JP2006130638A - 容器入り研磨材粒子分散液 - Google Patents

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Abstract

【課題】保管期間に依存せず、長期間保管した後の研磨でも被研磨物のナノスクラッチを顕著に低減することができる容器入り研磨材粒子分散液及び該容器入り研磨材粒子分散液を含む研磨液キットを提供すること。
【解決手段】容器内の壁面の全面積に対する研磨材粒子分散液の接液面積の比(接液面積)/(容器内の全壁面面積)が0.85以上である容器入り研磨材粒子分散液、並びに該容器入り研磨材粒子分散液と酸及び/又はその塩とから構成される研磨液キット。
【選択図】なし

Description

本発明は、容器入り研磨材粒子分散液及び該容器入り研磨材粒子分散液を用いる研磨液キットに関する。
近年のメモリーハードディスクドライブには、高容量・小径化が求められ記録密度を上げるために磁気ヘッドの浮上量を低下させて、単位記録面積を小さくすることが求められている。それに伴い、磁気ディスク基板の製造工程においても研磨後に要求される表面品質は年々厳しくなってきている。即ち、ヘッドの低浮上化に応じて、表面粗さ、微小うねり、ロールオフ及び突起を低減する必要があり、単位記録面積の減少に応じて、許容される基板面当たりのスクラッチ数は少なく、その大きさと深さはますます小さくなってきている。
また、半導体分野においても、高集積化と高速化が進んでおり、特に高集積化では配線の微細化が要求されている。その結果、半導体基板の製造プロセスにおいては、フォトレジストに露光する際の焦点深度が浅くなり、より一層の表面平滑性が望まれている。
このような要求に対して、表面平滑性の向上を目的に、被研磨物の表面に生じる傷(スクラッチ等)の低減を図るべく、コロイダルシリカを含有した研磨液が提案されている(特許文献1)が、その容器、保存条件等には何ら言及されていない。
特開2002―327170号公報
本発明の目的は、保管期間に依存せず、長期間保管した後の研磨でも被研磨物のナノスクラッチを顕著に低減することができる容器入り研磨材粒子分散液及び該容器入り研磨材粒子分散液を含む研磨液キットを提供することにある。
本発明者らは、研磨材粒子分散液を充填していた容器の内壁空間部に付着したシリカ分散液滴からの水分蒸発、乾燥により、固形状物が生成し、それが研磨材粒子分散液に混入し、研磨材粒子分散液を研磨液に用いた場合、その固形状物がナノスクラッチ形成の原因になることを見出した。
そこで、さらに検討を進めたところ、研磨材粒子分散液の容器内の充填状態を特定のものに調整することで、研磨材粒子分散液の物性、特に作用特性を長期間保持できることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕容器内の壁面の全面積に対する研磨材粒子分散液の接液面積の比
(接液面積)/(容器内の全壁面面積)
が0.85以上である容器入り研磨材粒子分散液、並びに
〔2〕前記〔1〕記載の容器入り研磨材粒子分散液と酸及び/又はその塩とから構成される研磨液キット
に関する。
本発明の容器入り研磨材粒子分散液を、例えば、高密度化又は高集積化用の精密部品用基板の研磨工程で用いることにより、ナノスクラッチを顕著に低減できるため、表面性状に優れた高品質の磁気ディスク基板、半導体素子用基板等の精密部品用基板を製造することができるという効果が奏される。
本発明の容器入り研磨材粒子分散液は、前記のように容器内の壁面の全面積に対する研磨材粒子分散液が接液する壁面積の比[(接液面積)/(容器内の全壁面面積)]が0.85以上である点に大きな特徴があり、かかる特徴を有することで、保管期間に依存せず、長期間保管した後の研磨でも被研磨物のナノスクラッチを顕著に低減することができるという効果が奏される。
本発明において、「容器内の全壁面面積」とは、研磨材粒子分散液を入れることが可能な容器内面の全壁面の表面積を意味する(容器に栓がある場合、栓の部分も含む)。また、「接液面積」とは、容器内に研磨材粒子分散液を入れて該容器を静置した場合に、分散液が接触している容器内面の全壁面面積を意味する。なお、容器内の全壁面面積及び接液面積は、幾何学的計算や容器を展開し寸法を測定することにより算出することができる。この計算においては、容器の表面は平滑なものとして取り扱い、1mm未満の凹凸は無視するものとする。
