JP2006298673A - ポリウレタン被覆粒状肥料 - Google Patents

ポリウレタン被覆粒状肥料 Download PDF

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Abstract

【課題】
肥料成分の初期溶出抑制効果の優れたポリウレタン樹脂で被覆されてなる被覆粒状肥料を提供すること。
【解決手段】
分子中の炭素原子数/酸素原子数の比率が3.0以下のポリオール(1)と分子中の炭素原子数/酸素原子数の比率が5.0以上のポリオール(2)とを下記に示す計算式を満足する比率で含有するポリオールと、イソシアネートとを反応させて得られるポリウレタン樹脂で被覆された被覆粒状肥料。
〔ポリオール(1)の重量×ポリオール(1)の水酸基価〕/〔ポリオール(2)の重量×ポリオール(2)の水酸基価〕=2.4〜6.0
【選択図】 なし

Description

本発明は、2種類の異なる性質のポリオールを特定の比率で含有するポリオールと、イソシアネートとを反応させて得られるポリウレタン樹脂で被覆されてなる被覆粒状肥料に関する。
従来、農作業の省力化等の観点から肥料の徐放化を目的として、粒状肥料をポリウレタン樹脂等の樹脂で被覆した被覆粒状肥料が数多く知られている。また、公知のポリウレタン樹脂のみでは、十分に初期溶出抑制の効果が得られない場合に、ワックス等の異なる疎水性物質を組合わせる方法も知られている(例えば、特許文献1)。
特開2003−246692号公報
本発明は、肥料成分の初期溶出抑制効果の優れたポリウレタン樹脂で被覆されてなる被覆粒状肥料を提供することを課題とする。
本発明者は、肥料成分の初期溶出抑制効果の優れたポリウレタン樹脂について、鋭意検討を重ねた結果、ポリウレタン樹脂の原料となるポリオールにおいて、性質の異なる2種類のポリオールを特定の比率で用いると、優れた初期溶出抑制効果を有すポリウレタン樹脂が得られることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は
[発明1]
分子中の炭素原子数/酸素原子数の比率が3.0以下のポリオール(1)と
分子中の炭素原子数/酸素原子数の比率が5.0以上のポリオール(2)とを
下記に示す計算式を満足する比率で含有するポリオールと、
イソシアネートとを
反応させて得られるポリウレタン樹脂で被覆された被覆粒状肥料:
〔ポリオール(1)の重量×ポリオール(1)の水酸基価〕
/〔ポリオール(2)の重量×ポリオール(2)の水酸基価〕=2.4〜6.0;
[発明2]
分子中の炭素原子数/酸素原子数の比率が3.0以下のポリオール(1)と
分子中の炭素原子数/酸素原子数の比率が5.0以上のポリオール(2)とを
下記に示す計算式を満足する比率で含有するポリオールと、
イソシアネートとを
反応させて得られるポリウレタン樹脂で被覆された被覆粒状肥料:
〔ポリオール(1)の重量×ポリオール(1)の水酸基価〕
/〔ポリオール(2)の重量×ポリオール(2)の水酸基価〕=2.4〜4.8;
[発明3]
ポリオール(1)およびポリオール(2)の少なくとも一方が、3官能以上のポリオールであることを特徴とする発明1または2に記載された被覆粒状肥料;
[発明4]
イソシアネートが、芳香族イソシアネートであることを特徴とする発明1、2または3に記載された被覆粒状肥料;
である。
本発明の被覆粒状肥料は、肥料成分の徐放性の優れたポリウレタン樹脂被覆粒状肥料が得られる。
本発明において、ポリウレタン樹脂とは、ポリマー構造の主鎖中にウレタン結合〔N−C(=O)−O〕を持つポリマーを意味し、実質的にイソシアネート基〔NCO〕と水酸基〔OH〕との反応によりポリマー形成が行われる樹脂である。また本発明において、ポリオールとはイソシアネート基と反応し得る水酸基を分子内に複数有する化合物である。ポリオールは、当然ながら分子内にエーテル結合やエステル結合等を含有していてもよい。本発明において、イソシアネートとは上記のイソシアネート基を分子内に有する化合物であり、通常分子内に2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネートを意味する。但し、ポリイソシアネートとポリオールとが反応して生じる、ウレタン結合と水酸基とイソシアネート基とを有する化合物や、ポリイソシアネートの多量化体も、本発明におけるイソシアネートに含まれる。
本発明の被覆粒状肥料に用いられるポリオールは、性質の異なる2種類のポリオールを含有する。2種類のポリオールは、ポリオール分子中の炭素原子数/酸素原子数の比率が異なり、一方は親水性のポリオールであり、もう一方は疎水性のポリオールである。
