JP4164893B2 - プラズマディスプレイパネルの製造方法および製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上に凹凸状の特定パターンが形成されたものへの塗液の塗布方法および塗布装置に関する。特にストライプ状の隔壁を配置したプラズマディスプレイパネルの製造方法および製造装置に関する。本発明に係るプラズマディスプレイパネルは壁掛けテレビや情報表示用のディスプレイとして用いられる。
【0002】
【従来の技術】
従来、プラズマディスプレイパネルの製造方法としては、スクリーン印刷法が知られている。特にプラズマディスプレイの蛍光体を形成する方法としては、スクリーン印刷法が多く用いられている。
【0003】
また、特開平6−5205号公報に示されるようなスクリーン印刷を行った後にサンドブラストを用いる方法、特開平5−144375号公報に示されるような架橋剤を塗布した後にスクリーン印刷する方法が提案されているが、いずれもスクリーン印刷を用いている。
【0004】
しかしながら、印刷を繰り返すうちにスクリーン版の形状が変化するため、スクリーン印刷は精度の高いパターンが形成できないという欠点があり、スクリーン版の洗浄等の管理面についても量産には課題がある。
【0005】
また、高精度のパターンが得られる方法として、フォトリソグラフィーを用いた方法も行われているが、この場合、赤色、緑色、青色の各色蛍光体層を形成するために、各色について塗布、露光、現像、乾燥等の工程を3回繰り返す必要があること及び各色を全面塗布して露光した後に不必要な部分を現像により除去することによる蛍光体粉末の無駄な消費、これの回収、再生などコスト高となる。そして、各色を全面に塗布するため、重ね塗りした色の現像残りによる混色を避けられないという課題がある。
【0006】
インクジェットノズルの先端から蛍光体ペーストを噴射し、蛍光体層を形成する方法も提案されている。しかし、インクジェットの場合は、圧電素子などにより蛍光体ペーストを噴射する機構のため、粘度を0.2ポイズ以下程度にする必要があり、ペースト中の蛍光体粉末量を多くできないため、形成した蛍光体層の厚みが薄くなるという課題があった。また、インクジェットノズルの径が小さいため、蛍光体粉末が詰まるという課題があった。
【0007】
単にガラス基板上にストライプ状の着色パターンを形成する他の方法としては、ノズルを用いる特開平5−11105号公報や特開平5−142407号公報に記載されている方法があるが、これらの技術は、表面が平坦な基板に塗液を塗布するものであって、表面に凹凸が形成されているものに対しては、そのまま用いることはできない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ストライプ状の隔壁が一定パターンで形成されたプラズマディスプレイパネルの基板のような凹凸基板の複数の凹部に、蛍光体ペースト等の塗液を高精度にかつ簡便に形成できる塗液の塗布装置を提供することを目的とする。また、これにより、高生産性と高品質を実現できる、プラズマディスプレイパネルの製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のプラズマディスプレイパネルの製造方法は、赤色、緑色、青色に発光する蛍光体粉末をそれぞれ含む3種類の蛍光体ペーストを、吐出孔を有する口金からガラス基板上の隔壁間にストライプ状にそれぞれ塗布した後、焼成することにより蛍光面を形成するプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、1本のストライプあたり2個以上の吐出孔から塗布することを特徴とするものからなる。
【0010】
また、上記方法において隔壁の上端部と口金の吐出孔出口部の間隔が、0.01〜2mmの状態で塗布することが好ましい。
また、上記方法において吐出孔部形状がノズルまたはニードルであることが好ましい。
また、上記方法において口金および/またはガラス基板をガラス基板上の隔壁に対して平行に走行させることが好ましい。
また、上記方法において口金が1色について2個以上の吐出孔を有することが好ましい。
また、上記方法において1基の口金から異なる色に発光する蛍光体ペーストを吐出し、かつ、異なる色の蛍光体ペーストを吐出する吐出孔の最短間隔が600μm以上であることが好ましい。
また、上記方法において2基以上の口金から同時に塗布することが好ましい。
また、上記方法において2基以上の口金を同速度で走行させて塗布することが好ましい。
また、上記方法において2基以上の口金を同方向に、同速度で走行させて塗布することが好ましい。
また、上記方法において1つの口金からは、1色だけを塗布することが好ましい。
また、上記方法において1色について2基以上の口金から同時に塗布することが好ましい。
また、上記方法において2基以上の位置が、隔壁方向に対し垂直方向に隔壁間隔の整数倍ずれていることが好ましい。
【0011】
また、上記方法において隣り合う2基の口金が、隔壁と平行方向にずれて位置することが好ましい。
また、上記方法において1色ごとに塗布し、1色塗布するごとに、乾燥工程を経ることが好ましい。
また、上記方法において蛍光体ペーストとして、粘度が1〜100Pa・sのペーストを用いることが好ましい。
また、上記方法において蛍光体粉末として、累積平均粒子径が0.5〜15μm、比表面積0.1〜5m2/ccである蛍光体粉末を用いることが好ましい。
また、上記方法において蛍光体ペーストを塗布した後、蛍光体塗布面を下向きにして乾燥する工程を経ることが好ましい。
また、上記方法において蛍光体ペーストが、感光性蛍光体ペーストであることが好ましい。
【0012】
さらに、本発明の凹凸基板への塗液の塗布装置は、表面に一方向にストライプ状に一定ピッチで凹凸部が形成されている凹凸基板を固定するテーブルと、凹凸基板の凹凸部と対面する複数の吐出孔を有し、該複数の吐出孔が直線状に、かつ、前記凹凸基板の凹凸部のストライプ方向に複数列配列されている口金と、前記口金に塗液を供給する供給手段と、前記テーブルと前記口金を3次元的に相対移動させる移動手段と、凹凸基板の凸部の上端部と前記口金の吐出孔出口部の間隔を制御する制御手段を備えて、前記塗液を凹凸基板の凹部に塗布することを特徴とするものからなる。
【0013】
また、上記装置において前記口金は塗液を貯蔵するマニホールド部を有し、かつ、吐出孔の出口部は平面であることが好ましい。
また、上記装置において前記口金は塗液を貯蔵するマニホールド部を有し、かつ、吐出孔は同一形状のニードルを配して構成されていることが好ましい。
また、上記装置において前記口金は、互いに独立した複数のマニホールド部と、各マニホールド部から各塗液を吐出する吐出孔を有し、かつ、異なるマニホールド部に連なる前記吐出孔の最短間隔は600μmであることが好ましい。
また、上記装置において2基以上の口金を配したことが好ましい。
また、上記装置において2基以上の口金を、前記凹凸基板の凹凸部のストライプ方向に対して垂直方向に、凸部間隔の整数倍ずらして配したことが好ましい。
また、上記装置において隣り合う2基以上の口金を、前記凹凸基板の凹凸部のストライプ方向にずらして配したことが好ましい。
さらに、本発明のプラズマディスプレイパネルの製造装置は、塗液が赤色、緑色、青色のいずれかの色に発光する蛍光体粉末を含むペーストであって、上記の塗液の塗布装置を用いることを特徴とするものからなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明は先ず、図1のような電極1および隔壁3が形成されたガラス基板2の上に部分的に蛍光体ペーストを塗布する方法であり、特に、赤色、青色、緑色の3原色を発光する蛍光体をそれぞれストライプ状に塗布し、図2に示すような赤色蛍光体層4、青色蛍光体層5、緑色蛍光体層6をそれぞれ形成する蛍光体層の形成方法に関する。
【0015】
赤色(R)、青色(B)、緑色(G)は3本のストライプで1つの画素ラインを形成するため、RGBもしくはRBGの繰り返しで形成する必要がある。
【0016】
そのための形成方法としては、まずR、G、Bの各色用ごとに1基ずつ配置された1つの吐出孔を有する口金を、隔壁と平行に走行させながらおよび/またはガラス基板を走行させながら(図8)、各色の所定位置の隔壁間に蛍光体ペーストを吐出させて塗布する方法を用いる。さらに効率的な方法として、1色あたり2個以上の吐出孔を、各色所定の塗布位置間隔(吐出孔の中心間隔が隔壁ピッチの3倍)で有する口金(図5)を用いて、複数の吐出孔から同時に塗布する方法(図9)を用いることができる。
【0017】
また、1本のストライプ状隔壁間に塗布されたペースト厚をさらに精度良くし、また、塗布速度を上げるためには、1本のストライプあたり2個以上の吐出孔を隔壁と平行方向に有する口金を用いて、複数の吐出孔から同時に塗布する方法(図10)を用いることができる。
【0018】
また、1基の口金に、2色以上の異なる色に発光する蛍光体ペーストの吐出孔を同時に有するものも用いることができるが、この場合は、他色との混色を避けるために、異なる色の蛍光体ペーストを吐出する孔間隔は600μm以上であることが好ましい。高精細のプラズマディスプレイパネルでは、隔壁の間隔は100〜400μmになるが、1例として、孔間隔が直線距離で600μm以上の間隔となるように隔壁方向にずらして3色連続に3列配置する方法(図11)により実施することができる。
【0019】
異なる色の蛍光体ペーストを吐出する口金が、それぞれ独立である場合には、それぞれ同速度で隔壁に平行に走行させてまたは/かつガラス基板を走行させて塗布することにより実施することができる。
【0020】
さらに効率的な方法として、異なる色に発光する蛍光体ペーストを吐出する口金を、それぞれの色用について2基以上配置し、または2色以上の異なる色に発光する蛍光体ペーストを同時に吐出する口金を2基以上配置し、同期させながら、または、連結した状態で、同方向に同速度で移動させながらパネル全面に塗布する方法(図12)を用いることにより、それぞれの色用が1基ずつの場合に対し、塗布時間を半分以下に短縮することができる。
