JP2002225742A - 電動パワーステアリング装置の制御装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置の制御装置

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JP2002225742A
JP2002225742A JP2001023955A JP2001023955A JP2002225742A JP 2002225742 A JP2002225742 A JP 2002225742A JP 2001023955 A JP2001023955 A JP 2001023955A JP 2001023955 A JP2001023955 A JP 2001023955A JP 2002225742 A JP2002225742 A JP 2002225742A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電動パワーステアリング装置の断続モードにお
いても安定性を損なうことなく、角速度推定値や角加速
度推定値に発生するエラーの影響を除去し得るようにし
た電動パワーステアリング装置の制御装置を提供する。 【解決手段】ステアリングシャフトに発生する操舵トル
クに基いて演算手段で演算された操舵補助指令値と、ス
テアリング機構に操舵補助力を与えるモータの電流値と
から演算した電流制御値に基いて前記モータをPWM制
御するようになっている電動パワーステアリング装置の
制御装置において、モータ角加速度の生成部に前記操舵
トルクを関数化した推定値を乗算して前記電流制御値と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や車両の操
舵系にモータによる操舵補助力を付与するようにした電
動パワーステアリング装置の制御装置に関し、特にモー
タを駆動するデューティ比対モータ電流特性の断続モー
ドで発生する制御エラーの影響を、安定性を損なうこと
なく小さくするようにした電動パワーステアリング装置
の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車や車両のステアリング装置をモー
タの回転力で補助負荷付勢する電動パワーステアリング
装置は、モータの駆動力を減速機を介してギア又はベル
ト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラ
ック軸に補助負荷付勢するようになっている。かかる従
来の電動パワーステアリング装置は、アシストトルク
(操舵補助トルク)を正確に発生させるため、モータ電
流のフィードバック制御を行っている。フィードバック
制御は、電流制御値とモータ電流検出値との差が小さく
なるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モー
タ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)
制御のデュ−ティ比の調整で行っている。
【0003】ここで、電動パワーステアリング装置の一
般的な構成を図22に示して説明すると、操向ハンドル
1の軸2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4a及
び4b、ピニオンラック機構5を経て操向車輪のタイロ
ッド6に結合されている。軸2には、操向ハンドル1の
操舵トルクを検出するトルクセンサ10が設けられてお
り、操向ハンドル1の操舵力を補助するモータ20がク
ラッチ21、減速ギア3を介して軸2に結合されてい
る。パワーステアリング装置を制御するコントロールユ
ニット30には、バッテリ14からイグニションキー1
1を経て電力が供給され、コントロールユニット30
は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTと車速
センサ12で検出された車速Vとに基いてアシスト指令
の操舵補助指令値Iの演算を行い、演算された操舵補助
指令値Iに基いてモータ20に供給する電流を制御す
る。クラッチ21はコントロールユニット30でON/
OFF制御され、通常の動作状態ではON(結合)され
ている。そして、コントロールユニット30によりパワ
ーステアリング装置が故障と判断された時、及びイグニ
