JP2003246692A - 粒状被覆肥料の製造方法 - Google Patents

粒状被覆肥料の製造方法

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JP2003246692A
JP2003246692A JP2002364773A JP2002364773A JP2003246692A JP 2003246692 A JP2003246692 A JP 2003246692A JP 2002364773 A JP2002364773 A JP 2002364773A JP 2002364773 A JP2002364773 A JP 2002364773A JP 2003246692 A JP2003246692 A JP 2003246692A
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urethane resin
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coating
granular
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Nobuaki Tabei
伸昭 田部井
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶出遅延効果が充分に発揮され、超長期にわ
たり肥効を維持させることや、東南アジアのような高温
地帯でも長期にわたり肥効を維持させることが可能な粒
状被覆肥料を、工業的にも有利に製造する方法を提供す
る。 【解決手段】 粒状肥料またはウレタン樹脂被覆粒状肥
料に軟化または融点が40〜120℃の疎水性化合物を
該軟化または融点以上の温度条件で被覆し、該温度条件
で未硬化ウレタン樹脂を被覆し、硬化させてウレタン樹
脂被覆することからなることを特徴とする粒状被覆肥料
の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウレタン樹脂によ
り被覆された緩効性(徐放性と言うこともある)粒状被
覆肥料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、農業就労者の高年齢化、就労者数
の減少、兼業農家の増加から、より省力型で植物の成長
にあわせ所定の時期に溶出する肥効調節型肥料が要求さ
れている。このような背景から、種々の肥効調整型肥
料、特にワックス等の疎水性化合物と合成樹脂とを多重
に被覆した被覆粒状肥料及びその製造方法が種々提案さ
れている(例えば、特許文献1〜5等)。しかしながら
粒状肥料に被覆した疎水性化合物はピンホールやクラッ
ク等の被覆欠陥を生じやすいため、被覆肥料製造の疎水
性化合物被覆、樹脂被覆、後処理等の各段階において、
温度状態を変えて処理を行う必要があり、煩雑であるの
みならず、工業的にはエネルギー効率上問題があり、溶
出遅延性の高い疎水性化合物及び樹脂被覆粒状肥料のよ
り効率的な製造方法が求められていた。
【0003】
【特許文献1】特公昭54−39298号公報
【0004】
【特許文献2】特開平7−315975号公報
【0005】
【特許文献3】特開平9−30883号公報
【0006】
【特許文献4】特開2000−44377号公報
【0007】
【特許文献5】特開2001−163691号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、肥料
の溶出遅延効果が高く、ピンホール、クラック等の被覆
欠陥やブロッキング発生の少ない、疎水性化合物及びウ
レタン樹脂で被覆された粒状被覆肥料を工業的にも有利
に製造し得る方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、疎水性化合
物とウレタン樹脂で被覆された粒状被覆肥料の製造方法
について検討を重ねた結果、疎水性化合物被覆及びウレ
タン樹脂被覆を特定の温度条件で行うことにより前記課
題を解決しえることを見出し本発明に至った。すなわち
本発明は、粒状肥料またはウレタン樹脂被覆粒状肥料に
軟化または融点が40〜120℃の疎水性化合物を該軟
化または融点以上の温度条件で被覆し、該温度条件で未
硬化ウレタン樹脂を被覆し、硬化させてウレタン樹脂被
覆することからなることを特徴とする粒状被覆肥料の製
造方法(以下、本方法と記す。)および本方法により得
られる粒状被覆肥料(以下、本被覆肥料と記す。)に関
するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本肥料に使用され得る粒状肥料
は、肥料成分を含有する粒状物である。肥料成分は、水
稲などの植物栽培において養分を与えるために土壌に施
される窒素、リン、カリウム、珪素、マグネシウム、カ
ルシウム、マンガン、ホウ素、鉄等の種々の元素を含有
する成分であり、具体例としては、尿素、硝酸アンモニ
ウム、硝酸苦土アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸
アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸ソーダ、硝酸
カルシウム、硝酸カリウム、石灰窒素、ホルムアルデヒ
ド加工尿素肥料(UF)、アセトアルデヒド加工尿素肥
料(CDU)、イソブチルアルデヒド加工尿素肥料(I
BDU)、グアニール尿素(GU)等の窒素質肥料;過
リン酸石灰、重過リン酸石灰、熔成リン肥、腐植酸リン
肥、焼成リン肥、重焼リン、苦土過リン酸、ポリリン酸
アンモニウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸カルシ
ウム、苦土リン酸、硫リン安、リン硝安カリウム、塩リ
ン安等のリン酸質肥料;塩化カリウム、硫酸カリウム、
硫酸カリソーダ、硫酸カリ苦土、重炭酸カリウム、リン
酸カリウム等のカリウム質肥料;珪酸カルシウム等の珪
酸質肥料;硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム等のマ
グネシウム質肥料;生石灰、消石灰、炭酸カルシウム等
のカルシウム質肥料;硫酸マンガン、硫酸苦土マンガ
ン、鉱さいマンガン等のマンガン質肥料;ホウ酸、ホウ
酸塩等のホウ素質肥料;鉄鋼スラグ等の含鉄肥料等の肥
料取締法に定められる普通肥料(複合肥料を含む)等を
挙げることができる。中でも窒素(N)、リン(P)お
よびカリウム(K)より選ばれる肥料成分の一種以上、
特にこれら三種全ての肥料成分を含有するものが好まし
い。その具体例としては、NPK成分型(N−P
−KO)肥料が挙げられ、かかる肥料としては、例え
ば、5−5−7(N−P−KOの重量比率を意
味する。以下同じ。)、12−12−16等の1型平上
り型、5−5−5、14−14−14等の2型水平型、
6−6−5、8−8−5等の3型平下がり型、4−7−
9、6−8−11等の4型上り型、4−7−7、10−
20−20等の5型上り平型、4−7−4、6−9−6
等の6型山型、6−4−5、14−10−13等の7型
谷型、6−5−5、18−11−11等の8型下がり平
型、7−6−5、14−12−9等の9型下がり型、3
−20−0、18−35−0等の10型NP型、16−
0−12、18−0−16等の11型NK型、0−3−
14、0−15−15等の12型PK型等を挙げること
ができる。粒状肥料の粒径は、製造上の観点から、1〜
5mm程度が好ましい。
【0011】疎水性化合物(以下、本疎水性化合物と記
す。)は、通常、常温で固体であり、工業的な製造を考
慮した場合には、その融点または軟化点が、通常40〜
120℃であり、好ましくは50〜100℃、さらに好
ましくは60〜90℃である。
【0012】疎水性化合物としては、ワックス、脂肪
酸、脂肪酸塩、脂肪酸エステル、高級アルコール、シリ
コーン等を挙げることができ、これらは2種以上の混合
物であっても良い。
【0013】ワックスとしては、例えば、密ロウ等の動
物ロウ;カルバナロウ等の植物ロウ;モンタンワックス
等の鉱物ワックス;マイクロクリスタリンワックス、セ
ミクリスタリンワックス、パラフィンワックス等の石油
ワックス;石油ワックスにエチレン酢酸ビニル共重合体
を加えた配合体ワックス;ポリエチレンワックス等の重
合体ワックス;エチレン、プロピレン、アクリル酸等の
モノマーの少なくとも2種を重合させて得られる共重合
体ワックス;フィッシャー・トロプシュワックス等の合
成ワックス等が挙げられる。脂肪酸としては、例えば、
ラウリン酸、ステアリン酸等のC12−18脂肪族カル
ボン酸等が挙げられ、脂肪酸塩としては、該脂肪カルボ
ン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等が挙げら
れる。脂肪酸エステルとしては、例えば、該脂肪族カル
ボン酸とグリセリンとのエステル等や植物油や牛脂を水
素添加した硬化ひまし油、牛脂硬化油等の硬化油が挙げ
られる。高級アルコールとしてはステアリルアルコール
等のC16−20アルコールを挙げることができる。
【0014】シリコーンとしては、例えば、ポリジメチ
ルシロキサンなどのシリコーングリース、シリコーンゴ
ム等が挙げられる。中でも、マイクロクリスタリンワッ
クス、セミクリスタリンワックス、パラフィンワックス
等の石油ワックスや石油ワックスにエチレン酢酸ビニル
共重合体を加えた配合体ワックスやポリエチレンワック
ス等の重合体ワックスが特に好ましい。
【0015】使用する粒状肥料の種類によって異なる
が、その肥料成分の分解または変質しやすい温度以下の
融点の本疎水性化合物を使用し、本疎水性化合物被覆お
よびウレタン被覆することが好ましい。本疎水性化合物
の量は、本被覆肥料の溶出遅延効果の点及びブロッキン
グ防止の点から、ウレタン樹脂100重量部に対して、
通常0.01〜45重量部であり、好ましくは1〜40
重量部、さらに好ましくは2〜35重量部である。
【0016】本方法におけるウレタン樹脂は、ポリイソ
シアネ−ト化合物とポリオ−ル化合物との反応により3
次元架橋することによって生成する熱硬化性樹脂であ
る。また、ポリイソシアネート化合物を2種類以上およ
び/またはポリオール化合物を2種類以上混合して用い
ても良い。
