JP2007118823A - 電動パワーステアリング制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 モータ回転角の検出に異常が発生したときに、操舵トルクに基づいて運転者の意図にあったモータ制御角を連続的に決定する。
【解決手段】 モータ回転角検出手段の異常を検出するモータ回転角異常検出手段と、該モータ回転角異常検出手段でモータ回転角検出手段の異常を検出したときに、前記操舵トルク検出手段で検出した操舵トルク及び当該操舵トルクをもとに算出される演算値の少なくとも一方に基づいて前記電動モータの回転角を推定するモータ回転角推定手段とを備え、前記モータ駆動手段は、モータ回転角異常検出手段でモータ回転角検出手段の異常を検出していないときに当該回転角検出手段で検出したモータ回転角を選択し、前記モータ回転角異常検出手段で、前記モータ回転角検出手段の異常を検出したときに、前記モータ回転角推定手段で推定したモータ回転角を選択する選択手段を備えている。
【選択図】 図7

Description

本発明は、操舵系に対して入力される操舵トルクに応じた操舵補助力を発生する電動パワーステアリング制御装置に関する。
この種の電動パワーステアリング制御装置としては、例えば位置検出手順で、電動機の角度位置を検出し、異常検出手順で、位置検出手順より出力された位置信号の振幅値が、前記電動機の回転角位置に応じて変動し予め定めた所定値より低くなる場合の有無にもとづぎ前記位置検出手順の異常を検出し、異常検出手順により前記位置検出手順の異常が検出された後、前記電動機の回転角度位置の変化に応じて前記位置信号の振幅値が所定のレベル以上となる回転角度位置ではトルク制御手順を実行して操舵力を補助するトルクを出力し、前記位置信号の振幅値が所定のレベル以下となる前記電動機の回転角度位置ではトルクゼロ制御手順を実行して出力トルクをゼロとすることにより、位置検出手順の異常時に突然アシストを停止してマニュアルステアリング状態としても、車両状態による反力によりステアリングホイールが急激に戻されることを防止する電動パワーステアリング装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、ロータ位置の検出機能に異常が生じ、ブラシレスモータが回転中であるときには、予め設定された固定パターンで電磁コイルの電流の向きを順に切り換える制御を行わせ、ブラシレスモータが停止してしまっているときには、駆動信号を低周波から徐々に高周波に切り換えて、ブラシレスモータを帰途をさせるようにした車両用ブラシレスモータの制御装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、操舵トルクに応じた波高値の正弦波を発生する基準波発生器の出力と、これとモータ電流との偏差を増幅する誤差増幅器の出力とを位相比較器と、その位相比較出力が入力されて電圧制御出力を基準波発生器に出力する電圧制御発振器とでPLL回路を構成することにより、回転角センサを用いることなく、ブラシレスモータを駆動するようにした車両用操舵装置も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特許第3600805号明細書(第1頁、図7) 特開2005−253226号公報(第1頁、図2) 特開2003−40119号公報(第1頁、図2)
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来例にあっては、例えば車両が旋回状態であって、ステアリングホイールを切り増し方向の修正舵を当てる場合に、ステアリングホイール反力が電動パワーステアリングのアシストが得られない状態と同等の大きさとなり、運転者に対して不快感を与えるという未解決の課題がある。
また、上記特許文献2に記載の従来例にあっては、電動パワーステアリング装置としては、位置検出センサが異常となったときに、予め決められたパターンでモータを駆動した場合、運転者の意図に反してステアリングホイール回転する可能性があり、運転者の意志に従ったモータ駆動を行うことができないという未解決の課題がある。
さらに、上記特許文献3に記載の従来例にあっては、特に電動パワーステアリングステアリングに使用するモータとしては、電源がオフされている時にステアリングホイールを回転させることが容易に想定されると共に、停車時のステアリングホイール位置を特定することはできないため、モータの初期角度を想定することはできず、運転者に違和感を与えることを完全に防止することはできない、このため、特許文献3に記載の従来例をモータ回転角検出異常時の代替制御装置として使用することが考えられるが、この場合には、通常の制御回路構成以外にPLL回路等を設けてセンサレス駆動を前提としたアナログ回路構成が必要となるか、それと同等の演算が可能な高性能な演算処理装置を必要とし、部品点数が増加すると共に、コストが嵩むという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、モータ回転角の検出に異常が発生したときに、操舵トルクに基づいて運転者の意図にあったモータ制御角を連続的に決定することにより、部品点数の増加やコストアップを抑制しながら運転者に不快感を与えることを抑制することができる電動式パワーステアリング制御装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に係る電動パワーステアリング制御装置は、操舵系に対して操舵補助力を発生する電動モータと、該電動モータの回転角を検出するモータ回転角検出手段と、操舵系に伝達される操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、該操舵トルク検出手段で検出した操舵トルクに基づいて操舵補助指令値を算出し、算出した操舵補助指令値及び前記モータ回転角検出手段で検出したモータ回転角とに基づいて前記電動モータを駆動制御するモータ制御手段とを備えた電動パワーステアリング制御装置であって、前記モータ回転角検出手段の異常を検出するモータ回転角異常検出手段と、該モータ回転角異常検出手段でモータ回転角検出手段の異常を検出したときに、前記操舵トルク検出手段で検出した操舵トルクを入力値として前記電動モータの回転角を推定するモータ回転角推定手段とを備え、前記モータ駆動手段は、モータ回転角異常検出手段でモータ回転角検出手段の異常を検出していないときに当該回転角検出手段で検出したモータ回転角を選択し、前記モータ回転角異常検出手段で、前記モータ回転角検出手段の異常を検出したときに、前記モータ回転角推定手段で推定したモータ回転角を選択する選択手段を備えていることを特徴としている。
また、請求項2に係る電動パワーステアリング制御装置は、操舵系に対して操舵補助力を発生する電動モータと、該電動モータの回転角を検出するモータ回転角検出手段と、操舵系に伝達される操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、該操舵トルク検出手段で検出した操舵トルクに基づいて操舵補助指令値を算出し、算出した操舵補助指令値及び前記モータ回転角検出手段で検出したモータ回転角とに基づいて前記電動モータを駆動制御するモータ制御手段とを備えた電動パワーステアリング制御装置であって、
前記モータ回転角検出手段の異常を検出するモータ回転角異常検出手段と、該モータ回転角異常検出手段でモータ回転角検出手段の異常を検出したときに、前記操舵トルク検出手段で検出した操舵トルク及び当該操舵トルクを基に算出される演算値の少なくとも一方を入力値として前記電動モータの回転角を推定するモータ回転角推定手段とを備え、前記モータ駆動手段は、モータ回転角異常検出手段でモータ回転角検出手段の異常を検出していないときに当該回転角検出手段で検出したモータ回転角を選択し、前記モータ回転角異常検出手段で、前記モータ回転角検出手段の異常を検出したときに、前記モータ回転角推定手段で推定したモータ回転角を選択する選択手段を備えていることを特徴としている。
さらに、請求項3に係る電動パワーステアリング制御装置は、請求項1又は2に係る発明において、前記モータ回転角推定手段は、前記入力値を前処理する入力値前処理部と、該前処理部の出力信号に進角ゲインを乗算して電気角変化量を算出する進角演算部と、該進角演算部から出力される電気角変化量と前回サンプリング時の電気角とを加算して電気角を推定する電気角演算部とを備えていることを特徴としている。
さらにまた、請求項4に係る電動パワーステアリング制御装置は、請求項3に係る発明において、前記入力値前処理部は、前記入力値に含まれるノイズ成分を除去するノイズ除去処理部と、該ノイズ除去処理部から出力される処理値に含まれるモータ回転角度推定に不要となる操舵補助制御における不感帯を除去する不感帯除去部と、該不感帯除去部の出力値の変化率を制限するリミッタ部とを少なくとも含んで構成されていることを特徴としている。
なおさらに、請求項5に係る電動パワーステアリング制御装置は、請求項3又は4に係る発明において、前記入力値前処理部は、車両の車速を検出する車速検出手段を有し、該車速検出手段で検出した車速に基づいて応答性を高める必要性の有無を判定し、高応答性を必要とするときに応答性を向上させる入力値を選択することを特徴としている。
また、請求項6に係る電動パワーステアリング制御装置は、請求項3乃至5の何れか1つに係る発明において、前記入力値前処理部は、車両の車速を検出する車速検出手段を有し、該車速検出手段で検出した車速に基づいてモータ回転角推定演算のパラメータを変化させるパラメータ設定手段を有することを特徴としている。
さらに、請求項7に係る電動パワーステアリング制御装置は、請求項3乃至6の何れか1つに係る発明において、前記入力値前処理部は、前記モータ制御手段が、操舵補助指令値を制限する指令値制限状態となったときに、当該操舵補助指令値の制限量に応じてモータ回転角推定演算のパラメータを変化させる第2のパラメータ設定手段を有することを特徴としている。
さらにまた、請求項8に係る電動パワーステアリング制御装置は、請求項1乃至7の何れか1つに係る発明において、前記モータ回転角推定手段は、推定したモータ回転角の誤差が増加する要補正状態であることを検出する要補正状態検出手段と、該要補正状態検出手段で要補正状態を検出したときに前記モータ回転角推定値を補正する推定値補正手段を備えていることを特徴としている。
なおさらに、請求項9に係る電動パワーステアリング制御装置は、請求項8に係る発明において、前記要補正状態検出手段は、前記操舵系の操舵角を検出する操舵角検出手段で構成され、前記推定値補正手段は、前記操舵角検出手段で検出した操舵角が当該操舵系の作動限界に達したときに直前のモータ回転角推定値を維持する補正を行い、当該補正を前記操舵角が中立位置側に戻ると判断されるまで継続するように構成されていることを特徴としている。