相対的に親水性のポリオールであるポリオール(1)は、その分子中の炭素原子数/酸素原子数の比率が3.0以下のポリオールである。分子中の炭素原子数と酸素原子数の比率は、そのポリオールの元素分析値により実際に測定することもできるし、該ポリオールの構造から算出することも可能である。ポリオール(1)としては、例えば、C2〜C6の低分子ポリオールを出発原料とするエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物;低分子ポリオールとポリ乳酸の縮合物が挙げられる。その際に用いられる低分子ポリオールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール等のジオール;グリセロール、トリメチロールプロパン等のトリオール;ペンタエリスロール等のテトラオール;スクロース等のポリオールが挙げられる。
例えば、グリセロールに6分子のプロピレンオキサイドが付加したポリオール(組成式:C21449)の炭素原子数/酸素原子数の比率は2.33である。
相対的に疎水性のポリオールであるポリオール(2)は、その分子中の炭素原子数/酸素原子数の比率が5.0以上のポリオールである。ポリオール(2)としては、例えば、ポリブダジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール等のポリオレフィン系ポリオール;オレイン酸モノグリセリド、ステアリン酸モノグリセリド、リシノール酸トリグリセリド、12−オキシオキタデカン酸トリグリセリド等の脂肪酸エステル系ポリオールが挙げられる。
例えば、リシノール酸トリグリセリド(C571049)の炭素原子数/酸素原子数の比率は6.33である。
本発明においては、ポリオール(1)およびポリオール(2)の少なくとも一方が、3次元的な架橋を形成することが可能な3官能以上のポリオールであることが好ましい。
本発明の被覆粒状肥料に用いられるポリオールは、上記の異なる2種類のポリオールを、特定の比率で含有している。即ち、親水性のポリオール(1)の重量とその水酸基価の積と、疎水性のポリオール(2)の重量とその水酸基価の積との、比が2.4〜6.0、好ましくは2.4〜4.8の範囲である。
本発明において水酸基価とは、物質の単位重量あたりの水酸基(OH)の含有量を示す値であり、通常は試料1gから得られるアセチル化物に結合している酢酸を中和するのに必要な水酸化カリウム(KOH)のmg数で示す。具体的には、日本工業規格JIS K 1557に規定される方法により測定することができる。
本発明においてポリオール成分は、実質的にポリオール(1)およびポリオール(2)よりなる。ポリオール(1)およびポリオール(2)は、各々、複数の種類のポリオールの混合物であってもよいが、混合物としてのポリオール(1)およびポリオール(2)の比率は、上記の範囲である。
本発明の被覆粒状肥料に用いられるイソシアネートは、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネートおよび脂環族イソシアネートのいずれのポリイソシアネートおよびその誘導体を使用することができる。芳香族ポリイソシアネートとは、イソシアネート基が芳香族環(ベンゼン環、ナフタレン環等)上に複数のイソシアネート基が結合している化合物であり、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、ナフタレン1,5‐ジイソシアネート(NDI)、テトラメチレンキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI)が挙げられる。脂肪族イソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ダイマー酸ジイソシアネート(DDI)、ノルボルネン・ジイソシアネート(NBDI)が挙げられる。脂環族イソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、水添XDIなどが挙げられる。その他、リジントリイソシアネートやリジンジイソシアネート等もポリイソシアネートとして用いることができる。ポリイソシアネートの誘導体としては、イソシアヌレート体、ビウレット体、ウレトジオン体等の変性物が挙げられる。
イソシアネートは、ポリイソシアネートを2種類以上混合して用いても良い。本発明においては、物質透過制御性と生分解性の観点から、芳香族イソシアネートが好ましい。また作業安全性の面から、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI)が好ましい。
