JP2007177100A - 可塑性油脂組成物(ハードストック)及びこれを用いた可塑性油脂食品の製造法 - Google Patents
可塑性油脂組成物(ハードストック)及びこれを用いた可塑性油脂食品の製造法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】
この発明が解決しようとする課題は、トランス異性体含量を低減した硬化油及び分別油を使用し、製造時の作業性、保存における品質(硬さ、グレーニング、染み出し耐性)の良好な可塑性油脂食品を開発することである。
【解決手段】
本発明は、
(1)PPP含量が4〜18重量%、PPO+POPが15〜55重量%、PPO/POP>1、(PPO+POP)/PPP>1.8である可塑性油脂組成物。
(2)PPP含量が5〜15重量%、PPO+POPが25〜50重量%でPPO/POP≧2である(1)記載の可塑性油脂組成物。
(3)炭素数22個以上の脂肪酸を0.2〜2重量%含む(1)、(2)記載の可塑性油脂組成物。
(4)(1)記載の可塑性油脂組成物に液体油を配合してなる可塑性油脂食品の製造法。
である。
【選択図】なし
この発明が解決しようとする課題は、トランス異性体含量を低減した硬化油及び分別油を使用し、製造時の作業性、保存における品質(硬さ、グレーニング、染み出し耐性)の良好な可塑性油脂食品を開発することである。
【解決手段】
本発明は、
(1)PPP含量が4〜18重量%、PPO+POPが15〜55重量%、PPO/POP>1、(PPO+POP)/PPP>1.8である可塑性油脂組成物。
(2)PPP含量が5〜15重量%、PPO+POPが25〜50重量%でPPO/POP≧2である(1)記載の可塑性油脂組成物。
(3)炭素数22個以上の脂肪酸を0.2〜2重量%含む(1)、(2)記載の可塑性油脂組成物。
(4)(1)記載の可塑性油脂組成物に液体油を配合してなる可塑性油脂食品の製造法。
である。
【選択図】なし
Description
この発明は、可塑性油脂組成物(ハードストック)及びこれを用いた可塑性油脂食品の製造法
に関する物である。
に関する物である。
従来マーガリン、ショートニング、フィリングは、しばしば可塑性を有する硬化油を常温で液状である液体油と調合した油脂が使用されてきた。しかし、近年硬化油に含まれるトランス異性体の量を低減させた、或いは含まない可塑性油脂組成物が要望されている。トランス異性体を含まない植物性の可塑性油脂としてはパーム油分別油が考えられるが、経時的にグレーニングが発生するなど可塑性油脂としての難点も想起され、製造時の作業性、保存における経時変化において、一般市場で満足される品質の可塑性油脂は容易に得がたい。
また従来技術に、ノートランスの可塑性油脂として、液体油及びパーム油起源の油脂、及びラウリン系油脂の配合油を非選択的エステル交換することを特徴とする油脂の製造法(特許文献1)、また、液体油とベヘン酸又はそのエステルあるいはそれらを含む油脂とパーム油起源の油脂、及びラウリン系油脂の配合油を非選択的エステル交換することを特徴とする油脂の製造法(特許文献2)があるが、ともにラウリン系油脂を使用しているため、もし乳化破壊が起こると油脂の加水分解によりソーピー臭が発生する危険がある。
特開平09−241672号公報
特開平09−241673号公報
この発明が解決しようとする課題は、トランス異性体含量を低減し、またラウリン酸を含まない油脂を使用し、製造時の作業性、保存における品質(硬さ、グレーニング、染み出し耐性)の良好な可塑性油脂組成物を開発することである。
本発明者らは、これらの課題解決に対して鋭意検討を行なった結果、PPP含量が4〜18重量%、PPO+POPが15〜55重量%、PPO/POP>1、(PPO+POP)/PPP>1.8の油脂組成物を使用することで、製造時の作業性が良好で、且つ保存における品質(硬さ、グレーニング、染み出し耐性)の良好な可塑性油脂組成物が製造できることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)PPP含量が4〜18重量%、PPO+POPが15〜55重量%、PPO/POP>1、(PPO+POP)/PPP>1.8である可塑性油脂組成物。