ションキー11によりバッテリ14の電源(電圧Vb)
がOFFとなっている時に、クラッチ21はOFF(切
離)される。
【0004】コントロールユニット30は主としてCP
Uで構成されるが、そのCPU内部においてプログラム
で実行される一般的な機能を示すと図23のようにな
る。
【0005】コントロールユニット30の機能及び動作
を説明すると、トルクセンサ10で検出されて入力され
る操舵トルクTは、操舵系の安定性を高めるために位相
補償器31で位相補償され、位相補償された操舵トルク
TAが操舵補助指令値演算器32に入力される。また、
車速センサ12で検出された車速Vも操舵補助指令値演
算器32に入力される。操舵補助指令値演算器32は、
入力された操舵トルクTA及び車速Vに基いてモータ2
0に供給する電流の制御目標値である操舵補助指令値I
を決定する。操舵補助指令値Iは減算器30Aに入力さ
れると共に、応答速度を高めるためのフィードフォワー
ド系の微分補償器34に入力され、減算器30Aの偏差
(I−i)は比例演算器35に入力されると共に、フィ
ードバック系の特性を改善するための積分演算器36に
入力される。微分補償器34及び積分補償器36の出力
も加算器30Bに加算入力され、加算器30Bでの加算
結果である電流制御値Eが、モータ駆動信号としてモー
タ駆動回路37に入力される。モータ20のモータ電流
値iはモータ電流検出回路38で検出され、モータ電流
値iは減算器30Aに入力されてフィードバックされ
る。
【0006】モータ駆動回路37の構成例を図24に示
して説明すると、モータ駆動回路37は加算器30Bか
らの電流制御値Eに基いて電界効果トランジスタ(FE
T)FET1〜FET4の各ゲートを駆動するFETゲ
ート駆動回路371、FET1〜FET4で成るHブリ
ッジ回路、FET1及びFET2のハイサイド側を駆動
する昇圧電源372等で構成されている。FET1及び
FET2は、電流制御値Eに基いて決定されるデューテ
ィ比D1のPWM(パルス幅変調)信号によってON/
OFFされ、実際にモータ20に流れる電流Irの大き
さが制御される。FET3及びFET4は、デューティ
比D1の小さい領域では所定1次関数式(a,bを定数
としてD2=a・D1+b)で定義されるデューティ比
D2のPWM信号で駆動され、デューティ比D2も10
0%に達した以降、PWM信号の符号により決定される
モータ20の回転方向に応じてON/OFFされる。
【0007】ここにおいて、デューティ比とモータ電流
Iとの関係は図25に示すようになっており、デューテ
ィ比がゼロ近辺には、操舵の走行感を実感させるための
不感帯UBが設けられている。通常不感帯UBの領域を
断続モードと称し、他の領域を連続モードと称してい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図25に示すようにデ
ューティ比がゼロ付近に不感帯UBが設けられているた
め、モータ角速度ωがゼロ付近で摩擦特性が不連続とな
り、何かのタイミングで舵角が完全に静止すると、ハン
ドルがその位置にはりついてしまう感じを受ける不具合
がある。即ち、電動パワーステアリング装置では操舵性
能を向上するためにモータ慣性の補償や摩擦の影響を除
去するための種々の補償を行っており、そのような補償
制御をモータ角速度に基づいて行っているため、電動パ
ワーステアリング装置が持っている摩擦の影響を補償す
ることができない。
【0009】ここにおいて、モータ端子電圧をVm、モ
ータの電気抵抗を(Lm・s+Rn)、モータ電流を
i、モータのトルク定数をKとすると、モータの逆起
電力の推定値K・ωは下記(1)式となる。
【0010】 K・ω = Vm −(Lm・s+Rn)i ・・・(1) 上記(1)式より、 ω ={Vm −(Lm・s+Rn)i}/K ・・・(2) が成り立ち、通常この(2)式によって角速度ωを推定
している。角速度ωを推定するのは、高価なセンサを用
いないようにするためである。このようにして、上記
(2)式に従って角速度ωを推定すると、電流iが不連
続な断続モードでは角速度推定値ωにエラーが生じ、角
加速度推定値ωは角速度推定値ωを微分して推定して
いるため、その誤差は更に大きくなってしまう。このよ
うな誤差の影響を小さくするためには、不感帯を設定し
て制御量を減少させれば良いが、不連続になってしまう
