JP2007121553A - 転写ロール、及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好なクリーニング性を確保でき、転写むらが発生しにくい転写ロール、及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】基材上に弾性層と表面層とを有する転写ロール10であって、前記表面層の表面粗さが、前記転写ロールの軸方向中央部よりも軸方向端部において粗く、且つ、前記表面層の厚さが、前記転写ロールの軸方向中央部よりも軸方向端部において厚いことを特徴とする転写ロール、及び該転写ロールを有する画像形成装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機やプリンタ等電子写真方式を用いた画像形成装置及び該画像形成装置に好適な転写ロールに関し、特に、中間転写体を用いた画像形成装置及び該画像形成装置に好適な2次転写部材に関する。
中間転写体を用いた構成の2次転写部材は、連続画像形成動作時に転写紙へ転写されないプロセス制御用の基準濃度パターンのトナーなどが該2次転写部材へ付着してしまい、中間転写体の表面や、転写紙の裏面などの汚れの原因となってしまうため、2次転写部材にはブレード等の清掃部材が当接しており、常時クリーニングを行っている。これらの清掃部材は、ブラシ、ウレタンブレード、金属スクレーパーなどがあるが、中でもウレタンブレードは、高いクリーニング性と2次転写部材の磨耗負荷が低いことから、高画質要求の装置に適用される。
しかし、高いクリーニング性を確保するためにウレタンブレードは、2次転写部材の回転方向に対し対向する方向(ドクター方向)で当接する必要があるため、ブレードがめくれてしまう問題が発生する場合がある。これを防止するため、該2次転写部材に潤滑剤を供給する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、この場合には、潤滑剤が転写紙の裏面へ付着し、該2次転写部材の通紙部と非通紙部で潤滑剤の量に差が生じてしまうため、ブレードめくれの原因となる。
また、該2次転写部材上に残った潤滑剤が中間転写体に転移し、転写性に差が生じるため濃度むらの画質不良が発生するという問題を抱えている。
一方、コーティング剤の厚さの差異による抵抗値の違いを利用して、ゴムローラのコーティング剤の厚さをゴムローラの両端部と中央部とで異ならせて、ゴムローラの軸方向での抵抗値を調整することで、転写ムラの発生を抑制する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
しかし、この方法では、抵抗値のばらつきに起因する濃度ムラの発生を抑えることが可能となったものの、クリーニングブレードとの関係についての検討はなされておらず、クリーニングに起因する濃度ムラの発生の抑制については、解決すべき課題として残されている。
特開2004−94055号公報 特開平8−305182号公報
本発明の目的は、良好なクリーニング性を確保でき、転写むらが発生しにくい転写ロール、及び画像形成装置を提供することである。
本発明は、上記状況を鑑み、従来の技術の問題点を解決することを目的としてなされたものである。すなわち本発明は、
<1> 基材上に弾性層と表面層とを有する転写ロールであって、
前記表面層の表面粗さが、前記転写ロールの軸方向中央部よりも軸方向両端部において粗く、且つ、前記表面層の厚さが、前記転写ロールの軸方向中央部よりも軸方向両端部において厚いことを特徴とする転写ロールである。
<2> 前記軸方向中央部における前記表面層の表面粗さRzに対する、前記軸方向両端部における前記表面層の表面粗さRzの比率Rz/Rzが、1<Rz/Rz≦6.7の範囲であり、
且つ、前記軸方向中央部における前記表面層の厚さTに対する、前記軸方向両端部における前記表面層の厚さTの比率T/Tが、1<T/T≦10の範囲であることを特徴とする前記<1>に記載の転写ロールである。
<3> 前記軸方向中央部において、前記表面層の表面粗さRzが3μm〜15μmの範囲であって、前記表面層の厚さTが3〜15μmの範囲であり、
前記軸方向両端部において、前記表面層の表面粗さRzが5〜20μmの範囲であって、前記表面層の厚さTが15〜30μmの範囲であることを特徴とする前記<2>に記載の転写ロールである。
<4> 複数の支持部材に張架され駆動される無端状の中間転写体と、像担持体上に形成されたトナー画像を前記中間転写体に転写する1次転写手段と、前記中間転写体上のトナー画像を記録媒体に一括転写する2次転写手段とを備えた画像形成装置であって、
前記2次転写部手段の表面に当接する薄板状の清掃部材を有し、
前記2次転写手段が前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の転写ロールを有することを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、良好なクリーニング性を確保でき、転写むらが発生しにくい転写ロール、及び画像形成装置を提供できる。
<転写ロール>