また、請求項10に係る電動パワーステアリング制御装置は、請求項8に係る発明において、前記要補正状態検出手段は、前記操舵系の操舵角を検出する操舵角検出手段、車両のヨーレートを検出するヨーレート検出手段及び車両の4輪の車輪速度を検出する車輪速検出手段で構成され、前記推定値補正手段は、前記車輪速検出手段で検出した4輪の車輪速度に基づいてヨーレート推定値を算出し、算出したヨーレート推定値と前記ヨーレート検出手段で検出したヨーレート検出値との偏差が所定値以内であり、且つ前記操舵角検出手段で検出した操舵角が当該操舵系の作動限界に達したときに直前のモータ回転角推定値を維持する補正を行い、当該補正を前記操舵角が中立位置側に戻ると判断されるまで継続するように構成されていることを特徴としている。
さらに、請求項11に係る電動パワーステアリング制御装置は、請求項8に係る発明において、前記要補正状態検出手段は、前記操舵系の操舵角を検出する操舵角検出手段及び車両のオーバーステア状態を検出するオーバーステア状態検出手段で構成され、前記推定値補正手段は、前記オーバーステア状態検出手段でオーバーステア状態を検出したときに、直前のモータ回転角推定値を維持する補正を行い、当該補正を前記操舵角が中立位置側に戻ると判断されるまで継続するように構成されていることを特徴としている。
さらにまた、請求項12に係る電動パワーステアリング制御装置は、請求項8に係る発明において、前記要補正状態検出手段は、前記操舵系の操舵角を検出する操舵角検出手段及び車両のヨーレートを検出するヨーレート検出手段で構成され、前記推定値補正手段は、前記ヨーレート検出手段で検出したヨーレート検出値が設定値以上であるときに、直前のモータ回転角推定値を維持する補正を行い、当該補正を前記操舵角が中立位置側に戻ると判断されるまで継続するように構成されていることを特徴としている。
なおさらに、請求項13に係る電動パワーステアリング制御装置は、請求項8に係る発明において、前記要補正状態検出手段は、車両のヨーレートを検出するヨーレート検出手段及び車両の4輪の車輪速度を検出する車輪速検出手段で構成され、前記推定値補正手段は、前記車輪速検出手段で検出した4輪の車輪速度に基づいてヨーレート推定値を算出し、算出したヨーレート推定値と前記ヨーレート検出手段で検出したヨーレート検出値との偏差が所定値以内であり、且つヨーレート検出値及びヨーレート推定値の何れか一方が設定値以上であるときに、直前のモータ回転角推定値を維持する補正を行い、当該補正を操舵が中立位置側に戻ると判断されるまで継続するように構成されていることを特徴としている。
また、請求項14に係る電動パワーステアリング制御装置は、請求項8に係る発明において、前記要補正状態検出手段は、車両のヨーレートを検出するヨーレート検出手段及び車両のオーバーステア状態を検出するオーバーステア状態検出手段で構成され、前記推定値補正手段は、前記オーバーステア状態検出手段でオーバーステア状態を検出し、且つヨーレート検出値が設定値以上であるときに、直前のモータ回転角推定値を維持する補正を行い、当該補正を前記操舵が中立位置側に戻ると判断されるまで継続するように構成されていることを特徴としている。
さらに、請求項15に係る電動パワーステアリング制御装置は、請求項8に係る発明において前記推定値補正手段は、ヨーレート、車速、横加速度等の車運動状態を検出する運動状態検出手段と、該運動状態検出手段で検出した車両運動量に基づいて操舵角が操舵系の作動限界に達したか否かを判定する作動限界判定手段とで構成され、前記推定値補正手段は、前記作動限界判定手段の判定結果が作動限界に達したときに、直前のモータ回転角推定値を維持する補正を行い、当該補正を前記操舵が中立位置側に戻ると判断されるまで継続するように構成されていることを特徴としている。
さらにまた、請求項16に係る電動パワーステアリング制御装置は、請求項8に係る発明において、前記モータ回転角検出手段は、正弦波及び余弦波の2系統又は他の異なる2系統以上の回転角検出信号を出力するように構成され、前記モータ回転角異常検出手段は、正弦波及び余弦波の何れか一方の振幅が所定範囲外となったときにモータ回転角異常を検出し、前記要補正状態検出手段は、正常な正弦波及び余弦波の何れか他方の振幅が最大値及び最小値に達したときに要補正状態であることを検出し、前記推定値補正手段は、要補正状態であるときに、そのときの電気角で、モータ回転角推定値を補正するように構成されていることを特徴としている。
なおさらに、請求項17に係る電動パワーステアリング制御装置は、請求項8に係る発明において、前記モータ回転角検出手段は、正弦波及び余弦波の2系統の回転角検出信号を出力するように構成され、前記モータ回転角異常検出手段は、正弦波の二乗値及び余弦波の二乗値との和が“1”であるか否かを検出することにより両波のショートを検出し、前記要補正状態検出手段は、ショートした正弦波及び余弦波の振幅が最小値及び最大値に達したときに要補正状態であることを検出し、前記推定値補正手段は、要補正状態であるときに、そのとき電気角で、モータ回転角推定値を補正するように構成されていることを特徴としている。
また、請求項18に係る電動パワーステアリング制御装置は、請求項8に係る発明において、前記電動モータは多相ブラシレスモータで構成され、前記モータ回転角検出手段は、多相の極位置信号を出力する極位置センサで構成され、前記モータ回転角異常検出手段は、前記極位置センサから出力される極位置信号に基づいて1つの極位置センサの異常を検出し、前記要補正状態検出手段は、極位置センサの異常状態に応じて360度のうち一意に決まる極位置信号配列となったときに、要補正状態であることを検出し、前記推定値補正手段は、要補正状態であるときに、該当する極位置信号配列の電気角で、前記モータ回転角推定値を補正するように構成されていることを特徴としている。
さらに、請求項19に係る電動パワーステアリング制御装置は、請求項8に係る発明において、前記電動モータの端子電圧及び通電電流に基づいて逆起電圧を算出し、算出した逆起電圧に基づいてモータ回転を推定する補助モータ回転角推定手段を有し、該補助モータ回転角推定手段で推定したモータ回転角推定値に基づいて前記モータ回転角推定手段で推定したモータ回転角推定値を補正する推定値補正手段を備えていることを特徴としている。
本発明によれば、操舵トルク及び操舵トルクをもとに算出された演算値に基づいてモータ回転角推定値を算出し、モータ回転角検出手段の異常時に、モータ回転角推定値に基づいて電動モータの駆動制御を継続するので、運転者の意図に応じた操舵補助力の発生を継続することができ、モータ回転角検出異常発生時に部品点数の増加やシステムのコストアップを招くことなく、運転者に違和感を与えることなく操舵補助制御を継続することができるという効果が得られる。
このとき、ヨーレートが大きいスピン状態やステアリングギヤがストッパに当接する作動限界位置に達することにより、モータ回転角推定値に誤差を生じるおそれがある要補正状態となったときに、そのときの状態に応じてモータ回転角推定値を補正することにより、モータ回転角推定値の誤差が拡大されることを確実に防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示す全体構成図であって、図中、1は通常の車両に搭載されているバッテリであって、このバッテリ1から出力されるバッテリ電圧Vbがヒューズ2を介して制御装置3に入力される。この制御装置3は、ヒューズ2を介して入力されるバッテリ電圧Vbが図3中に示すリレー4を介して入力された操舵系に対して操舵補助力を発生する電動モータ5を駆動するモータ駆動手段としてのモータ駆動回路6を有する。
ここで、電動モータ5は、三相交流駆動されるブラシレスモータで構成され、電動パワーステアリング制御装置の操舵補助力を発生する操舵補助力発生用モータとして動作する。この電動モータ5は、ステアリングホイール11が接続されたステアリングシャフト12に減速機構13を介して連結され、このステアリングシャフト12がラックピニオン機構14に連結され、このラックピニオン機構14がタイロッド等の連結機構15を介して左右の転舵輪16に連結されている。
そして、ステアリングシャフト12には、ステアリングホイール11に入力された操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ17が配設されていると共に、電動モータ5にはモータ回転角を検出するレゾルバ18が配設され、操舵トルクセンサ17で検出した操舵トルク検出信号及びレゾルバ18で検出したモータ回転角検出信号が後述するマイクロコンピュータ30へ入力されている。
ここで、操舵トルクセンサ17は、ステアリングホイール11に付与されてステアリングシャフト12に伝達された操舵トルクを検出するもので、例えば、操舵トルクを図示しない入力軸及び出力軸間に介挿したトーションバーの捩れ角変位に変換し、この捩れ角変位を磁気信号で検出し、それを電気信号に変換するように構成されている。この操舵トルクセンサ17は、図2に示すように、入力される操舵トルクが零のときには、所定の中立操舵トルク検出値T0 となり、この状態から例えば右切りすると、操舵トルクの増加に応じて中立操舵トルク検出値T0 より増加する値となり、操舵トルクが零の状態から左切りすると操舵トルクの増加に応じて中立操舵トルクT0 より減少する操舵トルク検出値Tを出力するように構成されている。
モータ駆動回路6は、図3に示すように、2つの電界効果トランジスタQua及びQubが直列に接続された直列回路と、この直列回路と並列に接続された同様に2つの電界効果トランジスタQva及びQvbの直列回路、電界効果トランジスタQwa及びQwbの直列回路とで構成されるインバータ回路21を有する。このインバータ回路21の電界効果トランジスタQua及びQubの接続点、電界効果トランジスタQva及びQvbの接続点並びに電界効果トランジスタQwa及びQwbの接続点が電動モータ5のスター結線された各励磁コイルLu、Lv並びにLwに接続され、さらにインバータ回路21から電動モータ5に出力されるモータ駆動電流Imu、Imvがモータ電流検出回路7で検出される。
また、モータ駆動回路は、インバータ回路21の各電界効果トランジスタFET1〜FET6を制御するFETゲート駆動回路22を有する。このFETゲート駆動回路22は、インバータ回路21の電界効果トランジスタFET1〜FET6を、後述するマイクロコンピュータ30から出力される電流指令値Iut、Ivt及びIwtに基づいて決定されるデューティ比Du、Dv及びDwのPWM(パルス幅変調)信号によってON/OFFされ、実際に電動モータ5に流れる電流Imu、Imv及びImwの大きさが制御される。ここで、デューティ比Du、Dv及びDwの大きさに伴って上アームを構成するFET1、FET3及びDFET5と下アームを構成するFET2、FET4及びFET6は、夫々アームショートを避けるためのデッドタイムを持ってPWM駆動される。