問題がある。
【0011】本発明は上述のような事情よりなされたも
のであり、本発明の目的は、電動パワーステアリング装
置の断続モードにおいても安定性を損なうことなく、角
速度推定値や角加速度推定値に発生するエラーの影響を
除去し得るようにした電動パワーステアリング装置の制
御装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、ステアリング
シャフトに発生する操舵トルクに基いて演算された操舵
補助指令値と、ステアリング機構に操舵補助力を与える
モータの電流値とから演算した電流制御値に基いて前記
モータをPWM制御するようになっている電動パワース
テアリング装置の制御装置に関するもので、本発明の上
記目的は、モータ角加速度の生成部に前記操舵トルクを
関数化した推定値を乗算して前記電流制御値とすること
によって達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を、図面を
参照して説明する。
【0014】図1は本発明の前提となる制御機能の全体
ブロック図であり、操舵トルクTはセンタ応答性改善部
101及び操舵補助指令値演算部102に入力され、各
出力が加算器103に入力され、その加算結果がトルク
制御演算部104に入力されている。トルク制御演算部
104の出力信号はモータロス電流補償部105に入力
され、その出力が加算器106を経て最大電流制限部2
01に入力され、最大電流値が制限されて電流制御部2
02に入力される。電流制御部202の出力は、Hブリ
ッジ特性補償部203を経てHブリッジ回路で成る電流
ドライブ回路211に入力され、これによりモータ21
0を駆動する。
【0015】モータ210のモータ電流iは、モータ電
流オフセット補正部204を経て電流ドライブ切換部2
05、電流制御部202及びモータ角速度推定部301
に入力され、モータ端子電圧Vmはモータ角速度推定部
301に入力される。モータ角速度推定部301で推定
された角速度ωはモータ角加速度推定部・慣性補償部3
02、モータロストルク補償部303及びヨーレート推
定部304に入力され、ヨーレート推定部304の出力
は収れん制御部305に入力され、収れん制御部305
及びモータロストルク補償部303の各出力は加算器3
06で加算され、その加算結果が加算器103に入力さ
れる。モータロストルク補償部303はモータ210の
ロストルクの発生する方向、つまりモータ210の回転
方向に対してロストルク相当のアシストを行い、収れん
制御部305は、車両のヨーの収れん性を改善するため
にハンドルが振れ回る動作に対してブレーキをかけるよ
うになっている。モータ角加速度推定部・慣性補償部3
02の出力は、電流ディザ信号発生部307からの電流
ディザ信号と共に加算器308に入力され、加算器30
8の加算結果は加算器106に入力される。
【0016】トルク系制御100は、センタ応答性改善
部101、操舵補助指令値演算部102、トルク制御演
算部104、モータロス電流補償部105及び加算器1
03、106で行われ、電流制御200は、最大電流制
限部201、電流制御部202、Hブリッジ特性補償部
203、モータ電流オフセット補正部204及び電流ド
ライブ切換部205で行われる。また、補償系制御30
0は、モータ角速度推定部301、モータ角加速度推定
部・慣性補償部302、モータロストルク補償部30
3、ヨーレート推定部304、収れん制御部305、電
流ディザ信号発生部307及び加算器306、308で
行われる。
【0017】このような構成において、センタ応答性改
善部101は、アシスト特性の不感帯での安定性確保、
静摩擦の補償、ヒステリシス制御、操舵感のチューニン
グ、ウォームギアのゴムダンパによる制御不安定防止を
行い、図2に示すように位相進み補償部101A、近似
微分部101B及びゲイン設定部101Cで構成され、
位相進み補償部101Aは図3に示す周波数特性を有
し、近似微分部101Bは図4に示す周波数特性を有す
る。これにより、位相進み補償と近似微分との合成特性
は図5に示すようになり、全体として位相遅れのない位
相特性を得ることができる。また、ゲイン設定部101
Cでは車速及び操舵トルクTによる3段階のゲイン設定
を行い、操舵のヒステリシス感設定用のゲイン切換も行
う。つまり、ハンドルが急に戻されるような操舵感を低
減し、保舵を安定させるため、操舵トルク大で操舵トル
ク変化率大、かつ操舵トルク減少方向の場合に、設定ゲ
インを小さくしている。
【0018】操舵補助指令値演算部102はアシスト量
の計算において、3つの代表車速(0、30、254K
m/h)によるアシスト特性を基本特性として設定し、
その他の車速では車速補間ゲインに応じて各基本特性間
を車速2Km/h毎の補間を行う。そして、アシスト特
性の車速設定範囲0〜254Km/h、分解能2Km/
hとする。基本アシスト特性(トルク対電流)は図6に
示すものであり、0Km/h=lo特性、30Km/h
=la特性、254Km/h=lb特性で表わされてい
る。そして、その他の車速についての車速補間演算は、
図7で示す車速(Km/h)対車速補間係数γで2Km
/h毎に行う。車速0〜30Km/hのとき、アシスト
電流IはI=la(T)+γ(V)(lo(T)−la
(T))であり、車速32〜254Km/hのとき、ア
シスト電流IはI=lb(T)+γ(V)(la(T)
−lb(T))である。
【0019】また、トルク制御演算部104は電動パワ
ーステアリング装置の機械系の安定化、減速ギア部にゴ
ムダンパによる振動の安定化、操舵フィーリングの調整
のために操舵トルク応答を設定する。図8はその構成例
を示しており、位相補償部104A,104C,104
Dと、ロバスト安定化補償部104B,104Eとで構
成されており、ロバスト安定化補償部104B,104
Eの周波数特性は図9に示すようになっている。位相補
償部104A,104C,104Dの周波数特性は図1
0に示すようになっており、全体として図11のように
なる。
【0020】モータロス電流補償部105は、モータ電
流iが流れてもモータ出力に現れない電流を上乗せし
て、モータ出力トルク0からの立ち上りを改善し、セン
タ感のチューニングとして設定する。また、補償値はト
ルク制御演算出力の符号と同一符号となるように加算
し、補償値は車速により4段階に切換える。
【0021】最大電流制限部201は図12に示す構成
となっており、定格電流値による制限部201Aは電流
指令値の最大値が定格電流値となるように制限し、トル
ク定数補正部201Bはモータトルク定数温度変動を補
正するためのゲイン補正を行う。定格電流値による制限
の後でゲイン補正を行うことにより、低温時には定格電
流以下に制限され、低温減磁防止機能を兼ねている。ま
た、過熱保護による制限部201Cは過熱保護機能によ
って求められた電流制限値により、電流指令値を制限す
る。
【0022】電流制御部202は電流指令値とモータ電
流値iが一致するように上下段のFETのデューティ比
を計算する。また、据え切り時の電流振動を低減するた
め、据え切り時は電流フィードバック特性を低く設定
し、走行時は応答性を上げるため電流フィードバック特
性を高く設定するように、車速で特性を切換える。
【0023】Hブリッジ特性補償部203は電流ドライ
ブ切換部205により電流ドライブ方法が3段階に選択
され、それに基づいて変数Bの値を変更して電流ドライ
ブ方法を図14に示すように切換える。下段FETのデ
ューティ比は 下段FETデューティ比=上段FETデューティ比+B ・・・(3) で求められる。変数Bの値のみの切換えではモータ電流
iがステップ的に変化してしまうので、モータ電流iが
変化しないように上段FETデューティ比を同時に変更
し、上段FETデューティ比の変更により、制御系にフ
ィードバックする信号もステップ的に変化する。それに
よる制御系の過渡応答を防ぐため、Qフィルタの内部変
数をリセットする。また、ステアリング切り増し方向に
高速で回転させているとき、デューティ比対電流特性の
不感帯が大きくなり、応答性が悪くなることを補償する
ため、モータ角速度推定値ωが所定値以上、かつモータ
角速度推定値ωと電流駆動方向が同一、かつモータ電流
が所定値より小さいときに、デューティにモータ角速度
推定値ωに比例した値を加算する。
【0024】電流ドライブ切換部205は、ハンドル戻
り時にモータ逆起電圧によりデューティ比と電流との関
係が不連続になり、電流振動(制御音)を起こすことを
防止するため、デューティ比対電流特性が不連続になら
ないような電流ドライブ方法を決定し、電流制御部20
2に入力する。
【0025】モータ角速度推定部301は収れん性制