本発明の転写ロールは、基材上に弾性層と表面層とを有する転写ロールであって、前記表面層の表面粗さが、前記転写ロールの軸方向中央部よりも両端部において粗く、且つ、前記表面層の厚さが、前記転写ロールの軸方向中央部よりも両端部において厚いことを特徴とする。
すなわち本発明では、転写ロールの両端部と中央部とで表面層の厚み及び表面粗さが異なるように設計する。詳細には、転写ロールの軸方向中央部よりも両端部において粗く、且つ、軸方向中央部よりも両端部において厚くなるように転写ロールを作製する。このような転写ロールとすることにより、転写ロールのクリーニング性を確保でき、転写むらが発生しにくくなる。
このメカニズムは明らかではないが、以下のように推測する。
転写ロールに当接するクリーニングブレードが長期使用により劣化し、転写ロールの回転に引きずられて捲れることによって、クリーニング性能は著しく低下する。このクリーニングブレードの捲れは、クリーニングブレードの端部から発生し、全体に広がる。したがって、クリーニングブレードの端部において、捲れの現象が抑えられれば、クリーニング性を安定させることができる。
そこで、本発明では、転写ロールの軸方向両端部の表面粗さを、軸方向中央部よりも粗くする。表面粗さが粗いと摩擦係数は小さくなり、クリーニングブレードの捲れが防止される。一方、中央部において表面粗さが粗いと、トナーが付着しやすく且つクリーニングブレードによってクリーニングしにくくなり、転写紙の裏面を汚す恐れがある。
更にクリーニングブレードの捲れにより、端部でのトナーのクリーニングが良好に行われず、端部と中央部とで濃度ムラが発生する場合があるが、本発明の転写ロールを用いるとクリーニングブレードの端部の捲れが起こりにくいため、濃度ムラの発生も抑えることができる。
また、クリーニングブレードの捲れを防止するために、転写ロールに潤滑剤を付与する場合があるが、転写ロールの両端部では、転写紙が通過しないことが多いため、潤滑剤が多く残存しやすい。転写ロールに残った潤滑剤が、中間転写体に移動し、更に、中間転写体から転写紙に移ると、転写紙の両端部は、印画面側(中間転写体と接触する側)から潤滑剤で汚染されることになる。潤滑剤の付着量が多いとトナーの載りが悪くなり、その結果、濃度ムラを生じることになる。つまり、潤滑剤を適用すると、転写紙の両端部で特に濃度ムラが発生しやすい。
しかし、転写ロールの両端部で表面粗さが粗くなっていると、潤滑剤は表面の凹凸の凹部に埋め込まれる形となり、中間転写体に移動し難くなる。そのため、中間転写体上の潤滑剤による転写紙の汚染が少なくなり、濃度ムラの発生を抑えることができる。
また、転写ロールの両端部において、中央部よりも表面層の厚みを厚くすると、結果として、両端部において硬くなり、両端部でのクリーニングブレードの食い込み量を小さくすることができる。食い込み量が多くなると、クリーニングブレードの捲れ方が大きくなるため、食い込み量を抑えることによって、長期使用時におけるクリーニング性能の安定化が図られる。一方、中央部においては、転写性能の観点から、食い込み量は適切な値を保つ必要がある。したがって、転写ロールの軸方向両端部では、中央部よりも表面層の厚みを厚くすることが、転写性能及び長期使用時のクリーニング性能の向上に有益である。
このように転写ロールの軸方向において、両端部と中央部とでは、表面粗さ及び表面層の厚みを変えることで、長期使用時のクリーニング性が改善され、且つ画像濃度ムラの発生を抑えることができる。なお、本発明の態様では、潤滑剤の使用がなくても、クリーニングブレードの捲れを抑えることができるが、潤滑剤を使用してクリーニングブレードの捲れを抑えた場合でも潤滑剤による中間転写体の汚染が抑えられて濃度ムラの発生が抑えられる。
図1は、転写ロール10とクリーニングブレード12の当接関係を説明する図である。図1(A)は、転写ロール10の軸方向から観察した図であり、図1(B)は転写ロール10の半径方向から観察した図である。クリーニングブレード12は、転写ロール10の回転方向に対向するように備えられる。
一般的に、クリーニングブレード12の長手方向長さは、転写ロール10の軸方向長さよりも短く、転写紙の幅よりも長い。
ここで、転写ロール10の軸方向における「端部」とは、クリーニングブレードの捲れが発生しやすい部分を定義したものであり、中間転写体のクリーニングブレードの当接する両端部から中心側に0mm〜100mmの位置Xをいう。転写ロールにおいて、この範囲内にあるいずれかの位置で測定したときの、表面層の表面粗さ及び厚さの値を用いる。なお、本発明では、両端部において、中央部よりも表面粗さが粗く且つ表面層の厚さが厚くなければならないので、転写ロールの両方の端部X及びXで測定した値が、上記条件を満たす必要がある。
また、転写ロール10の軸方向における「中央部」とは、軸方向での中心位置Oをいう。この位置Oで測定した表面層の表面粗さ及び厚さの値を用いる。
(表面粗さ)
本発明では、転写ロール10の表面粗さが、転写ロール10の軸方向中央部Oよりも両端部X及びXにおいて粗くなっていれば、転写ロール10の表面粗さに関しては特に制限はない。したがって、中央部Oから両端部X及びXに向かって、除々に粗くなっている態様でも、段階的に粗くなっている態様でもよい。
