JP2007062520A - アンチロックブレーキシステム制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アンチロックブレーキシステム制御装置は、各車輪の回転速度を検出する手段13FL、13FR、13RL、13RLと、検出された各車輪の回転速度に基づいて、車速を演算する手段441と、算出された車速、回転速度、車輪の半径に基づいてスリップ率を算出する手段444と、演算された車速に基づいて、アンチロックブレーキシステムによる制動制御を行う手段45とを備え、制動制御手段45は、左右の算出されたスリップ率が所定の閾値範囲を超えたときに、左右の車輪の連動調整を行う調整指令生成部455と、調整指令生成部455で生成された調整指令に基づいて、各車輪の制動制御指令を出力する制動制御指令出力部451〜454とを備えている。
【選択図】図2
Description
このようなABS制御では、後輪をセレクトロー制御したり、4輪全輪を独立に制御する等の種々の方法が考えられているが、セレクトロー制御の場合、制動力を十分に確保できない等の問題があり、4輪独立制御の場合、車両の安定性を十分に得ることができないという問題がある。
このようなABS制御によれば、車両の安定性が要求される場合にはセレクトロー制御による安定性重視の制御、制動力が要求される場合には4輪独立制御による制動力重視の制御を行うことができるという利点がある。
ブレーキ制動時に車両の各車輪のロック状態を回避する車両用アンチロックブレーキシステムを制御するアンチロックブレーキシステム制御装置であって、
前記アンチロックブレーキシステムは、各車輪に独立して制動力を与えられるシステムとして構成され、
前記各車輪の回転速度を検出する回転速度検出手段と、
前記回転速度検出手段で検出された前記各車輪の回転速度に基づいて、車速を演算する車速演算手段と、
この車速演算手段で演算された車速、前記回転速度検出手段により検出された回転速度、及び前記各車輪の半径に基づいてスリップ率を算出するスリップ率算出手段と、
前記車速演算手段で演算された車速に基づいて、前記アンチロックブレーキシステムによる制動制御を行う制動制御手段とを備え、
前記制動制御手段は、
前記スリップ率算出手段により算出された左右の車輪のスリップ率がそれぞれ所定の閾値範囲を超えたときに、前記左右の車輪の制動力を連動調整する調整指令を生成する調整指令生成部と、
この調整指令生成部で生成された調整指令に基づいて、各車輪の制動制御指令を出力する制動制御指令出力部とを備えていることを特徴とする。
前記調整指令生成部は、前記回転速度検出手段で検出された回転速度の大きい側の車輪の制動力の増加を抑制する調整指令を生成することを特徴とする。
第3発明に係るアンチロックブレーキシステム制御装置は、第1発明又は第2発明において、
前記制動制御手段は、
算出されたスリップ率が前記所定の閾値以内となったときに、前記調整指令生成部による調整指令の生成を規制する指令生成規制部を備えていることを特徴とする。
第3発明によれば、指令生成規制部を備えていることにより、算出されたスリップ率が所定の閾値以内となったら、左右連動調整をすることなく、各車輪独立に制動制御が行われることとなるので、各車輪の回転速度に応じて確実な制動制御を行って、十分な制動力によるABS制御を行うことができる。
■1.ブレーキ装置1の全体構成
図1には、本発明の実施形態に係るブレーキ装置1が示されている。このブレーキ装置1は、作業車両としてのダンプトラックに装備されるものであり、図示を略したが、ダンプトラックを構成する車両本体は、エンジン、変速機、駆動軸、差動機を備え、エンジンの出力回転は、変速機で変速され、駆動軸が回転し、差動機を経て車輪10を回転させ、路面に伝達される。このような車両本体の車輪10の部分には、フロントブレーキ11及びリアブレーキ12が設けられている。
フロントブレーキ11は、前輪用単板ブレーキ111を備えて構成される。リアブレーキ12は、油冷多板ディスクブレーキとして構成され、後輪用多板ブレーキ121、スラックアジャスタ122、及びパーキングブレーキ123を備えて構成される。
また、詳しくは後述するが、各車輪10には、車輪10の回転速度を検出するための回転速度センサ13FL、13FR、13RL、13RRが設けられ、各回転速度センサ13FL、13FR、13RL、13RRで検出された回転速度信号は、ブレーキ装置1を制御するコントローラに電気信号として出力される。
