製造装置、設備に至るまでAlの汚染を防止する種々の対策が講じられたものであることが好ましい。
Alは、研磨液組成物を構成する後述のコロイダルシリカや酸又はその塩等の添加剤、水の各成分から持ち込まれたり、研磨液組成物を製造する装置等から持ち込まれる。そのために、本発明で使用される研磨液組成物においては、Alの含有量の少ない成分を用いたり、研磨液組成物を製造する装置は、Alを含む部材を使用しないようにして、研磨液組成物中のAlの含有量が前記範囲を越えないようにすることが好ましい。たとえば、研磨液組成物の調製、保管、又は輸送のための容器からの金属元素、特にAlの持ち込みに注意を払う必要があり、樹脂容器、又はポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂でコーティング若しくは内袋された金属製容器を使用することが好ましい。
Alは、研磨液組成物を供給する配管等からも持ち込まれ得るため、基板又は研磨パッドに供給される際の研磨液組成物中のAl濃度を特定値以下に低減するためには、研磨液組成物を供給する配管等についても上記と同様の対策を講じることが好ましい。具体的には、研磨液組成物を希釈するための容器やタンク、配管、ポンプ等の研磨液組成物と接触する部材は、金属元素、特にAlの混入を避けるために、テフロン(登録商標:ポリテトラフルオロエチレン)等の樹脂でコートされた金属、あるいはポリシリコン等の樹脂製の部材を使用することが好ましい。
本発明の基板の製造方法は、前記研磨液組成物を用いた研磨工程を有する。研磨工程としては、前記研磨方法を用いるものであればよく、具体的には、コロイダルシリカと、酸又はその塩とを含有する前記の研磨液組成物を基板又は研磨パッドに供給して該基板を研磨する工程であって、基板又は研磨パッドに供給される際の研磨液組成物中のアルミニウム濃度が50ppm以下である工程が挙げられる。
本発明の基板の製造方法では、前記研磨工程は、複数の研磨工程の中でも第2工程以降に行われるのが好ましく、最終研磨工程に行われるのが特に好ましい。中でも、基板の腐食量が少なく、表面欠陥が発生しにくい観点から、本発明の基板の製造方法においては、研磨工程の中でも前記研磨液組成物を表面研磨の仕上げ工程に用いることが好ましい。
前記の研磨液組成物を用いた研磨工程における研磨廃液、即ち、研磨機より排出された直後の研磨液組成物のpHは、研磨速度向上及びナノスクラッチの低減の観点から、好ましくは4以下、より好ましくは3以下、さらに好ましくは2.5以下、さらにより好ましくは2以下である。また、研磨機腐食防止の観点から、該pHは、好ましくは1以上、より好ましくは1.2以上、さらに好ましくは1.4以上である。即ち、該pHは、好ましくは1〜4、より好ましくは1.2〜3、さらに好ましくは1.4〜2.5、さらにより好ましくは1.4〜2である。研磨廃液のpHは、例えば、研磨液組成物の供給流量を増減させたり、研磨液組成物中の酸の量や種類を調整することにより、上記の範囲内に調整され得る。
本発明の基板の製造方法が対象とする被研磨物(基板)の材質としては、例えば、シリコン、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅、タンタル、チタン等の金属又は半金属およびこれらの合金、及びガラス、ガラス状カーボン、アモルファスカーボン等のガラス状物質、アルミナ、二酸化珪素、窒化珪素、窒化タンタル、炭化チタン等のセラミック材料、ポリイミド樹脂等の樹脂等が挙げられる。これらの中では、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅等の金属及びこれらの金属を主成分とする合金が被研磨物であるか、又は半導体素子等の半導体基板のような、それらが金属を含んだ被研磨物であるのが好ましく、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板がより好ましい。
被研磨物の形状には特に制限がなく、例えば、ディスク状、プレート状、スラブ状、プリズム状等の平面部を有する形状や、レンズ等の曲面部を有する形状が前記の研磨液組成物を用いた研磨の対象となる。その中でも、前記の研磨液組成物は、ディスク状の被研磨物の研磨に特に優れている。
本発明で使用される研磨パッドとしては、特に制限はなく、スエードタイプ、不織布タイプ、ポリウレタン独立発泡タイプ、及びこれらを積層した二層タイプ等の研磨パッドを使用することができる。
本発明の基板の製造方法は、精密部品基板の製造に好適に用いられる。たとえば、メモリーハードディスク基板等の磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の磁気記録媒体の基板、フォトマスク基板、光学レンズ、光学ミラー、光学プリズム、半導体基板等の精密部品基板の研磨に適している。中でも、本発明の基板の製造方法は、高密度化、高集積化において重要なナノスクラッチを顕著に低減し得るものであるため、メモリーハードディスク基板等の磁気ディスク基板や半導体基板の研磨により好適である。
