JP2010155561A - 車両制御装置及び車両制御方法 - Google Patents

車両制御装置及び車両制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】緊急操舵時における車両の安定性を確保することができる車両制御装置及び車両制御方法を提供する。
【解決手段】目標ヨーレートφ´tと目標横速度Vytとに基づいて算出される目標前輪舵角θt及び目標後輪舵角δtに基づいて、前輪操舵機構12及び後輪操舵機構15を駆動する。また、運転者による緊急操舵を検出したとき、その緊急度(緊急回避操作度合Ks)が高いほど車両挙動を安定化するように目標値(目標横加速度、目標ヨーレート)を大きく減少補正する。そして、補正した目標値を実現するような目標ヨーモーメントYawmを発生するようにブレーキ制御を作動する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、運転者による前輪への操舵入力時に、前輪および後輪に補助舵角を与える車両制御装置及び車両制御方法に関するものである。
従来、前後輪操舵機能を備える車両は、運転者の操舵角に基づいて目標ヨーレートや目標横加速度を設定し、設定した目標ヨーレートや目標横加速度に基づいて前輪と後輪とをそれぞれ転舵する。また、このような前後輪操舵機能に加えて、各輪に制動力を付与する4輪ブレーキ制御機能を備えるものがある。
特許文献1に記載の車両制御装置は、目標ヨーレートと実際のヨーレートとの偏差(ヨーレート誤差)および目標横加速度と実際の横加速度との偏差(横加速度誤差)の何れか一方が所定値以上となったときに、ブレーキ液圧調整手段を制御する。これにより、左右輪のブレーキ液圧に偏差を発生させるブレーキ制御を介入し、車両の特性をニュートラルステアに近づける。
特開平2−283555号公報
ところで、運転者が障害物との接触回避を行うために急なステアリング操作を行うなどの緊急回避操作を行った場合、前後輪操舵制御のみでは車両の安定性を確保することが難しい。しかしながら、上記特許文献1に記載の車両制御装置のように、ヨーレート誤差や横加速度誤差が所定値以上となるのを待ってからブレーキ制御を行うと、遅れが生じて車両の安定性が損なわれるおそれがある。
そこで、本発明は、緊急操舵時における車両の安定性を確保することができる車両制御装置及び車両制御方法を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る車両制御装置は、前輪の目標転舵角と後輪の目標転舵角とに基づいて、前輪操舵機構を駆動する前輪操舵アクチュエータ及び後輪操舵機構を駆動する後輪操舵アクチュエータを駆動制御する。また、運転者による緊急操舵の度合に基づいて、ブレーキ制御による車両挙動を安定化する車両運動制御の実施度合を変更する。
本発明に係る車両制御装置によれば、運転者による緊急操舵時には、車両挙動が安定化するようなブレーキ制御を作動する。また、その実施度合は、緊急操舵の度合に基づいて変更する。したがって、従来方式のように、ヨーレート誤差又は横加速度誤差が所定値以上となってからブレーキ制御を行うのと比較して、遅れなくブレーキ制御を行うことができ、車両の安定性を確保することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
《第1の実施の形態》
《構成》
図1は、本発明に係る車両制御装置の実施形態を示す全体構成図である。
この図1に示すように、コラムシャフト13は、ステアリングホイール10と、前輪11L,11Rを操舵させる前輪操舵機構12とを連結する。そして、そのコラムシャフト13に操舵角センサ1と前輪操舵アクチュエータ7とを設ける。
前輪操舵アクチュエータ7は、例えば、モータと減速機等を備える。そして、コラムシャフト13に、減速機を介してモータの出力軸を連結する。この前輪操舵アクチュエータ7は、前輪操舵コントローラ4からの舵角指令値により、コラムシャフト13を介して入力される回転を可変ギア比により減速又は増速して前輪操舵機構12のステアリングギアへ出力するものである。これにより、前輪11L,11Rの舵角(転舵角)に対するステアリングホイール10の操舵角の比であるステアリングギア比を可変に制御する。
後輪操舵アクチュエータ8は、前輪操舵アクチュエータ7と同様に、モータと減速機等を備える。そして、後輪14L,14Rを転舵させる後輪操舵機構15のラック軸に、減速機を介してモータの出力軸を連結している。この後輪操舵アクチュエータ8は、後輪操舵コントローラ5からの舵角指令値により、後輪14L,14Rの舵角(転舵角)を可変に制御する。
前輪操舵コントローラ4は、操舵制御コントローラ3で生成した目標前輪舵角(前輪の目標転舵角)と、前輪転舵角センサ16で検出した実際の前輪転舵角との偏差を無くすような舵角指令値を算出し、算出した舵角指令値を前輪操舵アクチュエータ7に出力する。
後輪操舵コントローラ5は、操舵制御コントローラ3で生成した目標後輪舵角(後輪の目標転舵角)と、後輪転舵角センサ17で検出した実際の後輪転舵角との偏差を無くすような舵角指令値を算出し、算出した舵角指令値を後輪操舵アクチュエータ8に出力する。
操舵角センサ1は、コラムシャフト13に設けられ、コラムシャフト13の回転角を検出するパルスエンコーダ等を用いて、ステアリングホイール10の操舵角を検出し、車速センサ2は、各車輪に設けられた車輪速センサ(不図示)で検出された各車輪速の平均値等から車体速を検出する。
また、前輪11L,11R及び後輪14L,14Rには、夫々制動力を発生する例えばディスクブレーキで構成したブレーキアクチュエータ9を設ける。そして、これらブレーキアクチュエータ9の制動油圧は、ブレーキコントローラ6によって制御する。
ブレーキコントローラ6は、操舵制御コントローラ3で生成した目標ヨーモーメントを発生するような液圧指令値をブレーキアクチュエータ9に出力する。
操舵制御コントローラ3は、操舵角センサ1で検出した操舵角と、車速センサ2で検出した車体速とに応じて、目標前輪舵角と目標後輪舵角とを生成する。そして、操舵制御コントローラ3は、目標前輪舵角を前輪操舵コントローラ4へ出力し、目標後輪舵角を後輪操舵コントローラ5へ出力する。さらに、操舵制御コントローラ3は、目標前輪舵角と目標後輪舵角と後述する車両挙動目標値である目標ヨーレート及び目標横速度とに応じて、目標ヨーモーメントを生成し、これをブレーキコントローラ6へ出力する。
次に、操舵制御コントローラ3の構成について説明する。
図2は、操舵制御コントローラ3の制御ブロック図である。
操舵制御コントローラ3は、目標値生成部31と、緊急回避操作度合演算部32と、目標出力値生成部33と、を備えている。
目標値生成部31は、操舵角センサ1からの操舵角θと車速センサ2からの車体速Vとに基づいて、2輪モデルを用いて車両パラメータを演算し、車両の目標ヨーレートφ´tと目標横速度Vytとを生成する。生成した目標ヨーレートφ´tと目標横速度Vytとは目標出力値生成部33へ出力する。また、目標ヨーレートφ´tは緊急回避操作度合演算部32にも出力する。
図3は、目標値生成部31の構成を示す制御ブロック図である。
目標値生成部31は、上記車両パラメータを演算する車両モデル演算部311と、目標ヨーレートφ´t及び目標横速度Vytを演算する目標値演算部312とを備える。また、目標値演算部312は、目標特性パラメータ演算部3121と、目標ヨーレート演算部3122と、目標横速度演算部3123とを備える。
先ず、車両モデル演算部311で実行する車両パラメータの算出方法について、具体的に説明する。
(車両パラメータの算出)
一般に、2輪モデルを仮定すると、車両のヨー角加速度φ″と横加速度Vy´とは、下記(1)式および(2)式で表される。
φ″=a11φ´+a12y+bf1θ+br1δ ………(1)
y´=a21φ´+a22y+bf2θ+br2δ ………(2)
以上の式において、a11、a12、a21、a22、bf1、bf2は次のように表される。
11=−2(Kf・Lf 2+Kr・Lr 2)/(Iz・Vx),
12=−2(Kf・Lf−Kr・Lr)/(Iz・Vx),
21={−M・Vx 2−2(Kf・Lf−Kr・Lr)}/(M・Vx),
22=−2(Kf+Kr)/(M・Vx) ………(3)
f1=2Kf・Lf/(Iz・N),
f2=2Kf/M・N,
r1=−2Kr・Lr/Iz
r2=2Kr/M ………(4)
ここで、各記号は、以下のパラメータを表している。
φ´:ヨーレート,
y:横速度,
x:前後速度,
θ:前輪操舵角(運転者操舵角),
δ:後輪操舵角,
z:車両慣性モーメント
M:車両重量
f:前軸〜重心点距離,
r:重心点〜後軸距離,
N:ギア比,
f:前輪コーナリングパワー,
r:後輪コーナリングパワー
状態方程式より前輪操舵に対するヨーレート、横速度の伝達関数を求めると、下記(5)式および(6)式となる。
φ´(s)/θ(s)=Hf(s)/G(s)
={bf1・s+(a12・bf2−a22・bf1)}/G(s) ………(5)
y(s)/θ(s)={bf2・s+(a21・bf1−a11・bf2)}/G(s) ………(6)
上記(5)式において、G(s)=s2−(a11+a22)s+(a11・a22−a12・a21)とすると、上記(5)式で示すヨーレート伝達関数は下記(7)式のように表される。
φ´(s)={ωφ´(V)2 ・(Tφ´(V)s+gφ´(V))}・θ(s)
/{s2+2ζφ´(V)・ωφ´(V)・s+ωφ´(V)2} ………(7)
ここで、
gφ´(V)=(a12・bf2−a22・bf1)/(a11・a22−a12・a21),
ωφ´(V)2=a11・a22−a12・a21
2ζφ´(V)・ωφ´(V)=−a11−a22
Tφ´(V)=bf1/(a11・a22−a12・a21
である。
また、同様に上記(6)式で示す横速度伝達関数は下記(8)式のように表される。
y(s)={ωVy(V)2 ・(TVy(V)s+gVy(V))}・θ(s)
/{s2+2ζVy(V)・ωVy(V)・s+ωVy(V)2} ………(8)
ここで、
gVy(V)=(a21・bf1−a11・bf2)/(a11・a22−a12・a21),
ωVy(V)2=a11・a22−a12・a21
2ζVy(V)・ωVy(V)=−a11−a22
TVy(V)=bf2/(a11・a22−a12・a21
である。
以上から、車両パラメータgφ´(V)、ζφ´(V)、ωφ´(V)、Tφ´(V)、gVy(V)、ζVy(V)、ωVy(V)、TVy(V)が求められる。
次に、目標値演算部312で実行される目標ヨーレートφ´t及び目標横速度Vytの算出方法について、具体的に説明する。
先ず、目標特性パラメータ演算部3121で実行する目標特性パラメータの算出方法について説明する。なお、以下の説明において、「t」の添え字はパラメータが目標値であることを示すものである。
(目標特性パラメータの算出)
上記(7)式より、目標ヨー角加速度φ″t(s)は次式で表される。
φ″t(s)=−2ζφ´t(V)・ωφ´t(V)・φ´t(s)
+ωφ´t(V)2・Tφ´(V)・θ(s)
+(1/s)ωφ´t(V)2・(gφ´t(V)・θ(s)−φ´t(s)) ………(9)
ここで、目標ヨーレートのパラメータ、gφ´t(V)、ωφ´t(V)、ζφ´t(V)、Tφ´(V)は、下記(10)式により表される。
gφ´t(V)=gφ´(V)×yrate_gain_map,
ωφ´t(V)=ωφ´(V)×yrate_omegn_map,
ζφ´t(V)=ζφ´(V)×yrate_zeta_map,
Tφ´t(V)=Tφ´(V)×yrate_zero_map ………(10)
但し、yrate_gain_map(ヨーレート定常ゲイン),yrate_omegn_map(ヨーレート応答(固有振動数)),yrate_zeta_map(ヨーレート減衰率),yrate_zero_map(ヨーレート進み要素)は、チューニングパラメータである。
また、上記(8)式より、目標横加速度Vy´t(s)は次式で表される。
y´t(s)=−2ζVyt(V)・ωVyt(V)・Vyt(s)
+ωVyt(V)2・TVy(V)・θ(s)
+(1/s)ωVyt(V)2・(gVyt(V)・θ(s)−Vyt(s)) ………(11)
ここで、目標横速度のパラメータ、gVyt(V)、ωVyt(V)、ζVyt(V)、TVy(V)は、下記(12)式により表される。
gVyt(V)=gVy(V)×vy_gain_map,
ωVyt(V)=ωVy(V)×vy_omegn_map,
ζVyt(V)=ζVy(V)×vy_zeta_map,
TVyt(V)=TVy(V)×vy_zero_map ………(12)
但し、vy_gain_map(横速度定常ゲイン),vy_omegn_map(横速度応答(固有振動数)),vy_zeta_map(横速度減衰率),vy_zero_map(横速度進み要素)は、チューニングパラメータである。
(目標ヨーレート算出)
以上の結果から、目標ヨーレート演算部3122は、次式により目標ヨーレートφ´t(s)を算出する。
φ´t(s)={ωφ´t(V)2 ・(Tφ´t(V)s+gφ´t(V))}・θ(s)/{s2+2ζφ´t(V)・ωφ´t(V)・s+ωφ´t(V)2} ………(13)
(目標横速度算出)
以上の結果から、目標横速度演算部3123は、次式により目標横速度Vyt(s)を算出する。
yt(s)={ωVyt(V)2 ・(TVyt(V)s+gVyt(V))}・θ(s)/{s2+2ζVyt(V)・ωVyt(V)・s+ωVyt(V)2} ………(14)
図2に戻って、緊急回避操作度合演算部32は、操舵角センサ1からの操舵角θと、車速センサ2からの車速Vと、目標値生成部31からの目標ヨーレートφ´tを入力し、緊急回避操作度合Ksを生成する。
図4は、緊急回避操作度合演算部32で実行する処理手順を示すフローチャートである。
先ずステップS1で、緊急回避操作度合演算部32は、操舵角θに基づいて、操舵角速度θ´を算出し、ステップS2に移行する。
ステップS2では、緊急回避操作度合演算部32は、前記ステップS1で算出した操舵角速度θ´に基づいて、操舵角速度依存ゲインkθ´を算出する。具体的には、操舵角速度θ´の絶対値|θ´|に基づいて、図5に示す操舵角速度依存ゲイン算出マップを参照し、操舵角速度依存ゲインkθ´を算出する。
ここで、操舵角速度依存ゲイン算出マップは、横軸が操舵角速度|θ´|、縦軸が操舵角速度依存ゲインkθ´である。当該マップは、操舵角速度|θ´|が所定値θTH1より小さい範囲では操舵角速度依存ゲインkθ´を“0”に算出し、操舵角速度|θ´|が所定値θTH2より大きい範囲では操舵角速度依存ゲインkθ´を“1”に算出するように設定する。また、当該マップは、操舵角速度|θ´|が所定値θTH1以上所定値θTH2以下の範囲では、操舵角速度|θ´|が大きいほど操舵角速度依存ゲインkθ´を“0”から“1”に向けて次第に大きく算出するように設定する。
次に、ステップS3では、緊急回避操作度合演算部32は、目標値生成部31で算出した目標ヨーレートφ´tと車速Vとに基づいて、次式をもとに目標横加速度Vy´tを算出する。
y´t=φ´t×V ………(15)
このように、前後輪操舵制御で使用する目標ヨーレートφ´tと車速Vとに基づいて、演算により目標横加速度Vy´tを求めるので、別途横加速度センサ等を設ける必要がない。
次に、ステップS4では、緊急回避操作度合演算部32は、前記ステップS3で算出した目標横加速度Vy´tに基づいて、横加速度依存ゲインkVy´を算出する。具体的には、目標横加速度Vy´tの絶対値|Vy´t|に基づいて、図6に示す横加速度依存ゲイン算出マップを参照し、横加速度依存ゲインkVy´を算出する。
ここで、横加速度依存ゲイン算出マップは、横軸が目標横加速度|Vy´t|、縦軸が横加速度依存ゲインkVy´である。当該マップは、目標横加速度|Vy´t|が所定値VTH1より小さい範囲では横加速度依存ゲインkVy´を“0”に算出し、目標横加速度|Vy´t|が所定値VTH2より大きい範囲では横加速度依存ゲインkVy´を“1”に算出するように設定する。また、当該マップは、目標横加速度|Vy´t|が所定値VTH1以上所定値VTH2以下の範囲では、目標横加速度|Vy´t|が大きいほど横加速度依存ゲインkVy´を“0”から“1”に向けて比例的に大きく算出するように設定する。
次に、ステップS5では、緊急回避操作度合演算部32は、前記ステップS2で算出した操舵角速度依存ゲインkθ´と、前記ステップS4で算出した横加速度依存ゲインkVy´とに基づいて、次式をもとに緊急回避操作度合Ksを算出する。
Ks=kθ´×kVy´ ………(16)
次に、目標出力値生成部33の構成について説明する。
図7は、目標出力値生成部33の構成を示す制御ブロック図である。
目標出力値生成部33は、目標前後輪舵角演算部331と、ブレーキ制御度合演算部332と、目標ヨーモーメント演算部333とを備える。
目標前後輪舵角演算部331は、目標値生成部31で算出した目標ヨーレートφ´t及び目標横速度Vytに基づいて、目標前後輪舵角θt,δtを算出する。
上記(1)式及び(2)式より、目標ヨー角加速度φ″tと目標横加速度Vy´tとは、下記(17)式および(18)式で表される。
φ″t=a11φ´t+a12yt+bf1θt+br1δt ………(17)
y´t=a21φ´t+a22yt+bf2θt+br2δt ………(18)
これらより、目標前輪舵角θtは下記(19)式、目標後輪舵角δtは下記(20)式により求められる。
θt=(br2(φ″t−(a11φ´t+a12yt))−br1(Vy´t−(a21φ´t+a22yt)))/(bf1・br2−bf2・br1) ………(19)
δt=(bf2(φ″t−(a11φ´t+a12yt))−bf1(Vy´t−(a21φ´t+a22yt)))/(bf1・br2−bf2・br1) ………(20)
算出した目標前輪舵角θtは前輪操舵コントローラ4に出力し、目標後輪舵角δtは後輪操舵コントローラ5に出力する。また、目標前輪舵角θt及び目標後輪舵角δtは、目標ヨーモーメント演算部333にも出力する。
ブレーキ制御度合演算部332は、緊急回避操作度合演算部32で出力した緊急回避操作度合Ksを入力する。そして、この緊急回避操作度合Ksに基づいて、図8に示すブレーキ制御度合算出マップを参照し、ブレーキ制御度合Kbを算出する。
ここで、ブレーキ制御度合算出マップは、横軸が緊急回避操作度合Ks、縦軸がブレーキ制御度合Kbである。当該マップは、緊急回避操作度合Ksが所定値KTH1より小さい範囲ではブレーキ制御度合Kbを“0”に算出し、緊急回避操作度合Ksが所定値KTH2より大きい範囲ではブレーキ制御度合Kbを“1”に算出するように設定する。また、当該マップは、緊急回避操作度合Ksが所定値KTH1以上所定値KTH2以下の範囲では、緊急回避操作度合Ksが大きいほどブレーキ制御度合Kbを“0”から“1”に向けて比例的に大きく算出するように設定する。
このようにして算出したブレーキ制御度合Kbは、目標ヨーモーメント演算部333に出力する。
目標ヨーモーメント演算部333は、ブレーキ制御度合演算部332で算出したブレーキ制御度合Kbに基づいて、目標横加速度Vy´t(目標ヨーレートφ´t)を補正する。そして、補正後の目標ヨーレートφ´tを達成するためにブレーキ制御で発生する目標ヨーモーメントYawmを算出する。
図9は、目標ヨーモーメント演算部333で実行する処理手順を示すフローチャートである。
先ず、ステップS11で、目標ヨーモーメント演算部333は、ブレーキ制御度合Kbに基づいて、次式をもとに横加速度補正量dVy´tを算出する。
dVy´t=Kb×Vy´t0 ………(21)
ここで、Vy´t0は予め設定した固定値である。
次に、ステップS12では、目標ヨーモーメント演算部333は、前記ステップS11で算出した横加速度補正量dVy´tを用いて、目標横加速度Vy´tを補正する。ここでは、目標値生成部31で算出した目標横加速度Vy´tから上記横加速度補正量dVy´tを差し引くことにより、補正後の目標横加速度(横加速度補正値)Vy´tを算出する。
y´t=Vy´t−dVy´t ………(22)
次に、ステップS13では、目標ヨーモーメント演算部333は、前記ステップS12で算出した補正後の目標横加速度Vy´tに基づいて、次式をもとに補正後の目標ヨーレート(目標ヨーレート補正値)φ´tを算出する。
φ´t=Vy´t/V ………(23)
次に、ステップS14では、目標ヨーモーメント演算部333は、ブレーキ制御によって車両に発生する目標ヨーモーメントYawmを算出する。
ブレーキ制御により発生するヨー角加速度をφ″brtとすると、車両の運動方程式は、補正後の目標ヨーレートφ´t、目標横速度Vyt、目標前輪舵角θt及び目標後輪舵角δtを用いて以下のようになる。
φ″t=a11φ´t+a12yt+bf1θt+br1δt+φ″brt ………(24)
Vy´t=a21φ´t+a22yt+bf2θt+br2δt ………(25)
したがって、補正後の目標ヨーレートφ´t及び目標横速度Vytを実現するためにブレーキ制御により発生するヨー角加速度φ″brtは、次式で表される。
φ″brt=φ″t−(a11φ´t+a12yt+bf1θt+br1δt) ………(26)
よって、目標ヨーモーメントYawmは、次式をもとに求めることができる。
Yawm=IZ・φ″brt ………(27)
このようにして算出した目標ヨーモーメントYawmは、ブレーキコントローラ6に出力する。
ブレーキコントローラ6は目標ヨーモーメントYawmを達成するように、車両の左右輪のブレーキ液圧に差を発生させることで、左右輪に制動力差を発生させ、ヨーモーメントを発生させる。なお、左右輪に制動力差を発生させるのは前輪のみ、後輪のみ若しくは前後輪の両方であっても良い。また、目標ヨーモーメントYawmを達成する左右輪のブレーキ液圧差は、予め実験等によって求めた、車速に応じたヨーモーメントとブレーキ液圧差との関係をマップ等に記憶しておき、車速と目標ヨーモーメントYawmとから当該マップを参照して求めても良いし、演算等によって求めても良い。
《動作》
次に、本発明における実施形態の動作について説明する。
図10は、操舵制御コントローラ3で実行する処理手順を示すフローチャートである。
今、運転者がステアリング操作を行って、車両がカーブを旋回走行しているものとする。このとき、操舵角センサ1で検出した操舵角θおよび車速センサ2で検出した車体速Vを、図2の目標値生成部31および緊急回避操作度合演算部32に入力する(ステップS21)。
目標値生成部31は、操舵角θ及び車体速Vに基づいて、目標ヨーレートφ´t及び目標横速度Vytを算出し(ステップS22)、これら目標ヨーレートφ´t及び目標横速度Vytを目標出力値生成部33に入力する。
また、緊急回避操作度合演算部32は、操舵角θ及び車体速Vに基づいて、運転者による緊急回避操作度合Ksを演算する(ステップS23)。このとき、運転者が自車走行車線前方の障害物との接触回避をするために緊急操舵を行っており、操舵角速度θ´及び目標横加速度Vy´tがそれぞれ大きい値であるものとする。この場合、緊急回避操作度合演算部32は、図5及び図6をもとに、操舵角速度依存ゲインkθ´及び横加速度依存ゲインkVy´をそれぞれ大きい値に算出する。その結果、緊急回避操作度合演算部32は、緊急回避操作度合Ksを比較的大きい値(例えば、1)に算出する。
目標出力値生成部33の目標前後輪舵角演算部331は、目標値生成部31で算出した目標ヨーレートφ´t及び目標横速度Vytに基づいて、目標前後輪舵角θt,δtを算出する(ステップS24)。そして、これら目標前輪舵角θt及び目標後輪舵角δtを、それぞれ前輪操舵コントローラ4及び後輪操舵コントローラ5に出力する(ステップS25)。
前輪操舵コントローラ4は、目標前後輪舵角演算部331で算出した目標前輪舵角θtと実際の前輪転舵角との偏差を無くすような舵角指令値を前輪操舵アクチュエータ7に出力する。後輪操舵コントローラ5は、目標前後輪舵角演算部331で算出した目標後輪舵角δtと実際の後輪転舵角との偏差を無くすような舵角指令値を後輪操舵アクチュエータ8に出力する。これにより、前後輪に補助舵角を与えることができる。
次に、ブレーキ制御度合演算部332は、緊急回避操作度合演算部32で算出した緊急回避操作度合Ksに基づいて、ブレーキ制御度合Kbを算出する(ステップS26)。このとき、緊急回避操作度合Ksが最大値“1”であるとすると、ブレーキ制御度合Kbも最大値“1”となる。
これにより、目標ヨーモーメント演算部333は、ブレーキ制御度合Kbに基づいて、上記(21)式をもとに横加速度補正量dVy´tを最大値Vy´t0に算出する。そして、この横加速度補正量dVy´tを目標値生成部31で算出した目標横加速度Vy´tから差し引き、横加速度補正値Vy´tを算出する。このように、横加速度補正量dVy´tの分だけ目標横加速度Vy´tを減少補正する。すなわち、横加速度補正量dVy´tは、車両の横加速度の発生を抑制するための補正量である。
次に、上記横加速度補正値Vy´tに基づいて、上記(23)式をもとに目標ヨーレート補正値φ´tを算出する(ステップS27)。この目標ヨーレート補正値φ´tは、減少補正した目標横加速度Vy´tを用いて算出しているため、制限された目標ヨーレートとなる。
そして、目標ヨーモーメント演算部333は、制限された目標ヨーレートφ´tを達成するためにブレーキ制御により発生する目標ヨーモーメントYawmを算出する(ステップS28)。算出した目標ヨーモーメントYawmはブレーキコントローラ6へ出力する(ステップS29)。これにより、各輪に制動力を付与する。
すなわち、本実施形態では、運転者が緊急回避操作を行っている場合には、その緊急度が高いほど横加速度(ヨーレート)を大きく減少補正する。そして、減少補正した横加速度(ヨーレート)に基づいてブレーキ制御を作動する。その結果、緊急回避操舵時には、安定側(アンダーステア側)のモーメントを出すようブレーキ制御を行うことになり、車両安定性が向上する。つまり、操舵の緊急度が高いほど、ブレーキ制御によって車両挙動を安定化するような車両運動制御の実施度合が大きくなる。
このように、緊急回避操舵時には、目標前後輪舵角演算部331で算出した目標前後輪舵角θt,δtと実際の前後輪転舵角との偏差を無くすような操舵制御と、緊急回避操作度合Ksに応じた車両運動制御(ブレーキ制御)とを併用する。
ところで、前後輪操舵機能と4輪ブレーキ制御機能とを備える車両として、目標ヨーレートと実際のヨーレートとの偏差(ヨーレート誤差)及び目標横加速度と実際の横加速度との偏差(横加速度誤差)が所定値未満であるときは操舵制御のみを行い、ヨーレート誤差又は横加速度誤差が所定値以上となったとき、操舵制御に加えてブレーキ制御を行うというものがある。
しかしながら、運転者が緊急回避操作を行った場合など、限界領域に近い状況では、前後輪操舵制御のみでは車両の安定性を確保することが難しい。そのため、上記のようにヨーレート誤差や横加速度誤差が所定値以上となるのを待ってからブレーキ制御を行うと、遅れが生じて車両の安定性が損なわれるおそれがある。
したがって、運転者が緊急回避操作を行った場合には、より積極的にブレーキ制御を介入して車両挙動を安定化する車両運動制御を行い、車両をより早いタイミングで安定化することが望ましい。
これに対して、本実施形態では、運転者による緊急回避操作を検出したとき、その緊急度に応じて上記車両運動制御の実施度合を変更する。このとき、運転者による操舵の緊急度が高いほど車両安定性を向上する方向に目標値(目標横加速度および目標ヨーレート)を変更し、車両運動制御の実施度合を高める。
これにより、緊急操舵時には遅れなくブレーキ制御を作動することができる。また、操舵の緊急度が高いほど、より積極的にブレーキ制御を作動することができる。その結果、車両を早いタイミングで安定化することができ、運転者の違和感を抑制することができる。
なお、本実施形態においては、目標値生成部31(ステップS22)が車両挙動目標値設定手段を構成し、目標前後輪舵角演算部331(ステップS24)が転舵角設定手段を構成し、前輪操舵コントローラ4及び後輪操舵コントローラ5が転舵制御手段を構成している。また、緊急回避操作度合演算部32(ステップS23)が緊急操舵度合検出手段を構成している。さらに、ブレーキ制御度合演算部332(ステップS26)、目標ヨーモーメント演算部333(ステップS27,S28)、ブレーキコントローラ6及びブレーキアクチュエータ9がブレーキ制御手段を構成している。
また、図10のステップS26及びS27がブレーキ制御度合変更手段に対応している。さらに、図9のステップS11が横加速度演算手段に対応し、ステップS12及びS13が横加速度補正手段に対応し、ステップS14が目標ヨーレート補正手段に対応している。
《効果》
(1)車両挙動目標値設定手段は、運転者によって操舵されるステアリングの操舵角および車両の速度に基づいて、車両挙動の目標値である車両挙動目標値を設定する。転舵角設定手段は、車両挙動目標値設定手段によって設定された車両挙動目標値に基づいて、車両前輪の目標転舵角と車両後輪の目標転舵角とをそれぞれ設定する。転舵制御手段は、転舵角設定手段によって設定された車両前輪の目標転舵角と車両後輪の目標転舵角とに基づいて、前輪操舵機構を駆動する前輪操舵アクチュエータ及び後輪操舵機構を駆動する後輪操舵アクチュエータを駆動制御する。ブレーキ制御手段は、各輪の制動力を制御して、車両挙動を安定化する車両運動制御を行う。緊急操舵度合検出手段は、運転者による緊急操舵の度合を検出する。ブレーキ制御度合変更手段は、緊急操舵度合検出手段で検出した緊急操舵の度合に基づいて、ブレーキ制御による車両運動制御の実施度合を変更する。
したがって、運転者が緊急操舵を行った場合には、従来方式のように、ヨーレート誤差又は横加速度誤差が所定値以上となってからブレーキ制御を行うのと比較して、遅れなくブレーキ制御を作動することができる。また、車両運動制御の実施度合を操舵の緊急度に応じた大きさとすることができる。その結果、運転者に違和感を与えることなく、車両の安定性を確保することができる。
(2)ブレーキ制御度合変更手段は、緊急操舵度合検出手段で検出した緊急操舵の度合が高いほど、車両運動制御の実施度合を大きくする。
したがって、車両の安定性向上が必要な状況であるほど車両挙動を安定化するようにブレーキ制御を作動することができるので、より車両の安定性を高めることができる。また、運転者による操舵の緊急度が低い場合は、上記車両運動制御の割合を小さくすることができ、ブレーキ制御が介入することに起因する違和感を低減することができる。
(3)ブレーキ制御度合変更手段は、緊急操舵度合検出手段で検出した緊急操舵の度合が高いほど、車両の横加速度を抑制するようにブレーキ制御を実施することで、車両運動制御の実施度合を大きくする。したがって、操舵の緊急度が高いほど車両の横加速度を抑制することができ、確実に車両安定性を確保することができる。
(4)ブレーキ制御度合変更手段は、緊急操舵度合検出手段で検出した緊急操舵の度合が高いほど、車両のヨーレートを抑制するようにブレーキ制御を実施することで、車両運動制御の実施度合を大きくする。したがって、操舵の緊急度が高いほど車両のヨーレートを抑制することができ、確実に車両安定性を確保することができる。