フロントブレーキ11及びリアブレーキ12は、全て油圧によって制御され、制御を行うブレーキ油圧回路2から圧油が出力されると、ABS制御用油圧回路3を介してフロントブレーキ11及びリアブレーキ12の各部位に圧油が供給され、各部位は油圧によって動作する。このブレーキ油圧回路2は、油圧供給系21、フート式ブレーキ弁22、駐車ブレーキ弁23、緊急ブレーキ弁24、リレー弁25、フロントブレーキカット弁26、電磁式比例減圧弁27を備えて構成される。
また、詳しくは後述するが、ABS制御用油圧回路3は、前輪用油圧回路31及び後輪用油圧回路32を備えて構成される。
油圧アキュムレータ211、212、213は、駆動源となるエンジンによって駆動される油圧ポンプ214でタンク215内の作動油を昇圧し、この油圧ポンプ214の圧油を受けて所定の圧力で蓄圧し、かつ所定の圧力に到達すると、油圧ポンプ214及び油圧アキュムレータ213の間に設けられるアンロード装置216で油圧ポンプ214の圧油をアンロードする。
具体的には、ペダル223が操作されて前輪用ブレーキ弁221のスプールのポジションが変更され、油圧アキュムレータ211の圧油が前輪用ブレーキ弁221から出力されると、この圧油は、フロントブレーキカット弁26、シャトル弁225、及びABS制御用油圧回路3の前輪用油圧回路31を介してフロントブレーキ11に供給され、フロントブレーキ11による制動が行われる。
この際、後輪用ブレーキ弁222のスプールのポジションも同時に変更され、油圧アキュムレータ212の圧油が後輪用ブレーキ弁222から出力され、圧油は、シャトル弁226及び後輪用油圧回路32を介してリアブレーキ12のスラックアジャスタ122に供給され、リアブレーキ12による制動が行われる。
これにより駐車時には、リアブレーキ12の後輪用多板ブレーキ121が、パーキングブレーキ123の後輪用ばねで押圧されて圧着し制動状態を保持させる。
これにより走行時には、後輪用シリンダ室123A内の駐車制動圧は、パーキングブレーキ123の後輪用ばねを押し戻して、後輪用多板ブレーキ121を離間して開放し、車両は走行可能な状態となる。
この緊急ブレーキ弁24は、走行時、油圧アキュムレータ213からの圧油をパーキングブレーキ123の後輪用シリンダ室123Aに供給するポジションとされ、後輪用シリンダ室123Aに圧油を供給して後輪用多板ブレーキ121を離間して開放している。
オペレータがフート式ペダル241を操作すると、緊急ブレーキ弁24がタンク215と連通するポジションとされ、油圧アキュムレータ213の圧油を減圧して緊急制動圧としてパーキングブレーキ123の後輪用シリンダ室123Aに供給する。
これによりパーキングブレーキ123のばねで押圧されてリアブレーキ12による制動が開始される。
第1パイロット圧室251には、走行時の緊急ブレーキ弁24の出力圧が入力され、この状態でリレー弁25は、タンク215と連通するポジションとされ、フロントブレーキ11への供給ラインを減圧状態としてフロントブレーキ11による制動を開放している。
この電磁式比例減圧弁27は、前述した図1では不図示のコントローラによって制御され、作業車両が走行している坂道の勾配、積載重量、操縦者の設定車速等の情報がコントローラに入力され、コントローラは、これらの条件に基づいて、電磁式比例減圧弁27のソレノイド271に電気信号を出力し、電磁式比例減圧弁27の開度を調整して油圧アキュムレータ213からの圧油をシャトル弁226に出力する。
このようなリターダにより、操縦者がフート式ブレーキ弁22のペダル223を操作することなく、作業車両に与えられた種々の負荷を考慮して、電磁式比例減圧弁27の開度を調整し、エンジンのオーバラン防止を実現してエンジンへの負荷を軽減することが可能となる。
後輪用ブレーキ弁222からシャトル弁226に至る配管途中には、圧力スイッチ224が設けられ、フート式ブレーキ弁22のオン、オフを検出している。また、リターダ27からシャトル弁226に至る配管途中にも、圧力スイッチ272が設けられ、リターダ27のオン、オフを検出している。
図1に示されるように、ブレーキ油圧回路2からフロントブレーキ11及びリアブレーキ12に至る油圧回路途中には、ABS制御用油圧回路3が設けられており、このABS制御用油圧回路3は、前述したように、前輪用油圧回路31及び後輪用油圧回路32を備えて構成される。
