JP2006347281A - 車両の操舵装置 - Google Patents

車両の操舵装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006347281A
JP2006347281A JP2005174013A JP2005174013A JP2006347281A JP 2006347281 A JP2006347281 A JP 2006347281A JP 2005174013 A JP2005174013 A JP 2005174013A JP 2005174013 A JP2005174013 A JP 2005174013A JP 2006347281 A JP2006347281 A JP 2006347281A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
steering
angle
turning
rotation amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005174013A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4513659B2 (ja
Inventor
Takeshi Goto
武志 後藤
Ryuichi Kurosawa
隆一 黒沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2005174013A priority Critical patent/JP4513659B2/ja
Priority to KR1020077010902A priority patent/KR100859309B1/ko
Priority to CNB2006800010115A priority patent/CN100509520C/zh
Priority to US11/661,496 priority patent/US7957867B2/en
Priority to EP06756959A priority patent/EP1892176A4/en
Priority to PCT/JP2006/311148 priority patent/WO2006134789A1/ja
Publication of JP2006347281A publication Critical patent/JP2006347281A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4513659B2 publication Critical patent/JP4513659B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D6/00Arrangements for automatically controlling steering depending on driving conditions sensed and responded to, e.g. control circuits
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D6/00Arrangements for automatically controlling steering depending on driving conditions sensed and responded to, e.g. control circuits
    • B62D6/002Arrangements for automatically controlling steering depending on driving conditions sensed and responded to, e.g. control circuits computing target steering angles for front or rear wheels
    • B62D6/003Arrangements for automatically controlling steering depending on driving conditions sensed and responded to, e.g. control circuits computing target steering angles for front or rear wheels in order to control vehicle yaw movement, i.e. around a vertical axis
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D5/00Power-assisted or power-driven steering
    • B62D5/008Changing the transfer ratio between the steering wheel and the steering gear by variable supply of energy, e.g. by using a superposition gear
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D5/00Power-assisted or power-driven steering
    • B62D5/04Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
  • Power Steering Mechanism (AREA)