本発明の被覆粒状肥料は、上記のポリオールとイソシアネートとを反応させて得られるポリウレタン樹脂で被覆されてなることを特徴とするが、該ポリオールと該イソシアネートとの配合量は、ポリオール中の水酸基とイソシアネート中のイソシアネート基の当量比は、0.9:1〜1.2:1の範囲である。
本発明におけるポリウレタン樹脂は、ポリオール(1)とポリオール(2)とを含有するポリオール、および、イソシアネート、必要により触媒、界面活性剤、増量剤、顔料等を添加することにより、製造することができる。
ポリオールとイソシアネートとの反応においては、特に制限はないが、例えば、全てのポリオールとポリイソシアネートを混合し、硬化・成型させる方法、一部のポリオールとイソシアネートとを予め混合して、イソシアネート末端プレポリマーを調製した後に、残りのポリオールを混合し、硬化・成型させる方法等の方法にて行うことができる。もしくは、少量の有機溶剤を併せて混合し、同時に反応と溶媒除去を行う方法も行うことができる。また、反応条件としては、任意に選択することができるが温度を高くすると水酸基とイソシアネート基の反応速度が上昇する。さらに、触媒を入れることによって、反応速度を加速することができる。
本発明に用いられるポリウレタン樹脂の製造において用いられる触媒としては、例えば、酢酸カリ、酢酸カルシウム、スタナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジクロライド、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチオチン酸、オクチル酸第一チン、ジ−n−オクチルチンジラウレート、イソプロピルチタネート、ビスマス2−エチルヘキサノエート、ホスフィン、Znネオデカノエート等の有機金属金属、トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルジドデシルアミン、N−ドデシルモルホリン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N−エチルモルホリン、ジメチルエタノールアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、テトラブチルチタネート、オキシイソプロピルバナデート、n−プロピルジルコネート、2,4,6‐トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等のアミン触媒が挙げられる。
触媒を使用する場合の触媒の量はイソシアネートとポリオールの総重量に対し、通常0.05〜5重量%程度である。
また、ポリウレタン被膜中には、本粒状被覆肥料の性能において許容される範囲で、必要に応じて、酸化チタン、酸化鉄等の着色のための顔料や染料;タルク、カオリン、シリカ、カ−ボンブラック、樹脂粉末、クレー等の充填剤としての無機/有機粉粒体;界面活性剤等を含有させてもよい。
本発明に用いられる粒状肥料は、肥料成分を含有する粒状物である。肥料成分は、水稲などの植物栽培において養分を与えるために土壌に施される窒素、リン、カリウム、珪素、マグネシウム、カルシウム、マンガン、ホウ素等の種々の元素を含有する成分であり、具体例としては、尿素、硝酸アンモニウム、硝酸苦土アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸ソーダ、硝酸カルシウム、硝酸カリウム、石灰窒素、ホルムアルデヒド加工尿素肥料(UF)、アセトアルデヒド加工尿素肥料(CDU)、イソブチルアルデヒド加工尿素肥料(IBDU)、グアニール尿素(GU)等の窒素質肥料;過リン酸石灰、重過リン酸石灰、熔成リン肥、腐植酸リン肥、焼成リン肥、重焼リン、苦土過リン酸、ポリリン酸アンモニウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸カルシウム、苦土リン酸、硫リン安、リン硝安カリウム、塩リン安等のリン酸質肥料;塩化カリウム、硫酸カリウム、硫酸カリソーダ、硫酸カリ苦土、重炭酸カリウム、リン酸カリウム等のカリウム質肥料;珪酸カルシウム等の珪酸質肥料;硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム等のマグネシウム質肥料;生石灰、消石灰、炭酸カルシウム等のカルシウム質肥料;硫酸マンガン、硫酸苦土マンガン、鉱さいマンガン等のマンガン質肥料;ホウ酸、ホウ酸塩等のホウ素質肥料等の肥料取締法に定められる普通肥料(複合肥料を含む)を挙げることができる。