容器内の全壁面面積に対する接液面積の比は、ナノスクラッチ低減の観点から、0.85以上であり、好ましくは0.90以上、より好ましくは0.92以上であり、また、温度上昇による分散液の体積膨張により容器から液が溢れることを防止する観点から、0.99以下が好ましく、0.98以下がより好ましく、0.97以下がさらに好ましい。
なお、容器内の全壁面面積に対する接液面積の比は、容器への充填液量及びフレキシブルバック(たとえば、ポリエチレン製バッグ)の場合には容器内のエアー抜き等により任意に調節することができる。
また、本発明におけるナノスクラッチとは、深さが10nm以上、100nm未満、幅が5nm以上、500nm未満、長さが100μm以上の基板表面の微細な傷で、原子間力顕微鏡(AFM)で検出することができ、後述の実施例に記載の目視検査装置であるVISION PSYTEC社製「MicroMax」による測定でナノスクラッチの本数により定量評価できる。
前記ナノスクラッチは、従来では検出されなかった表面欠陥である。即ち、従来公知の方法を用いる場合、より高容量、高集積といった高密度化に対して、基板の品質が不十分であった。その原因について、本件発明者らが、鋭意研究をした結果、これまで検出できなかった「ナノスクラッチ」の低減が不十分なことにあることを初めて見出した。
本発明において、研磨材粒子分散液は、研磨材粒子が分散された液である。研磨材としては、研磨用に一般に使用される研磨材を使用することができ、例えば、金属、金属又は半金属の炭化物、金属又は半金属の窒化物、金属又は半金属の酸化物、金属又は半金属のホウ化物、ダイヤモンド等が挙げられる。金属又は半金属元素は、周期律表(長周期型)の3A、4A、5A、3B、4B、5B、6A、7A又は8族に属するものが挙げられる。その例としては、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、窒化ケイ素、二酸化マンガン、炭化ケイ素、酸化亜鉛、ダイヤモンド及び酸化マグネシウム等が挙げられる。
中でも、研磨材粒子がコロイド粒子であることが好ましい。コロイド粒子とは、数平均粒径100nm以下の研磨材粒子をさす。コロイド粒子としては、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、コロイダルセリア等が挙げられる。ナノスクラッチ低減の観点から、コロイダルシリカが好ましい。コロイダルシリカは、例えば珪酸水溶液から生成させる製法によって得ることができる。なお、これらの研磨材粒子の分散状態としては、特に限定はなく、流動性を有していればよい。
また、前記研磨材粒子は、2種以上を混合して用いることができる。また、これら粒子を官能基で表面修飾あるいは表面改質したもの、界面活性剤や他の研磨材で複合粒子化したもの等も用いることができる。
コロイド粒子等の研磨材粒子の一次粒子の平均粒径は、ナノスクラッチを低減する観点及び表面粗さ(中心線平均粗さ:Ra、Peak to Valley値:Rmax)を低減する観点から、1〜50nmが好ましい。同時に研磨速度を向上させる観点から、より好ましくは3〜50nm、さらに好ましくは5〜40nm、さらに好ましくは5〜30nmである。
研磨材粒子の一次粒子の平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)での観察画像から求める方法や、滴定法、BET法によって、それぞれの方法で測定した時の平均粒径として求めることができる。
容器入り研磨材粒子分散液中の研磨材粒子の含有量としては、ナノスクラッチ低減の観点から、0.5〜50重量%が好ましく、0.5〜25重量%がより好ましい。
また、使用時における研磨材粒子分散液中の研磨材粒子の含有量は、研磨速度を向上させる観点から、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上、さらに好ましくは3重量%以上、さらに好ましくは5重量%以上であり、また、経済的に表面品質を向上させる観点から、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは13重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。従って、研磨速度を向上させ、且つ経済的に表面品質を向上させる観点から該含有量は、好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは1〜15重量%、さらに好ましくは3〜13重量%、さらに好ましくは5〜10重量%である。研磨材粒子の含有量は、研磨材粒子分散液製造時における含有量あるいは使用時における含有量のいずれであってもよく、通常、濃縮液として製造され、これを使用時に希釈して用いる場合が多い。