Abstract

【課題】 車両の旋回状態にて、車両に作用する車体の横滑り角分の横力の影響を積極的に低減し、車両の旋回時における挙動を安定させる車両の操舵装置を提供すること。
【解決手段】 電子制御ユニット45は、ステップS11にて、車体の横滑り角βを入力する。次に、電子制御ユニット45は、ステップS12にて、運転者によって入力された補正量Nを入力する。次に、電子制御ユニット45は、ステップS15にて、車体の横滑り角βに起因して車両に発生する横力を低減するために、操舵入力軸12の回転量と所定の関係にある転舵出力軸13の回転量(K1・θ)から補正項(N・β)を減算することにより、目標転舵角δaを計算する。そして、電子制御ユニット45は、ステップS16,17にて、転舵出力軸13に回転量が目標転舵角δaとなるまで、可変ギア比アクチュエータ20の電動モータ21を駆動制御する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、運転者によって回動操作される操舵ハンドルに一体的に接続される操舵入力軸と、転舵輪を転舵するための転舵機構に接続される転舵出力軸と、前記操舵入力軸の回転量に対して前記転舵出力軸の回転量を相対的に変化させる電気アクチュエータとを備えた車両の操舵装置に関する。
近年、車両の旋回状態における運動性能の向上と挙動安定性の向上を両立させる車両の操舵装置の開発は、盛んに行われている。そして、例えば、下記特許文献1に示されるような4輪操舵車両の操舵制御方法を採用した車両の操舵装置においては、前輪および後輪の舵力、横力または横滑り角のいずれかを検出し、前輪および後輪の舵力または横力がそれぞれ横滑り角に比例するものとして、前輪舵角を前輪操舵角に前輪横滑り角に比例する補正舵角を加算した値で制御し、後輪舵角を後輪横滑り角に比例して制御するようになっている。これにより、前輪の横滑り角および後輪の横滑り角に対する比例係数すなわち前輪転舵係数および後輪転舵係数をそれぞれ別個に可変制御することができるため、操舵に対するヨーイングモーメントの発生の位相の発生の遅れを防ぐことができるとともに、前後輪のコーナリングパワーのバランスを変えて、ステア特性を自由に制御できるようになっている。
特開平2−95982号公報
ところで、車両が旋回するために必要な横力は、前後輪に装着されたタイヤと路面との間の摩擦力により与えられる。この旋回に必要な横力を詳細に考察すると、同横力は、4輪操舵車の場合には前後輪が転舵(前輪転舵車の場合には前輪が転舵)されることによって発生する転舵角分の横力と、前後輪(より詳しくは、タイヤ)が横滑り角を有することによって発生する横滑り角分の横力とが合算されたものとなる。そして、前後輪は車体に組み付けられているため、前後輪が横滑り角を有して車両が旋回状態にあれば、車体にも横滑り角が発生することになる。したがって、車両が旋回するために必要な横力は、転舵角分の横力と、車体が横滑り角を有することによって発生する横滑り角分の横力とが合算されたものともいえる。ここで、横滑り角は、車速が大きいほど大きく発生しやすく、横滑り角分横力は、前後輪のタイヤの横滑り角が大きいほど大きく発生する。
ここで、上記従来の操舵制御方法を採用した車両の操舵装置において、運転者が操舵ハンドルを操舵した場合には、前後輪が転舵されることにより、前後輪のタイヤの横滑り角が増加する。これにより、車両に作用する横力は、転舵角分の横力に対して、前後輪の増加した横滑り角分の横力が追加されるためにより大きな横力となり、車両はより旋回しやすくなる。言い換えれば、運転者が操舵ハンドルを操舵して前後輪が転舵された場合には、同転舵によって発生した車体の横滑り角分の横力が追加されて、前後輪が追加転舵された場合と同様になる。この場合、例えば、車両が高速走行している場合では、上記従来の操舵制御方法は、前後輪を同位相に転舵することにより、車体の横滑り角を小さくして、横滑り角分の横力の発生を抑制するようにしている。しかし、車体の横滑り角は小さくなるものの、後輪が転舵されることには変わりなく、前後輪に大きな横滑り角が発生して横力が生じるため、結果として、車両には運転者が意図しない大きな横力が作用することになる。
この点に関し、上記従来の操舵制御方法は、後輪の転舵を禁止するとともに、前輪の転舵角を、同輪に発生した横滑り角に比例する補正転舵角を加算することによって補正することもできる。しかしながら、この場合の補正は、前輪の横滑り角分の横力を低減するのみであって、車両の旋回に伴って転舵が禁止された後輪側で発生する横滑り角分の横力を低減する補正ではない。その結果、旋回状態にある車両の車体に発生した横滑り角を補正することができず、依然として、車両には、運転者が意図しない車体の横滑り角分の横力が作用することになる。
このように、運転者による操舵ハンドルの操舵に依存して発生する転舵角分の横力に対して、運転者が意図しない車体の横滑り角分の横力が付加される状況では、操舵ハンドルを操舵した以上に車両に横力が作用するため、舵が効きすぎる状態となる。この結果、車両のステア特性は、運転者が意図する旋回半径よりも小さな旋回半径で旋回する、所謂、オーバーステア特性となる可能性がある。このため、例えば、高速走行している場合や雪上、氷上を走行している場合には、運転を熟知した運転者であっても、車両の旋回時における挙動を安定させることが難しい。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、車両の旋回状態にて、車両に作用する車体の横滑り角分の横力の影響を積極的に低減し、車両の旋回時における挙動を安定させる車両の操舵装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、運転者によって回動操作される操舵ハンドルに一体的に接続される操舵入力軸と、転舵輪を転舵するための転舵機構に接続される転舵出力軸と、前記操舵入力軸の回転量に対して前記転舵出力軸の回転量を相対的に変化させる電気アクチュエータとを備えた車両の操舵装置において、車両が旋回状態にあるときに発生する車体の横滑り角を検出する横滑り角検出手段と、前記車体の横滑り角に起因して車両に発生する横力の前記車両の旋回状態に対する影響を低減するために、前記横滑り角検出手段により検出した車体の横滑り角に応じて定めた補正項を加味して、前記転舵出力軸の目標回転量を計算する目標回転量計算手段と、前記目標回転量計算手段によって計算した目標回転量に基づいて、前記電気アクチュエータの駆動を制御する駆動制御手段とを備えたことにある。この場合、前記目標回転量計算手段は、前記操舵入力軸の回転量に対して予め定められた関係にある前記転舵出力軸の回転量から、前記補正項を減ずることによって目標回転量を計算するとよい。
これらの場合、前記補正項は、旋回状態にある車両の前後輪と路面との間における摩擦力に基づいて車両の旋回中心方向に作用するコーナリングフォースを用いて計算される係数と前記検出した車体の横滑り角とを乗算して計算されるとよい。また、運転者によって操作されて、前記横力の車両の旋回状態に対する影響を低減する度合いを表す調整値を入力するための調整値入力手段を備え、前記補正項は、前記調整値入力手段を用いて入力された前記調整値と前記検出した車体の横滑り角とを乗算して計算されるとよい。
これらによれば、例えば、可変ギア機構を有する操舵装置やステアリングバイワイヤ方式の操舵装置など、操舵入力軸の回転量に対して転舵出力軸の回転量を相対的に変化させることが可能な操舵装置において、目標回転量計算手段は、車体に発生して横滑り角検出手段によって検出された車体の横滑り角に応じて定めた補正項を加味して、転舵出力軸の目標回転角を計算することができる。ここで、目標回転量の計算に際して、より具体的には、操舵入力軸の回転量に対して予め定めた関係(例えば、操舵入力軸の回転を転舵出力軸へ伝達する伝達比など)に基づいて回転された転舵出力軸の回転量から、補正項を減算して計算することができる。そして、駆動制御手段は、電気アクチュエータを駆動制御して、転舵出力軸を計算された目標回転量に回転させることができ、転舵輪は、転舵機構を介して伝達される目標回転量に対応する転舵角に転舵される。
このように、転舵出力軸の目標回転量を、車体に発生した横滑り角に応じて定めた補正項を加味して計算することにより、旋回状態にある車両に作用する運転者の意図しない横力の影響を低減することができる。この結果、運転者が操舵ハンドルを回動操作した場合には、見かけ上、この回動操作に基づく横力、すなわち、転舵角分の横力のみが車両に作用することになる。これにより、運転者の操舵ハンドルの操作に一致して、言い換えれば、操舵ハンドルを回動操作した分だけ車両を旋回させることができる。したがって、車両の運転を熟知していない運転者が、高速走行、雪上あるいは氷上を走行する場合であっても、車両の旋回時における挙動を安定させ、意のままに車両を運転することができる。
また、目標回転量を計算するための補正項は、前後輪のコーナリングフォースを用いて計算される係数と車体の横滑り角との乗算することによって計算することができる。これにより、車両の旋回状態に応じて最適な補正項を決定することができ、車両を極めて容易にかつ安定した状態で旋回させることができる。さらには、補正項は、運転者によって入力されて、車体の横滑り角に起因して車両の旋回状態に影響を及ぼす横力の低減度合いを表す調整値と車体の横滑り角とを乗算することによっても計算することができる。これによれば、運転者の好みに応じて補正の程度を決定することができる。したがって、旋回状態にある車両の挙動を安定させることができるとともに、運転者は、良好な操舵フィーリングを確保した状態で意のままに車両を運転することができる。
