JP2007039798A - インジウム回収方法とその用途 - Google Patents
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Abstract
【課題】 インジウムとスズとの分離性に優れており、スズ含有量が多いインジウム−スズ合金からでもスズ含有量が格段に少ないインジウムを回収することができる方法を提供する。
【手段】 インジウムとスズを金属形態で含有しインジウム含有量が50wt%以下のインジウム−スズ含有物を硝酸に溶解して、インジウムを溶解させると共にスズ含有澱物を生成させ、このスズ含有澱物を固液分離した後に、インジウムの硝酸溶解液を強アルカリ性、好ましくは遊離アルカリ濃度3mol/L以上に調整してインジウム含有澱物を生成させ、固液分離した該インジウム含有澱物からインジウムを回収することを特徴とするインジウムの回収方法。
【選択図】 図1
【手段】 インジウムとスズを金属形態で含有しインジウム含有量が50wt%以下のインジウム−スズ含有物を硝酸に溶解して、インジウムを溶解させると共にスズ含有澱物を生成させ、このスズ含有澱物を固液分離した後に、インジウムの硝酸溶解液を強アルカリ性、好ましくは遊離アルカリ濃度3mol/L以上に調整してインジウム含有澱物を生成させ、固液分離した該インジウム含有澱物からインジウムを回収することを特徴とするインジウムの回収方法。
【選択図】 図1
Description
本発明は、インジウム−スズ含有物からインジウムを効率よくスズと分離して回収する方法に関し、より詳しくは、スズ含有量が多いインジウム−スズ合金あるいはインジウム−スズスポンジからインジウムをスズと分離して効率よく回収することができるインジウムの回収方法に関する。
インジウムの回収技術として、インジウムスズ含有物を硫酸で溶解して回収する方法が知られている(特許文献1)。しかし、この回収方法は硫酸溶液中のインジウム濃度が低く、またスズの混入が避けられず、回収費用が嵩む問題点があった。さらに、分離工程で使用する水酸化ナトリウムと硫酸が反応して硫酸ナトリウムが生成するため、低温時には液中に結晶が析出してトラブルが起こり易い難点があった。
上記硫酸溶解法に代えて、硝酸を用いる方法が知られている。この方法は、ITOスクラップ等を硝酸に混合して、酸化インジウムを溶解させる一方、硝酸に不溶性の酸化スズを溶解残として分離する方法であり、スズを分離した後は、インジウム硝酸溶解液を陽イオン交換型の抽出溶媒に接触させてインジウムを抽出する方法(特許文献2)や、インジウム硝酸溶解液に硫化水素を通して、亜鉛、スズ、鉛、銅などの不純物を硫化物として沈殿除去した後、これにアンモニアを加えて中和し、水酸化インジウムとして回収する方法が知られている。
しかし、有機抽出溶媒を用いてインジウムを抽出する方法はコストが嵩み、またインジウム硝酸溶解液に共存する他の金属イオンの存在によって抽出効果が影響を受けるなどの問題がある。また、インジウム硝酸溶解液から亜鉛、スズ、鉛、銅などの不純物を硫化物沈澱にして分離除去した後にインジウムを水酸化沈澱にして回収する従来の方法はスズなどの分離性が良くない。
一方、ITOスクラップを塩酸に溶解させ、水酸化ナトリウムを添加して水酸化スズの沈澱を生成させ、これを濾過してインジウムと分離する方法も知られている(特許文献3、4)。しかし、この方法ではスズが完全に沈澱化せずに残留し、また水酸化スズの濾過性が悪いので、スズ混入量の少ないインジウムを回収するのが難しく、水酸化錫沈殿中への付着水でのインジウムのロスが多いと云う問題がある。さらに、これら従来の技術はITOスクラップなどを原料としており、これはインジウム含有量が90wt%程度の高品位インジウム含有物であり、インジウム品位が低いスクラップから効率よくインジウムを回収する場合には適さない。
特開昭55−41998号公報
特開2000−128531号公報
特開2002−69544号公報
特開2002−201025号公報
本発明は、インジウム品位の低いIn−Sn合金あるいはIn−Snスポンジから効率よくインジウムを回収する方法を提供するものであり、インジウムとスズの分離性が良く、スズ混入量の極めて少ないインジウムを回収することができる方法を提供する。
本発明によれば以下のインジウム回収方法とその用途が提供される。