本発明の製造方法により製造された基板はナノスクラッチが極めて少ないものである。従って、該基板が、たとえば、メモリーハードディスク基板である場合には、記録密度90G/inch2 、さらには120G/inch2 のものにも対応することができ、半導体基板である場合には、配線幅65nm、さらには45nmのものにも対応することができる。
実施例1〜5、比較例1〜4
以下に記載するように、Al濃度の異なる研磨液組成物を調製し、該研磨液組成物を用いて被研磨物を研磨することにより、ナノスクラッチを評価した。
《研磨液組成物の調製》
表1に示すコロイダルシリカスラリーA〜D、硫酸(和光純薬工業社製 特級)、硫酸アルミニウム(和光純薬工業社製 特級)及びイオン交換水を表2に示す組成となるように、10L容のポリエチレン製容器に添加・混合し、Al濃度の異なる研磨液組成物を得た。また、研磨液組成物を供給する際の配管には、タイゴン(登録商標)製のものを用いた。
《被研磨物》
被研磨物として、Ni−Pメッキされたアルミニウム基板を、アルミナ研磨材を含有する研磨液組成物であらかじめ粗研磨し、Raを1nmとした、厚さ1.27mmのアルミニウム合金基板(外周95mmφ、内周25mm)(以下、Ni−Pメッキした被研磨基板)を用いた。
《研磨条件》
・研磨試験機:スピードファム社製、両面9B研磨機
・研磨布:フジボウ社製、仕上げ研磨用パッド(厚さ0.9mm、開孔径30μm、ショアA硬度60°)
・定盤回転数:32.5r/min
・研磨液組成物供給量:100mL/min
・研磨時間:4分
・研磨荷重:7.8kPa
・投入した基板の枚数:10枚
《ナノスクラッチの測定条件》
・測定機器:VISION PSYTEC製、「MicroMax VMX−2100CSP」
・光源:2Sλ(250W)及び3Pλ(250W)共に100%
・チルト角:−6°
・倍率:最大(視野範囲:全面積の120分の1)
・観察領域:全面積(外周95mmφで内周25mmの基板)
・アイリス:notch
・評価:研磨試験機に投入した基板の中から、無作為に4枚を選択し、その4枚の基板の各々両面にあるナノスクラッチ数(本)の合計を8で除して、基板面当たりのナノスクラッチ数を算出した。
《Alの定量方法》
研磨液組成物及び基板又は研磨パッドへの供給直前で採取された研磨液組成物中のAl濃度は、研磨液組成物をフッ化水素酸、硝酸で溶解し、シリカ等のAl定量の妨害となる元素を除去した後、4重極型誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP質量分析装置:セイコーインスツルメンツ(株)製、商品名:SPQ−8000)にて定量して求めた。
Figure 0004640981
Figure 0004640981
表2に示される通り、実施例1〜5で得られた基板は、Al濃度が高い研磨液組成物を用いた比較例1〜4で得られた基板に比べ、ナノスクラッチが少ないものであることがわかる。
また、研磨液組成物中のコロイダルシリカに対するアルミニウムの含有量比が小さいと、ナノスクラッチが少なくなる傾向にあることがわかる。
また、研磨廃液のpHが低いと、ナノスクラッチが少なくなる傾向にあることがわかる。
本発明の基板の製造方法は、精密部品基板の製造に好適に用いられる。たとえば、メモリーハードディスク基板等の磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の磁気記録媒体の基板、フォトマスク基板、光学レンズ、光学ミラー、光学プリズム、半導体基板等の精密部品基板の研磨に適している。

Claims (2)

  1. 珪酸塩法により製造されたコロイダルシリカと、酸又はその塩とを含有する研磨液組成物をNi−Pメッキされたアルミニウム合金基板又は研磨パッドに供給して該基板を研磨する工程を有するナノスクラッチの低減方法であって、基板又は研磨パッドに供給される際の研磨液組成物中のアルミニウム濃度が3〜50ppmでり、該研磨をする工程における研磨廃液のpHが1.2〜3である、ナノスクラッチの低減方法。
  2. Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板又は研磨パッドに供給される際の研磨液組成物中のコロイダルシリカに対するアルミニウムの含有量比(アルミニウム重量/コロイダルシリカ重量)が5/10000以下である、請求項1記載のナノスクラッチの低減方法。
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