【0017】ポリイソシアネ−ト化合物としては、例え
ばトルエンジイソシアネ−ト(以下、TDIと略称する
ことがある)、ジフェニルメタンジイソシアネ−ト(M
DIと略称することがある)、ナフタレンジイソシアネ
−ト、トリジンイソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソ
シアネ−ト、イソホロンジイソシアネ−ト、キシリレン
ジイソシアネ−ト等を挙げることことができ、必要に応
じてこれらの混合物を用いることができる。なかでも、
MDI、TDIまたはこれらから誘導されるオリゴマ−
体(ポリメリックMDI、ポリメリックTDI等)が好
適に用いられる。
【0018】ポリオ−ル化合物としては、例えばアミノ
アルコ−ル、アミン等を開始剤として用い、プロピレン
グリコール、トリメチロールプロパン等の脂肪族アルコ
ールとエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドとを
重付加して得られるポリエ−テルポリオ−ル;テトラヒ
ドロフランを重合して得られるポリテトラメチレンエ−
テルグルコ−ルなどのポリエ−テル型ポリオ−ル;水酸
基を保有する天然油脂またはその水素化物(イサノ油、
ひまし油、ひまし油を水素添加した硬化ひまし油等)も
しくは多価アルコ−ルと、ポリエ−テルポリオ−ル及び
カルボン酸化合物を反応させる等の方法で得られるポリ
エステル型ポリオ−ル等が挙げられる。
【0019】使用するポリイソシアネート化合物に由来
するNCO基とポリオール化合物に由来するOH基の当
量比、いわゆるNCO/OHは、通常0.9〜1.2の
間で調整される。
【0020】本発明において、ウレタン樹脂原料である
未硬化ウレタン樹脂とは、該ポリイソシアネ−ト化合物
と該ポリオ−ル化合物の混合物であり、両者が全く反応
していないもののみならず、該ポリイソシアネート化合
物と該ポリオール化合物の反応物、具体的には3次元化
しない程度に予め一部が反応したものをも意味する。未
硬化ウレタン樹脂の形態としては溶媒を実質的に含まな
い無溶剤型、溶媒にポリオール化合物とポリイソシアネ
ート化合物が溶解した溶液型等何れでも良いが、特に無
溶剤型で、かつ加工温度において液状であるものが好適
である。
【0021】未硬化ウレタン樹脂の硬化促進の目的で、
触媒を未硬化ウレタン樹脂に添加し、該触媒共存下に硬
化を行うことも有用な技術である。該触媒として具体的
には、トリエチレンジアミン、N−メチルモルフォリ
ン、N,N−ジメチルモルフォリン、ジアザビシクロウ
ンデセン、イミダゾール、エチルメチルイミダゾール、
ジアザビシクロオクタン、2,4,6,−トリス(ジメ
チルアミノメチル)フェノ−ル等のアミン系触媒;尿素
等のアンモニア誘導体;水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等のアルカリ性化合物;ジブチルスズラウレート、
ジブチルスズマレート等の有機スズ化合物が挙げられ
る。中でもアミン系触媒が好適に用いられる。該触媒は
そのまま、あるいは水溶液または水懸濁液として使用に
供される。固体触媒については粉砕微粉体化したものを
使用するのが好ましい。触媒を使用する場合の触媒の量
は、未硬化ウレタン樹脂のゲルタイム(JISK 59
09に準じて測定)が5分以内、さらに好ましくは3分
以内となるように調整することが好ましく、ポリイソシ
アネート化合物とポリオール化合物の総重量に対し、通
常0.05〜5重量%程度である。
【0022】また、被覆ウレタン樹脂中には、本被覆肥
料の性能において許容される範囲で、必要に応じて酸化
チタン、ベンガラ等の着色のための顔料や染料;タル
ク、カオリン、シリカ、カ−ボンブラック、樹脂粉末、
クレー等の充填剤としての無機/有機粉粒体;界面活性
剤等を含有していてもよい。
【0023】本方法に示す如く、本疎水性化合物を軟化
または溶解し、粒状肥料またはウレタン樹脂被覆粒状肥
料に均一被覆し、その軟化または溶解した状態のままで
ウレタン樹脂を被覆することにより、固体のままで本疎
水性化合物を同量分散させ、そのままの状態でウレタン
樹脂を被覆する場合に比し、肥料の外部への溶出速度を
より遅延させることができる。本疎水性化合物被覆(本
疎水性化合物添加及び被覆)時の温度条件及びウレタン
樹脂被覆(未硬化ウレタン樹脂添加、被覆及び熱硬化)
時の温度条件は、本疎水性化合物の軟化点または融点以
上であればよいが、該軟化点または融点以上で、かつ粒
状肥料の分解または変質しやすい温度以下が好ましい。
例えば粒状尿素の場合は、90℃以下で被覆することが
好ましいため、本疎水性化合物の軟化点または融点が4
0〜90℃のものを使用し、該軟化または融点〜90℃
の温度条件で行うことが好ましい。また、本疎水性化合
物被覆とウレタン樹脂被覆の温度条件をほぼ同一で行う
ことがエネルギー効率上好ましい。
【0024】本方法において本疎水性化合物被覆の対象
は、粒状肥料またはウレタン樹脂被覆粒状肥料である。
ウレタン樹脂被覆粒状肥料は、例えば粒状肥料に未硬化
ウレタン樹脂を被覆後、硬化させることにより得ること
ができ、また、未硬化ウレタン樹脂の被覆とその硬化を
1回で行っても良いし、複数回に分けて行なっても良
い。
【0025】粒状肥料またはウレタン樹脂被覆肥料への
本疎水性化合物の被覆は、本疎水性化合物の軟化点また
は融点以上の温度条件で転動状態の粒状肥料またはウレ
タン樹脂被覆肥料に、本疎水性化合物を添加・混合し、
所定時間転動状態及び温度条件を維持して均一分散、被
覆状態となるまで被覆する方法、本疎水性化合物の軟化
点または融点以上の温度条件で転動状態の粒状肥料また
はウレタン樹脂被覆肥料に、溶融した本疎水性化合物を
スプレー−ノズル等を使用して噴霧し、所定時間転動状
態及び温度条件を維持して均一分散、被覆状態となるま
で被覆する方法等を挙げることができる。
【0026】前記本疎水性化合物被覆後、ウレタン樹脂
被覆する方法としては、転動状態にある本疎水性化合物
被覆粒子に、ポリオール化合物及びポリイソシアネート
化合物の混合物またはその反応物である未硬化ウレタン
樹脂を本疎水性化合物の軟化点または融点以上の温度条
件で添加・混合し、該温度条件下で所定時間転動状態を
維持して未硬化ウレタン樹脂で該粒子表面を被覆、熱硬
化させる方法をあげることができる。
【0027】該ウレタン樹脂被覆における前記未硬化ウ
レタン樹脂の添加、被覆及び熱硬化の一連の工程を1回
で行うこともできるが、未硬化ウレタン樹脂の添加を分
割し、1回の添加量を膜厚として1〜10μm程度、好
ましくは2〜6μm程度となる量とし、前記添加、被覆
及び熱硬化の一連の工程を複数回に分けて所望の層厚と
する方法が、均一な層形成のためには好ましく、特に工
業的製造においてはこの方法が有利である。
【0028】また、熱硬化における硬化とは、一般にい
う完全硬化である必要はなく、未硬化ウレタン樹脂がゲ
ル化点を過ぎ、曳糸性がなくなった状態を意味する。そ
のような状態になれば、その後は樹脂の粘着性に伴う粒
子同士の凝集、解砕不能等の状態となることはないの
で、次の未硬化ウレタン樹脂被覆、あるいは更なる本疎
水性化合物被覆を行っても問題となることはない。
【0029】未硬化ウレタン樹脂の添加方法としては、
滴下、噴霧等を挙げることができる。未硬化ウレタン樹
脂添加、被覆及び熱硬化における温度は、本疎水性化合
物の軟化点または融点以上で、かつ未硬化ウレタン樹脂
のゲルタイム(JIS K5909に準じて測定)が通
常5分以内、好ましくは3分以内となる温度であり、該
未硬化ウレタン樹脂中に触媒を含有させる場合には、該
触媒の量を調整することにより温度を変更せずとも前記
ゲルタイム範囲とすることもできる。
【0030】また、未硬化ウレタン樹脂の添加に際して
は、未硬化ウレタン樹脂中に触媒が含有されたものを使
用することもできるし、未硬化ウレタン樹脂と該触媒と
を別々に添加することもできる。
【0031】転動状態にする方法としては、特に装置に
制限はなく公知、慣用のものを用いることができるが、
例えば、回転パン、回転ドラム等が挙げられる。該転動
装置に加温設備が付設されたものは、被覆加工の高精度
化や加工時間の調整に好適である。
【0032】前記した方法により本被覆肥料が得られる
が、本疎水性化合物被覆及びウレタン樹脂被覆を連続的
に行うこともでき、その工業的な方法として例えば下記
の3種類の方法を挙げることができる。
【0033】(方法1)以下の(1)〜(5)の工程に
より被覆する。 (1)本疎水性化合物の軟化または融点以上の温度条件
で転動状態の粒状肥料に本疎水性化合物を添加し、均一
被覆する工程、(2)転動状態の本疎水性化合物被覆粒
状肥料に該温度条件で層厚が1〜10μmになる量の液
状の未硬化ウレタン樹脂を添加する工程、(3)該温度
条件、転動状態を維持し、各本疎水性化合物被覆粒状肥
料粒子表面を該未硬化ウレタン樹脂で被覆する工程、
(4)該温度条件、転動状態を維持し、該未硬化ウレタ
ン樹脂を熱硬化させる工程および、(5)本疎水性化合
物被覆粒状肥料に代えて(4)で得られるウレタン樹脂
被覆粒状肥料を用いて(2)〜(4)の工程をさらにこ
の順に1回以上繰り返す工程。
【0034】そして、一般的に上記(5)の工程を1回
以上繰り返すことで、目的とする所定の被膜厚さで、本
疎水性化合物の表面へのブリードによるブロッキングの
発生が少ない目的とする本被覆肥料が得られる。
【0035】(方法2) 以下の(1)〜(10)の工程で被覆する。 (1)粒状肥料を転動状態にする工程、(2)該転動状
態の粒状肥料に層厚が1〜10μmになる量の液状の未
硬化ウレタン樹脂を添加する工程、(3)転動状態を維
持し、各肥料粒子表面を該未硬化ウレタン樹脂で被覆す
る工程、(4)転動状態を維持し、該未硬化ウレタン樹
脂を熱硬化させる工程、(5)粒状肥料に代えて(4)
で得られるウレタン樹脂被覆粒状肥料を用いて(2)〜
(4)の工程をさらにこの順にで1回以上繰り返す工
程、(6)本疎水性化合物の軟化もしくは溶解温度以上
の温度条件下、転動状態にあるウレタン樹脂被覆粒状肥
料に本疎水性化合物を添加し、均一被覆する工程、
(7)転動状態の本疎水性化合物被覆粒状肥料に該温度
条件で層厚が1〜10μmになる量の液状の未硬化ウレ
タン樹脂を添加する工程、(8)該温度条件、転動状態
を維持し、各本疎水性化合物被覆粒状肥料粒子表面を該
未硬化ウレタン樹脂で被覆する工程、(9)該温度条
件、転動状態を維持し、該未硬化ウレタン樹脂を熱硬化
させる工程および、(10)本疎水性化合物被覆粒状肥
料に代えて(9)で得られるウレタン樹脂被覆粒状肥料
を用いて(7)〜(9)の工程をさらにこの順に1回以
上繰り返す工程。
【0036】そして、一般的に上記(9)の工程の後、
(10)の工程を1回以上繰り返すことで、目的とする
所定の被膜厚さで、本疎水性化合物の表面へのブリード
によるブロッキングの発生が少ない本被覆肥料が得られ
る。また、(1)〜(5)の工程における温度は、未硬
化ウレタン樹脂を硬化するのに充分な温度の範囲で適宜
決めることができるが、(6)以降の工程と同じ温度条
件で行うことが、エネルギー効率上、あるいは製法の簡
便化の点で好ましい。
【0037】方法(3) 以下の(1)〜(10)の工程で被覆する。 (1)本疎水性化合物の軟化または融点以上の温度条件
で転動状態の粒状肥料に本疎水性化合物を添加し、均一
被覆する工程、(2)転動状態の本疎水性化合物被覆粒
状肥料に該温度条件で層厚が1〜10μmになる量の液
状の未硬化ウレタン樹脂を添加する工程、(3)該温度
条件、転動状態を維持し、各本疎水性化合物被覆粒状肥
料粒子表面を該未硬化ウレタン樹脂で被覆する工程、
(4)該温度条件、転動状態を維持し、該未硬化ウレタ
ン樹脂を熱硬化させる工程、(5)本疎水性化合物被覆
粒状肥料に代えて(4)で得られるウレタン樹脂被覆粒
状肥料を用いて(2)〜(4)の工程をさらにこの順に
1回以上繰り返す工程、(6)本疎水性化合物の軟化も
しくは溶解温度以上の温度条件下、転動状態にあるウレ
タン樹脂被覆粒状肥料に本疎水性化合物を添加し、均一
被覆する工程、(7)転動状態の本疎水性化合物被覆粒
状肥料に該温度条件で層厚が1〜10μmになる量の液
状の未硬化ウレタン樹脂を添加する工程、(8)該温度
条件、転動状態を維持し、各本疎水性化合物被覆粒状肥
料粒子表面を該未硬化ウレタン樹脂で被覆する工程、
(9)該温度条件、転動状態を維持し、該未硬化ウレタ
ン樹脂を熱硬化させる工程および、(10)本疎水性化
合物被覆粒状肥料に代えて(9)で得られるウレタン樹
脂被覆粒状肥料を用いて(7)〜(9)の工程をさらに
この順に1回以上繰り返す工程。
【0038】そして、一般に上記(9)の工程の後、
(10)の工程を1回以上繰り返すことで、目的とする
所定の被膜厚さで、本疎水性化合物の表面へのブリード
によるブロッキングの発生が少ない本被覆肥料が得られ
る。
【0039】本方法によれば、被覆欠陥のない粒状肥料
を容易に得ることができる。
【0040】最終的なウレタン樹脂被覆の終了した本被
覆肥料は、さらに必要に応じて樹脂の完全硬化のため、
所定の硬化温度で十分維持される工程を含んでも良い。
また、肥料の固結防止や施肥した際の浮上防止のため
に、本被覆肥料表面にクレーや珪藻土、界面活性剤等の
微粉を添加することも有用な技術である。本被覆肥料に
おけるウレタン樹脂被覆量は、粒状肥料に対して通常6
〜16重量%程度である。
【0041】本発明の粒状被覆肥料は、常温で用いるこ
とができることは勿論のこと、比較的高温な地域や東南
アジア等の熱帯植物の育成に使用することができる。
【0042】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
粒状被覆肥料の評価方法を以下に示す。 1.ゲルタイム(熱硬化温度)はJISのK 5909
に準じて測定。 2.溶出測定 被検体試料をサンプル瓶に7.50g計り取り水100
mlを加えた後、40℃または25℃で保存して、所定
時間経過後、0.5ml分取し、発色用試薬で発色さ
せ、分光光度計にて水中の尿素肥料濃度を追跡して被覆
肥料外部への肥料の溶出量を測定して溶出状況を確認す
る。
【0043】実施例1 粒状尿素(平均粒径3.1mm)5kgを、熱風発生機
を付設した温度制御可能な転動型のコート装置に仕込
み、20〜30RPMで回転させ粒状肥料を転動状態に
した。該装置を加熱して仕込んだ粒状尿素の温度を70
℃に維持し、また、転動状態を維持し、マイクロクリス
タリンワックス HI−MIC―1045[商品名、日
本精鑞(株)製、融点70℃]50gを速やかに添加
し、10分間温度条件および転動状態を維持し、分散、
溶解、均一被覆させた。次いでポリイソシアネート成分
としてポリメリックMDI[NCO基:31% 住化バ
イエルウレタン(株)製、商品名:スミジュ−ル44V
10]16.9g、ポリオール成分として分岐ポリエ−
テル型ポリオ−ル[水酸基化372mgKOH/g 住
化バイエルウレタン(株)製、商品名:スミフェンT
M]18.8g、及びアミン触媒として2,4,6−ト
リス(ジメチルアミノメチル)フェノ−ル0.3gを攪
拌混合して得た未硬化ウレタン樹脂を、速やかに70℃
で転動状態にある該粒状尿素に添加し、温度条件および
転動状態を維持した。該未硬化ウレタン樹脂は室温にお
いて液状であった。
【0044】なお、本実施例で用いた未硬化ウレタン樹
脂のゲルタイムは65℃において2分30秒であった。
また、投入した未硬化ウレタン樹脂量は、仕込み肥料に
対して0.71重量%であり、この平均粒径の粒状肥料
を被覆した場合、被覆ウレタン樹脂の膜厚は約3.6μ
mとなる。目視観察では、投入した未硬化ウレタン樹脂
は約30秒でほぼ均一に粒状肥料表面を被覆しているこ
とが確認された。未硬化ウレタン樹脂投入3分後に試料
の一部を取り出したところ、被膜は殆ど粘着性を失った
状態であった。3分毎に前記ウレタン樹脂被覆工程を1
3回繰り返し、粒状肥料に対して10重量%被覆を行っ
た。その後、該粒状被覆肥料を74℃で3分維持し、樹
脂を完全硬化させた(以下、この完全硬化処理時の温度
をウレタン樹脂被覆終了温度と記す。)。最後にカット
クレー[ろう石クレー 昭和鉱業(株)製、商品名:特
雪カットクレー]4.0gと微粉体の界面活性剤[ラウリ
ル硫酸ナトリウム 花王(株)製、商品名:エマール1
0パウダー]1.0gからなる混合物を投入した。得ら
れた被覆粒状肥料の40℃の水中での、尿素肥料の溶出
割合の経時変化(被覆直後(0日)から20日毎の溶出
率)を追跡した(溶出率が80%を超えるまで継続して
測定)。結果を表1に示す。
【0045】比較例1〜3 ワックス被覆温度、ウレタン樹脂被覆温度およびウレタ
ン樹脂被覆終了温度を表1に記載の温度とした以外は、
実施例1と同様の操作を行い被覆粒状肥料を作製した。
これらの40℃の水中での、尿素肥料の溶出割合の経時
変化(被覆直後(0日)から20日毎の溶出率)を追跡
した(溶出率が80%を超えるまで継続して測定)。結
果を表1に示す。
【0046】比較例4 ワックス被覆は行わず、ウレタン樹脂被覆温度およびウ
レタン樹脂被覆終了温度を表1に記載の温度とした以外
は、実施例1と同様の操作を行い被覆粒状肥料を作製し
た。これらの40℃の水中での、尿素肥料の溶出割合の
経時変化(被覆直後(0日)から20日毎の溶出率)を
追跡した(溶出率が80%を超えるまで継続して測
定)。結果を表1に示す。なお、ワックス被覆温度、ウ
レタン樹脂被覆温度、ウレタン樹脂被覆終了温度は、
(被覆)粒状肥料表面を非接触型温度計で測定した温度
である。
【0047】実施例2 粒状尿素(平均粒径3.1mm)5kgを、熱風発生機
を付設した温度制御可能な転動型のコート装置に仕込
み、20〜30RPMで回転させ粒状肥料を転動状態に
した。該装置を加熱して仕込んだ粒状尿素の温度を70
℃に維持し、また、転動状態を維持し、マイクロクリス
タリンワックス HI−MIC―1045[商品名、日
本精鑞(株)製、融点70℃]10gを速やかに添加
し、10分間温度条件および転動状態を維持し、分散、
溶解、均一被覆させた。次いでポリイソシアネート成分
として室温状態のポリメリックMDI[NCO基:31
% 住化バイエルウレタン(株)製、商品名:スミジュ
−ル44V10]9.7g、ポリオール成分としてポリ
エステルポリオ−ルである90℃で溶解した硬化ひまし
油[水酸基価156mgKOH/g、豊国製油(株)
製、商品名:硬化ひまし油]7.6gと分岐ポリエ−テ
ル型ポリオ−ル[水酸基化372mgKOH/g 住化
バイエルウレタン(株)製、商品名:スミフェンTM]
7.6g、及びアミン触媒として2,4,6−トリス
(ジメチルアミノメチル)フェノ−ル0.1gの混合物
を、攪拌混合して得た未硬化ウレタン樹脂を、速やかに
70℃で転動状態にある該粒状尿素に添加し、温度条件
および転動状態を維持し、3分間で硬化させた。
【0048】3分毎に前記ウレタン樹脂被覆工程を11
回繰り返し、粒状肥料に対して6重量%被覆を行った。
その後、該粒状被覆肥料を73℃で3分維持し、樹脂を
完全硬化させた。得られた被覆粒状肥料の25℃の水中
での、尿素肥料の溶出割合の経時変化(被覆直後(0
日)から10日毎の溶出率)を追跡した(溶出率が80
%を超えるまで継続して測定)。結果を表2に示す。
【0049】実施例3 粒状尿素(平均粒径3.1mm)5kgを、熱風発生機
を付設した温度制御可能な転動型のコート装置に仕込
み、20〜30RPMで回転させ粒状肥料を転動状態に
した。該装置を加熱して仕込んだ粒状尿素の温度を70
℃に維持し、また、転動状態を維持し、マイクロクリス
タリンワックス HI−MIC―1045[商品名、日
本精鑞(株)製、融点70℃]20gを速やかに添加
し、10分間温度条件および転動状態を維持し、分散、
溶解、均一被覆させた。次いでポリイソシアネート成分
として室温状態のポリメリックMDI[NCO基:31
% 住化バイエルウレタン(株)製、商品名:スミジュ
−ル44V10]9.6g、ポリオール成分としてポリ
エステルポリオ−ルであるひまし油[水酸基価161m
gKOH/g、豊国製油(株)製、商品名:工業用1号
ひまし油]7.5gと分岐ポリエ−テル型ポリオ−ル
[水酸基化372mgKOH/g 住化バイエルウレタ
ン(株)製、商品名:スミフェンTM]7.5g、及び
アミン触媒として2,4,6−トリス(ジメチルアミノ
メチル)フェノ−ル0.4gの混合物を、攪拌混合して
得た未硬化ウレタン樹脂を、速やかに70℃で転動状態
にある該粒状尿素に添加し、温度条件および転動状態を
維持し、3分間で硬化させた。
【0050】3分毎に前記ウレタン樹脂被覆工程を11
回繰り返し、粒状肥料に対して6重量%被覆を行った。
その後、該粒状被覆肥料を73℃で3分維持し、樹脂を
完全硬化させた。得られた被覆粒状肥料の25℃の水中
での、尿素肥料の溶出割合の経時変化(被覆直後(0
日)から10日毎の溶出率)を追跡した(溶出率が80
%を超えるまで継続して測定)。結果を表2に示す。
【0051】実施例4 粒状尿素(平均粒径3.1mm)5kgを、熱風発生機
を付設した温度制御可能な転動型のコート装置に仕込
み、20〜30RPMで回転させ粒状肥料を転動状態に
した。該装置を加熱して仕込んだ粒状尿素の温度を70
℃に維持し、また、転動状態を維持し、マイクロクリス
タリンワックス HI−MIC―1045[商品名、日
本精鑞(株)製、融点70℃]10gを速やかに添加
し、10分間温度条件および転動状態を維持し、分散、
溶解、均一被覆させた。次いでポリイソシアネート成分
としてポリメリックMDI[NCO基:31% 住化バ
イエルウレタン(株)製、商品名:スミジュ−ル44V
10]6.9g、ポリオール成分としポリエステルポリ
オ−ルであるひまし油[水酸基価161mgKOH/
g、豊国製油(株)製、商品名:工業用1号ひまし油]
17.7g、及びアミン触媒として2,4,6−トリス
(ジメチルアミノメチル)フェノ−ル0.4gを攪拌混
合して得た未硬化ウレタン樹脂を、速やかに70℃で転
動状態にある該粒状尿素に添加し、温度条件および転動
状態を維持し、3分間で硬化させた。
【0052】3分毎に前記ウレタン樹脂被覆工程を11
回繰り返し、粒状肥料に対して6重量%被覆を行った。
その後、該粒状被覆肥料を74℃で3分維持し、樹脂を
完全硬化させた(以下、この完全硬化処理時の温度をウ
レタン樹脂被覆終了温度と記す。)。得られた被覆粒状
肥料の25℃の水中での、尿素肥料の溶出割合の経時変
化(被覆直後(0日)から10日毎の溶出率)を追跡し
た(溶出率が80%を超えるまで継続して測定)。結果
を表2に示す。
【0053】実施例5 マイクロクリスタリンワックス HI−MIC―104
5被覆量を20gに変更した以外は、実施例4と同様の
操作を行い被覆粒状肥料を作製した。これらの25℃の
水中での、尿素肥料の溶出割合の経時変化(被覆直後
(0日)から20日毎の溶出率)を追跡した(溶出率が
80%を超えるまで継続して測定)。結果を表2に示
す。
【0054】実施例6 粒状尿素(平均粒径3.1mm)5kgを、熱風発生機
を付設した温度制御可能な転動型のコート装置に仕込
み、20〜30RPMで回転させ粒状肥料を転動状態に
した。該装置を加熱して仕込んだ粒状尿素の温度を70
℃に維持し、また、転動状態を維持し、マイクロクリス
タリンワックス HI−MIC―1045[商品名、日
本精鑞(株)製、融点70℃]10gを速やかに添加
し、10分間温度条件および転動状態を維持し、分散、
溶解、均一被覆させた。次いでポリイソシアネート成分
として室温状態のポリメリックMDI[NCO基:31
% 住化バイエルウレタン(株)製、商品名:スミジュ
−ル44V10]6.9g、ポリオール成分としてポリ
エステルポリオ−ルである90℃で溶解したひまし油
[水酸基価161mgKOH/g、豊国製油(株)製、
商品名:工業用1号ひまし油]13.5gと硬化ひまし油
[水酸基価156mgKOH/g、豊国製油(株)製、
商品名:硬化ひまし油]4.5g、及びアミン触媒として
2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノ−
ル0.1gの混合物を、攪拌混合して得た未硬化ウレタ
ン樹脂を、速やかに70℃で転動状態にある該粒状尿素
に添加し、温度条件および転動状態を維持し、3分間で
硬化させた。
【0055】3分毎に前記ウレタン樹脂被覆工程を11
回繰り返し、粒状肥料に対して6重量%被覆を行った。
その後、該粒状被覆肥料を76℃で3分維持し、樹脂を
完全硬化させた。得られた被覆粒状肥料の25℃の水中
での、尿素肥料の溶出割合の経時変化(被覆直後(0
日)から10日毎の溶出率)を追跡した(溶出率が80
%を超えるまで継続して測定)。結果を表2に示す。
【0056】実施例7 粒状尿素(平均粒径3.1mm)5kgを、熱風発生機
を付設した温度制御可能な転動型のコート装置に仕込
み、20〜30RPMで回転させ粒状肥料を転動状態に
した。該装置を加熱して仕込んだ粒状尿素の温度を85
℃に維持し、また、転動状態を維持し、90℃に加熱溶
解させた硬化ひまし油[豊国製油(株)製、融点85℃]
100gとマイクロクリスタリンワックス HI−MI
C―1045[商品名、日本精鑞(株)製、融点70
℃]20gを速やかに添加し、10分間温度条件および
転動状態を維持し、分散、溶解、均一被覆させた。次い
でポリイソシアネート成分としてポリメリックMDI
[NCO基:31% 住化バイエルウレタン(株)製、
商品名:スミジュ−ル44V10]6.9g、ポリオー
ル成分としポリエステルポリオ−ルであるひまし油[水
酸基価161mgKOH/g、豊国製油(株)製、商品
名:工業用1号ひまし油]17.7g、及びアミン触媒と
して2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェ
ノ−ル0.4gを攪拌混合して得た未硬化ウレタン樹脂
を、速やかに85℃で転動状態にある該粒状尿素に添加
し、温度条件および転動状態を維持し、3分間で硬化さ
せた。
【0057】3分毎に前記ウレタン樹脂被覆工程を11
回繰り返し、粒状肥料に対して6重量%ウレタン被覆を
行った。その後、該粒状被覆肥料を88℃で3分維持
し、樹脂を完全硬化させた(以下、この完全硬化処理時
の温度をウレタン樹脂被覆終了温度と記す。)。最後に
カットクレー[ろう石クレー 昭和鉱業(株)製、商品
名:特雪カットクレー]4.0gと微粉体の界面活性剤
[ラウリル硫酸ナトリウム花王(株)製、商品名:エマ
ール10パウダー]1.0gからなる混合物を投入し
た。得られた被覆粒状肥料の25℃の水中での、尿素肥
料の溶出割合の経時変化(被覆直後(0日)から10日
毎の溶出率)を追跡した(溶出率が80%を超えるまで
継続して測定)。結果を表2に示す。
【0058】実施例8 粒状尿素(平均粒径3.1mm)5kgを、熱風発生機
を付設した温度制御可能な転動型のコート装置に仕込
み、20〜30RPMで回転させ粒状肥料を転動状態に
した。該装置を加熱して仕込んだ粒状尿素の温度を85
℃に維持し、また、転動状態を維持し、90℃に加熱溶
解させた硬化ひまし油[豊国製油(株)製、融点85℃]
80gとマイクロクリスタリンワックス HI−MIC
―1045[商品名、日本精鑞(株)製、融点70℃]
20gを速やかに添加し、10分間温度条件および転動
状態を維持し、分散、溶解、均一被覆させた。次いでポ
リイソシアネート成分としてポリメリックMDI[NC
O基:31% 住化バイエルウレタン(株)製、商品
名:スミジュ−ル44V10]11.8g、ポリオール
成分として分岐ポリエ−テル型ポリオ−ル[水酸基化3
72mgKOH/g住化バイエルウレタン(株)製、商
品名:スミフェンTM]13.1g、及びアミン触媒と
して2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェ
ノ−ル0.1gを攪拌混合して得た未硬化ウレタン樹脂
を、速やかに85℃で転動状態にある該粒状尿素に添加
し、温度条件および転動状態を維持し、3分間で硬化さ
せた。
【0059】3分毎に前記ウレタン樹脂被覆工程を11
回繰り返し、粒状肥料に対して6重量%ウレタン被覆を
行った。その後、該粒状被覆肥料を86℃で3分維持
し、樹脂を完全硬化させた(以下、この完全硬化処理時
の温度をウレタン樹脂被覆終了温度と記す。)。最後に
カットクレー[ろう石クレー 昭和鉱業(株)製、商品
名:特雪カットクレー]4.0gと微粉体の界面活性剤
[ラウリル硫酸ナトリウム花王(株)製、商品名:エマ
ール10パウダー]1.0gからなる混合物を投入し
た。得られた被覆粒状肥料の25℃の水中での、尿素肥
料の溶出割合の経時変化(被覆直後(0日)から10日
毎の溶出率)を追跡した(溶出率が80%を超えるまで
継続して測定)。結果を表2に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】 A):ワックス被覆温度 B):ウレタン樹脂被覆温度 C):ウレタン樹脂被覆終了温度
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、溶出遅延効果が充分に
発揮され、超長期にわたり肥効を維持させることや、東
南アジアのような高温地帯でも長期にわたり肥効を維持
させることが可能な粒状被覆肥料を、工業的にも有利に
製造する方法を提供することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒状肥料またはウレタン樹脂被覆粒状肥料
    に軟化または融点が40〜120℃の疎水性化合物を該
    軟化または融点以上の温度条件で被覆し、該温度条件で
    未硬化ウレタン樹脂を被覆し、硬化させてウレタン樹脂
    被覆することからなることを特徴とする粒状被覆肥料の
    製造方法。
  2. 【請求項2】未硬化ウレタン樹脂がポリオール化合物お
    よびポリイソシアネート化合物の混合物またはその反応
    物である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】未硬化ウレタン樹脂被覆および硬化による
    ウレタン樹脂被覆を2回以上繰り返す請求項1または2
    に記載の方法。
  4. 【請求項4】得られる粒状被覆肥料の被覆疎水性化合物
    及び被覆ウレタン樹脂が実質的に被覆欠陥を有さないも
    のである請求項1または2に記載の方法。
  5. 【請求項5】疎水性化合物がワックス、脂肪酸、脂肪酸
    塩、脂肪酸エステル、高級アルコールおよびシリコーン
    から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のいず
    れかに記載の方法。
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