本発明の研磨材粒子分散液に使用される媒体としては、イオン交換水、蒸留水、超純水等の水、アルコール等が挙げられる。これらの媒体の含有量は、100重量%から研磨材及び後述の他の成分を除いた残部に相当し、60〜99重量%が好ましく、80〜97重量%がより好ましい。
保管時の容器入り研磨材粒子分散液のpHは、研磨材粒子の分散安定性及びナノスクラッチ低減の観点から、研磨材粒子の等電点から離れていることが好ましい。研磨材粒子の種類により等電点は異なる。例えば、コロイダルシリカの等電点は、1〜4であるため、保管時のpHは、7以上が好ましく、より好ましくは8以上、さらに好ましくは8.5以上、さらに好ましくは9以上であり、また、コロイド粒子の溶解の観点から、12以下が好ましく、より好ましくは11以下、さらに好ましくは10.5以下である。
かかる構成を有する本発明の容器入り研磨材粒子分散液は、例えば、前記研磨材粒子、水、必要であれば、他の研磨材等を公知の方法で混合した後、容器に入れたり、容器中に前記の成分を添加・混合することで調製することができる。
研磨材粒子分散液を入れる容器としては、バックインボックス、缶、ドラム、コンテナ等が挙げられる。
金属イオンの溶出による凝集防止の観点から、容器内の壁面部分の材質が有機高分子であることが好ましい。さらに研磨材粒子分散液の付着残りを低減する観点から、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(テトラフルオロエチレン)が特に好ましい。
また、研磨材粒子分散液を容器に入れる際には、該分散液中に含有する研磨一次粒子の凝集物あるいは粗大研磨一次粒子を効率的且つ経済的に除去する目的で、フィルターによる精密濾過が好適に用いられる。
また、前記のようにして容器内の壁面部分の材質と該容器に充填する研磨材粒子分散液との接触角は、ナノスクラッチ低減の観点から、80度以上が好ましく、より好ましくは85度以上、さらに好ましくは90度以上である。接触角は、容器内の壁面部分の材質と分散液の表面張力により決まる。
なお、接触角は、例えば、協和界面科学製、接触角測定器により測定することができる。
以上のような構成を有する容器入り研磨材粒子分散液は、ナノスクラッチを低減する観点から、0℃以上60℃未満で保管することが好ましく、より好ましくは10℃以上45℃未満、さらに好ましくは20℃以上35℃未満である。
本発明の容器入り研磨材粒子分散液は、研磨液組成物の原料として用いることができる。この場合、容器入り研磨材粒子分散液のpHを酸性に調整したものを研磨液組成物として用いることが好ましい。該pHは、具体的には、0.1〜7である。アルカリ性においては、酸性に比べてナノスクラッチの発生が著しい。その発生機構は明らかではないが、研磨粒子同士が表面電荷によって強く反発し合うアルカリ性雰囲気下では、研磨液組成物中に含有される研磨一次粒子の凝集物あるいは粗大研磨一次粒子が研磨部において密な充填ができずに、研磨圧力下で局部荷重を受けやすくなるためと推定している。pHは、被研磨物の種類や要求特性に応じて決定することが好ましく、被研磨物の材質が金属材料では、研磨速度を向上させる観点から、pHは、好ましくは6以下、より好ましくは5以下、さらに好ましくは4以下である。また、人体への影響や研磨装置の腐食防止の観点から、pHは、好ましくは0.5以上、より好ましくは1以上、さらに好ましくは1.4以上である。特に、ニッケル−リン(Ni−P)メッキされたアルミニウム合金基板のように被研磨物の材質が金属材料の精密部品用基板においては、前記観点を考慮してpHは、0.5〜6が好ましく、より好ましくは1.0〜5、さらに好ましくは1.4〜4である。
pHは、以下の酸及び/又はその塩によって調整することができる。具体的には、硝酸、硫酸、亜硝酸、過硫酸、塩酸、過塩素酸、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、アミド硫酸等の無機酸又はそれらの塩、2−アミノエチルホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸等の有機ホスホン酸又はそれらの塩、グルタミン酸、ピコリン酸、アスパラギン酸等のアミノカルボン酸又はそれらの塩、シュウ酸、ニトロ酢酸、マレイン酸、オキサロ酢酸等のカルボン酸又はそれらの塩、等が挙げられる。中でもナノスクラッチを低減する観点から、無機酸又は有機ホスホン酸及びそれらの塩が好ましい。