さらに、車両の車速を検出する車速検出手段と、前記車速検出手段によって検出した車速が所定の車速未満のとき、前記目標回転量計算手段による目標回転量の計算を禁止する禁止手段とを備えることもできる。これによれば、車速に応じて目標回転量の計算の要否を決定することができるため、状況に応じた最適な車両の旋回状態を得ることができる。これによっても、運転者は、意のままに車両を運転することができる。
以下、本発明の実施形態に係る車両の操舵装置について、図面を用いて詳細に説明する。図1は、実施形態に係る車両の操舵装置を概略的に示している。
この操舵装置は、転舵輪としての左右前輪FW1,FW2を転舵するために、運転者によって回動操作される操舵ハンドル11を備えている。操舵ハンドル11は、操舵入力軸12の上端に固定されており、操舵入力軸12の下端は、電気アクチュエータとしての可変ギア比アクチュエータ20に接続されている。可変ギア比アクチュエータ20は、電動モータ21および減速機22を備えており、操舵入力軸12の回転量(すなわち操舵角θ)に対して、減速機22に接続された転舵出力軸13の回転量(すなわち転舵角δ)を適宜相対的に変更するものである。
電動モータ21は、そのモータハウジングが操舵入力軸12と一体的に接続されており、運転者による操舵ハンドル11の回動操作に従って一体的に回転するようになっている。また、電動モータ21の駆動シャフト21aは減速機22に接続されており、同電動モータ21の回転力が駆動シャフト21aを介して減速機22に伝達されるようになっている。減速機22は、所定のギア機構(例えば、遊星ギア機構など)によって構成されており、転舵出力軸13はこのギア機構に接続されている。これにより、減速機22は、電動モータ21の回転力が駆動シャフト21aを介して伝達されると、所定のギア機構によって駆動シャフト21aの回転を適宜減速して転舵出力軸13に回転を伝達することができる。
これにより、可変ギア比アクチュエータ20は、電動モータ21の駆動シャフト21aおよび減速機22を介して、操舵入力軸12と転舵出力軸13とを相対回転可能に連結しており、操舵入力軸12の操舵角θに対する転舵出力軸13の転舵角δの比、すなわち、操舵入力軸12から転舵出力軸13への回転量の伝達比Kを適宜変更することができる。したがって、転舵出力軸13の転舵角δは操舵入力軸12の操舵角θを用いて下記式1に従って表される。
δ=K・θ …式1
また、この実施形態における操舵装置は、転舵出力軸13の下端に接続された転舵ギアユニット30を備えている。転舵ギアユニット30は、例えば、ラックアンドピニオン方式を採用したギアユニットであり、転舵出力軸13の下端に一体的に組み付けられたピニオンギア31の回転がラックバー32に伝達されるようになっている。これにより、ラックバー32は、ピニオンギア31からの回転力によって軸線方向に変位する。したがって、ラックバー32の両端に接続された左右前輪FW1,FW2は、転舵角δに転舵されるようになっている。
次に、上述した可変ギア比アクチュエータ20の作動(より詳しくは、電動モータ21の駆動)を制御する電気制御装置について説明する。電気制御装置は、車速センサ41、操舵角センサ42、転舵角センサ43および横滑り角センサ44を備えている。車速センサ41は、車両の車速Vを検出して出力する。操舵角センサ42は、操舵ハンドル11の中立位置からの回動操作量すなわち操舵入力軸12の回転量を検出して操舵角θとして出力する。転舵角センサ43は、転舵出力軸13の中立位置からの回転量を検出して転舵角δ(左右前輪FW1,FW2の転舵角に対応)として出力する。なお、操舵角θおよび転舵角δは、中立位置を「0」とし、左方向の回転量を正の値で表すとともに、右方向の回転量を負の値でそれぞれ表す。
横滑り角センサ44は、旋回状態にある車両の車体に発生した横滑り角βを検出して出力する。ただし、車体の横滑り角βは、車両の前後方向に対して、左方向に生じる横滑り角を負の値で表し、右方向に生じる横滑り角を正の値で表す。ここで、車体の横滑り角βの検出については、種々の方法が考えられるが、例えば、以下に示すように検出するとよい。すなわち、今、車両の前後方向の車速を車速Vxとし、車両の左右方向の車速を車速Vyとすれば、車体の横滑り角βは、下記式2に従って計算して検出することができる。
β=tan−1(Vy/Vx) …式2
なお、車速Vxおよび車速Vyは、例えば、光または音響を利用した検出器を用いて検出するとよい。
これらのセンサ41〜44は、電子制御ユニット45に接続されている。電子制御ユニット45は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータを主要構成部品とするもので、プログラムの実行により可変ギア比アクチュエータ20の電動モータ21の作動を制御する。そして、電子制御ユニット45の出力側には、電動モータ21を駆動するための駆動回路46が接続されている。駆動回路46内には、電動モータ21に流れる駆動電流を検出するための電流検出器46aが設けられている。電流検出器46aによって検出された駆動電流は、電動モータ21の駆動を制御するために、電子制御ユニット45にフィードバックされる。
さらに、電子制御ユニット45には、運転者によって操作される補正量調整スイッチ47が接続されている。この補正量調整スイッチ47は、後述する目標転舵角計算プログラムの実行により転舵出力軸13(すなわち左右前輪FW1,FW2)の目標転舵角δaを計算するときに用いられる補正項の値の大きさ(度合い)を調整するためのものである。このため、補正量調整スイッチ47は、補正の度合い(程度)を表す補正量Nを、例えば、0〜5までの間で任意に設定できるように構成されており、設定された補正量Nを表す信号を電子制御ユニット45に出力する。
次に、上記のように構成した実施形態の動作について詳細に説明する。運転者によって図示しないイグニッションスイッチがオン状態とされると、電子制御ユニット45(より詳しくは、CPU)は、図2に示す目標転舵角計算プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行する。
すなわち、電子制御ユニット45は、目標転舵角計算プログラムの実行をステップS10にて開始し、ステップS11にて、車速センサ41、操舵角センサ42および横滑り角センサ44によって検出された各検出値、具体的には、車速V、操舵角θおよび横滑り角βを入力する。そして、電子制御ユニット45は、各センサから各検出値を入力すると、ステップS12にて、補正量調整スイッチ47を利用して運転者により設定された補正量Nを表す信号を入力し、ステップS13に進む。
ステップS13においては、電子制御ユニット45は、前記ステップS11にて操舵角センサ42から入力した操舵角θの絶対値が予め設定された正の小さな操舵角θoよりも大きいか否かを判定する。ここで、操舵角θoは、車両の直進状態を維持できる操舵ハンドル11の回動操作範囲を決定するための所定値である。したがって、このステップS13における判定処理は、運転者によって入力された操舵ハンドル11(操舵入力軸12)の操舵角θに基づいて車両が旋回状態であるか否かを判定するものである。すなわち、入力した操舵角θの絶対値が正の操舵角θoよりも大きければ、運転者によって操舵ハンドル11が積極的に回動操作されていて、車両は旋回状態にある。このため、電子制御ユニット45は、「Yes」と判定して、ステップS14以降の各処理を実行する。
一方、入力した操舵角θの絶対値が正の操舵角θo以下であれば、運転者によって操舵ハンドル11が中立位置近傍で回動操作されている。このように、操舵ハンドル11が中立位置近傍で回動操作されているときには、左右前輪FW1,FW2は転舵されず、車両は直進状態にある。したがって、電子制御ユニット45は、「No」と判定してステップS19に進み、目標転舵角計算プログラムの実行を一旦終了する。そして、所定の短時間が経過すると、電子制御ユニット45は、ふたたび、目標転舵角計算プログラムの実行をステップS10にて開始する。
前記ステップS13の判定処理によって「Yes」と判定すると、電子制御ユニット45は、ステップS14にて、前記ステップS11にて車速センサ41から入力した車速Vが予め設定された所定の小さな車速Voよりも大きいか否かを判定する。ここで、車速Voは、車両の旋回状態にて車体に大きな横滑り角βが生じない車速範囲を決定する所定値である。そして、このステップS14における判定処理は、現在の検出車速Vに基づき、転舵角δを車体に発生した横滑り角βに応じて補正すなわち後述する目標転舵角δaを計算する必要があるか否かを判定するものである。すなわち、電子制御ユニット45は、車速Vが所定の車速Voよりも大きければ、車体の横滑り角βの影響を加味して目標転舵角δaを計算する必要があるため、「Yes」と判定してステップS15に進む。一方、電子制御ユニット45は、車速Vが所定の車速Vo以下であれば、目標転舵角δaを計算する必要がないため、「No」と判定してステップS19に進み、目標転舵角計算プログラムの実行を一旦終了する。そして、所定の短時間が経過すると、電子制御ユニット45は、ふたたび、目標転舵角計算プログラムの実行をステップS10にて開始する。