(5)横加速度演算手段は、自車速及び前記目標ヨーレートに基づいて、目標横加速度を演算する。目標横加速度補正手段は、緊急操舵度合検出手段で検出した緊急操舵の度合が高いほど、横加速度演算手段で演算した目標横加速度を大きく減少補正する。目標ヨーレート補正手段は、自車速及び目標横加速度補正手段で補正した目標横加速度に基づいて目標ヨーレート補正値を演算する。ブレーキ制御度合変更手段は、目標ヨーレート補正手段で演算した目標ヨーレート補正値を達成するようにブレーキ制御を実施する。
したがって、操舵の緊急度が高いほど、車両安定性を向上する方向に目標値(目標横加速度及び目標ヨーレート)を変更することができる。そして、補正した上記目標値を達成するようにブレーキ制御を行うので、比較的簡易な構成で確実に緊急操舵時における車両安定性を確保することができる。
(6)緊急操舵度合検出手段は、運転者が操作するステアリングホイールの操舵角速度に基づいて、緊急操舵の度合を検出する。したがって、運転者がステアリングホイールを素早く操作している場合など、緊急回避操舵であると判断できる状況を適正に検出することができる。
(7)緊急操舵度合検出手段は、運転者が操作するステアリングホイールの操舵角速度が大きいほど、緊急操舵の度合を高く設定する。したがって、運転者による操舵状態をもとに、より適正に緊急操舵の度合を検出することができる。
(8)横加速度演算手段は、自車速と前記目標ヨーレートとに基づいて、目標横加速度を演算する。緊急操舵度合検出手段は、横加速度演算手段で演算した目標横加速度が大きいほど、緊急操舵の度合を高く設定する。
したがって、操舵角速度が比較的大きく運転者が緊急回避操作を行っていると判断した場合であっても、車両の横加速度が小さい場合には緊急操舵の度合を小さく設定する。これにより、車両の安定性がある程度確保されている状況下では上記車両運動制御の実施度合を小さくすることができる。その結果、ブレーキ制御が介入されることに起因する運転者の違和感を低減することができる。
(9)前輪の目標転舵角と後輪の目標転舵角とに基づいて、前輪操舵アクチュエータ及び後輪操舵アクチュエータを駆動制御して前輪操舵機構及び後輪操舵機構を駆動し、運転者による緊急操舵の度合に応じて、各輪に制動力を付与するブレーキ制御によって実施する車両挙動を安定化する制御の実施度合を変更する。
したがって、運転者が緊急操舵を行っている場合には、遅れなくブレーキ制御を作動して車両安定性を確保することができる。また、運転者による操舵の緊急度に応じて上記車両運動制御の実施度合を変更するので、運転者に違和感を与えることがない。
《変形例》
(1)上記実施形態においては、ブレーキ制御度合演算部332で緊急回避操作度合Ksをもとにブレーキ制御度合Kbを算出し、目標ヨーモーメント演算部333でブレーキ制御度合Kbをもとに横加速度補正量dVy´tを算出する場合について説明したが、緊急回避操作度合Ksをもとに横加速度補正量dVy´tを直接算出することもできる。
このとき、図8に示すように、緊急回避操作度合Ksが所定値KTH1より小さい範囲ではブレーキ制御度合Kbを“0”に算出していることから、緊急回避操作度合Ksが所定値KTH1より小さいとき、横加速度補正量dVy´tを“0”に算出するようにする。また、図8に示すように、緊急回避操作度合Ksが所定値KTH2より大きい範囲ではブレーキ制御度合Kbを“1”に算出していることから、緊急回避操作度合Ksが所定値KTH2より大きいとき、横加速度補正量dVy´tを予め設定した固定値Vy´t0に算出するようにする。
これにより、より簡易な構成で車両運動制御を行うための目標値(目標横加速度、目標ヨーレート)の補正を行うことができる。
(2)上記実施形態においては、操舵角速度依存ゲインkθ´と横加速度依存ゲインkVy´とに基づいて緊急回避操作度合Ksを算出する場合について説明したが、これに加えて操舵角θをもとに算出した操舵角依存ゲインを用いることもできる。この場合、操舵角θの絶対値|θ|が大きいほど操舵角依存ゲインを大きく算出する。そして、操舵角速度依存ゲインkθ´と横加速度依存ゲインkVy´と操舵角依存ゲインとを乗算して、緊急回避操作度合Ksを算出する。
これにより、運転者がステアリングホイールを大きく操作している場合など、緊急回避操舵であると判断できる状況下において適正に緊急回避操作度合Ksを大きく算出することができる。
(3)上記実施形態においては、運転者による操舵状態に基づいて緊急回避操作度合Ksを算出する場合について説明したが、運転者による操舵状態以外にも自車両の走行状態を用いることができる。この場合、例えば、当該走行状態として自車両と前方障害物との車間距離や前方障害物に対する車間時間等を用いることができる。そして、上記車間距離が小さいほど緊急回避操作度合Ksを高く算出したり、上記車間時間が短いほど緊急回避操作度合Ksを高く算出したりすればよい。
これにより、自車両の走行状態に応じて、より適正に緊急回避操作度合Ksを検出することができる。