さらに、制御装置3はゲート駆動回路22に対して電動モータ5で操舵補助力を発生させるデューティ比のパルス幅変調信号を供給するマイクロコンピュータ30を有する。
このマイクロコンピュータ30には、操舵トルクセンサ17で検出した操舵トルク信号がA/D変換回路31を介して入力されると共に、レゾルバ18の出力信号が入力されたモータ回転角信号を出力するモータ回転角検出回路32からのモータ回転角信号sinθ及びcosθ が入力端子に入力され、さらに車速Vsを検出する車速センサ33から出力される車速検出値Vsが入力される。このマイクロコンピュータ30には、ヒューズ2に接続されて例えば5Vのマイクロコンピュータ用電源を形成する安定化電源回路34から出力される安定化電源が制御電源として入力されている。ここで、モータ回転角検出回路32は、所定の周波数を有する搬送波信号sinωtをレゾルバ18に供給して、この搬送波信号sinωtを正弦波sinθで振幅変調した波形を有する正弦波信号(sinωt・sinθ)及び搬送波信号sinωtを余弦波cosθで振幅変調した波形を有する余弦波信号(sinωt・cosθ)を発生させ、これら正弦波信号(sinωt・sinθ)及び余弦波信号(sinωt・cosθ)をA/D変換器35及び36を介してマイクロコンピュータ30に入力すると共に、搬送波sinωtの例えば正のピーク時期を検出してピーク検出パルスPpをマイクロコンピュータ30に入力し、このマイクロコンピュータ30でピーク検出パルスPpが入力される毎に図示しないモータ回転角算出処理を実行して、sinθ及びcosθを算出し、算出したsinθ及びcosθからモータ回転角θMを算出する。
そして、マイクロコンピュータ30は、各入力信号に基づいて図4に示す操舵補助制御処理、図6に示すモータ回転角検出回路32の異常を検出するモータ回転角異常検出処理を実行する。
操舵補助制御処理は、図4に示すように、先ず、ステップS1で、操舵トルクセンサ17で検出したトルク検出値Tを読込み、次いでステップS2に移行して、トルク検出値Tから中立電圧V0 を減算して操舵トルクTs(=T−V0 )を算出する。次いで、ステップS3に移行して、車速センサ31で検出した車速検出値Vを読込み、次いでステップS4に移行して、トルク検出値及び車速検出値Vに基づいて図5に示す操舵補助指令値算出マップを参照して、モータ電流指令値となる操舵補助指令値IM *を算出する。
ここで、操舵補助指令値算出マップは、図5に示すように、横軸に操舵トルクTsをとり、縦軸に操舵補助指令値IM *をとり、車速検出値Vをパラメータとした特性線図で構成され、操舵トルクTsが“0”からその近傍の設定値Ts1までの間は操舵補助指令値IM *が“0”を維持し、操舵トルクTsが設定値Ts1を超えると最初は操舵補助指令値IM *が操舵トルクTsの増加に対して比較的緩やかに増加するが、さらに操舵トルクTsが増加すると、その増加に対して操舵補助指令値IM *が急峻に増加するように設定され、この特性曲線が、車速が増加するに従って傾きが小さくなるように設定されている。
次いで、ステップS5に移行して、後述するモータ回転角異常検出処理で、異常フラグFAがレゾルバ18、モータ回転角検出回路32及びA/D変換器35,36の異常を表す“1”にセットされているか否かを判定し、FA=“0”であるときにはレゾルバ18、モータ回転角検出回路32及びA/D変換器35,36が正常であるものと判断してステップS6に移行し、モータ回転角検出回路32からのモータ回転角信号θM を読込んでからステップS8に移行し、FA=“1”であるときにはレゾルバ18、モータ回転角検出回路32及びA/D変換器35,36の何れかに異常が発生しているものと判断してステップS7に移行し、後述するモータ回転角推定処理で算出されたモータ回転角推定値θMPをモータ回転角θMとして読込んでからステップS8に移行する。
このステップS8では、読込んだモータ回転角信号θMを微分演算処理してモータ回転角速度θVを算出してからステップS9に移行し、モータ角速度θVに慣性ゲインKi を乗算して、モータ慣性を加減速させるトルクを操舵トルクTsから排除し、慣性感のない操舵感覚を得るための慣性補償制御用の慣性補償値Ii (=Ki ・θV)を算出すると共に、操舵補助指令値IM *の絶対値に摩擦係数ゲインKf を乗算して、動力伝達部や電動モータの摩擦が操舵力に影響することを排除するため摩擦補償制御用の摩擦補償値If (=Kf ・IM *)を算出する。ここで、摩擦補償値If の符号は操舵トルクTsの符号とこの操舵トルクTsにより操舵の切り増し/切り戻しを判定する操舵方向信号とに基づいて決定する。
次いで、ステップS10に移行して、操舵トルクTsを微分演算処理してアシスト特性不感帯での安定性確保、静摩擦の補償を行うセンタ応答性改善指令値Irを算出し、次いでステップS11に移行して、算出した慣性補償値Ii 、摩擦補償値If 及びセンタ応答性改善指令値Irを操舵補助指令値IM *に加算して操舵補助補償値IM *′(=IM *+Ii +If +Ir)を算出する。
次いで、ステップS12に移行して、モータ電流検出回路7で検出した電動モータ5へ出力する相電流Imu及びImwを読込み、次いでステップS13に移行して、読込んだ相電流Imu及びImwに基づいて相電流Imvを算出する。
次いで、ステップS14に移行して、ステップS11で算出した操舵補助補償値IM *′とステップS7又はS8で読込んだモータ回転角θM とに基づいて電動モータ4のU相、V相及びW相の目標相電流値Imu* 、Imv* 及びImw* に変換する三相分相処理を行ってからステップS15に移行する。
このステップS15では、ステップS12で読込んだモータ相電流Imu及びImwとステップS13で算出したモータ相電流Imvと上記ステップS14で変換した目標相電流値Imu* 、Imv* 及びImw* とに基づいて両者の偏差にPID処理を行って電流指令値Iut、Ivt及びIwtを算出する電流フィードバック処理を行い、次いでステップS16に移行して、算出した各相の電流指令値Iut、Ivt及びIwtに対応するパルス幅変調(PWM)信号を形成し、これらをFETゲート駆動回路22へ出力してから前記ステップS1に戻る。
この図4の操舵補助制御処理がモータ制御手段に対応し、このうちステップS5乃至S7の処理が選択手段に対応している。
また、モータ回転角異常検出処理は、図6に示すように、所定時間(例えば10msec)毎のタイマ割込処理として実行され、先ず、ステップS21で、図示しないモータ回転角算出処理で算出された正弦波sinθ及び余弦波cosθを読込み、次いでステップS22に移行して、正弦波sinθ及び余弦波cosθに基づいて異常判定用マップを参照して正弦波sinθ及び余弦波cosθの組み合わせが正常であるか異常であるかを判定する。ここで、異常判定用マップは、図7に示すように、横軸にsinθを、縦軸にcosθを夫々とった構成を有し、原点G(0,0)を中心に3つの同心円及び2つの四角形が表示されている。先ず、3つの同心円について説明すると、一番内側は(sinθ)2+(cosθ)2=Pmin、真ん中は(sinθ)2+(cosθ)2=1、一番外側は(sinθ)2+(cosθ)2=Pmaxの円が表示されている。大きな四角形αは一辺が2・Pmaxの正方形であり、小さな四角形βは一辺が2(Pmin/√2)の四角形である。ここで、正常領域とは大きな四角形αと小さな四角形βに囲まれた斜線部の範囲を示し、それ以外の領域は異常範囲を示す。なお、上述した判定基準のPmin及びPmaxは検出の精度やモータの極数などの影響を考慮して、PmaxとPminとにより異常検出精度を調整できる。このPmax及びPminを適切に設定することにより、モータ駆動中の故障やレゾルバ18の異常を検出することができる。そして、(sinθ)2+(cosθ)2=1は通常の正常の判定基準であり、(sinθ)2+(cosθ)2=Pmin及び(sinθ)2+(cosθ)2=PmaxはPmin<(sinθ)2+(cosθ)2<Pmaxの正常範囲を示すためのものであり、通常の正常の判定基準より広いことになる。
次いで、ステップS22の判定結果が、sinθ及びcosθが正常である場合にはステップS23に移行して、異常判定フラグFAを正常であることを示す“0”にリセットしてからタイマ割込処理を終了し、sinθ及びcosθが異常である場合にはステップS24に移行して、異常判定フラグFAを異常であることを示す“1”にセットしてからタイマ割込処理を終了する。このように、異常判定用マップを使用して、sinθ及びcosθが正常であるか異常であるかを判定することにより、(sinθ)2+(cosθ)2=1を判定するための(sinθ)2+(cosθ)2の演算を行う必要がなく、マイクロコンピュータ30の処理負荷を大幅に軽減することができると共に、判定時間を大幅に短縮することができる。
この図6の処理がモータ回転角異常検出手段に対応している。
さらに、モータ回転角推定処理は、所定時間(例えば1msec)毎のタイマ割込処理として実行され、先ず、ステップS31で、車速センサ33で検出した車速検出値Vs及び前記操舵補助制御処理で算出した操舵トルクTsを読込み、次いでステップS32に移行して、読込んだ操舵トルクTsが保舵時に生じる振動を生じているか否かを判定し、操舵トルクTsに保舵時の振動を生じていない場合には、ステップS33に移行して、後述するモータ回転角推定用ゲインKmを比較的大きいKmLに設定してからステップS35に移行し、操舵トルクTsに保舵時の振動が生じている場合には、ステップS34に移行して、後述するモータ回転角推定用ゲインKmを比較的小さい値KmSに設定してからステップS35に移行する。
このステップS35では、読込んだ操舵トルクTsを含むそれ以前の所定数(例えば32個)分の操舵トルクTsの平均値TsMを算出する平均化処理を行ってからステップS36に移行する。
このステップS36では、上記ステップS35で算出される操舵トルク平均値TsMが予め設定された操舵補助制御における不感帯即ち電動パワーステアリング機構の例えば減速機効率、ラックアンドピニオン効率等の機械的な不感帯を含む設定によって求められた電動パワーステアリング機構における不感帯内であるか否かを判定し、不感帯内であるときにはステップS37に移行し、操舵トルク平均値TsMを“0”に変更してからステップS38に移行し、不感帯外であるときにはそのままステップS38に移行する。
このステップS38では、ステップS35で算出した操舵トルク平均値TsM又はステップS7で変更した操舵トルク平均値TsMでなる現在の操舵トルク平均値TsM(n)と前回のサンプリング時の操舵トルク平均値TsM(n-1)との変化量ΔTが予め設定した上限値ΔTUを超えているか否かを判定し、ΔT>ΔTUであるときには変化量ΔTが大き過ぎるものと判断してステップS39に移行し、前回の操舵トルク平均値TsM(n-1)に上限値ΔTUを加算した値を現在の操舵トルク平均値TsM(n)として設定してからステップS40に移行し、ΔT≦ΔTUであるときには変化量ΔTが許容範囲内であるものと判断してそのままステップS40移行する。
