JPH1173881A - プラズマディスプレイパネルの製造方法および製造装置 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの製造方法および製造装置

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Publication number
JPH1173881A
JPH1173881A JP10176208A JP17620898A JPH1173881A JP H1173881 A JPH1173881 A JP H1173881A JP 10176208 A JP10176208 A JP 10176208A JP 17620898 A JP17620898 A JP 17620898A JP H1173881 A JPH1173881 A JP H1173881A
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JP
Japan
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phosphor
base
plasma display
display panel
manufacturing
Prior art date
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Pending
Application number
JP10176208A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoko Mikami
友子 三上
Yuichiro Iguchi
雄一朗 井口
Masahiro Matsumoto
正廣 松本
Hideki Ikeuchi
秀樹 池内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP10176208A priority Critical patent/JPH1173881A/ja
Publication of JPH1173881A publication Critical patent/JPH1173881A/ja
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】簡便で効率的な蛍光体層形成を可能にするプラ
ズマディスプレイパネルの製造方法およびその製造装置
を提供する。 【解決手段】赤、緑、青の3色の蛍光体粉末をそれぞれ
含む3種類の蛍光体ペーストを、ガラス基板上の各色所
定の隔壁間にストライプ状にそれぞれ塗布した後、焼成
することにより蛍光体層を形成する。この際、口金単位
あたりの吐出孔の数を16の倍数±5の範囲とする。さ
らに、表面に一方向にストライプ状に一定ピッチで凹凸
部が形成されている凹凸基板41を固定するテーブル4
2と、凹凸基板の凹凸部と対面する複数の吐出孔を有す
る口金と、口金に塗液を供給する供給手段と、テーブル
と口金を3次元的に相対移動させる移動手段とを備えた
凹凸基板への塗液の塗布装置において、口金の吐出孔の
数を16の倍数±5の範囲とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に凹凸状の
特定パターンが形成されたものへの塗液の塗布方法およ
び塗布装置に関する。特にストライプ状の隔壁を配置し
たプラズマディスプレイパネルの製造方法および製造装
置に関する。本発明に係るプラズマディスプレイパネル
は壁掛けテレビや情報表示用のディスプレイとして用い
られる。
【0002】
【従来の技術】近年、大型ディスプレイとしてプラズマ
ディスプレイが注目されている。プラズマディスプレイ
パネル(PDP)は液晶パネルに比べて高速の表示が可
能で、且つ大型化が容易であることから、OA機器およ
び広報表示装置などの分野に浸透し、さらには高品位テ
レビジョンの分野などでの進展が期待されている。この
ような用途の拡大にともなって、微細で多数の表示セル
を有し、高精細表示が可能なカラーPDPが特に注目さ
れている。
【0003】1つの表示セルはプラズマ放電により発光
する蛍光体の3原色、すなわち赤色(R)、緑色
(G)、青色(B)から形成される1つの画素を有して
いる。
【0004】従来、プラズマディスプレイパネルの製造
方法としては、スクリーン印刷法が知られている。特に
プラズマディスプレイの蛍光体を形成する方法として
は、スクリーン印刷法が多く用いられている。
【0005】また、特開平6−5205号公報に示され
るようなスクリーン印刷を行った後にサンドブラストを
用いる方法、特開平5−144375号公報に示される
ような架橋剤を塗布した後にスクリーン印刷する方法が
提案されているが、いずれもスクリーン印刷を用いてい
る。
【0006】しかしながら、印刷を繰り返すうちにスク
リーン版の形状が変化するため、スクリーン印刷は精度
の高いパターンが形成できないという欠点があり、スク
リーン版の洗浄等の管理面についても量産には課題があ
る。
【0007】また、高精度のパターンが得られる方法と
して、フォトリソグラフィーを用いた方法も行われてい
るが、この場合、赤色、緑色、青色の各色蛍光体層を形
成するために、各色について塗布、露光、現像、乾燥等
の工程を3回繰り返す必要があること及び各色を全面塗
布して露光した後に不必要な部分を現像により除去する
ことによる蛍光体粉末の無駄な消費、これの回収、再生
などコスト高となる。そして、各色を全面に塗布するた
め、重ね塗りした色の現像残りによる混色を避けられな
いという課題がある。
【0008】インクジェットノズルの先端から蛍光体ペ
ーストを噴射し、蛍光体層を形成する方法も提案されて
いる。しかし、インクジェットの場合は、圧電素子など
により蛍光体ペーストを噴射する機構のため、粘度を
0.2ポイズ以下程度にする必要があり、ペースト中の
蛍光体粉末量を多くできないため、形成した蛍光体層の
厚みが薄くなるという課題があった。また、インクジェ
ットノズルの径が小さいため、蛍光体粉末が詰まるとい
う課題があった。
【0009】単にガラス基板上にストライプ状の着色パ
ターンを形成する他の方法としては、ノズルを用いる特
開平5−11105号公報や、特開平5−142407
号公報に記載されている方法があるが、これら技術は、
表面が平坦な基板に塗液を塗布するものであって、表面
に凹凸が形成されているものに対してはそのまま用いる
ことはできない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ストライプ
状の隔壁が形成されたプラズマディスプレイパネルの基
板のような凹凸基板の複数の凹部に、蛍光体ペースト等
の塗液を高精度かつ簡便に形成できる塗液の塗布方法及
び塗布装置を提供することを目的とする。また、これに
より、高生産性と高品質を実現できる、プラズマディス
プレイパネルの製造方法および製造装置を提供すること
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のプラズマディスプレイパネルの製造方法
は、赤色、緑色、青色に発光する蛍光体粉末をそれぞれ
含む3種類の蛍光体ペーストを、吐出孔を有する口金か
らガラス基板上の隔壁間にストライプ状にそれぞれ塗布
した後、焼成することにより蛍光面を形成するプラズマ
ディスプレイパネルの製造方法であって、口金単位あた
りの吐出孔の数が16n(ただしnは自然数)±5の範
囲であることを特徴とするものからなる。
【0012】また、上記方法において、口金単位あたり
の吐出孔の数が30〜2500であることが好ましい。
【0013】また、上記方法において、自然数nが2〜
150であることが好ましい。
【0014】また、上記方法において、吐出孔がノズル
またはニードルであることが好ましい。
【0015】また、上記方法において、吐出孔および/
またはガラス基板をガラス基板上の隔壁に対して平行に
走行させることが好ましい。
【0016】また、上記方法において、塗布中の吐出孔
先端部と隔壁の上端部との間隔が0.01〜2mmであ
ることが好ましい。
【0017】また、上記方法において、1本のストライ
プあたり2個以上の吐出孔から塗布することが好まし
い。
【0018】また、上記方法において、一基の口金に2
色以上の異なる色に発光する蛍光体ペーストを吐出する
吐出孔を有し、かつ、異なる色の蛍光体ペーストを吐出
する吐出孔の最短間隔が600μm以上であることが好
ましい。
【0019】また、上記方法において、独立に位置制御
できる2基以上の口金から同時に蛍光体ペーストを吐出
させ、同一基板内の別々の場所を同時に塗布することが
好ましい。
【0020】また、上記方法において、2基以上の口金
を同じ速度で走行させて塗布することが好ましい。
【0021】また、上記方法において、2基以上の口金
を同じ方向に、同じ速度で走行させて塗布することが好
ましい。
【0022】また、上記方法において、1つの口金から
は、1色だけを塗布することが好ましい。
【0023】また、上記方法において、1色について2
基以上の独立に位置制御できる口金から同時に塗布する
ことが好ましい。
【0024】また、上記方法において、2基以上の口金
の吐出孔の位置が、隔壁方向に対し垂直方向に隔壁間隔
の整数倍ずれていることが好ましい。
【0025】また、上記方法において、隣り合う2基の
口金が、隔壁と平行方向にずれて位置することが好まし
い。
【0026】また、上記方法において、1色ごとに塗布
し、1色塗布するごとに、乾燥工程を経ることが好まし
い。
【0027】また、上記方法において、蛍光体ペースト
として、粘度が0.1〜50Pa・sのペーストを用い
ることが好ましい。
【0028】また、上記方法において、蛍光体粉末とし
て、累積平均粒子径が0.5〜15μm、比表面積0.
