JP2006301100A - 光硬化性組成物およびそれを用いたカラーフィルタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 着色剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、および光重合開始剤を含有する光硬化性組成物において、該アルカリ可溶性樹脂はリン酸基含有モノマー及びアルキレンオキサイド鎖含有モノマーを共重合モノマー成分とするアクリル系共重合体であり、また該着色剤が緑色(G)用顔料であって、且つ光硬化性組成物の不揮発分中における前記着色剤の含有率が38質量%以上であることを特徴とする光硬化性組成物、及び及び前記光硬化性組成物を用いてフォトリソグラフィ法より得られたCIE色度図上における緑色(G)のy値が0.59以上であるカラーフィルタ。
【選択図】 なし
Description
着色剤濃度を高めると必然的にモノマーやアルカリ可溶性樹脂などの含有量が少なくなるので、アルカリ現像性が低下するなどの問題があった。
色再現性やコントラストの向上のために、着色剤顔料の分散性もより高いレベルを求められるようになってきた。
親水性セグメントとしてリン酸基含有単量体より形成されたものが例示され、疎水性セグメントとしてポリエチレングリコールモノメアクリレート、ポリオキシエチレンノモノ(メタ)アクリレートが例示されている。この組成物の用途としてカラーフィルタへの用途が示唆されているが、着色剤を含有させた組成物の具体例の記載はなく、色特性に関する記載も示唆もない。
。顔料の分散安定性、画素の密着性、現像後の地汚れの点で良好なカラーフィルタを作成できると記載されいるが、アルキレンオキサイド鎖との共重合についての記載はない。
実施例には、R、G、及びBとして着色剤含有量が27質量%、18質量%、27質量%が開示されている。
また、各成分の好ましい重量比として、樹脂:モノマー:着色剤が1〜50:1〜10:1〜15と広く規定されている。
更に、本発明の目的は、現像性、色再現性、及びコントラストに優れたカラーフィルタを提供することにある。
即ち、本発明は下記の手段により達成されるものである。
更に、本発明によれば、現像性、色再現性、及びコントラストに優れたカラーフィルタを提供することができる。
また、本発明の光硬化性組成物を使用すれば、膜厚が薄くて比較的高濃度で着色剤を含有させても、現像性や基板との密着性を損なうことなく色再現性やコントラストに優れたカラーフィルタを得ることもできる。
従って、カラーフィルタの膜厚が薄くなるに伴って、光学濃度の減少による色再現性やコントラストの低下を防止できるだけでなく、従来のカラーフィルタよりも色再現性やコントラストに優れたカラーフィルタを得ることもできる。
本発明の光硬化性組成物がもたらすこの特徴を数値的に現すと、カラーフィルタの膜厚をxμm、カラーフィルタ中の着色剤含有率をy質量%とした場合、x×y=Aの値を特定以上の値に維持することが可能である。例えば、緑色(G)の場合、前記Aの値は111以上、望ましくは120以上にできるし、赤色(R)なら、105以上、望ましくは100以上、青色(B)なら51以上、望ましくは57以上のカラーフィルタを得ることができる。
従来の光硬化性組成物からは予測できないこの特徴は、本発明の光硬化性組成物における主としてアルカリ可溶性樹脂がアルカリ可溶性、着色剤の分散性、基板への密着性を高めていることが影響していると推定される。
本発明の光硬化性組成物(以下、「本発明の組成物」ともいう。)の第1の態様は、着色剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、および光重合開始剤を含有する光硬化性組成物において、該アルカリ可溶性樹脂はリン酸基含有モノマー及びアルキレンオキサイド鎖含有モノマーを共重合モノマー成分とするアクリル系共重合体であり、また該着色剤が緑色(G)用顔料であって、且つ該光硬化性組成物の不揮発分中における前記着色剤の含有率が38質量%以上であることを特徴とする。
分散剤を含有させることにより本発明の光硬化性組成物の安定性が良くなり、長期に渡る保存安定性を高めることができる。
以下、本発明の組成物(第1〜第3の態様の光硬化性組成物)に含有される各成分について、詳細に説明する。
本発明の組成物に用いられるアルカリ可溶性樹脂は、少なくともリン酸基含有モノマー(酸成分モノマー:モノマー1)及びアルキレンオキサイド鎖含有モノマーを共重合モノマー成分とするアクリル系共重合体(以下、「本発明におけるアクリル系共重合体」ともいう。)から構成される。
また、本発明におけるアクリル系共重合体は、前記モノマー成分を通常ラジカル重合、配位重合、カチオン重合、アニオン重合などで共重合することによって合成することができる。