中でも窒素(N)、リン(P)およびカリウム(K)より選ばれる肥料成分の一種以上、特にこれら三種全ての肥料成分を含有するものが好ましい。その具体例としては、NPK成分型(N−P2O5−K2O)肥料が挙げられ、かかる肥料としては、例えば、5−5−7(N−P2O5−K2Oの重量比率を意味する。以下同じ。)、12−12−16等の1型平上り型、5−5−5、14−14−14等の2型水平型、6−6−5、8−8−5等の3型平下がり型、4−7−9、6−8−11等の4型上り型、4−7−7、10−20−20等の5型上り平型、4−7−4、6−9−6等の6型山型、6−4−5、14−10−13等の7型谷型、6−5−5、18−11−11等の8型下がり平型、7−6−5、14−12−9等の9型下がり型、3−20−0、18−35−0等の10型NP型、16−0−12、18−0−16等の11型NK型、0−3−14、0−15−15等の12型PK型が挙げられる。
また、粒状肥料は、除草剤、殺虫剤等の農薬成分を含有させることもできる。該農薬成分は、例えば粒状肥料表面に付着した状態、あるいは粒状肥料内部または全体に分散した状態で存在し得る。農薬成分を含有する粒状肥料は、例えば含有せしめる農薬成分の水、有機溶剤等の溶液、あるいは界面活性剤等がさらに添加されたエマルジョン液を、肥料粒子表面に散布し、肥料粒子内部に浸透させ、同時、またはその後に溶媒を蒸散等により除去することによって製造できる。
粒状肥料の粒径(円形相当径)は、製造上の観点から通常1〜5mmの範囲である。
ポリウレタン被膜は、例えば流動状態もしくは転動状態の粒状肥料または疎水性化合物で被覆された粒状肥料に、ポリオールとイソシアネートとの混合物を反応(硬化)させることにより粒状肥料の表面に形成させることができる。
ポリオールと触媒とを混合して予備調製物とする場合、その調製方法としては、85℃〜95℃程度に加熱溶解し、均一混合する方法を挙げることができ、該予備調製物とイソシアネートとの混合による未硬化ウレタン樹脂の調整は、粒状肥料への被覆直前に行うことが好ましい。
粒状肥料の表面に未硬化ウレタン樹脂を被覆し、次いで該未硬化ウレタン樹脂を硬化させることにより、本発明の被覆粒状肥料が得られる。
未硬化ウレタン樹脂の粒状肥料の表面への被覆方法としては、流動装置や噴流動装置により流動状態にしたり、回転パン、回転ドラムにより転動状態にした該粒状肥料に未硬化ウレタン樹脂を噴霧、滴下等を行う添加および混合方法を挙げることができる。
該粒状肥料表面に被覆された未硬化ウレタン樹脂を硬化させる方法としては、前記と同様に流動状態あるいは転動状態とした未硬化ウレタン樹脂で被覆された粒状肥料を、未硬化ウレタン樹脂被覆時と同様の温度条件下で所定時間流動もしくは転動状態を維持する方法を挙げることができる。また、未硬化ウレタン樹脂の粒状肥料の表面への被覆時に、粒状肥料を前記熱風に晒しつつ行うことにより被覆と硬化を速やかに行うことができるので、被膜の均一性、粒子同士の粘着による被膜破損の防止、硬化の短時間化等の点で好ましい。
また、流動状態または転動状態とした粒状肥料の表面に、粒状肥料に対してポリウレタン被膜の厚さが1〜10μmとなる量の未硬化ウレタン樹脂を被覆し、硬化させた後、更に該未硬化ウレタン樹脂の被覆及び硬化を1回以上繰り返して、多層被覆させ、所定被覆量となるまでポリウレタン被膜を被覆させる方法が、硬化途中の樹脂同士の増粘による粒状肥料同士の塊状物の発生防止や、被膜の剥がれ防止等の点で工業的に製造するうえでは好ましい。
本発明の被覆粒状肥料において、ポリウレタン被膜の量は粒状肥料100重量部に対して、通常6〜16重量部の割合である。尚、ポリウレタン被膜の量は添加する未硬化ポリウレタン樹脂の量と実質的に同一である。
本発明におけるポリウレタン樹脂は、肥料成分の初期溶出抑制効果に優れるので、通常のポリウレタン樹脂に比べて、少ない被膜量で肥料成分の初期溶出を抑制することができる。
本発明の被覆粒状肥料は、水田で用いることができ、また畑で用いることもできる。その施用量は、該被覆粒状肥料が含有する肥料成分の種類や量、対象となる植物、施肥時期等により異なるが、通常10アール当り10〜60kgである。本発明の被覆粒状肥料は肥料成分の初期溶出抑制効果において優れるので、肥料障害が問題になる植物の種や苗の近傍に施用することが可能である。施用方法としては、通常の粒状肥料において用いられる方法で行うことができる。
以下、製造例、試験例等により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1