【0021】
この際、2基以上は、隔壁方向に対し垂直方向に隔壁間隔の整数倍にずらして位置させ、隣り合う2基以上の位置が「ずれ」<「口金本体の外寸」のときは、隔壁に対し平行方向にずれて位置するように配置する(図13)ことが効率的であり好ましい。
【0022】
また、隣接する異なる色の蛍光体ペーストの混色を避けるために、1色塗布するごとに、乾燥工程を経る方法を用いることも好ましい。
【0023】
本発明で用いる吐出口の内径は、塗布対象の隔壁の間隔100〜400μmに対し、隔壁間隔以下であることが好ましく、蛍光体粉末の粒子径よりも大きい必要がある。蛍光体粉末の粒子径分布および多少の凝集を考慮し、蛍光体ペーストを安定に吐出するため、80〜400μmであることが好ましい。
【0024】
また、本発明で用いる吐出口部形状は、ノズル(図6)またはニードル(図7)とすることにより、口金が汚れにくくなるため好ましい。
【0025】
さらに、塗布する際は、隔壁の上端部と口金の吐出孔出口部の間隔9を0.01〜2mmの状態に保ち、一定の速度で走行させながらまたは/かつガラス基板を走行させながら蛍光体ペーストを一定流量で吐出して隔壁間に塗布することが好ましい。より好ましくは0.03〜1mmである。この間隔で塗布することにより、隔壁の上端部との接触を避けながら、蛍光体ペーストを隔壁の間に流し込むことができる。
【0026】
また、本発明に使用する蛍光体ペーストとして、粘度が1〜100Pa・sのペーストを用いることが好ましい。より好ましくは、5〜50Pa・sである。
【0027】
蛍光体ペーストの組成は、蛍光体粉末以外は塗布後の乾燥および焼成工程において蒸発もしくは分解して除去される成分で構成されていることが好ましい。こうすることにより、焼成後に蛍光体のみで構成される蛍光体層を形成することができる。このような蛍光体ペーストとして、例えば、蛍光体粉末、有機化合物分散剤、水溶性有機バインダー、水で構成された組成物。または、蛍光体粉末、有機バインダー、有機溶剤で構成された組成物およびこれに有機化合物分散剤を添加した組成物などが使用できる。
【0028】
また、このような組成物に感光性を付与することにより、フォトリソグラフィーによるパターン加工を可能にすることもできる。この場合、塗布工程において隔壁の上部や隔壁形成部以外などの不要な部分に形成された蛍光体を取り除くのに有効である。塗布した後、フォトマスクを介して露光し、露光部分のペーストを現像液に対して可溶化または不溶化することにより、現像工程で不要な部分を取り除き、蛍光体層を形成することができる。
【0029】
本発明に使用される蛍光体粉末は、特に限定されない。例えば、赤色では、Y2O3:Eu,YVO4 :Eu,(Y,Gd)BO3 :Eu,Y2O3S:Eu,γ−Zn3(PO4)2 :Mn,(ZnCd)S:Ag+In2O3などがある。緑色では、Zn2GeO2:M,BaAl12O19:Mn,Zn2SiO4:Mn,LaPO4 :Tb,ZnS:Cu,Al,ZnS:Au,Cu,Al,(ZnCd)S:Cu,Al,Zn2SiO4:Mn,As,Y3Al5O12:Ce,CeMgAl11O19:Tb,Gd2O2S:Tb,Y3Al5O12:Tb,ZnO:Znなどがある。青色では、Sr5(PO4)3Cl :Eu,BaMgAl14O23:Eu,BaMgAl16O27:Eu,BaMg2 Al14O24:Eu,ZnS:Ag+赤色顔料、Y2SiO3:Ceなどである。
【0030】
また、ツリウム(Tm)、テルビウム(Tb)およびユーロピウム(Eu)からなる群より選ばれた少なくとも1つの元素で、イットリウム(Y)、ガドリウム(Gd)およびルテチウム(Lu)から選ばれた少なくとも1つの母体構成稀土類元素を置換したタンタル酸稀土類蛍光体が利用できる。好ましくは、タンタル酸稀土類蛍光体が組成式Y1-xEuxTaO4 (式中、Xはおよそ0.005〜0.1である)で表されるユーロピウム付活タンタル酸イットリウム蛍光体である。赤色蛍光体には、ユーロピウム付活タンタル酸イットリウムが好ましく、緑色蛍光体には、タンタル酸稀土類蛍光体が組成式Y1-x Tbx TaO4 (式中、Xはおよそ0.001〜0.2である)で表されるテルビウム付活タンタル酸イットリウムが好ましい。青色蛍光体には、タンタル酸稀土類蛍光体がY1-x Tbx TaO4 (式中、Xはおよそ0.001〜0.2である)で表されるツリウム付活タンタル酸イットリウムが好ましい。
【0031】
また、緑色蛍光体には、Mnがケイ酸亜鉛(Zn2SiO4)母体量に対して0.2重量%以上、0.1重量%未満付活された平均粒子径2μm以上8μm以下のマンガン付活亜鉛蛍光体(Zn2SiO4:Mn)および一般式が(Zn1-xMnx)O・αSiO2 (式中、Xおよびαは、0.01≦X≦0.2、0.5<α≦1.5の範囲の値である)で表されるマンガン付活ケイ酸亜鉛蛍光体も好ましく用いられる。
【0032】
上記において使用される蛍光体粉末粒子径は、作製しようとする蛍光体層パターンの線幅、幅間隔(スペース)および厚みを考慮して選ばれるが、粉末は、累積平均粒子径が0.5〜15μm、好ましくは0.5〜6μm、比表面積0.1〜5m2 /gであることが好ましい。より好ましくは粒子径を1〜6μm、比表面積0.5〜4m2 /gである。この範囲にあると、吐出孔詰まりが生じ難く、安定な吐出が可能であり、高精度なパターン形状が得られる。また、蛍光体の発光効率がよく、高寿命になるので好ましい。粉末粒子径が0.5μm未満、比表面積が5m2 /gを越えると粉末が細かくなりすぎるため、粉末の凝集が生じやすく、フォトリソグラフィーによるパターン加工をする場合には、露光時に光が散乱され未露光部分が光硬化する。このため現像時にパターンの残膜(未露光部に余分な蛍光体が残存すること)の発生が起こり、高精細なパターンが得られない。また、蛍光体の発光効率や寿命が低下する。
【0033】
蛍光体粉末の形状としては、多面体状(粒状)のものが使用できるが、凝集のない粉末が好ましい。その中で球状の粉末は、吐出孔詰まりが生じ難く、安定な吐出が可能であり、フォトリソグラフィーによるパターン加工をする場合には、露光時に散乱の影響を少なくできるのでより好ましい。球状粉末が球形率80個数%以上の粒子形状を有していると好ましい。さらに好ましくは、球形率90個数%以上である。球形率80個数%未満である場合には、紫外線露光時に蛍光体粉末による散乱の影響を受けて高精細なパターンが得られにくくなる。球形率の測定は、蛍光体粉末を光学顕微鏡で300倍の倍率にて撮影し、このうち計数可能な粒子を計数することにより行い、球形のものの比率を球形率とする。
【0034】
本発明に使用される有機成分として、有機バインダー、溶媒および必要に応じて分散剤、可塑剤、レベリング剤などの添加物を含むことができる。
【0035】
有機バインダーの具体的な例としては、(ポリ)ビニルブチラール、(ポリ)ビニルアセテート、(ポリ)ビニルアルコール、セルロース系ポリマー(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース)、ポリエチレン、シリコンポリマー(例えば、(ポリ)メチルシロキサン、(ポリ)メチルフェニルシロキサン)、ポリスチレン、ブタジエン/スチレンコポリマー、ポリスチレン、(ポリ)ビニルピロリドン、ポリアミド、高分子量ポリエーテル、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのコポリマーポリアクリルアミドおよび種々のアクリルポリマー(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、(ポリ)低級アルキルアクリレート、(ポリ)低級アルキルメタクリレートおよび低級アルキルアクリレートおよびメタクリレートの種々のコポリマーおよびマルチポリマーである。
【0036】
可塑剤の具体的な例としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ポリエチレングリコール、グリセリンなどがあげられる。
【0037】
有機溶媒の具体的な例としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ブチルカルビトールアセテート、ジメチルスルフォキシド、γ−ブチロラクトン、テルピネオール、ベンジルアルコール、ブロモベンゼン、クロロベンゼン、ジブロモベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモ安息香酸、クロロ安息香酸などやこれらのうちの1種以上を含有する有機溶媒混合物が用いられる。
【0038】
有機化合物分散剤として、アニオン性や非イオン性界面活性剤などが使用される。
【0039】
本発明において、フォトリソグラフィーによるパターン加工をする場合には、感光性化合物を含む有機成分と蛍光体粉末を必須成分とする感光性蛍光体ペーストを用いることも可能である。
【0040】
感光性蛍光体ペーストに用いられる有機成分は、感光性化合物を10重量%以上、より好ましくは25重量%以上含む有機成分であることが好ましい。感光性化合物を含む有機成分とは、感光性ポリマー、感光性モノマー、感光性オリゴマーのうち少なくとも1種類から選ばれる感光性成分を含有し、さらに必要に応じて光重合開始剤、増感剤紫外線吸光剤などの添加物を加えることも行われる。
【0041】
本発明に用いる感光性化合物を含む有機成分量は、15〜60重量%であることが好ましい。15重量%以下では感光不足のためパターン性が劣化し、60重量%以上では、焼成時の脱バインダー性が悪く焼成不足になる。
【0042】
感光性成分としては、光不溶化型のものと光可溶化型のものがあり、光不溶化型のものとして、