前輪用油圧回路31は、フロントブレーキ11のABS制御を行う油圧回路として構成され、2つの電磁式比例減圧弁311、312、2つのシャトル弁313、314、圧力センサ315、316、及び圧力スイッチ317を備えて構成される。
各電磁式比例減圧弁311、312は、ソレノイド311A、312Aによって開度調整され、減圧されて排出された作動油の一部は、前述した油圧供給系21のタンク215に戻される。尚、本実施形態では、フロントブレーキカット弁26は、ABSを作動させるか否かを切り替えるABSカット弁としても機能し、フロントブレーキカット弁26を構成するソレノイド261に、コントローラからの電気信号を出力することにより、フロントブレーキ11側のABSを作動させるか否かを切り替えることができる。
圧力センサ315、316は、電磁式比例減圧弁311、312の出力側にそれぞれ設けられ、電磁式比例減圧弁311、312の出力側の圧力を検出し、検出された圧力信号を電気信号として図1では不図示のコントローラに出力する。
圧力スイッチ317は、シャトル弁225からの出力配管途中に設けられ、シャトル弁225から出力された圧油の油圧に応じてオンオフ動作する。
電磁式比例減圧弁321、322には、ソレノイド321A、322Aが設けられ、各電磁式比例減圧弁321、322は、コントローラから出力された電気信号に基づいて開度が調整される。
また、ABSカット弁328にもソレノイド328Aが設けられており、ABSカット弁328は、同様にコントローラから出力された電気信号に基づいて、リアブレーキ12側のABSの動作可否が切り替えられる。
そして、シャトル弁323の出力は、リアブレーキ12の左側のスラックアジャスタ122に接続され、シャトル弁324の出力は、右側のスラックアジャスタ122に接続され、これにより左右のスラックアジャスタ122のそれぞれに圧油が供給される。
図1において、前輪側のフロントブレーキカット弁26のスプールが下側のポジションにある場合、及び、後輪側のABSカット弁328のスプールが下側のポジションにある場合には、ABS機能は遮断されている。
この場合、フロント側では、フート式ブレーキ弁22のペダル223操作により、前輪用ブレーキ弁221から出力された圧油は、シャトル弁225、313、314を経て、フロントブレーキ11に供給され、ペダル223の踏み込み量に応じて制動力が増す通常のブレーキとして動作する。リア側も、後輪用ブレーキ弁222から出力された圧油が、シャトル弁226、323、324を経てリアブレーキ12に供給され、同様に通常のブレーキとして機能する。
この場合、前輪用油圧回路31では、操縦者がフート式ブレーキ弁22のペダル223を操作すると、前輪用ブレーキ弁221から出力された圧油は、電磁式比例減圧弁311、312に供給され、コントローラからの電気信号に応じて電磁式比例減圧弁311、312の開度が調整され、電磁式比例減圧弁311、312から出力された圧油は、シャトル弁313、314を経由してフロントブレーキ11に供給される。
この際、詳しくは後述するが、コントローラでは、回転速度センサ13FL、13FR、13RL、13RRで検出される車輪10の回転速度を監視し、各車輪10のロック状態に応じて、ソレノイド311A、312A、321A、322Aへの電気信号を出力して、各電磁式比例減圧弁311、312、321、322の開度を調整し、フロントブレーキ11及びリアブレーキ12の制動力を調整し、制動距離が短く、かつ作業車両がスピンしないような制御を実行する。
図2には、前述したブレーキ装置1の制御を行うコントローラ4の構成が示されている。
コントローラ4は、演算処理装置41及びメモリ42を備え、演算処理装置41の入力側には、LPF(Low Pass Filter)43が設けられ、演算処理装置41の出力側には、ABS制御用油圧回路3に設けられた電磁式比例減圧弁311、312、321、322の開度調整用のソレノイド311A、312A、321A、322Aが接続されている。
LPF43は、入力された電気信号の外乱等による高周波成分をフィルタ処理によって除去する部分であり、このLPF43には、各車輪10に設けられた回転速度センサ13FL、13FR、13RL、13RRから出力される各車輪10の回転速度信号が入力され、フィルタ処理後の各車輪10の回転速度信号を演算処理装置41に出力する。