本発明におけるリン酸基含有モノマーとしては、エチレン性不飽和基とリン酸基を有するものであれば特に限定なく用いることができる。
重合が容易なこと、入手が容易なことの観点から、これらの中でも、メタクリルオキシエチルフォスフェート、ビス(メタクリルオキシエチル)フォスフェート、メタクリルオキシエチレングリコールフォスフェートから選択される少なくとも1種の燐酸エステルモノマーであることが好ましく、具体的には、[H2C=CR1−CO−O−(CH2)n−O−]mPO(OH)3-m、[H2C=CR2−CO−O−(C2H5O)n−O−]mPO(OH)3-m等が挙げられる。ここでmは1又は2の整数であり、nは1〜20、好ましくは1〜10、最も好ましくは1〜5の整数であり、R1、R2は、それぞれ独立にHもしくはCH3である。
本発明におけるアルキレンオキサイド鎖含有モノマーとしては、アルキレンオキサイド鎖を有する重合可能なモノマーであれば、特に限定されるものではないが、下記一般式(1)で表されるポリアルキレンオキサイド鎖含有(メタ)アリレートモノマーであることが好ましい。
また、上記ポリオキシプロピレン鎖(PO)mとは、プロピレンオキサイドの付加体であり、プロピレンオキサイドの付加数はmで示される。更に、上記ポリオキシブチレン鎖(BO)lとは、ブチレンオキサイドの付加体であり、ブチレンオキサイドの付加数はlで示される。
−モノマー3−
本発明におけるアクリル系共重合体は、上記モノマー1〜2と共に、更にモノマー成分の一つとしてベンジルメタクリレート(BzMA)、スチレン(St)、メチルスチレン、ベンジルアクリレートなど(以下、「モノマー4」という場合がある。)を含むことが好ましい。これらのなかでもベンジルメタクリレートが好ましい。本発明におけるアクリル系共重合体のモノマー成分として更にベンジルメタクリレートを用いることで、本発明の組成物により得られる塗膜の強度を向上させることができる。上記ベンジルメタクリレートとしては、下記一般式(3)で表されるものを好適に用いることができる。
更に、本発明におけるアクリル系共重合体は、上記モノマー1〜2と共に、モノマー成分の一つとしてヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(HEMA,HEA)、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートおよび2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種(以下、「モノマー4」という場合がある。)を含むことができる。本発明におけるアクリル系共重合体のモノマー成分として更にモノマー4を用いることで、本発明の組成物により得られる塗膜の耐熱性を向上させることができ、更に、基板等との密着性の高い塗膜を形成することが可能であり、塗膜の剥離を防止することができる。
本発明の組成物においては、上記アルカリ可溶性樹脂として本発明におけるアクリル系共重合体の他に、他の構造のアルカリ可溶性樹脂を併用することができる。例えば、(メタ)アクリル酸およびベンジルメタクリレートからなる共重合体、あるいは(メタ)アクリル酸、ベンジルメタクリレートおよびヒドロキシエチル(メタ)アクリレートからなる共重合体などが好ましい。
また、他の構造のアルカリ可溶性樹脂を併用する場合には、本発明の組成物における他のアルカリ可溶性樹脂の総含有率は、10〜50質量%が好ましい。本発明の組成物中、アルカリ可溶性樹脂の含有量が少なすぎるとアルカリ現像が進まなくなる場合がある。一方、多すぎると塗布液としての粘度が高くなって、塗布厚均一性が劣化して塗布ムラが生じやすくなったり、また現像ラチチュードも低下する場合がある。
本発明の組成物の第1の態様における着色剤としては、緑色(G)用顔料を含有し、且つ光硬化性組成物の不揮発分中における該着色剤の含有率が38質量%以上とする必要がある。
該緑色(G)顔料としては、一種単独で用いても複数併用してもよい。
本発明の組成物の第2の態様における着色剤としては、赤色(R)用顔料を含有し、且つ光硬化性組成物の不揮発分中における該着色剤の含有率が35質量%以上とする必要がある。
該赤色(R)顔料としては、一種単独で用いても複数併用してもよい。
本発明の組成物の第3の態様における着色剤としては、青色(B)用顔料を含有し、且つ光硬化性組成物の不揮発分中における該着色剤の含有率が17質量%以上とする必要がある。
該青色(B)顔料としては、一種単独で用いても複数併用してもよい。
また、上記無機顔料としては、金属酸化物、金属錯塩等で示される金属化合物を挙げることができ、具体的には、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモン等の金属酸化物、および前記金属の複合酸化物を挙げることができる。
C.I.Pigment Yellow 11, 24, 31, 53, 83, 93, 99, 108, 109, 110, 138, 139, 147, 150, 151, 154, 155, 167, 180, 185, 199, ;
C.I.Pigment Orange 36, 38, 43, 71;
C.I.Pigment Red 81, 105, 122, 149, 150, 155, 171, 175, 176, 177,209, 220, 224, 242, 254, 255, 264, 270;
C.I.Pigment Violet 19, 23, 32, 39;
C.I.Pigment Blue 1, 2, 15, 15:1, 15:3, 15:6, 16, 22, 60, 66;
C.I.Pigment Green 7, 36, 37;
C.I.Pigment Brown 25, 28;
C.I.Pigment Black 1, 7;
カーボンブラック等を挙げることができる。
C.I.Pigment Orange 36, 71,
C.I.Pigment Red 122, 150, 171, 175, 177, 209, 224, 242, 254, 255, 264,
C.I.Pigment Violet 19, 23, 32,
C.I.Pigment Blue 15:1, 15:3, 15:6, 16, 22, 60, 66,
C.I.Pigment Black 1
前記緑色(G)用顔料としては、ハロゲン化フタロシアニン系顔料を単独で、または、これとジスアゾ系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料、アゾメチン系黄色顔料若しくはイソインドリン系黄色顔料との混合を用いることが好ましい。
例えば、このような例としては、C.I.ピグメントグリーン7、36、37とC.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー180またはC.I.ピグメントイエロー185との混合が好ましい。
緑顔料と黄色顔料との質量比は、100:5〜100:150が好ましい。上記質量比が100:5未満では400nm〜450nmの光透過率を抑えることが困難となり色純度を上げることが出来ない場合がある。また100:150を越えると主波長が長波長よりになりNTSC目標色相からのずれが大きくなる場合がある。上記質量比としては100:30〜100:120の範囲が特に好ましい。
本発明の第1の態様の組成物における着色剤(G用顔料)の含有率は、組成物の不揮発分中38質量%以上とするが、色特性の観点から38〜70質量%が好ましく、40〜60質量%が特に好ましい。
着色剤が少なすぎるとカラーフィルタとして適度な色度が得られなくなる傾向がある。一方、多すぎると光硬化が充分に進まず膜としての強度が低下したり、また、アルカリ現像の際の現像ラチチュードが狭くなる傾向がある。
前記赤色(R)用顔料としては、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料単独またはそれらの少なくとも一種と、ジスアゾ系黄色顔料、イソインドリン系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料またはペリレン系赤色顔料と、の混合などを用いることが好ましい。
例えば、アントラキノン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド177が挙げられ、ペリレン系顔料としては、C.I.ピグメントレッド155、C.I.ピグメントレッド224が挙げられ、ジケトピロロピロール系顔料としては、C.I.ピグメントレッド254が挙げられる。
色再現性の点でC.I.ピグメントイエロー139との混合してもよい。また、赤色顔料と黄色顔料との質量比は、100:5〜100:50が好ましい。100:4以下では400nmから500nmの光透過率を抑えることが困難で色純度を上げることが出来ない場合がある。また100:51以上では主波長が短波長よりになり、NTSC目標色相からのずれが大きくなる場合がある。特に、上記質量比としては、100:10〜100:30の範囲が最適である。尚、赤色顔料同士の組み合わせの場合は、色度に併せて調整することができる。
着色剤が少なすぎるとカラーフィルタとして適度な色度が得られなくなる傾向がある。一方、多すぎると光硬化が充分に進まず膜としての強度が低下したり、また、アルカリ現像の際の現像ラチチュードが狭くなる傾向がある。
前記青色(B)用顔料としては、フタロシアニン系顔料を単独で、若しくはこれとジオキサジン系紫色顔料との混合を用いることができる。例えばC.I.ピグメントブルー15:6とC.I.ピグメントバイオレット23との混合が好ましい。青色顔料と紫色顔料との質量比は、100:0〜100:30が好ましく、より好ましくは100:10以下である。
本発明の第3の態様の組成物における着色剤(B用顔料)の含有率は、組成物の不揮発分中17質量%以上とする必要があるが、色特性の観点から17〜70質量%が好ましく、19〜65質量%がより好ましく、21〜60質量%が特に好ましい。
着色剤が少なすぎるとカラーフィルタとして適度な色度が得られなくなる傾向がある。一方、多すぎると光硬化が充分に進まず膜としての強度が低下したり、また、アルカリ現像の際の現像ラチチュードが狭くなる傾向がある。
本発明の組成物に添加可能な染料としては、特に制限はなく、従来のカラーフィルタ用としての公知の染料が使用できる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報、特開平8−211599号公報、特開平4−249549号公報、特開平10−123316号公報、特開平11−302283号公報、特開平7−286107号公報、特開2001−4823号公報、特開平8−15522号公報、特開平8−29771号公報、特開平8−146215号公報、特開平11−343437号公報、特開平8−62416号公報、特開2002−14220号公報、特開2002−14221号公報、特開2002−14222号公報、特開2002−14223号公報、特開平8−302224号公報、特開平8−73758号公報、特開平8−179120号公報、特開平8−151531号公報等に開示されている色素が使用できる。
その他、直接染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料、アゾイック染料、分散染料、油溶染料、食品染料、および/または、これらの誘導体等も使用することができる。
以下に上記酸性染料の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。例えば、
acid alizarin violet N;acid black 1,2,24,48;acid blue 1,7,9,15,18,23,25,27,29,40,45,62,70,74,80,83,86,87,90,92,103,112,113,120,129,138,147,158,171,182,192,243,324:1;acid chrome violet K;acid Fuchsin;acid green 1,3,5,9,16,25,27,50;acid orange 6,7,8,10,12,50,51,52,56,63,74,95;acid red 1,4,8,14,17,18,26,27,29,31,34,35,37,42,44,50,51,52,57,66,73,80,87,88,91,92,94,97,103,111,114,129,133,134,138,143,145,150,151,158,176,183,198,211,215,216,217,249,252,257,260,266,274;acid violet 6B,7,9,17,19;acid yellow 1,3,7,9,11,17,23,25,29,34,36,42,54,72,73,76,79,98,99,111,112,114,116,184,243;Food Yellow 3;およびこれらの染料の誘導体が挙げられる。
また、上記以外の、アゾ系、キサンテン系、フタロシアニン系の酸性染料も好ましく、C.I.Solvent Blue 44、38;C.I.Solvent orange 45;Rhodamine B、Rhodamine 110等の酸性染料およびこれらの染料の誘導体も好ましく用いられる。
次に、本発明の組成物において用いられる光重合性化合物について説明する。
上記光重合性化合物としては、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン基を有し、常圧下で100℃以上の沸点を持つエチレン性不飽和基を持つ化合物が好ましく、なかでも、4官能以上のアクリレート化合物がより好ましい。
これらの光重合性化合物の使用量は、光硬化性着色樹脂組成物の全固形分100に対し、好ましくは20〜200質量%、より好ましくは50〜120質量%である。光重合性化合物の使用量が上記範囲より少なすぎても、また、多すぎても硬化が不充分となるので好ましくない。
上記光重合開始剤としては、例えば、特開平57−6096号公報に記載のハロメチルオキサジアゾール;特公昭59−1281号公報、特開昭53−133428号公報等に記載のハロメチル−s−トリアジン等活性ハロゲン化合物;米国特許USP−4318791、欧州特許公開EP−88050A等に記載のケタール、アセタールまたはベンゾインアルキルエーテル類等の芳香族カルボニル化合物;米国特許USP−4199420に記載のベンゾフェノン類等の芳香族ケトン化合物;Fr−2456741に記載の(チオ)キサントン類またはアクリジン類化合物;特開平10−62986号公報に記載のクマリン類またはロフィンダイマー類等の化合物;特開平8−015521号公報等のスルホニウム有機硼素錯体等;等を用いることができる。
また、これらの光重合開始剤を併用することもできる。
本発明の組成物を調製する際には溶剤を使用することができる。上記溶剤としては、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等;ケトン類、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレシ等が挙げられる。
これらの溶剤は、単独で用いてもあるいは2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の組成物中に、フッ素含有率が3〜40質量%であるフッ素系有機化合物を含有してもよい。組成物の塗布液としての特性を更に向上させることができる。
上記フッ素系有機化合物のフッ素含有率は3〜40質量%であり、好ましくは5〜30質量%、より好ましくは7〜25質量%である。
フッ素系有機化合物のフッ素含有率が低いと、塗布厚均一性や省液性において充分な効果が得られず、また逆に含有率が大きすぎると、組成物中への溶解性が不十分となる場合がある。
本発明の組成物にフッ素系有機化合物を含有させることで、塗布液としての液特性を改良することができ、塗布厚の均一性や省液性を改良することができる。特に、基板への塗布性が向上し、少量の液量でも厚みムラのない均一な膜厚の塗膜を得ることができる。
本発明の組成物には、必要に応じて各種添加物、例えば充填剤、上記アルカリ可溶性樹脂以外の高分子化合物、上記以外の界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することかできる。
およびポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤を挙げることができる。
ェノール)、2−メルカプトベンゾイミダゾール等が有用である。
本発明の組成物は、着色剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤、さらに必要に応じて用いられるその他の添加剤を溶剤と混合し各種の混合機、分散機を使用して混合分散する混合分散工程を経ることによって調製することができる。
尚、混合分散工程は、混練分散とそれに続けて行う微分散処理からなるのが好ましいが、混練分散を省略することも可能である。
尚、混練、分散についての詳細はT.C. Patton著“Paint Flow
and Pigment Dispersion”(1964年 John Wiley
and Sons社刊)等にも記載されている。
本発明のカラーフィルタの第1の態様は、前記本発明の第1の態様の組成物を用いてフォトリソグラフィ法により得られたCIE色度図上における緑色(G)のy値が0.59以上であるカラーフィルタである。
前記y値は0.59〜0.7がより好ましく、0.60〜0.68が特に好ましい。y値が低すぎると、光の色純度が低下し、色再現性が低くなるという問題が生じる。一方、CIE色度図上のx値については特に制限はないが、好ましくは0.2〜0.3である。
前記x値は0.6〜0.7がより好ましく、0.62〜0.68が特に好ましい。x値が低すぎると、光の色純度が低下し、色再現性が低くなるという問題が生じる。一方、CIE色度図上のy値については特に制限はないが、好ましくは0.25〜0.35である。
前記y値は0.06〜0.1がより好ましく、0.07〜0.095が特に好ましい。y値が低すぎると、光の色純度が低下し、色再現性が低くなるという問題が生じる。一方、CIE色度図上のx値については特に制限はないが、好ましくは0.1〜0.2である。
ここで、前記CIE色度、即ち、CIE1964(10度視野)色度(x値、y値)は、ガラス基板上に形成した未露光状態の塗膜に対して色度計(大塚電子(株)製)を用いて測定することにより得られる。
この際に使用される放射線としては、特にg線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。