御、慣性補償、モータロストルク補償などの補償制御に
モータ角速度の情報が必要であり、センサを設けること
なく達成するために推定演算で求める。モータ角速度推
定部301の構成は図15のようになっており、モータ
逆起電圧K・ωは前記(1)式から求められる。な
お、図15では、モータの負荷系の抵抗をRmで簡略化
している。温度変動オフセット補正部301CはR=R
m+ΔR(ΔRには巻線温度変動、巻線スロットによる
変動、接触抵抗変動等が含まれる)とすると、モータ角
速度推定値ωの計算は下記(4)式になる。
【0026】 K・ω = Vm−(Rm+ΔR)i =Vm−Rm・i−ΔR・i ・・・(4) 上記(4)式より、ΔR・iの推定誤差を持つ。このう
ち、巻線の温度変動は−0.4/℃となることが分って
いるので、モータ温度推定値を基に抵抗の温度変動分を
補正する。
【0027】また、電流比例不感帯301Dは、推定誤
差はモータ電流iに比例したオフセット誤差となること
から、電流に比例した不感帯設定を行い、温度変動以外
の誤差の影響を取り除く。なお、モータ角加速度推定へ
の信号には、不感帯設定前の値を出力する。トルク定数
温度補正部301Eは、トルク定数Kは温度により変
動するため、モータ角速度推定値の大きさが温度で変化
する。これを補正するため、モータマグネット温度の推
定値からトルク定数Kの変動を計算して補正する。
【0028】モータ角加速度推定部・慣性補償部302
はモータ慣性を加減速させるトルクを操舵トルクから排
除して、慣性感のない操舵感にする。モータ慣性を加減
速させるトルクはモータ角加速度に比例するため、角加
速度推定値を求め、ゲイン倍して電流指令値に加算する
ことにより補償を行う。モータ角加速度推定方法は、モ
ータ角速度推定値(不感帯設定前)の入力に対して近似
微分を行うものであり、レイトリミッタは微分された信
号に対して位相遅れを少なくノイズ低減を行うため、信
号の変化率を制限するタイプのリミッタを設定する。マ
ップ感応不感帯設定は、保舵時のノイズ低減のため、ア
シスト特性の出力に比例した不感帯を設定する。モータ
慣性補償はモータ角加速度推定値をゲイン倍してモータ
慣性補償値とし、ゲインは車速に応じて4段階に設定す
る。
【0029】モータロストルク補償部303はモータの
ロストルクを補償するため、図16に示すようなモータ
角速度の方向に応じて補償値を出力する。ヨーレート推
定部304は、収れん性制御で必要な車両のヨーレート
を推定するため、モータ角速度ωから車両のヨーレート
までの伝達関数を計算して、車両のヨーレートを推定し
ている。伝達関数はω(Ts+1)/(s+2ζ
ω・s+ω)であり、周波数特性は図17に示すもの
である。
【0030】収れん性制御部305は、ヨーレート推定
値をゲイン倍してトルク制御系演算の入力に加算し、車
両のヨーレート収れん性を制御する。車速感応ゲインは
図18に示すように車速感応で2km/h毎に設定す
る。また、車両の挙動と操舵トルクとを一致させるた
め、ヨーレートが所定値以上で操舵トルクが所定値以上
の場合、車速感応ゲインに所定ゲインを加算し、図19
に示すように収れん性制御値を増加させる。
【0031】電流ディザ信号発生部307はモータが静
摩擦で張り付いてしまうのを防ぐため、操舵トルクが所
定値以下でモータ角速度推定値が所定値以下の場合に、
所定の周波数と振幅を持つディザ信号を電流指令値に加
算する。
【0032】ここにおいて、モータ角加速度推定部・慣
性補償部302は図20に示すように、モータ角速度推
定部301からの角速度推定値ωを微分する微分部30
2Aと、微分部302Aで微分されて求められた角加速
度推定値ωaに対して不感帯を設ける関数部302B
と、関数部302Bの出力にゲインを乗算するゲイン部
302Cとで構成されている。このように角速度推定値
ωを微分して角加速度推定値ωを求めると、角速度推
定値ωに誤差成分があるとその誤差が増長されてしま
い、制御の確実性が損なわれてしまう。
【0033】このため、本発明では図21に示すように
不感帯の関数部302Bを削除して、操舵トルクTを入
力して平方根関数で出力する関数部302Dを設け、関
数部302Dの出力をゲイン部302Cからの出力と乗
算する乗算部302Eを設けている。操舵トルクTの小
さい領域において角加速度推定値ωを小さくすること