また、無機酸又はそれらの塩の中では、硝酸、硫酸、塩酸、過塩素酸又はそれらの塩がより好ましく、有機ホスホン酸又はそれらの塩の中では、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)又はそれらの塩がより好ましい。これらの酸又はそれらの塩は、単独で又は2種類以上を混合して用いてもよい。
これらの塩の対イオン(陽イオン)としては、特に限定はなく、具体的には、金属イオン、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオンとの塩が挙げられる。金属の具体的な例としては、周期律表(長周期型)の1A、1B、2A、2B、3A、3B、4A、6A、7A又は8族に属する金属が挙げられる。ナノスクラッチを低減する観点から、アンモニウムイオン又は1A族に属する金属イオンが好ましい。
前記のように、本発明の容器入り研磨材粒子分散液を研磨液組成物として使用する態様としては、例えば、容器入り研磨材粒子分散液と、酸及び/又はその塩とから構成される研磨液キットが挙げられる。したがって、本発明は、かかる研磨液キットにも関する。
前記研磨液キットにおいて酸及び/又はその塩は、容器入り研磨材粒子分散液と混合しない状態であればよく、使用前まで別の耐性のある容器中に保管しておくことが好ましい。
また、研磨液キットを使用する場合、ナノスクラッチ低減の観点から、使用直前に水で希釈したり、酸及び/又はその塩を添加して使用することが好ましい。また、同様の観点から、容器中の全量を1回で使い切ることが好ましい。
本発明の研磨液キットにおいて、容器入り研磨材粒子分散液と酸及び/又はその塩とを混合することで、研磨液組成物を調製することができる。得られる研磨液組成物は、例えば、不織布の有機高分子系研磨布等(研磨パッド)と被研磨基板との間に供給され、即ち、研磨液組成物が研磨パッドを貼り付けた研磨盤で挟み込まれた基板研磨面に供給され、所定の圧力の下で研磨盤及び/又は基板を動かすことにより、基板に接触しながら研磨工程に用いられる。この研磨によりナノスクラッチの発生を顕著に抑えることができる。
効果的にナノスクラッチを低減するためには、前記研磨液組成物を用いて、あるいは研磨液組成物の組成となるように各成分を混合して研磨液組成物を調製し、被研磨基板を研磨する。これにより、被研磨基板の表面欠陥、特にナノスクラッチを顕著に低減でき、さらに表面粗さの低い表面品質に優れた基板を製造することができる。
特に精密部品用基板の製造に好適である。例えば磁気ディスク、光磁気ディスク等の磁気ディスク基板、光ディスク、フォトマスク基板、光学レンズ、光学ミラー、光学プリズム、半導体基板などの精密部品用基板の研磨に適している。半導体基板の製造においては、シリコンウエハ(ベアウエハ)のポリッシング工程、埋め込み素子分離膜の形成工程、層間絶縁膜の平坦化工程、埋め込み金属配線の形成工程、埋め込みキャパシタ形成工程等において研磨液組成物を用いることができる。
研磨液組成物が好適な被研磨物の材質としては、例えばシリコン、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅、タンタル、チタン等の金属若しくは半金属、又はこれらの合金、ガラス、ガラス状カーボン、アモルファスカーボン等のガラス状物質、アルミナ、二酸化珪素、窒化珪素、窒化タンタル、炭化チタン等のセラミック材料、ポリイミド樹脂等の樹脂等が挙げられる。これらの中でも、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅等の金属及びこれらの金属を主成分とする合金を含有する被研磨物に好適である。例えば、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板や結晶化ガラス、強化ガラス等のガラス基板により適しており、Ni−Pメッキされたアルミニウム合金基板がさらに適している。
被研磨物の形状には特に制限は無く、例えばディスク状、プレート状、スラブ状、プリズム状等の平面部を有する形状や、レンズ等の曲面部を有する形状のものに研磨液組成物は用いられる。中でも、ディスク状の被研磨物の研磨に優れている。