(2)PPP含量が5〜15重量%、PPO+POPが25〜50重量%でPPO/POP≧2である(1)記載の可塑性油脂組成物。
(3)炭素数22個以上の脂肪酸を0.2〜2重量%含む(1)、(2)記載の可塑性油脂組成物。
(4)(1)記載の可塑性油脂組成物に液体油を配合してなる可塑性油脂食品の製造法。
である。
(1)PPP含量が4〜18重量%、PPO+POPが15〜55重量%、PPO/POP>1、(PPO+POP)/PPP>1.8である可塑性油脂組成物。
(2)PPP含量が5〜15重量%、PPO+POPが25〜50重量%でPPO/POP≧2である(1)記載の可塑性油脂組成物。
(3)炭素数22個以上の脂肪酸を0.2〜2重量%含む(1)、(2)記載の可塑性油脂組成物。
(4)(1)記載の可塑性油脂組成物に液体油を配合してなる可塑性油脂食品の製造法。
である。
以上のように、本発明による可塑性油脂組成物を使用することにより、製造時の作業性、且つ硬さ、保存における品質の良好で、トランス異性体含量を低減した可塑性油脂組成物、及びマーガリン、ショートニング、フィリング等の可塑性油脂食品を製造することができる。
本発明における可塑性油脂食品は、家庭用マーガリン、家庭用ファットスプレッド、製菓用マーガリン、製菓用ショートニング、製パン用マーガリン、製パン用ショートニング、製菓製パン用フィリングを包含する。
この発明において可塑性油脂組成物は、食用植物油、該分別油、又はその調合油を非選択的エステル交換して得られた油脂や、非選択的エステル交換油を分別した油脂、更にそれらの調合油により調整される。上記の非選択的エステル交換油は、ナトリウムメチラートなどのアルカリ触媒、リパーゼなどの酵素触媒のどちらを用いたものでもよく分別油脂も溶剤分別方法、乾式分別方法に限定されず公知の方法から得られる。食用植物油の中でも、特にパーム油、パーム分別油の使用が良好である。
可塑性油脂組成物は、PPP含量が4〜18重量%、PPO+POPが15〜55重量%、PPO/POP>1、(PPO+POP)/PPP>1.8で、好ましくはPPP含量が5〜15重量%、PPO+POPが25〜50重量%でPPO/POP≧2である。
PPP含量が4重量%未満の場合、可塑性油脂食品が柔らかすぎて、容器に充填するときにはみ出すなど作業性が悪い。また、可塑性油脂食品を5℃に保存した時もやわらかすぎる。PPP含量が18重量%を越えると、マーガリンの呈味(塩味、乳味)が感じにくくなる。また、PPO+POPが15重量%未満の場合、呈味(塩味、乳味)が感じられず、55重量%より多くすることは、分別時の収率が悪く現実的でない。PPO/POP≦1であるとグレーニングが発生する可能性が高くなる。(PPO+POP)/PPP≦1.8であると、呈味(塩味、乳味)が感じられない。
本発明において、可塑性油脂組成物中に炭素数が22個以上の脂肪酸を0.2〜2重量%含むことが好ましい。この可塑性油脂組成物に導入される炭素数が22個以上の脂肪酸は、ハイエルシック菜種油、魚油等の極度硬化油や脂肪酸エステル等を原料とすることができる。これらをエステル交換油の原料に調合してエステル交換を行なうことにより、炭素数が22個以上の脂肪酸をトリグリセリド中に均一に導入でき、高温での染み出し耐性が良好となる。炭素数が22個以上の脂肪酸量が少なすぎると、高温での染み出し耐性が悪化する傾向があり、多すぎると可塑性油脂組成物のくちどけが悪化する傾向がある。