また、転写ロール10の中央部Oにおける表面粗さをRzとし、端部Xにおける表面粗さをRzとすると、表面粗さの比率Rz/Rzは、1より大きく6.7以下の範囲であることが好ましく、1.5以上4以下の範囲であることがよりい。比率Rz/Rzが、1以下の場合には、ブレード捲れが発生する場合があり、6.7を超える場合には、クリーニング不良が発生する場合がある。
中央部Oにおける表面粗さRzは、3μm以上15μm以下の範囲であることが好ましく、5以上13以下の範囲であることがより好ましい。Rzが3μm未満の場合には、ブレード捲れが発生する場合があり、15μmを超える場合には、クリーニング不良が発生する場合がある。
端部Xにおける表面粗さRzは、5μm以上20μm以下の範囲であることが好ましく、5以上15以下の範囲であることがより好ましい。Rzが5μm未満の場合には、ブレード捲れが発生する場合があり、20μmを超える場合には、クリーニング不良が発生する場合がある。
転写ロール10の表面粗さの測定は、接触式表面粗さ測定による。測定装置は、東京精密社製のサーフコム570Aを用いる。測定に際しては、JIS B0601(2001)に準じ、基準長さ2.5mm、評価長さ12.5mmとし、ダイヤモンド接触針(2μm、90°円錐)を用い、測定環境は温度22℃、湿度55%RHで行う。
(表面層の厚さ)
転写ロール10の表面層の厚さが、転写ロール10の軸方向中央部Oよりも両端部X及びXにおいて厚くなっていれば、その他、表面層の厚さに関しては特に制限はない。したがって、中央部Oから両端部X及びXに向かって、除々に厚くなっている態様でも、段階的に厚くなっている態様でもよい。
また、転写ロール10の中央部Oにおける表面層の厚さをTとし、端部Xにおける表面粗さをTとすると、厚さの比率T/Tが、1より大きく10以下の範囲であることが好ましく、2以上5以下の範囲であることがより好ましい。比率T/Tが、1以下の場合には、ブレード捲れが発生する場合があり、10を超える場合には、クリーニング不良や転写ムラが発生する場合がある。
中央部Oにおける表面層の厚さTは、3μm以上15μm以下の範囲であることが好ましく、5以上12以下の範囲であることがより好ましい。Rzが3μm未満の場合には、繰り返し使用により磨耗しやすくなる場合があり、15μmを超える場合には、硬度が高くなり転写領域でのニップ形成が不十分となる場合がある。
端部Xにおける表面層の厚さTは、15μm以上30μm以下の範囲であることが好ましく、20以上15以下の範囲であることがより好ましい。Tが15μm未満の場合には、クリーニングブレードとの摩擦により磨耗しやすくなる場合があり、30μmを超える場合には、硬度が高くなり転写領域でのニップ形成が不十分となる場合がある。
(転写ロールの構成)
本発明の転写ロールの層構成は、芯金である基材の表面に、少なくとも弾性層と表面層とが形成されていればその他は特に限定されず、その他の層を備えてもよい。
−芯金(基材)−
前記芯金は、転写ロールの電極及び支持部材として機能するもので、例えば、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼等の金属又は合金;クロム、ニッケル等で鍍金処理を施した鉄;導電性の樹脂;などの導電性の材質で構成される。
−弾性層−
前記弾性層は、例えば転写ロールとして適切な圧力でニップを形成し転写電界を形成できるものである。弾性層の抵抗を調整することも好ましく、例えばゴム材中に導電剤を分散させることによって、弾性層の抵抗を調整することができる。
弾性層を構成するゴム材料としては、エピクロロヒドリン、ポリウレタン、ニトリルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エピクロロヒドリン−エチレンオキシドゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SB)、塩素化ポリイソプレン、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム、水素化ポリブタジエン、ブチルゴム、シリコーンゴム等、又はこれらの2種以上をブレンドしてなる材料が挙げられる。好ましくは、ウレタンゴム、ニトリルゴム、エピクロロヒドリン−エチレンオキシドゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)である。特にエピクロロヒドリンを主成分とする合成ゴムは、ゴム自体がある程度の通電性(イオン導電性)を有しているため、転写ロールに添加される導電剤の添加量が少量で済み、さらに各種ロール毎に要求される電気抵抗(抵抗値)を比較的容易に調整することができるため優れている。
弾性層に含有する導電剤としては、電子導電剤やイオン導電剤が用いられる。電子導電剤の例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の各種導電性金属又は合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;などの微粉末を挙げることができる。また、イオン導電剤の例としては、テトラエチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩等;リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩等;を挙げることができる。