ここで、左右前輪FW1,FW2が、例えば、転舵角δcに転舵された車両の旋回状態に対して、車体の横滑り角βが与える影響について説明しておく。車両は、運転者によって操舵ハンドル11を介して操舵角θcが入力されると、前記式1に従って計算される転舵角δcに左右前輪FW1,FW2が転舵される。これにより、車両は、直進状態から旋回状態に移行し、または、旋回状態を維持する。このように、旋回状態にある車両には、旋回に伴って発生する遠心力と旋回の中心方向に発生する求心力とが作用している。そして、旋回状態にある車両に作用する求心力は、車両の前後輪(より詳しくは、前後輪に装着されたタイヤ)と路面との間にて旋回中心方向に作用する横力(以下、この横力をコーナリングフォースという)により与えられる。
具体的に説明すると、旋回状態にある車両は、左右前輪FW1,FW2の転舵角δcに基づいて決定される所定の旋回円上を走行(以下、この走行方向を進行方向という)する一方で、慣性力の作用方向に進もうとする。このため、旋回状態にある車体においては、進行方向と慣性力の作用方向との角度差で表される車体の横滑り角βを有することになる。ところで、前後輪は車体に一体的に組み付けられているため、車体が横滑り角βを有する状況においては、前後輪のタイヤは、前記慣性力の作用方向に、路面に対して相対的に変位しようとする。しかしながら、前後輪のタイヤが路面に対して相対的に変位しようとすれば、前後輪のタイヤと路面との間に摩擦力が発生し、この結果、車両は慣性力の作用方向ではなく旋回円上を進行方向に走行する。言い換えれば、この摩擦力に基づいてコーナリングフォースが発生し、この発生したコーナリングフォースによって車両を進行方向へ走行させるための求心力が発生する。
したがって、左右前輪FW1,FW2(転舵出力軸13)が転舵角δcに転舵されて、旋回状態にある車両の求心力は、前後輪に発生するコーナリングフォースを用いた下記式3に従って計算することができる。
M・α=2・Kf・δc+2・(Kf+Kr)・β+ε …式3
ここで、前記式3中のMは車両の質量である。また、前記式3中のαは旋回の中心方向に作用する加速度(以下、この加速度を求心加速度という)であり、下記式4のように表すことができる。
α=V2・(1/R) …式4
ただし、Rは転舵角δcすなわち運転者によって入力された操舵角θに基づいて決定される車両の旋回半径を表しており、1/Rは旋回円の曲率(所謂、旋回曲率)を表すものである。
ここで、転舵角δcと旋回曲率1/Rとの間には、下記式5に示す関係が成立する。
δc=L・(1+A・V2)・(1/R) …式5
ただし、前記式5中のLは車両のホイールベースを表す予め定められた所定値であり、Aは車両の挙動安定性を表す予め定められた所定値である。そして、前記式5を変形することにより、旋回曲率1/Rは、下記式6により表すことができる。
1/R=δc/(L・(1+A・V2)) …式6
さらに、前記式6に対して、前記式1を代入することによって、下記式7が成立する。
1/R=(K/(L・(1+A・V2)))・θc …式7
したがって、求心加速度αは、前記式4に対して、前記式7を代入することによって、下記式8により表すことができる。
α=(K・V2/(L・(1+A・V2)))・θc …式8
そして、前記式8によれば、求心加速度αは、運転者が操舵ハンドル11の回動操作を介して入力した操舵角θcに基づいて決定されることが理解できる。
また、前記式3の右辺において、Kfは左右前輪FW1,FW2に発生するコーナリングフォースを表す係数であり、Krは後輪に発生するコーナリングフォースを表す係数である。また、車体の横滑り角βは、上述したように、転舵角δが正すなわち車両が左方向に旋回していれば、右方向に発生するため正の値を有し、転舵角δが負すなわち車両が右方向に旋回していれば、左方向に発生するため負の値を有する。なお、前記式3の右辺において、εは、例えば、車両の旋回時に発生するヨーレートなどに関連して発生する極めて小さな力であるため、無視することができる。したがって、旋回状態にある車両の求心力は、前記式3に代えて、下記式9に示すように表すことができる。
M・α=2・Kf・δc+2・(Kf+Kr)・β …式9
前記式9によれば、車両に発生する求心力M・αは、左右前輪FW1,FW2の転舵角δcに比例する横力(以下、この横力を転舵横力という)と、車体の横滑り角βに比例する横力(以下、この横力をすべり横力という)とを合算して計算される。ところで、すべり横力は、前記式9からも明らかなように、車体に横滑り角βが発生する状況において必然的に発生する横力であって、運転者が操舵ハンドル11を介して直接制御することが難しい横力である。このように必然的にすべり横力が発生することによって、運転者が操舵ハンドル11の回動操作により見込んだ求心力よりも大きな求心力が車両に作用することになる。
これにより、車両は、運転者が操舵ハンドル11の回動操作によって見込んだ旋回半径で旋回できず、運転者は、見込んだ旋回半径で車両が旋回するように、操舵ハンドル11を適宜回動操作(以下、この回動操作を修正操舵という)して、転舵角δcを修正する必要がある。すなわち、運転者は、車両の旋回に伴って必然的に発生するであろうすべり横力分だけ求心力M・αが小さくなるように、操舵ハンドル11を修正操舵する必要がある。このように、必然的に発生する車体の横滑り角βは、左右前輪FW1,FW2が転舵角δcに転舵された車両の旋回状態に対して影響を与える。
したがって、電子制御ユニット45は、ステップS15にて、旋回状態にある車両において必然的に発生したすべり横力(より詳しくは、車体の横滑り角β)の影響を排除して、運転者が操舵ハンドル11の回動操作によって見込んだ旋回半径で車両を旋回させるための目標転舵角δaを計算する。以下、この目標転舵角δaの計算について詳細に説明する。
上述したように、左右前輪FW1,FW2が転舵角δcに転舵されることによって車体の横滑り角βが発生する状況においては、求心力M・αは、前記式9に従って転舵横力にすべり横力が合算されて(上乗せされて)計算される。このとき、操舵ハンドル11の回動操作に起因して車両を旋回させるために必要な横力は転舵横力であり、すべり横力は不必要な横力となる。したがって、運転者が操舵ハンドル11の回動操作によって見込んだ旋回半径で車両を旋回させるためには、目標転舵角δaを用いて、前記式9の両辺からすべり横力を減じた下記式10に示す関係が成立するように転舵横力を決定すればよい。
2・Kf・δa=M・α−2・(Kf+Kr)・β …式10
これにより、目標転舵角δaは、前記式10を変形することによって、下記式11により計算することができる。
δa=(M/(2・Kf))・α−(1+Kr/Kf)・β …式11
この式11によれば、目標転舵角δaは、求心加速度αに比例する項すなわち前記式8から明らかなように運転者によって入力された操舵角θに起因する項から車体の横滑り角βに比例する項すなわち補正項を減ずることによって決定される。このため、上述したように、運転者の入力した操舵角θに対して車両が見込んだ旋回半径で走行しない場合においては、運転者は、前記式11に従って決定される目標転舵角δaとなるように修正操舵を行うことになる。
言い換えれば、運転者によって入力された操舵角θと所定の関係に基づいて回動する転舵出力軸13の転舵角δから車体の横滑り角βに比例する補正項を減じて目標転舵角δaを決定すれば、車両の旋回状態に対するすべり横力すなわち車体の横滑り角βの影響を排除することができ、求心加速度α言い換えれば操舵角θのみに基づいて車両を旋回させることができる。これにより、運転者による修正操舵がなくても、操舵ハンドル11の回動操作に一致して、車両は、運転者の見込む旋回半径で旋回することができる。
ここで、補正量調整スイッチ48を利用して入力された補正量Nを、下記式12に示すように、前記式11にて車体の横滑り角βに乗算される(1+Kr/Kf)に対応させて設定するとともに、前記式1を用いて前記式11を変形すると、目標転舵角δaは下記式13のように示すことができる。
N=1+Kr/Kf …式12
δa=K1・θ−N・β …式13
ただし、前記式13中の補正量Nは、初期値としてN=2、すなわち、前記式12に従ってコーナリングフォースKfとコーナリングフォースKrが等しい状態に設定されている。また、前記式13中のK1は、可変ギア比アクチュエータ20の減速機22によって適宜変更される伝達比であり、下記式14のように示すことができる。
K1=(M/(2・Kf))・(K・V2/(L・(1+A・V2))) …式14
そして、電子制御ユニット45は、前記ステップS11にて入力した操舵角θおよび横滑り角βと、前記ステップS12にて入力した補正量Nとを用い、前記式13に従って、目標転舵角δaを計算する。
前記ステップS15にて目標転舵角δaを計算すると、電子制御ユニット45は、ステップS16およびステップS17を繰り返し実行して、転舵出力軸13(すなわち左右前輪FW1,FW2)が目標転舵角δaとなるまで、オーバーシュートさせることなく電動モータ21を駆動制御する。具体的に説明すると、電子制御ユニット45は、ステップS16にて、駆動回路46の電流検出器46aから可変ギア比アクチュエータ20の電動モータ21に流れる駆動電流を入力し、駆動電流が適切に電動モータ21に流れるようにフィードバック制御する。これにより、電動モータ21は、転舵出力軸13を回転させる。そして、電子制御ユニット45は、ステップS17にて、転舵角センサ43から入力した転舵出力軸13の転舵角δが目標転舵角δaに一致するまで「No」と判定し続け、転舵角δが補正目標転舵角δaと一致すると、「Yes」と判定してステップS18に進む。
