JP2021079893A - 操舵制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】モータをより適切に動作させることができる操舵制御装置を提供する。【解決手段】制御装置40は、ベクトル制御によりモータ21への給電を制御する。制御装置40のマイクロコンピュータ51は、q軸電流指令値演算部71、d軸電流指令値演算部72および回生判定部81を有している。d軸電流指令値演算部72は、回生判定部81によりモータ21が回生状態である旨判定されるとき、d軸電流指令値Id*を零に設定する。d軸電流指令値Id*は、ベクトル制御における弱め界磁制御電流であるd軸電流Idの目標値である。【選択図】図2
Description
本発明は、操舵制御装置に関する。
従来、たとえば特許文献1に記載されるように、モータのトルクをアシスト力としてステアリングシャフトに付与することによりステアリングホイールの操作を補助する電動パワーステアリング装置が知られている。電動パワーステアリング装置の制御装置は、トルクセンサを通じて検出される操舵トルクおよび車速センサを通じて検出される車速に基づき目標アシスト力を演算し、この目標アシスト力がステアリングシャフトに付与されるようにモータへの給電を制御する。
モータとしては三相のブラシレスモータが多く使用される。この場合、制御装置はベクトル制御によりモータへの給電を制御する。すなわち、制御装置は、3相の電流センサ検出値を3相からdq軸座標系の2相に座標変換し、dq軸座標系で電流フィードバック制御を行う。dq軸座標系は回転座標系であるため、電流をトルク成分と弱め界磁成分とに分けて電流ベクトル制御を行う。
電動パワーステアリング装置では、素早いステアリング操作がなされた場合など、その基底速度を超えた高速領域でのモータ回転が要求されるときがある。この高速領域では誘起電圧が電源電圧より高くなり、電流が流せなくなるいわゆる電圧飽和の状態が発生する。これを防ぐため、電流フィードバック制御におけるd軸電流指令値をモータの回転速度(換言すれば、ステアリングの操舵速度)に応じた負の値とする、すなわち負のd軸電流を流すことによりd軸方向の磁束を減少させ誘起電圧をより低く抑える弱め界磁制御が一般に行われている。このような弱め界磁制御の実行を通じて、基底速度を超えた高速領域までモータの回転領域(運転範囲)の拡張が図られ、高速操舵時の追従性が確保される。
電動パワーステアリング装置においては、つぎのような事象が発生するおそれがある。すなわち、車両の縁石乗り上げなどに起因して大きな逆入力荷重が転舵シャフトに作用した場合、転舵シャフトがその軸方向へ移動することにより転舵シャフトの端部がハウジングに当接する、いわゆる端当てが生じるおそれがある。この場合、転舵シャフトに連動してモータも転舵シャフトの移動方向に応じた方向へ回転する。
ただし、大きな逆入力荷重が転舵シャフトに作用した場合、非常に速い速度で転舵シャフトが移動する。このため、モータも転舵シャフトの移動速度に比例するかたちで高速回転する。その結果、d軸電流指令値が負方向へ向けて増大する。これに伴い、モータの回転速度の増加が助長されるおそれがある。したがって、転舵シャフトがハウジングに当たる際の衝撃荷重がより増大することが懸念される。
本発明の目的は、モータをより適切に動作させることができる操舵制御装置を提供することにある。
上記目的を達成し得る操舵制御装置は、転舵輪に連動するシャフトに付与される駆動力を発生する三相のモータに対する電流指令値としてdq座標系のd軸電流指令値およびq軸電流指令値を演算し、検出される前記モータの各相の電流値をdq座標系のd軸電流値およびq軸電流値に変換してこれら変換されるd軸電流値およびq軸電流値をd軸電流指令値およびq軸電流指令値に追従させるフィードバック制御を実行する。操舵制御装置は、前記モータの回転速度に応じて前記d軸電流指令値を負の値とする弱め界磁制御を実行する演算部と、前記モータが回生状態であるかどうかを判定する判定部と、を有している。前記演算部は、前記判定部により前記モータが回生状態である旨判定されるとき、前記モータの回生状態に応じてd軸電流指令値を演算する。
この構成によれば、モータが回生状態である場合、そのモータの回生状態に応じてd軸電流指令値が演算される。すなわち、たとえば転舵輪に逆入力荷重が加わった場合、モータの回転速度はモータの回生状態に応じて調節される。したがって、モータの回生状態に応じてモータをより適切に動作させることができる。
上記の操舵制御装置において、前記演算部は、前記判定部により前記モータが回生状態である旨判定されるとき、d軸電流指令値の絶対値を前記モータの回転速度に応じた本来の値よりも小さい値に設定するようにしてもよい。
この構成によれば、モータの回転速度に応じた誘起電圧による回生制動力により転舵輪あるいは転舵輪に連動するシャフトの移動速度の上昇が抑えられる。このため、転舵輪を介した逆入力による衝撃を軽減することができる。
上記の操舵制御装置において、前記演算部は、前記判定部により前記モータが回生状態である旨判定されるとき、d軸電流指令値を零に設定するようにしてもよい。
この構成によれば、モータの回転速度に応じた誘起電圧による回生制動力により転舵輪あるいは転舵輪に連動するシャフトの移動速度の上昇が抑えられる。このため、転舵輪を介した逆入力による衝撃を軽減することができる。
この構成によれば、モータの回転速度に応じた誘起電圧による回生制動力により転舵輪あるいは転舵輪に連動するシャフトの移動速度の上昇が抑えられる。このため、転舵輪を介した逆入力による衝撃を軽減することができる。
上記の操舵制御装置において、前記演算部は、前記判定部により前記モータが回生状態である旨判定されるとき、前記モータの発電量が多いほどd軸電流指令値の絶対値をより小さい値に設定するようにしてもよい。
この構成によれば、モータの回転速度に応じた誘起電圧による回生制動力により転舵輪あるいは転舵輪に連動するシャフトの移動速度の上昇が抑えられる。このため、転舵輪を介した逆入力による衝撃を軽減することができる。
上記の操舵制御装置において、前記演算部は、前記判定部により前記モータが回生状態である旨判定されるとき、d軸電流指令値を徐々に変化させるようにしてもよい。
この構成によれば、モータの誘起電圧、ひいてはモータにより発電される電力を徐々に増加させることができる。
この構成によれば、モータの誘起電圧、ひいてはモータにより発電される電力を徐々に増加させることができる。
上記の操舵制御装置において、前記判定部は、電源電流の方向あるいは電源電圧に基づき前記モータの回生状態を判定するようにしてもよい。
モータが回生状態であるとき、モータにより発電される電力は電源に向かって流れる。このため、電源電流の方向に基づきモータが回生状態であるかどうかを判定することができる。また、モータが回生状態であるとき、モータの誘起電圧によって電源の電圧が増大する。このため、電源の電圧に基づきモータの回生状態を判定することが可能である。
モータが回生状態であるとき、モータにより発電される電力は電源に向かって流れる。このため、電源電流の方向に基づきモータが回生状態であるかどうかを判定することができる。また、モータが回生状態であるとき、モータの誘起電圧によって電源の電圧が増大する。このため、電源の電圧に基づきモータの回生状態を判定することが可能である。
本発明の操舵制御装置によれば、モータをより適切に動作させることができる。
<第1の実施の形態>
以下、操舵制御装置を電動パワーステアリング装置の制御装置に具体化した第1の実施の形態を説明する。
以下、操舵制御装置を電動パワーステアリング装置の制御装置に具体化した第1の実施の形態を説明する。
図1に示すように、電動パワーステアリング装置10は、ステアリングホイール11と転舵輪12,12との間の動力伝達経路として機能するステアリングシャフト13、ピニオンシャフト14および転舵シャフト15を有している。転舵シャフト15は、車体の幅方向(図1中の左右方向)に沿って延びている。転舵シャフト15は、車体に固定されるハウジング16の内部に収容される。転舵シャフト15の両端には、それぞれタイロッド17,17を介して転舵輪12,12が連結される。ピニオンシャフト14のピニオン歯14aは、転舵シャフト15のラック歯15aに噛み合わされている。したがって、ステアリングホイール11の回転操作に連動して転舵シャフト15がその軸線方向に沿って移動することにより転舵輪12,12の転舵角θw,θwが変更される。
また、電動パワーステアリング装置10は、ステアリングホイール11の操作を補助するアシスト力を転舵シャフト15に付与する構成として、モータ21および伝動機構22を有している。
モータ21は、アシスト力の発生源であって三相のブラシレスモータが採用される。モータ21は、ハウジング16の外側の部分に固定されている。モータ21の出力軸21aは転舵シャフト15に対して平行に延びている。モータ21の出力軸21aは、伝動機構22を介して転舵シャフト15に連結されている。モータ21が発生するトルクは、伝動機構22を介して転舵シャフト15にアシスト力として付与される。
伝動機構22は、ボールナット31、駆動プーリ32、従動プーリ33、および無端状のベルト34を有している。ボールナット31は、転舵シャフト15のボールねじ部15bに対して図示しない複数のボールを介して螺合されている。駆動プーリ32は、モータ21の出力軸21aに固定されている。従動プーリ33は、ボールナット31の外周面に嵌められた状態で固定されている。ベルト34は、駆動プーリ32と従動プーリ33との間に掛け渡されている。したがって、モータ21の回転は、駆動プーリ32、ベルト34および従動プーリ33を介してボールナット31に伝達される。ボールナット31の回転に伴い転舵シャフト15はその軸線方向に沿って移動する。
また、電動パワーステアリング装置10は、モータ21を制御する制御装置40を有している。制御装置40は、車載される各種のセンサの検出結果を運転者の要求あるいは走行状態を示す情報として取得し、その取得される情報に応じてモータ21を制御する。センサとしては、トルクセンサ41、車速センサ42および回転角センサ43が挙げられる。トルクセンサ41は、ステアリングシャフト13に設けられていて、ステアリングシャフト13に印加される操舵トルクThを検出する。車速センサ42は車速Vを検出する。回転角センサ43はモータ21に設けられていて、モータ21の回転角θmを検出する。制御装置40は、モータ21に対する給電制御を通じて操舵トルクThおよび車速Vに応じたアシスト力を発生させるアシスト制御を実行する。制御装置40は、回転角センサ43を通じて検出されるモータ21の回転角θmを使用してモータ21をベクトル制御する。
つぎに、制御装置40について詳細に説明する。
図2に示すように、制御装置40は、モータ制御信号を生成するマイクロコンピュータ51、およびマイクロコンピュータ51により生成されるモータ制御信号に基づいてモータ21に3相の駆動電力を供給するモータ駆動回路52を有している。
図2に示すように、制御装置40は、モータ制御信号を生成するマイクロコンピュータ51、およびマイクロコンピュータ51により生成されるモータ制御信号に基づいてモータ21に3相の駆動電力を供給するモータ駆動回路52を有している。
モータ駆動回路52は、周知のPWMインバータであって、直列に接続された一対の電界効果型トランジスタ(FET)などのスイッチング素子を基本単位であるアームとして、三相各相に対応する3つのアームが並列接続されてなる。マイクロコンピュータ51により生成されるモータ制御信号は、モータ駆動回路52の各スイッチング素子のデューティ比を規定する。モータ制御信号は各スイッチング素子のゲート端子に印加される。モータ制御信号に応答して各スイッチング素子がオンオフすることにより、車載されるバッテリ53の直流電圧が三相(U,V,W)の駆動電力に変換されてモータ21に供給される。
マイクロコンピュータ51は、トルクセンサ41を通じて検出される操舵トルクTh、車速センサ42を通じて検出される車速V、および回転角センサ43を通じて検出されるモータ21の回転角θmを取り込む。また、マイクロコンピュータ51は、モータ21への給電経路に設けられた電流センサ54u,54v,54wを通じて検出される三相各相の電流Iu,Iv,Iwの値を取り込む。マイクロコンピュータ51は、各センサを通じて検出される操舵トルクTh、車速V、モータ21の回転角θmおよびモータ21の電流Iu,Iv,Iwの値に基づき、ステアリングホイール11の操作状態あるいは車両の走行状態に応じた適切なアシスト力が得られるようにモータ21への給電を制御する。制御装置40は、2相の回転座標系であるdq座標系で記述されるベクトル制御によりモータ21を制御する。
つぎに、マイクロコンピュータ51の構成を詳細に説明する。
図2に示されるように、マイクロコンピュータ51は、回転速度演算部61、操舵角演算部62、電流指令値演算部63、三相/二相座標変換部64、フィードバック制御部65、二相/三相座標変換部66、および制御信号生成部67を有している。
図2に示されるように、マイクロコンピュータ51は、回転速度演算部61、操舵角演算部62、電流指令値演算部63、三相/二相座標変換部64、フィードバック制御部65、二相/三相座標変換部66、および制御信号生成部67を有している。
回転速度演算部61は、微分器であって、回転角センサ43を通じて検出されるモータ21の回転角θmを時間で微分することによりモータ21の回転速度ωを演算する。
操舵角演算部62は、回転角センサ43を通じて検出されるモータ21の回転角θmに基づきステアリングホイール11の回転角である操舵角θsを演算する。操舵角演算部62は、たとえば車両の直進状態に対応するステアリングホイール11の中立位置を基準としてモータ21の回転数を計数することにより360°を超える多回転の回転角θmを絶対値で演算する。操舵角演算部62は、モータ21からステアリングシャフト13までの間の減速比に基づく換算計数をモータ21の多回転の回転角θmに乗算することにより、操舵角θsを演算する。
操舵角演算部62は、回転角センサ43を通じて検出されるモータ21の回転角θmに基づきステアリングホイール11の回転角である操舵角θsを演算する。操舵角演算部62は、たとえば車両の直進状態に対応するステアリングホイール11の中立位置を基準としてモータ21の回転数を計数することにより360°を超える多回転の回転角θmを絶対値で演算する。操舵角演算部62は、モータ21からステアリングシャフト13までの間の減速比に基づく換算計数をモータ21の多回転の回転角θmに乗算することにより、操舵角θsを演算する。
電流指令値演算部63は、q軸電流指令値演算部71およびd軸電流指令値演算部72を有している。
q軸電流指令値演算部71は、トルクセンサ41を通じて検出される操舵トルクThおよび車速センサ42を通じて検出される車速Vに基づき、基本アシストトルクを演算する。q軸電流指令値演算部71は、操舵トルクThの絶対値が大きいほど、また車速Vが遅いほど、より絶対値の大きい目標アシストトルクを演算する。また、q軸電流指令値演算部71は、回転速度演算部61により演算されるモータ21の回転速度ωおよび操舵角演算部62により演算される操舵角θsを使用して基本アシストトルクに対する補償値を演算する。補償値は、たとえば操舵角θsに比例して大きくなるステアリングシャフト13の中立位置への復帰力と、モータ21の回転速度ωに比例して大きくなるステアリングシャフト13の回転に対する抵抗力に対応した戻しトルクとの和として演算される。q軸電流指令値演算部71は、基本アシストトルクと補償値との和を目標アシストトルクとして設定し、この目標アシストトルクをトルク定数で除算することにより、dq座標系におけるq軸電流指令値Iq*を演算する。
q軸電流指令値演算部71は、トルクセンサ41を通じて検出される操舵トルクThおよび車速センサ42を通じて検出される車速Vに基づき、基本アシストトルクを演算する。q軸電流指令値演算部71は、操舵トルクThの絶対値が大きいほど、また車速Vが遅いほど、より絶対値の大きい目標アシストトルクを演算する。また、q軸電流指令値演算部71は、回転速度演算部61により演算されるモータ21の回転速度ωおよび操舵角演算部62により演算される操舵角θsを使用して基本アシストトルクに対する補償値を演算する。補償値は、たとえば操舵角θsに比例して大きくなるステアリングシャフト13の中立位置への復帰力と、モータ21の回転速度ωに比例して大きくなるステアリングシャフト13の回転に対する抵抗力に対応した戻しトルクとの和として演算される。q軸電流指令値演算部71は、基本アシストトルクと補償値との和を目標アシストトルクとして設定し、この目標アシストトルクをトルク定数で除算することにより、dq座標系におけるq軸電流指令値Iq*を演算する。
d軸電流指令値演算部72は、回転速度演算部61により演算されるモータ21の回転速度ωに基づきd軸電流指令値Id*を演算する。d軸電流指令値演算部72は、モータ21の回転速度ωに応じてd軸電流指令値Id*を負の値とする弱め界磁制御を実行する。詳述すると、モータ21の回転速度ωが増大するにつれて各相のモータコイルに生ずる誘起電圧(逆起電力)が増大するところ、モータ21の回転速度には上限(基底速度)がある。しかし、d軸電流指令値Id*を負の値、すなわち負方向のd軸電流を流すことにより、d軸電機子反作用による減磁起磁力を利用してd軸方向の磁束を減少させて誘起電圧を低く抑えることが可能である。これにより、基底速度を超えた高速領域までモータ21の運転範囲(回転領域)が拡張可能となる。
d軸電流指令値演算部72は、たとえば回転速度ωの絶対値が「0」の近傍値である第1の設定値以下であるとき、d軸電流指令値Id*を「0」に設定する。d軸電流指令値演算部72は、回転速度ωの絶対値が第1の設定値を超えているとき、負の値のd軸電流指令値Id*を演算する。d軸電流指令値演算部72は、回転速度ωの絶対値が第1の設定値を超え、かつ第1の設定値よりも大きい値に設定される第2の設定値以下の値であるとき、回転速度ωの絶対値が増加するほど、より絶対値の大きいd軸電流指令値Id*を演算する。d軸電流指令値演算部72は、回転速度ωの絶対値が第2の設定値を超えた以降、回転速度ωにかかわらずd軸電流指令値Id*の絶対値を上限値に維持する。
三相/二相座標変換部64は、回転角センサ43を通じて検出されるモータ21の回転角θm、および電流センサ54u,54v,54wを通じて検出されるモータ21の各相の電流Iu,Iv,Iwの値を取り込む。三相/二相座標変換部64は、モータ21の回転角θmに基づきモータ21の三相各相の電流Iu,Iv,Iwの値をdq座標系における二相の電流であるq軸電流値Iqおよびd軸電流値Idに変換する。
フィードバック制御部65は、電流指令値演算部63により演算されるq軸電流指令値Iq*およびd軸電流指令値Id*を取り込む。また、フィードバック制御部65は、三相/二相座標変換部64により演算されるq軸電流値Iqおよびd軸電流値Idを取り込む。フィードバック制御部65は、q軸電流指令値Iq*とq軸電流値Iqとの差の値であるq軸電流偏差、ならびにd軸電流指令値Id*とd軸電流値Idとの差の値であるd軸電流偏差を演算する。フィードバック制御部65は、q軸電流値Iqをq軸電流指令値Iq*に追従させるべくq軸電圧指令値Vq*を演算する。フィードバック制御部65は、d軸電流値Idをd軸電流指令値Id*に追従させるべくd軸電圧指令値Vd*を演算する。フィードバック制御部65は、たとえばq軸電流偏差およびd軸電流偏差に所定のフィードバックゲインを乗ずることによってq軸電圧指令値Vq*およびd軸電圧指令値Vd*を演算する。
二相/三相座標変換部66は、フィードバック制御部65により演算されるq軸電圧指令値Vq*およびd軸電圧指令値Vd*を取り込む。二相/三相座標変換部66は、回転角センサ43を通じて検出されるモータ21の回転角θmに応じてq軸電圧指令値Vq*およびd軸電圧指令値Vd*を3相の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に変換する。
制御信号生成部67は、二相/三相座標変換部66により演算される三相の電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*を取り込む。制御信号生成部67は、電圧指令値Vu*,Vv*,Vw*に対応するデューティ比を有するモータ制御信号(PWM制御信号)Du,Dv,Dwを生成する。これらモータ制御信号Du,Dv,Dwに基づきモータ駆動回路52の各スイッチング素子がスイッチングすることにより目標アシストトルクに応じた電流がモータ21へ供給される。
また、たとえばステアリングホイール11がより速く回転操作されることによってモータ21が高速回転する場合、モータ21においては弱め界磁制御電流として負のd軸電流が流れるため、モータ21における逆起電力(誘起電圧)の発生が抑制される。このため、ステアリングホイール11が高速操舵される場合であれ、これに追従してモータ21は好適に回転する。したがって、良好な操舵感触が得られる。
ここで、電動パワーステアリング装置10においては、つぎのような事象が発生するおそれがある。すなわち、車両の縁石乗り上げなどに起因して大きな逆入力荷重が転舵シャフト15に作用した場合、転舵シャフト15がその軸方向へ移動することにより転舵シャフト15の端部がハウジング16に当接する、いわゆる端当てが生じるおそれがある。この場合、転舵シャフト15に連動してモータ21も転舵シャフト15の移動方向に応じた方向へ回転する。
ただし、大きな逆入力荷重が転舵シャフト15に作用した場合、非常に速い速度で転舵シャフト15が移動する。このため、モータ21も転舵シャフト15の移動速度に比例するかたちで高速回転する。その結果、d軸電流指令値演算部72により演算されるd軸電流指令値Id*が「0」を基準とする負方向へ向けて増大する。これに伴い、モータ21の回転速度の増加が助長されるおそれがある。したがって、転舵シャフト15がハウジング16に当たる際の衝撃荷重がより増大することが懸念される。
そこで、転舵輪12を介した逆入力によりモータ21が通常の運転操作ではあり得ないような速さで回転する場合に端当てが発生したときの衝撃を軽減するために、制御装置40として、つぎの構成を採用している。
図2に示すように、制御装置40は、回生判定部81および電流センサ82を有している。電流センサ82は、バッテリ53とモータ駆動回路52との間の給電経路に設けられている。回生判定部81は、電流センサ82を通じて検出される電流(電源電流)Ibの方向に基づき、モータ21の動作状態が力行状態であるか回生状態であるかを判定する。力行状態とは、バッテリ53の直流電力がモータ駆動回路52によって交流電力に変換されて、この変換される交流電力がモータ21へ供給されている通常の運転状態をいう。回生状態とは、モータ21が回転されることによってモータ21において発電された電力がモータ駆動回路52を介してバッテリ53へ流れ込む状態をいう。
回生判定部81により実行される処理は、図3のフローチャートに示される通りである。このフローチャートの処理は定められた制御周期で実行される。
図3のフローチャートに示すように、回生判定部81は、モータ21の動作状態が回生状態であるかどうかを判定する(ステップS101)。
図3のフローチャートに示すように、回生判定部81は、モータ21の動作状態が回生状態であるかどうかを判定する(ステップS101)。
回生判定部81は、電流センサ82を通じて検出される電流Ibがバッテリ53からモータ駆動回路52へ向かって流れるとき、モータ21の動作状態が力行状態である旨判定する。回生判定部81は、電流センサ82を通じて検出される電流Ibがモータ駆動回路52からバッテリ53へ向かって流れるとき、モータ21の動作状態が回生状態である旨判定する。
回生判定部81は、モータ21の動作状態が回生状態ではない旨判定されるとき(ステップS101でNO)、その旨示す状態信号Srを生成し(ステップS102)、処理を終了する。回生判定部81は、モータ21の動作状態が回生状態である旨判定されるとき(ステップS101でYES)、その旨示す状態信号Srを生成し(ステップS102)、処理を終了する。
d軸電流指令値演算部72は、回生判定部81により生成される状態信号Srがモータ21の回生状態を示すものではないとき、モータ21の回転速度ωに応じてd軸電流指令値Id*を演算する弱め界磁制御の実行を継続する。d軸電流指令値演算部72は、回生判定部81により生成される状態信号Srがモータ21の回生状態を示すものであるとき、弱め界磁制御の実行を解除する。すなわち、d軸電流指令値演算部72は、d軸電流指令値Id*を「0」に設定する。
このように、転舵輪12を介した逆入力などに起因してモータ21が高速回転される場合、d軸電流指令値Id*が「0」に設定されることによって、モータ21にはその時々の回転速度ωに応じた誘起電圧(逆起電力)が発生する。また、モータ21は、自己の誘起電圧に応じた回生制動力を発生する。ちなみに、モータ21に伝達される回転力が大きいほど、より大きな回生制動力が発生する。この回生制動力によってモータ21の回転速度の増加が抑えられる。また、モータ21における発電時の回生抵抗(回転抵抗)が転舵シャフト15に対する制動力として作用する。このため、転舵シャフト15がハウジング16に当たる際における衝撃荷重の増大が抑えられる。
ちなみに、d軸電流指令値演算部72は、モータ21の動作状態が力行状態から回生状態へ遷移した場合、d軸電流指令値Id*を負の所定値から「0」へ切り替えるとき、d軸電流指令値Id*を負の所定値から「0」へ向けて徐々に変化させるようにしてもよい。
転舵シャフト15に対する制動力をより増大させる観点から、モータ21による回生制動力はより大きいことが好ましい。しかし、d軸電流指令値Id*を負の所定値から「0」へ向けて一気に変化させる場合、モータ21の高速回転に伴い発電される大電力がモータ駆動回路52へ一気に流れ込むことによって、モータ駆動回路52のスイッチング素子が損傷するおそれがある。このため、モータ21の動作状態が力行状態から回生状態へ遷移した場合、d軸電流指令値Id*を負の所定値から「0」へ向けて徐々に変化させることが好ましい。このようにすれば、モータ21の誘起電圧は徐々に回転速度ωに応じた値へ向けて変化する。すなわち、モータ21により発電される電力は徐々に増加する。モータ21の高速回転に伴い発電される大電力がモータ駆動回路52へ一気に流れ込むことが抑制されるため、モータ駆動回路52のスイッチング素子が損傷することを抑えることが可能である。
<第1の実施の形態の効果>
したがって、第1の実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)モータ21の動作状態が回生状態であるとき、d軸電流指令値Id*が「0」に設定される。モータ21に誘起電圧に応じた回生制動力が発生することにより、モータ21の回転速度の増加が抑えられる。また、モータ21の回生抵抗が転舵シャフト15に対する制動力として作用する。このため、転舵輪12を介した逆入力に起因して転舵シャフト15がハウジング16に当たる端当ての際の衝撃荷重の増大が抑えられる。
したがって、第1の実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)モータ21の動作状態が回生状態であるとき、d軸電流指令値Id*が「0」に設定される。モータ21に誘起電圧に応じた回生制動力が発生することにより、モータ21の回転速度の増加が抑えられる。また、モータ21の回生抵抗が転舵シャフト15に対する制動力として作用する。このため、転舵輪12を介した逆入力に起因して転舵シャフト15がハウジング16に当たる端当ての際の衝撃荷重の増大が抑えられる。
(2)制御装置40によるモータ21の制御を通じて転舵輪12を介した逆入力に起因する転舵シャフト15の端当て時の衝撃荷重が軽減される。このため、電動パワーステアリング装置10として端当て時の衝撃荷重に対する耐久力を確保するための構成を別途設ける必要がない。したがって、製品コストの増大が抑制される。また、電動パワーステアリング装置10の耐久性に対する信頼性を確保することもできる。
(3)モータ21の動作状態が回生状態であるとき、d軸電流指令値Id*を負の所定値から「0」へ向けて徐々に変化させることにより、モータ21の高速回転に伴い発電される大電力がモータ駆動回路52へ一気に流れ込むことが抑制される。したがって、モータ駆動回路52のスイッチング素子が損傷することが抑制される。
<第2の実施の形態>
つぎに、操舵制御装置の第2の実施の形態を説明する。本実施の形態は、基本的には先の図1および図2に示される第1の実施の形態と同様の構成を有している。本実施の形態は、モータ21の動作状態が力行状態から回生状態へ遷移した際の制御装置40の処理内容が第1の実施の形態と異なる。
つぎに、操舵制御装置の第2の実施の形態を説明する。本実施の形態は、基本的には先の図1および図2に示される第1の実施の形態と同様の構成を有している。本実施の形態は、モータ21の動作状態が力行状態から回生状態へ遷移した際の制御装置40の処理内容が第1の実施の形態と異なる。
図4のフローチャートに示すように、回生判定部81は、電流センサ82を通じて検出される電流Ibの向きに基づき、モータ21の動作状態が回生状態であるかどうかを判定する(ステップS201)。
回生判定部81は、モータ21の動作状態が回生状態ではない旨判定されるとき(ステップS201でNO)、処理を終了する。
回生判定部81は、モータ21の動作状態が回生状態である旨判定されるとき(ステップS201でYES)、モータ21の発電量に応じたゲインG1を演算する(ステップS202)。
回生判定部81は、モータ21の動作状態が回生状態である旨判定されるとき(ステップS201でYES)、モータ21の発電量に応じたゲインG1を演算する(ステップS202)。
回生判定部81は、回生判定部81は、電流センサ82を通じて検出される電流Ibの値に基づきモータ21の発電量を演算し、この演算される発電量を制御装置40の記憶装置に格納されたゲインマップM1に適用することによりゲインG1を演算する。ゲインマップM1は、モータ21の誘起電圧が大きくなりすぎないように、かつモータ21に要求される所定の回生制動力を確保する観点に基づき設定される。
図5のグラフに示すように、ゲインマップM1は、横軸をモータ21の発電量、縦軸をゲインG1とするマップであって、つぎの特性を有する。すなわち、ゲインG1の値は、モータ21の発電量が増大するにつれて「1」から「0」へ向けて徐々に減少する。
この後、回生判定部81は、ステップ202で演算されるゲインG1をモータ21の動作状態を示す状態信号Srとしてd軸電流指令値演算部72へ出力し(ステップS203)、処理を終了する。
d軸電流指令値演算部72は、回生判定部81により生成されるゲインG1をその時々のd軸電流指令値Id*に乗算することにより最終的なd軸電流指令値Id*を演算する。ゲインG1の値にはモータ21の発電量が反映されているため、最終的なd軸電流指令値Id*はモータ21の発電量が反映された値となる。モータ21の発電量が多いほどゲインG1の値はより小さい値に設定される。このため、モータ21の発電量が多いほど、最終的なd軸電流指令値Id*は、モータ21の回転速度ωに応じた本来のd軸電流指令値Id*に対して、より小さい値となる。
このように、転舵輪12を介した逆入力などに起因してモータ21が高速回転される場合、モータ21の発電量に応じてd軸電流指令値Id*が設定される。モータ21の発電量が多いときほど、最終的に使用されるd軸電流指令値Id*は、モータ21の回転速度ωに応じた本来のd軸電流指令値Id*に対して、より小さい値に設定される。これにより、モータ21の誘起電圧、ひいてはモータ21により発電される電力がより低く抑えられる。したがって、モータ21の高速回転に伴い発電される大電力がモータ駆動回路52へ一気に流れ込むことが抑制されるため、モータ駆動回路52のスイッチング素子が損傷することを抑えることが可能である。また、モータ21の誘起電圧に応じた回生制動力が転舵シャフト15に対する制動力として作用する。このため、転舵シャフト15がハウジング16に当たる際における衝撃荷重の増大が抑えられる。
したがって、第2の実施の形態によれば、先の第1の実施の形態の(1)〜(3)と同様の効果を得ることができる。
<他の実施の形態>
なお、第1および第2の実施の形態は、つぎのように変更して実施してもよい。
<他の実施の形態>
なお、第1および第2の実施の形態は、つぎのように変更して実施してもよい。
・回生判定部81は、電源であるバッテリ53の電圧に基づきモータ21の回生状態を判定してもよい。転舵輪12を介した逆入力などに起因してモータ21が高速回転される場合、モータ21の誘起電圧によってバッテリ53の電圧が増大する。このため、バッテリ53の電圧に基づきモータ21の回生状態を判定することが可能である。この構成を採用する場合、電流センサ82に代えて、あるいは電流センサ82に加えて、バッテリ53の電圧を検出する電圧センサが設けられる。
・d軸電流指令値演算部72は、回生判定部81によりモータ21が回生状態である旨判定されるとき、d軸電流指令値Id*を「0」に設定することなどに代えて、d軸電流指令値Id*の絶対値をモータ21の回転速度ωに応じた本来の値よりも小さい値に設定するようにしてもよい。
・d軸電流指令値演算部72は、電流センサ82を通じて検出される電流Ibの値に基づきモータ21による回生制動力を演算し、必要とされる回生制動力が得られるようにd軸電流指令値Id*を調節するようにしてもよい。
・d軸電流指令値演算部72は、転舵シャフト15の端当て時の衝撃あるいは転舵シャフト15の移動速度が定められた許容範囲に収まるようにd軸電流指令値Id*を調節するようにしてもよい。
・d軸電流指令値演算部72は、電流センサ82を通じて検出される電流Ibの値あるいはバッテリ53の電圧に基づき、モータ駆動回路52のスイッチング素子が損傷しないようにd軸電流指令値Id*を調節するようにしてもよい。
・制御装置40は、ステアリングシャフト13にアシスト力を付与するタイプの電動パワーステアリング装置に適用してもよい。この場合、図1に二点鎖線で示されるように、モータ21は、ウォーム減速機などの伝動機構を介してステアリングシャフト13に連結される。
・制御装置40は、ステアリングホイール11と転舵輪12,12との間の動力伝達が分離されたステアバイワイヤシステム(自動運転システムへの展開を含む。)の制御装置として適用することも可能である。制御装置40は、転舵輪12,12を転舵させるための動力を発生する転舵モータなどのアクチュエータの制御装置として好適である。
10…電動パワーステアリング装置(操舵装置)、12…転舵輪、13…ステアリングシャフト、15…転舵シャフト、21…モータ、40…制御装置(操舵制御装置)、63…電流指令値演算部、71…q軸電流指令値演算部、72…d軸電流指令値演算部(演算部)、81…回生判定部(判定部)。
回生判定部81は、モータ21の動作状態が回生状態ではない旨判定されるとき、その旨示す状態信号Srを生成し(ステップS102)、処理を終了する。回生判定部81は、モータ21の動作状態が回生状態である旨判定されるとき、その旨示す状態信号Srを生成し(ステップS102)、処理を終了する。
Claims (6)
- 転舵輪に連動するシャフトに付与される駆動力を発生する三相のモータに対する電流指令値としてdq座標系のd軸電流指令値およびq軸電流指令値を演算し、検出される前記モータの各相の電流値をdq座標系のd軸電流値およびq軸電流値に変換してこれら変換されるd軸電流値およびq軸電流値をd軸電流指令値およびq軸電流指令値に追従させるフィードバック制御を実行する操舵制御装置であって、
前記モータの回転速度に応じて前記d軸電流指令値を負の値とする弱め界磁制御を実行する演算部と、前記モータが回生状態であるかどうかを判定する判定部と、を有し、
前記演算部は、前記判定部により前記モータが回生状態である旨判定されるとき、前記モータの回生状態に応じてd軸電流指令値を演算する操舵制御装置。 - 前記演算部は、前記判定部により前記モータが回生状態である旨判定されるとき、d軸電流指令値の絶対値を前記モータの回転速度に応じた本来の値よりも小さい値に設定する請求項1に記載の操舵制御装置。
- 前記演算部は、前記判定部により前記モータが回生状態である旨判定されるとき、d軸電流指令値を零に設定する請求項1に記載の操舵制御装置。
- 前記演算部は、前記判定部により前記モータが回生状態である旨判定されるとき、前記モータの発電量が多いほどd軸電流指令値の絶対値をより小さい値に設定する請求項1に記載の操舵制御装置。
- 前記演算部は、前記判定部により前記モータが回生状態である旨判定されるとき、d軸電流指令値を徐々に変化させる請求項2〜請求項4のうちいずれか一項に記載の操舵制御装置。
- 前記判定部は、電源電流の方向あるいは電源電圧に基づき前記モータの回生状態を判定する請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の操舵制御装置。
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