これらの導電剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その添加量は特に制限はないが、上記電子導電剤の場合は、ゴム材料100質量部に対して、1〜30質量部の範囲であることが好ましく、10〜20質量部の範囲であることがより好ましい。一方、上記イオン導電剤の場合は、ゴム材料100質量部に対して、0.1〜5.0質量部の範囲であることが好ましく、0.5〜3.0質量部の範囲であることがより好ましい。
弾性層は発泡層であっても無発泡層であってもよいが、好適には、基材に近い側(内側)の弾性層は発泡層で、表面に近い側(外側)の弾性層は無発泡層であるような、2層以上の弾性層で構成する場合である。このような弾性層の層構成とすると、弾性層が低硬度となり、かつ転写面は表面性がよいため、良好なNip幅と平滑な転写面が同時に得られる結果となり好ましい。
発泡層の弾性層とするには、上記ゴム材料に発泡剤を加えて発泡させることができる。ウレタンゴムを発泡層に用いる場合には、発泡剤を添加してもよいし、メカニカル発泡によって発泡させてもよい。
無発泡弾性層(以下、「抵抗層」と称する場合がある。)に用いるゴム材料は、弾性層で説明したゴム材料を適用することができる。抵抗層と弾性層のゴム材料は、同一であっても異なっていてもよいが、接着強度の観点から、同一種のゴム材料を適用することが好ましい。
また、上記抵抗層の硬度は、感光体や転写体との圧接時に適度なニップを形成させるため、アスカーC硬度で60度以下であることが好ましい。アスカーC硬度が60度より高くなると、例えば、転写ロールと中間転写体とのニップ均一性が損なわれ、画質欠陥が発生するようになるだけでなく、長期間の使用により例えば中間転写体表面が次第に摩耗する場合がある。
なお、アスカーC硬度の測定は、抵抗層の表面にアスカーC型硬度計(高分子計器社製)の押針を当接し、1000g荷重の条件で行う。
更に弾性層は、前記抵抗層の他に、ゴム材料等の組成が異なる弾性層を設けてもよい。
弾性層形成後、ロール表面(弾性層表面)を研磨して、外径形状を所望の形状(所望の外径)にすることができる。この研磨をした後に、表面層形成を行ってもよい。研磨方法としては、特に制限はないが、円筒研磨法、センタレス研磨法等、公知の方法を利用することができる。
−表面層−
本発明における表面層を構成する材料としては、特に制限されないが、ブリードやブルームを防止するという観点から、高分子材料を用いることが好ましい。
前記表面層を構成する高分子材料としては、ポリアミド、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、4フッ化エチレン共重合体、ポリエステル、ポリイミド、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、メラミン樹脂、フッ素ゴム、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等を挙げることができる。表面層を構成する高分子材料は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、表面層は、上記高分子材料に前記弾性層に用いた導電剤や各種微粒子を混合して組成物として形成されてもよい。上記微粒子としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム等の金属酸化物及び複合金属酸化物、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン等の高分子微粉体を単独又は混合して用いられるが、特にこれらに限定されるものではない。
前記表面層の体積抵抗値は1×10〜1×1010Ωcmの範囲であることが好ましく、1×10〜1×10Ωcmの範囲であることがより好ましい。該体積抵抗値が1×10Ωcmよりも低いと、転写不良が発生する場合があり、1×1010Ωcmよりも高いと、放電や転写ぬけ等の画質欠陥が発生する場合があり、好ましくない。
−その他の層−
本発明においては、前記弾性層及び表面層以外にも、これらの層の間や該弾性層の下層等に、各種層を設けることができる。このような層に用いるゴム材料は、弾性層で説明したゴム材料等を適用することができる。また、導電剤等の添加剤を適宜添加できる。
(転写ロールの作製方法)
−弾性層の作製−
芯金である基材の表面に弾性層を設ける。弾性層の作製方法としては、例えば、ゴム材料に加硫剤と加硫促進剤とを混練りした混合物を押し出し成型した後、加熱して加硫させる方法などを挙げることができる。弾性層塗布液を表面に塗布した基材を、加熱した円筒型内に挿入し、遠心成形することで弾性層を形成することができる。なお、必要に応じて、上記混合物に導電剤等の添加剤を添加する。
また、上記コーティングの前に、密着性向上のためのプライマー層を基材表面に形成させてもよい。
−表面層の作製−
表面層は、下層が非耐熱性材料であることが多いこと、より均一な層として形成できることなどの観点から、コーティング液として前記弾性体層等の表面に塗工して形成することが好ましい。