ステップS18においては、電子制御ユニット45は、電動モータ21の駆動を停止させ、ステップS19にて、プログラムの実行を一旦終了する。そして、所定の短時間が経過すると、ふたたび、目標転舵角計算プログラムの実行を開始する。
以上の説明からも理解できるように、この実施形態によれば、電子制御ユニット45は、前記式13に従い、横滑り角センサ44によって検出された車体の横滑り角βに応じて定められる補正項を加味して、転舵出力軸13の目標転舵角δaを計算することができる。すなわち、電子制御ユニット45は、前記式1に従って計算される転舵出力軸13の転舵角δ(=K1・θ)から、補正項(N・β)を減算して計算することができる。
これにより、旋回状態にある車両に作用する運転者の意図しない横力の影響を低減することができ、この結果、運転者が操舵ハンドル11を回動操作した場合には、見かけ上、この回動操作に基づく横力、すなわち、転舵横力のみが車両に作用することになる。これにより、運転者の操舵ハンドル11の操作に一致して、言い換えれば、操舵ハンドル11を回動操作した分だけ車両を旋回させることができる。したがって、車両の運転を熟知していない運転者が、高速走行、雪上あるいは氷上を走行する場合であっても、車両の旋回時における挙動を安定させ、意のままに車両を運転することができる。
また、補正項は、運転者によって入力された補正量Nと車体の横滑り角βとを乗算することによって計算することができるため、運転者の好みに応じて補正の程度を決定することができる。この結果、旋回状態にある車両の挙動を安定させることができるとともに、良好な操舵フィーリングを確保して意のままに車両を運転することができる。
さらに、検出車速Vに応じて目標転舵角δaの計算の要否を決定することができるため、状況に応じた最適な車両の旋回状態を得ることができる。これによっても、運転者は、意のままに車両を運転することができる。
本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、可変ギア比アクチュエータ20を介して操舵入力軸12と転舵出力軸13が連結されて、操舵入力軸12と転舵出力軸13とを相対的に回転可能な操舵装置について実施した。しかしながら、操舵入力軸12と転舵出力軸13とを相対的に回転可能な他の操舵装置、例えば、ステアリングバイワイヤ方式の操舵装置に上述した目標転舵角計算プログラムを適用して実施することも可能である。以下、この変形例について説明する。なお、上記実施形態と同一部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
この変形例における車両の操舵装置は、図3に示すように、操舵入力軸12と転舵出力軸13との機械的な連結が解除されたステアリングバイワイヤ方式を採用している。このため、操舵入力軸12の下端には、電動モータおよび減速機構からなる反力アクチュエータ50が接続されている。この反力アクチュエータ50は、運転者のハンドル11の回動操作に対して反力を付与するものである。一方、転舵出力軸13の上端には、電気アクチュエータとしての転舵アクチュエータ60を備えている。この転舵アクチュエータ60は、電動モータ61および減速機構62を備えており、転舵出力軸13を回転駆動させるものである。そして、転舵出力軸13の回転は、上記実施形態と同様に、転舵ギアユニット30に伝達される。これにより、ラックバー32がニオンギア31からの回転力によって軸線方向に変位することにより、左右前輪FW1,FW2は左右に転舵される。
また、この変形例における車両の操舵装置の電子制御ユニット45は、その出力側に、転舵アクチュエータ60の電動モータ61を駆動するための駆動回路48が接続されている。この駆動回路48内には、電動モータに流れる駆動電流を検出するための電流検出器48aが設けられており、同検出器48aによって検出された駆動電流は、電子制御ユニット45にフィードバックされる。
そして、このように構成された変形例における車両の操舵装置においても、操舵入力軸12の回転量(操舵角θ)に対して、転舵出力軸13の回転量(転舵角δ)を相対的に変更することができる。具体的に説明すると、運転者によって操舵ハンドル11が回動操作されると、操舵角センサ42によって操舵入力軸12の回転量すなわち操舵角θが検出される。電子制御ユニット45は、この検出された操舵角θを入力すると、操舵入力軸12の操舵角θに対する転舵出力軸13の転舵角δの比、すなわち、伝達比Kを適宜設定し、上述した実施形態と同様に、前記式1に従って転舵出力軸13の転舵角δを計算する。そして、電子制御ユニット45は、転舵角センサ43によって検出される転舵出力軸13が転舵角δとなるまで、転舵アクチュエータ60の電動モータ61を駆動制御する。
これにより、上記実施形態と同様に、運転者が操舵ハンドル11を介して入力した操舵角θに対して、予め定められた関係にある転舵角δで左右前輪FW1,FW2を転舵することができる。したがって、この変形例においても、上述した目標転舵角計算プログラムを実行することにより、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
また、上記実施形態においては、横滑り角センサ44が、検出器によって検出した車速Vxおよび車速Vyを用いた前記式2を計算することによって、車体の横滑り角βを検出するように実施した。これに代えて、例えば、車両に発生した横加速度α(求心加速度αに相当)やヨーレートωを検出するための加速度センサやヨーレートセンサが、予め車両に搭載されている場合には、これらのセンサによる検出値を用いて車体の横滑り角βを検出して実施することもできる。この場合には、車体の横滑り角βは、下記式15に従って計算されて検出されるとよい。
β=∫(ω−α/V)dt …式15
ただし、前記式15中のVは、車速センサ41によって検出される車速Vである。
これによれば、横加速度αおよびヨーレートγが発生するまでの時間的な遅れなどにより、車体の横滑り角βの検出精度が若干劣るものの、上記実施形態のように、別途検出器を設ける必要が無い。このため、操舵装置の製造コストを低減することができる。
また、上記実施形態においては、目標転舵角計算プログラムのステップS14にて、検出車速Vに応じて、目標転舵角δaの計算の要否を判定するように実施したが、ステップS14を省略して実施することも可能である。この場合には、全車速域で目標転舵角δaが計算されること以外、上記実施形態と同様に実施することができる。したがって、この場合にも、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態においては、前記式13に従って、転舵出力軸13の転舵角δ(=K1・θ)から補正項としてのN・βを減ずることにより、目標転舵角δaを計算するように実施した。しかしながら、電気アクチュエータとしての可変ギア比アクチュエータ20によって、伝達比Kを自在に変更することができるため、前記式1中の伝達比Kに対して補正項(N・β)を加味し、同伝達比Kよりも小さいな伝達比K2を決定して実施することもできる。これによれば、伝達比K2は補正項(N・β)が加味されたものであるため、前記式1中の伝達比Kを伝達比K2に変更して計算される転舵角δは、上記実施形態の目標転舵角δaと等しくすることができる。したがって、上記実施形態と同様の効果が期待できる。
また、上記実施形態においては、運転者が補正量調整スイッチ47を利用して任意に入力した補正量Nと車体の横滑り角βとを乗算することによって補正項を計算するように実施した。しかしながら、補正項を前後輪のコーナリングフォースを用いた係数(1+Kr/Kf)と車体の横滑り角βとを自動的に乗算して、目標転舵角δaを計算するように実施可能であることはいうまでもない。これによれば、車両の旋回状態に応じて最適な補正項を自動的に決定することができ、車両を極めて容易にかつ安定した状態で旋回させることができる。
さらに、上記実施形態においては、転舵ギアユニット30にラックアンドピニオン式を採用して実施したが、例えば、ボールねじ機構を採用して実施してもよい。また、可変ギア比アクチュエータ20を電動モータ21と減速機22とから構成して実施したが、例えば、電動モータ21にステップモータを採用して減速機22を省略することも可能である。
本発明の実施形態に係る車両の操舵装置の概略図である。 図1の電子制御ユニットによって実行される目標転舵角計算プログラムを示すフローチャートである。 本発明の変形例に係る車両の操舵装置の概略図である。
符号の説明
FW1,FW2…前輪、11…操舵ハンドル、12…操舵入力軸、13…転舵出力軸、20…可変ギア比アクチュエータ、21…電動モータ、21a…駆動シャフト、22…減速機、30…転舵ギアユニット、31…ピニオンギア、32…ラックバー、41…車速センサ、42…操舵角センサ、43…転舵角センサ、44…横滑り角センサ、45…電子制御ユニット、46…駆動回路、47…補正量調整スイッチ、60…転舵アクチュエータ、61…電動モータ、62…減速機構