本発明のカラーフィルタの製造方法としては、本発明の組成物を直接若しくは他の層を介して基板上にスリット塗布によって塗布膜を形成した後、前記塗布膜に、乾燥、パターン露光およびアルカリ現像を順次おこなう方法が好ましい。これにより、液晶表示素子や固体撮像素子に用いられるカラーフィルタをプロセス上の困難性が少なく、高品質かつ低コストで作製することができる。
次いで、余剰の現像液を洗浄除去し、乾燥を施した後に、50℃〜240℃の温度で加熱処理(ポストベーク)を行う。このように各色ごと前記工程を順次繰り返して硬化皮膜を製造することができる。これによりカラーフィルタが得られる。
有機溶剤としては、本発明の組成物を調製する際に使用される前述の溶剤が挙げられる。
現像温度としては通常20℃〜30℃であり、現像時間としては20〜90秒である。
このポストベーク処理は、現像後の塗布膜を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で行うことができる。
《赤色(R)光硬化性着色樹脂組成物の調製》
下記表1の各成分をホモジナイザーにて3000rpmで3時間攪拌混合した。
さらに、高圧分散機(商品名:NANO−3000−10、日本ビーイーイー(株)社製)にて2000kg/cm3の圧力下で流量500g/minで分散処理した。この処理を10回繰り返して分散液を得た。
上記で得られた光硬化性組成物を下記の方法で評価し、結果を表7に示す。
<測定基板の作成>
100mm×100mmのガラス基板(商品名:1737コーニング(株)社製)上に前記光硬化性組成物を膜厚2.5μmとなるように塗布し、90℃オーブンで60秒乾燥(プリベーク)した。その後、全面に200mj/cm2の露光(照度は20mW/cm2)をし、アルカリ現像液(商品名:CDK−1、富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1%水溶液にて露光済みの塗布膜を覆い、60秒間静止した。その後、純水をシャワー状に散布して現像液を洗い流した。
以上のように、光硬化処理及び現像処理を施した塗布膜を220℃のオーブンで1時間加熱処理(ポストベーク)を施し、ガラス基板上にカラーフィルタ用着色樹脂皮膜を形成した。
(1)CIE色度(x値、y値)及びY値
CIE色度(x値、y値)はガラス基板上に形成した未露光状態の塗膜を用いて、また、Y値は得られた測定基板を大塚電子(株)製MCPD−2000を用いて測定した。x及びy値の値が高いほど、色純度、色再現性がよい。Y値は高いほど透過率が大きい。
(2)コントラストの測定
ガラス基板上にカラーフィルタ用着色樹脂皮膜を偏光板で挟み込み、偏光板が平行時の輝度と直行時の輝度を(BM−5 トプコン社製)にて測定し、コントラスト=平行時の輝度/直行時の輝度で求めた。
100mm×100mmのガラス基板(商品名:1737コーニング社製)膜厚2.0μmとなるように塗布し、90℃オーブンで60秒乾燥(プリベーク)した。その後、20μmの線幅をもつマスクで200mj/cm2の露光(照度は20mW/cm2)をし、アルカリ現像液(商品名:CDK−1、富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1%水溶液にて25℃で現像した。
線幅が安定して残存する現像秒数を現像ラチチュードとして表わした。
550mm×650mmのガラス基板上に調製した前記光硬化性組成物(レジスト液)30gを中央滴下し、600rpmでスピンコートした。塗布基板の中央部から、対角線方向に縁から300mm内側の部分までの厚みを測定した。塗布厚みムラを下式で表し、%で表示した。
厚みムラ=(中央の厚み−緑部300mm内側の厚み)/中央部の厚み
スリット間隙が50μmの塗布有効幅が20mmのスリットヘッドを備えたスリット塗布装置を用いて、乾燥後の塗膜厚が2μmになるようにスリットと基板間の間隙を調節して、50mm/秒の塗布スピードで前記光硬化性組成物の塗布液を、幅230mm、長さ300mm、厚み0.7mmの矩形状ガラス基板上に塗布し、塗布幅21mm、長さ260mmの塗布面を得た。塗布後、ホットプレートで90℃、60秒間プリベークした後、目視にて観察して塗布面のスジ状のムラの本数をカウントした。塗布面にスジ状のムラが全くないものを「○」、1〜5本のものを「△」、6本以上ものを「×」として評価した。
実施例1における表1及び表2に記載のn=2のアルカリ可溶性樹脂を用いる代わりに、表7に記載のn=4、n=9のそれぞれのアルカリ可溶性樹脂を用いた以外は、実施例1と同様に行って光硬化性組成物を得たのち、同様の評価を行い結果を表7に示した。
《緑色(G)光硬化性着色樹脂組成物の調製》
実施例1において、前記表1及び表2の成分を用いる代わりに下記表3及び4の成分を用い、n=2のアルカリ可溶性樹脂を用いる代わりに、表7に記載のn=2、n=4、n=9のそれぞれのアルカリ可溶性樹脂を用いた以外は、実施例1と同様に行って緑色(G)光硬化性組成物を得た。