コーティング液の溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、メチルエチルケトン、トルエン等の通常の有機溶剤や水を用いることができる。また、上記コーティング液には、カーボンブラック、金属酸化物等の導電剤や界面活性剤、カップリング剤等の分散剤などを添加こともできる。
コーティング方法としては、スプレー法、ディッピング法、スピンコート法など通常のコーティング方法を用いることができるが、本発明では、表面層の厚さや表面粗さを制御する必要があるため、作業性の観点から、スプレー法によってコーティングすることが好ましい。
コート後は室温又は加熱して乾燥・硬化を行う。なお、上記コーティングの前に、密着性向上のためのプライマー層を形成させてもよい。
ここで、表面層の表面粗さ及び厚さを軸方向において変化させる方法について、詳細に説明する。
表面粗さを変更する方法としては、被コート材(例えば、上記弾性層)を加熱し、被コート材の表面に温度差を持たせる方法や、吐出圧を端部と中央部で都度変更させる方法などを挙げることができるが、作業性の観点から、被コート材の表面温度差を設ける方法を適用することが好ましい。
ここで、付与する表面層の表面粗さは、被コート材の温度が高いほど粗くなるため、上記転写ロール10の両端部X及びXにおいては、中央部Oよりも高い温度の状態で表面層をコーティングする。
表面層の厚さは、両端部と中央部で表面層塗布液の塗布量を変えることで、両端部と中央部の表面層の厚さを変化させることができる。
図2を用いて、表面層の形成方法を更に詳細に説明する。
上記作製した弾性層の表面に、表面層塗布液をスプレーコートする。スプレーコートを行う前に、予熱ヒーターによって、転写ロールを温める。その際、コート前のロールの両端部の予熱ヒーターを中央よりも高く設定し、コート後の両端部において表面粗さが中央よりも粗くなるようにする。
このような予熱ヒーター温度の高低差分△T(端部Xでの予熱ヒーター温度Cと、中央部Oでの予熱ヒーター温度Cとの差分(C−C)をいう。)は、コーティングする表面層の組成や、基材及び弾性層の材質などによっても異なるが、概ね30℃以下とすることが好ましく、15℃〜25℃がより好ましい。差分△Tが上記範囲外の場合には、前記表面粗さの比率Rz/Rzの好適な範囲から外れやすくなる。なお、表面層の組成によって、上記△Tの温度範囲であっても、表面粗さの比率Rz/Rzの好適な範囲から外れる場合があるが、比率Rz/Rzが1以下となった場合には、△Tを大きくするようにし、比率Rz/Rzが6.7よりも大きくなった場合には、△Tを小さくするように、制御することが好ましい。
端部Xと中央部Oの表面層の厚さを変化させるには、表面層塗布液の吹付けスプレーノズルの送り速度、表面層塗布液の吐出圧、吹き付けスプレーノズルから転写ロールまでの距離、表面層塗布液の粘度を制御することで、変更することができるが、作業の容易性から、表面層塗布液の吹付けスプレーノズルの送り速度、表面層塗布液の吐出圧、又はこれらの組み合わせによって表面層の厚さを制御することが好ましい。
スプレーコートする際のスプレーノズルの送り速度を速めると、表面層の厚さは薄くなり、適度に速度を落とすことで膜厚の厚い表面層が得られる。表面層塗布液の吐出圧を高くすると表面層の厚さは薄くなり、適度に圧力を低くすることで膜厚の厚い表面層が得られる。
図3に、上記表面層塗布液の吐出条件を変えた場合の表面層の厚さについて、軸方向の分布を示す。
<画像形成装置>
以下、本発明の転写ロールが好適に適用される画像形成装置(本発明の画像形成装置)の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主用部のみを説明し、その他はその説明を省略する。
図4は、4連タンデム方式のフルカラー画像形成装置を示す概略構成図である。図4に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1〜第4の画像形成ステーション10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ステーション(以下、単にステーションと称する)10Y、10M、10C、10Kは、略水平方向に互いに所定距離離間して並設されている。
各ステーション10Y、10M、10C、10Kの上方には、各ステーションを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、横方向に互いに離間して配置された駆動ロール22および中間転写ベルト20内面に接する支持ロール24に巻回されて張設され、第1ステーション10Yから第4ステーション10Kに向う方向に無端走行されるようになっている。尚、支持ロール24は、図示しないバネ等により駆動ロール22から離れる方向に付勢されており、両者の間に巻回された中間転写ベルト20に所定のテンションが与えられている。また、中間転写ベルト20の像担持体側面には、駆動ロール22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