(1)分子内に不飽和基などを1つ以上有する官能性のモノマー、オリゴマー、ポリマーを含有するもの
(2)芳香族ジアゾ化合物、芳香族アジド化合物、有機ハロゲン化合物などの感光性化合物を含有するもの
(3)ジアゾ系アミンとホルムアルデヒドとの縮合物などいわゆるジアゾ樹脂といわれるもの等がある。
【0043】
また、光可溶型のものとしては、
(4)ジアゾ化合物の無機塩や有機酸とのコンプレックス、キノンジアゾ類を含有するもの
(5)キノンジアゾ類を適当なポリマーバインダーと結合させた、例えばフェノール、ノボラック樹脂のナフトキノン1,2−ジアジド−5−スルフォン酸エステル等がある。
【0044】
本発明で用いる感光性成分は、上記のすべてのものを用いることができる。感光性ペーストとして、無機微粒子と混合して簡便に用いることができる感光性成分は、(1)のものが好ましい。
【0045】
感光性モノマーとしては、炭素−炭素不飽和結合を含有する化合物で、その具体的な例として、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、イソ−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、n−ペンチルアクリレート、アリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシトリエチレングリコールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、グリセロールアクリレート、グリシジルアクリレート、ヘプタデカフロロデシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソボニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシエチレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、オクタフロロペンチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、トリフロロエチルアクリレート、アリル化シクロヘキシルジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、グリセロールジアクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、トリグリセロールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アクリルアミド、アミノエチルアクリレート、フェニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、1−ナフチルアクリレート、2−ナフチルアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物のジアクリレート、ビスフェノールA−プロピレンオキサイド付加物のジアクリレート、チオフェノールアクリレート、ベンジルメルカプタンアクリレート、また、これらの芳香環の水素原子のうち、1〜5個を塩素または臭素原子に置換したモノマー、もしくは、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、塩素化スチレン、臭素化スチレン、α−メチルスチレン、塩素化α−メチルスチレン、臭素化α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン、カルボキシメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニルカルバゾール、および、上記化合物の分子内のアクリレートを一部もしくはすべてをメタクリレートに変えたもの、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、1−ビニル−2−ピロリドンなどが挙げられる。本発明ではこれらを1種または2種以上使用することができる。
【0046】
これら以外に、不飽和カルボン酸等の不飽和酸を加えることによって、感光後の現像性を向上することができる。不飽和カルボン酸の具体的な例としては、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、またはこれらの酸無水物などがあげられる。
【0047】
バインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、メタクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル重合体、アクリル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、α−メチルスチレン重合体、ブチルメタクリレート樹脂などがあげられる。
【0048】
また、前述の炭素−炭素二重結合を有する化合物のうち少なくとも1種類を重合して得られたオリゴマーやポリマーを用いることができる。重合する際に、これらのモノマーの含有率が10重量%以上、さらに好ましくは35重量%以上になるように、他の感光性のモノマーと共重合することができる。
【0049】
共重合するモノマーとしては、不飽和カルボン酸等の不飽和酸を共重合することによって、感光後の現像性を向上することができる。不飽和カルボン酸の具体的な例としては、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、ビニル酢酸、またはこれらの酸無水物などがあげられる。
【0050】
こうして得られた側鎖にカルボキシル基等の酸性基を有するポリマーもしくはオリゴマーの酸価(AV)は50〜180、さらには70〜140の範囲が好ましい。酸価が180を越えると、現像許容幅が狭くなる。また、酸価が50未満であると、未露光部の現像液に対する溶解性が低下するようになるため現像液濃度を濃くすると露光部まで剥がれが発生し、高精細なパターンが得られにくい。
【0051】
以上示した、ポリマーもしくはオリゴマーに対して、光反応性基を側鎖または分子末端に付加させることによって、感光性を持つ感光性ポリマーや感光性オリゴマーとして用いることができる。
【0052】
好ましい光反応性基は、エチレン性不飽和基を有するものである。エチレン性不飽和基としては、ビニル基、アリル基、アクリル基、メタクリル基などがあげられる。
【0053】
このような側鎖をオリゴマーやポリマーに付加させる方法は、ポリマー中のメルカプト基、アミノ基、水酸基やカルボキシル基に対して、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライドを付加反応させて作る方法がある。
【0054】
グリシジル基を有するエチレン性不飽和化合物としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテル、エチルアクリル酸グリシジル、クロトニルグリシジルエーテル、クロトン酸グリシジルエーテル、イソクロトン酸グリシジルエーテルなどがあげられる。
【0055】
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリロイルイソシアネート、(メタ)アクリロイルエチルイソシアネート等がある。
【0056】
また、グリシジル基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまたはアリルクロライドは、ポリマー中のメルカプト基、アミノ基、水酸基やカルボキシル基に対して0.05〜1モル当量付加させることが好ましい。
【0057】
光重合開始剤としての具体的な例として、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4−ビス(ジメチルアミン)ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニル−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジル、ベンジルジメチルケタノール、ベンジルメトキシエチルアセタール、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、β−クロルアントラキノン、アントロン、ベンズアントロン、ジベンゾスベロン、メチレンアントロン、4−アジドベンザルアセトフェノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6−ビス(p−アジドベンジリデン)−4−メチルシクロヘキサノン、2−フェニル−1,2−ブタジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1,3−ジフェニル−プロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシ−プロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ミヒラーケトン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、ナフタレンスルホニルクロライド、キノリンスルホニルクロライド、N−フェニルチオアクリドン、4,4−アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルジスルフィド、ベンズチアゾールジスルフィド、トリフェニルホスフィン、カンファーキノン、四臭素化炭素、トリブロモフェニルスルホン、過酸化ベンゾインおよびエオシン、メチレンブルーなどの光還元性の色素とアスコルビン酸、トリエタノールアミンなどの還元剤の組合せなどがあげられる。本発明ではこれらを1種または2種以上使用することができる。
【0058】
光重合開始剤は、感光性成分に対し、0.1〜6重量%の範囲で添加され、より好ましくは、0.2〜5重量%である。重合開始剤の量が少なすぎると光に対する感度が鈍くなり、光重合開始剤の量が多すぎれば、露光部の残存率が大きくなりすぎるおそれがある。
【0059】
紫外線吸光剤を添加することも有効である。紫外線吸収効果の高い吸光剤を添加することによって高精細、高解像度が得られる。紫外線吸光剤としては有機系染料からなるもの、中でも350〜450nmの波長範囲で高UV吸収係数を有する有機系染料が好ましく用いられる。具体的には、アゾ系染料、アミノケトン系染料、キサンテン系染料、キノリン系染料、アミノケトン系染料、アントラキノン系、ベンゾフェノン系、ジフェニルシアノアクリレート系、トリアジン系、p−アミノ安息香酸系染料などが使用できる。有機系染料は吸光剤として添加した場合にも、焼成後の絶縁膜中に残存しないで吸光剤による絶縁膜特性の低下を少なくできるので好ましい。これらの中でもアゾ系およびベンゾフェノン系染料が好ましい。有機染料の添加量は0.05〜5重量%が好ましい。0.05重量%以下では紫外線吸光剤の添加効果が減少し、5重量%を越えると焼成後の絶縁膜特性が低下するので好ましくない。より好ましくは0.15〜1重量%である。有機染料からなる紫外線吸光剤の添加方法の一例を上げると、有機染料を予め有機溶媒に溶解した溶液を作製し、次に該有機溶媒中に蛍光体粉末を混合後、乾燥することによってできる。この方法によって蛍光体粉末の個々の粉末表面に有機の膜をコートしたいわゆるカプセル状の粉末が作製できる。
【0060】
増感剤は、感度を向上させるために添加される。増感剤の具体例としては、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,3−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、ミヒラーケトン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)−イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−カルボニル−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)アセトン、3,3−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、N−フェニル−N−エチルエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、N−トリルジエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、3−フェニル−5−ベンゾイルチオテトラゾール、1−フェニル−5−エトキシカルボニルチオテトラゾールなどがあげられる。本発明ではこれらを1種または2種以上使用することができる。なお、増感剤の中には光重合開始剤としても使用できるものがある。増感剤を本発明の感光性ペーストに添加する場合、その添加量は感光性成分に対して通常0.05〜10重量%、より好ましくは0.1〜10重量%である。増感剤の量が少なすぎれば光感度を向上させる効果が発揮されず、増感剤の量が多すぎれば露光部の残存率が小さくなりすぎるおそれがある。
【0061】
これらを用いた蛍光体ペーストまたは感光性蛍光体ペーストは、通常、蛍光体粉末、有機バインダー、紫外線吸光剤、感光性ポリマー、感光性モノマー、光重合開始剤、分散剤、可塑剤、溶剤などの各種成分を所定の組成となるように調合した後、3本ローラーや混練機で均質に混合分散し作製する。または、予め、分散剤を溶剤に溶解しておいたり、蛍光体粉末を分散剤や紫外線吸光剤で表面処理した後に、他の成分と混合してもよい。
【0062】
本発明に用いるガラス基板は、特に限定はないが、一般的なソーダライムガラスやソーダライムガラスをアニール処理したガラス、または、高歪み点ガラス(例えば、旭硝子社製”PD−200”)等を用いることができる。ガラス基板のサイズには特に限定はなく、1〜5mmの厚みのガラスを用いることができる。
【0063】
電極と隔壁を形成したガラス基板上に蛍光体層を形成することによって、プラズマディスプレイ用基板を得ることができる。また、電極と隔壁以外に誘電体層を形成した基板を用いてもよい。電極は、銀やアルミ、銅、金、ニッケル、酸化錫、ITO等をスクリーン印刷や感光性導電ペーストを用いて形成することができる。
【0064】
隔壁としては、格子形状やストライプ形状の隔壁を用いることができるが、本発明は、ストライプ形状の隔壁において特に有効である。隔壁のピッチとしては、100〜500μmが好ましい。隔壁の高さとしては、50〜200μmが好ましい。
【0065】
本発明にあっては、吐出孔を有する口金またはノズルまたはニードルにより隔壁間に塗布したペーストを乾燥させる加熱工程において、隔壁側面にも蛍光体層を形成することができる。蛍光体層を隔壁間だけでなく隔壁側面にも形成することによって、蛍光体面の面積を大きくでき、プラズマディスプレイの輝度向上に有効である。乾燥は、ガラス基板の蛍光体塗布面を上にした状態で行うが、下にした状態で保持して行うことも好ましい。
【0066】
次に本発明によって、プラズマディスプレイの蛍光体層を形成する方法の一例について説明する。但し、本発明はこれに限定されない。
【0067】
(1)塗布工程
電極層および隔壁層を形成したガラス基板上(図1)に、蛍光体ペーストを各色所定の隔壁間にそれぞれ塗布する。塗布方法としては、吐出孔を有する口金またはノズルまたはニードルの吐出孔出口部を、隔壁の上端部から0.01〜2mmの間隔の高さにセットし(図4)、ストライプ状となった隔壁と平行に一定速度で走行させながら、一定流量で蛍光体ペーストを吐出させて隔壁間に流し込む。
【0068】
この際に使用する吐出孔を有する口金またはノズルまたはニードルは、R、G、Bの各色の蛍光体ペーストごとに1個の吐出孔のものを1基ずつ配置し、隔壁間に1本ずつ塗布していく方法(図8)でも行えるが、さらに効率的な方法として、1色ごとに、各色所定の塗布位置間隔に1列の直線上に並んだ2個以上の吐出孔を有する口金(図5)を用い、2本以上の隔壁間に同時に塗布していくこと(図9)が好ましい。また、1本のストライプ状隔壁間に塗布されたペースト厚をさらに精度良くするためや塗布速度を高めるためには、1色ごとに、1個または各色所定の塗布位置間隔に1列の直線上に並んだ2個以上の吐出孔を隔壁と平行方向に2列以上有する口金またはノズルまたはニードルをそれぞれ1基ずつにより塗布する方法(図10)を用いることができる。また、1基の口金またはノズルまたはニードルに、2色以上の異なる色の蛍光体ペーストを吐出する孔を同時に有し、吐出孔間隔が600μm以上あるもの(図11)も用いることができる。
【0069】
異なる色の蛍光体ペーストを吐出する口金またはノズルまたはニードルがそれぞれ独立に走行する場合には、各色を同速度で隔壁に平行に走行させて塗布する。
さらに効率的な方法として、異なる色の蛍光体ペーストを吐出する口金またはノズルまたはニードルを、それぞれの色用に対して2基以上配置し、同期させながらまたは連結した状態でパネル全面に塗布する(図12)こともできる。
使用する蛍光体ペーストの粘度は、1〜100Pa・sであることが好ましい。
【0070】
このような吐出孔を有する口金またはノズルまたはニードルを用いることにより、R、G、Bの各色蛍光体ペーストをストライプ状に順番に、または同時に塗布する。また、隣接する異なる色の混色を避けるために、1色塗布するごとに、乾燥工程を経る方法を用いることも好ましい。
【0071】
また、プラズマディスプレイの蛍光体は隔壁底部および側面(隔壁高さの半分の位置)に10〜50μmの厚みが必要であり、使用する蛍光体ペースト中の蛍光体粉末比率による乾燥や焼成後の収縮を考慮した塗布厚みに制御する必要がある。
【0072】
(2)乾燥工程
塗布した後、乾燥を行う。ここでは、塗布面を上にして行うが、下にして乾燥することも好ましい。こうすることにより、隔壁側面の蛍光体層の形成性を向上できる。塗布面を下にする場合の角度としては、ガラス基板が水平面に対して0〜30度の角度になるように行う。乾燥温度、乾燥時間はペースト組成や粘性によって異なるが、50〜200℃で5〜60分行うことが好ましい。
【0073】
(3)焼成工程
次に焼成炉にて焼成を行う。焼成雰囲気や、温度はペーストや基板の種類によって異なるが、空気中、窒素、水素等の雰囲気中で焼成する。焼成温度は400〜550℃で行う。焼成炉としては、バッチ式の焼成炉やベルト式またはローラーハース式の連続型焼成炉を用いることができる。
【0074】
以上の(1)〜(3)の工程により、ガラス基板上の隔壁間に蛍光体層を形成したプラズマディスプレイパネル用背面板を作製することができる。
【0075】
またさらに、塗布工程において隔壁の上部や隔壁形成部以外などの不要な部分に形成された蛍光体を取り除く場合には、感光性を付与した蛍光体ペーストを使用することにより、フォトリソグラフィーによるパターン加工を可能にすることができる。この場合、塗布した後、フォトマスクを介して露光し、露光部分のペーストを現像液に対して可溶化または不溶化することにより、現像工程で不要な部分を取り除くため、焼成工程(3)の前に、露光工程(4)と現像工程(5)を行う。
【0076】
(4)露光工程
通常のフォトリソグラフィーで行われるように、フォトマスクを用いてマスク露光する方法が一般的である。用いるマスクは、感光性有機成分の種類によって、ネガ型もしくはポジ型のどちらかを選定する。また、フォトマスクを用いずに、レーザー光などで直接描画する方法を用いても良い。露光装置としては、ステッパー露光機、プロキシミティ露光機等を用いることができる。
【0077】
また、大面積の露光を行う場合は、ガラス基板などの基板上に感光性ペーストを塗布した後に、搬送しながら露光を行うことによって、小さな有効露光面積の露光機で、大きな面積を露光することができる。
【0078】
この際使用される活性光源は、たとえば、可視光線、近紫外線、紫外線、電子線、X線、レーザー光などが挙げられるが、これらの中で紫外線が好ましく、その光源としてはたとえば低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ、殺菌灯などが使用できる。これらのなかでも超高圧水銀灯が好適である。
【0079】
フォトマスクを用いる場合は、パターン幅の設計が重要である。通常は、隔壁ピッチから隔壁幅をひいた幅(スペース)と同じ幅を用いるが、アライメント精度および露光時の光散乱を考慮して、スペースより0〜30μm狭くしたパターンのフォトマスクを用いてもよい。
【0080】
(5)現像工程
露光後、現像液を使用して現像を行なうが、この場合、浸漬法やスプレー法、ブラシ法で行なう。
【0081】
現像液は、感光性ペースト中の有機成分が溶解可能である有機溶媒を使用できる。また該有機溶媒にその溶解力が失われない範囲で水を添加してもよい。感光性ペースト中にカルボキシル基等の酸性基を持つ化合物が存在する場合、アルカリ水溶液で現像できる。アルカリ水溶液として水酸化ナトリウムや水酸化カルシウム水溶液などのような金属アルカリ水溶液を使用できるが、有機アルカリ水溶液を用いた方が焼成時にアルカリ成分を除去しやすいので好ましい。
【0082】
有機アルカリとしては、アミン化合物を用いることができる。具体的には、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどが挙げられる。アルカリ水溶液の濃度は通常0.01〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%である。アルカリ濃度が低すぎれば未露光部が除去されずに、アルカリ濃度が高すぎれば、パターン部を剥離させ、また露光部を腐食させるおそれがあり良くない。また、現像時の現像温度は、20〜50℃で行うことが工程管理上好ましい。
【0083】
また、以上の工程中に、乾燥、予備反応の目的で、50〜300℃加熱工程を導入しても良い。
【0084】
以上の工程によって得られたプラズマディスプレイパネル用背面板(図3)を前背面のガラス基板と合わせて封着し、ヘリウム、ネオン、キセノン等の希ガスを封入することによって、プラズマディスプレイのパネル部分を製造できる。さらに、駆動用のドライバーICを実装することによって、プラズマディスプレイを製造することができる。
【0085】
次に、本発明の塗液を塗布するための装置について説明する。
図14は、本発明の一実施態様に係る塗液の塗布装置の全体斜視図であり、図15は、図14のテーブル42と口金50周りの概略図であり、製造装置の要部を説明するための図である。図17から図22は、本発明の一実施態様に係る口金の構造を示している。
【0086】
まず、塗液の塗布装置の全体構成について説明する。図14は、本発明に係るプラズマディスプレイパネルの製造装置に適用される塗布装置の一例を示している。この塗布装置は基台40を備えている。基台40上には、一対のガイド溝レール44が設けられており、このガイド溝レール44上にテーブル42が配置されている。このテーブル42の上面には、基板41が真空吸引によってテーブル面に固定可能となるように複数の吸引孔43が設けられている。また、基板41は図示しないリフトピンによってテーブル42上を昇降する。さらにテーブル42は、スライド脚45を介してガイド溝レール44上をX軸方向に往復動自在となっている。
【0087】
一対のガイド溝レール44の間には、図15に示す送りねじ機構を構成するフィードスクリュー46が、テーブル42の下面に固定されたナット状のコネクタ47を貫通して延びている。フィードスクリュー46の両端部は、軸受48によって回転自在に支持され、さらに片方の一端にはACサーボモータ49が連結されている。
【0088】
図14に示すように、テーブル42の上方には、蛍光体ペーストを吐出する口金50が、ホルダー51を介して昇降機構56、幅方向移動機構59に連結している。昇降機構56は昇降可能な昇降ブラケット54を備えており、昇降機構56のケーシング内部で一対のガイドロッドに昇降自在に取り付けられている。また、このケーシング内には、ガイドロッド間に位置してボールねじからなるフィードスクリュー(図示しない)もまた回転自在に配置されており、ナット型のコネクタを介して昇降ブラケット54と連結されている。さらにフィードスクリューの上端には、図示しないACサーボモータが接続されており、このACサーボモータの回転によって昇降ブラケット54を任意に昇降動作させることができるようになっている。
【0089】
さらに、昇降機構56はY軸移動ブラケット57(アクチュエータ)を介して幅方向移動機構59に連結されている。幅方向移動機構59は、Y軸移動ブラケット57を口金50の幅方向、すなわちY軸方向に往復自在に移動させるものである。動作のために必要なガイドロッド、フィードスクリュー、ナット型コネクター、ACサーボモータ等は、ケーシング内に昇降機構56と同じように配置されている。幅方向移動機構59は支柱58で基台40上に固定されている。
【0090】
これらの構成によって、口金50はZ軸とY軸方向に自在に移動させることができる。
【0091】
口金50は、テーブル42の往復動方向と直交する方向、つまりY軸方向に水平に延びているいるが、これを直接保持するコの字形のホルダー51は、昇降ブラケット54内で回転自在に支持されており、垂直面内で自在に図中の矢印方向に回転することができる。
【0092】
このホルダー51の上方には水平バー52も昇降ブラケット54に固定されている。水平バー52の両端部には、電磁作動型のリニアアクチュエータ53が取り付けられている。このリニアアクチュエータ53は、水平バー52の下面から突出する伸縮ロッド55を有し、これら伸縮ロッド55がホルダー51の両端に接触することによってホルダー51の回転角度を規制することができ、結果として口金50の傾き度を任意に設定することができる。
【0093】
さらに図14を参照すると、基台40の上面には、逆L字形のセンサ支柱60が固定されており、その先端にはテーブル42上の基板41の凸部頂上の位置(高さ)を測定する高さセンサ61が取り付けられている。また、高さセンサ61の隣には、基板41の隔壁間の位置を検知するカメラ78がカメラ支柱77に取り付けられている。図15に示すように、カメラ78は画像処理措置74に電気的に接続されており、隔壁間の位置の変化を定量的に求めることができる。
【0094】
さらに、テーブル42の一端には、センサーブラケット74を介して、口金50の吐出孔のある下端面の、テーブル42に対する垂直方向の位置を検出するセンサー76が取り付けられている。
【0095】
図15に示すように、口金50はそのマニホールド62内に蛍光体ペースト63が充填されており、吐出孔64が吐出孔先端面に形成されている。そして、この吐出孔64より蛍光体ペースト63が吐出される。口金50には供給ホース65が接続されており、さらに吐出用電磁切換え弁66、供給ユニット67、吸引ホース68、吸引用電磁切換え弁69、蛍光体ペーストタンク70へと連なっている。蛍光体ペーストタンク70には、蛍光体ペースト63が蓄えられている。蛍光体ペースト63は、赤色、緑色、青色のいずれかの色に発光する蛍光体粉末を含むペーストからなる。
【0096】
供給ユニット67の具体例としては、ピストン、ダイヤフラム型等の定容量ポンプや、チュービングポンプ、ギアポンプ、モーノポンプ、さらには液体を気体の圧力で押出す圧送コントローラ等がある。供給装置コントローラ71からの制御信号をうけて、供給ユニット67や、各々の電磁切換え弁の動作を行わせ、蛍光体ペーストタンク70から蛍光体ペースト63を吸引して、口金50に蛍光体ペースト63を供給することができる。蛍光体ペーストタンク70から定容量ポンプへの蛍光体ペースト63の吸引動作を安定化させるために、蛍光体ペーストタンク70を密閉容器にして、空気、不活性ガスである窒素等の気体で圧力を付加してもよい。空気、窒素等で常に一定の圧力を付加するには、蛍光体ペーストタンク70を空気、窒素等の供給装置に接続して圧力制御すればよい。圧力の大きさは、0.01〜1MPa、特に0.02〜0.5MPaが好ましい。
【0097】
供給装置コントローラ71はさらに、全体コントローラ72に電気的に接続されている。この全体コントローラ72には、モータコントローラ73、高さセンサ61の電気入力等、カメラ78の画像処理装置79からの情報等、すべての制御情報が電気的に接続されており、全体のシーケンス制御も司れるようになっている。全体コントローラ72は、コンピュータでも、シーケンサでも、制御機能を持つものならばどのようなものでもよい。
【0098】
また、モータコントローラ73には、テーブル42を駆動するACサーボモータ49や、昇降機構56と幅方向移動機構59のそれぞれのアクチュエータ76、78(たとえば、ACサーボモータ)、さらにはテーブル42の移動位置を検出する位置センサ75からの信号、口金50の作動位置を検出するY、Z軸の各々のリニアセンサ(図示しない)からの信号などが入力される。なお、位置センサ75を使用する代わりに、ACサーボモータ49にエンコーダを組み込み、エンコーダから出力されるパルス信号に基づき、テーブル42の位置を検出することも可能である。
【0099】
次に、このプラズマディスプレイの製造装置を使った蛍光体ペーストの塗布方法について説明する。
【0100】
まず、各作動部の原点復帰が行われると、テーブル42、口金50は、各々X軸、Y軸、Z軸の準備位置に移動する。このとき、蛍光体ペーストタンク70〜口金50まで蛍光体ペーストはすでに充満されており、吐出用電磁切換え弁66は開、吸引用電磁切換え弁69は閉の状態にする。そして、テーブル42の表面には図示しないリフトピンが上昇し、図示しないローダから基板41がリフトピン上部に載置される。
【0101】
次に、リフトピンを下降させて基板41をテーブル上面に載置し、図示しないアライメント装置によってテーブル42上での位置決めが行われた後に基板41を吸着する。
【0102】
次に、テーブル42は、カメラ78と、高さセンサ61の真下に基板41の隔壁がくるまで移動して、停止する。カメラ78は、テーブル42上に位置決めされた基板41上の隔壁端部を写し出すようにあらかじめ位置調整されており、画像処理によって一番端の隔壁間の位置を検出し、カメラ基準点からの位置変化量を求める。一方、カメラ78の基準点と、所定のY軸座標位置にある口金50の最端部に位置する吐出孔64間の距離は、事前の調整時に測定し、情報として全体コントローラ72に入力しているので、画像処理装置79からカメラ基準点からの隔壁間の位置変化量が電送されると、口金50の最端部に位置する吐出孔64が、隔壁端部の隔壁間の真上となるY軸座標値を計算し、口金50をその位置に移動させる。なお、カメラ78は、口金50やホルダー51に取り付けても同じ機能を持たせることができる。
【0103】
これにより、口金50の全ての吐出口の中心は、蛍光体ペーストを塗布する各々の隔壁間の上に移動されたことになり、口金50と基板41の相対位置決めが完了する。
【0104】
高さセンサ61は、基板41の隔壁頂上部の垂直方向の位置を検知し、テーブル42上面との位置の差から基板41の隔壁頂上部の高さを算出する。この高さに、あらかじめ与えておいた口金50の最端部〜基板41の隔壁頂上部間の間隙値を加算して、口金50のZ軸リニアセンサー上での下降すべき値を演算し、その位置に口金50を移動する。これによって、テーブル42上での隔壁頂上部位置が基板ごとに変化しても、塗布に重要な口金50の最端部〜基板41上の隔壁頂上部間の間隙を常に一定に保てるようになる。
【0105】
本発明に適用できる高さセンサ61としては、レーザや超音波等を利用した非接触測定形式のもの、ダイヤルゲージや差動トランス等を利用した接触測定形式のもの等、測定可能な原理のものならいかなるものを用いてもよい。
【0106】
次に、テーブル42を口金50の方へ向けて動作を開始させ、口金50の吐出孔の真下に基板41の塗布開始位置が到達する前に、所定の塗布速度まで増速させておく。テーブル42の動作開始位置と塗布開始位置までの距離は、テーブル42が塗布速度まで増速できるよう十分確保できていなければならない。
【0107】
さらに、基板41の塗布開始位置が口金50の吐出孔の真下に至るまでの所に、テーブル42の位置を検知する位置センサ65を配置しておき、テーブル42がこの位置に到達したら、供給ユニット67の動作を開始して蛍光体ペースト63の口金50への供給を開始する。口金50の吐出孔より吐出される蛍光体ペーストが基板41に達するには、基板〜口金吐出孔間の間隙だけ時間遅れが生じる。そのため、事前に蛍光体ペースト63を口金50に供給することによって、基板41の塗布開始位置が口金50吐出孔の丁度真下に来たところで口金50から吐出された所定量の蛍光体ペースト63が基板41に到達するので、ほとんど厚みむらゼロの状態で塗布を開始することができる。蛍光体ペースト63の供給を開始する位置は位置センサ65の代わりに、モータあるいはフィードスクリューにエンコーダを接続したり、テーブルにリニアセンサーをつけたりすると、エンコーダやリニアセンサーの値を検知しても同様なことが可能となる。
【0108】
塗布は、基板41の塗布終了位置が口金50の吐出孔の真下付近に来るまで行われる。すなわち、基板41はいつもテーブル42上の定められた位置に置かれているから、基板41の塗布終了位置が口金50の吐出孔の(a)たとえば真下にくる5mm前や、(b)丁度真下になる位置に相当するテーブル42の位置に、位置センサやそのエンコーダ値をあらかじめ設定しておき、テーブル42が(a)に対応する位置にきたら、全体コントローラ72から供給装置コントローラ71に停止指令を出して蛍光体ペースト63の口金50への供給を停止する。
【0109】
さて、塗布終了位置を通過しても、テーブル42は動作をつづけ、終点位置にきたら停止する。このとき塗布すべき部分がまだ残っている場合には、次の塗布すべき開始位置まで口金50をY軸方向に塗布幅分(吐出孔ピッチ×孔数)移動して、以下テーブル42を反対方向に移動させることを除いては同じ手順で塗布を行なう。1回目と同一のテーブル42の移動方向で塗布を行なうのなら、口金50は次の塗布すべき開始位置までY軸方向に移動、テーブル42はX軸準備位置まで復帰させる。
【0110】
そして塗布工程が完了したら、基板41をアンローダで移載する場所までテーブル42を移動して停止させ、基板41の吸着を解除するとともに大気開放をした後に、リフトピンを上昇させて基板41をテーブル42の面から引き離し、持ち上げる。
【0111】
このとき、図示されないアンローダによって基板41の下面が保持され、次の工程に基板41を搬送する。基板41をアンローダに受け渡したら、テーブル42はリフトピンを下降させ原点位置に復帰する。
【0112】
そして、吐出用電磁切換え弁66を閉、吸引用電磁切換え弁69を開状態にして供給ユニット67を動作させ、蛍光体ペーストタンク70から1枚の基板の塗布に必要な量だけの蛍光体ペースト63を供給する。
【0113】
以上の塗布工程では、与えられた有効領域での塗布厚み精度を向上させるために、塗布開始位置に対する口金50への蛍光体ペースト供給開始のタイミング、および塗布終了位置に対する口金50への蛍光体ペースト供給停止のタイミングが重要となるので、それぞれの動作を最適なポイントで行わなければならない。また本発明のこの実施態様では、口金50の吐出口部と基板41の隔壁上端部との間隔値を設定してから、蛍光体ペースト63の供給開始を行なっている。これは、両者間の間隔を設定する前の状態で蛍光体ペースト63の供給を開始すると、蛍光体ペースト63が、吐出口から吐出された時点で吐出口部先端面に広がり、吐出口以外の部分を汚染し、甚だしい場合には隣同士の吐出口から吐出される蛍光体ペースト63が合流するという不都合が生じ、精度の高い塗布ができなくなるためである。口金50の吐出口部先端面を基板41に近接させてから蛍光体ペースト63の供給を開始すると、先端面で蛍光体ペースト63が広がる前に隔壁間に蛍光体ペースト63が案内されることになるので、このような不都合は発生しない。
【0114】
また、この実施態様では、基板41はX軸方向に移動し、口金50がY軸とZ軸方向に移動する場合の適用例について説明したが、口金50と基板41が相対的に3次元的に移動できる構造、形式のものであるのなら、テーブルおよび口金の移動形式はいかなるものでもよい。
【0115】
また、ここでは一種類の蛍光体ペーストを塗布する場合について詳しく説明したが、本発明は、赤、青および緑等の3色の蛍光体を同時に塗布する場合にも適用することができる。
【0116】
図16は、本発明で用いられる口金の一例を示す概略縦断面図であり、図17はその底面図である。口金90は、蛍光体ペーストを貯蔵するマニホールド部91と、マニホールド部91の蛍光体ペーストを供給する供給口94と、蛍光体ペーストを吐出する複数の吐出孔92を有する。吐出孔92は、マニホールド部91の内側から外側に貫通することにより形成され、所定ピッチで直線状に配列されている。また、吐出孔92の出口部は平面であり、これにより、吐出孔出口部を清掃しやすい。
【0117】
図18は、本発明で用いられる他の口金の一例を示す概略縦断面図であり、図19はその底面図である。この態様のものは、同一形状のニードル93を配して構成しており、これにより吐出孔出口部が汚れにくくなる。
【0118】
図20は、本発明で用いられるさらに他の口金の一例を示す底面図である。複数の吐出孔92が直線状に2列配列されている。これにより、1本のストライプ状隔壁間に、2個の吐出孔から蛍光体ペーストを塗布できるので、ペースト厚み精度が向上し、または、塗布速度を上げることが可能となる。
【0119】
図21は、本発明で用いられる他の口金の一例を示す概略縦断面図であり、図22はその底面図である。口金95は、複数のマニホールド部96、97、98と、マニホールド部96、97、98に蛍光体ペーストを供給する供給口99、100、101と、蛍光体ペーストを吐出する複数の吐出孔102、103、104を有する。さらに、底面図に示されているように、吐出口102、103、104は、マニホールド部96、97、98よりも数多くあり、直線上に配列されている。これにより、1基の口金から、異なる種類の蛍光体ペーストを吐出できる。また、異なる色の蛍光体ペーストを吐出する吐出孔の最短距離が600μm以上にすることによって、他色との混色を防止することができる。
【0120】
図23は、本発明の他の実施態様に係るプラズマディスプレイの製造装置の要部を説明するための概略斜視図である。口金は1基のみでなく、これをY方向に2基以上配置してもよい。口金110、111は、X方向およびY方向に共に同期してあるいは非同期で駆動されるように、図示しない制御装置によって駆動されるようになっている。このように、2基以上の口金によって、テーブル42上の基板41への蛍光体ペーストの塗布が分担されるので、塗布時間を短縮させることができる。
【0121】
この際、2基以上の口金としては、同じ色を発光する蛍光体ペーストを吐出する口金、異なる色を発光する蛍光体ペーストを吐出する口金、あるいは、2色以上の異なる色に発光する蛍光体ペーストを吐出する口金のいずれでもよい。
【0122】
また、これら2基以上の口金を、隔壁方向に対し垂直方向に隔壁間隔の整数倍にずらして位置させ、隣り合う2基以上の位置が「ずれ」<「口金本体の外寸」のときは、隔壁に対し平行方向にずれて位置するように配置することが効率的であり好ましい。
【0123】
【実施例】
以下に、本発明を実施例を用いて、具体的に説明する。ただし、本発明はこれに限定はされない。
【0124】
参考例1
蛍光体粉末45gおよびバインダーポリマー(メチルメタクリレート、メタクリル酸、スチレン共重合体)25g、溶媒(γーブチロラクトン)28gと分散剤2gからなる蛍光体ペーストを作製した。蛍光体粉末は、赤:(Y,Gd,Eu)BO3(累積平均粒子径2.7μm比表面積3.1m2/cc)、緑:(Zn,Mn)2SiO4(累積平均粒子径3.6μm比表面積2.5m2/cc)、青:(Ba,Eu)MgAl10O17(累積平均粒子径3.7μm比表面積2.3m2/cc)を用いた。まず、有機成分の各成分を60℃に加熱しながら溶解し、その後蛍光体粉末を添加し、混練機で混練することによってペーストを作製した。粘度は9Pa・sだった。
【0125】
該ペーストをピッチ220μm、高さ150μm、幅60μmの隔壁961本が形成されたガラス基板上に赤、緑、青の各ペーストをストライプ状に塗布した。
【0126】
塗布は、孔径150μmの吐出口を1個有するノズルにより行った。ノズルは、赤色、青色、緑色の蛍光体ペーストのそれぞれに1基ずつ使用した。ノズルの先端と隔壁の上端の距離は、50μmにセットした。そして、ディスペンサーにより吐出圧を3kg/cm2に調節し、ノズルを隔壁と平行に一定速度で走行させながら蛍光体ペーストを一定量吐出して隔壁間に1本ずつ塗布した。まず、赤色蛍光体ペーストを所定の隔壁間に1本ずつ塗布した。このとき、1本塗布が終了した位置において隔壁方向と垂直方向にノズルを660μm移動させ、次は1本目と逆方向にノズルを走行させながら2本目の隔壁間に塗布した。これを繰り返して、赤色蛍光体の所定位置の320本を塗布した。塗布終了後、塗布面を上にして80℃で40分乾燥した。次に、赤色蛍光体を塗布した隣の隔壁間に青色蛍光体ペーストを同様に320本塗布して乾燥した。さらに次に、青色蛍光体を塗布した隣の隔壁間に緑色蛍光体ペーストを同様に320本塗布して乾燥した。そして、得られたガラス基板を500℃で30分焼成を行った。
【0127】
側面厚み、底部厚みを電子顕微鏡により観察したところ、各色蛍光体が、側面に20±5μm、底部に20±5μmの厚みでストライプ状に形成できた。
【0128】
参考例2
蛍光体粉末45gおよびバインダーポリマー(ポリビニルアルコール)25g、溶媒(水)20gと分散剤2gからなる蛍光体ペーストを作製した。蛍光体粉末は参考例1と同じもの(赤:(Y,Gd,Eu)BO3、緑:(Zn,Mn)2SiO4、青:(Ba,Eu)MgAl10O17)を用いた。まず、有機成分の各成分を水に60℃で加熱しながら溶解し、その後蛍光体粉末を添加し、混練機で混練することによってペーストを作製した。粘度は30Pa・sだった。
【0129】
該ペーストをピッチ220μm、高さ150μm、幅60μmの隔壁961本が形成されたガラス基板上に赤、緑、青の各ペーストをストライプ状に塗布した。
【0130】
塗布は、孔径100μmの吐出孔5個をピッチ660μmで1列に形成した口金により行った。口金は、赤色、青色、緑色の蛍光体ペーストのそれぞれに対し2基ずつ使用した。口金の吐出孔部と隔壁の上端の距離は、50μmにセットした。そして、ディスペンサーにより吐出圧を4kg/cm2に調節し、口金を隔壁と平行に一定速度で走行させながら5個の吐出孔から蛍光体ペーストを一定量吐出して5本の隔壁間に同時に塗布した。まず、赤色蛍光体ペーストを所定の隔壁間に塗布した。このとき、赤色蛍光体ペーストを吐出する2基の口金を、それぞれ隔壁の形成された端に隔壁方向と垂直方向に5個の吐出孔が並び、2基の口金の中心の吐出孔間隔が105.6mmとなるようにセットした。2基の口金は、同期させ、同時に同速度で同方向に走行させた。2基の口金についてそれぞれ5本塗布が終了した位置において、隔壁方向と垂直方向に2基の口金を同時に同方向に3300μm移動させた。次は逆方向に2基の口金を同様に走行させながらそれぞれ5本の隔壁間に塗布した。これを繰り返して、赤色蛍光体の所定位置に1基の口金により160本、2基合わせて320本を塗布した。塗布終了後、塗布面を下にして80℃で40分乾燥した。次に、赤色蛍光体を塗布した隣の隔壁間に青色蛍光体ペーストを同様に2基の口金により320本塗布して乾燥した。さらに次に、青色蛍光体を塗布した隣の隔壁間に緑色蛍光体ペーストを同様に2基の口金により320本塗布して乾燥した。そして、得られたガラス基板を500℃で30分焼成を行った。
【0131】
側面厚み、底部厚みを電子顕微鏡により観察したところ、各色蛍光体が、側面に20±5μm、底部に20±5μmの厚みでストライプ状に形成できた。
【0132】
実施例1
参考例1と同じ蛍光体ペーストを用い、参考例1と同様の隔壁に赤、青、緑のストライプ状に塗布した。
【0133】
塗布は、孔径150μmの吐出孔を有するニードルを、ピッチ660μmで1列に40本、これをピッチ650μmで3列として先端に圧入した口金(ニードル数120本、長さ3mm)により行った。口金は、赤色、青色、緑色の蛍光体ペーストのそれぞれに対し8基ずつ使用した。口金のニードル部先端と隔壁の上端の距離は、80μmにセットした。そして、ディスペンサーにより吐出圧を4kg/cm2 に調節し、口金を隔壁と平行に一定速度で走行させながら120個の吐出孔から蛍光体ペーストを一定量吐出して40本の隔壁間に同時に塗布した。まず、赤色蛍光体ペーストを所定の隔壁間に塗布した。このとき、赤色蛍光体ペーストを吐出する8基の口金を、それぞれ隔壁方向と垂直方向に3列40本のニードルが並び、隣接する口金が接触しない本体間隔(1mm)で交互の位置となるようにセットした。8基の口金は、同期させ、同時に同速度で同方向に走行させた。蛍光体ペーストの吐出開始と終了は、ニードル先端が隔壁の上部に位置する時のみ行った。これにより隔壁間320本を1度に塗布した。塗布終了後、塗布面を下にして80℃で40分乾燥した。次に、赤色蛍光体を塗布した隣の隔壁間に青色蛍光体ペーストを同様に8基の口金により320本塗布して乾燥した。さらに次に、青色蛍光体を塗布した隣の隔壁間に緑色蛍光体ペーストを同様に8基の口金により320本塗布して乾燥した。そして、得られたガラス基板を500℃で30分焼成を行った。
【0134】
側面厚み、底部厚みを電子顕微鏡により観察したところ、各色蛍光体が、側面に20±5μm、底部に20±5μmの厚みでストライプ状に形成できた。
【0135】
参考例3
蛍光体粉末45gおよびバインダーポリマー(メチルメタクリレート、メタクリル酸、スチレン共重合体)18g、トリメチロールプロパントリアクリレート11g、溶媒(γーブチロラクトン)18g、分散剤2g、ベンゾフェノン系染料0.05g、光重合開始剤(”イルガキュア”907、チバガイギー社製)からなる蛍光体ペーストを作製した。蛍光体粉末は参考例1と同じもの(赤:(Y,Gd,Eu)BO3、緑:(Zn,Mn)2SiO4、青:(Ba,Eu)MgAl10O17)を用いた。まず、有機成分の各成分を60℃に加熱しながら溶解し、その後蛍光体粉末を添加し、混練機で混練することによってペーストを作製した。粘度は20Pa・sだった。
【0136】
該ペーストを参考例1と同様の隔壁に赤、緑、青のストライプ状に塗布した。
塗布は、孔径150μmの吐出孔を有するニードルを、ピッチ660μmで1列に40本、これを220μmピッチずつずらして3列(列ピッチ15mm)として先端に圧入した口金(ニードル数120本、長さ3mm)により行った。口金は、8基使用した。口金のニードル部先端と隔壁の上端の距離は、50μmにセットした。そして、ディスペンサーにより吐出圧を3.5kg/cm2に調節し、口金を隔壁と平行に一定速度で走行させながら120個の吐出孔から蛍光体ペーストを一定量吐出して120本の隔壁間に同時に塗布した。口金の1列目のニードルからは赤色蛍光体ペーストを、2列目のニードルからは緑色蛍光体ペーストを、3列目のニードルからは青色蛍光体ペーストを吐出させ、各色所定の隔壁間に塗布した。このとき、8基の口金を、それぞれ隔壁方向と垂直方向に3列40本のニードルが並び、隣接する口金が接触しない間隔(1mm)で交互の位置となるようにセットした。8基の口金は、同期させ、同時に同速度で同方向に走行させた。蛍光体ペーストの吐出開始と終了は、ニードル先端が隔壁の上部に位置する時のみ行った。これにより隔壁間960本を1度に塗布した。塗布終了後、塗布面を下にして80℃で40分乾燥した。
【0137】
次に、ピッチ220μm、線幅70μmのネガ型フォトマスクをアライメント露光した後、0.5%炭酸ナトリウム水溶液で現像した後、500℃で30分焼成を行った。
【0138】
側面厚み、底部厚みを電子顕微鏡により観察したところ、各色蛍光体が、側面に23±2μm、底部に30±6μmの厚みでストライプ状に形成できた。
【0139】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明のプラズマディスプレイパネルの製造方法および製造装置によれば、蛍光体層を基板の隔壁間に高精度、かつ、簡便に形成することができるので、品質の高いプラズマディスプレイパネルを、高い生産性で安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するために用いる隔壁を形成したガラス基板の模式図である。
【図2】本発明の方法により蛍光体層を塗布した後のプラズマディスプレイパネルを示す模式図である。
【図3】本発明の焼成後のプラズマディスプレイパネルを示す模式図である。
【図4】隔壁を形成したガラス基板に対して行う本発明の実施方法の1例を模式的に示した図である。
【図5】本発明の口金の1例を模式的に示す断面概略図である。
【図6】本発明の吐出孔部形状がノズル型の口金の1例を模式的に示す断面概略図である。
【図7】本発明の吐出孔部形状がニードル型の口金の1例を模式的に示す断面概略図である。