粒状尿素(平均粒径3.0mm)5kgを、熱風発生機を付設した温度制御可能な転動型のコート装置に仕込み、24RPMで回転させ粒状肥料を転動状態にした。該装置を加熱して仕込んだ粒状尿素の温度を69℃に維持し、また、転動状態を維持し、次いで下記の表1に記載のポリオールと2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノ−ル0.52gとの均一混合物と、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI、NCO重量百分率31%、住化バイエルポリウレタン製)10.46gとを、攪拌混合して得た未硬化ウレタン樹脂を、速やかに69℃で転動状態にある該粒状尿素に添加し、温度条件および転動状態を維持した。次いで、ここに、前記と同じ組成の未硬化ウレタン樹脂組成物を添加し、3分30秒間転動させる操作を計17回繰り返した。続いて、酸化第二鉄(比重:4.9〜5.2、平均粒度0.1〜2.0μm、120ED、戸田工業株式会社製)2.5gを添加し5分間転動させた後、前記未硬化ウレタン樹脂組成物を添加して3分30秒間転動させる操作を、2回繰り返し、さらに、酸化第二鉄2.5gを添加し5分間転動させた後、前記未硬化ウレタン樹脂組成物を添加して69℃で3分30秒間転動させた。次いで、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(ペグノールO−16、東邦化学(株)製)1gを加え、10分間転動させた。その後、ろう石クレイ(特雪カットクレー、昭和鉱業(株)製)4gを添加して、3分間転動させ、被覆粒状肥料を得た。
実施例2
粒状尿素(平均粒径3.0mm)5kgを、熱風発生機を付設した温度制御可能な転動型のコート装置に仕込み、24RPMで回転させ粒状肥料を転動状態にした。該装置を加熱して仕込んだ粒状尿素の温度を69℃に維持し、また、転動状態を維持し、次いで下記の表1に記載のポリオールと2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノ−ル0.43gとの均一混合物と、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI、NCO重量百分率31%、住化バイエルポリウレタン製)9.65gとを、攪拌混合して得た未硬化ウレタン樹脂を、速やかに69℃で転動状態にある該粒状尿素に添加し、温度条件および転動状態を維持した。次いで、ここに、前記と同じ組成の未硬化ウレタン樹脂組成物を添加し、3分30秒間転動させる操作を計17回繰り返した。続いて、酸化第二鉄(比重:4.9〜5.2、平均粒度0.1〜2.0μm、120ED、戸田工業株式会社製)2.5gを添加し5分間転動させた後、前記未硬化ウレタン樹脂組成物を添加して3分30秒間転動させる操作を、2回繰り返し、さらに、酸化第二鉄2.5gを添加し5分間転動させた後、前記未硬化ウレタン樹脂組成物を添加して69℃で3分30秒間転動させた。次いで、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(ペグノールO−16、東邦化学(株)製)1gを加え、10分間転動させた。その後、ろう石クレイ(特雪カットクレー、昭和鉱業(株)製)4gを添加して、3分間転動させ、被覆粒状肥料を得た。
比較例1
粒状尿素(平均粒径3.0mm)5kgを、熱風発生機を付設した温度制御可能な転動型のコート装置に仕込み、24RPMで回転させ粒状肥料を転動状態にした。該装置を加熱して仕込んだ粒状尿素の温度を69℃に維持し、また、転動状態を維持し、次いで下記の表1に記載のポリオールと2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノ−ル0.58gとの均一混合物と、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI、NCO重量百分率31%、住化バイエルポリウレタン製)11.61gとを、攪拌混合して得た未硬化ウレタン樹脂を、速やかに69℃で転動状態にある該粒状尿素に添加し、温度条件および転動状態を維持した。次いで、ここに、前記と同じ組成の未硬化ウレタン樹脂組成物を添加し、3分30秒間転動させる操作を計17回繰り返した。続いて、酸化第二鉄(比重:4.9〜5.2、平均粒度0.1〜2.0μm、120ED、戸田工業株式会社製)2.5gを添加し5分間転動させた後、前記未硬化ウレタン樹脂組成物を添加して3分30秒間転動させる操作を、2回繰り返し、さらに、酸化第二鉄2.5gを添加し5分間転動させた後、前記未硬化ウレタン樹脂組成物を添加して69℃で3分30秒間転動させた。次いで、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(ペグノールO−16、東邦化学(株)製)1gを加え、10分間転動させた。その後、ろう石クレイ(特雪カットクレー、昭和鉱業(株)製)4gを添加して、3分間転動させ、被覆粒状肥料を得た。