本発明における車両制御装置の実施形態を示す全体構成図である。 操舵制御コントローラの制御ブロック図である。 目標値生成部の構成を示す制御ブロック図である。 緊急回避操作度合演算部で実行する処理手順を示すフローチャートである。 操舵角速度依存ゲイン算出マップである。 横加速度依存ゲイン算出マップである。 目標出力値生成部の構成を示す制御ブロック図である。 ブレーキ制御度合算出マップである。 目標ヨーモーメント演算部で実行する処理手順を示すフローチャートである。 操舵制御コントローラで実行される処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 操舵角センサ
2 車速センサ
3 操舵制御コントローラ
4 前輪操舵コントローラ
5 後輪操舵コントローラ
6 ブレーキコントローラ
7 前輪操舵アクチュエータ
8 後輪操舵アクチュエータ
9 ブレーキアクチュエータ
10 ステアリングホイール
11 前輪
12 前輪操舵機構
14 後輪
15 後輪操舵機構
31 目標値生成部
32 緊急回避操作度合演算部
33 目標出力値生成部
331 目標前後輪舵角演算部
332 ブレーキ制御度合演算部
333 目標ヨーモーメント演算部

Claims (9)

  1. 運転者によって操舵されるステアリングの操舵角および車両の速度に基づいて、車両挙動の目標値である車両挙動目標値を設定する車両挙動目標値設定手段と、
    前記車両挙動目標値設定手段によって設定された車両挙動目標値に基づいて、車両前輪の目標転舵角と車両後輪の目標転舵角とをそれぞれ設定する転舵角設定手段と、
    前輪操舵機構を駆動する前輪操舵アクチュエータと、
    後輪操舵機構を駆動する後輪操舵アクチュエータと、
    前記転舵角設定手段によって設定された車両前輪の目標転舵角と車両後輪の目標転舵角とに基づいて、前記前輪操舵アクチュエータ及び前記後輪操舵アクチュエータを駆動制御する転舵制御手段と、
    各輪の制動力を制御して、車両挙動を安定化する車両運動制御を行うブレーキ制御手段と、
    運転者による緊急操舵の度合を検出する緊急操舵度合検出手段と、を備え、
    前記ブレーキ制御手段は、前記緊急操舵度合検出手段で検出した緊急操舵の度合に基づいて、前記ブレーキ制御による車両運動制御の実施度合を変更するブレーキ制御度合変更手段を備えることを特徴とする車両制御装置。
  2. 前記ブレーキ制御度合変更手段は、前記緊急操舵度合検出手段で検出した緊急操舵の度合が高いほど、前記車両運動制御の実施度合を大きくすることを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
  3. 前記ブレーキ制御度合変更手段は、前記緊急操舵度合検出手段で検出した緊急操舵の度合が高いほど、車両の横加速度を抑制するように前記ブレーキ制御を実施することで、前記車両運動制御の実施度合を大きくすることを特徴とする請求項2に記載の車両制御装置。
  4. 前記ブレーキ制御度合変更手段は、前記緊急操舵度合検出手段で検出した緊急操舵の度合が高いほど、車両のヨーレートを抑制するように前記ブレーキ制御を実施することで、前記車両運動制御の実施度合を大きくすることを特徴とする請求項2又は3に記載の車両制御装置。
  5. 前記ブレーキ制御度合変更手段は、自車速及び目標ヨーレートに基づいて、目標横加速度を演算する横加速度演算手段と、前記緊急操舵度合検出手段で検出した緊急操舵の度合が高いほど、前記横加速度演算手段で演算した目標横加速度を大きく減少補正する目標横加速度補正手段と、自車速及び目標横加速度補正手段で補正した目標横加速度に基づいて目標ヨーレート補正値を演算する目標ヨーレート補正手段と、を備え、前記目標ヨーレート補正手段で演算した目標ヨーレート補正値を達成するように前記ブレーキ制御を実施することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の車両制御装置。
  6. 前記緊急操舵度合検出手段は、運転者が操作するステアリングホイールの操舵角及び操舵角速度の少なくとも一方に基づいて、緊急操舵の度合を検出することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の車両制御装置。
  7. 前記緊急操舵度合検出手段は、運転者が操作するステアリングホイールの操舵角及び操舵角速度が大きいほど、緊急操舵の度合を高く設定することを特長とする請求項6に記載の車両制御装置。
  8. 自車速と目標ヨーレートとに基づいて、目標横加速度を演算する横加速度演算手段を有し、
    前記緊急操舵度合検出手段は、前記横加速度演算手段で演算した目標横加速度が大きいほど、緊急操舵の度合を高く設定することを特長とする請求項6又は7に記載の車両制御装置。
  9. 前輪の目標転舵角と後輪の目標転舵角とに基づいて、前輪操舵アクチュエータ及び後輪操舵アクチュエータを駆動制御して前輪操舵機構及び後輪操舵機構を駆動し、
    運転者による緊急操舵の度合に応じて、各輪に制動力を付与するブレーキ制御によって実施する車両挙動を安定化するための車両運動制御の実施度合を変更することを特徴とする車両制御方法。
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