Claims (5)

  1. 運転者によって回動操作される操舵ハンドルに一体的に接続された操舵入力軸と、転舵輪を転舵するための転舵機構に接続された転舵出力軸と、前記操舵入力軸の回転量に対して前記転舵出力軸の回転量を相対的に変化させる電気アクチュエータとを備えた車両の操舵装置において、
    車両が旋回状態にあるときに発生する車体の横滑り角を検出する横滑り角検出手段と、
    前記車体の横滑り角に起因して車両に発生する横力の前記車両の旋回状態に対する影響を低減するために、前記横滑り角検出手段により検出した車体の横滑り角に応じて定めた補正項を加味して、前記転舵出力軸の目標回転量を計算する目標回転量計算手段と、
    前記目標回転量計算手段によって計算した目標回転量に基づいて、前記電気アクチュエータの駆動を制御する駆動制御手段とを備えたことを特徴とする車両の操舵装置。
  2. 請求項1に記載した車両の操舵装置において、
    前記目標回転量計算手段は、
    前記操舵入力軸の回転量に対して予め定められた関係にある前記転舵出力軸の回転量から、前記補正項を減ずることによって目標回転量を計算することを特徴とする車両の操舵装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載した車両の操舵装置において、
    前記補正項は、
    旋回状態にある車両の前後輪と路面との間における摩擦力に基づいて車両の旋回中心方向に作用するコーナリングフォースを用いて計算される係数と前記検出した車体の横滑り角とを乗算して計算されることを特徴とする車両の操舵装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載した車両の操舵装置において、
    運転者によって操作されて、前記横力の車両の旋回状態に対する影響を低減する度合いを表す調整値を入力するための調整値入力手段を備え、
    前記補正項は、
    前記調整値入力手段を用いて入力された前記調整値と前記検出した車体の横滑り角とを乗算して計算されることを特徴とする車両の操舵装置。
  5. 請求項1または請求項2に記載した車両の操舵装置において、
    車両の車速を検出する車速検出手段と、
    前記車速検出手段によって検出した車速が所定の車速未満のとき、前記目標回転量計算手段による目標回転量の計算を禁止する禁止手段とを備えたことを特徴とする車両の操舵装置。
JP2005174013A 2005-06-14 2005-06-14 車両の操舵装置 Expired - Fee Related JP4513659B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005174013A JP4513659B2 (ja) 2005-06-14 2005-06-14 車両の操舵装置
KR1020077010902A KR100859309B1 (ko) 2005-06-14 2006-05-29 차량의 조타 장치
CNB2006800010115A CN100509520C (zh) 2005-06-14 2006-05-29 车辆转向装置
US11/661,496 US7957867B2 (en) 2005-06-14 2006-05-29 Steering system of vehicle
EP06756959A EP1892176A4 (en) 2005-06-14 2006-05-29 VEHICLE STEERING SYSTEM
PCT/JP2006/311148 WO2006134789A1 (ja) 2005-06-14 2006-05-29 車両の操舵装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005174013A JP4513659B2 (ja) 2005-06-14 2005-06-14 車両の操舵装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006347281A true JP2006347281A (ja) 2006-12-28
JP4513659B2 JP4513659B2 (ja) 2010-07-28