実施例1と同様の評価を行い結果を表7に示した。
《青色(B)光硬化性着色樹脂組成物の調製》
実施例1において、前記表1及び表2の成分を用いる代わりに下記表5及び表6の成分を用い、n=2のアルカリ可溶性樹脂を用いる代わりに、表7に記載のn=2、n=4、n=9のそれぞれのアルカリ可溶性樹脂を用いた以外は、実施例1と同様に行って青色(B)光硬化性組成物を得た。
実施例1と同様の評価を行い結果を表7に示した。
実施例1において、アルカリ可溶性樹脂(共重合体)を(BzMA/リン酸基含有モノマー)共重合体=80/20(モル比)、Mw(重量平均分子量)=10,000を使用した以外は、実施例1と同様に赤色(R)用光硬化性組成物を調製した。
実施例4において、アルカリ可溶性樹脂(共重合体)を(BzMA/リン酸基含有モノマー)共重合体=80/20(モル比)、Mw=10,000を使用した以外は、実施例4と同様に緑色(G)用光硬化性組成物を調製した。
実施例7において、アルカリ可溶性樹脂(共重合体)を(BzMA/リン酸基含有モノマー)共重合体=80/20、Mw=10,000を使用した以外は、実施例7と同様に青色(B)用光硬化性組成物を調製した。
実施例1において、アルカリ可溶性樹脂(共重合体)を(BzMA/リン酸基含有モノマー)共重合体=80/20、Mw=10,000を使用した以外は、実施例1と同様に赤色(R)用光硬化性組成物を調製した。
実施例4において、アルカリ可溶性樹脂(共重合体)をBzMA/MAA=80/20、Mw=10,000を使用した以外は、実施例4と同様に緑色(G)用光硬化性組成物を調製した。
実施例7において、アルカリ可溶性樹脂(共重合体)を(BzMA/MAA)共重合体=80/20(モル比)、Mw=10,000を使用した以外は、実施例7と同様に青色(B)用光硬化性組成物を調製した。
実施例1において、アルカリ可溶性樹脂(共重合体)を(BzMA/MAA/Acr(EO)n)共重合体=70/20/10(モル比)、Mw=10,000を使用した以外は、実施例1と同様に赤色(R)光硬化性組成物を調製した。
実施例4において、アルカリ可溶性樹脂(共重合体)を(BzMA/MAA/Acr(EO)n)共重合体=70/20/10(モル比)、Mw=10,000を使用した以外は、実施例4と同様に緑色(G)光硬化性組成物を調製した。
実施例7において、アルカリ可溶性樹脂(共重合体)を(BzMA/MAA/Acr(EO)n)共重合体=70/20/10(モル比)、Mw=10,000を使用した以外は、実施例7と同様に青色(B)光硬化性組成物を調製した。
Claims (6)
- 着色剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、および光重合開始剤を含有する光硬化性組成物において、該アルカリ可溶性樹脂はリン酸基含有モノマー及びアルキレンオキサイド鎖含有モノマーを共重合モノマー成分とするアクリル系共重合体であり、また該着色剤が緑色(G)用顔料であって、且つ該光硬化性組成物の不揮発分中における前記着色剤の含有率が38質量%以上であることを特徴とする光硬化性組成物。
- 着色剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、および光重合開始剤を含有する光硬化性組成物において、該アルカリ可溶性樹脂がリン酸基含有モノマー及びアルキレンオキサイド鎖含有モノマーを共重合モノマー成分とするアクリル系共重合体であり、また該着色剤が赤色(R)用顔料であって、且つ該光硬化性組成物の不揮発分中における前記着色剤の含有率が35質量%以上であることを特徴とする光硬化性組成物。
- 着色剤、アルカリ可溶性樹脂、光重合性化合物、および光重合開始剤を含有する光硬化性組成物において、該アルカリ可溶性樹脂がリン酸基含有モノマー及びアルキレンオキサイド鎖含有モノマーを共重合モノマー成分とするアクリル系共重合体であり、また該着色剤が青色(B)用顔料であって、且つ該光硬化性組成物の不揮発分中における前記着色剤の含有率が17質量%以上であることを特徴とする光硬化性組成物。
- 請求項1に記載の光硬化性組成物を用いてフォトリソグラフィ法により得られたCIE色度図上における緑色(G)のy値が0.59以上であるカラーフィルタ。
- 請求項2に記載の光硬化性組成物を用いてフォトリソグラフィ法により得られたCIE色度図上における赤色(R)のx値が0.60以上であるカラーフィルタ。
- 請求項3に記載の光硬化性組成物を用いてフォトリソグラフィ法により得られたCIE色度図上における青色(B)のy値が0.10以下であるカラーフィルタ。
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