1〜5m2 /cm3である蛍光体粉末を用いることが好
ましい。
【0029】また、上記方法において、蛍光体ペースト
を塗布した後、蛍光体塗布面を下向きにして乾燥する工
程を経ることが好ましい。
【0030】また、上記方法において、蛍光体ペースト
が、感光性蛍光体ペーストであることが好ましい。
【0031】さらに、本発明の凹凸基板への塗液の塗布
装置は、表面に一方向にストライプ状に凹凸部が形成さ
れている凹凸基板を固定するテーブルと、前記凹凸基板
の凹凸部と対面する複数の吐出孔を有する口金と、前記
口金に塗液を供給する供給手段と、前記テーブルと前記
口金を3次元的に相対移動させる移動手段とを備えた凹
凸基板への塗液の塗布装置において、前記口金の吐出孔
の数が16n(ただしnは自然数)±5の範囲であるこ
とを特徴とするものからなる。
【0032】また、上記装置において前記口金は塗液を
貯蔵するマニホールド部を有し、かつ、吐出孔の出口部
は平面であることが好ましい。
【0033】また、上記装置において前記口金は塗液を
貯蔵するマニホールド部を有し、かつ、吐出孔は同一形
状のニードルを配して構成されていることが好ましい。
【0034】また、上記装置において前記凹凸基板の凸
部の上端部と前記口金の吐出孔出口部の間隔を制御する
制御手段とを備えたことが好ましい。
【0035】また、上記装置において前記口金は複数の
吐出孔が直線状に、かつ、前記凹凸基板の凹凸部のスト
ライプ方向に複数列配列されていることが好ましい。
【0036】また、上記装置において前記口金は、互い
に独立した複数のマニホールド部と、各マニホールド部
から各塗液を吐出する吐出孔を有し、かつ、異なるマニ
ホールド部に連なる前記吐出孔の最短間隔は600μm
であることが好ましい。
【0037】また、上記装置において2基以上の口金を
配したことが好ましい。
【0038】また、上記装置において2基以上の口金
を、前記凹凸基板の凹凸部のストライプ方向に対して垂
直方向に、凸部間隔の整数倍ずらして配したことが好ま
しい。また、上記装置において隣り合う2基以上の口金
を、前記凹凸基板の凹凸部のストライプ方向にずらして
配したことが好ましい。
【0039】さらに、本発明のプラズマディスプレイパ
ネルの製造装置は、塗液が赤色、緑色、青色のいずれか
の色に発光する蛍光体粉末を含むペーストであって、上
記の凹凸基板への塗液の塗布装置を用いることを特徴と
するものからなる。
【0040】
【発明の実施の形態】本発明は、図1のような電極1お
よび隔壁3が形成されたガラス基板2の上に部分的に蛍
光体ペーストを塗布する方法であり、特に、赤色、青
色、緑色の3原色を発光する蛍光体ペーストをそれぞれ
ストライプ状に塗布し、図2に示すような赤色蛍光体層
4、青色蛍光体層5、緑色蛍光体層6をそれぞれ形成す
る蛍光体層の形成方法に関する。
【0041】ここで、1つの画素ラインは、赤色
(R)、青色(B)、緑色(G)3本のストライプで形
成されるため、蛍光体層は、RGBもしくはRBGの繰
り返しで形成する必要がある。
【0042】本発明の製造方法においては、R、G、B
の各色用ごとに配置された吐出孔を有する口金を、およ
び/またはガラス基板を、隔壁と吐出孔が平行になるよ
うに走行させるなどしながら、各色の所定位置の隔壁間
に蛍光体ペーストを吐出させて塗布する方法が用いられ
る。
【0043】ここで、ディスプレイあたりの表示セル、
すなわち画素ラインの数は、ディスプレイとして求めら
れる精細度や、サイズなどによって異なるが、一般的に
640、800、1024、1280、1920などで
ある。口金単位あたりの吐出孔の数が30〜2500の
範囲内であれば、これらの基板に対応することが出来
る。
【0044】また、上述したように、表示セルの数は、
その多くが16の倍数である。
【0045】本発明の製造方法においては、口金単位あ
たりの吐出孔の数は16n(ただしnは自然数)±5個
の範囲内にある。
【0046】口金単位あたりの吐出孔の数が上記範囲内
にあると、画素ライン数が16の倍数である場合はもち
ろん、スペックが変化して16の倍数でないものが要求
された場合でも、1基あるいは2基以上の口金を用いる
ことによって、各種基板の画素ライン数に対応すること
ができ、効率的な塗布が可能である。
【0047】さらに、自然数nが2〜150の範囲にあ
ると、より効率的な塗布が可能となり、好ましい。
【0048】また、1本のストライプ状隔壁間に塗布さ
れたペースト厚をさらに精度良くし、塗布速度を上げる
ためには、1本のストライプあたり2個以上の吐出孔を
隔壁と平行方向に有する口金を用いて、複数の吐出孔か
ら同時に塗布する方法(図8)を用いることができる。
この場合、1個または各色所定の塗布位置間隔に1列の
直線上に並んだ2個以上の吐出孔を隔壁と平行方向に2
列以上有する口金などが好ましく用いられる。
【0049】さらに、1基の口金に、2色以上の異なる
色に発光する蛍光体ペーストの吐出孔を同時に有するも
のも用いることができるが、この場合は、他色との混色
を避けるために、異なる色の蛍光体ペーストを吐出する
孔間隔は600μm以上であることが好ましい。高精細
のプラズマディスプレイパネルでは、隔壁の間隔は10
0〜400μmになるが、1例として、孔間隔が直線距
離で600μm以上の間隔となるように隔壁方向にずら
して3色連続に3列配置する方法(図9)により実施す
ることができる。
【0050】異なる色の蛍光体ペーストを吐出する口金
が、それぞれ独立である場合には、それぞれ同じ速度で
隔壁に平行に走行させてまたは/かつガラス基板を走行
させて塗布することにより実施することができる。
【0051】さらに効率的な方法として、異なる色に発
光する蛍光体ペーストを吐出する口金を、それぞれの色
用について2基以上配置し、または2色以上の異なる色
に発光する蛍光体ペーストを同時に吐出する口金を2基
以上配置し、同期させながら、または、連結した状態
で、同じ方向に同じ速度で移動させながらパネル全面に
塗布する方法(図10)を用いることにより、それぞれ
の色用が1基ずつの場合に対し、塗布時間を半分以下に
短縮することができる。
【0052】この際、2基以上は、隔壁方向に対し垂直
方向に隔壁間隔の整数倍にずらして位置させ、隣り合う
2基以上の位置が「ずれ」<「口金本体の外寸」のとき
は、隔壁に対し平行方向にずれて位置するように配置す
る(図11)ことが効率的であり好ましい。
【0053】また、隣接する異なる色の蛍光体ペースト
の混色を避けるために、1色塗布するごとに、乾燥工程
を経る方法を用いることも好ましい。
【0054】本発明で用いる吐出口の内径は、塗布対象
の隔壁の間隔100〜400μmに対し、隔壁間隔以下
であることが好ましく、蛍光体粉末の粒子径よりも大き
い必要がある。蛍光体粉末の粒子径分布および多少の凝
集を考慮し、蛍光体ペーストを安定に吐出するため、8
0〜400μmであることが好ましい。
【0055】また、本発明で用いる吐出孔はノズル(図
6)またはニードル(図7)とすることにより、口金が
汚れにくくなるため好ましい。
【0056】さらに、塗布する際は、隔壁の上端部と口
金の吐出孔先端部との間隔を0.01〜2mmの状態に
保ち、一定の速度で走行させながらまたは/かつガラス
基板を走行させながら蛍光体ペーストを一定流量で吐出
して隔壁間に塗布することが好ましい。この間隔が0.
03〜1mmであるのがより好ましい。この間隔で塗布
することにより、隔壁の上端部との接触を避けながら、
蛍光体ペーストを隔壁の間に流し込むことができる。
【0057】また、本発明に使用する蛍光体ペーストと
して、粘度が0.1〜50Pa・sのペーストを用いる
ことが好ましい。より好ましくは、0.5〜40Pa・
sである。
【0058】蛍光体ペーストの組成は、蛍光体粉末以外
は塗布後の乾燥および焼成工程において蒸発もしくは分
解して除去される成分で構成されていることが好まし
い。こうすることにより、焼成後に蛍光体のみで構成さ
れる蛍光体層を形成することができる。このような蛍光
体ペーストとして、例えば、蛍光体粉末、有機化合物分
散剤、水溶性有機バインダー、水で構成された組成物、
または、蛍光体粉末、有機バインダー、有機溶剤で構成
された組成物、およびこれに有機化合物分散剤を添加し
た組成物などが使用できる。
【0059】また、このような組成物に感光性を付与す
ることにより、フォトリソグラフィーによるパターン加
工を可能にすることもできる。この場合、塗布工程にお
いて隔壁の上部や隔壁形成部以外などの不要な部分に形
成された蛍光体を取り除くのに有効である。塗布した
後、フォトマスクを介して露光し、露光部分のペースト
を現像液に対して可溶化または不溶化することにより、
現像工程で不要な部分を取り除き、蛍光体層を形成する
ことができる。
【0060】本発明に使用される蛍光体粉末は、特に限
定されない。例えば、赤色では、Y23:Eu,YVO
4 :Eu,(Y,Gd)BO3 :Eu,Y23S:E
u,γ−Zn3(PO42 :Mn,(ZnCd)S:A
g+In23などがある。緑色では、Zn2GeO2
M,BaAl1219:Mn,Zn2SiO4:Mn,La
PO4 :Tb,ZnS:Cu,Al,ZnS:Au,C
u,Al,(ZnCd)S:Cu,Al,Zn2Si
4:Mn,As,Y3Al512:Ce,CeMgAl
1119:Tb,Gd22S:Tb,Y3Al512:T
b,ZnO:Znなどがある。青色では、Sr5(P
43Cl :Eu,BaMgAl1423:Eu,Ba
MgAl1627:Eu,BaMg2 Al1424:Eu,
ZnS:Ag+赤色顔料、Y2SiO3:Ceなどが挙げ
られる。
【0061】また、ツリウム(Tm)、テルビウム(T
b)およびユーロピウム(Eu)からなる群より選ばれ
た少なくとも1つの元素で、イットリウム(Y)、ガド
リウム(Gd)およびルテチウム(Lu)から選ばれた
少なくとも1つの母体構成稀土類元素を置換したタンタ
ル酸稀土類蛍光体が利用できる。好ましくは、タンタル
酸稀土類蛍光体が組成式Y1-xEuxTaO4 (式中、X
はおよそ0.005〜0.1である)で表されるユーロ
ピウム付活タンタル酸イットリウム蛍光体である。赤色
蛍光体には、ユーロピウム付活タンタル酸イットリウム
が好ましく、緑色蛍光体には、タンタル酸稀土類蛍光体
が組成式Y1-x Tbx TaO4 (式中、Xはおよそ0.
001〜0.2である)で表されるテルビウム付活タン
タル酸イットリウムが好ましい。青色蛍光体には、タン
タル酸稀土類蛍光体がY1-x Tbx TaO4 (式中、X
はおよそ0.001〜0.2である)で表されるツリウ
ム付活タンタル酸イットリウムが好ましい。
【0062】また、緑色蛍光体には、Mnがケイ酸亜鉛
(Zn2SiO4)母体量に対して0.2重量%以上、
0.1重量%未満付活された平均粒子径2μm以上8μ
m以下のマンガン付活亜鉛蛍光体(Zn2SiO4:M
n)および一般式が(Zn1-xMnx)O・αSiO
2 (式中、Xおよびαは、0.01≦X≦0.2、0.
5<α≦1.5の範囲の値である)で表されるマンガン
付活ケイ酸亜鉛蛍光体も好ましく用いられる。
【0063】上記において使用される蛍光体粉末粒子径
は、作製しようとする蛍光体層パターンの線幅、幅間隔
(スペース)および厚みを考慮して選ばれるが、粉末
は、累積平均粒子径が0.5〜15μm、好ましくは
0.5〜6μm、比表面積0.1〜5m2 /cm3であ
ることが好ましい。より好ましくは粒子径を1〜6μ
m、比表面積0.5〜4m2 /cm3である。この範囲
にあると、吐出孔詰まりが生じ難く、安定な吐出が可能
であり、高精度なパターン形状が得られる。また、蛍光
体の発光効率がよく、高寿命になるので好ましい。粉末
粒子径が0.5μm未満、比表面積が5m2 /cm3
越えると粉末が細かくなりすぎるため、粉末の凝集が生
じやすく、フォトリソグラフィーによるパターン加工を
する場合には、露光時に光が散乱され未露光部分が光硬
化する。このため現像時にパターンの残膜(未露光部に
余分な蛍光体が残存すること)の発生が起こり、高精細
なパターンが得られない。また、蛍光体の発光効率や寿
命が低下する。
【0064】蛍光体粉末の形状としては、多面体状(粒
状)のものが使用できるが、凝集のない粉末が好まし
い。その中で球状の粉末は、吐出孔詰まりが生じ難く、
安定な吐出が可能であり、フォトリソグラフィーによる
パターン加工をする場合には、露光時に散乱の影響を少
なくできるのでより好ましい。球状粉末が球形率80個
数%以上の粒子形状を有していると好ましい。さらに好
ましくは、球形率90個数%以上である。球形率80個
数%未満である場合には、紫外線露光時に蛍光体粉末に
よる散乱の影響を受けて高精細なパターンが得られにく
くなる。球形率の測定は、蛍光体粉末を光学顕微鏡で3
00倍の倍率にて撮影し、このうち計数可能な粒子を計
数することにより行い、球形のものの比率を球形率とす
る。
【0065】本発明に使用される有機成分として、有機
バインダー、溶媒および必要に応じて分散剤、可塑剤、
レベリング剤などの添加物を含むことができる。
【0066】有機バインダーの具体的な例としては、
(ポリ)ビニルブチラール、(ポリ)ビニルアセテー
ト、(ポリ)ビニルアルコール、セルロース系ポリマー
(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセル
ロース)、ポリエチレン、シリコンポリマー(例えば、
(ポリ)メチルシロキサン、(ポリ)メチルフェニルシ
ロキサン)、ポリスチレン、ブタジエン/スチレンコポ
リマー、ポリスチレン、(ポリ)ビニルピロリドン、ポ
リアミド、高分子量ポリエーテル、エチレンオキシドと
ポロピレンオキシドのコポリマーポリアクリルアミドお
よび種々のアクリルポリマー(例えば、ポリアクリル酸
ナトリウム、(ポリ)低級アルキルアクリレート、(ポ
リ)低級アルキルメタクリレートおよび低級アルキルア
クリレートおよびメタクリレートの種々のコポリマーお
よびマルチポリマーである。
【0067】可塑剤の具体的な例としては、ジブチルフ
タレート、ジオクチルフタレート、ポリエチレングリコ
ール、グリセリンなどがあげられる。
【0068】有機溶媒の具体的な例としては、メチルセ
ロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチ
ルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサ
ノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソ
プロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ブチルカル
ビトールアセテート、ジメチルスルフォキシド、γ−ブ
チロラクトン、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、ジブ
ロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモ安息香酸、ク
ロロ安息香酸などやこれらのうちの1種以上を含有する
有機溶媒混合物が用いられる。
【0069】有機化合物分散剤として、アニオン性や非
イオン性界面活性剤などが使用される。
【0070】本発明において、フォトリソグラフィーに
よるパターン加工をする場合には、感光性化合物を含む
有機成分と蛍光体粉末を必須成分とする感光性蛍光体ペ
ーストを用いることも可能である。
【0071】感光性蛍光体ペーストに用いられる有機成
分は、感光性化合物を10重量%以上、より好ましくは
25重量%以上含む有機成分であることが好ましい。感
光性化合物を含む有機成分とは、感光性ポリマー、感光
性モノマー、感光性オリゴマーのうち少なくとも1種類
から選ばれる感光性成分を含有し、さらに必要に応じて
光重合開始剤、増感剤紫外線吸光剤などの添加物を加え
ることも行われる。
【0072】本発明に用いる感光性化合物を含む有機成
分量は、15〜60重量%であることが好ましい。15
重量%以下では感光不足のためパターン性が劣化し、6
0重量%以上では、焼成時の脱バインダー性が悪く焼成
不足になる。
【0073】感光性成分としては、光不溶化型のものと
光可溶化型のものがあり、光不溶化型のものとして、 (1)分子内に不飽和基などを1つ以上有する官能性の
モノマー、オリゴマー、ポリマーを含有するもの (2)芳香族ジアゾ化合物、芳香族アジド化合物、有機
ハロゲン化合物などの感光性化合物を含有するもの (3)ジアゾ系アミンとホルムアルデヒドとの縮合物な
どいわゆるジアゾ樹脂といわれるもの等がある。
【0074】また、光可溶型のものとしては、 (4)ジアゾ化合物の無機塩や有機酸とのコンプレック
ス、キノンジアゾ類を含有するもの (5)キノンジアゾ類を適当なポリマーバインダーと結
合させた、例えばフェノール、ノボラック樹脂のナフト
キノン1,2−ジアジド−5−スルフォン酸エステル等
がある。
【0075】本発明で用いる感光性成分は、上記のすべ
てのものを用いることができる。感光性ペーストとし
て、無機微粒子と混合して簡便に用いることができる感
光性成分は、(1)のものが好ましい。
【0076】感光性モノマーとしては、炭素−炭素不飽
和結合を含有する化合物で、その具体的な例として、メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピル
アクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチル
アクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−
ブチルアクリレート、イソ−ブチルアクリレート、te
rt−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレー
ト、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブト
キシエチルアクリレート、ブトキシトリエチレングリコ
ールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシ
クロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロ
ールアクリレート、グリシジルアクリレート、ヘプタデ
カフロロデシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルア
クリレート、イソボニルアクリレート、2−ヒドロキシ
プロピルアクリレート、イソデキシルアクリレート、イ
ソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−
メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコ
ールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアク
リレート、オクタフロロペンチルアクリレート、フェノ
キシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、ト
リフロロエチルアクリレート、アリル化シクロヘキシル
ジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレー
ト、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、エチ
レングリコールジアクリレート、ジエチレングリコール
ジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリ
トールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジトリメチ
ロールプロパンテトラアクリレート、グリセロールジア
クリレート、メトキシ化シクロヘキシルジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレ
ングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコー
ルジアクリレート、トリグリセロールジアクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、アクリルア
ミド、アミノエチルアクリレート、フェニルアクリレー
ト、フェノキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレ
ート、1−ナフチルアクリレート、2−ナフチルアクリ
レート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノ
ールA−エチレンオキサイド付加物のジアクリレート、
ビスフェノールA−プロピレンオキサイド付加物のジア
クリレート、チオフェノールアクリレート、ベンジルメ
ルカプタンアクリレート、また、これらの芳香環の水素
原子のうち、1〜5個を塩素または臭素原子に置換した
モノマー、もしくは、スチレン、p−メチルスチレン、
o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、塩素化スチ
レン、臭素化スチレン、α−メチルスチレン、塩素化α
−メチルスチレン、臭素化α−メチルスチレン、クロロ
メチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、カルボシ
キメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラ
セン、ビニルカルバゾール、および、上記化合物の分子
内のアクリレートを一部もしくはすべてをメタクリレー
トに変えたもの、γ−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、1−ビニル−2−ピロリドンなどが挙げら
れる。本発明ではこれらを1種または2種以上使用する
ことができる。
【0077】これら以外に、不飽和カルボン酸等の不飽
和酸を加えることによって、感光後の現像性を向上する
ことができる。不飽和カルボン酸の具体的な例として
は、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、クロト
ン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、またはこれ
らの酸無水物などがあげられる。
【0078】バインダーとしては、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルブチラール、メタクリル酸エステル重合
体、アクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル−
メタクリル酸エステル共重合体、α−メチルスチレン重
合体、ブチルメタクリレート樹脂などがあげられる。
【0079】また、前述の炭素−炭素二重結合を有する
化合物のうち少なくとも1種類を重合して得られたオリ
ゴマーやポリマーを用いることができる。
【0080】重合する際に、これらのモノマーの含有率
が10重量%以上、さらに好ましくは35重量%以上に
なるように、他の感光性のモノマーと共重合することが
できる。
【0081】共重合するモノマーとしては、不飽和カル
ボン酸等の不飽和酸を共重合することによって、感光後
の現像性を向上することができる。不飽和カルボン酸の
具体的な例としては、アクリル酸、メタアクリル酸、イ
タコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル
酢酸、またはこれらの酸無水物などがあげられる。
【0082】こうして得られた側鎖にカルボキシル基等
の酸性基を有するポリマーもしくはオリゴマーの酸価
(AV)は50〜180、さらには70〜140の範囲
が好ましい。酸価が180を越えると、現像許容幅が狭
くなる。また、酸価が50未満であると、未露光部の現
像液に対する溶解性が低下するようになるため現像液濃
度を濃くすると露光部まで剥がれが発生し、高精細なパ
ターンが得られにくい。
【0083】以上示した、ポリマーもしくはオリゴマー
に対して、光反応性基を側鎖または分子末端に付加させ
ることによって、感光性を持つ感光性ポリマーや感光性
オリゴマーとして用いることができる。
【0084】好ましい光反応性基は、エチレン性不飽和
基を有するものである。エチレン性不飽和基としては、
ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基などが
あげられる。
【0085】このような側鎖をオリゴマーやポリマーに
付加させる方法は、ポリマー中のメルカプト基、アミノ
基、水酸基やカルボキシル基に対して、グリシジル基や
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やア
クリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはア
リルクロライドを付加反応させて作る方法がある。
【0086】グリシジル基を有するエチレン性不飽和化
合物としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グ
リシジル、アリルグリシジルエーテル、エチルアクリル
酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロト
ン酸グリシジルエーテル、イソクロトン酸グリシジルエ
ーテルなどがあげられる。
【0087】イソシアネート基を有するエチレン性不飽
和化合物としては、(メタ)アクリロイルイソシアネー
ト、(メタ)アクリロイルエチルイソシアネート等があ
る。
【0088】また、グリシジル基やイソシアネート基を
有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライ
ド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライド
は、ポリマー中のメルカプト基、アミノ基、水酸基やカ
ルボキシル基に対して0.05〜1モル当量付加させる
ことが好ましい。
【0089】光重合開始剤としての具体的な例として、
ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,
4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−
ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ジク
ロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフ
ェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,
2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−
2−フェニル−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒド
ロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチル
ジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチル
チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソ
プロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベ
ンジル、ベンジルジメチルケタノール、ベンジルメトキ
シエチルアセタール、ベンゾイン、ベンゾインメチルエ
ーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、
2−t−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキ
ノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズ
アントロン、ジベンゾスベロン、メチレンアントロン、
4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p
−アジドベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6−ビ
ス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキ
サノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o
−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロ
パンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシ
ム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o
−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−
エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)
オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−[4−(メチ
ルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノ
ン、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホ
ニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、4,4
−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィ
ド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホル
フィン、カンファーキノン、四臭素化炭素、トリブロモ
フェニルスルホン、過酸化ベンゾインおよびエオシン、
メチレンブルーなどの光還元性の色素とアスコルビン
酸、トリエタノールアミンなどの還元剤の組合せなどが
あげられる。本発明ではこれらを1種または2種以上使
用することができる。
【0090】光重合開始剤は、感光性成分に対し、0.
1〜6重量%の範囲で添加され、より好ましくは、0.
2〜5重量%である。重合開始剤の量が少なすぎると光
に対する感度が鈍くなり、光重合開始剤の量が多すぎれ
ば、露光部の残存率が大きくなりすぎるおそれがある。
【0091】紫外線吸光剤を添加することも有効であ
る。紫外線吸収効果の高い吸光剤を添加することによっ
て高精細、高解像度が得られる。紫外線吸光剤としては
有機系染料からなるもの、中でも350〜450nmの
波長範囲で高UV吸収係数を有する有機系染料が好まし
く用いられる。具体的には、アゾ系染料、アミノケトン
系染料、キサンテン系染料、キノリン系染料、アミノケ
トン系染料、アントラキノン系、ベンゾフェノン系、ジ
フェニルシアノアクリレート系、トリアジン系、p−ア
ミノ安息香酸系染料などが使用できる。有機系染料は吸
光剤として添加した場合にも、焼成後の絶縁膜中に残存
しないで吸光剤による絶縁膜特性の低下を少なくできる
ので好ましい。これらの中でもアゾ系およびベンゾフェ
ノン系染料が好ましい。有機染料の添加量は0.05〜
5重量%が好ましい。0.05重量%以下では紫外線吸
光剤の添加効果が減少し、5重量%を越えると焼成後の
絶縁膜特性が低下するので好ましくない。より好ましく
は0.15〜1重量%である。有機染料からなる紫外線
吸光剤の添加方法の一例を上げると、有機染料を予め有
機溶媒に溶解した溶液を作製し、次に該有機溶媒中に蛍
光体粉末を混合後、乾燥することによってできる。この
方法によって蛍光体粉末の個々の粉末表面に有機の膜を
コートしたいわゆるカプセル状の粉末が作製できる。
【0092】増感剤は、感度を向上させるために添加さ
れる。増感剤の具体例としては、2,4−ジエチルチオ
キサントン、イソプロピルチオキサントン、2,3−ビ
ス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、
2,6−ビス(4−ジメチルアミニベンザル)シクロヘ
キサノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザ
ル)−4−メチルシクロヘキサノン、ミヒラーケトン、
4,4−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、
4,4−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4−ビ
ス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシ
ンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリ
デンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビ
ニレン)−イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4−
ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−カルボニ
ル−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)アセトン、
3,3−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリ
ン)、N−フェニル−N−エチルエタノールアミン、N
−フェニルエタノールアミン、N−トリルジエタノール
アミン、N−フェニルエタノールアミン、ジメチルアミ
ノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソア
ミル、3−フェニル−5−ベンゾイルチオテトラゾー
ル、1−フェニル−5−エトキシカルボニルチオテトラ
ゾールなどがあげられる。本発明ではこれらを1種また
は2種以上使用することができる。なお、増感剤の中に
は光重合開始剤としても使用できるものがある。増感剤
を本発明の感光性ペーストに添加する場合、その添加量
は感光性成分に対して通常0.05〜10重量%、より
好ましくは0.1〜10重量%である。増感剤の量が少
なすぎれば光感度を向上させる効果が発揮されず、増感
剤の量が多すぎれば露光部の残存率が小さくなりすぎる
おそれがある。
【0093】これらを用いた蛍光体ペーストまたは感光
性蛍光体ペーストは、通常、蛍光体粉末、有機バインダ
ー、紫外線吸光剤、感光性ポリマー、感光性モノマー、
光重合開始剤、分散剤、可塑剤、溶剤などの各種成分を
所定の組成となるように調合した後、3本ローラーや混
練機で均質に混合分散し作製する。または、予め、分散
剤を溶剤に溶解しておいたり、蛍光体粉末を分散剤や紫
外線吸光剤で表面処理した後に、他の成分と混合しても
よい。
【0094】また、プラズマディスプレイの蛍光体は隔
壁底部および側面(隔壁高さの半分の位置)に10〜5
0μmの厚みが必要であり、使用する蛍光体ペースト中
の蛍光体粉末比率による乾燥や焼成後の収縮を考慮した
塗布厚みに制御する必要がある。
【0095】本発明に用いるガラス基板は、特に限定は
ないが、一般的なソーダライムガラスやソーダライムガ
ラスをアニール処理したガラス、または、高歪み点ガラ
ス(例えば、旭硝子社製”PD−200”)等を用いる
ことができる。ガラス基板のサイズには特に限定はな
く、1〜5mmの厚みのガラスを用いることができる。
【0096】電極と隔壁を形成したガラス基板上に蛍光
体層を形成することによって、プラズマディスプレイ用
基板を得ることができる。また、電極と隔壁以外に誘電
体層を形成した基板を用いてもよい。電極は、銀やアル
ミ、銅、金、ニッケル、酸化錫、ITO等をスクリーン
印刷や感光性導電ペーストを用いて形成することができ
る。
【0097】隔壁としては、格子形状やストライプ形状
の隔壁を用いることができるが、本発明は、ストライプ
形状の隔壁において特に有効である。隔壁のピッチとし
ては、100〜500μmが好ましい。隔壁の高さとし
ては、50〜200μmが好ましい。
【0098】本発明にあっては、吐出孔を有する口金ま
たはノズルまたはニードルにより隔壁間に塗布したペー
ストを乾燥させる加熱工程において、ガラス基板の蛍光
体塗布面を下にした状態で保持して行う方法も好ましく
用いられる。蛍光体ペーストが隔壁側面を伝うことによ
り、隔壁側面に蛍光体層を形成することができる。蛍光
体層を隔壁間だけでなく隔壁側面にも形成することによ
って、蛍光体面の面積を大きくでき、プラズマディスプ
レイの輝度向上に有効である。この場合、具体的には、
ガラス基板が水平面に対して0〜30度の角度になるよ
うな方法が好ましく用いられる。乾燥温度、乾燥時間は
ペースト組成や粘性によって異なるが、50〜200℃
で5〜60分行うことが好ましい。
【0099】またさらに、塗布工程において感光性を付
与した蛍光体ペーストを使用して、フォトリソグラフィ
ーによるパターン加工を行う場合、塗布した後、露光と
現像を行う。
【0100】フォトマスクを介して露光し、露光部分の
ペーストを現像液に対して可溶化または不溶化すること
により、現像工程で不要な部分を取り除くため、露光と
現像を行う。
【0101】露光方法については特に限定されないが、
通常のフォトリソグラフィーで行われるように、フォト
マスクを用いてマスク露光する方法が一般的である。用
いるマスクは、感光性有機成分の種類によって、ネガ型
もしくはポジ型のどちらかを選定する。また、フォトマ
スクを用いずに、レーザー光などで直接描画する方法を
用いても良い。露光装置としては、ステッパー露光機、
プロキシミティ露光機等を用いることができる。
【0102】また、大面積の露光を行う場合は、ガラス
基板などの基板上に感光性ペーストを塗布した後に、搬
送しながら露光を行うことによって、小さな有効露光面
積の露光機で、大きな面積を露光することができる。
【0103】この際使用される活性光源は、たとえば、
可視光線、近紫外線、紫外線、電子線、X線、レーザー
光などが挙げられるが、これらの中で紫外線が好まし
く、その光源としてはたとえば低圧水銀灯、高圧水銀
灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ、殺菌灯などが使用
できる。これらのなかでも超高圧水銀灯が好適である。
【0104】フォトマスクを用いる場合は、パターン幅
の設計が重要である。通常は、隔壁ピッチから隔壁幅を
ひいた幅(スペース)と同じ幅を用いるが、アライメン
ト精度および露光時の光散乱を考慮して、スペースより
0〜30μm狭くしたパターンのフォトマスクを用いて
もよい。
【0105】さらに、露光後、現像液を使用して現像を
行なうが、この場合、浸漬法やスプレー法、ブラシ法な
どを用いることができる。
【0106】現像液は、感光性ペースト中の有機成分が
溶解可能である有機溶媒を使用できる。また該有機溶媒
にその溶解力が失われない範囲で水を添加してもよい。
感光性ペースト中にカルボキシル基等の酸性基を持つ化
合物が存在する場合、アルカリ水溶液で現像できる。ア
ルカリ水溶液として水酸化ナトリウムや水酸化カルシウ
ム水溶液などのような金属アルカリ水溶液を使用できる
が、有機アルカリ水溶液を用いた方が焼成時にアルカリ
成分を除去しやすいので好ましい。
【0107】有機アルカリとしては、アミン化合物を用
いることができる。具体的には、テトラメチルアンモニ
ウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウム
ヒドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノール
アミンなどが挙げられる。アルカリ水溶液の濃度は通常
0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量
%である。アルカリ濃度が低すぎれば未露光部が除去さ
れずに、アルカリ濃度が高すぎれば、パターン部を剥離
させ、また露光部を腐食させるおそれがあり良くない。
また、現像時の現像温度は、20〜50℃で行うことが
工程管理上好ましい。
【0108】また、以上の工程中に、乾燥、予備反応の
目的で、50〜300℃加熱工程を導入しても良い。
【0109】本発明においては、蛍光体以外のバインダ
ーなどを除去するために、さらに焼成炉にて焼成を行
う。焼成雰囲気や、温度はペーストや基板の種類によっ
て異なるが、具体的には空気中、窒素、水素等の雰囲気
中、400〜550℃の焼成温度が好ましい。焼成炉と
しては、バッチ式の焼成炉やベルト式またはローラーハ
ース式の連続型焼成炉など、公知の焼成炉を用いること
ができる。
【0110】上記のような焼成行程を経ることにより、
ガラス基板上の隔壁間に蛍光体層を形成したプラズマデ
ィスプレイパネル用背面板を作製することができる。
【0111】以上のようにして得られたプラズマディス
プレイパネル用背面板(図3)を前背面のガラス基板と
合わせて封着し、ヘリウム、ネオン、キセノン等の希ガ
スを封入することによって、プラズマディスプレイのパ
ネル部分を製造できる。さらに、駆動用のドライバーI
Cを実装することによって、プラズマディスプレイを製
造することができる。
【0112】次に、本発明にかかる凹凸基板への塗液の
塗布装置について説明する。
【0113】図12は、本発明の一実施態様に係る塗液
の塗布装置の全体斜視図であり、図13は、図12のテ
ーブル42と口金50周りの概略図であり、製造装置の
要部を説明するための図である。図15から図20は、
本発明の一実施態様に係る口金の構造を示している。
【0114】まず、塗液の塗布装置の全体構成について
説明する。図12は、本発明に係るプラズマディスプレ
イパネルの製造装置に適用される塗布装置の一例を示し
ている。この塗布装置は基台40を備えている。基台4
0上には、一対のガイド溝レール44が設けられてお
り、このガイド溝レール44上にテーブル42が配置さ
れている。このテーブル42の上面には、基板41が真
空吸引によってテーブル面に固定可能となるように複数
の吸引孔43が設けられている。また、基板41は図示
しないリフトピンによってテーブル42上を昇降する。
さらにテーブル42は、スライド脚45を介してガイド
溝レール44上をX軸方向に往復動自在となっている。
【0115】一対のガイド溝レール44の間には、図1
3に示す送りねじ機構を構成するフィードスクリュー4
6が、テーブル42の下面に固定されたナット状のコネ
クタ47を貫通して延びている。フィードスクリュー4
6の両端部は、軸受48によって回転自在に支持され、
さらに片方の一端にはACサーボモータ49が連結され
ている。
【0116】図12に示すように、テーブル42の上方
には、蛍光体ペーストを吐出する口金50が、ホルダー
51を介して昇降機構56、幅方向移動機構59に連結
している。昇降機構56は昇降可能な昇降ブラケット5
4を備えており、昇降機構56のケーシング内部で一対
のガイドロッドに昇降自在に取り付けられている。ま
た、このケーシング内には、ガイドロッド間に位置して
ボールねじからなるフィードスクリュー(図示しない)
もまた回転自在に配置されており、ナット型のコネクタ
を介して昇降ブラケット54と連結されている。さらに
フィードスクリューの上端には、図示しないACサーボ
モータが接続されており、このACサーボモータの回転
によって昇降ブラケット54を任意に昇降動作させるこ
とができるようになっている。
【0117】さらに、昇降機構56はY軸移動ブラケッ
ト57(アクチュエータ)を介して幅方向移動機構59
に連結されている。幅方向移動機構59は、Y軸移動ブ
ラケット57を口金50の幅方向、すなわちY軸方向に
往復自在に移動させるものである。動作のために必要な
ガイドロッド、フィードスクリュー、ナット型コネクタ
ー、ACサーボモータ等は、ケーシング内に昇降機構5
6と同じように配置されている。幅方向移動機構59は
支柱58で基台40上に固定されている。
【0118】これらの構成によって、口金50はZ軸と
Y軸方向に自在に移動させることができる。
【0119】口金50は、テーブル42の往復動方向と
直交する方向、つまりY軸方向に水平に延びているいる
が、これを直接保持するコの字形のホルダー51は、昇
降ブラケット54内で回転自在に支持されており、垂直
面内で自在に図中の矢印方向に回転することができる。
【0120】このホルダー51の上方には水平バー52
も昇降ブラケット54に固定されている。水平バー52
の両端部には、電磁作動型のリニアアクチュエータ53
が取り付けられている。このリニアアクチュエータ53
は、水平バー52の下面から突出する伸縮ロッド55を
有し、これら伸縮ロッド55がホルダー51の両端に接
触することによってホルダー51の回転角度を規制する
ことができ、結果として口金50の傾き度を任意に設定
することができる。
【0121】さらに図12を参照すると、基台40の上
面には、逆L字形のセンサ支柱60が固定されており、
その先端にはテーブル42上の基板41の凸部頂上の位
置(高さ)を測定する高さセンサ61が取り付けられて
いる。また、高さセンサ61の隣には、基板41の隔壁
間の位置を検知するカメラ78がカメラ支柱77に取り
付けられている。図13に示すように、カメラ78は画
像処理措置74に電気的に接続されており、隔壁間の位
置の変化を定量的に求めることができる。
【0122】さらに、テーブル42の一端には、センサ
ーブラケット74を介して、口金50の吐出孔のある下
端面の、テーブル42に対する垂直方向の位置を検出す
るセンサー76が取り付けられている。
【0123】図13に示すように、口金50はそのマニ
ホールド62内に蛍光体ペースト63が充填されてお
り、吐出孔64が吐出孔先端面に形成されている。そし
て、この吐出孔64より蛍光体ペースト63が吐出され
る。口金50には供給ホース65が接続されており、さ
らに吐出用電磁切換え弁66、供給ユニット67、吸引
ホース68、吸引用電磁切換え弁69、蛍光体ペースト
タンク70へと連なっている。蛍光体ペーストタンク7
0には、蛍光体ペースト63が蓄えられている。蛍光体
ペースト63は、赤色、緑色、青色のいずれかの色に発
光する蛍光体粉末を含むペーストからなる。
【0124】供給ユニット67の具体例としては、ピス
トン、ダイヤフラム型等の定容量ポンプや、チュービン
グポンプ、ギアポンプ、モーノポンプ、さらには液体を
気体の圧力で押出す圧送コントローラ等がある。供給装
置コントローラ71からの制御信号をうけて、供給ユニ
ット67や、各々の電磁切換え弁の動作を行わせ、蛍光
体ペーストタンク70から蛍光体ペースト63を吸引し
て、口金50に蛍光体ペースト63を供給することがで
きる。蛍光体ペーストタンク70から定容量ポンプへの
蛍光体ペースト63の吸引動作を安定化させるために、
蛍光体ペーストタンク70を密閉容器にして、空気、不
活性ガスである窒素等の気体で圧力を付加してもよい。
空気、窒素等で常に一定の圧力を付加するには、蛍光体
ペーストタンク70を空気、窒素等の供給装置に接続し
て圧力制御すればよい。圧力の大きさは、0.01〜1
MPa、特に0.02〜0.5MPaが好ましい。
【0125】供給装置コントローラ71はさらに、全体
コントローラ72に電気的に接続されている。この全体
コントローラ72には、モータコントローラ73、高さ
センサ61の電気入力等、カメラ78の画像処理装置7
9からの情報等、すべての制御情報が電気的に接続され
ており、全体のシーケンス制御も司れるようになってい
る。全体コントローラ72は、コンピュータでも、シー
ケンサでも、制御機能を持つものならばどのようなもの
でもよい。
【0126】また、モータコントローラ73には、テー
ブル42を駆動するACサーボモータ49や、昇降機構
56と幅方向移動機構59のそれぞれのアクチュエータ
76、78(たとえば、ACサーボモータ)、さらには
テーブル42の移動位置を検出する位置センサ75から
の信号、口金50の作動位置を検出するY、Z軸の各々
のリニアセンサ(図示しない)からの信号などが入力さ
れる。なお、位置センサ75を使用する代わりに、AC
サーボモータ49にエンコーダを組み込み、エンコーダ
から出力されるパルス信号に基づき、テーブル42の位
置を検出することも可能である。
【0127】次に、このプラズマディスプレイの製造装
置を使った蛍光体ペーストの塗布方法について説明す
る。
【0128】まず、各作動部の原点復帰が行われると、
テーブル42、口金50は、各々X軸、Y軸、Z軸の準
備位置に移動する。このとき、蛍光体ペーストタンク7
0〜口金50まで蛍光体ペーストはすでに充満されてお
り、吐出用電磁切換え弁66は開、吸引用電磁切換え弁
69は閉の状態にする。そして、テーブル42の表面に
は図示しないリフトピンが上昇し、図示しないローダか
ら基板41がリフトピン上部に載置される。
【0129】次に、リフトピンを下降させて基板41を
テーブル上面に載置し、図示しないアライメント装置に
よってテーブル42上での位置決めが行われた後に基板
41を吸着する。
【0130】次に、テーブル42は、カメラ78と、高
さセンサ61の真下に基板41の隔壁がくるまで移動し
て、停止する。カメラ78は、テーブル42上に位置決
めされた基板41上の隔壁端部を写し出すようにあらか
じめ位置調整されており、画像処理によって一番端の隔
壁間の位置を検出し、カメラ基準点からの位置変化量を
求める。一方、カメラ78の基準点と、所定のY軸座標
位置にある口金50の最端部に位置する吐出孔64間の
距離は、事前の調整時に測定し、情報として全体コント
ローラ72に入力しているので、画像処理装置79から
カメラ基準点からの隔壁間の位置変化量が電送される
と、口金50の最端部に位置する吐出孔64が、隔壁端
部の隔壁間の真上となるY軸座標値を計算し、口金50
をその位置に移動させる。なお、カメラ78は、口金5
0やホルダー51に取り付けても同じ機能を持たせるこ
とができる。
【0131】これにより、口金50の全ての吐出口の中
心は、蛍光体ペーストを塗布する各々の隔壁間の上に移
動されたことになり、口金50と基板41の相対位置決
めが完了する。
【0132】高さセンサ61は、基板41の隔壁頂上部
の垂直方向の位置を検知し、テーブル42上面との位置
の差から基板41の隔壁頂上部の高さを算出する。この
高さに、あらかじめ与えておいた口金50の最端部〜基
板41の隔壁頂上部間の間隙値を加算して、口金50の
Z軸リニアセンサー上での下降すべき値を演算し、その
位置に口金50を移動する。これによって、テーブル4
2上での隔壁頂上部位置が基板ごとに変化しても、塗布
に重要な口金50の最端部〜基板41上の隔壁頂上部間
の間隙を常に一定に保てるようになる。
【0133】本発明に適用できる高さセンサ61として
は、レーザや超音波等を利用した非接触測定形式のも
の、ダイヤルゲージや差動トランス等を利用した接触測
定形式のもの等、測定可能な原理のものならいかなるも
のを用いてもよい。
【0134】次に、テーブル42を口金50の方へ向け
て動作を開始させ、口金50の吐出孔の真下に基板41
の塗布開始位置が到達する前に、所定の塗布速度まで増
速させておく。テーブル42の動作開始位置と塗布開始
位置までの距離は、テーブル42が塗布速度まで増速で
きるよう十分確保できていなければならない。
【0135】さらに、基板41の塗布開始位置が口金5
0の吐出孔の真下に至るまでの所に、テーブル42の位
置を検知する位置センサ65を配置しておき、テーブル
42がこの位置に到達したら、供給ユニット67の動作
を開始して蛍光体ペースト63の口金50への供給を開
始する。口金50の吐出孔より吐出される蛍光体ペース
トが基板41に達するには、基板〜口金吐出孔間の間隙
だけ時間遅れが生じる。そのため、事前に蛍光体ペース
ト63を口金50に供給することによって、基板41の
塗布開始位置が口金50吐出孔の丁度真下に来たところ
で口金50から吐出された所定量の蛍光体ペースト63
が基板41に到達するので、ほとんど厚みむらゼロの状
態で塗布を開始することができる。蛍光体ペースト63
の供給を開始する位置は位置センサ65の代わりに、モ
ータあるいはフィードスクリューにエンコーダを接続し
たり、テーブルにリニアセンサーをつけたりすると、エ
ンコーダやリニアセンサーの値を検知しても同様なこと
が可能となる。
【0136】塗布は、基板41の塗布終了位置が口金5
0の吐出孔の真下付近に来るまで行われる。すなわち、
基板41はいつもテーブル42上の定められた位置に置
かれているから、基板41の塗布終了位置が口金50の
吐出孔の(a)たとえば真下にくる5mm前や、(b)
丁度真下になる位置に相当するテーブル42の位置に、
位置センサやそのエンコーダ値をあらかじめ設定してお
き、テーブル42が(a)に対応する位置にきたら、全
体コントローラ72から供給装置コントローラ71に停
止指令を出して蛍光体ペースト63の口金50への供給
を停止する。
【0137】さて、塗布終了位置を通過しても、テーブ
ル42は動作をつづけ、終点位置にきたら停止する。こ
のとき塗布すべき部分がまだ残っている場合には、次の
塗布すべき開始位置まで口金50をY軸方向に塗布幅分
(吐出孔ピッチ×孔数)移動して、以下テーブル42を
反対方向に移動させることを除いては同じ手順で塗布を
行なう。1回目と同一のテーブル42の移動方向で塗布
を行なうのなら、口金50は次の塗布すべき開始位置ま
でY軸方向に移動、テーブル42はX軸準備位置まで復
帰させる。
【0138】そして塗布工程が完了したら、基板41を
アンローダで移載する場所までテーブル42を移動して
停止させ、基板41の吸着を解除するとともに大気開放
をした後に、リフトピンを上昇させて基板41をテーブ
ル42の面から引き離し、持ち上げる。
【0139】このとき、図示されないアンローダによっ
て基板41の下面が保持され、次の工程に基板41を搬
送する。基板41をアンローダに受け渡したら、テーブ
ル42はリフトピンを下降させ原点位置に復帰する。
【0140】そして、吐出用電磁切換え弁66を閉、吸
引用電磁切換え弁69を開状態にして供給ユニット67
を動作させ、蛍光体ペーストタンク70から1枚の基板
の塗布に必要な量だけの蛍光体ペースト63を供給す
る。
【0141】以上の塗布工程では、与えられた有効領域
での塗布厚み精度を向上させるために、塗布開始位置に
対する口金50への蛍光体ペースト供給開始のタイミン
グ、および塗布終了位置に対する口金50への蛍光体ペ
ースト供給停止のタイミングが重要となるので、それぞ
れの動作を最適なポイントで行わなければならない。ま
た本発明のこの実施態様では、口金50の吐出口部と基
板41の隔壁上端部との間隔値を設定してから、蛍光体
ペースト63の供給開始を行なっている。これは、両者
間の間隔を設定する前の状態で蛍光体ペースト63の供
給を開始すると、蛍光体ペースト63が、吐出口から吐
出された時点で吐出口部先端面に広がり、吐出口以外の
部分を汚染し、甚だしい場合には隣同士の吐出口から吐
出される蛍光体ペースト63が合流するという不都合が
生じ、精度の高い塗布ができなくなるためである。口金
50の吐出口部先端面を基板41に近接させてから蛍光
体ペースト63の供給を開始すると、先端面で蛍光体ペ
ースト63が広がる前に隔壁間に蛍光体ペースト63が
案内されることになるので、このような不都合は発生し
ない。
【0142】また、この実施態様では、基板41はX軸
方向に移動し、口金50がY軸とZ軸方向に移動する場
合の適用例について説明したが、口金50と基板41が
相対的に3次元的に移動できる構造、形式のものである
のなら、テーブルおよび口金の移動形式はいかなるもの
でもよい。
【0143】また、ここでは一種類の蛍光体ペーストを
塗布する場合について詳しく説明したが、本発明は、
赤、青および緑等の3色の蛍光体を同時に塗布する場合
にも適用することができる。
【0144】図14は、本発明で用いられる口金の一例
を示す概略縦断面図であり、図15はその底面図であ
る。口金90は、蛍光体ペーストを貯蔵するマニホール
ド部91と、マニホールド部91の蛍光体ペーストを供
給する供給口94と、蛍光体ペーストを吐出する複数の
吐出孔92を有する。吐出孔92は、マニホールド部9
1の内側から外側に貫通することにより形成され、所定
ピッチで直線状に配列されている。また、吐出孔92の
出口部は平面であり、これにより、吐出孔出口部を清掃
しやすい。
【0145】また、口金の吐出孔の数は16n(ただし
nは自然数)±5の範囲内にある。これは、ディスプレ
イあたりの表示セル、すなわち画素ラインの数が、ディ
スプレイとして求められる精細度やサイズなどによって
異なるが、一般的に640、800、1024、128
0、1920などであり、その多くが16の倍数である
からである。
【0146】画素ライン数が16の倍数である場合、吐
出孔の数が上記範囲内にある口金を用いてm回(mは自
然数)塗布すれば、基板全面を効率良く塗布できること
になる。
【0147】また、画素ライン数が16の倍数でない場
合でも、1基あるいは2基以上の口金を用いることによ
って、基板の画素ライン数に対応することができ、効率
的な塗布が可能となる。
【0148】図16は、本発明で用いられる他の口金の
一例を示す概略縦断面図であり、図17はその底面図で
ある。この態様のものは、同一形状のニードル93を配
して構成しており、これにより吐出孔出口部が汚れにく
くなる。
【0149】図18は、本発明で用いられるさらに他の
口金の一例を示す底面図である。複数の吐出孔92が直
線状に2列配列されている。これにより、1本のストラ
イプ状隔壁間に、2個の吐出孔から蛍光体ペーストを塗
布できるので、ペースト厚み精度が向上し、または、塗
布速度を上げることが可能となる。
【0150】図19は、本発明で用いられる他の口金の
一例を示す概略縦断面図であり、図20はその底面図で
ある。口金95は、複数のマニホールド部96、97、
98と、マニホールド部96、97、98に蛍光体ペー
ストを供給する供給口99、100、101と、蛍光体
ペーストを吐出する複数の吐出孔102、103、10
4を有する。さらに、底面図に示されているように、吐
出口102、103、104は、マニホールド部96、
97、98よりも数多くあり、直線上に配列されてい
る。これにより、1基の口金から、異なる種類の蛍光体
ペーストを吐出できる。また、異なる色の蛍光体ペース
トを吐出する吐出孔の最短距離が600μm以上にする
ことによって、他色との混色を防止することができる。
【0151】図21は、本発明の他の実施態様に係るプ
ラズマディスプレイの製造装置の要部を説明するための
概略斜視図である。口金は1基のみでなく、これをY方
向に2基以上配置してもよい。口金110、111は、
X方向およびY方向に共に同期してあるいは非同期で駆
動されるように、図示しない制御装置によって駆動され
るようになっている。このように、2基以上の口金によ
って、テーブル42上の基板41への蛍光体ペーストの
塗布が分担されるので、塗布時間を短縮させることがで
きる。
【0152】この際、2基以上の口金としては、同じ色
を発光する蛍光体ペーストを吐出する口金、異なる色を
発光する蛍光体ペーストを吐出する口金、あるいは、2
色以上の異なる色に発光する蛍光体ペーストを吐出する
口金のいずれでもよい。
【0153】また、これら2基以上の口金を、隔壁方向
に対し垂直方向に隔壁間隔の整数倍にずらして位置さ
せ、隣り合う2基以上の位置が「ずれ」<「口金本体の
外寸」のときは、隔壁に対し平行方向にずれて位置する
ように配置することが効率的であり好ましい。
【0154】
【実施例】以下に、本発明を実施例を用いて、具体的に
説明する。ただし、本発明はこれに限定はされない。な
お、実施例中の濃度(%)は特に断らない限り重量%で
ある。
【0155】[実施例1]蛍光体粉末47gおよびバイ
ンダーポリマー(メチルメタクリレート、メタクリル
酸、スチレン共重合体)20g、溶媒(γーブチロラク
トン)33gからなる蛍光体ペーストを作製した。蛍光
体粉末は、赤:(Y,Gd,Eu)BO3 (累積平均粒
子径2.7μm比表面積3.1m2/cm3)、緑:(Z
n,Mn)2SiO4 (累積平均粒子径3.6μm比表
面積2.5m2/cm3)、青:(Ba,Eu)MgAl
1017(累積平均粒子径3.7μm比表面積2.3m2
/cm3)を用いた。まず、有機成分の各成分を60℃
に加熱しながら溶解し、その後蛍光体粉末を添加し、混
練機で混練することによってペーストを作製した。粘度
は12Pa・sだった。
【0156】該ペーストをピッチ220μm、高さ15
0μm、幅60μmの隔壁961本が形成されたガラス
基板上に赤、緑、青の各ペーストをストライプ状に塗布
した。
【0157】塗布は、孔径150μmの吐出口を16個
有するノズルにより行った。ノズルは、赤色、青色、緑
色の蛍光体ペーストのそれぞれに1基ずつ使用した。ノ
ズルの先端と隔壁の上端の距離は、50μmにセットし
た。そして、ディスペンサーにより吐出圧を3kg/c
2に調節し、ノズルを隔壁と平行に一定速度で走行さ
せながら蛍光体ペーストを一定量吐出して隔壁間に塗布
した。まず、赤色蛍光体ペーストを所定の隔壁間に塗布
した。このとき、1回(16本)塗布が終了した位置に
おいて隔壁方向と垂直方向にノズルを10,560μm
移動させ、次は1回目と逆方向にノズルを走行させなが
ら2回目の隔壁間に塗布した。これを20回繰り返し
て、赤色蛍光体の所定位置の320本を塗布した。塗布
終了後、塗布面を上にして80℃で40分乾燥した。次
に、赤色蛍光体を塗布した隣の隔壁間に青色蛍光体ペー
ストを同様に320本塗布して乾燥した。さらに次に、
青色蛍光体を塗布した隣の隔壁間に緑色蛍光体ペースト
を同様に320本塗布して乾燥した。そして、得られた
ガラス基板を500℃で30分焼成を行った。
【0158】側面厚み、底部厚みを電子顕微鏡により観
察したところ、各色蛍光体が、側面に20±5μm、底
部に20±5μmの厚みでストライプ状に形成できた。
【0159】[実施例2]蛍光体粉末39gおよびバイ
ンダーポリマー(エチルセルロース)8g、溶媒(テル
ピネオール)53gからなる蛍光体ペーストを作製し
た。蛍光体粉末は実施例1と同じもの(赤:(Y,G
d,Eu)BO3 、緑:(Zn,Mn)2SiO4、青:
(Ba,Eu)MgAl1017)を用いた。まず、有機
成分の各成分を水に60℃で加熱しながら溶解し、その
後蛍光体粉末を添加し、混練機で混練することによって
ペーストを作製した。粘度は35Pa・sだった。
【0160】該ペーストをピッチ220μm、高さ15
0μm、幅60μmの隔壁961本が形成されたガラス
基板上に赤、緑、青の各ペーストをストライプ状に塗布
した。
【0161】塗布は、孔径100μmの吐出孔20個を
ピッチ660μmで1列に形成した口金により行った。
口金は、赤色、青色、緑色の蛍光体ペーストのそれぞれ
に対し2基ずつ使用した。口金の吐出孔部と隔壁の上端
の距離は、80μmにセットした。そして、ディスペン
サーにより吐出圧を4kg/cm2に調節し、口金を隔
壁と平行に一定速度で走行させながら20個の吐出孔か
ら蛍光体ペーストを一定量吐出して20本の隔壁間に同
時に塗布した。まず、赤色蛍光体ペーストを所定の隔壁
間に塗布した。このとき、赤色蛍光体ペーストを吐出す
る2基の口金を、それぞれ隔壁の形成された端に隔壁方
向と垂直方向に20個の吐出孔が並び、2基の口金の中
心の吐出孔間隔が105.6mmとなるようにセットし
た。2基の口金は、同期させ、同時に同速度で同方向に
走行させた。2基の口金についてそれぞれ20本塗布が
終了した位置において、隔壁方向と垂直方向に2基の口
金を同時に同方向に13200μm移動させた。次は逆
方向に2基の口金を同様に走行させながらそれぞれ20
本の隔壁間に塗布した。これを8回繰り返して、赤色蛍
光体の所定位置に1基の口金により160本、2基合わ
せて320本を塗布した。塗布終了後、塗布面を下にし
て80℃で40分乾燥した。次に、赤色蛍光体を塗布し
た隣の隔壁間に青色蛍光体ペーストを同様に2基の口金
により320本塗布して乾燥した。さらに次に、青色蛍
光体を塗布した隣の隔壁間に緑色蛍光体ペーストを同様
に2基の口金により320本塗布して乾燥した。そし
て、得られたガラス基板を500℃で30分焼成を行っ
た。
【0162】側面厚み、底部厚みを電子顕微鏡により観
察したところ、各色蛍光体が、側面に20±5μm、底
部に20±5μmの厚みでストライプ状に形成できた。
【0163】プ状に形成できた。
【0164】[実施例3]実施例2と同じ蛍光体ペース
トを用い、実施例2と同様の隔壁に赤、青、緑のストラ
イプ状に塗布した。
【0165】塗布は、孔径150μmの吐出孔を有する
ニードルを、ピッチ660μmで1列に80本、これを
ピッチ650μmで3列として先端に圧入した口金(ニ
ードル数240本、長さ6mm)により行った。口金
は、赤色、青色、緑色の蛍光体ペーストのそれぞれに対
し4基ずつ使用した。口金のニードル部先端と隔壁の上
端の距離は、80μmにセットした。そして、ディスペ
ンサーにより吐出圧を4kg/cm2 に調節し、口金を
隔壁と平行に一定速度で走行させながら240個の吐出
孔から蛍光体ペーストを一定量吐出して80本の隔壁間
に同時に塗布した。まず、赤色蛍光体ペーストを所定の
隔壁間に塗布した。このとき、赤色蛍光体ペーストを吐
出する4基の口金を、それぞれ隔壁方向と垂直方向に3
列80本のニードルが並び、隣接する口金が接触しない
本体間隔(1mm)で交互の位置となるようにセットし
た。4基の口金は、同期させ、同時に同速度で同方向に
走行させた。蛍光体ペーストの吐出開始と終了は、ニー
ドル先端が隔壁の上部に位置する時のみ行った。これに
より隔壁間320本を1度に塗布した。塗布終了後、塗
布面を下にして80℃で40分乾燥した。次に、赤色蛍
光体を塗布した隣の隔壁間に青色蛍光体ペーストを同様
に4基の口金により320本塗布して乾燥した。さらに
次に、青色蛍光体を塗布した隣の隔壁間に緑色蛍光体ペ
ーストを同様に4基の口金により320本塗布して乾燥
した。そして、得られたガラス基板を500℃で30分
焼成を行った。
【0166】側面厚み、底部厚みを電子顕微鏡により観
察したところ、各色蛍光体が、側面に20±5μm、底
部に20±5μmの厚みでストライプ状に形成できた。
【0167】[実施例4]蛍光体粉末45gおよびバイ
ンダーポリマー(メチルメタクリレート、メタクリル
酸、スチレン共重合体)18g、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート11g、溶媒(γーブチロラクト
ン)24g、分散剤2g、ベンゾフェノン系染料0.0
5g、光重合開始剤(”イルガキュア”907、チバガ
イギー社製)からなる蛍光体ペーストを作製した。蛍光
体粉末は実施例1と同じもの(赤:(Y,Gd,Eu)
BO3 、緑:(Zn,Mn)2SiO4、青:(Ba,E
u)MgAl1017)を用いた。まず、有機成分の各成
分を60℃に加熱しながら溶解し、その後蛍光体粉末を
添加し、混練機で混練することによってペーストを作製
した。粘度は3.5Pa・sだった。
【0168】該ペーストを実施例1と同様の隔壁に赤、
緑、青のストライプ状に塗布した。塗布は、孔径150
μmの吐出孔を有するニードルを、ピッチ660μmで
1列に80本、これを220μmピッチずつずらして3
列(列ピッチ15mm)として先端に圧入した口金(ニ
ードル数240本、長さ3mm)により行った。口金
は、4基使用した。口金のニードル部先端と隔壁の上端
の距離は、50μmにセットした。そして、ディスペン
サーにより吐出圧を3kg/cm2に調節し、口金を隔
壁と平行に一定速度で走行させながら240個の吐出孔
から蛍光体ペーストを一定量吐出して240本の隔壁間
に同時に塗布した。口金の1列目のニードルからは赤色
蛍光体ペーストを、2列目のニードルからは緑色蛍光体
ペーストを、3列目のニードルからは青色蛍光体ペース
トを吐出させ、各色所定の隔壁間に塗布した。このと
き、4基の口金を、それぞれ隔壁方向と垂直方向に3列
80本のニードルが並び、隣接する口金が接触しない間
隔(1mm)で交互の位置となるようにセットした。4
基の口金は、同期させ、同時に同速度で同方向に走行さ
せた。蛍光体ペーストの吐出開始と終了は、ニードル先
端が隔壁の上部に位置する時のみ行った。これにより隔
壁間960本を1度に塗布した。塗布終了後、塗布面を
下にして80℃で40分乾燥した。
【0169】次に、ピッチ220μm、線幅70μmの
ネガ型フォトマスクをアライメント露光した後、0.5
%炭酸ナトリウム水溶液で現像した後、500℃で30
分焼成を行った。
【0170】側面厚み、底部厚みを電子顕微鏡により観
察したところ、各色蛍光体が、側面に23±2μm、底
部に30±6μmの厚みでストライプ状に形成できた。
【0171】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のプラズマ
ディスプレイパネルの製造方法および製造装置によれ
ば、蛍光体層を基板の隔壁間に高精度、かつ、簡便に形
成することができるので、品質の高いプラズマディスプ
レイパネルを、高い生産性で安価に製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するために用いる隔壁を形成した
ガラス基板の模式図である。
【図2】本発明の方法により蛍光体層を塗布した後のプ
ラズマディスプレイパネルを示す模式図である。
【図3】本発明の焼成後のプラズマディスプレイパネル
を示す模式図である。
【図4】隔壁を形成したガラス基板に対して行う本発明
の実施方法の1例を模式的に示した図である。
【図5】本発明の口金の1例を模式的に示す断面概略図
である。
【図6】本発明のノズル付き口金の1例を模式的に示す
断面概略図である。
【図7】本発明のニードル付き口金の1例を模式的に示
す断面概略図である。
【図8】本発明の口金の吐出孔配置の例を模式的に示す
ものであり、ガラス基板上の隔壁に対する位置関係を示
す平面概略図である。
【図9】本発明の口金の吐出孔配置の例を模式的に示す
ものであり、ガラス基板上の隔壁に対する位置関係を示
す平面概略図である。
【図10】本発明の実施方法の1例を模式的に示すもの
であり、2基の口金またはノズルまたはニードルが同期
しながら隔壁形成ガラス基板の全面に塗布する動作方向
を示す平面概略図である。
【図11】本発明の実施方法の1例を模式的に示すもの
であり、4基の口金またはノズルまたはニードルを、隣
接するもの同士が接触しない間隔で交互の位置となるよ
うにセットして、同期させ、同時に同速度で同方向に走
行させて隔壁を形成したガラス基板の全面に塗布する動
作を示す平面概略図である。
【図12】本発明の一実施態様に係る塗液の塗布装置の
全体斜視図である。
【図13】図12の装置の要部を説明するための概略図
である。
【図14】本発明で用いられる口金の一例を示す概略縦
断面図である。
【図15】図14の口金の底面図である。
【図16】本発明で用いられる他の口金の一例を示す概
略縦断面図である。
【図17】図16の口金の底面図である。
【図18】本発明で用いられるさらに他の口金の一例を
示す底面図である。
【図19】本発明で用いられる他の口金の一例を示す概
略縦断面図である。
【図20】図19の口金の底面図である。
【図21】本発明の他の実施態様に係る塗液の塗布装置
の要部を説明するための概略斜視図である。
【符号の説明】
1:電極 2:ガラス基板 3:隔壁 4:赤色蛍光体層 5:青色蛍光体層 6:緑色蛍光体層 7:ニードル 8:蛍光体ペースト 9:吐出孔部先端と隔壁上部の距離 10:多孔口金 11:多孔ノズル 12:多孔ニードル 13:3列配置孔の1色塗布用口金またはノズルまたは
ニードル 14:1列配置孔の3色塗布用口金またはノズルまたは
ニードル 15:ガラス基板上の隔壁 16:口金またはノズルまたはニードルの走行方向 17:隔壁を形成したガラス基板 18:口金またはノズルまたはニードル 19:口金またはノズルまたはニードル同士が同期した
状態の走行動作方向 40:基台 41:基板 42:テーブル 43:吸引孔 44:ガイド溝レール 45:スライド脚 46:フィードスクリュー 47:コネクタ 48:軸受 49:ACサーボモータ 50:口金 51:ホルダー 52:水平バー 53:リニアアクチュエータ 54:昇降ブラケット 55:伸縮ロッド 56:昇降機構 57:Y軸移動ブラケット 58:支柱 59:軸方向移動機構 60:センサ支柱 61:高さセンサ 62:マニホールド 63:蛍光体ペースト 64:吐出孔 65:供給ホース 66:吐出用電磁切換え弁 67:供給ユニット 68:吸引ホース 69:吸引用電磁切換え弁 70:蛍光体ペーストタンク 71:供給装置コントローラ 72:全体コントローラ 73:モータコントローラ 74:センサーブラケット 75:位置センサ 76:位置センサ 77:カメラ支柱 78:カメラ 79:画像処理装置 80:昇降機構用アクチュエータ 81:幅方向移動機構用アクチュエータ 90:口金 91:マニホールド部 92:吐出孔 93:ニードル 94:供給口 95:口金 96:マニホールド部 97:マニホールド部 98:マニホールド部 99:供給口 100:供給口 101:供給口 102:吐出孔 103:吐出孔 104:吐出孔 110:ノズル 111:ノズル
フロントページの続き (72)発明者 池内 秀樹 滋賀県大津市園山1丁目1番1号東レ株式 会社滋賀事業場内

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】赤色、緑色、青色に発光する蛍光体粉末を
    それぞれ含む3種類の蛍光体ペーストを、吐出孔を有す
    る口金からガラス基板上の隔壁間にストライプ状にそれ
    ぞれ塗布した後、焼成することにより蛍光面を形成する
    プラズマディスプレイパネルの製造方法であって、口金
    単位あたりの吐出孔の数が16n(ただしnは自然数)
    ±5の範囲であることを特徴とするプラズマディスプレ
    イパネルの製造方法。
  2. 【請求項2】口金単位あたりの吐出孔の数が30〜25
    00であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ
    ディスプレイパネルの製造方法。
  3. 【請求項3】自然数nが2〜150であることを特徴と
    する請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製
    造方法。
  4. 【請求項4】吐出孔がノズルまたはニードルであること
    を特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のプラズマデ
    ィスプレイパネルの製造方法。
  5. 【請求項5】吐出孔および/またはガラス基板をガラス
    基板上の隔壁に対して平行に走行させることを特徴とす
    る請求項1〜4いずれかに記載のプラズマディスプレイ
    パネルの製造方法。
  6. 【請求項6】塗布中の吐出孔先端部と隔壁の上端部との
    間隔が0.01〜2mmであることを特徴とする請求項
    1〜5いずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの
    製造方法。
  7. 【請求項7】1本のストライプあたり2個以上の吐出孔
    から塗布することを特徴とする請求項1〜6いずれかに
    記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  8. 【請求項8】一基の口金に2色以上の異なる色に発光す
    る蛍光体ペーストを吐出する吐出孔を有し、かつ、異な
    る色の蛍光体ペーストを吐出する吐出孔の最短間隔が6
    00μm以上であることを特徴とする請求項1〜7いず
    れかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  9. 【請求項9】独立に位置制御できる2基以上の口金から
    同時に蛍光体ペーストを吐出させ、同一基板内の別々の
    場所を同時に塗布することを特徴とする請求項1〜8い
    ずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方
    法。
  10. 【請求項10】2基以上の口金を同じ速度で走行させて
    塗布することを特徴とする請求項9記載のプラズマディ
    スプレイパネルの製造方法。
  11. 【請求項11】2基以上の口金を同じ方向に、同じ速度
    で走行させて塗布することを特徴とする請求項10に記
    載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  12. 【請求項12】1つの口金からは、1色だけを塗布する
    ことを特徴とする請求項9〜11いずれかに記載のプラ
    ズマディスプレイパネルの製造方法。
  13. 【請求項13】1色について2基以上の独立に位置制御
    できる口金から同時に塗布することを特徴とする請求項
    9〜12いずれかに記載のプラズマディスプレイパネル
    の製造方法。
  14. 【請求項14】2基以上の口金の吐出孔の位置が、隔壁
    方向に対し垂直方向に隔壁間隔の整数倍ずれていること
    を特徴とする請求項9〜13いずれかに記載のプラズマ
    ディスプレイパネルの製造方法。
  15. 【請求項15】隣り合う2基の口金が、隔壁と平行方向
    にずれて位置することを特徴とする請求項9〜14いず
    れかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  16. 【請求項16】1色ごとに塗布し、1色塗布するごと
    に、乾燥工程を経ることを特徴とする請求項1〜15い
    ずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方
    法。
  17. 【請求項17】蛍光体ペーストとして、粘度が0.1〜
    50Pa・sのペーストを用いる請求項1〜16いずれ
    かに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  18. 【請求項18】蛍光体粉末として、累積平均粒子径が
    0.5〜15μm、比表面積0.1〜5m2 /cm3
    ある蛍光体粉末を用いることを特徴とする請求項1〜1
    7いずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造
    方法。
  19. 【請求項19】蛍光体ペーストを塗布した後、蛍光体塗
    布面を下向きにして乾燥する工程を経ることを特徴とす
    る請求項1〜18いずれかに記載のプラズマディスプレ
    イパネルの製造方法。
  20. 【請求項20】蛍光体ペーストが、感光性蛍光体ペース
    トであることを特徴とする請求項1〜19いずれかに記
    載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  21. 【請求項21】表面に一方向にストライプ状に凹凸部が
    形成されている凹凸基板を固定するテーブルと、前記凹
    凸基板の凹凸部と対面する複数の吐出孔を有する口金
    と、前記口金に塗液を供給する供給手段と、前記テーブ
    ルと前記口金を3次元的に相対移動させる移動手段とを
    備えた凹凸基板への塗液の塗布装置において、前記口金
    の吐出孔の数が16n(ただしnは自然数)±5の範囲
    であることを特徴とする凹凸基板への塗液の塗布装置。
  22. 【請求項22】前記口金は塗液を貯蔵するマニホールド
    部を有し、かつ、吐出孔の出口部は平面である請求項2
    1に記載の凹凸基板への塗液の塗布装置。
  23. 【請求項23】前記口金は塗液を貯蔵するマニホールド
    部を有し、かつ、吐出孔は同一形状のニードルを配して
    構成されている請求項21に記載の凹凸基板への塗液の
    塗布装置。
  24. 【請求項24】前記凹凸基板の凸部の上端部と前記口金
    の吐出孔出口部の間隔を制御する制御手段とを備えたこ
    とを特徴とする請求項21ないし23のいずれかに記載
    の凹凸基板への塗液の塗布装置。
  25. 【請求項25】前記口金は複数の吐出孔が直線状に、か
    つ、前記凹凸基板の凹凸部のストライプ方向に複数列配
    列されている請求項21ないし24のいずれかに記載の
    凹凸基板への塗液の塗布装置。
  26. 【請求項26】前記口金は、互いに独立した複数のマニ
    ホールド部と、各マニホールド部から各塗液を吐出する
    吐出孔を有し、かつ、異なるマニホールド部に連なる前
    記吐出孔の最短間隔は600μmである請求項21ない
    し25のいずれかに記載の凹凸基板への塗液の塗布装
    置。
  27. 【請求項27】2基以上の口金を配した請求項21ない
    し26のいずれかに記載の凹凸基板への塗液の塗布装
    置。
  28. 【請求項28】2基以上の口金を、前記凹凸基板の凹凸
    部のストライプ方向に対して垂直方向に、凸部間隔の整
    数倍ずらして配した請求項21ないし27のいずれかに
    記載の凹凸基板への塗液の塗布装置。
  29. 【請求項29】隣り合う2基以上の口金を、前記凹凸基
    板の凹凸部のストライプ方向にずらして配した請求項2
    1ないし27のいずれかに記載の凹凸基板への塗液の塗
    布装置。
  30. 【請求項30】塗液が赤色、緑色、青色のいずれかの色
    に発光する蛍光体粉末を含むペーストであって、請求項
    21ないし29のいずれかに記載の凹凸基板への塗液の
    塗布装置を用いるプラズマディスプレイパネルの製造装
    置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000047772A (ja) * 1998-07-31 2000-02-18 Canon Inc Oa装置、oaシステム及び制御方法

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JP2000047772A (ja) * 1998-07-31 2000-02-18 Canon Inc Oa装置、oaシステム及び制御方法

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