Family

ID=37532152

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005174013A Expired - Fee Related JP4513659B2 (ja) 2005-06-14 2005-06-14 車両の操舵装置

Country Status (6)

Country Link
US (1) US7957867B2 (ja)
EP (1) EP1892176A4 (ja)
JP (1) JP4513659B2 (ja)
KR (1) KR100859309B1 (ja)
CN (1) CN100509520C (ja)
WO (1) WO2006134789A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021024537A (ja) * 2019-08-09 2021-02-22 株式会社ジェイテクト 制御装置、および転舵装置

Families Citing this family (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4924378B2 (ja) * 2007-11-19 2012-04-25 トヨタ自動車株式会社 車輌の走行制御装置
FR2927049B1 (fr) * 2008-02-04 2012-09-28 Renault Sas Dispositif de controle en temps reel de l'angle de braquage des roues du train de direction d'un vehicule automobile et procede correspondant.
KR20110001529A (ko) * 2009-06-30 2011-01-06 주식회사 만도 조타력 제어 방법 및 그 장치
DE112009005225B4 (de) * 2009-09-11 2018-03-08 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Steuervorrichtung zum Steuern einer Hinterradlenkvorrichtung
CN102259661A (zh) * 2011-05-23 2011-11-30 奇瑞汽车股份有限公司 汽车侧滑方向校正控制***及其控制方法
JP5687166B2 (ja) * 2011-09-26 2015-03-18 株式会社ショーワ 電動パワーステアリング装置
DE102011117500A1 (de) * 2011-11-02 2013-05-02 GM Global Technology Operations LLC (n. d. Gesetzen des Staates Delaware) Elektrische Begrenzung eines Lenkeinrichtungsstellweges
US9878738B2 (en) * 2012-03-28 2018-01-30 Robert Bosch Gmbh Non-linear compensation controller for active steering system in a vehicle
CN105835820B (zh) * 2016-04-28 2018-04-13 姜锡华 车载传感器信息筛选方法及应用该方法的车辆避撞***
JP2018069998A (ja) * 2016-10-31 2018-05-10 株式会社ジェイテクト 車両用姿勢制御装置
CN106697111A (zh) * 2016-12-26 2017-05-24 北汽福田汽车股份有限公司 方向盘调试装置和方向盘的调试方法
CN106741163B (zh) * 2016-12-27 2019-02-12 潍柴动力股份有限公司 一种车辆转向的控制方法和装置
US11214301B2 (en) * 2017-01-20 2022-01-04 Mitsubishi Electric Corporation Automatic steering control apparatus and automatic steering control method
JP6919349B2 (ja) * 2017-06-09 2021-08-18 株式会社アイシン 走行支援システム
JP7133393B2 (ja) * 2018-08-23 2022-09-08 株式会社ジェイテクト 操舵制御装置
DE102019204857A1 (de) * 2019-04-04 2020-10-08 Thyssenkrupp Ag Verfahren zur Steuerung eines Steer-by-Wire-Lenksystems und Steer-by-Wire-Lenksystem für ein Kraftfahrzeug
KR20210031075A (ko) * 2019-09-11 2021-03-19 주식회사 만도 조향 제어 장치 및 그 방법, 그리고 조향 시스템
CN112859132A (zh) * 2019-11-27 2021-05-28 华为技术有限公司 导航的方法和装置
CN113665592A (zh) * 2021-09-29 2021-11-19 中国第一汽车股份有限公司 自动驾驶车辆的纵向控制方法、装置、设备及介质
CN114013504B (zh) * 2021-12-09 2023-03-24 江苏徐工工程机械研究院有限公司 车辆转向参数测量校准方法、***、介质及自动驾驶车辆
CN115716502B (zh) * 2023-01-10 2023-04-28 江苏天一航空工业股份有限公司 一种基于自动驾驶的转向控制方法和设备