により、制御の安定性を損なうことなく、断続モードで
生ずる制御エラーの影響を小さくすることができる。
【0034】
【発明の効果】本発明では、モータの角速度の推定値及
び角加速度の推定値に対して操舵トルクの関数を乗算
し、制御量を小さくしても安定性を損なうことなく、断
続モードで発生する制御エラーの影響を除去することが
でき、快適な操舵フィーリングを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の前提となる基本構成を示すブロック図
である。
【図2】センタ応答性改善部のブロック構成図である。
【図3】位相進み補償部の特性例を示す図である。
【図4】近似微分部の特性例を示す図である。
【図5】位相進み補償部及び近似微分部の合成特性を示
す図である。
【図6】基本アシスト特性を示す図である。
【図7】車速補間演算の一例を示す図である。
【図8】トルク制御演算部の構成例を示すブロック図で
ある。
【図9】ロバスト安定化補償の周波数特性を示す図であ
る。
【図10】位相補償の周波数特性を示す図である。
【図11】ロバスト安定化補償及び位相補償の合成特性
を示す図である。
【図12】最大電流制限部の構成例を示すブロック図で
ある。
【図13】電流制御部の構成例を示すブロック図であ
る。
【図14】Hブリッジ特性補償部の特性例を示す図であ
る。
【図15】モータ角速度推定部の構成例を示すブロック
図である。
【図16】モータロストルク補償の特性例を示す図であ
る。
【図17】ヨーレート推定部の特性例を示す図である。
【図18】収れん性制御部の特性例を示す図である。
【図19】収れん性制御部の特性例を示す図である。
【図20】モータ角加速度推定部・慣性補償部の構成例
を示すブロック図である。
【図21】本発明の要部を示すブロック構成図である。
【図22】電動パワーステアリング装置の一例を示すブ
ロック構成図である。
【図23】コントロールユニットの一般的な内部構成を
示すブロック図である。
【図24】モータ駆動回路の一例を示す結線図である。
【図25】電動パワーステアリング装置のデューティ比
対モータ電流特性を示す図である。
【符号の説明】
100 トルク系制御 101 センタ応答性改善部 102 操舵補助指令値演算部 104 トルク制御演算部 105 モータロス電流補償部 200 電流制御 201 最大電流制限部 202 電流制御部 203 Hブリッジ特性補償部 204 モータ電流オフセット補正部 205 電流ドライブ切換部 210 モータ 211 電流ドライブ回路 300 補償系制御 301 モータ角速度推定部 302 モータ角加速度推定部・慣性補償部 303 モータロストルク補償部 304 ヨーレート推定部 305 収れん制御部 307 電流ディザ信号発生部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D032 CC08 CC23 CC42 DA15 DA23 DA33 DA63 DA64 DA65 DC03 DC17 DC22 DC26 DD02 DD03 DD06 DD10 DD17 DE05 EB04 EB06 EB08 EB12 EC23 3D033 CA03 CA13 CA16 CA20 CA21 CA23 5H550 AA16 BB08 CC02 DD04 EE03 GG05 HB16 LL14 LL22 LL23 LL33 LL37

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステアリングシャフトに発生する操舵トル
    クに基いて演算手段で演算された操舵補助指令値と、ス
    テアリング機構に操舵補助力を与えるモータの電流値と
    から演算した電流制御値に基いて前記モータをPWM制
    御するようになっている電動パワーステアリング装置の
    制御装置において、モータ角加速度の生成部に前記操舵
    トルクを関数化した推定値を乗算して前記電流制御値と
    したことを特徴とする電動パワーステアリング装置の制
    御装置。
  2. 【請求項2】前記推定値が前記操舵トルクの平方根の関
    数である請求項1に記載の電動パワーステアリング装置
    の制御装置。
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