上述した第1〜第4ステーション10Y、10M、10C、10Kは、略同一の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1ステーション10Yについて代表して説明する。尚、第1ステーション10Yと同一の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した同一参照符号を付すことにより、第2〜第4ステーション10M、10C、10Kの説明を省略する。
第1ステーション10Yは、像担持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を所定の電位に帯電させる帯電ロール(帯電手段)2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yよって露光して静電潜像を形成する露光装置3、静電潜像に帯電したトナー(現像剤)を供給して静電潜像を現像する現像装置4Y、現像したトナー像(現像剤像)を中間転写ベルト20上に転写する1次転写ロール5Y(1次転写手段)、および1次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置6Yが順に配設されている。尚、1次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、中間転写ベルト20を介して感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部(制御手段)による制御によって、各1次転写ロールに印加する転写バイアスを可変する。
以下、第1ステーション10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が帯電される。
感光体1Yは、導電性の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電潜像が感光体1Yの表面に形成される。
静電潜像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
このようにして感光体1Y上に形成された静電潜像は、感光体1Yの走行に従って所定の現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電潜像が、現像装置4Yによって可視像(トナー像)化される。
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロー着色剤とワックスと結着樹脂と脂肪族炭化水素−炭素数9以上の芳香族炭化水素共重合石油樹脂にて形成された体積平均粒径が約6μmのイエロートナーが収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有している。感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にのみイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー像が形成された感光体1Yは、引続き所定速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー像が所定の1次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー像が1次転写へ搬送されると、1次転写ロール5Yに所定の1次転写バイアスが印加され、感光体1Yから1次転写ロール5Yに向う静電気力がトナー像に作用され、感光体1Y上のトナー像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ステーション10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μA程度に定電流制御されている。
また、第2ステーション10M以降の1次転写ロール5M、5C、5Kに印加される1次転写バイアスも同様に制御されている。
こうして、第1ステーション10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2〜第4ステーション10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が同様に重ねられて多重転写される。
第1〜第4ステーションを通して全ての色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト20内面に接する支持ロール24と中間転写ベルト20の像担持面側に配置された2次転写ロール(2次転写手段)26とから構成された2次転写部へと至る。一方、記録紙(転写材)Pが供給機構を介して2次転写ロール26と中間転写ベルト20との間に所定のタイミングで給紙され、所定の2次転写バイアスが支持ロール24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー像が記録紙P上に転写される。尚、この際の2次転写バイアスは2次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、定電圧で制御されている。2次転写ロール26によって中間転写ベルト20上のトナー像が記録紙P上に転写された後、2次転写ロール26の表面はこれに当接する清掃部材(クリーニングブレード)32によってクリーニングされる。また、クリーニングブレード32と2次転写ロール26との潤滑性を良好にするため、クリーニング後の2次転写ロール26表面に潤滑剤34を付与することもできる。潤滑剤34の付与の方法は、一般的な方法を適宜適用することができる。