比較例2
粒状尿素(平均粒径3.0mm)5kgを、熱風発生機を付設した温度制御可能な転動型のコート装置に仕込み、24RPMで回転させ粒状肥料を転動状態にした。該装置を加熱して仕込んだ粒状尿素の温度を69℃に維持し、また、転動状態を維持し、次いで下記の表1に記載のポリオールと2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノ−ル0.42gとの均一混合物と、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI、NCO重量百分率31%、住化バイエルポリウレタン製)8.39gとを、攪拌混合して得た未硬化ウレタン樹脂を、速やかに69℃で転動状態にある該粒状尿素に添加し、温度条件および転動状態を維持した。次いで、ここに、前記と同じ組成の未硬化ウレタン樹脂組成物を添加し、3分30秒間転動させる操作を計17回繰り返した。続いて、酸化第二鉄(比重:4.9〜5.2、平均粒度0.1〜2.0μm、120ED、戸田工業株式会社製)2.5gを添加し5分間転動させた後、前記未硬化ウレタン樹脂組成物を添加して3分30秒間転動させる操作を、2回繰り返し、さらに、酸化第二鉄2.5gを添加し5分間転動させた後、前記未硬化ウレタン樹脂組成物を添加して69℃で3分30秒間転動させた。次いで、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(ペグノールO−16、東邦化学(株)製)1gを加え、10分間転動させた。その後、ろう石クレイ(特雪カットクレー、昭和鉱業(株)製)4gを添加して、3分間転動させ、被覆粒状肥料を得た。
Figure 2006298673
*1:C3−C6のトリオールのプロピレンオキサイド付加物(水酸基価372mgKOH/g)
*2:約90%含量リシノール酸トリグリセリド(水酸基価161mgKOH/g)
*3:〔ポリオール(1)の重量×ポリオール(1)の水酸基価〕/〔ポリオール(2)の重量×ポリオール(2)の水酸基価〕
試験例(肥料成分の初期溶出抑制効果の測定)
上記の実施例1、実施例2、比較例1および比較例2で得られた被覆粒状尿素の各々7.50gを、サンプル瓶に計り取り、蒸留水100mlを加えた。25℃で40日間保存した後、上澄み液0.5mlを分取して、水中に溶出した尿素の量を測定した。以下の式に従って溶出率(%)を算出した。結果を表2に記す。
溶出率(%)=(水中に溶出した尿素の重量/尿素の全重量)×100
Figure 2006298673
*4:溶出率(%)基準
◎:0%以上で、10.0%以下
○:10.0%より大きく、20.0%以下
△:20.0%より大きく、40.0%以下
×:40.0%より大きい
本発明の被覆粒状肥料は、肥料成分の初期溶出抑制効果に優れる。

Claims (4)

  1. 分子中の炭素原子数/酸素原子数の比率が3.0以下のポリオール(1)と
    分子中の炭素原子数/酸素原子数の比率が5.0以上のポリオール(2)とを
    下記に示す計算式を満足する比率で含有するポリオールと、
    イソシアネートとを
    反応させて得られるポリウレタン樹脂で被覆された被覆粒状肥料。
    〔ポリオール(1)の重量×ポリオール(1)の水酸基価〕
    /〔ポリオール(2)の重量×ポリオール(2)の水酸基価〕=2.4〜6.0
  2. 分子中の炭素原子数/酸素原子数の比率が3.0以下のポリオール(1)と
    分子中の炭素原子数/酸素原子数の比率が5.0以上のポリオール(2)とを
    下記に示す計算式を満足する比率で含有するポリオールと、
    イソシアネートとを
    反応させて得られるポリウレタン樹脂で被覆された被覆粒状肥料。
    〔ポリオール(1)の重量×ポリオール(1)の水酸基価〕
    /〔ポリオール(2)の重量×ポリオール(2)の水酸基価〕=2.4〜4.8
  3. ポリオール(1)およびポリオール(2)の少なくとも一方が、3官能以上のポリオールであることを特徴とする請求項1または2に記載された被覆粒状肥料。
  4. イソシアネートが、芳香族イソシアネートであることを特徴とする請求項1、2または3に記載された被覆粒状肥料。
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