車速演算手段44は、回転速度センサ13FL、13FR、13RL、13RRで検出された各車輪10の回転速度に基づいて、作業車両の車速を予測演算する部分であり、車速予測部441、ブレーキトルク算出部442、ブレーキ力予測部443、スリップ率算出部444、及びABS判定部445を備えて構成される。
具体的には、この車速予測部441は、まず、各車輪10の回転速度ωの時間当たりの変化量、すなわち回転速度の微分値dω/dtを算出し、続けて、算出された微分値dω/dt、車輪10の半径r、及び、メモリ42内に予め格納された最も制動力を生じさせることのできるスリップ率λの値に基づいて、各車輪10の減速度dV/dtを算出する。
そして、車速予測部441は、算出された減速度dV/dtに基づいて、各車輪10の回転速度から予測される車速の平均値をとって、制動制御手段45、スリップ率算出部444、及びABS判定部445に出力する。
ブレーキ力予測部443は、換算されたブレーキトルクに基づいて、ブレーキ力の予測を行う。このブレーキ力予測部443によるブレーキ力の予測は、最小二乗法により求めており、具体的には、ブレーキ力をFx、ホイールイナーシャをJ、角速度変化率をdω/dt、車輪10のタイヤ半径をrとすると、ブレーキ力予測部443は、以下の式(1)に基づいて、ブレーキ力の予測を行う。
各制動量生成部451〜454は、前述した車速予測部443で予測された車速V、各車輪10の回転速度センサ13FL、13FR、13RL、13RRで検出された各車輪10の回転速度ωに基づいて、周知のスライディングコントロール制御により、各車輪10に与えるべき制動量を生成し、これに応じた電気信号を、電磁式比例減圧弁311、312、321、322のソレノイド311A、312A、321A、322Aに出力する。
調整指令生成部455は、前述したスリップ率算出部444で算出された左右の車輪10のスリップ率λに基づいて、制動量生成部451〜455で生成される制動量の調整を図り、左右の制動量を連動調整する部分である。
本実施形態では、この調整指令生成部455による調整指令が生成される閾値としては、λrl<20%かつλrr>50%、又は、λrl>50%かつλrr<20%として設定されている。そして、この調整指令生成部455により生成する調整指令としては、左後輪制動量生成部453、右後輪制動量生成部454のうち、ABSの作動中に、車輪10の回転速度大きい側については、ABSによって制動力を増加させる制御が通常実施されるが、これを抑制するようなものとして生成することができる。
次に、前述した構成のコントローラ4の作用を、図3及び図4に示されるフローチャートに基づいて説明する。尚、以下の説明では、左後輪制動量生成部453を主体とし制動制御を行っているが、右側の車輪10を主体として制動制御するように構成しても、同様の制御方法となる。
(1)図3に示されるように、車両走行中、回転速度センサ13FL、13FR、13RL、13RRは、予め設定された時間間隔で各車輪10の回転速度を検出し、回転速度信号をコントローラ4に定期的に出力する(処理S1)。
(2)車速予測部441は、回転速度センサ13FL、13FR、13RL、13RRから出力された回転速度信号に基づいて、単位時間当たりの回転速度の変化量を演算し、各車輪10の回転速度微分値dω/dtを算出する(処理S2)。
(3)車速予測部441は、算出された回転速度微分値dω/dtと前回算出された車速に基づいて、各車輪10の減速度dV/dtを算出する(処理S3)。
(5)車速予測部441は、圧力スイッチ224からの信号から、操縦者がフート式ブレーキ弁22のペダル223を踏み込んだか否かを監視し(処理S6)、ペダル223操作があったと判定されたら、減速度dV/dtに基づいて、各車輪10から得られる車速を算出し、各車輪10から算出された車速の平均値をとって車両の車速を予測する(処理S7)。
(6)次に、スリップ率算出部444は、前述した式(2)によってスリップ率λを算出し(処理S8)、続けて、ブレーキ力予測部443は、ブレーキトルク算出部442で算出されたブレーキトルクTbから、式(1)を用いて予測されるブレーキ力Fxを算出する(処理S9)。
(8)一方、ABS判定部446がABS制御を開始すると判定したら、図4に示されるように、調整指令生成部455は、スリップ率算出部444で算出されたスリップ率λrlが20%未満であるか否かを判定する(処理S11)。