(1)インジウムとスズを金属形態で含有するインジウム−スズ含有物を硝酸に溶解して、インジウムを溶解させると共にスズ含有澱物を生成させ、このスズ含有澱物を固液分離した後に、インジウムの硝酸溶解液を強アルカリ性に調整してインジウム含有澱物を生成させ、固液分離した該インジウム含有澱物からインジウムを回収することを特徴とするインジウムの回収方法。
(2)上記(1)の方法において、インジウム含有量が30wt%以下のIn−Sn合金、あるいはインジウム含有量が30wt%以下のIn−Snスポンジを出発原料として用いるインジウムの回収方法。
(3)上記(1)または(2)の方法において、スズ含有澱物を分離したインジウムの硝酸溶解液にアルカリ化合物を添加して遊離アルカリ濃度を3mol/L以上に調整して水酸化インジウムを沈澱させ、スズ含有量20ppm未満のインジウム含有澱物を回収するインジウム回収方法。
(4)インジウムとスズを金属形態で含有するIn−Sn合金あるいはIn−Snスポンジを硝酸に溶解し、生成したスズ含有澱物を固液分離した後に、該インジウム硝酸溶解液にアルカリ化合物を添加して遊離アルカリ濃度を3mol/L以上に調整して水酸化インジウムを沈澱させ、該インジウム含有澱物を分離回収して塩酸または硫酸またはこれらの混酸に溶解し、この溶解液に亜鉛またはアルミニウムまたは鉄の少なくとも一種を添加してインジウムを析出させ、スズ含有量30ppm未満の金属インジウムを回収することを特徴とする方法。
(5)上記(1)〜(4)の何れかの方法によって回収した金属インジウムを原料として用いたITOターゲット材。
(1)インジウムとスズを金属形態で含有するインジウム−スズ含有物を硝酸に溶解して、インジウムを溶解させると共にスズ含有澱物を生成させ、このスズ含有澱物を固液分離した後に、インジウムの硝酸溶解液を強アルカリ性に調整してインジウム含有澱物を生成させ、固液分離した該インジウム含有澱物からインジウムを回収することを特徴とするインジウムの回収方法。
(2)上記(1)の方法において、インジウム含有量が30wt%以下のIn−Sn合金、あるいはインジウム含有量が30wt%以下のIn−Snスポンジを出発原料として用いるインジウムの回収方法。
(3)上記(1)または(2)の方法において、スズ含有澱物を分離したインジウムの硝酸溶解液にアルカリ化合物を添加して遊離アルカリ濃度を3mol/L以上に調整して水酸化インジウムを沈澱させ、スズ含有量20ppm未満のインジウム含有澱物を回収するインジウム回収方法。
(4)インジウムとスズを金属形態で含有するIn−Sn合金あるいはIn−Snスポンジを硝酸に溶解し、生成したスズ含有澱物を固液分離した後に、該インジウム硝酸溶解液にアルカリ化合物を添加して遊離アルカリ濃度を3mol/L以上に調整して水酸化インジウムを沈澱させ、該インジウム含有澱物を分離回収して塩酸または硫酸またはこれらの混酸に溶解し、この溶解液に亜鉛またはアルミニウムまたは鉄の少なくとも一種を添加してインジウムを析出させ、スズ含有量30ppm未満の金属インジウムを回収することを特徴とする方法。
(5)上記(1)〜(4)の何れかの方法によって回収した金属インジウムを原料として用いたITOターゲット材。
本発明の回収方法は、インジウム−スズ含有物を硝酸に溶解するのでスズは澱物として分離され、その後さらに、インジウムの硝酸溶解液を強アルカリに調整してインジウム含有澱物を生成させるので、上記硝酸溶解液に残留しているスズイオンは強アルカリ性下では沈澱せずに液中に残り、このような二段階の分離操作によってインジウムとスズが確実に分離されるので、スズ混入量が格段に少ないインジウムを回収することができる。
本発明のインジウム回収方法は、インジウムとスズの分離性に優れているので、スズ含有量が多いインジウム−スズ合金からインジウムを回収するのに適している。従来の硝酸溶解法や塩酸溶解法は、主にITOスクラップなどを回収原料としており、一般にこのITOスクラップはインジウム量が90wt%以上であり、インジウムを主体とするものであるので、インジウム量が少なくスズ含有量の多いスクラップを従来の回収方法によって処理しても、スズ混入量の少ない金属インジウムを回収するのは難しい。一方、本発明の回収方法によれば、スズ含有量が多いインジウム−スズ合金からでも、スズの含有量が格段に少ない金属インジウムを回収することができる。
本発明のインジウム回収方法は、例えば、インジウム含有量が30wt%以下のIn−Sn合金、あるいはインジウム含有量が30wt%以下のIn−Snスポンジを出発原料として、スズ含有量20ppm未満の金属インジウムを回収することができる。