基板の製造工程において、複数の研磨工程がある場合、2工程目以降に本発明の研磨液組成物が用いられるのが好ましく、ナノスクラッチ及び表面粗さを顕著に低減し、優れた表面平滑性を得る観点から、仕上げ研磨工程に用いられるのが特に好ましい。仕上げ研磨工程とは、複数の研磨工程がある場合、少なくとも一つの最後の研磨工程を指す。
実験例1〜7
研磨材粒子分散液として、コロイダルシリカ分散液(デュポン社製、一次粒子の平均粒径22nm、シリカ粒子濃度40重量%)を必要に応じて精密フィルターに通した後、容器内に入れた。適宜、エアー抜きをした後、所定の接液面積/容器内の全壁面面積の比になるよう調整して容器入りコロイダルシリカ分散液を得た。これを室温で1ヶ月保存後、容器入りコロイダルシリカ分散液と水とを1:6(体積比)の割合で希釈し、さらに硫酸(和光純薬工業社製特級)を0.4重量%となるように添加して、研磨液組成物を調製した(pH1.5)。
得られた研磨液組成物を用いて以下の方法に基づいて被研磨基板を研磨し、そのナノスクラッチの有無について評価した。
なお、表1に、使用した容器の種類、精密フィルター処理の有無、エアー抜きの有無及び接液面積/容器内の全壁面面積の比、コロイダルシリカ分散液のpH、容器材質、接触角、およびナノスクラッチの結果を示す。
1.研磨条件
・研磨試験機:スピードファム社製、両面9B研磨機
・研磨パッド:フジボウ社製、ウレタン製仕上げ研磨用パッド
・上定盤回転数:32.5r/min
・研磨液組成物供給量:100mL/min
・本研磨時間:4min
・本研磨荷重:7.8kPa
・投入した被研磨基板の枚数:10枚
2.被研磨基板
アルミナ研磨材を含有する研磨液であらかじめ粗研磨し、AFM−Ra10Åとした、厚さ1.27mmの外径95mmφで内径25mmφのNi−Pメッキされたアルミニウム合金基板を被研磨基板として用いた。
3.ナノスクラッチの測定条件
・測定機器:VISION PSYTEC社製、「MicroMax VMX−2100CSP」
・光源:2Sλ(250W)及び3Pλ(250W)共に100%
・チルト角:−6度
・倍率:最大(視野範囲:全面積の120分の1)
・観察領域:全面積(外周95mmφで内周25mmの基板)
・アイリス:notch
・評価:研磨試験機に投入した基板の中、無作為に4枚を選択し、その4枚の基板の各々両面にあるナノスクラッチ数(本)の合計を8で除して、基板面当たりのナノスクラッチ数を算出した。
Figure 2006130638
表1の結果より、精密フィルターを用いたもの同士、あるいは用いないもの同士で比較すると、接液面積/容器内の全壁面面積の比が0.85以上のものがそれ未満のものに比べナノスクラッチの発生が顕著に抑えられていることがわかる。
実験例8〜11
実験例1と同じ容器入りコロイダルシリカ分散液を表2に示す温度に設定された恒温槽内で1ヶ月保管した後、実験例1と同じ方法で研磨を行いナノスクラッチ評価を行った。その結果を表2に示す。
Figure 2006130638
表2の結果より、得られた研磨液組成物は、5〜45℃という広い範囲の保管温度に関わらず、実用的なナノスクラッチ低減効果を十分に保持しているといえる。
本発明の容器入り研磨材粒子分散液は、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク等のディスク基板の研磨あるいは光ディスク、フォトマスク基板、光学レンズ、光学ミラー、光学プリズム、半導体基板等の精密部品基板の研磨等に好適に使用することができる。

Claims (7)

  1. 容器内の壁面の全面積に対する研磨材粒子分散液の接液面積の比
    (接液面積)/(容器内の全壁面面積)
    が0.85以上である容器入り研磨材粒子分散液。
  2. 研磨材粒子がコロイド粒子である請求項1記載の容器入り研磨材粒子分散液。
  3. pHが7以上である請求項1又は2記載の容器入り研磨材粒子分散液。
  4. 容器内の壁面部分の材質が有機高分子である請求項1〜3いずれか記載の容器入り研磨材粒子分散液。
  5. 容器内の壁面部分の材質と該容器に充填する研磨材粒子分散液との接触角が80度以上のものである請求項1〜4いずれか記載の容器入り研磨材粒子分散液。
  6. 酸及び/又はその塩と共に用いられる請求項1〜5いずれか記載の容器入り研磨材粒子分散液。
  7. 請求項1〜6いずれか記載の容器入り研磨材粒子分散液と酸及び/又はその塩とから構成される研磨液キット。
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