一方、中間転写ベルト20上のトナー像が記録紙P上に転写された後、記録紙Pは定着装置28へと送り込まれトナー像が加熱され、色重ねしたトナー像が溶融されて、記録紙P上へ永久定着される。カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
本発明では、画像形成装置の2次転写ロール26として、本発明の転写ロールを適用することが好ましい。
また、本発明の画像形成装置では、一般的に画像形成装置に用いられている上記構成以外の構成部材を適宜備えることができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する。なお以下の説明において、特に断りのない限り、「部」はすべて「質量部」を意味する。
<実施例1>
(転写ロールの作製)
−弾性層の成型−
・ゴム材料(エピクロロヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム):Gechron 3106(日本ゼオン社製)100部
・導電剤(カーボンブラック):MONARCH 1000(pH:2.5、キャボット社製)30質量部、及びケッチェンブラックEC(pH:9.0、ライオン社製)10部
・発泡剤:ビニホールAC#3(永和化成社製)8部
・加硫剤:硫黄(鶴見化学工業社製200メッシュ)1部
・加硫促進剤:ノクセラーDM(大内新興化学工業社製)1.0部、及びノクセラーTT(大内新興化学工業社製)1.0部
上記混合物をオープンロールで混練りし、SUS304からなる直径8mmの芯金表面に厚さ1mmとなるように、円筒状に押し出し成型して被覆した後、内径12mmの円筒型の金型に入れ、170℃で30分加硫発泡させた。
次いで、上記混合物のうち、発泡剤(ビニホールAC#3(永和化成社製)8質量部)を抜いた以外は同じ組成の混合物をオープンロールで混練りし、厚さ0.5mmとなるように円筒状に押し出し成型して被覆したのち、内径14.0mmの円筒型の金型に入れ、170℃で30分間加硫させ、発泡体の弾性体層表面に無発泡体の抵抗層が形成された円筒状の成型物Aを得た。
得られた円筒状の成型物Aにシャフトを入れ、所定の寸法(内径13.5mm)に研磨した。
−表面層の成型−
エムラロン312(日本アチソン製)を、研磨後の前記成型物Aの表面にスプレーコートし、100℃30分加熱乾燥させ転写ロールを得た。コーティングの際、予熱ヒーター温度を、端部Xにおいて80℃、中央部Oでは60℃に設定し(ΔT=20℃)、スプレーノズルの送り速度を1〜50mm/secで変化させて、吐出圧を2N/mとして、スプレーコートを行った。スプレーコートの後、100℃で5分間の加熱乾燥を行った。
−表面層粗さの測定−
得られた表面層の表面粗さを、サーフコム570A(東京精密社製)の接触式表面粗さ測定器を用いて測定した。測定に際しては、JIS B0601(2001)に準じ、基準長さ2.5mm、評価長さ12.5mmで、ダイヤモンド接触針(2μm、90°円錐)を用い、カットオフ0.8mm、測定速度0.3mm/sec、温度22℃、湿度55%の条件で行った。得られた表面粗さの値を表1に示す。なお、表1に示した両端部の表面粗さは、両方の端部で測定した値の平均値で示した。
−表面層の厚さの測定−
表面層の厚さは、得られたロールを鋭利なナイフ等で外側から芯金に向かって切り、断面を光学顕微鏡で観察し、表面層の厚さを測定した。得られた表面層の厚さを表1に示す。
<実施例2〜4及び比較例1〜5>
実施例1の表面層の成型において、予熱ヒーターの温度、スプレーノズルの送り速度、及び吐出圧を適宜調整して、表1に示す転写ロールを作製した。なお、表面粗さを粗くする場合には、予熱ヒーター温度を高くし、表面層の厚さを薄くする場合には、スプレーノズルの送り速度を速めるか、吐出圧を高くするかの方法により、表面層の表面粗さと厚さを調整した。
(転写ロールの評価)
−クリーニングブレード捲れの評価−
富士ゼロックス社製DocuColor5065Pの転写ロールを上記作製の転写ロールに変更した改造機を用いて、20℃、10%RHの環境下で、プロセススピード260mm/secで、A4用紙を縦送りにて、5kpvのランニングテストを行い、クリーニングブレード捲れの評価を行った。転写ロールに潤滑剤を用いて評価を行う場合には、潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を使用した潤滑剤を用いた。
クリーニングブレード捲れの評価は、以下の評価基準で判定した。
◎:ブレード捲れ未発生。
○:ブレード捲れは未発生だが回転トルク上昇。
×:ブレードめくれ発生、テスト継続不可能。
−クレーニング性の評価−
上記ブレード捲れの評価で用いた改造機において、重合トナーを用い、10℃、15%RHの環境下、プロセススピード260mm/secで、A4用紙に故意に穴を開け、エリアカバレッジ100%のベタ画像を印字して、転写ロールにトナーが付着するようにした。