本発明のインジウム回収方法を図1に示す。図示するように、本発明のインジウム回収方法は、インジウムとスズを金属形態で含有するインジウム−スズ含有物を硝酸に溶解して、インジウムを溶解させると共にスズ含有澱物を生成させ、このスズ含有澱物を固液分離した後に、インジウムの硝酸溶解液を強アルカリに調整してインジウム含有澱物を生成させ、固液分離した該インジウム含有澱物からインジウムを回収することを特徴とする方法である。
本発明の方法はインジウムとスズを金属形態で含有するインジウム−スズ含有物を原料として用いる。インジウムとスズを金属形態で含有するインジウム−スズ含有物とは、例えばIn−Sn合金、あるいはIn−Snスポンジである。本発明の回収方法では、インジウム含有量がスズ含有量よりも少ないIn−Sn含有物、例えば、インジウム含有量が30wt%以下のIn−Sn合金、あるいはインジウム含有量が30wt%以下のIn−Snスポンジを原料として用いることができ、スズ含有量の少ない金属インジウムを回収することができる。
上記インジウム−スズ含有物を硝酸に溶解させる。金属インジウムは硝酸に溶解するが、金属スズは硝酸と反応して不溶性のメタスズ酸沈澱(スズ含有澱物と云う)を生じるので、これを固液分離することによって、インジウムとスズを分離することができる。硝酸の濃度は3mol/L以上が適当であり、液温は50℃以上、好ましくは70℃以上が良い。分離したスズ含有澱物はスズ回収工程に送り、スズ回収原料として使用することができる。
スズ含有澱物を分離したインジウム硝酸溶解液を強アルカリ性に調整して水酸化インジウムを沈澱させる。例えば、上記インジウム硝酸溶解液にアルカリ化合物を添加して遊離アルカリ濃度を3mol/L以上に調整して水酸化インジウムを沈澱させる。アルカリ化合物としては、アルカリ金属の水酸化物を用いることができる。
水酸化インジウム沈澱時の遊離アルカリ濃度が3mol/L以上であると、液中に残留するスズイオンが沈澱化せず、インジウムイオンを選択的に水酸化物沈澱にすることができる。このインジウム含有澱物を固液分離することによって、インジウムとスズの分離性を高めることができ、スズ含有量が格段に少ないインジウム含有澱物を回収することができる。具体的には、スズ含有量30ppm未満のインジウム含有澱物を回収することができる。水酸化インジウム沈澱時のアルカリ濃度が上記範囲よりも低いとインジウム含有澱物にスズが混入し易くなるので好ましくない。
上記インジウム含有澱物を固液分離して回収し、これを塩酸または硫酸またはこれらの混酸に溶解し、この溶解液にインジウムより卑な金属を添加してインジウムを還元析出させることによって、スズ含有量が格段に少ないスポンジ状の金属インジウムを回収することができる。具体的には、例えばスズ含有量20ppm未満の金属インジウムを回収することができる。上記卑金属としては亜鉛またはアルミニウムまたは鉄の少なくとも一種を用いることができる。
なお、原料のIn−Sn含有物に鉛が含まれている場合には、上記インジウム含有澱物を溶解するには硫酸を主体とする酸を用いると良い。、具体的には、硫酸、または硫酸と塩酸の混酸を用いると良い。硫酸を主体とする酸を用いることによって鉛が澱物になるので、これをインジウム溶解液から分離することができる。
以下、本発明の実施例を比較例と共に示す。なお、各例において、澱物および金属インジウムの含有成分量はICPによって測定した。結果を表1に示した。
〔実施例1〕
スポンジ状のIn−Sn合金(In10wt%、Sn90wt%)100gを硝酸1.2L(濃度3mol/L)に混合し80℃に加熱して溶解させた。この硝酸溶解液を濾過して溶解残渣を分離し除去した。この溶解残渣の乾燥重量は130gであり、スズ含有量67wt%のスズ主体の澱物であった。濾液の硝酸溶解液中のスズイオン濃度は1.5mg/Lであった。上記澱物を分離した硝酸溶解液1000mlに苛性ソーダを添加して、遊離アルカリ濃度を3mol/Lに調整し、生成した澱物を固液分離した。この澱物の乾燥重量は12.4g、インジウム含有量68wt%、スズ含有量20ppmであり、インジウムを主体とする澱物である。このインジウム含有澱物を塩酸(濃度1モル/L)に溶解し、亜鉛粉を添加してインジウムを析出させた。これを回収して乾燥し、スポンジ状の金属インジウムを得た。この金属インジウムのスズ含有量は30ppmであった。