このステップS38及びS39の処理は、変化量ΔTを制限するリミッタ処理であるが、この場合の上限値ΔTuは、所定値でも、車速Vsに応じて最適な値を適用するようにしてもよい。
このステップS40では、ステップS31で読込んだ車速検出値Vsが低車速と高車速とを判断する予め設定した車速閾値VsTH未満であるか否かを判定し、Vs<VsTHであるときには停止状態を含む低車速状態であるものと判断してステップS41に移行し、下記(1)式の演算を行ってモータ回転角変化量ΔθMを算出してからステップS43に移行する。
ΔθM=TsM(n)・Km/212 …………(1)
一方、ステップS40の判定結果が、Vs≧VsTHであるときには、高車速走行状態であると判断してステップS42に移行し、操舵追従性を重視して、下記(2)式の演算を行ってモータ回転角変化量ΔθMを算出してからステップS43に移行する。
ΔθM=(TsM(n)・K/210+TsPH+Ts′)・Km/212 …………(2)
ここで、Kは定数、Kmは前述したステップS33で設定されるモータ回転角推定用ゲイン、TsPHは操舵トルクTsを位相補償した値、Ts′は操舵トルクTsを微分してステアリングの中立点付近における制御の応答性を高めるセンタ応答性改善値である。
ステップS43では、ステップS41又はステップS42で算出したモータ回転角変化量ΔθMと前回のサンプリング時に算出したモータ回転角推定値θMP(n-1)とを加算して、今回のモータ回転角推定値θMP(n)を算出してからステップS44に移行する。
このステップS44では、モータ回転角推定値θMP(n)を例えば12bitの電気角0〜4096に変換してマイクロコンピュータ30に内蔵されたRAMの所定記憶領域に記憶してからタイマ割込処理を終了する。
この図8の処理がモータ回転角推定手段に対応し、このうちステップS32〜S39の処理が入力値前処理手段に対応し、このうちステップS35の処理がノイズ除去処理部に対応し、ステップS36〜S37の処理が不感帯除去部に対応し、ステップS38及びS39の処理がリミッタ部に対応し、ステップS40〜S42の処理が進角演算部に対応し、ステップS43の処理が電気角演算部に対応している。
そして、図8のモータ回転角推定処理を機能ブロック図で表すと図9に示すように構成される。
なお、モータ回転角推定用ゲインKmは一定値でもよいが、車速Vsに応じて変更するようにしてもよく、このために車速Vsに基づいてモータ回転角推定演算のゲイン等のモータ進角を調整可能なパラメータを変化させるパラメータ設定手段を設けるようにしてもよい。
また、電動モータ5や制御装置3が過熱状態となった場合に電動モータ5への通電量を小さくすることでそれ以上の温度上昇を抑制したり、車速センサ33が異常となったときに固定車速を設定して操舵補助制御を継続する場合で、例えば図5の操舵補助指令値算出マップの傾きは車速が速くなるに従って小さくなることで、固定化されている車速よりも遅い車速域で操舵補助力が小さく制限されてしまう場合のように、操舵補助制御処理における操舵補助力の出力が制限される場合には、モータ回転角推定用ゲインKmも、その出力制限量に応じてモータ進角を調整するように変更することが望ましい。このため、操舵補助力の出力制限状態でその出力制限量に応じてモータ回転角推定演算のゲイン等のモータ進角を調整可能なパラメータを変化させる第2のパラメータ設定手段を設けるようにしてもよい。
次に、上記実施形態の動作を説明する。
今、図3に示すイグニッションスイッチ37をオン状態とすることにより、制御装置3にバッテリ1からの電源が投入されて、制御装置3内のマイクロコンピュータ30で、図4の操舵補助制御処理、図6に示すモータ回転角異常検出処理、図8に示すモータ回転角推定処理及び図示しないモータ回転角算出処理等が実行開始される。
この状態では、マイクロコンピュータ30で実行する図4の操舵補助制御処理では、操舵トルクセンサ17で検出した操舵トルク検出値Tを読込み(ステップS1)、次いで、読込んだ操舵トルク検出値Tから中立トルクT0 を減算して操舵トルクTsを算出し(ステップS2)、次いで車速センサ33から車速検出値Vsを読込み(ステップS3)、操舵トルクTsと車速検出値Vsとに基づいて図5に示す操舵補助指令値算出マップを参照して操舵補助指令値IM *を算出する(ステップS4)。
このとき、レゾルバ18、モータ回転角検出回路32及びA/D変換器35,36が正常であるものとすると、図6のモータ回転角異常検出処理を実行したときに、図示しないモータ回転角算出処理で、モータ回転角検出回路32から入力される正弦波信号(sinωt+sinθ)及び余弦波信号(sinωt+cosθ)とピーク検出パルスPpとに基づいて算出されるsinθ及びcosθを読込み(ステップS21)、読込んだsinθ及びcosθに基づいて図7に示す異常判定マップを参照することにより、sinθ及びcosθで表される点が斜線図示の正常領域内に入ることにより、正常と判断されて異常判定フラグFAが“0”にリセットされる(ステップS23)。
このため、図4の操舵補助制御処理では、異常判定フラグFAが“0”にリセットされているので、ステップS5からステップS6に移行して、モータ回転角算出処理で算出したモータ回転角θMを読込んでからモータ回転角θMを微分してモータ角速度θVを算出し(ステップS8)、算出したモータ角速度θVに基づいて慣性補償制御用の慣性補償値Ii を算出すると共に、摩擦補償制御用の摩擦補償値If を算出し(ステップS9)、さらに操舵トルクTsを微分演算してセンタ応答性改善指令値Ir を算出し(ステップS10)、これら慣性補償値Ii、摩擦補償値If 及びセンタ応答性改善補償値Ir を操舵補助指令値IM *に加算して操舵補助補償値IM *′を算出する(ステップS11)。
この操舵補助補償値IM *′とステップS7又はS8で読込んだモータ回転角θM とに基づいて電動モータ4のU相、V相及びW相の目標相電流値Imu* 、Imv* 及びImw* に変換する三相分相処理を行い(ステップS14)、算出した目標相電流値Imu* 、Imv* 及びImw*と検出したモータ相電流Imu、Imv及びImwとに基づいて電流フィードバック処理を行って電動モータ5の各相の電流指令値Iut、Ivt及びIwtを算出し(ステップS15)、これら各相電流指令値Iut、Ivt及びIwtに基づくパルス幅変調信号をFETゲート駆動回路22に出力することにより(ステップS16)、このFETゲート駆動回路22で、モータ駆動回路6の電界効果トランジスタQua〜Qwbをパルス幅変調制御することにより、モータ駆動回路6から電動モータ5に三相駆動電流を供給して、この電動モータ5でステアリングホイール11に作用された操舵トルクに応じた方向の操舵補助力を発生させ、これを減速ギヤ13を介して出力軸12に伝達する。
このとき、車両が停車している状態でステアリングホイール11を操舵する所謂据え切り状態では、車速Vsが零であって、図5に示す操舵補助指令値算出マップの特性線の勾配が大きいことにより、小さい操舵トルクTsで大きな操舵補助指令値IM *を算出するので、電動モータ5で大きな操舵補助力を発生して軽い操舵を行うことができる。
この車両の停車状態から車両を発進させて走行状態とし、この状態でステアリングホイール11を操舵する通常操舵状態では、車速の増加に応じて必要とする操舵補助トルクが小さくなることから、ステアリングホイール11に伝達される操舵トルクも小さい値となり、これが操舵トルクセンサ17で検出されてマイクロコンピュータ30に入力される。このため、操舵補助指令値IM *も小さい値となり、電動モータ5で発生される操舵補助トルクは据切り時の操舵補助トルクに比較して小さくなる。
ところが、例えば車両が走行している状態で、レゾルバ18、モータ回転角検出回路32及びA/D変換器35,36のモータ回転角検出系に断線、ショート、地絡、天絡等の異常が発生すると、モータ回転角検出回路32からマイクロコンピュータ30に入力される正弦波信号(sinωt+sinθ)及び余弦波信号(sinωt+cosθ)が異常となり、これらとピーク検出パルスPpとに基づいて図示しないモータ回転角算出処理で算出されるsinθ及びcosθとの組み合わせが異常となって、これらに基づいて図7に示す異常判定マップを参照したときに、sinθ及びcosθで表される点が斜線図示の正常領域外となり、直ちに異常判定フラグFAが“1”にセットされる。
このため、図4の操舵補助制御処理で、ステップS5に移行したときに、ステップS7に移行して、モータ回転角推定処理で算出されるモータ回転角推定値θMPを読込み、これをモータ回転角θMとして設定する。
このとき、図8のモータ回転角推定処理では、タイマ割込処理によって、所定時間毎に車速検出値Vs及び操舵トルクTsを読込み、読込んだ操舵トルクTsが保舵時に生じる振動状態であるか否かを判定し、保舵時に生じる振動がないときには、保舵状態ではないものと判断して、比較的大きなモータ回転角推定用ゲインKmLをモータ回転角推定用ゲインKmとして設定し(ステップS33)、次いで、今回読込んだ操舵トルクTsを含む過去の所定数の操舵トルクTs(n)〜Ts(n-31)を平均化処理して操舵トルク平均値TsM(n)を算出する(ステップS35)。この平均化処理を行うことにより、操舵トルクセンサ17から出力される操舵トルクTをA/D変換器31でデジタル信号に変換した際に生じる数LSBのバタつきがノイズ成分として使用されることを確実に防止することができる。
そして、算出した操舵トルク平均値TsM(n)が不感帯内であるか否かを判定し(ステップS36)、不感帯内にあるときには操舵トルク平均値TsM(n)を“0”に設定して、運転者が意図しない時に不用意に電動モータ5が回転駆動されることを確実に防止する。
一方、操舵トルク平均値TsM(n)が不感帯外であるときには、そのままステップS38に移行する。
そして、算出される操舵トルク平均値TsM(n)の前回サンプリング時の操舵トルク平均値TsM(n-1)との変化量ΔTを算出し、算出した変化量ΔTが予め設定した上限値ΔTuを超えたか否かを判定し(ステップS38)、ΔT>ΔTuであるときには、変化量が大き過ぎるものと判断して前回サンプリング時の操舵トルク平均値TsM(n-1)に上限値ΔTuを加算した値を今回の操舵トルク平均値TsM(n)として設定し、ΔT≦ΔTuであるときにはそのまま操舵トルク平均値TsM(n)を使用する。このステップS38及びS39の処理によって、操舵トルク平均値TsM(n)の変化量が大きいときには、変化量を上限値ΔTuに制限することにより、急激な操舵トルクTの立ち上がり時にモータ回転角推定値θMPの急変を制限することができる。
その後、車速検出値Vsが所定閾値VsTH未満であるか否かを判定し(ステップS40)、このときVs<VsTHである低速走行状態又は停止状態では、算出した操舵トルク平均値TsM(n)をゲイン倍(TsM(n)・Km/212)し、モータ回転角変化量ΔθMとして設定する。
そして、設定されたモータ回転角変化量ΔθMを前回のサンプリング時のモータ回転角推定値θMP(n-1)に加算することにより、今回のモータ回転角推定値θMPを算出し、これを12bitの電気角(0〜4096)に変換してマイクロコンピュータ30に内蔵するRAMの所定記憶領域に更新記憶する。
このため、図4の操舵補助制御処理では、ステップS5からステップS7に移行して、モータ回転角推定値θMP(n)を読込み、このモータ回転角推定値θMP(n)に基づいて慣性補償値Iiを算出すると共に、三相分相処理を行って目標相電流値Imu* 、Imv* 及びImw*を算出し、これらと電流検出回路7で検出したモータ電流Imu、Imv及びこれらに基づいて算出したImwとで電流フィードバック処理を行って電流指令値Iut、Ivt及びIwtを算出し、これらをパルス幅変調信号に変換してFETゲート駆動回路22に出力することにより、モータ回転角検出系が異常となっても略正確に操舵トルクTに応じた操舵補助制御を継続することができる。
このように、操舵トルクTsに基づいてモータ回転角推定値θMPを算出し、このモータ回転角推定値θMPに基づいてモータ回転角検出系が異常となった後も操舵補助を継続することができる理由は以下の通りである。
すなわち、ブラシレスモータのロータとステータとの磁界ベクトル相対角誤差とロータに発生するエネルギーの絶対値の関係は、図10に示すようになる。
制御角度(=ステータの磁界ベクトルの向き)とロータの磁界ベクトルの方向とがずれると、その分だけトルクが発生する。このときに発生するトルクは、電動モータ5に通電する電流量に比例する。
基本的なこととして、ある程度の電流を通させながら制御角度を操舵トルクの方向に回転させることで電動モータ5を操舵トルクの方向に回転させることが可能である(操舵トルクの方向・モータ回転方向・ラック軸動作方向が全て同一とする)。
このとき、モータ5の回転角度がステアリングホイール11に追従してこない場合、即ち電流量が足りていない場合には、ステアリングホイール11と電動モータ5との間に角度誤差が発生することになる。
この角度誤差(変位)がトルクであり、その量は操舵トルクセンサ17によって検出される。これは正常に電動パワーステアリング制御装置が操舵補助制御を行っている場合でも、操舵転追性以上の操舵速度で操舵された場合、電動モータ5で発生する操舵補助トルクが追いつかない区間即ち図11に示す電動パワーステアリング装置のブロック線図におけるフィードバック量Qcが小さい場合には、操舵トルクが増加し、フィードバック制御により操舵補助制御のための電流を一相大きくすることと同じである。
このように、操舵補助力が不足することで発生したトルクについては、元々電動パワーステアリング制御装置は操舵トルク量に応じて電流を通電させようと電流指令値を増加させるので、ロータは制御角度にあわせ、運転者の意図する操舵方向へ回転させることができる。逆方向に電動モータ5を回転させる場合は、トルクの方向が反転するので、上記と同様の作用が得られる。
この原理を応用して、本実施形態では、上述したように図8のモータ回転角推定処理で、電気角を代替的に求め制御角度を算出することで操舵補助制御の延命を図ることができる。
そして、車両が低速(例えば10Km/h以下)で走行しているか又は停止している状態では、特に据え切り操舵を行った場合には、操舵転追性を求める必要性がないので、操舵トルクTsの微分値を加算する必要はなく、上述したように、操舵トルク平均値TsM(n)を算出してゲイン倍(TsM(n)・Km/210)し、これをモータ回転角変化量ΔθMとして設定すれば、モータ回転角検出系に異常が発生しても十分な操舵補助制御を継続することができる。
ところが、車両が所定閾値VsTHを超える車速Vsで高速走行している場合には、円旋回、8の字走行、スラローム走行、クランク路走行などを行っている場合があり、それなりの操舵転追性を求められるので、図8のモータ回転角推定処理では、ステップS40からステップS42に移行して、前記(2)式に従ってモータ回転角変化量ΔθMを算出する。このときのモータ回転角変量ΔθMは、操舵トルク平均値TsM(n)を定数倍した値(即ち操舵トルク平均値TM(n)に210(=1024)以下の定数Kを乗じた値)に位相補償値TsPH及び操舵トルクを微分してセンタ応答性を改善するセンタ応答性改善値Ts′を加算した値をゲイン倍した値(即ち2-12(=1/4096)以下の車両特性等を考慮したモータ回転角推定用ゲインKmを乗算した値)とすることにより、円旋回、8の字走行、スラローム走行、クランク路走行などでの操舵転追性を確保できる進角する角度ΔθMを算出し、これを前回のサンプリング時のモータ電気角推定値θMP(n-1)に加算して今回のモータ電気角推定値θMP(n)を算出する。
一方、車両が定常円旋回を行っていて、ステアリングホイール11を所定角度に保持している保舵状態である場合及びラックピニオン機構14のラック軸が左右の作動限界を表すストッパに当接した場合には、操舵トルクTsが振動することになる。このため、この操舵トルクTsの振動が図8のモータ回転角推定処理で検出されると、ステップS32からステップS34に移行して、モータ回転角推定用ゲインKmとして小さい値のゲインKmSが設定されると共に、前記(1)式及び(2)式の何れもゲイン倍(Km/212)を行っているので、ステップS42で算出されるモータ回転角変化量ΔθM即ち進角量が小さい値となり、発生される操舵補助力も小さい値に抑制されるので、保舵状態及びラック軸が左右のストッパに当接している作動限界位置にある場合に発生する操舵トルクTsの振動を抑制することができる。
次に、本発明の第2の実施形態を図12について説明する。
この第2の実施形態では、ステアリングホイール11の操舵角を検出することにより、ラック軸が左右のストッパに当接している作動限界位置にあるか否かを検出して、モータ回転角推定値を補正するようにしたものである。
すなわち、第2の実施形態においては、図12に示すように、ステアリングシャフト12にステアリングホイール11の操舵角φを検出する操舵角センサ41を設け、この操舵角センサ41で検出した操舵角φがマイクロコンピュータ30に入力されると共に、マイクロコンピュータ30で実行する図8のモータ回転角推定処理が図13に示すように変更されていることを除いては第1の実施形態と同様の構成を有する。
マイクロコンピュータ30で実行するモータ回転角推定処理は、図13に示すように、前述した第1の実施形態における図8の処理において、ステップS41又はステップS42でモータ回転角変化量ΔθMを算出した後に、ステップS50に移行して、モータ回転位置推定値補正処理を行ってから前記ステップS43に移行するように変更されている。
このモータ回転角推定値補正処理は、図14に示すように、先ず、ステップS51で、操舵角センサ41で検出した操舵角φを読込み、次いでステップS52に移行して、後述する左側限界位置フラグFLLが“1”にセットされているか否かを判定し、これが“0”にリセットされているときにはステップS53に移行して、後述する右側限界位置フラグFLRが“1”にセットされているか否かを判定し、これが“0”にリセットされているときちはステップS54に移行する。
このステップS54では、読込んだ操舵角φが予め設定したピニオンラック機構14のラック軸が左側のストッパに当接する作動限界位置を表す左側限界操舵角φLに達したか否かを判定し、操舵角φが限界操舵角φLに達したときにはステップS55に移行して、モータ回転角変化量ΔθMを零に設定し、次いでステップS56に移行して、左側限界到達フラグFLLを“1”にセットしてから図13の前記ステップS43に移行し、操舵角φが限界操舵角φLに達していないときにはステップS57に移行して、限界到達フラグFLLを“0”にリセットしてからステップS58に移行する。
このステップS58では、操舵角φが限界操舵角φRに達したか否かを判定し、操舵角φが限界操舵角φRに達したときにはステップS59に移行して、モータ回転角変化量ΔθMを零に設定してからステップS60に移行し、限界到達フラグFLRを“1”にセットしてから前記ステップS43に移行し、操舵角φが限界操舵角φRに達していないときにはステップS61に移行して、限界到達フラグFLRを“0”にリセットしてから処理を終了して図13の前記ステップS43に移行する。
一方、ステップS51の判定結果が、左側限界到達フラグFLLが“1”にセットされているとき又はステップS52の判定結果が、右側限界到達フラグFLRが“1”にセットされているときにはステップS62に移行して、操舵角φが中立位置側に復帰する方向に変化したか否かを判定し、中立位置側に復帰していないときにはステップS63に移行して、モータ回転角変化量ΔθMを“0”に設定して処理を終了してから図13のステップS43に移行し、中立位置側に復帰している場合にはステップS64に移行して、限界位置フラグFLL及びFLRを夫々“0”にリセットしてから処理を終了して図13のステップS43に移行する。
この第2の実施形態によると、限界位置フラグFLL及びFLRが“0”にリセットされているときには、前述した第1の実施形態と同様に、ステップS31〜ステップS42の処理で、モータ回転角変化量ΔθMを推定して、モータ回転角推定値θMP(n)を算出することができるが、ステアリングホイール11を操舵中に、ピニオンラック機構14のラック軸が左(又は右)のストッパに当接して、ステアリングホイール11のそれ以上の回転が阻止される状態となると、操舵角センサ41で検出した操舵角φが左側限界操舵角φL(又は右側限界操舵角φR)に達することになり、ステップS54からステップS55に移行して(又はステップS58からステップS59に移行して)、モータ回転角変化量ΔθMが“0”に設定され、限界位置フラグFLL(又はFLR)が“1”にセットされることになり、このため、図13のステップS43で算出されるモータ回転角推定値θMP(n)が前回のサンプリング時の回転角推定値θMP(n-1)を維持することにより、電動モータ5の進角が行われず、電動モータ5が停止状態となる。
このステアリングホイール11が操舵限界位置にある状態を継続すると、限界位置フラグFLL(又はFLR)が“1”にセットされていることにより、ステップS52(又はステップS53)からステップS62に移行して、ステアリングホイール11が中立位置側に操舵されずに、限界位置を保持する場合には、ステップS63に移行して、モータ回転角変化量ΔθMが“0”に設定されるので、電動モータ5の進角が行われない状態が継続される。
この電動モータ5の進角が行われない状態から、ステアリングホイール11を中立位置方向に戻すと、図14の処理において、ステップS62からステップS64に移行して、限界位置フラグFLL及びFLRを“0”にリセットすることにより、電動モータ5の進角が行われない状態が解除されて、通常の電動モータ5の駆動状態に復帰する。
このように、上記第2の実施形態によると、ステアリングホイール11が操舵限界位置に達したときに、電動モータ5の進角が停止されることにより、操舵トルクTsに振動が発生することを確実に阻止されることになり、運転者に違和感を与えることを確実に防止することができる。
なお、上記第2の実施形態においては、操舵角φが限界操舵角φL又はφRに達したときに、図14に示すモータ回転角推定値補正処理でモータ回転角変化量ΔθMを“0”に補正する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサと、車両の4輪の車輪速を検出する車輪速センサとを設け、ヨーレートセンサで検出したヨーレートψと各車輪速センサで検出した車輪速に基づいて算出したヨーレート推定値ψPとの夫々が予め設定された正常範囲内にあるときにのみモータ回転角変化量ΔθMの補正を行うようにしてもよく、この場合も、ヨーレートが大きい場合には、モータ回転角変化量ΔθMを“0”として電動モータ5の進角を停止させることで、操舵トルクTsに振動が発生することを阻止し、運転者に違和感を与えることを確実に防止することができる。
また、例えば車両のスタビリティファクタKsや、前後の荷重移動量等に基づいて車両のオーバーステア状態を検出するオーバーステア状態検出部を設け、車両がオーバーステア状態であるときにモータ回転角変化量ΔθMの補正を行って、モータ回転角変化量ΔθMを“0”として電動モータ5の進角が停止することで、安定走行を確保し、運転者に違和感を与えることを確実に防止することができる。
さらに、ヨーレートセンサ、車速センサ、横加速度センサ等の車両の運動状態量を検出する運動状態量検出手段を設けると共に、この運動状態量検出手段で検出した運動状態量から操舵角が操舵系の作動限界に達したか否かを判定する作動限界判定手段を設け、この作動限界判定手段の判定結果が、作動限界に達したときに、モータ回転角変化量ΔθMを“0”として、直前のモータ回転角推定値を維持し電動モータ5の進角を停止させることで、操舵トルクTsに振動が発生することを阻止し、運転者に違和感を与えることを確実に防止することができる。
次に、本発明の第3の実施形態を図15について説明する。
この第3の実施形態では、車両のヨーレートを検出することにより、車両のスピン状態で操舵補助が助長されることを防止するようにしたものである。
すなわち、第3の実施形態では、図15に示すように、上述した第2の実施形態における操舵角センサ41に代えて車両のヨーレートを検出するヨーレート検出手段としてのヨーレートセンサ51を備え、このヨーレートセンサ51で検出したヨーレートψがA/D変換器52を介してマイクロコンピュータ30に入力されると共に、マイクロコンピュータ30で実行される図13のステップS50におけるモータ回転角推定値補正処理が図16に示すように変更されている。
このモータ回転角推定値補正処理は、先ず、ステップS71で、後述するスピン状態フラグFSPが“1”にセットされているか否かを判定し、スピン状態フラグFSPが“0”にリセットされているときにはステップS72に移行して、ヨーレートセンサ51で検出したヨーレートψを読込み、次いでステップS73に移行して、ヨーレートψの絶対値|ψ|が予め設定した限界閾値ψTHを超えているか否かを判定し、|ψ|≦ψTHであるときには、ステップS74に移行して、スピン状態フラグFSPを“0”にリセットしてから処理を終了して図13の前記ステップS43に移行し、|ψ|>ψTHであるときにはステップS75に移行して、モータ回転角変化量ΔθMを零に設定してからステップS76に移行して、スピン状態フラグFSPを“1”にセットしてから処理を終了して図13のステップS43に移行する。
また、前記ステップS71の判定結果が、スピン状態フラグFSPが“1”にセットされているときには、ステップS77に移行して、モータ回転角変化量ΔθMが中立位置方向に戻っているか否かを判定し、中立方向に戻っていないときにはステップS78に移行して、モータ回転角変化量ΔθMを“0”に設定してから処理を終了して図13のステップS43に戻り、中立方向に戻っているときにはステップS79に移行して、スピン状態フラグFSPを“0”にリセットしてから処理を終了して図13のステップS43に移行する。
この第3の実施形態においては、モータ回転角検出系が異常となったときに、図13に示すモータ回転角推定処理におけるステップS41又はステップS42でモータ回転角変化量ΔθM(n)を算出したときに、ステップS50に移行して、図16に示すモータ回転角推定値補正処理を実行する。
このモータ回転角推定値補正処理では、ヨーレートセンサ51で検出したヨーレートψを読込み(ステップS62)、車両が通常旋回走行を行っていて、読込んだヨーレートψが小さい場合には、|ψ|≦ψTHとなるので、ステップS64に移行してスピン状態フラグFSPを“0”にリセットしてからステップS43に移行することにより、前述した第1及び第2の実施形態と同様に、ステップS41又はステップS42で算出されたモータ回転角変化量ΔθMを前回サンプリング時のモータ回転角推定値θMP(n-1)に加算して今回のモータ回転角推定値θMP(n)を算出し、これに基づいて操舵補助制御が継続される。
ところが、ステアリングホイール11の操舵角速度が大きくなるか又は車速Vsが増加することにより、車両に発生するヨーレートψが大きくなって、スピン状態となると、ヨーレートψの絶対値|ψ|が所定閾値ψTHより大きくなって、ステップS63からステップS65に移行して、モータ回転角変化量ΔθMが零に設定されていることにより、前述した第2の実施形態と同様に、電動モータ5の進角が停止されることにより、電動モータ5が停止する。このため、車両のスピン方向への切り増し方向には操舵が重くなるが、この車両のスピン状態では、通常スピン状態を脱するために、ステアリングホイール11を中立方向に戻すことになる。このため、ステップS71からステップS77を経てステップS79に移行して、スピン状態フラグFSPを“0”にリセットしてから図13のステップS43に移行することになり、モータ回転角変化量ΔθMが“0”に補正されない状態に復帰するので、そのときの操舵トルクTsの方向に応じてスピンを解消する方向の操舵補助力を発生することが可能となる。
このように、上記第3の実施形態によれば、車両がスピン状態に陥ったときには、モータ回転角推定値θMP(n)の増加を補正することにより電動モータ5の進角を停止して、電動モータ5を停止状態とすることにより、スピン状態が助長されることを確実に回避して、安全走行を行うことができると共に、ステアリングホイール11がスピン状態を回避するために中立位置方向に操舵されたときに、電動モータ5の進角停止状態が直ちに解除されて、スピン状態を回避するための操舵補助力を発生することができる。
なお、上記第3の実施形態においては、車両に発生するヨーレートをヨーレートセンサ51で検出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ヨーレートセンサ51を省略して、車両の4輪の車輪速を検出する車輪速センサを設け、各車輪速センサで検出した車輪速に基づいてヨーレートを算出するようにしてもよい。
また、上記第3の実施形態においては、ヨーレートψの絶対値|ψ|が設定閾値ψTHを超えたときに、モータ回転角推定値θMP(n)の増加を補正する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、車両の4輪に車輪速センサを設け、各車輪速センサで検出される各輪の車輪速に基づいて車両のヨーレートを推定し、推定したヨーレート推定値ψPとヨーレートセンサ51で検出したヨーレートψとの偏差Δψを算出し、算出した偏差Δψが所定閾値ΔψTH以上であるときにはヨーレートセンサ51に異常が発生しているものと判断して、図16に示すモータ回転角推定値補正処理の実行を停止させるフェールセーフ機能を付加するようにしてもよい。同様に、ヨーレートψを4輪の車輪速センサの車輪速検出値に基づいて算出している場合には、別途ヨーレートセンサを設けることにより、両者で検出したヨーレートの偏差Δψが所定設定値ΔψTH以上であるときにはヨーレート検出異常と判断して、図16に示すモータ回転角推定値補正処理の実行を停止させるフェールセーフ機能を付加するようにしてもよい。
さらに、例えば車両のスタビリティファクタKsや、前後の荷重移動量等に基づいて車両のオーバーステア状態を検出するオーバーステア状態検出部を設け、車両がオーバーステア状態であるときにモータ回転角変化量ΔθMの補正を行って、モータ回転角変化量ΔθMを“0”として電動モータ5の進角が停止することで、安定走行を確保し、運転者に違和感を与えることを確実に防止することができる。
さらに、ヨーレートセンサ、車速センサ、横加速度センサ等の車両の運動状態量を検出する運動状態量検出手段を設けると共に、この運動状態量検出手段で検出した運動状態量から操舵角が操舵系の作動限界に達したか否かを判定する作動限界判定手段を設け、この作動限界判定手段の判定結果が、作動限界に達したときに、モータ回転角変化量ΔθMを“0”として、直前のモータ回転角推定値を維持し電動モータ5の進角を停止させることで、操舵トルクTsに振動が発生することを阻止し、運転者に違和感を与えることを確実に防止することができる。
さらにまた、上記第1〜第3の実施形態においては、レゾルバ18及びモータ回転角検出回路32を含むモータ回転角検出系の異常を、sinθ及びcosθに基づいて異常判定マップを参照して検出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、sinθ系とcosθ系とがショートしたときには、sin2θ+cos2θ=1であることを利用して、ショートを検出するようにしてもよく、この場合には、sinθとcosθとは互いに同じ値となりながら一定の範囲で振幅が変化し、電気角45度のときに最大、225度のときに最小となるので、これら最大及び最小のピークを監視して、電気角45度及び225度にモータ回転角推定値θMP(n)を補正するようにしてもよい。
また、上記第1〜第3の実施形態においては、sinθ及びcosθをマイクロコンピュータ30で実行するモータ回転角算出処理で算出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、モータ回転角検出回路32内でsinθ及びcosθを算出するようにしてもよく、さらにはモータ回転角検出手段としてレゾルバ18に代えて例えば、特開平2004−20548号公報に記載されているように、電動モータ5の軸受内にエンコーダを構成する永久磁石をその中心を通過する仮想平面によりS極とN極とが均等に2分割される様に着磁し、このエンコーダのS極及びN極と対向して90度位相がずれた位置に磁気センサを設け、これら磁気センサからsinθ及びcosθを出力する回転状態検出装置を適用するようにしてもよい。このように、モータ回転検出手段からsinθ及びcosθが例えば電圧として出力される場合には、マイクロコンピュータ30でsinθ及びcosθの振幅が予め設定した範囲内であるか否かを判定することにより、sinθ及びcosθの何れか一方の振幅が設定範囲外となったときに、sinθ又はcosθの系統に地絡異常又は天絡異常が発生したものと判断するようにしてもよい。この場合、仮にcosθの系統が正常であるものとすると、sinθ及びcosθの座標系においては、cosθが最大値となる角度は0度であり、最小値となる角度は180度、中央である場合は90度又は270度であることを利用して、cosθが最大値となったときにモータ回転角推定値θMP(n)を“0”に補正するようにしてもよい。この場合の最大値の検出は、ピーク検出処理又はピーク検出回路を適用するようにしてもよいが、ピーク値が予め分かっている場合にはそのピーク値に達したか否かを判定することにより最大値を検出することができ、このピーク値が温度などの影響を受ける場合には、例えば0度及び180度のピーク値は異常となる直前の値をピーク値として設定するようにしてもよい。
このように、sinθ及びcosθの何れか一方が異常となった場合には、正常な信号のピーク値を監視して、そのピーク値となった時点の角度をモータ回転角推定値θMP(n)の補正値として採用することもできる。
また、モータの回転位置検出手段として、図17に示すように、通常の三相ブラシレスモータに設けられるU相、V相及びW相の極位置を検出するホールセンサ等の3つの極位置センサ71u、71v及び71wを適用する場合には、これら極位置センサ71u、71v及び71wから出力される相検出信号SU、SV及びSWが図18に示すように120度の位相差を有することから、これら相検出信号SU、SV及びSWに基づいて異常となった1つの極位置センサ71i(i=u、v、w)を検出することができる。
すなわち、各相検出信号SU、SV及びSWのオンオフ状態で表される通電状態は図18の最下段に示すように1から6までの通電状態を繰り返している。
この状態で、例えばU相の極位置センサ71uがハイレベルで固着した場合には、図19に示すように、オンオフ状態で表される通電状態が“4”、“5”及び“6”と新たなU相検出信号がハイレベル、V相検出信号がハイレベル、W相検出信号がハイレベルとなる通電状態“7”とが所定の順序で繰り返されることになり、通電状態“7”となったところで、異常を検出することができるが、本来U相検出信号がハイレベルとなる0度〜180度の範囲では、正常時とパターンが変わらない。ここで、通電状態“4”は0度〜360度の範囲で、1度だけ現れる一意な通電状態であり、この通電状態“4”は通電状態“5”又は“6”となるエッジ部では正しく角度を読み取ることができる。同様に、V相検出信号及びW相検出信号がハイレベルで固着した場合には、夫々通電状態“2”及び“1”が一意に角度を検出できる領域として存在し、同様に角度を正しく認識できる点が存在する。
また、U相検出信号がローレベルで固着した場合も同様に、図20に示すように、本来U相出力がローレベルとなる領域(180〜360度)で正常に角度の検出が可能であり、通電状態“3”の部分は0〜360度の範囲で一意であり、これが通電状態“2”及び“1”となるエッジ部で正しく角度を読み取ることができる。さらに、V相検出信号及びW相検出信号がハイレベルで固着した場合には、夫々通電状態“5”及び“6”が一意に角度を検出できる領域として存在し、同様に角度を正しく認識できる点が存在する。
以上により、モータ極位置を含む回転体の回転を検出する極位置センサ71u〜71wの異常を通電状態“7”又は“0”を検出することにより、認識することができ、通電状態“7”で異常を検出した場合には、通電状態“1”、“2”及び“4”を認識すれば、その切り換わりエッジで正常な角度の補正が可能であり、通電状態“0”で異常を検出した場合には、通電状態“3”、“5”及び“6”を認識すれば、その切り換わりエッジで正常な角度の補正が可能である。
なおさらに、前述した第1〜第3の実施形態で算出したモータ回転角推定値θMP(n)の補正を行うには、例えば特願2004−312834号公報に記載されているように、3以上の相を有するブラシレスDCモータの相電圧又は線間電圧を検出する電圧検出回路と、前記モータの電流を検出する電流検出回路と、前記相電圧又は線間電圧と前記電流と前記モータの巻線抵抗値と巻線インダクタンス値とから前記モータの各相逆起電圧を算出する各相逆起電圧検出回路と、前記各相逆起電圧の内の最大値となる逆起電圧を検出してモータのロータの角速度ωを算出する角速度算出部と、ロータの電気角θを算出するロータ位置推定部とを設けることにより、ロータ位置を推定して算出したロータの電気角θに基づいて前記第1〜第3の実施形態で算出したモータ回転角推定値θMP(n)を補正するようにしてもよい。
また、上記第1〜第3の実施形態においては、操舵補助制御をマイクロコンピュータ30を使用して行う場合について説明したが、これに限定されるものではなく、他の演算処理装置を適用することもできる外、演算回路、加算回路、比較回路等を使用するハードウェアで構成することもできる。
さらに、上記第1〜第3の実施形態においては、マイクロコンピュータ30で操舵補助制御処理を実行し、FETゲート駆動回路22でパルス幅制御処理を実行する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、マイクロコンピュータ30で操舵補助制御処理及びパルス幅制御処理の双方を実行するようにし、このマイクロコンピュータ30でインバータ回路21を直接駆動制御するようにしてもよい。
さらにまた、上記第1〜第3の実施形態においては、補正値としてΔθMを“0”に設定する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、モータ回転角推定値θMP(n)の増加量を極めて小さい値に抑制することができる程度の値に設定するようにしてもよい。
なおさらに、上記第1〜第3の実施形態においては、操舵トルクTsを平均化した操舵トルク平均値TsMを使用してモータ回転角変化量ΔθMを算出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、操舵トルクTsそのものを入力値としてモータ回転変化量ΔθMを算出するようにしてもよく、要は操舵トルクTsに基づく値であれば任意の演算値を適用することができる。
また、上記第1〜第3の実施形態においては、車速Vsが低車速であるか高車速であるかによってモータ回転角変化量ΔθMを算出する(1)式及び(2)式を選択する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、(2)式を下記(3)式に変更して、位相補償値TsPH及びセンタ応答性改善値Ts′に乗算する速度ゲインKV1及びKV2を車速Vsが“0”のときに“0”で車速Vsが高くなるほど大きい値とするようにしてもよい。
ΔθM=(TsM(n)・K/210+KV1・TsPH+KV2・Ts′)・Km/212…(3)
本発明の一実施形態を示す概略構成図である。 操舵トルクセンサから出力される操舵トルク検出信号の特性線図である。 図1の制御装置の具体的構成を示すブロック図である。 制御装置のマイクロコンピュータで実行する操舵補助制御処理手順の一例を示すフローチャートである。 操舵補助制御処理で使用する操舵トルクと操舵補助指令値との関係を示す操舵補助指令値算出マップを示す説明図である。 制御装置のマイクロコンピュータで実行するモータ回転角異常検出処理手順の一例を示すフローチャートである。 図6で使用する異常判定マップを示す説明図である。 制御装置のマイクロコンピュータで実行するモータ回転角推定処理を手順の一例を示すフローチャートである。 モータ回転角推定処理手順の機能ブロック図である。 電動モータのロータとステータの磁界ベクトル相対角誤差とロータに発生するエネルギーの絶対値の関係を示す特性線図である。 電動パワーステアリング制御装置のブロック線図である。 本発明の第2の実施形態を示す制御装置の具体例を示すブロック図である。 第2の実施形態における制御装置のマイクロコンピュータで実行するモータ回転角推定処理手順の一例を示すフローチャートである。 図11のモータ回転角推定値補正処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態における制御装置の具体例を示すブロック図である。 第3の実施形態における制御装置のマイクロコンピュータで実行するモータ回転角推定値補正処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態における制御装置の具体例を示すブロック図である。 3相検出信号を示す信号波形図である。 U相検出信号がハイレベル固着したときの信号波形図である。 U相検出信号がローレベル固着したときの信号波形図である。
符号の説明
1…車載バッテリ、3…制御装置、5…電動モータ、6…モータ駆動回路、11…ステアリングホイール、12…ステアリングシャフト、13…減速装置、17…トルクセンサ、18…レゾルバ、21…インバータ回路、22…FETゲート駆動回路、30…マイクロコンピュータ、32…モータ回転角検出回路、33…車速センサ、41…操舵角センサ、51…ヨーレートセンサ、71u〜71w…極位置検出センサ

Claims (19)

  1. 操舵系に対して操舵補助力を発生する電動モータと、該電動モータの回転角を検出するモータ回転角検出手段と、操舵系に伝達される操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、該操舵トルク検出手段で検出した操舵トルクに基づいて操舵補助指令値を算出し、算出した操舵補助指令値及び前記モータ回転角検出手段で検出したモータ回転角とに基づいて前記電動モータを駆動制御するモータ制御手段とを備えた電動パワーステアリング制御装置であって、
    前記モータ回転角検出手段の異常を検出するモータ回転角異常検出手段と、該モータ回転角異常検出手段でモータ回転角検出手段の異常を検出したときに、前記操舵トルク検出手段で検出した操舵トルクを入力値として前記電動モータの回転角を推定するモータ回転角推定手段とを備え、前記モータ駆動手段は、モータ回転角異常検出手段でモータ回転角検出手段の異常を検出していないときに当該回転角検出手段で検出したモータ回転角を選択し、前記モータ回転角異常検出手段で、前記モータ回転角検出手段の異常を検出したときに、前記モータ回転角推定手段で推定したモータ回転角を選択する選択手段を備えていることを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