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05185946A (ja) * 1992-01-10 1993-07-27 Nissan Motor Co Ltd 車両用舵角制御装置
JPH07223551A (ja) * 1994-02-15 1995-08-22 Mazda Motor Corp 車両の操舵装置
JP2000264237A (ja) * 1999-03-15 2000-09-26 Honda Motor Co Ltd 車両の操舵制御装置
JP2003252229A (ja) * 2002-03-04 2003-09-10 Mitsubishi Electric Corp 車両用操舵制御装置
JP2004345406A (ja) * 2003-05-20 2004-12-09 Nissan Motor Co Ltd 操舵制御装置

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4524842A (en) * 1982-03-17 1985-06-25 Mazda Motor Corporation Flexible coupling for providing variable rate steering
JPH0295982A (ja) 1988-09-30 1990-04-06 Fuji Heavy Ind Ltd 4輪操舵車両の操舵制御方法
JP3348619B2 (ja) 1997-03-04 2002-11-20 トヨタ自動車株式会社 車輌の挙動制御装置
DE19812238A1 (de) 1998-03-20 1999-09-23 Daimler Chrysler Ag Verfahren zur Regelung des Gierverhaltens von Fahrzeugen
JP3637801B2 (ja) 1999-03-15 2005-04-13 トヨタ自動車株式会社 車輌の操舵制御装置
DE10112150A1 (de) * 2001-03-14 2002-12-19 Wabco Gmbh & Co Ohg Verfahren und Vorrichtung zum Ausregeln der Kurvengeschwindigkeit eines Fahrzeugs
JP4202872B2 (ja) * 2003-09-12 2008-12-24 株式会社ジェイテクト 車両用操舵装置
JP4369198B2 (ja) * 2003-10-10 2009-11-18 株式会社ジェイテクト 車両用操舵制御装置
DE10350920A1 (de) * 2003-10-31 2005-05-25 Robert Bosch Gmbh Vorrichtung zur Bestimmung eines Drehpunkts eines Fahrzeugs um eine Fahrzeughochachse
JP4280682B2 (ja) * 2004-06-23 2009-06-17 トヨタ自動車株式会社 車両の操舵装置
JP2007000987A (ja) * 2005-06-24 2007-01-11 Hitachi Koki Co Ltd 打撃工具

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05185946A (ja) * 1992-01-10 1993-07-27 Nissan Motor Co Ltd 車両用舵角制御装置
JPH07223551A (ja) * 1994-02-15 1995-08-22 Mazda Motor Corp 車両の操舵装置
JP2000264237A (ja) * 1999-03-15 2000-09-26 Honda Motor Co Ltd 車両の操舵制御装置
JP2003252229A (ja) * 2002-03-04 2003-09-10 Mitsubishi Electric Corp 車両用操舵制御装置
JP2004345406A (ja) * 2003-05-20 2004-12-09 Nissan Motor Co Ltd 操舵制御装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021024537A (ja) * 2019-08-09 2021-02-22 株式会社ジェイテクト 制御装置、および転舵装置
JP7275981B2 (ja) 2019-08-09 2023-05-18 株式会社ジェイテクト 制御装置、および転舵装置

Also Published As

Publication number Publication date
KR20070072583A (ko) 2007-07-04
EP1892176A1 (en) 2008-02-27
CN100509520C (zh) 2009-07-08
WO2006134789A1 (ja) 2006-12-21
KR100859309B1 (ko) 2008-09-19
CN101039837A (zh) 2007-09-19
US7957867B2 (en) 2011-06-07
EP1892176A4 (en) 2009-02-25
US20070265750A1 (en) 2007-11-15
JP4513659B2 (ja) 2010-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4513659B2 (ja) 車両の操舵装置
JP4314489B2 (ja) 車両の操舵装置
EP2119616B1 (en) Steering device for vehicle
JP2005335504A (ja) 車両のスタビライザ装置
JP2003261054A (ja) 車輌用自動操舵装置
JP4280682B2 (ja) 車両の操舵装置
JP2009113729A (ja) 車両制御装置
JP4807162B2 (ja) 車両の操舵装置
JP4457911B2 (ja) パワーステアリング用制御装置
JP2007099060A (ja) 車両の操舵装置
JP2010155561A (ja) 車両制御装置及び車両制御方法
JP2007076584A (ja) 車両の操舵制御装置
JP4735831B2 (ja) 車輌の操舵制御装置
WO2023171595A1 (ja) 制御装置、制御方法、及び、制御システム
JP5289408B2 (ja) 車両制御装置
JP2011057215A (ja) 車両制御装置
JP2010159002A (ja) 車両の操舵装置
JP2006224790A (ja) 車両のキャスタ角制御装置
JP2005059695A (ja) 自動車の操舵フィーリング設定装置
JP2010058570A (ja) 車両の操舵装置
JP4608942B2 (ja) 車両の駆動力配分および操舵力協調制御装置
JP4296899B2 (ja) 車両の操舵装置
JP2006103469A (ja) 操舵制御装置
JP2011057214A (ja) 車両制御装置
JP2005059691A (ja) 自動車の操舵フィーリング設定装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070727

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090422

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090618

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100420

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100503

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130521

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130521

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees