JP2007146998A - 変速機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】変速線に基づいて変速機を制御する変速機の制御装置であって、アクセルの踏み込みに関するパラメータと、予め設定された閾値(α1)とに基づいて、異なる前記変速線(S60、S80)が使用され、車両の走行環境(S20、S70)、走行状態、又は運転者の運転指向に基づいて、前記閾値を変更する。前記アクセルの踏み込みに関するパラメータが前記閾値以上となった場合(S50−Y)には、前記変速機の低速側への変速が相対的に行われ易い前記変速線が使用され(S60)、前記走行環境は、前方車両との相対的位置関係に関し、前記前方車両との車間距離及び衝突時間の少なくともいずれか一方が予め設定された所定値よりも小さいときには、前記閾値を大きな値に変更する。
【選択図】 図1
Description
図1から図4を参照して、第1実施形態について説明する。
本実施形態は、通常時に比べてΔTa制御の必要性が相対的に低い場合(ΔTa制御の実行が運転者に違和感を与えるような場合)には、ΔTa制御のアクセルの踏み込みに関するパラメータの閾値を通常時に比べて大きな値にしてΔTa制御が開始され難くする。
まず、図1のステップS10に示すように、制御回路130では、フラグFがチェックされる。フラグFは、車間距離情報に基づいて、ΔTa制御のアクセルの踏み込みに関するパラメータ(アクセルの踏み込み速度)の閾値α1を変更しているか否かを示すものであり、変更していれば1である。フラグFが0であればステップS20に進み、1であればステップS90に進む。本制御フローの実行開始当初は、フラグFは0であるので、ステップS20に進む。
ステップS20において、制御回路130では、車間距離計測部100から入力した車間距離を示す信号に基づいて、前方車両との車間距離が予め設定された距離L1以下であるか否かが判定される。その判定の結果、車間距離がL1以下であればステップS30に進み、そうでない場合にはステップS70に進む。
ステップS30では、制御回路130により、アクセルの踏み込み速度の閾値α1に予め設定された値Δαを加算する。即ち、閾値α1を大きな値として(ΔTa制御の開始条件を厳しい条件に設定して)、変速点の変更(ΔTa制御)が行われ難くする。
ステップS40では、フラグFを1にインクリメントする。ステップS40の次にステップS50に進む。
ステップS50において、制御回路130は、アクセル開度センサ114から入力したアクセル開度を示す信号に基づいて、アクセル115の踏み込み速度を検出し、踏み込み速度が閾値α1以上であるか否かを判定する。その判定の結果、踏み込み速度が閾値α1以上である場合にはステップS60に進み、そうでない場合にはステップS80に進む。
ステップS60において、制御回路130は、自動変速機10のダウン点を変更する。即ち、ΔTa制御を行い、ダウンシフトし易くなるように、ダウン点をアクセル開度の低開度側に変更する。ステップS60の次には、本制御フローはリセットされる。
ステップS70において、制御回路130では、前方車両との衝突時間(車間距離/相対車速)が予め設定された時間t1以下であるか否かを判定する。その判定の結果、衝突時間がt1以下である場合には、上記ステップS30の処理が行われ、そうでない場合にはステップS50に進む。
ステップS80において、制御回路130は、ΔTa制御を停止し、自動変速機10のダウン点を復帰させる。なお、ダウン点を変更していない場合にはそのままとする。ステップS60の次には、本制御フローはリセットされる。
ステップS90において、制御回路130は、前方車両との車間距離が予め設定された距離L2以上であるか否かを判定する。L2>L1である。その判定の結果、車間距離がL2以上であればステップS100に進み、そうでない場合にはステップS50に進む。
ステップS100において、制御回路130では、衝突時間が予め設定された時間t2以上であるか否かを判定する。t2>t1である。その判定の結果、衝突時間がt2以上である場合には、ステップS110に進み、そうでない場合にはステップS50に進む。
ステップS110において、制御回路130では、アクセル115の踏み込み速度の閾値α1を元の値に復帰させる。即ち、上記ステップS30において、Δαを加算する前の値に復帰させる。ステップS110の次に、ステップS120に進む。
ステップS120では、フラグFを0にリセットする。ステップS120の次に、ステップS50に進む。
次に、図3を参照して、第2実施形態について説明する。
第2実施形態において、上記第1実施形態と共通する部分についての説明は省略する。
ステップS25において、制御回路130では、車間距離計測部100から入力した車間距離を示す信号に基づいて、後続車両との車間距離が予め設定された距離L3以下であるか否かが判定される。その判定の結果、車間距離がL3以下であればステップS35に進み、そうでない場合にはステップS75に進む。
ステップS35では、制御回路130により、アクセルの踏み込み速度の閾値α1から予め設定された値Δαを減算する。即ち、閾値α1を小さな値として変速点の変更(ΔTa制御)が行われ易くする。
ステップS75において、制御回路130では、後続車両との衝突時間が予め設定された時間t3以下であるか否かを判定する。その判定の結果、衝突時間がt3以下である場合には、上記ステップS35の処理が行われ、そうでない場合にはステップS50に進む。
上記第1実施形態では、前方車両との車間距離及び衝突時間に基づいて、アクセル115の踏み込み速度の閾値を変更し、第2実施形態では、後続車両との車間距離及び衝突時間に基づいて、アクセル115の踏み込み速度の閾値を変更した。これに代えて、上記第1実施形態では、前方車両との車間距離及び衝突時間のいずれか一方に基づいて、アクセル115の踏み込み速度の閾値を変更し、第2実施形態では、後続車両との車間距離及び衝突時間のいずれか一方に基づいて、アクセル115の踏み込み速度の閾値を変更することができる。
上記各実施形態では、ΔTa制御の開始条件がアクセル115の踏み込み速度のみであったが、更に、アクセル115の踏み込み速度に加えて、踏み込み幅もΔTa制御の開始条件とすることができる。この場合、アクセル115の踏み込み幅の閾値も、上記第1実施形態におけるアクセル115の踏み込み速度と同様に、前方車両との車間距離が予め設定された値L1以下である場合や前方車両との衝突時間が予め設定された所定値t1以下である場合には、通常時に比べて大きな値に変更され、これにより、運転者は、多少ラフなアクセル115の操作を行っても(多少踏み込み幅が高くても)、ΔTa制御が開始され難く、不意のダウンシフトを生じることが抑制されるように構成することができる。また、上記第2実施形態におけるアクセル115の踏み込み速度と同様に、後続車両との車間距離が予め設定された値L3以下である場合や後続車両との衝突時間が予め設定された所定値t3以下である場合には、通常時に比べて小さな値に変更され、これにより、運転者は、相対的に小さな踏み込み幅でアクセル115の操作を行ってもΔTa制御が開始され易く、ダウンシフトし易く加速し易くなるように構成することができる。
上記各実施形態においてΔTa制御が適用される対象は、変速機が有段の変速機であったが、これに代えて、無段変速機(CVT)であってもよい。図5において、CVTの出力回転数Noと入力回転数Ninの比が変速比である。通常時(ΔTa制御が行われていないとき)は、図5-1に示すマップが使用され、ΔTa制御が行われるときには、図5-2に示すマップが使用される。図5−1及び図5−2に示すように、アクセル115の開度θが同じ値(例えばアクセル開度θ2)であっても、ΔTa制御が行われる場合の方が入力回転数が高い値となるので、ローギヤ側となる。
上記第1実施形態では、アクセルオンによるダウンシフトを抑制すべき状況の一例として、前方車両との車間距離や衝突時間が小さい場合を挙げたが、これに限定されずに以下の場合もアクセルオンによるダウンシフトを抑制すべき状況であるため、アクセル115の踏み込み速度の閾値を大きくすることができる。
・車両が走行する路面の摩擦係数μが低い場合
・車両がコーナーリング中である場合(車両が走行している道路の曲がり度合いが大きい場合)
・車両がオーバーステアの状況であると判定された場合
・変速段が低速段であるほどアクセル115の踏み込み速度の閾値を大きくしてダウンシフトし難くすることができる。
上記第2実施形態では、アクセルオンによるダウンシフトを実行し易くすべき状況の一例として、後続車両との車間距離や衝突時間が小さい場合を挙げたが、これに限定されずに以下の場合もアクセルオンによるダウンシフトを実行し易くすべき状況であるため、アクセル115の踏み込み速度の閾値を小さくすることができる。
・前方車両や前方の障害物の追い抜き時
・運転者の指向がスポーツ走行指向である場合
・車両が走行するエリアがワイディング路である場合
40 エンジン
41 吸気配管
43 電子式スロットルバルブ
100 車間距離計測部
112 相対車速計測部
113 ナビゲーションシステム装置
114 アクセル開度センサ
115 アクセル
116 エンジン回転数センサ