【図8】本発明の口金の吐出孔配置の例を模式的に示すものであり、ストライプ状の隔壁を形成した基板に対する位置関係を示す平面概略図である。
【図9】本発明の口金の吐出孔配置の例を模式的に示すものであり、ストライプ状の隔壁を形成した基板に対する位置関係を示す平面概略図である。
【図10】本発明の口金の吐出孔配置の例を模式的に示すものであり、ストライプ状の隔壁を形成した基板に対する位置関係を示す平面概略図である。
【図11】本発明の口金の吐出孔配置の例を模式的に示すものであり、ストライプ状の隔壁を形成した基板に対する位置関係を示す平面概略図である。
【図12】本発明の実施方法の1例を模式的に示すものであり、2基の口金またはノズルまたはニードルが同期しながら隔壁を形成した基板の全面に塗布する動作方向を示す平面概略図である。
【図13】本発明の実施方法の1例を模式的に示すものであり、4基の口金またはノズルまたはニードルを、隣接するもの同士が接触しない間隔で交互の位置となるようにセットして、同期させ、同時に同速度で同方向に走行させて隔壁を形成した基板の全面に塗布する動作を示す平面概略図である。
【図14】本発明の一実施態様に係る塗液の塗布装置の全体斜視図である。
【図15】図14の装置の要部を説明するための概略図である。
【図16】本発明で用いられる口金の一例を示す概略縦断面図である。
【図17】図16の口金の底面図である。
【図18】本発明で用いられる他の口金の一例を示す概略縦断面図である。
【図19】図18の口金の底面図である。
【図20】本発明で用いられるさらに他の口金の一例を示す底面図である。
【図21】本発明で用いられる他の口金の一例を示す概略縦断面図である。
【図22】図21の口金の底面図である。
【図23】本発明の他の実施態様に係る塗液の塗布装置の要部を説明するための概略斜視図である。
【符号の説明】
1:電極
2:基板
3:隔壁
4:赤色蛍光体層
5:青色蛍光体層
6:緑色蛍光体層
7:ニードル
8:蛍光体ペースト
9:吐出孔出口部と隔壁上部の距離
10:多孔口金
11:多孔ノズル
12:多孔ニードル
13:1孔の口金またはノズルまたはニードル
14:1列配置孔の1色塗布用口金またはノズルまたはニードル
15:3列配置孔の1色塗布用口金またはノズルまたはニードル
16:1列配置孔の3色塗布用口金またはノズルまたはニードル
17:基板上のストライプ状隔壁
18:口金またはノズルまたはニードルの走行方向
19:隔壁を形成した基板
20:口金またはノズルまたはニードル
21:口金またはノズルまたはニードル同士が同期した状態の走行動作方向
40:基台
41:基板
42:テーブル
43:吸引孔
44:ガイド溝レール
45:スライド脚
46:フィードスクリュー
47:コネクタ
48:軸受
49:ACサーボモータ
50:口金
51:ホルダー
52:水平バー
53:リニアアクチュエータ
54:昇降ブラケット
55:伸縮ロッド
56:昇降機構
57:Y軸移動ブラケット
58:支柱
59:軸方向移動機構
60:センサ支柱
61:高さセンサ
62:マニホールド
63:蛍光体ペースト
64:吐出孔
65:供給ホース
66:吐出用電磁切換え弁
67:供給ユニット
68:吸引ホース
69:吸引用電磁切換え弁
70:蛍光体ペーストタンク
71:供給装置コントローラ
72:全体コントローラ
73:モータコントローラ
74:センサーブラケット
75:位置センサ
76:位置センサ
77:カメラ支柱
78:カメラ
79:画像処理装置
80:昇降機構用アクチュエータ
81:幅方向移動機構用アクチュエータ
90:口金
91:マニホールド部
92:吐出孔
93:ニードル
94:供給口
95:口金
96:マニホールド部
97:マニホールド部
98:マニホールド部
99:供給口
100:供給口
101:供給口
102:吐出孔
103:吐出孔
104:吐出孔
110:ノズル
111:ノズル
Claims (26)
- 赤色、緑色、青色に発光する蛍光体粉末をそれぞれ含む3種類の蛍光体ペーストを、吐出孔を有する口金からガラス基板上の隔壁間にストライプ状にそれぞれ塗布した後、焼成することにより蛍光面を形成するプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、1本のストライプあたり2個以上の吐出孔から塗布することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 隔壁の上端部と口金の吐出孔出口部の間隔が、0.01〜2mmの状態で塗布することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 吐出孔部形状がノズルまたはニードルである請求項1または2記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 口金および/またはガラス基板をガラス基板上の隔壁に対して平行に走行させる請求項1〜3いずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 口金が1色について2個以上の吐出孔を有する請求項1〜4いずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 1基の口金から異なる色に発光する蛍光体ペーストを吐出し、かつ、異なる色の蛍光体ペーストを吐出する吐出孔の最短間隔が600μm以上である請求項1〜5いずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 2基以上の口金から同時に塗布する請求項1〜6いずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 2基以上の口金を同速度で走行させて塗布する請求項7記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 2基以上の口金を同方向に、同速度で走行させて塗布する請求項8記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 1つの口金からは、1色だけを塗布する請求項7〜9いずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 1色について2基以上の口金から同時に塗布する請求項7〜10いずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 2基以上の位置が、隔壁方向に対し垂直方向に隔壁間隔の整数倍ずれている請求項7〜11いずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 隣り合う2基の口金が、隔壁と平行方向にずれて位置する請求項7〜12いずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 1色ごとに塗布し、1色塗布するごとに、乾燥工程を経る請求項1〜13いずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 蛍光体ペーストとして、粘度が1〜100Pa・sのペーストを用いる請求項1〜14いずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 蛍光体粉末として、累積平均粒子径が0.5〜15μm、比表面積0.1〜5m2/ccである蛍光体粉末を用いる請求項15記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 蛍光体ペーストを塗布した後、蛍光体塗布面を下向きにして乾燥する工程を経る請求項1〜16いずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 蛍光体ペーストが、感光性蛍光体ペーストである請求項1〜17いずれかに記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
- 表面に一方向にストライプ状に一定ピッチで凹凸部が形成されている凹凸基板を固定するテーブルと、凹凸基板の凹凸部と対面する複数の吐出孔を有し、該複数の吐出孔が直線状に、かつ、前記凹凸基板の凹凸部のストライプ方向に複数列配列されている口金と、前記口金に塗液を供給する供給手段と、前記テーブルと前記口金を3次元的に相対移動させる移動手段と、凹凸基板の凸部の上端部と前記口金の吐出孔出口部の間隔を制御する制御手段を備えて、前記塗液を凹凸基板の凹部に塗布することを特徴とする凹凸基板への塗液の塗布装置。
- 前記口金は塗液を貯蔵するマニホールド部を有し、かつ、吐出孔の出口部は平面である請求項19に記載の凹凸基板への塗液の塗布装置。
- 前記口金は塗液を貯蔵するマニホールド部を有し、かつ、吐出孔は同一形状のニードルを配して構成されている請求項19に記載の凹凸基板への塗液の塗布装置。
- 前記口金は、互いに独立した複数のマニホールド部と、各マニホールド部から各塗液を吐出する吐出孔を有し、かつ、異なるマニホールド部に連なる前記吐出孔の最短間隔は600μmである請求項19ないし21のいずれかに記載の凹凸基板への塗液の塗布装置。
- 2基以上の口金を配した請求項19ないし22のいずれかに記載の凹凸基板への塗液の塗布装置。
- 2基以上の口金を、前記凹凸基板の凹凸部のストライプ方向に対して垂直方向に、凸部間隔の整数倍ずらして配した請求項19ないし23のいずれかに記載の凹凸基板への塗液の塗布装置。
- 隣り合う2基以上の口金を、前記凹凸基板の凹凸部のストライプ方向にずらして配した請求項19ないし24のいずれかに記載の凹凸基板への塗液の塗布装置。
- 塗液が赤色、緑色、青色のいずれかの色に発光する蛍光体粉末を含むペーストであって、請求項19ないし25のいずれかに記載の塗液の塗布装置を用いるプラズマディスプレイパネルの製造装置。
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