これらの可塑性油脂組成物を20〜80重量%、常温で液状である液体油を80〜20重量%の比率で調合した油脂により、可塑性油脂食品を製造する。この時、必要とされる品質に応じて、液体油の一部を他のトランス酸含量の低い個体脂(パーム油、パーム核油、やし油、シア脂、サル脂、イリッペ脂、これらの分別油、または微水添硬化油)を配合することが出来る。可塑性油脂組成物が20重量%未満で、液体油が80重量%より多い場合、可塑性油脂食品を製造する際に、生地の粘度が低く作業性が悪化する。また、夏場の外気温での液油の染み出し耐性も悪化する傾向がある。可塑性油脂組成物が80重量%より多く、液体油が20重量%未満であると、可塑性油脂食品を製造する際に生地の粘度が高すぎて、容器へ充填しにくくなる。また、低温(5℃)でのスプレッド性、くちどけ性が悪化する傾向がある。
可塑性油脂組成物、特に家庭用マーガリン、家庭用ファットスプレッドは、一般的な方法によって製造できるが、代表的な方法を述べると、まず、親油性の乳化剤を含有した油相部と脱脂粉乳、食塩、糖類を添加した水相部を加熱混合して予備乳化を行う。予備乳化後コンビネーター、パーフェクター、コンプレクター等の冷却、混合機により可塑性油脂組成物を製造することができる。
親油性の乳化剤として、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等、従来公知の乳化剤の内、HLB1〜8の乳化剤が挙げられ、本発明においてはこれらのいずれを使用してもよい。
以下に実施例及び比較例を例示して、この発見の効果をより一層に明確にするが、これらは例示であって、本発明が特に限定されるものではない。
<油脂1の調整>
パームステアリン(沃素価31)66部、パーム油(沃素価52)31部、ハイエルシン菜種極度硬化油3部を混合し、ナトリウムメチラートを触媒として混合油に対して0.3%添加し、80℃、真空度40Torr、40分間非選択的エステル交換反応を行った後、水洗、脱水し、精製してエステル交換油を得た。このエステル交換油を油脂1とし、PPP含量は、16.7重量%、PPO+POPは、26.3重量%であった。炭素数22個以上の飽和脂肪酸は、1.4重量%であった。
パームステアリン(沃素価31)66部、パーム油(沃素価52)31部、ハイエルシン菜種極度硬化油3部を混合し、ナトリウムメチラートを触媒として混合油に対して0.3%添加し、80℃、真空度40Torr、40分間非選択的エステル交換反応を行った後、水洗、脱水し、精製してエステル交換油を得た。このエステル交換油を油脂1とし、PPP含量は、16.7重量%、PPO+POPは、26.3重量%であった。炭素数22個以上の飽和脂肪酸は、1.4重量%であった。
<油脂2の調整>
パームステアリン(沃素価31)にナトリウムメチラートを触媒として、油脂1の調整と同条件で非選択的エステル交換反応を行った後、水洗、脱水した。この油脂を溶剤分別によって液状画分(収率55.7%、沃素価47.5)と結晶画分(収率44.3%、沃素価10.8)に分画した。さらに、この液状画分を溶剤分別によって、液状画分(収率19.4%、沃素価60.4)と結晶画分(収率36.3%、沃素価38.8)に分画した。この液状画分を油脂2とし、PPP含量は、1.6重量%、PPO+POP含量は、56.0重量%であった。
パームステアリン(沃素価31)にナトリウムメチラートを触媒として、油脂1の調整と同条件で非選択的エステル交換反応を行った後、水洗、脱水した。この油脂を溶剤分別によって液状画分(収率55.7%、沃素価47.5)と結晶画分(収率44.3%、沃素価10.8)に分画した。さらに、この液状画分を溶剤分別によって、液状画分(収率19.4%、沃素価60.4)と結晶画分(収率36.3%、沃素価38.8)に分画した。この液状画分を油脂2とし、PPP含量は、1.6重量%、PPO+POP含量は、56.0重量%であった。
<油脂3の調整>
パームダブルオレイン(沃素価67)をナトリウムメチラートを触媒として、油脂1の調整と同条件で非選択的エステル交換反応を行った後、水洗、脱水し、精製した。このエステル交換油を油脂3とし、PPP含量は、3.0重量%、PPO+POP含量は、14.3重量%の。
パームダブルオレイン(沃素価67)をナトリウムメチラートを触媒として、油脂1の調整と同条件で非選択的エステル交換反応を行った後、水洗、脱水し、精製した。このエステル交換油を油脂3とし、PPP含量は、3.0重量%、PPO+POP含量は、14.3重量%の。
<油脂4の調整>
パーム油(沃素価52)を油脂4とした。PPP含量は、4.9重量%、PPO+POP含量は、26.9重量%であった。
パーム油(沃素価52)を油脂4とした。PPP含量は、4.9重量%、PPO+POP含量は、26.9重量%であった。
<油脂5の調整>
パームステアリン(沃素価31)60部、パーム油(沃素価52)40部を混合し、ナトリウムメチラートを触媒として、油脂1の調整と同条件で非選択的エステル交換反応を行った後、水洗、脱水し、精製してエステル交換油を得た。このエステル交換油を油脂5とし、PPP含量は、16.7重量%、PPO+POPは、28.3重量%であった。
パームステアリン(沃素価31)60部、パーム油(沃素価52)40部を混合し、ナトリウムメチラートを触媒として、油脂1の調整と同条件で非選択的エステル交換反応を行った後、水洗、脱水し、精製してエステル交換油を得た。このエステル交換油を油脂5とし、PPP含量は、16.7重量%、PPO+POPは、28.3重量%であった。
<油脂6の調整>
パームステアリン(沃素価31)をナトリウムメチラートを触媒として、油脂1の調整と同条件で非選択的エステル交換反応を行った後、水洗、脱水し、精製した。このエステル交換油を油脂6とし、PPP含量は、24.5重量%、PPO+POP含量は、29.5重量%であった。
パームステアリン(沃素価31)をナトリウムメチラートを触媒として、油脂1の調整と同条件で非選択的エステル交換反応を行った後、水洗、脱水し、精製した。このエステル交換油を油脂6とし、PPP含量は、24.5重量%、PPO+POP含量は、29.5重量%であった。
<油脂7の調整>
パームステアリン(沃素価31)60部、パーム油(沃素価52)31部、ハイエルシン菜種極度硬化油9部を混合し、ナトリウムメチラートを触媒として、油脂1の調整と同条件で非選択的エステル交換反応を行った後、水洗、脱水し、精製した。このエステル交換油を油脂7とし、PPP含量は、13.6重量%、PPO+POPは、21.8重量%であった。炭素数22個以上の飽和脂肪酸は、4.3重量%であった。
パームステアリン(沃素価31)60部、パーム油(沃素価52)31部、ハイエルシン菜種極度硬化油9部を混合し、ナトリウムメチラートを触媒として、油脂1の調整と同条件で非選択的エステル交換反応を行った後、水洗、脱水し、精製した。このエステル交換油を油脂7とし、PPP含量は、13.6重量%、PPO+POPは、21.8重量%であった。炭素数22個以上の飽和脂肪酸は、4.3重量%であった。
<油脂8の調整>
沃素価0.7、上昇融点33度の極度硬化ヤシ油を油脂8とした。PPP含量及びPPO+POP含量は1重量%未満であった。
沃素価0.7、上昇融点33度の極度硬化ヤシ油を油脂8とした。PPP含量及びPPO+POP含量は1重量%未満であった。
<実施例1〜6及び比較例1〜7>
油脂1、2、3、4、5、6、7、8と大豆油を表1の比率で配合したものを油相として、油相:水相=70:30で調整した。乳化剤は、ステアリン酸系モノグリセリドとレシチンをファットスプレッドに対し各々0.3重量%添加した。水相は、ファットスプレッドに対し精製塩を1.0重量%、脱脂粉乳を3.0重量%、水を26重量%で調整した。また、表1の下段には、油脂組成物のPPP含量、PPO+POP含量、炭素数が22個以上の脂肪酸含量、PPO+POP/PPP比率、PPO/POP比率を示す。更にファットスプレッドの製造時の作業性、硬さ、保存における経時変化(染み出し耐性、グレーニング、官能評価)の結果を表2に示す。
油脂1、2、3、4、5、6、7、8と大豆油を表1の比率で配合したものを油相として、油相:水相=70:30で調整した。乳化剤は、ステアリン酸系モノグリセリドとレシチンをファットスプレッドに対し各々0.3重量%添加した。水相は、ファットスプレッドに対し精製塩を1.0重量%、脱脂粉乳を3.0重量%、水を26重量%で調整した。また、表1の下段には、油脂組成物のPPP含量、PPO+POP含量、炭素数が22個以上の脂肪酸含量、PPO+POP/PPP比率、PPO/POP比率を示す。更にファットスプレッドの製造時の作業性、硬さ、保存における経時変化(染み出し耐性、グレーニング、官能評価)の結果を表2に示す。
製造時の作業性とは、ファットスプレッドが容器に充填しやすい硬さをもつか評価した。
判定結果:◎適度な硬さをもち非常に良好(充填後、室温において5分以内に固化する) ○良好(充填後、室温において10分以内に固化する) ×軟らかく不良(充填後、室温において15分超過しても固化しない)
*固化とは、容器を傾けてもマーガリンが流動しないことをいう
硬さは、5℃1ヶ月後におけるファットスプレッドの硬さをレオメーター(不動工業(株)製、プランジャー:10mmφ)にて測定した。
判定結果:◎適度な硬さをもち非常に良好(400〜800g) ○良好(200〜400g) ×軟らかく不良(200g以下)
染み出し耐性は、ファットスプレッドを30℃におき、4時間後の液油の染み出しを評価した。
判定結果:◎染み出しなく良好 ○やや染み出しあるが良好 ×染み出し多く不良
グレーニングは、5℃保存において評価した。
判定結果:◎6ヶ月発生無く非常に良好 ○3ヶ月後発生有り良好
×1ヶ月後発生有り
官能評価とは、ファットスプレッドを口に含んだ際、くちどけがよく、呈味(塩味、乳味)が感じられるか評価した。
判定結果:◎非常に呈味良好 ○呈味良好 ×呈味を感じない
*1 ソーピー臭が発生する
判定結果:◎適度な硬さをもち非常に良好(充填後、室温において5分以内に固化する) ○良好(充填後、室温において10分以内に固化する) ×軟らかく不良(充填後、室温において15分超過しても固化しない)
*固化とは、容器を傾けてもマーガリンが流動しないことをいう
硬さは、5℃1ヶ月後におけるファットスプレッドの硬さをレオメーター(不動工業(株)製、プランジャー:10mmφ)にて測定した。
判定結果:◎適度な硬さをもち非常に良好(400〜800g) ○良好(200〜400g) ×軟らかく不良(200g以下)
染み出し耐性は、ファットスプレッドを30℃におき、4時間後の液油の染み出しを評価した。
判定結果:◎染み出しなく良好 ○やや染み出しあるが良好 ×染み出し多く不良
グレーニングは、5℃保存において評価した。
判定結果:◎6ヶ月発生無く非常に良好 ○3ヶ月後発生有り良好
×1ヶ月後発生有り
官能評価とは、ファットスプレッドを口に含んだ際、くちどけがよく、呈味(塩味、乳味)が感じられるか評価した。
判定結果:◎非常に呈味良好 ○呈味良好 ×呈味を感じない
*1 ソーピー臭が発生する
家庭用マーガリン、製菓用マーガリン、製菓用ショートニング、製パン用マーガリン、製パン用ショートニング、製菓製パン用フィリングにおいても同様の結果を得ることが出来た。
以上のように、本発明による可塑性油脂組成物を使用することにより、製造時の作業性、且つ硬さ、保存における品質の良好な可塑性油脂食品を製造できる。また、本発明による可塑性油脂組成物を使用することで、一般的な可塑性油脂組成物のトランス異性体含量を低減させた品質良好な可塑性油脂食品を製造できる。
Claims (4)
- PPP含量が4〜18重量%、PPO+POPが15〜55重量%、PPO/POP>1、(PPO+POP)/PPP>1.8である可塑性油脂組成物。
(PPO:1,2パルミトイル−3オレイルグリセロール、POP:1,3パルミトイル−2オレイルグリセロール) - PPP含量が5〜15重量%、PPO+POPが25〜50重量%でPPO/POP≧2である請求項1記載の可塑性油脂組成物。
- 炭素数22個以上の脂肪酸を0.2〜2重量%含む請求項1または2記載の可塑性油脂組成物。
- 請求項1記載の可塑性油脂組成物に液体油を配合してなる可塑性油脂食品の製造法。
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