117 パターンセレクトスイッチ
122 車速センサ
123 シフトポジションセンサ
130 制御回路
131 CPU
133 ROM
Claims (9)
- 変速線に基づいて変速機を制御する変速機の制御装置であって、
アクセルの踏み込みに関するパラメータと、予め設定された閾値とに基づいて、異なる前記変速線が使用され、
車両の走行環境、走行状態、又は運転者の運転指向に基づいて、前記閾値を変更する
ことを特徴とする変速機の制御装置。 - 請求項1記載の変速機の制御装置であって、
前記アクセルの踏み込みに関するパラメータが前記閾値以上となった場合には、前記変速機の低速側への変速が相対的に行われ易い前記変速線が使用され、
前記走行環境は、前方車両との相対的位置関係に関し、
前記前方車両との車間距離及び衝突時間の少なくともいずれか一方が予め設定された所定値よりも小さいときには、前記閾値を大きな値に変更する
ことを特徴とする変速機の制御装置。 - 請求項1又は2に記載の変速機の制御装置であって、
前記アクセルの踏み込みに関するパラメータが前記閾値以上となった場合には、前記変速機の低速側への変速が相対的に行われ易い前記変速線が使用され、
前記走行環境は、後続車両との相対的位置関係に関し、
前記後続車両との車間距離及び衝突時間の少なくともいずれか一方が予め設定された設定値よりも小さいときには、前記閾値を小さな値に変更する
ことを特徴とする変速機の制御装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の変速機の制御装置であって、
前記アクセルの踏み込みに関するパラメータが前記閾値以上となった場合には、前記変速機の低速側への変速が相対的に行われ易い前記変速線が使用され、
前記走行環境は、前記車両が走行する路面の摩擦係数に関し、
前記車両が走行する路面の摩擦係数が予め設定された所定値よりも小さいときには、前記閾値を大きな値に変更する
ことを特徴とする変速機の制御装置。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の変速機の制御装置であって、
前記アクセルの踏み込みに関するパラメータが前記閾値以上となった場合には、前記変速機の低速側への変速が相対的に行われ易い前記変速線が使用され、
前記走行状態は、前記車両がコーナリング中であるか否かに関し、
前記車両がコーナリング中である場合には、前記閾値を大きな値に変更する
ことを特徴とする変速機の制御装置。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の変速機の制御装置であって、
前記アクセルの踏み込みに関するパラメータが前記閾値以上となった場合には、前記変速機の低速側への変速が相対的に行われ易い前記変速線が使用され、
前記走行状態は、前記車両がオーバーステアの状態であるか否かに関し、
前記車両がオーバーステアの状態である場合には、前記閾値を大きな値に変更する
ことを特徴とする変速機の制御装置。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載の変速機の制御装置であって、
前記アクセルの踏み込みに関するパラメータが前記閾値以上となった場合には、前記変速機の低速側への変速が相対的に行われ易い前記変速線が使用され、
前記走行環境は、前記車両が前方車両又は障害物の追い抜きをする状態であるか否かに関し、
前記車両が前方車両又は障害物の追い抜きをする状態である場合には、前記閾値を小さな値に変更する
ことを特徴とする変速機の制御装置。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載の変速機の制御装置であって、
前記アクセルの踏み込みに関するパラメータが前記閾値以上となった場合には、前記変速機の低速側への変速が相対的に行われ易い前記変速線が使用され、
前記運転指向がスポーツ走行指向である場合には、前記閾値を小さな値に変更する
ことを特徴とする変速機の制御装置。 - 請求項1から8のいずれか1項に記載の変速機の制御装置であって、
前記アクセルの踏み込みに関するパラメータが前記閾値以上となった場合には、前記変速機の低速側への変速が相対的に行われ易い前記変速線が使用され、
前記走行環境は、前記車両が走行する道路がワイディング路であるか否かに関し、
前記車両が走行する道路がワイディング路である場合には、前記閾値を小さな値に変更する
ことを特徴とする変速機の制御装置。
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