  2. 操舵系に対して操舵補助力を発生する電動モータと、該電動モータの回転角を検出するモータ回転角検出手段と、操舵系に伝達される操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、該操舵トルク検出手段で検出した操舵トルクに基づいて操舵補助指令値を算出し、算出した操舵補助指令値及び前記モータ回転角検出手段で検出したモータ回転角とに基づいて前記電動モータを駆動制御するモータ制御手段とを備えた電動パワーステアリング制御装置であって、
    前記モータ回転角検出手段の異常を検出するモータ回転角異常検出手段と、該モータ回転角異常検出手段でモータ回転角検出手段の異常を検出したときに、前記操舵トルク検出手段で検出した操舵トルク及び当該操舵トルクを基に算出される演算値の少なくとも一方を入力値として前記電動モータの回転角を推定するモータ回転角推定手段とを備え、前記モータ駆動手段は、モータ回転角異常検出手段でモータ回転角検出手段の異常を検出していないときに当該回転角検出手段で検出したモータ回転角を選択し、前記モータ回転角異常検出手段で、前記モータ回転角検出手段の異常を検出したときに、前記モータ回転角推定手段で推定したモータ回転角を選択する選択手段を備えていることを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
  3. 前記モータ回転角推定手段は、前記入力値を前処理する入力値前処理部と、該前処理部の出力信号に進角ゲインを乗算して電気角変化量を算出する進角演算部と、該進角演算部から出力される電気角変化量と前回サンプリング時の電気角とを加算して電気角を推定する電気角演算部とを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  4. 前記入力値前処理部は、前記入力値に含まれるノイズ成分を除去するノイズ除去処理部と、該ノイズ除去処理部から出力される処理値に含まれるモータ回転角度推定に不要となる操舵補助制御における不感帯を除去する不感帯除去部と、該不感帯除去部の出力値の変化率を制限するリミッタ部とを少なくとも含んで構成されていることを特徴とする請求項3に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  5. 前記入力値前処理部は、車両の車速を検出する車速検出手段を有し、該車速検出手段で検出した車速に基づいて応答性を高める必要性の有無を判定し、高応答性を必要とするときに応答性を向上させる入力値を選択することを特徴とする請求項3又は4に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  6. 前記入力値前処理部は、車両の車速を検出する車速検出手段を有し、該車速検出手段で検出した車速に基づいてモータ回転角推定演算のパラメータを変化させるパラメータ設定手段を有することを特徴とする請求項3乃至5の何れか1項に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  7. 前記入力値前処理部は、前記モータ制御手段が、操舵補助指令値を制限する指令値制限状態となったときに、当該操舵補助指令値の制限量に応じてモータ回転角推定演算のパラメータを変化させる第2のパラメータ設定手段を有することを特徴とする請求項3乃至6の何れか1項に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  8. 前記モータ回転角推定手段は、推定したモータ回転角の誤差が増加する要補正状態であることを検出する要補正状態検出手段と、該要補正状態検出手段で要補正状態を検出したときに前記モータ回転角推定値を補正する推定値補正手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の電動パワーステアリング制御装置。
  9. 前記要補正状態検出手段は、前記操舵系の操舵角を検出する操舵角検出手段で構成され、前記推定値補正手段は、前記操舵角検出手段で検出した操舵角が当該操舵系の作動限界に達したときに直前のモータ回転角推定値を維持する補正を行い、当該補正を前記操舵角が中立位置側に戻ると判断されるまで継続するように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  10. 前記要補正状態検出手段は、前記操舵系の操舵角を検出する操舵角検出手段、車両のヨーレートを検出するヨーレート検出手段及び車両の4輪の車輪速度を検出する車輪速検出手段で構成され、前記推定値補正手段は、前記車輪速検出手段で検出した4輪の車輪速度に基づいてヨーレート推定値を算出し、算出したヨーレート推定値と前記ヨーレート検出手段で検出したヨーレート検出値との偏差が所定値以内であり、且つ前記操舵角検出手段で検出した操舵角が当該操舵系の作動限界に達したときに直前のモータ回転角推定値を維持する補正を行い、当該補正を前記操舵角が中立位置側に戻ると判断されるまで継続するように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  11. 前記要補正状態検出手段は、前記操舵系の操舵角を検出する操舵角検出手段及び車両のオーバーステア状態を検出するオーバーステア状態検出手段で構成され、前記推定値補正手段は、前記オーバーステア状態検出手段でオーバーステア状態を検出したときに、直前のモータ回転角推定値を維持する補正を行い、当該補正を前記操舵角が中立位置側に戻ると判断されるまで継続するように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  12. 前記要補正状態検出手段は、前記操舵系の操舵角を検出する操舵角検出手段及び車両のヨーレートを検出するヨーレート検出手段で構成され、前記推定値補正手段は、前記ヨーレート検出手段で検出したヨーレート検出値が設定値以上であるときに、直前のモータ回転角推定値を維持する補正を行い、当該補正を前記操舵角が中立位置側に戻ると判断されるまで継続するように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  13. 前記要補正状態検出手段は、車両のヨーレートを検出するヨーレート検出手段及び車両の4輪の車輪速度を検出する車輪速検出手段で構成され、前記推定値補正手段は、前記車輪速検出手段で検出した4輪の車輪速度に基づいてヨーレート推定値を算出し、算出したヨーレート推定値と前記ヨーレート検出手段で検出したヨーレート検出値との偏差が所定値以内であり、且つヨーレート検出値及びヨーレート推定値の何れか一方が設定値以上であるときに、直前のモータ回転角推定値を維持する補正を行い、当該補正を操舵が中立位置側に戻ると判断されるまで継続するように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  14. 前記要補正状態検出手段は、車両のヨーレートを検出するヨーレート検出手段及び車両のオーバーステア状態を検出するオーバーステア状態検出手段で構成され、前記推定値補正手段は、前記オーバーステア状態検出手段でオーバーステア状態を検出し、且つヨーレート検出値が設定値以上であるときに、直前のモータ回転角推定値を維持する補正を行い、当該補正を前記操舵が中立位置側に戻ると判断されるまで継続するように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  15. 前記推定値補正手段は、ヨーレート、車速、横加速度等の車運動状態を検出する運動状態検出手段と、該運動状態検出手段で検出した車両運動量に基づいて操舵角が操舵系の作動限界に達したか否かを判定する作動限界判定手段とで構成され、前記推定値補正手段は、前記作動限界判定手段の判定結果が作動限界に達したときに、直前のモータ回転角推定値を維持する補正を行い、当該補正を前記操舵が中立位置側に戻ると判断されるまで継続するように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  16. 前記モータ回転角検出手段は、正弦波及び余弦波の2系統又は他の異なる2系統以上の回転角検出信号を出力するように構成され、前記モータ回転角異常検出手段は、正弦波及び余弦波の何れか一方の振幅が所定範囲外となったときにモータ回転角異常を検出し、前記要補正状態検出手段は、正常な正弦波及び余弦波の何れか他方の振幅が最大値及び最小値に達したときに要補正状態であることを検出し、前記推定値補正手段は、要補正状態であるときに、そのときの電気角で、モータ回転角推定値を補正するように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  17. 前記モータ回転角検出手段は、正弦波及び余弦波の2系統の回転角検出信号を出力するように構成され、前記モータ回転角異常検出手段は、正弦波の二乗値及び余弦波の二乗値との和が“1”であるか否かを検出することにより両波のショートを検出し、前記要補正状態検出手段は、ショートした正弦波及び余弦波の振幅が最小値及び最大値に達したときに要補正状態であることを検出し、前記推定値補正手段は、要補正状態であるときに、そのときの電気角で、モータ回転角推定値を補正するように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  18. 前記電動モータは多相ブラシレスモータで構成され、前記モータ回転角検出手段は、多相の極位置信号を出力する極位置センサで構成され、前記モータ回転角異常検出手段は、前記極位置センサから出力される極位置信号に基づいて1つの極位置センサの異常を検出し、前記要補正状態検出手段は、極位置センサの異常状態に応じて360度のうち一意に決まる極位置信号配列となったときに、要補正状態であることを検出し、前記推定値補正手段は、要補正状態であるときに、該当する極位置信号配列の電気角で、前記モータ回転角推定値を補正するように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の電動パワーステアリング制御装置。
  19. 前記電動モータの端子電圧及び通電電流に基づいて逆起電圧を算出し、算出した逆起電圧に基づいてモータ回転を推定する補助モータ回転角推定手段を有し、該補助モータ回転角推定手段で推定したモータ回転角推定値に基づいて前記モータ回転角推定手段で推定したモータ回転角推定値を補正する推定値補正手段を備えていることを特徴とする請求項8に記載の電動パワーステアリング制御装置。
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