付着したトナーが、転写ロールに当接するクリーニングブレードによってクリーニングされた直後に装置を停止させ、転写ロールにどの程度トナーが残存しているか確認し、クリーニング性の評価を行った。評価基準は以下の通りである。
◎:トナーが残存していないレベル。
○:若干トナーが残存しているが、品質上問題ないレベル。
×:次ページの裏面にはっきりと汚れが確認できる程度のレベル。
−転写ムラ(濃度ムラ)の評価−
クレーニング性の評価と同様の条件で、但し、A3用紙に低濃度のマゼンタ単色となる画像を印画し、画像中での濃度ムラの有無により以下の基準で判定した。
◎:全くムラがないレベル
○:わずかにムラがあるが、品質上問題ないレベル
×:品質上問題となるムラのレベル
−総合評価−
上記評価項目を勘案し、総合評価を以下の基準で判定した。
◎:すべてにおいて問題ないレベル。
○:何らかの問題はあるが、品質上は問題ないレベル。
×:何れかで不具合があるレベル。
結果を表1にまとめて示した。
Figure 2007121553
クリーングブレードの捲れを防止する方法の1つである潤滑剤を用いる従来の方法では、転写ムラ(濃度ムラ)が発生していたが、表1に示すように、本発明の転写ロールを用いた場合には、潤滑剤の有無に関わらず、クリーニング性が良好で、クリーニングブレードの捲れ、転写ムラの発生も抑えることができる。
一方、表面層の厚さを両端部で厚くし、中央部で薄く形成した比較例1では、中央部での表面粗さが5μmと比較的細かいため、トナーのクリーニング性は良好であり、クリーニングブレードの捲れについても、潤滑剤を使用し且つ両端部での表面層が厚くなっていることから、不具合は発生しなかった。しかし、両端部での表面粗さが細かいため、転写ムラが発生していた。
(転写ロールの加速試験評価)
上記実施例1と比較例1を、それぞれ高温高湿下(28℃、85%RH)にて、A4用紙の縦送りで50kpvのランニングテストを行った。
比較例1では、2次転写ロールに使用している潤滑剤が、該2次転写ロールの非通紙部である両端部に多量残存し、中間転写体へ転移したため、転写性に差が生じ濃度むらの発生が確認された。
実施例1においては、2次転写ロールの両端の粗さが粗かったため、潤滑剤の残存量が少なく、濃度むらは未発生であった。
以上の評価結果により、本発明の転写ロールを用いると、クリーニング性が良好で、且つ転写むら発生を抑えることができた。
<実施例5〜6>
実施例1の転写ロールの作製において、表面層にエムラロン312(日本アチソン製)を用いたところを、下記表2に示すものに変更した以外は実施例1と同様にして転写ロールを作製し、実施例1と同様の評価を行った。
結果を表2に示す。
Figure 2007121553
表2に示すように、コート剤の種類を変更しても、表面粗さが、前記転写ロールの軸方向中央部よりも軸方向端部において粗く、且つ、前記表面層の厚さが、前記転写ロールの軸方向中央部よりも軸方向端部において厚い本発明の転写ロールの場合には、クリーニング性が良好で、且つ転写むら発生を抑えることができた。
本発明の転写ロールとクリーニングブレードの当接位置を説明する図であり、(A)は、転写ロール10の軸方向から観察した図であり、(B)は転写ロール10の半径方向から観察した図である。 本発明の転写ロールの表面粗さを制御して、転写ロールを作製する方法の一例を説明する図である。 本発明の転写ロールの表面層の厚みを制御して、転写ロールを作製する方法の一例を説明する図である。 本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1Y、1M、1C、1K 感光体
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
3 露光装置
4Y、4M、4C、4K 現像装置
5Y、5M、5C、5K 1次転写ロール
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置
10Y、10M、10C、10K ステーション
20 中間転写ベルト
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 2次転写ロール
28 定着装置
30 中間転写体クリーニング装置
32 2次転写ロール用清掃部材(クリーニングブレード)
34 潤滑剤
P 記録紙

Claims (2)

  1. 基材上に弾性層と表面層とを有する転写ロールであって、
    前記表面層の表面粗さが、前記転写ロールの軸方向中央部よりも軸方向両端部において粗く、且つ、前記表面層の厚さが、前記転写ロールの軸方向中央部よりも軸方向両端部において厚いことを特徴とする転写ロール。
  2. 複数の支持部材に張架され駆動される無端状の中間転写体と、像担持体上に形成されたトナー画像を前記中間転写体に転写する1次転写手段と、前記中間転写体上のトナー画像を記録媒体に一括転写する2次転写手段とを備えた画像形成装置であって、
    前記2次転写部手段の表面に当接する板状の清掃部材を有し、
    前記2次転写手段が請求項1に記載の転写ロールを有することを特徴とする画像形成装置。
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