JP2007173246A - プラズマディスプレイの製造方法 - Google Patents

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Yuichiro Iguchi
雄一朗 井口
Masahiro Matsumoto
正廣 松本
Tomoko Mikami
友子 三上
Takao Sano
高男 佐野
Yoshiki Masaki
孝樹 正木
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
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Abstract

【課題】簡便な蛍光体層形成を可能にするプラズマディスプレイの製造方法を提供する。
【解決手段】複数の隔壁を形成した基板上に、蛍光体粉末と有機化合物を含む蛍光体ペーストを複数の吐出口を有する口金から連続的に吐出して蛍光体層を形成するプラズマディスプレイの製造方法。
【選択図】図1

Description

本願発明は新規なプラズマディスプレイの製造方法に関する。本願発明に係るプラズマディスプレイは壁掛けテレビや情報表示用のディスプレイとして用いられる。
近年、マルチメディアの進展により、多種多様な情報を表示するためのディスプレイの役割が大きくなっている。それに伴って、ディスプレイの大型化・薄型化が求められており、液晶ディスプレイはノートパソコンをはじめとして、多くの分野に利用されるようになってきた。しかし、液晶ディスプレイは、大型化時の価格や応答速度の点で、大型テレビに用いることは困難である。そこで、大型ディスプレイの本命として、プラズマディスプレイが注目されている。プラズマディスプレイは、前面板と背面板の間に形成された放電空間内で放電を生じさせる。その後、この放電によりキセノンガスから波長147nmを中心とする紫外線が生じて、この紫外線が蛍光体を励起することによって表示が可能になる。RGBに発光する蛍光体を塗り分けた放電セルを駆動回路によって発光させることによりフルカラー表示に対応可能になる。
最近活発に開発が進められているAC型プラズマディスプレイは、表示電極/誘電体層/保護層を形成した前面ガラス基板とアドレス電極/誘電体層/隔壁層/蛍光体層が形成された背面ガラス基板とを張り合わせ、ストライプ形状の隔壁で仕切られた放電空間にHe−XeまたはNe−Xeの混合ガスを封入した構造を有している。
プラズマディスプレイに必要なRGBの蛍光体層を形成する方法として、蛍光体粉末とバインダー樹脂からなる蛍光体ペーストを用いてスクリーン印刷する方法が主に用いられてきた。この方法は、隔壁間に合わせてスクリーンメッシュに開口部を設け、それ以外の部分は乳剤により遮蔽したスクリーン版上にペーストを塗り、蛍光体ペーストが必要な部分(隔壁間)にのみスクリーンメッシュを通して転写されることを利用した方法である。
また、特許文献1に示されるようにスクリーン印刷を行った後にサンドブラストを用いる方法、特許文献2に示されるように架橋剤を塗布した後にスクリーン印刷する方法が提案されている。
しかしながら、スクリーン印刷を用いる方法は、印刷を繰り返すうちにスクリーン版の形状が変化するため精度が低く、高精細のプラズマディスプレイに対応できる蛍光体層を形成することが困難という欠点があり、また、高価なスクリーン版を頻繁に交換する必要があるためコストが高くなる問題がある。
高精細のプラズマディスプレイに対応する蛍光体層を形成する方法として、蛍光体粉末と感光性を有するバインダー樹脂を混合して得られた感光性蛍光体ペーストを用いる方法もある。この方法は、隔壁を形成した基板上に感光性ペーストを全面塗布し、フォトマスクにより部分的に光を照射して、現像液に対して可溶部分と不溶部分を形成した後に現像して必要な部分を残す方法である。しかし、この方法では、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色蛍光体層を形成するために、RGB3回の塗布ー露光ー現像ー乾燥などの工程が必要である。また、蛍光体ペーストのロスが多いという欠点があり、コスト高になるという問題がある。
また、インクジェットノズルの先端から蛍光体ペーストを噴出し、蛍光体層を形成する方法も提案されているが、この場合は、径が小さいインクジェットノズルの先端からペーストを噴出する必要があるためにペースト粘度を0.2ポイズ以下にする必要がある。このため、ペーストの中の蛍光体粉末量を多くできず蛍光体層の厚みをコントロールできない欠点がある。また、インクジェットノズルに蛍光体粉末が詰まるという問題もあり、実用的に用いることはできなかった。
特開平6−5205号公報 特開平5−144375号公報
本発明は上記欠点がないプラズマディスプレイの製造方法を鋭意検討した結果得られたものであり、蛍光体層を高精細な隔壁間に高精度かつ簡便に形成できるプラズマディスプレイの製造方法およびそのためのプラズマディスプレイの製造装置を提供することを目的とする。
本発明の目的は、複数の隔壁を形成した基板上に、蛍光体粉末と有機化合物を含む蛍光体ペーストを複数の吐出口を有する口金から連続的に吐出して蛍光体層を形成するプラズマディスプレイの製造方法によって達成される。
また、本発明の目的は、表面に複数の隔壁が形成されている基板を固定するテーブルと、前記基板の隔壁と対面して複数の吐出口を有する口金と、前記テーブルと前記口金を3次元的に相対移動させる移動手段を備えたことを特徴とするプラズマディスプレイの製造装置によって達成される。
本発明によって、プラズマディスプレイの蛍光体層を高精細な隔壁間に高精度かつ簡便に形成できる。
プラズマディスプレイ(PDP)は、主に前面板と背面板から構成され、該前面板と背面板の間に希ガスを封入して構成される。背面板側は駆動電圧を印加するための電極や放電セルを仕切るための隔壁を形成した基板上に蛍光体層を形成する必要がある。また、該基板上に誘電体層を形成することによって放電安定化を図る場合もある。
基板としては、ソーダガラスやプラズマディスプレイ用に市販されているPD200(旭硝子社製)等のガラス基板やセラミックス製の基板を用いることができる。基板厚みは、1〜3mm、好ましくは2〜3mmのガラスを用いることができる。
この基板上に導電性の金属からなる電極を形成する。好ましく用いられる電極材料としては、金、銀、銅、クロム、パラジウム、アルミニウム、ニッケルから選ばれる少なくとも1種類を含む金属材料である。これらの金属材料を用いて、厚み0.1〜10μm、好ましくは厚み1〜5μmで必要なパターン形状の電極を形成する
電極パターンを形成する方法としては、上記金属粉末とエチルセルロースに代表されるセルロース化合物を含む有機バインダーと混練して得られた金属ペーストをガラス基板上にスクリーン版を用いてパターン印刷する方法や真空蒸着やスパッタリングでガラス基板上に金属膜を形成した後にレジストを用いてエッチングを行う方法を用いることができる。また、好ましい方法としては、金属粉末と感光性有機成分を含む有機バインダー成分を混練して得られた感光性ペーストをガラス基板上に塗布した後、フォトマスクを用いたパターン露光を行い、現像により現像液の可溶部分を除去した後に500〜600℃で焼成することによって電極を形成する方法が、高精細な電極を高精度に形成できるため好ましい。
電極上には誘電体層を形成することにより発光を安定化することができる。誘電体はガラス粉末とエチルセルロースに代表されるセルロース化合物を含む有機バインダーからなるガラスペーストを塗布した後に450〜600℃で焼成することにより形成できる。
隔壁を形成する方法としては、種々の方法が適用できる。例えば、ガラス粉末とエチルセルロースに代表されるセルロース化合物を含む有機バインダーからなるガラスペーストをスクリーン版を用いてパターン形状に多層印刷した後に450〜600℃で焼成することによって形成することができる。また、基板上にガラスペーストを全面塗布した後、ドライフィルムレジストをラミネート後、フォトリソグラフィーにより形成したパターンをマスクにして、サンドブラストにより研削した後に焼成することによって形成することができる。好ましい隔壁の形成方法としては、ガラス粉末と感光性有機成分を混練して得られた感光性ガラスペーストを基板上に全面塗布した後にフォトマスクを用いてフォトリソグラフィーによりパターン形成および焼成を行う方法である。形成する隔壁としては、各放電セルの放電を仕切るためにストライプ形状や格子状が用いられるが、ストライプ形状の隔壁が低コストで簡便に形成することができる。
特に、本発明の方法によれば、スクリーン印刷では形成が困難な高精細の隔壁を形成したガラス基板上に蛍光体層を形成することができる。例えば、隔壁が以下のディメンジョンを有するストライプ形状である場合には、スクリーン印刷法に比べて、欠陥無く蛍光体層を形成することができる。
ピッチ:100〜250μm
線幅 : 15〜 40μm
高さ : 60〜170μm
隔壁と隔壁の間に吐出口を設定する場合には、基板上に形成された隔壁の上面を黒色にすることにより画像認識が容易になる。
本発明では、上記のように隔壁が形成されたガラス基板上に、蛍光体粉末を含むペーストを複数の吐出口を持つ口金から吐出して蛍光体層を形成する。用いる蛍光体粉末としては、赤、青、緑に発光する蛍光体粉末を用いる。本発明に使用される蛍光体粉末としては、例えば、赤色では、Y:Eu、YVO:Eu、(Y,Gd)BO:Eu,YS:Eu、γZn(PO:Mn、(ZnCd)S:Ag+Inなどがある。緑色では、ZnGeO:M、BaAl1219:Mn、ZnSiO:Mn、LaPO:Tb、ZnS:Cu,Al、ZnS:Au,Cu,Al、(ZnCd)S:Cu,Al、ZnSiO:Mn,As、YAl12:Ce、CeMgAl1119:Tb、GdS:Tb、YAl12:Tb、ZnO:Znなどがある。青色では、Sr(POCl:Eu、BaMgAl1423:Eu、BaMgAl1627:Eu、BaMgAl1424:Eu、ZnS:Ag+赤色顔料、YSiO:Ceなどである。
また、ツリウム(Tm)、テルビウム(Tb)およびユーロピウム(Eu)からなる群より選ばれた少なくとも1つの元素で、イットリウム(Y)、ガドリウム(Gd)およびルテチウム(Lu)から選ばれた少なくとも1つの母体構成稀土類元素を置換したタンタル酸稀土類蛍光体が利用できる。好ましくは、タンタル酸稀土類蛍光体が組成式Y1−xEuTaO(式中、Xはおよそ0.005〜0.1である)で表されるユーロピウム付活タンタル酸イットリウム蛍光体である。赤色蛍光体には、ユーロピウム付活タンタル酸イットリウムが好ましく、緑色蛍光体には、タンタル酸稀土類蛍光体が組成式Y1−xTbTaO(式中、Xはおよそ0.001〜0.2である)で表されるテルビウム付活タンタル酸イットリウムが好ましい。青色蛍光体には、タンタル酸稀土類蛍光体がY1−xTbTaO(式中、Xはおよそ0.001〜0.2である)で表されるツリウム付活タンタル酸イットリウムが好ましい。また、緑色蛍光体には、Mnがケイ酸亜鉛(Zn2SiO4)母体量に対して0.2重量%以上、0.1重量%未満付活された平均粒子径2.0μm以上8.0μm以下のマンガン付活亜鉛蛍光体(ZnSiO:Mn)および一般式が(Zn1−xMn)O・αSiO(式中、Xおよびαは、0.01≦X≦0.2、0.5<α≦1.5の範囲の値である)で表されるマンガン付活ケイ酸亜鉛蛍光体が好ましい。
上記において使用される蛍光体粉末粒子径は、作製しようとする蛍光体層パターンの線幅、線間隔(スペース)および厚みを考慮して選ばれるが、50重量%粒子径が0.5〜10μm、比表面積0.1〜2m/gであることが好ましい。より好ましくは50重量%粒子径を0.5〜5μm、比表面積0.2〜1.0m/gである。この範囲にあると、ペーストの混練性が向上し、緻密な蛍光体層を形成することができるため、発光効率が向上でき、高寿命になるので好ましい。粉末粒子径が0.5μm未満、比表面積が2m/g以上になると粉末が細かくなりすぎて、発光輝度が低下するまでの寿命が短くなる。蛍光体粉末の形状としては、多面体状(粒状)のものが使用できるが、凝集のない粉末が好ましい。その中で球状の粉末は緻密な蛍光体層を形成できることから、発光効率を向上できるメリットがある。露光時に散乱の影響を少なくできるのでより好ましい。
蛍光体粉末の球形率が80個数%以上の粒子形状を有していると好ましい。さらに好ましくは、球形率が90個数%以上である。球形率80個数%未満である場合には、紫外線露光時に蛍光体粉末による散乱の影響を受けて高精細なパターンが得られにくくなる。球形率の測定は、蛍光体粉末を光学顕微鏡で300倍の倍率にて撮影し、このうち計数可能な粒子を計数することにより行い、球形のものの比率を球形率とする。
本発明に使用される有機成分は、バインダー樹脂、溶媒および必要に応じて可塑剤、分散剤、レベリング剤などの添加物が含まれる。
バインダー樹脂の具体的な例としては、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、シリコンポリマー(例えば、ポリメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン)、ポリスチレン、ブタジエン/スチレンコポリマー、ポリスチレン、ポリビニルピロリドン、ポリアミド、高分子量ポリエーテル、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマーポリアクリルアミドおよび種々のアクリルポリマー(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ低級アルキルアクリレート、ポリ低級アルキルメタクリレートおよび低級アルキルアクリレートおよびメタクリレートの種々のコポリマーおよびマルチポリマーである。また、好ましいバインダー樹脂としては、セルロース化合物(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース)を用いることによって、焼成後のバインダー残りが少ない蛍光体層を形成できる。
可塑剤の具体的な例としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ポリエチレングリコール、グリセリンなどがあげられる。
溶媒の具体的な例としては、テルピネオール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、2−フェノキシエタノール、γ−フェニルアリルアルコール、ジメチルベンジルカルビノール、β−フェニルエチルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のアルコール系溶媒、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、テトラヒドロフラン、ブチルカルビトールアセテート、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチロラクトン、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、ジブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモ安息香酸、クロロ安息香酸などやこれらのうちの1種以上を含有する有機溶媒混合物が用いられる。特に、アルコール系溶媒が粉末を分散させる上で有利である。中でも、テルピネオールが特に好ましい。また、テルピネオールとベンジルアルコール等の他のアルコール系溶媒を混合して用いることによって、ペーストの粘度調整が容易になる。
上記の蛍光体粉末とバインダーおよび溶媒を所望の比率で混合・混練して蛍光体ペーストを作製するが、ペーストの粘度が、2〜50Pa・sのペーストを用いることにより、ペーストを塗布した際に隔壁側面の厚みをコントロールすることが容易であり、輝度および表示の均一性を高めるために有効である。
蛍光体粉末とバインダー樹脂との重量比が6:1〜3:1である蛍光体ペーストが、高精細のPDPを作製する際に厚み均一性を高めることができる。好ましいペーストの組成としては、赤、緑、青いずれか1色に発光する蛍光体粉末30〜60重量%、バインダー樹脂5〜20重量%および溶媒20〜65重量%の組成にすることによって、ペースト塗布後の乾燥条件によらず、隔壁側面と放電空間底部に均一な厚みの蛍光体層を形成できる。
また、ペーストの組成は作製するプラズマディスプレイの隔壁高さがHμm、隔壁ピッチPμm、隔壁線幅Wμmの場合に、蛍光体ペースト中に含まれる蛍光体粉末の比率a(vol%)の間に以下の関係が成り立つ組成にすることによって、隔壁側面と放電空間の底部に均一な厚みの蛍光体層を形成できる。
(2H+P−W)×5≦H×(P−W)×a≦(2H+P−W)×30
蛍光体ペースト中に有機染料を添加することによって、塗布部分と塗布されていない部分を見分け易くなる。この場合、RGBのそれぞれの蛍光体層に異なる色を発色する有機染料を添加することによって、塗布後の欠陥検査が容易になる。用いる有機染料としては、ロイコ系染料、アゾ系染料、アミノケトン系染料、キサンテン系染料、キノリン系染料、アミノケトン系染料、アントラキノン系、ベンゾフェノン系、ジフェニルシアノアクリレート系、トリアジン系、p−アミノ安息香酸系染料などが使用できる。具体的には、スダンブルー、スダン4、ビクトリアピュアブルー、ナイルブルー、ブリリアントグリーン、ニュートラルレッド、メチルバイオレット等を用いることができる。
本発明においては、バインダー樹脂として感光性化合物を含む感光性蛍光体ペーストを用いることもできる。感光性蛍光体ペーストを用いることにより、フォトマスクを用いて露光・現像を行い不要な部分に付着した蛍光体ペーストを除去することができる。特に、塗布した蛍光体ペーストが隔壁の上面に付着した場合や塗布するべきセルの隣のセルにはみ出した場合に、塗布すべき部分にのみ光照射して、光が照射されていない部分を現像によって除去することにより、混色や放電欠陥を防止することができる。
感光性蛍光体ペーストに用いられる感光性化合物を含む有機成分とは、感光性ポリマー、感光性モノマー、感光性オリゴマーのうち少なくとも1種類から選ばれる感光性成分を含有し、さらに必要に応じて光重合開始剤、増感剤紫外線吸光剤などの添加物を加えることも行われる。
感光性蛍光体ペーストとして、有機成分15〜60重量部、蛍光体粉末40〜85重量部、溶媒10〜50重量部からなる組成のペーストが厚み均一性、パターン形成性を向上する上で有効である。
本発明に用いる感光性化合物を含む有機成分量は、15〜60重量%であることが好ましい。15重量%以下では感光不足のためパターン性が劣化し、60重量%以上では、焼成時の脱バインダー性が悪く焼成不足になる。
感光性成分としては、光不溶化型のものと光可溶化型のものがあり、光不溶化型のものとして、
(A)分子内に不飽和基などを1つ以上有する官能性のモノマー、オリゴマー、ポリマーを含有するもの
(B)芳香族ジアゾ化合物、芳香族アジド化合物、有機ハロゲン化合物などの感光性化合物を含有するもの
(C)ジアゾ系アミンとホルムアルデヒドとの縮合物などいわゆるジアゾ樹脂といわれるもの等がある。
また、光可溶型のものとしては、
(D)ジアゾ化合物の無機塩や有機酸とのコンプレックス、キノンジアゾ類を含有するもの
(E)キノンジアゾ類を適当なポリマーバインダーと結合させた、例えばフェノール、ノボラック樹脂のナフトキノン1,2−ジアジド−5−スルフォン酸エステル等がある。
本発明で用いる感光性成分は、上記のすべてのものを用いることができる。感光性ペーストとして、無機微粒子と混合して簡便に用いることができる感光性成分は、(A)のものが好ましい。
感光性モノマーとしては、炭素−炭素不飽和結合を含有する化合物で、その具体的な例として、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、イソ−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシトリエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、ヘプタデカフロロデシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソボニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、オクタフロロペンチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、トリフロロエチルアクリレート、アリル化シクロヘキシルジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセロールジアクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリグリセロールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アクリルアミド、アミノエチルアクリレート、フェニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、1−ナフチルアクリレート、2−ナフチルアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物のジアクリレート、ビスフェノールA−プロピレンオキサイド付加物のジアクリレート、チオフェノールアクリレート、ベンジルメルカプタンアクリレート、また、これらの芳香環の水素原子のうち、1〜5個を塩素または臭素原子に置換したモノマー、もしくは、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、塩素化スチレン、臭素化スチレン、α−メチルスチレン、塩素化α−メチルスチレン、臭素化α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、カルボキシメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニルカルバゾール、および、上記化合物の分子内のアクリレートを一部もしくはすべてをメタクリレートに変えたもの、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリドンなどが挙げられる。本発明ではこれらを1種または2種以上使用することができる。
これら以外に、不飽和カルボン酸等の不飽和酸を加えることによって、感光後の現像性を向上することができる。不飽和カルボン酸の具体的な例としては、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、またはこれらの酸無水物などがあげられる。
バインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、メタクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、α−メチルスチレン重合体、ブチルメタクリレート樹脂などがあげられる。
また、前述の炭素−炭素二重結合を有する化合物のうち少なくとも1種類を重合して得られたオリゴマーやポリマーを用いることができる。
重合する際に、これらのモノマーの含有率が10重量%以上、さらに好ましくは35重量%以上になるように、他の感光性のモノマーと共重合することができる。
共重合するモノマーとしては、不飽和カルボン酸等の不飽和酸を共重合することによって、感光後の現像性を向上することができる。不飽和カルボン酸の具体的な例としては、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、またはこれらの酸無水物などがあげられる。
こうして得られた側鎖にカルボキシル基等の酸性基を有するポリマーもしくはオリゴマーの酸価(AV)は50〜180、さらには70〜140の範囲が好ましい。酸価が180を越えると、現像許容幅が狭くなる。また、酸価が50未満であると未露光部の現像液に対する溶解性が低下するようになるため現像液濃度を濃くすることになり、露光部まで剥がれが発生し、高精細なパターンが得られにくい。
以上示した、ポリマーもしくはオリゴマーに対して、光反応性基を側鎖または分子末端に付加させることによって、感光性を持つ感光性ポリマーや感光性オリゴマーとして用いることができる。
好ましい光反応性基は、エチレン性不飽和基を有するものである。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基などがあげられる。
このような側鎖をオリゴマーやポリマーに付加させる方法は、ポリマー中のメルカプト基、アミノ基、水酸基やカルボキシル基に対して、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライドを付加反応させて作る方法がある。
グリシジル基を有するエチレン性不飽和化合物としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、エチルアクリル酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル、イソクロトン酸グリシジルエーテルなどがあげられる。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリロイルイソシアネート、(メタ)アクリロイルエチルイソシアネート等がある。
また、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライドは、ポリマー中のメルカプト基、アミノ基、水酸基やカルボキシル基に対して0.05〜1モル当量付加させることが好ましい。
光重合開始剤としての具体的な例として、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジル、ベンジルジメチルケタノール、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンゾスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、カンファーキノン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾインおよびエオシン、メチレンブルーなどの光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミンなどの還元剤の組み合わせなどがあげられる。本発明ではこれらを1種または2種以上使用することができる。
光重合開始剤は、感光性成分に対し、0.1〜6重量%の範囲で添加され、より好ましくは、0.2〜5重量%である。重合開始剤の量が少なすぎると光に対する感度が鈍くなり、光重合開始剤の量が多すぎれば、露光部の残存率が小さくなりすぎるおそれがある。
紫外線吸光剤を添加することも有効である。紫外線吸収効果の高い吸光剤を添加することによって高アスペクト比、高精細、高解像度が得られる。紫外線吸光剤としては有機系染料からなるもの、中でも350〜450nmの波長範囲で高UV吸収係数を有する有機系染料が好ましく用いられる。具体的には、アゾ系染料、アミノケトン系染料、キサンテン系染料、キノリン系染料、アミノケトン系染料、アントラキノン系、ベンゾフェノン系、ジフェニルシアノアクリレート系、トリアジン系、p−アミノ安息香酸系染料などが使用できる。有機系染料は吸光剤として添加した場合にも、焼成後の絶縁膜中に残存しないで吸光剤による絶縁膜特性の低下を少なくできるので好ましい。これらの中でもアゾ系およびベンゾフェノン系染料が好ましい。有機染料の添加量は0.05〜5重量%が好ましい。0.05重量%以下では紫外線吸光剤の添加効果が減少し、5重量%を越えると焼成後の絶縁膜特性が低下するので好ましくない。より好ましくは0.15〜1重量%である。有機顔料からなる紫外線吸光剤の添加方法の一例を上げると、有機顔料を予め有機溶媒に溶解した溶液を作製し、次に該有機溶媒中にガラス粉末を混合後、乾燥することによってできる。この方法によってガラス粉末の個々の粉末表面に有機の膜をコートしたいわゆるカプセル状の粉末が作製できる。
増感剤は、感度を向上させるために添加される。増感剤の具体例としては、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,3−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、ミヒラーケトン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)−イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−カルボニル−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)アセトン、3,3−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、N−フェニル−N−エチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−トリルジエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、3−フェニル−5−ベンゾイルチオテトラゾール、1−フェニル−5−エトキシカルボニルチオテトラゾールなどがあげられる。本発明ではこれらを1種または2種以上使用することができる。なお、増感剤の中には光重合開始剤としても使用できるものがある。増感剤を本発明の感光性ペーストに添加する場合、その添加量は感光性成分に対して通常0.05〜10重量%、より好ましくは0.1〜10重量%である。
増感剤の量が少なすぎれば光感度を向上させる効果が発揮されず、増感剤の量が多すぎれば露光部の残存率が小さくなりすぎるおそれがある。
感光性蛍光体ペーストは、通常、蛍光体粉末、紫外線吸光剤、感光性ポリマー、感光性モノマー、光重合開始剤および溶剤の各種成分を所定の組成となるように調合した後、3本ローラーや混練機で均質に混合分散し作製する。
ペーストの粘度は蛍光体粉末、有機溶媒、可塑剤および沈殿防止剤などの添加割合によって適宜調製されるが、その範囲は2〜50Pa・sが好ましく、より好ましくは5〜20Pa・sである。
次に、本発明の蛍光体層の形成について説明する。上記のようにして準備された蛍光体ペーストは、複数の隔壁を設けた基板の隔壁間(隔壁と隔壁の間)に塗布される。図1は、電極、誘電体、隔壁が設けられた基板の隔壁間に、口金の吐出口から、蛍光体ペーストが吐出され塗布されている状態を示している。また、図2は、このような基板と口金の位置関係を説明するために用意された図面であり、以下説明する本発明の理解に一層役立つ。
上記の蛍光体ペーストを吐出するための吐出口として、先端に吐出孔やノズル、ニードルを有する金属やセラミックス、プラスチック製の口金を有する口金を用いることができる。吐出口には、孔径(内径)10〜500μmのものを用いることができるが、好ましい孔径は50〜500μmである。孔径が10μmよりもちいさい場合は、蛍光体粉末による詰まりが生じやすく、孔径が500μmよりも大きい場合は、高精細への塗布時に隣のセルに蛍光体ペーストが漏れ出すという課題がある。また、隣り合う隔壁の間隔(S)と吐出口の平均孔径(D)が、次式の条件を満たすことによって、隔壁上部への蛍光体ペーストの付着を抑制することができる。
10μm≦D≦S≦500μm
吐出口数は1〜6000個の孔を用いることができるが、20〜2000個の孔が望ましい。孔が20個未満では、塗布するための時間がかかりすぎる。望ましくは150個以上にすることにより、高精細のPDPに対応する蛍光体層を短時間で形成することができる。孔数が2000個を越える場合は、吐出口部分の加工精度を確保することが困難になり、高精細のPDPに対応することは困難になる。また、吐出口数を16n±5(nは自然数)の範囲にすることによって、汎用の回路で駆動可能なPDPに対して、蛍光体層を形成することが容易になる。
吐出口のピッチとしては、0.12〜3mmが望ましい。0.12mm未満では吐出口と吐出口の間隔が小さくなるため、口金作製が困難になり、3mmを越えると、300μm以下のピッチで隔壁が形成されたガラス基板に塗布する場合には、塗布制御が困難になる。また、吐出口のピッチを隔壁ピッチの3m倍(mは1〜10の整数)にすることにより、精度良く効率的に塗布することができる。さらに、吐出口の長さ(L)と吐出口の平均孔径(D)について、下式を満たす口金により、ペーストの吐出性が向上する。
L/D=0.1〜600
L/Dが600を越えると、圧力損失が大きくなるため、ペーストの吐出量が少なくなり、蛍光体層の厚みが薄くなる。また、0.1未満になると、吐出口からのペーストのたれが大きくなる。
吐出口から蛍光体ペーストを吐出するためには、一定範囲の圧力で連続的にペーストを加圧して、その圧力でペーストを吐出する事が好ましい。これにより、ペーストの吐出量を一定に保つことができ、安定した塗布厚みを得ることができる。
図1に示したように、吐出口からペーストを吐出しながら、口金と基板を基板上の隔壁に対して平行に相対移動させることにより、蛍光体ペーストを塗布することができる。この場合、基板を固定して口金を走行させても良いし、口金を固定して基板の方を走行させても良い。あるいは、両方を同時に走行させてもかまわない。
口金の吐出口から蛍光体ペーストの吐出を止める際に、口金内部を負圧の状態とすることにより、塗布端部の液だれがなく、塗布厚みばらつきなくペーストを塗布することができる。
また、口金とガラス基板の基板上の隔壁に対して平行に相対移動開始以降に蛍光体ペースト吐出を開始し、かつ、相対移動終了以前に吐出を止めることによっても、塗布端部の液だれによる厚みばらつきを抑制できる。
吐出する場合の吐出口先端部とガラス基板上に形成された隔壁上端部の間隔は、0.01〜2mm、好ましくは0.05〜0.5mmである。吐出口と隔壁上端部の接触を抑制するためには0.01mm以上、さらには0.05mm以上が好ましい。また、吐出口から吐出したペーストが切れることを防止するためには、2mm以下、さらには0.5mm以下が好ましい。
また、装置上に複数の口金を取り付けて同時に塗布することにより、効率よく短時間で塗布することができる。この場合、複数の口金を同じ速度で動かすことにより均一な厚みで塗布することができる。また、3つ以上の口金を取り付けて、該3つ以上の口金から異なる色に発色する蛍光体を含有するペーストを吐出することによって、1度にRGB3色を塗布することが可能になる。さらに、1つの口金から3色の蛍光体ペーストを吐出することもできる。この場合、異なる色の蛍光体ペーストを吐出する吐出口の最短間隔が600μm以上にすることによって、RGBそれぞれの蛍光体の混色を防止することができる。
また、高精細隔壁上に蛍光体層を形成する場合などは、1色ごとに塗布して、1色塗布するごとに乾燥工程を経ることにより、混色を防止することができる。

本発明において、蛍光体ペーストを吐出口から吐出した後、乾燥工程、焼成工程等の加熱工程を用いて、水や有機溶媒、有機成分等を蒸発もしくは分解して除去することにより、蛍光体層を形成することができる。
この場合の加熱工程において、通常蛍光体塗布面を上にして乾燥するが、蛍光体塗布面を下にして乾燥しても良い。蛍光体塗布面を下にすることによって、蛍光体ペーストが隔壁側面を伝うことにより、隔壁側面に蛍光体層を形成することができる。蛍光体層を隔壁間だけでなく隔壁側面にも形成することによって、蛍光体面の面積を大きくでき、プラズマディスプレイの輝度向上に有効である。
また、蛍光体ペーストとして、感光性蛍光体ペーストを用いることによって、フォトリソグラフィーによるパターン加工が可能になる。この場合、塗布工程を経て形成された蛍光体が隔壁の上部などの不要な部分に形成された蛍光体を取り除くのに有効である。
RGB各色の感光性蛍光体ペーストを吐出口から吐出して塗布した後、フォトマスクを介して露光し、露光部分のペーストを現像液に対して可溶化または不溶化することにより、現像工程で不要な部分を取り除き、蛍光体層を形成することができる。現像液は、感光性ペースト中の有機成分が溶解可能である有機溶媒を使用できる。また該有機溶媒にその溶解力が失われない範囲で水を添加してもよい。感光性ペースト中にカルボキシル基等の酸性基を持つ化合物が存在する場合、アルカリ水溶液で現像できる。アルカリ水溶液として水酸化ナトリウムや水酸化カルシウム水溶液などのような金属アルカリ水溶液を使用できるが、有機アルカリ水溶液を用いた方が焼成時にアルカリ成分を除去しやすいので好ましい。
有機アルカリとしては、アミン化合物を用いることができる。具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどが挙げられる。アルカリ水溶液の濃度は通常0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%である。アルカリ濃度が低すぎれば未露光部が除去されずに、アルカリ濃度が高すぎれば、パターン部を剥離させ、また露光部を腐食させるおそれがあり良くない。また、現像時の現像温度は、20〜50℃で行うことが工程管理上好ましい。
蛍光体層の厚みは、側面(隔壁高さの半分の位置での)蛍光体層の厚み(T1)と底部厚み(T2)の間で、下記の関係を示すことにより、輝度に優れたプラズマディスプレイを作製することができる。
10≦T1≦50μm
10≦T2≦50μm
T1またはT2が10μm未満の場合は、放電で生じた紫外線が蛍光体層を通り抜けるため、十分な輝度を得ることが困難であり、50μmを越えると放電電圧が高くなるなどの欠点がある。
また、T1とT2の関係については、次式を満たすことが好ましい。
0.2≦T1/T2≦5
側面の厚みと底部の厚みの比率が、大きすぎたり、小さすぎたりする場合は、表示画面に視野角依存性が生じやすくなり、大型画面化に問題がある。
蛍光体ペーストを所定の位置に塗布した後に、焼成炉にて焼成を行うことにより有機成分を除去して、蛍光体層を形成できる。焼成雰囲気や、温度はペーストや基板の種類によって異なるが、空気中、窒素、水素等の雰囲気中で焼成する。
焼成温度は300〜550℃で行う。好ましくは、350〜500℃である。
隔壁の上面部に蛍光体が付着した場合、前面板と合わせて封着する場合に隔壁で各セルが十分仕切られないことによる放電漏れが生じるため、上面部には蛍光体に付着する場合は、粘着体に付着させることにより、除去する方法を用いることができる。
有機成分を完全に除去するためには、300℃、好ましくは350℃に昇温する必要があり、熱による蛍光体の劣化を抑制するためには550℃以下、好ましくは500℃以下にする必要がある。焼成炉としては、バッチ式の焼成炉やベルト式またはローラーハース式の連続型焼成炉を用いることができる。
蛍光体層を形成した基板を前背面のガラス基板と合わせて封着する。前面板は、ITOとバス電極からなる放電維持電極、ガラス層からなる誘電体、放電から誘電体を保護するための保護膜(通常は酸化マグネシウム)が形成され、必要に応じて、カラーフィルターやブラックマトリクス、ブラックストライプが形成される。前面板と背面板の封着は、ガラスフリット等を用いて行う。
次に、前面板と背面板の間に、ヘリウム、ネオン、キセノン等の希ガスを封入することによって、プラズマディスプレイのパネル部分を製造できる。さらに、駆動用のドライバーICを実装することによって、プラズマディスプレイを製造することができる。前面板と背面板の電極をマトリクス駆動することにより表示が可能になる。
次に、本発明の蛍光体ペーストを塗布するための装置について説明する。本発明の蛍光体ペーストを塗布するための装置としては、複数の隔壁を形成した基板を載置するテーブル面と、該基板上の隔壁間に蛍光体ペーストをストライプ状に形成する隔壁配置に対応した複数の吐出口を有する口金を備える装置を用いることができる。
図3は、この発明の一実施態様に係るプラズマディスプレイの製造装置の全体斜視図であり、図4は、図3のテーブル6と口金20周りの概略図である。
基台2上には、一対のガイド溝レール8を設けており、このガイド溝レール8上にテーブル6を配置している。このテーブル6には、複数の吸引孔7を設け、表面に一定ピッチの隔壁を有する基板4を真空吸引によりテーブル面に固定する。また図示しないリフトピンによって、基板4はテーブル6上を昇降する。さらにテーブル6は、スライド脚9を介してガイド溝レール8上をX軸方向に往復動自在となっている。
一対のガイド溝レール8の間には、送りねじ機構を構成するフィードスクリュー10が、テーブル6の下面に固定されたナット状のコネクタ11を貫通して延びている。フィードスクリュー10の両端部は、軸受12によって回転自在に支持され、さらに片方の一端はACサーボモータ16が連結されている。
テーブル6の上方には、蛍光体ペーストを吐出する口金20が、ホルダー22を介して昇降機構30、幅方向移動機構36に連結されている。昇降機構30は昇降可能な昇降ブラケット28を備えており、昇降機構30のケーシング内部で一対のガイドロッドに昇降自在に取り付けられている。また、このケーシング内には、ガイドロッド間に位置してボールねじからなるフィードスクリュー(図示しない)もまた回転自在に配置されており、ナット型のコネクタを介して昇降ブラケット28と連結されている。さらにフィードスクリューの上端には図示しないACサーボモータが接続されており、このACサーボモータの回転によって昇降ブラケット28を任意に昇降動作させることができる。
さらに昇降機構30は、Y軸移動ブラケット32を介して幅方向移動機構36に連結されている。幅方向移動機構36は、Y軸移動ブラケット32をY軸方向に往復動自在に移動させるものである。動作のために必要なガイドロッド、フィードスクリュー、ナット型コネクター、ACサーボモータ等は、ケーシング内に昇降機構30と同じように配置されている。幅方向移動機構36は支柱34で基台2上に固定されている。これらの構成によって、口金20はZ軸とY軸方向に自在に移動させることができる。
口金20は、テーブル6の往復動方向と直交する方向、つまり、Y軸方向に水平に延びているが、これを直接保持するホルダー22は、昇降ブラケット28内で回転自在に支持されており、垂直面内で自在に図3の矢印方向に回転することができる。
ホルダー22の上方に位置する水平バー24もまた、昇降ブラケット28に固定されている。水平バー24の両端部には、電磁作動型のリニアアクチュエータ26が取り付けられている。リニアアクチュエータ26は、水平バー24の下面から突出する伸縮ロッド29を有し、これら伸縮ロッド29がホルダー22の両端に接触することによってホルダー22の回転角度を規制することができ、結果として口金20の傾き度を任意に設定することができる。
基台2の上面には、逆L字形のセンサ支柱38とカメラ支柱70が固定されている。センサ支柱38の先端には、テーブル6上の基板4の表面の隔壁の上端部の高さを測定するための高さセンサ40が取り付けられている。また、テーブル6の一端には、センサーブラケット64を介して位置センサー66を設け、口金20の吐出口のある下端面の、テーブル6に対する垂直方向の位置を検出する。
カメラ支柱70の先端には、基板4の表面の隔壁もしくは隔壁間の位置または隔壁部以外にある原点マークを検知するカメラ72が取り付けられている。図4に示すように、カメラ72は画像処理装置74に電気的に接続されており、基板4の隔壁もしくは隔壁間の位置および隔壁間の数、ならびに、原点マークの位置を定量的に求めることができる。
図4において、口金20はマニホールド41を有し、マニホールド41内に蛍光体ペースト42を充填して吐出口44から蛍光体ペースト42を吐出する。口金20には供給ホース46が接続され、吐出用電磁切換え弁48、供給ユニット50、吸引ホース52、吸引用電磁切換え弁54、蛍光体ペーストタンク56へと連なっている。蛍光体ペーストタンク56には蛍光体ペースト42が蓄えられている。
供給ユニット50としては、ピストン、ダイヤフラム型等の定容量ポンプや、チュービングポンプ、ギアポンプ、モーノポンプや、気体の圧力で液体を押し出す圧送コントローラ等によるものがある。
供給装置コントローラ58からの制御信号をうけて、供給ユニット50や、各々の電磁切換え弁の動作を行わさせ、蛍光体ペーストタンク56から蛍光体ペースト42を吸引して、口金20に供給することができる。
供給装置コントローラ58はさらに、全体コントローラ60に電気的に接続されている。全体コントローラ60には、モータコントローラ62、高さセンサ40の電気入力、カメラ72の画像処理装置74、昇降機構用アクチュエータ76や幅方向移動機構用アクチュエータ78からの情報等、すべての制御情報が電気的に接続されており、全体のシーケンス制御を司れるようになっている。全体コントローラ60は、コンピュータやシーケンサ等、制御機能を持つものならばどのようなものでもよい。
また、モータコントローラ62には、テーブル6を駆動するACサーボモータ16の信号、昇降機構30と幅方向移動機構36のそれぞれのACサーボモータの信号、テーブル6の移動位置を検出する位置センサ68からの信号、口金20の作動位置を検出するY、Z軸の各々のリニアセンサ(図示しない)からの信号などが入力される。なお、位置センサ68を使用する代わりに、ACサーボモータ16にエンコーダを組み込み、エンコーダから出力されるパルス信号に基づいてテーブル6の位置を検出することもできる。
次に、このプラズマディスプレイの製造装置を使った蛍光体ペーストの塗布方法について説明する。
まず、各作動部の原点復帰が行われるとテーブル6、口金20は各々スタンバイの位置に移動する。この時、蛍光体ペーストタンク56から口金20までは蛍光体ペーストがすでに充満されており、吐出用電磁切換え弁48は開、吸引用電磁切換え弁54は閉の状態にある。そして、テーブル6の表面には図示しないリフトピンが上昇し、図示しないローダから基板4がリフトピン上部に載置される。
次に、リフトピンを下降させて基板4をテーブル上面に載置し、図示しないアライメント装置によってテーブル6上の基板4の位置決めが行われた後に基板4を真空吸着する。
次に、テーブル6は、基板4の隔壁部が、カメラ72と高さセンサー41の下にくるまで移動して、停止する。カメラ72は、テーブル6上に位置決めされた基板4上の隔壁端部を写し出すようにあらかじめ位置調整されており、画像処理によって一番端の隔壁間の位置を検出し、カメラ72の基準点からの距離を求める。一方、カメラ72の基準点と、所定のY軸座標位置にある口金20の最端部に位置する吐出口44間の距離は、事前の調整時に測定し、情報として全体コントローラ60に入力されている。したがって、カメラ基準点と隔壁間の距離が画像処理装置7に電送されると、口金20の最端部の吐出孔44が隔壁端部の隔壁間の上になるY軸座標値を計算し、口金20をその位置に移動させる。これにより、口金20の全ての吐出口の中心は、蛍光体ペーストを塗布する各々の隔壁間の上に移動されたことになり、口金20と基板4の相対位置決めが完了する。
また、別の位置決め方法としてカメラ72は、基板4上の隔壁部以外にある原点マークを検知してもよい。カメラ基準点と口金20の最端部に位置する吐出口44間の距離と、原点マークと塗布すべき隔壁間の端部の距離は、事前の調整時に測定し、情報として全体コントローラ60に入力されている。したがって、カメラ基準点と原点マークの距離が画像処理装置74に電送されると、口金20は塗布すべき位置に移動される。
また、カメラ基準点と口金20の吐出口の距離の求め方として、表面が平面状の平滑基板上に口金20から蛍光体ペーストを吐出して蛍光体ペーストのストライプを形成し、このストライプの位置を、画像処理で位置検知して測定し、その絶対位置を求めてもよい。これにより、口金20の吐出口の位置がわかるので、結果として口金の絶対位置を求めることができる。この方法により、基板4表面の隔壁間に口金20の吐出口をあわせて塗布することもできる。
高さセンサ40は、基板4の隔壁上端部の垂直方向の位置を検知し、テーブル上面との位置の差から基板4の隔壁上端部の高さを算出する。この高さに、あらかじめ与えておいた口金20の吐出口部から基板4の隔壁上端部までの間隔を加算して、口金20のZ軸リニアセンサー上での下降すべき値を演算し、その位置に口金20を移動させる。これによって、テーブル6上での基板4の隔壁上端部位置が基板ごとに変化しても、塗布に重要な口金20の吐出口部から基板4の隔壁上端部までの間隔を常に一定に保てるようになる。
本発明が適用できる高さセンサ40としては、レーザ、超音波等を利用した非接触測定形式のもの、ダイヤルゲージ、差動トランス等を利用した接触測定形式のもの等、測定可能な原理のものならいかなるものを用いてもよい。
次に、テーブル6を口金20の方へ向けて動作を開始させ、口金20の吐出口部の下に基板4の塗布開始位置が到達する前に所定の塗布速度まで増速させておく。テーブル6の動作開始位置と塗布開始位置までの距離は、テーブル6が塗布速度まで増速できるよう十分確保できていなければならない。
さらに、基板4の塗布開始位置が口金20の吐出口部の下に至るまでの所に、テーブル6の位置を検知する位置センサー68を配置しておき、テーブル6がこの位置に到達したら、供給ユニットの動作を開始して蛍光体ペースト42の口金20への供給を開始する。位置センサー68の代わりに、モータあるいはフィードスクリューにエンコーダを接続し、エンコーダの値で位置を検知しても同様なことが可能となる。
蛍光体ペーストの塗布は、基板4の塗布終了位置が口金20の吐出口部の下付近に来るまで行われる。すなわち、基板4はいつもテーブル6上の定められた位置に置かれているから、基板の塗布終了位置が丁度真下になる位置に相当するテーブル6の位置に、位置センサーやそのエンコーダ値をあらかじめ設定しておき、テーブル6が対応する位置にきたら、全体コントローラ60から供給装置コントローラ58に停止指令を出して蛍光体ペースト42の口金20への供給を停止する。このとき、口金20を上昇させて完全に蛍光体ペーストをたちきってもよい。
蛍光体ペースト42が比較的高粘度の液体である場合は、単にペーストの供給を停止しただけでは、残圧の作用により、口金20の吐出口からの吐出を瞬時に停止することは難しい。そのために、蛍光体ペーストの供給を停止すると同時に口金20のマニホールド41の圧力を大気圧にする、または、マニホールド41の圧力を負圧にして、口金20の吐出口から蛍光体ペーストを吸引することにより、短時間で吐出口からの蛍光体ペーストの吐出停止が可能となる。マニホールド41の圧力を負圧にする手段としては、供給ユニット50にポンプを使う場合は、ポンプを逆動作、つまり、蛍光体ペーストを吸引する方向に動作させればよく、圧送の場合は、供給ユニット50に真空源が連なるようにしてマニホールド41の圧力を負圧にすればよい。
マニホールド41の圧力を負圧にする別の手段としては、吐出用電磁切換え弁48から口金20の間、または、口金20そのものに、真空源に接続される電磁切換え弁を設け、この切換えによっても可能である。このとき、真空源の圧力を大気圧から任意の負圧に調整できるようにしておけば、吐出口から蛍光体ペーストを吸引する速度を調整できる。真空源としては、真空ポンプ、アスピレータや、ピストン型のポンプを逆動作させるものがある。
また、これら圧力調整のタイミングは、供給装置コントローラ58と全体コントローラ60で制御することができる。
さて、塗布終了位置を通過しても、テーブル6は動作をつづけ、終点位置にきたら停止する。このとき塗布すべき部分がまだ残っている場合には、次の塗布すべき開始位置まで口金20をY軸方向に移動して、以下テーブル6を反対方向に移動させることをのぞいては同じ手順で塗布を行う。1回目と同一のテーブル6の移動方向で塗布を行うのなら、口金20は次の塗布すべき開始位置までY軸方向に移動、テーブル6はX軸準備位置まで復帰させる。
そして塗布工程が完了したら、基板4をアンローダで移載する場所までテーブル6を移動して停止させ、基板4の吸着を解除するとともに大気開放をした後に、リフトピンを上昇させて基板4をテーブル6の面から引き離し、持ち上げる。
この時、図示されないアンローダによって基板4の下面が保持され、次の工程に基板を搬送する。基板4をアンローダに受け渡したら、テーブル6はリフトピンを下降させ原点位置に復帰する。
この時、吐出用電磁切換え弁48を閉、吸引用電磁切換え弁54を開状態にして供給ユニット50を動作させ、蛍光体ペーストタンク56から1枚の基板の塗布に必要な量だけ蛍光体ペーストを口金20に供給する。
以上の塗布工程では、与えられた有効領域での塗布厚み精度を向上させるためには、塗布開始位置に対する口金20への蛍光体ペースト供給開始、塗布終了位置に対する口金20への蛍光体ペースト供給停止のタイミングが重要となるので、それぞれの動作を最適なポイントで行わなければならない。
また本実施態様では、蛍光体ペーストの供給開始を口金20の吐出口部と基板4の隔壁上端部との間隔値を設定してから行っている。これは、両者間の間隔を設定する前の状態で蛍光体ペーストの供給を開始すると、蛍光体ペーストが吐出口から吐出された時点で吐出口部先端面に広がり吐出口以外の部分を汚染し、甚だしい場合には隣同士の吐出口から吐出される蛍光体ペーストが合流するという不都合が生じ、精度の高い塗布ができなくなるためである。口金20の吐出口部先端面を基板4に近接させてから蛍光体ペーストの供給を開始すると、先端面で蛍光体ペーストが広がる前に隔壁間に蛍光体ペーストが案内されることになるので、このような不都合は発生しない。
また、本実施態様例では基板4はX軸方向に移動し、口金20がY軸、Z軸方向に移動する場合での適用例について記述したが、口金20と基板4が相対的に3次元的に移動できる構造、形式のものであるのなら、テーブル、口金の移動形式はいかなるものでもよい。
また、一種類の蛍光体ペーストを塗布する場合について詳しく言及したが、赤、青、緑等の3色の蛍光体を同時に塗布する場合にも本発明は適用できる。
図5は、本発明で用いる口金の概略断面図である。平坦な面中に所定ピッチ、直径の孔が吐出口501として設けられている。さらに、図6のように、吐出口を同一形状のパイプ601を配して構成してもよく、口金が汚れにくくなるので好ましい。
また、口金の全ての吐出口は、その中心が蛍光体ペーストを塗布する各々の隔壁間の上にあるように配されたものが好ましい。
また、口金の吐出口の平均孔径は、10μm以上500μm以下、かつ、隔壁の間隔以下にすることが好ましく、隣の色との混色を防ぐことができる。
さらに、口金の吐出口形状が円形でなく、隔壁と略直交する開口長さが、10μm以上500μm以下、かつ、隔壁の間隔よりも小さくしてもよい。このときの吐出口形状としては、長穴、楕円、長方形等がある。
また、口金の吐出口面および/または吐出口内壁に、”テフロン”(PTFE)等のフッ素樹脂皮膜をコーティングすることにより、吐出口面および吐出口内壁の蛍光体ペーストの離型性が向上し、吐出口面が汚れるのを防ぐことができる。
また、口金の吐出口面および/または吐出口内壁に、非晶質の炭素皮膜(DLC)をコーティングすることにより、吐出口面および吐出口内壁の表面硬度が向上し、耐摩耗性が向上する。
図7は、本発明の口金の他の1例を示す断面図と底面図である。1基の口金に複数の蛍光体ペースト貯蔵部704、705、706と、蛍光体ペースト貯蔵部704、705、706に蛍光体ペーストを供給する蛍光体ペースト供給口701、702、703と、貯蔵部704、705、706と吐出口710、711、712を流体的に連結するパス部707、708、709を有する。さらに、吐出口710、711、712は、貯蔵部704、705、706よりも多くあり、かつ、一直線上に配列されている。これにより、1基の口金から、異なる種類の蛍光体ペーストを吐出できる。また、異なる色の蛍光体ペーストを吐出する吐出口の最短距離が600μm以上にすることによって、他色との混色を防止することができる。
図8は、本発明の他の実施態様に係るプラズマディスプレイの製造装置の要部の概略図である。口金は1基のみでなく、これをY方向に2基以上配置してもよい。口金801、802は、X方向およびY方向に共に同期してあるいは非同期で駆動されるように、図示しない制御装置によって駆動されるようになっている。
このように、2基以上の口金によって基板への蛍光体ペーストの塗布が分担されるので、塗布時間を短縮させることができる。
この際、2基以上の口金としては、同じ色を発光する蛍光体ペーストを吐出する口金、異なる色を発光する蛍光体ペーストを吐出する口金、あるいは、2色以上の異なる色に発光する蛍光体ペーストを吐出する口金のいずれでもよい。
また、これら2基以上の口金を、隔壁方向に対し垂直方向に隔壁間隔の整数倍にずらして位置させ、隣り合う2基以上の位置が「ずれ」<「口金本体の外寸」のときは、隔壁に対し平行方向にずれて位置するように配置することが効率的であり好ましい。
さらに、前記塗布装置を、蛍光体ペーストの赤色、緑色、青色に対応して3台直列に配置することにより、隔壁間に3色の蛍光体層を効率よく形成することができる。
図9は口金の吐出口面の清浄装置の概略図である。清浄装置901は、口金20の吐出口面902に拭き取り部材903が接触する位置に配置されている。拭き取り部材903は吐出口面先端部をくるむような形状をしているが、吐出口面902だけに接触する形状にしてもよい。拭き取り部材903は、トレイ905に取り付けられているブラケット904に固定されており、トレイ905とともに幅方向(Y軸方向)に移動する。拭き取り部材903が吐出口面902に接触して幅方向に移動する動作によって、吐出口面に付着している蛍光体ペーストがかき落とされる。かき落とされた蛍光体ペーストは、排出口906からこれに接続されているチューブ907を介して図示しない廃液タンクに導かれる。重力だけで廃液タンクまで到達しないときには、真空ポンプ等の真空源を用いて吸引するのが望ましい。なお、拭き取り部材903は、トレイ905が図の一番右端に到達したときに、口金20の開口部より右側にあり、口金20より吐出された蛍光体ペーストがかからない位置に配置されている。またトレイ905は、口金20から吐出される蛍光体ペーストをすべて回収できる大きさを有している。
さらに、トレイ905は、昇降部908に連結されている。昇降部908はガイド909に沿って図示しないエアーシリンダーによって上下方向に移動ユニット910上を昇降するものである。昇降部908が最下点にあるとき、拭き取り部材903は最下点にあり、口金20の吐出口面902と一定距離離れて接触しない。昇降部908は、拭き取り部材903が口金20の吐出口面902に接触するところまで上昇するように調整が行われる。
移動ユニット910は、架台911上の図示しないガイドに沿って、ボールねじ912で駆動されて幅方向に移動する。ボールねじ912は、図示しないサーボモータに連結されており、この動作制御によって任意の動作をさせることができる。
拭き取り部材903の材質としてはいかなるものでもよいが、口金の吐出口面を傷つけないように、樹脂やゴムが望ましく、その中から蛍光体ペーストに対する耐薬品性を考慮して選定すればよい。
拭き取り装置901を用いた塗布シーケンスは次のようになる。まず、拭き取り部材903を最下点においた状態で、トレイ905を口金20の下に移動させ、蛍光体ペースト供給装置を動作させて蛍光体ペーストを口金20から吐出してブリードを行う。ブリードが終了したら昇降部908を上昇して拭き取り部材903を口金20の吐出口面902に接触させる。次に、図示しないサーボモータを駆動して拭き取り部材903を幅方向に図8の左側に移動させ、吐出口面902に付着している蛍光体ペーストを拭き取って除去する。次に、口金20を所定の位置に移動させ、隔壁間への蛍光体ペーストの塗布を行う。
以降一回の隔壁間への蛍光体ペーストの塗布が終了するごとに以上の拭き取り動作を行ってもよいし、数回の塗布作業の後に拭き取り動作を行ってもよい。いかなるタイミングで拭き取り動作を行うかは、吐出口面902への蛍光体ペーストの付着程度に依存する。
この拭取り動作によって、口金の吐出口面が常に清浄化された状態で塗布作業を行えるので、基板の隔壁上端部に余計な蛍光体ペーストが付着したり、塗布すべき隔壁間の隣の隔壁間に蛍光体ペーストが塗布されたりする等の不都合を防止でき、均一で安定した隔壁間への塗布を行うことができる。
また、隔壁の上端部に蛍光体ペーストが付着した場合など、所定の塗布位置以外の蛍光体ペーストを除去する手段を設けるのが好ましい。
蛍光体ペーストを除去する手段としては、ヘラによる掻き取りや粘着体を隔壁上端部に接触させて除去したり、あるいは空気ノズルにより圧空を吹き付けて除去する手段がある
粘着体の材質としては、上述した特性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリウレタンゴム、ポリエチレンゴム、シリコンゴムおよびこれらのゲル体を挙げることができる。
上記粘性物質から構成された粘着体の構成は、特に限定されるものではないが、好ましくは基板の表面に対して接触するような形状のベルトあるいはローラーにするのがよい。ベルトは、送り出しロールと巻き取りロールの間で回転しながら、搬送中の基板に接触するとよい。その接触によって、基板の隔壁の頂部にのった蛍光体ペーストを粘着し、除去することができる。
以下に、本発明を実施例を用いて、具体的に説明する。ただし、本発明はこれに限定はされない。なお、実施例、比較例中の濃度(%)は特にことわらない限り重量%である。
形成した蛍光体層の評価は、以下の7項目で行った。
・吐出口からのペースト吐出性
・塗布時間(蛍光体ペースト塗布にかかった合計時間(乾燥時間は除く))
・側面厚み(隔壁高さ中央部での面内9カ所の平均厚み)
・底部厚み(誘電体層上での面内9カ所の平均厚み)
・厚みの分布(9カ所測定した場合の最大厚みと最低厚みの差)
・隔壁上部へのペースト付着の有無
・混色(形成すべき隔壁間の隣の隔壁間への蛍光体ペーストの漏れ)
実施例1
幅340mm×奥行き440mm×厚み2.8mmのソーダガラス基板上に感光性銀ペーストを全面に5μmの厚みでスクリーン印刷した後、フォトマスクを用いた露光、現像、焼成の各工程を経て、ピッチ220μmのストライプ状の1920本の銀電極を形成した。その電極上にガラスとバインダーからなるガラスペーストをスクリーン印刷した後に、焼成して誘電体層を形成した。次に、ガラス粉末と感光性有機成分からなる感光性ガラスペーストを厚み200μmになるようにスクリーン印刷・乾燥を行った。その後、隣り合う電極間に隔壁が形成されるように設計されたフォトマスクを用いて露光、現像、焼成を行って隔壁を形成した。隔壁の形状は、ピッチ220μm、線幅30μm、高さ130μm、本数は1921本であった。
隔壁を形成したガラス基板に図3に示した装置を用いて、蛍光体ペーストを塗布した。
蛍光体ペースト:次の蛍光体粉末各40gをエチルセルロース10g、テルピネオール10g、ベンジルアルコール40gと混合した後、セラミックス製の3本ローラーで混練して、RGB各色の蛍光体ペーストを作製した。
蛍光体粉末:
赤:(Y,Gd,Eu)BO
50体積%粒子径2.5μm、比表面積2.3m/g
緑:(Zn,Mn)SiO
50体積%粒子径2.9μm、比表面積1.8mm/g
青:(Ba,Eu)MgAl1017
50体積%粒子径3.1μm、比表面積2.5mm/g
得られた蛍光体ペーストの粘度は、赤14Pa・s、緑18Pa・s、青15Pa・sであった。
塗布に用いた口金は、吐出口の平均孔径150μmの孔をピッチ間隔660μmで64個形成した口金であり、吐出口の長さは2mmの口金を1基用いた。
上記赤色蛍光体ペーストと口金を用いて、ガラス基板上に形成された隔壁の上端部から口金の吐出口先端部の間隔を0.1mmに保持した状態で塗布を行った。塗布は、蛍光体ペーストを充填した口金に圧力を加えて連続的に吐出を行いながら、口金を隔壁に平行になるように50mm/secの速度で移動して塗布した。
塗布開始以降赤、青2.6kg/cm、緑3kg/cmの圧力を加えた後に、口金が基板端部まで進んだ時点で塗布を停止するが、隔壁端部に達する0.1秒前に負圧をかけて減圧した。次に口金を隔壁の垂直方向に42.24mm移動して、塗布を行った。10回の塗布を行うことにより、隣り合う隔壁間に2本置きになるように640本の塗布を行った。次に、80℃で15分乾燥を行った後に、同様にして、赤色蛍光体ペーストを塗布した右となりの隔壁間に緑色蛍光体、左となりの隔壁間に青色蛍光体を塗布した。
RGBの蛍光体ペーストを塗布した基板を460℃15分で焼成した後、評価を行った。評価結果を表1に示す。
実施例2
口金の数を1基から2基に変更して、それぞれの口金を50mm/secで移動して塗布した以外は、実施例1と同様にして蛍光体層を形成した。評価結果を表1に示す。
実施例3
口金の数を1基から3基に変更して、それぞれの口金にRGB各色の蛍光体ペーストを充填して、吐出することにより塗布した以外は、実施例1と同様にして蛍光体層を形成した。評価結果を表1に示す。
実施例4
吐出口の数を64本から640本に変更し、1色の蛍光体ペーストの塗布を1回の口金移動で塗布を完了した以外は、実施例1と同様にして蛍光体層を形成した。評価結果を表1に示す。
実施例5
電極ピッチを120μmに、隔壁ピッチ120μm、線幅30μm、高さ90μmに変更した基板を用いて、吐出口を孔径75μm、ピッチ720μmにして1回塗布を行った後、口金を0.36mm−46.08mm−0.36mm−46.08mm−0.36mm−46.08mm−0.36mm−46.08mm−0.36mm移動して、合計10回の塗布を行った以外は、実施例1と同様にして蛍光体層を形成した。評価結果を表1に示す。
実施例6
電極ピッチを120μmに、隔壁ピッチ120μm、線幅30μm、高さ90μmに変更した基板を用いて、吐出口を孔径150μm、ピッチ720μmにして1回塗布を行った後、口金の移動量0.36mm−46.08mm−0.36mm−46.08mm−0.36mm−46.08mm−0.36mm−46.08mm−0.36mm口金を移動して、合計10回の塗布を行った以外は、実施例1と同様にして蛍光体層を形成した。さらに、蛍光体層を焼成後に幅500mm、250mm径の粘着ローラーを用いて、隔壁上部全体がローラーに接触するようにローラーを転がした。評価結果を表1に示す。
実施例7
蛍光体ペーストを以下のペーストに変更した以外は、実施例5と同様にして蛍光体ペーストを塗布し、その後に、ピッチ120μm、開口部線幅80μm、線数1920本のフォトマスクを用いて露光を行った後に、トリエタノールアミン0.5重量%水溶液で現像した後に焼成して、蛍光体層を形成した。評価結果を表1に示す。
蛍光体ペースト:次の蛍光体粉末各50gをバインダー(メタクリル酸イソブチル−アクリル酸の1:1共重合体、重量平均分子量2.4万)20g、感光性モノマー(トリメチロールプロパントリアクリレート)15g、ガンマブチロラクトン20g、重合開始剤(チバガイギー社製”イルガキュア”907)3gを混合した後に、3本ローラーで混練してペーストを作製した。
蛍光体粉末:
赤:(Y,Gd,Eu)BO
50体積%粒子径2.5μm、比表面積2.3m/g
緑:(Zn,Mn)SiO
50体積%粒子径2.9μm、比表面積1.8m/g
青:(Ba,Eu)MgAl1017
50体積%粒子径3.1μm、比表面積2.5m/g
得られた蛍光体ペーストの粘度は、赤20Pa・s、緑32Pa・s、青19Pa・sであった。
実施例8
実施例1の蛍光体ペーストの組成を、蛍光体粉末50gおよびバインダーポリマー(40%メタクリル酸、30%メチルメタクリレート、30%スチレンからなる共重合体のカルボキシル基に対して0.4当量のグリシジルメタクリレートを付加反応させた重量平均43,000、酸価95の感光性ポリマ)40g、溶媒(γーブチロラクトン)30gと分散剤4gからなる蛍光体ペーストに変更した。有機成分の各成分を80℃に加熱しながら溶解し、その後蛍光体粉末を添加し、混練機で混練することによってペーストを作製した。蛍光体ペーストの粘度は、赤、緑、青とも0.05Pa・sであった。
また、基板をピッチ150μm、高さ120μm、幅30μmの隔壁2000本が形成されたガラス基板に変え、口金を穴径80μmの吐出口640個をピッチ450μmで形成した口金に変えて、赤色蛍光体ペーストを吐出後、塗布面を下にして80℃で60分乾燥し、次に緑色蛍光体ペーストを吐出後、塗布面を下にして80℃で60分乾燥し、さらに青色蛍光体ペーストを吐出後、塗布面を下にして80℃で60分乾燥した後、500℃で30分焼成を行った。その他の条件は実施例1と同様にして蛍光体層を形成した。評価結果を表1に示す。
実施例9
蛍光体ペーストの組成を、蛍光体粉末50g、バインダーポリマー40g、溶媒(γーブチロラクトン)30gと分散剤4gからなる蛍光体ペーストに変更し、蛍光体ペーストの粘度を、赤、緑、青とも0.03Pa・sとした以外は、実施例8と同様にして蛍光体ペーストを作製した。
また、基板をピッチ360μm、高さ140μm、幅50μmの隔壁2000本が形成されたガラス基板に変え、口金を穴径100μmの吐出口1940個をピッチ360μmで形成し、赤色蛍光体ペースト、青色蛍光体ペースト、緑色蛍光体ペーストをそれぞれ同時に吐出するように設計された口金に変えて、各色蛍光体を吐出した後、80℃45分の乾燥を行った以外は実施例8と同様にして蛍光体層を形成した。評価結果を表1に示す。
実施例10
蛍光体ペーストの組成を、蛍光体粉末50g、バインダーポリマー20g、トリメチロールプロパントリアクリレート20g、溶媒(γーブチロラクトン)30gと分散剤4g、光重合開始剤(”イルガキュア907”、チバガイギー社製)からなる蛍光体ペーストに変更し、蛍光体ペーストの粘度を、赤、緑、青とも0.03Pa・sとした以外は、実施例8と同様にして蛍光体層を形成した。
その後に、ピッチ120μm、開口部線幅80μm、線数1920本のフォトマスクを用いて露光を行った後に、トリエタノールアミン0.5重量%水溶液で現像した後に焼成して、蛍光体層を形成した。
その後に、ピッチ150μm、開口部線幅60μm、線数1920本のフォトマスクを用いて露光を行った後に、トリエタノールアミン0.5重量%水溶液で現像した後に500℃で30分焼成して、蛍光体層を形成した。評価結果を表1に示す。
比較例
電極ピッチを120μmに、隔壁ピッチ120μm、線幅30μm、高さ90μmに変更した基板上に、ピッチ360μm、開口部80μmのスクリーン版を用いて、RGBの各色蛍光体ペーストをスクリーン印刷した。次に、該基板を460℃で15分間焼成して蛍光体層を形成した。評価結果を表1に示す。
Figure 2007173246
本発明の塗布方法の一例を示す概略図である。 本発明のプラズマディスプレイ基板および口金の関係を示す断面図である。 本発明の一実施態様に係るプラズマディスプレイの製造装置の概略図である。 図3に示したプラズマディスプレイの製造装置の要部の概略図である。 本発明で用いる口金の一例を示す概略図である。 本発明で用いる口金の他の一例を示す概略図である。 本発明で用いる口金の更に他の一例を示す断面図と底面図である。 本発明の他の実施態様に係るプラズマディスプレイの製造装置の概略図である。 本発明のプラズマディスプレイの製造装置における口金の吐出口面の清浄装置の概略図である。
符号の説明
2 基台
4 基板
6 テーブル
7 吸引孔
8 ガイド溝レール
9 スライド脚
10 フィードスクリュー
11 コネクタ
12 軸受
16 ACサーボモータ
20 口金
22 ホルダー
24 水平バー
26 リニアアクチュエータ
29 伸縮ロッド
28 昇降ブラケット
30 昇降機構
32 Y軸移動ブラケット
34 支柱
36 幅方向移動機構
38 センサ支柱
40 高さセンサ
41 マニホールド
42 蛍光体ペースト
44 吐出口
46 供給ホース
48 吐出用電磁切換え弁
50 供給ユニット
52 吸引ホース
54 吸引用電磁切換え弁
56 蛍光体ペーストタンク
58 供給装置コントローラ
60 全体コントローラ
62 モータコントローラ
64 センサーブラケット
66 位置センサー
68 位置センサ
70 カメラ支柱
72 カメラ
74 画像処理装置
501 吐出口
601 パイプ
701 蛍光体ペースト供給口
702 蛍光体ペースト貯蔵部
703 パス部
704 吐出口
801 口金
802 口金
901 清浄装置
902 吐出口面
903 拭取り部材
904 ブラケット
905 トレイ
906 排出口
907 チューブ
908 昇降部
909 ガイド
910 移動ユニット
911 架台
912 ボールねじ

Claims (35)

  1. 複数の隔壁を形成した基板上に、蛍光体粉末と有機化合物を含む蛍光体ペーストを複数の吐出口を有する口金から連続的に吐出して蛍光体層を形成するプラズマディスプレイの製造方法。
  2. 赤色、緑色、青色に発光する蛍光体粉末をそれぞれ含む3種類の蛍光体ペーストを、吐出口を有する口金から基板上の隔壁間にストライプ状にそれぞれ塗布した後、加熱することにより蛍光体層を形成することを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  3. 隔壁間隔(S)と吐出口の平均孔径(D)とが以下の条件を満たすことを特徴とする請求項1または請求項2記載のプラズマディスプレイの製造方法。
    10μm≦D≦S≦500μm
  4. 吐出口が平板、ノズルまたはニードルであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  5. 20〜2000個の吐出口を有する口金を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  6. 150〜2000個の吐出口を有する口金を用いることを特徴とする請求項5記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  7. 吐出口数が16n±5(nは自然数)の範囲である口金を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかにに記載のプラズマディスプレイの製造装置。
  8. 吐出口のピッチが、0.12〜3mmである口金を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  9. 吐出口のピッチが、隔壁ピッチの3m倍(mは1〜10の整数)である口金を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  10. 吐出口の長さ(L)と吐出口の平均孔径(D)について、下式を満たす口金を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかにのプラズマディスプレイの製造方法。
    L/D=0.1〜600
  11. 吐出口の平均孔径(D)が、60〜400μmの口金により塗布することを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれかに記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  12. ガラス基板上に形成された隔壁の上端部から口金の吐出口先端部の間隔が、0.01〜2mmの状態で蛍光体ペーストを塗布することを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれかに記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  13. 1つの口金から異なる色に発色する蛍光体を含有するペーストを吐出し、かつ、該異なる色の蛍光体ペーストを吐出する吐出口の最短間隔が600μm以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれかに記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  14. 独立した2基以上の口金を有し、該2基以上の口金から同時に塗布することを特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれかに記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  15. 2基以上の口金を同速度で走行させて塗布することを特徴とする請求項14記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  16. 1色ごとに塗布して、1色塗布するごとに乾燥工程を経ることを特徴とする請求項2ないし請求項15のいずれかに記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  17. 口金と基板を該ガラス基板上の隔壁に対して平行に相対移動させることを特徴とする請求項1ないし請求項16のいずれかに記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  18. 蛍光体ペーストの吐出を止める際に、口金内部を負圧の状態とすることを特徴とする請求項1ないし請求項17のいずれかに記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  19. 口金と基板の該基板上の隔壁に対して平行に相対移動を開始以降に蛍光体ペースト吐出を開始し、かつ、前記相対移動終了以前に吐出を止めることを特徴とする請求項1ないし請求項18のいずれかに記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  20. 蛍光体粉末として、50重量%粒子径が0.5〜10μm、比表面積0.1〜2m2/gである蛍光体粉末を用いることを特徴とする請求項1ないし請求項19のいずれかに記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  21. 蛍光体粉末30〜60重量%、バインダー樹脂5〜20重量%および溶媒を含み、かつ、蛍光体粉末とバインダー樹脂との重量比が6:1〜3:1である蛍光体ペーストを用いることを特徴とする請求項1ないし請求項21のいずれかに記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  22. バインダー樹脂が、セルロース化合物であることを特徴とする記請求項21記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  23. 溶媒が、テルピネオールを含む溶媒であることを特徴とする記載請求項21のプラズマディスプレイの製造方法。
  24. 赤色、緑色、青色に発光する蛍光体粉末をそれぞれ含む3種類の蛍光体ペーストを、ガラス基板上の隔壁間にそれぞれ塗布することにより蛍光面を形成するプラズマディスプレイの製造方法であって、所定の塗布位置以外に存在する蛍光体を、粘着体に付着させることにより、除去することを特徴とするな請求項2いし請求項23のいずれかに記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  25. 隔壁の上端部に位置する蛍光体を、粘着体に付着させることにより、除去することを特徴とする請求項1ないし請求項24のいずれかに記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  26. 隔壁高さHμm、隔壁ピッチPμm、隔壁線幅Wμm、蛍光体ペースト中に含まれる蛍光体粉末の比率a(vol%)の間に以下の関係が成り立つ蛍光体ペーストを用いることを特徴とする請求項1ないし請求項25のいずれかに記載のプラズマディスプレイの製造方法。
    (2H+P−W)×5≦H×(P−W)×a/100≦(2H+P−W)×30
  27. 蛍光体ペーストとして、粘度が2〜50Pa・sのペーストを用いることを特徴とする請求項1ないし請求項26のいずれかにのプラズマディスプレイの製造方法。
  28. 蛍光体ペーストが感光性蛍光体ペーストであることを特徴とする請求項1ないし請求項27のいずれかに記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  29. 感光性蛍光体ペーストとして、以下の組成のペーストを用いることを特徴とする請求項28記載のプラズマディスプレイの製造方法。
    有機成分 :15〜60重量部
    蛍光体粉末 :40〜85重量部
    溶媒 :10〜50重量部
  30. 隔壁層が以下のディメンジョンを有するストライプ形状であることを特徴とする請求項1ないし請求項29のいずれかに記載のプラズマディスプレイの製造方法。
    ピッチ:100〜250μm
    線幅 : 15〜 40μm
    高さ : 60〜170μm
  31. 隔壁の上面が黒色であることを特徴とする請求項1ないし請求項30のいずれかに記載のプラズマディスプレイの製造方法。
  32. 蛍光体層の隔壁高さの半分の位置での側面厚み(T1)と底部厚み(T2)の間で、下記の関係を示すことを特徴とする請求項1ないし請求項31のいずれかに記載のプラズマディスプレイの製造方法。
    10≦T1≦50μm
    10≦T2≦50μm
    0.2≦T1/T2≦5
  33. 表面に複数の隔壁が形成されている基板を固定するテーブルと、前記基板の隔壁と対面して複数の吐出口を有する口金と、前記テーブルと前記口金を3次元的に相対移動させる移動手段を備えたことを特徴とするプラズマディスプレイの製造装置。
  34. 前記口金の吐出口の平均孔径(D)が隔壁間隔(S)に対して以下の条件を満たすことを特徴とする請求項33に記載のプラズマディスプレイの製造装置。
    10μm≦D≦S≦500μm
  35. 前記口金の吐出口数が20〜2000個であることを特徴とする請求項33または請求項34に記載のプラズマディスプレイの製造装置。
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