スポンジ状のIn−Sn合金(In10wt%、Sn90wt%)100gを硝酸1.2L(濃度3mol/L)に混合し80℃に加熱して溶解させた。この硝酸溶解液を濾過して溶解残渣を分離し除去した。この溶解残渣の乾燥重量は130gであり、スズ含有量67wt%のスズ主体の澱物であった。濾液の硝酸溶解液中のスズイオン濃度は1.5mg/Lであった。上記澱物を分離した硝酸溶解液1000mlに苛性ソーダを添加して、遊離アルカリ濃度を3mol/Lに調整し、生成した澱物を固液分離した。この澱物の乾燥重量は12.4g、インジウム含有量68wt%、スズ含有量20ppmであり、インジウムを主体とする澱物である。このインジウム含有澱物を塩酸(濃度1モル/L)に溶解し、亜鉛粉を添加してインジウムを析出させた。これを回収して乾燥し、スポンジ状の金属インジウムを得た。この金属インジウムのスズ含有量は30ppmであった。
〔実施例2〜4〕
溶解条件を表1に示すように調整した以外は実施例1と同様にして金属インジウムを得た。この結果を表1に示した。溶解温度60℃の場合(実施例2、4)には、硝酸溶解液中のスズ濃度は20〜26mg/Lであるが、次工程の水酸化インジウム生成工程での遊離アルカリ濃度を4mol/L以上に調整することによって、インジウム澱物中のスズ含有量は低下し、還元生成物のインジウムスポンジ中のスズ濃度は20ppm、14ppmに低減している。また、溶解温度90℃の場合(実施例3)には、溶解液中のスズ濃度は<1ppmと低く、さらに水酸化インジウム生成工程で一部のスズが除去され、インジウムスポンジ中のスズ含有量は15ppmであった。
溶解条件を表1に示すように調整した以外は実施例1と同様にして金属インジウムを得た。この結果を表1に示した。溶解温度60℃の場合(実施例2、4)には、硝酸溶解液中のスズ濃度は20〜26mg/Lであるが、次工程の水酸化インジウム生成工程での遊離アルカリ濃度を4mol/L以上に調整することによって、インジウム澱物中のスズ含有量は低下し、還元生成物のインジウムスポンジ中のスズ濃度は20ppm、14ppmに低減している。また、溶解温度90℃の場合(実施例3)には、溶解液中のスズ濃度は<1ppmと低く、さらに水酸化インジウム生成工程で一部のスズが除去され、インジウムスポンジ中のスズ含有量は15ppmであった。
〔比較例1〜3〕
比較例1では硝酸濃度が2mol/L、溶解温度が40℃と低いので、メタスズ酸沈澱の生成が不十分であり、溶解液中の脱スズが進行せず、スズ濃度が著しく高い。また、水酸化インジウム生成工程でアルカリ濃度をpH10にしたが、スズの溶解が不十分であるため水酸化インジウム沈澱にスズが混入し、インジウムスポンジ中にほぼ全量のスズが残留するので、スポンジ中のスズ含有量が極めて高い。
比較例2は水酸化インジウム生成工程のpHを5に調整した以外は実施例4と同様であるが、水酸化インジウム生成工程での脱スズが不十分であるため、インジウムスポンジ中のスズ含有量は0.2wt%と多い。
比較例3は溶解液として塩酸を用いた。原料中のインジウムとスズは全量が溶解するのでインジウムとスズを分離することができない。
比較例1では硝酸濃度が2mol/L、溶解温度が40℃と低いので、メタスズ酸沈澱の生成が不十分であり、溶解液中の脱スズが進行せず、スズ濃度が著しく高い。また、水酸化インジウム生成工程でアルカリ濃度をpH10にしたが、スズの溶解が不十分であるため水酸化インジウム沈澱にスズが混入し、インジウムスポンジ中にほぼ全量のスズが残留するので、スポンジ中のスズ含有量が極めて高い。
比較例2は水酸化インジウム生成工程のpHを5に調整した以外は実施例4と同様であるが、水酸化インジウム生成工程での脱スズが不十分であるため、インジウムスポンジ中のスズ含有量は0.2wt%と多い。
比較例3は溶解液として塩酸を用いた。原料中のインジウムとスズは全量が溶解するのでインジウムとスズを分離することができない。
〔実施例5〕
スズを主体としてインジウム、微量の鉛を含有する金属(In::9.5wt%、Sn:90wt%、Pb:0.5wt%)100gを、硝酸1.2L(濃度3mol/L)に混合し、80℃に加熱して溶解させた。この硝酸溶解液を濾過して溶解残渣を分離し除去した。この溶解残渣の乾燥重量は138gであり、スズ含有量65wt%のスズ主体の澱物であった。濾液の硝酸溶液中のスズイオン濃度は3mg/Lであった。上記澱物を分離した硝酸溶解液1000mlに苛性ソーダを添加して、遊離アルカリ濃度を2mol/Lに調整し、生成した澱物を固液分離した。この澱物の乾燥重量は13.5g、インジウム含有量65wt%、錫含有量10ppm、鉛含有量:2.1wt%でインジウムを主体とする澱物である。このインジウム含有澱物を濃度2M/Lの硫酸100mlに溶解し、未溶解物を濾過した後、亜鉛粒を添加してインジウムを析出させた。これを回収し乾燥させスポンジインジウムを得た。このインジウム中の錫含有量は15ppm、鉛含有量は5ppmであった。
スズを主体としてインジウム、微量の鉛を含有する金属(In::9.5wt%、Sn:90wt%、Pb:0.5wt%)100gを、硝酸1.2L(濃度3mol/L)に混合し、80℃に加熱して溶解させた。この硝酸溶解液を濾過して溶解残渣を分離し除去した。この溶解残渣の乾燥重量は138gであり、スズ含有量65wt%のスズ主体の澱物であった。濾液の硝酸溶液中のスズイオン濃度は3mg/Lであった。上記澱物を分離した硝酸溶解液1000mlに苛性ソーダを添加して、遊離アルカリ濃度を2mol/Lに調整し、生成した澱物を固液分離した。この澱物の乾燥重量は13.5g、インジウム含有量65wt%、錫含有量10ppm、鉛含有量:2.1wt%でインジウムを主体とする澱物である。このインジウム含有澱物を濃度2M/Lの硫酸100mlに溶解し、未溶解物を濾過した後、亜鉛粒を添加してインジウムを析出させた。これを回収し乾燥させスポンジインジウムを得た。このインジウム中の錫含有量は15ppm、鉛含有量は5ppmであった。
〔実施例6〕
実施例5と同様にして得たインジウム含有澱物を濃度0.2M/Lの塩酸20mlと濃度2M/Lの硫酸80mlとの混酸に溶解し、未溶解分を濾過後、粒状アルミニウムにてインジウムを析出させた。これを回収して乾燥し、スポンジインジウムを得た。このスポンジインジウム中の錫含有量は25ppm、鉛含有量は20ppmであった。
実施例5と同様にして得たインジウム含有澱物を濃度0.2M/Lの塩酸20mlと濃度2M/Lの硫酸80mlとの混酸に溶解し、未溶解分を濾過後、粒状アルミニウムにてインジウムを析出させた。これを回収して乾燥し、スポンジインジウムを得た。このスポンジインジウム中の錫含有量は25ppm、鉛含有量は20ppmであった。
Claims (5)
- インジウムとスズを金属形態で含有するインジウム−スズ含有物を硝酸に溶解して、インジウムを溶解させると共にスズ含有澱物を生成させ、このスズ含有澱物を固液分離した後に、インジウムの硝酸溶解液を強アルカリ性に調整してインジウム含有澱物を生成させ、固液分離した該インジウム含有澱物からインジウムを回収することを特徴とするインジウムの回収方法。
- 請求項1の方法において、インジウム含有量が30wt%以下のIn−Sn合金、あるいはインジウム含有量が30wt%以下のIn−Snスポンジを出発原料として用いるインジウムの回収方法。
- 請求項1または2の方法において、スズ含有澱物を分離したインジウムの硝酸溶解液にアルカリ化合物を添加して遊離アルカリ濃度を3mol/L以上に調整して水酸化インジウムを沈澱させ、スズ含有量20ppm未満のインジウム含有澱物を回収するインジウム回収方法。
- インジウムとスズを金属形態で含有するIn−Sn合金あるいはIn−Snスポンジを硝酸に溶解し、生成したスズ含有澱物を固液分離した後に、該インジウム硝酸溶解液にアルカリ化合物を添加して遊離アルカリ濃度を3mol/L以上に調整して水酸化インジウムを沈澱させ、該インジウム含有澱物を分離回収して塩酸または硫酸またはこれらの混酸に溶解し、この溶解液に亜鉛またはアルミニウムまたは鉄の少なくとも一種を添加してインジウムを析出させ、スズ含有量30ppm未満の金属インジウムを回収することを特徴とする方法。
- 請求項1〜4の何れかの方法によって回収した金属インジウムを原料として用いたITOターゲット材。
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JP2008240090A (ja) * | 2007-03-28 | 2008-10-09 | Dowa Metals & Mining Co Ltd | インジウムの回収方法 |
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