(10)スリップ率λrrが50%を超えている場合には、調整指令生成部455は、右後ろの車輪10がロック傾向にあると判定し、左後輪制動量生成部453から出力されるブレーキ圧を増加する制動量を抑制する調整指令を左後輪制動量生成部453に出力し、左後輪制動量生成部453による制動制御を実施する(処理S13)。
(11)一方、スリップ率λrrが50%以下であると判定された場合には、指令生成規制部456は、調整指令生成部455による指令生成を規制し、右後ろの車輪10がロック傾向にはないと判定し、左後輪制動量生成部453からの制動量(ブレーキ圧)に応じた制御信号をそのままソレノイド321Aに出力させ、左後ろの車輪10の制動制御を実施する(処理S14)。
(13)スリップ率λrlが50%を超えていると判定された場合には、調整指令生成部455は、左後ろの車輪10がロック傾向にあると判定し、左後輪制動量生成部453からの制動量(ブレーキ圧)に応じた制御信号を減少させる調整指令を左後輪制動量生成部453に出力し、左後輪制動量生成部453によるブレーキ圧を減少させた左後ろの車輪10の制動制御を実施する(処理S16)。
(15)ABS判定部447は、上述した一連の処理を予測される車速V≒0となるか、又はスリップ率λ≦5%になるまで繰り返し、いずれかの条件が満たされたらABSによる制御を終了する(処理S18)。
具体的には、図5に示されるように、左右の車輪10が独立でABS制御されている際、グラフBL、BRのように左後ろの車輪10への制動量グラフBLと右後ろの車輪10への制動量グラフBRにタイムラグが生じたときに、従来のABS制御では、各々を独立に制御しているため、左後ろの車輪10の制動量グラフBL’が生成され、この結果、グラフGL’のように左右の車輪10のスピードが交互に入れ替わるような制動制御となってしまい、車両のハンチングとして認識される限界ラインHに近づく可能性が高い。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、ダンプトラック等の作業車両に本発明を用いていたが、これに限らず、ホイルローダ等の作業車両の他、通常の乗用車等に本発明を採用してもよい。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造及び形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
Claims (3)
- ブレーキ制動時に車両の各車輪のロック状態を回避する車両用アンチロックブレーキシステムを制御するアンチロックブレーキシステム制御装置であって、
前記アンチロックブレーキシステムは、各車輪に独立して制動力を与えられるシステムとして構成され、
前記各車輪の回転速度を一定時間間隔で検出する回転速度検出手段と、
前記回転速度検出手段で検出された前記各車輪の回転速度に基づいて、車速を演算する車速演算手段と、
この車速演算手段で演算された車速、前記回転速度検出手段により検出された回転速度、及び前記各車輪の半径に基づいてスリップ率を算出するスリップ率算出手段と、
前記車速演算手段により演算された車速に基づいて、前記アンチロックブレーキシステムによる制動制御を行う制動制御手段とを備え、
前記制動制御手段は、
前記スリップ率算出手段により算出された左右の車輪のスリップ率がそれぞれ所定の閾値範囲を超えたときに、前記左右の車輪の制動力を連動調整する調整指令を生成する調整指令生成部と、
この調整指令生成部で生成された調整指令に基づいて、各車輪への制動制御指令を出力する制動制御指令出力部とを備えていることを特徴とするアンチロックブレーキシステム制御装置。 - 請求項1に記載のアンチロックブレーキシステム制御装置において、
前記調整指令生成部は、前記回転速度検出手段で検出された回転速度の大きい側の車輪の制動力の増加を抑制する調整指令を生成することを特徴とするアンチロックブレーキシステム制御装置。 - 請求項1又は請求項2に記載のアンチロックブレーキシステム制御装置において、
前記制動制御手段は、
算出されたスリップ率が前記所定の閾値以内となったときに、前記調整指令生成部による調整指令の生成を規制する指令生成規制部を備えていることを特徴とするアンチロックブレーキシステム制御装置。
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