JP2005041708A - 粒状被覆肥料およびその製造方法 - Google Patents

粒状被覆肥料およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005041708A
JP2005041708A JP2003200312A JP2003200312A JP2005041708A JP 2005041708 A JP2005041708 A JP 2005041708A JP 2003200312 A JP2003200312 A JP 2003200312A JP 2003200312 A JP2003200312 A JP 2003200312A JP 2005041708 A JP2005041708 A JP 2005041708A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
fertilizer
coated
granular
castor oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003200312A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuaki Tabei
伸昭 田部井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2003200312A priority Critical patent/JP2005041708A/ja
Publication of JP2005041708A publication Critical patent/JP2005041708A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fertilizers (AREA)

Abstract

【課題】自然崩壊性を有し、肥料成分の溶出遅延性が良好で、かつ工業的製法に適用し易い自然崩壊性緩効性粒状被覆肥料を提供する。
【解決手段】粒状肥料または疎水性化合物で被覆された粒状肥料が、硬化ひまし油とポリイソシアネート成分とを反応することにより形成されるポリウレタン被膜で被覆されてなる粒状被覆肥料であって、硬化ひまし油とポリイソシアネート成分との反応における該ポリイソシアネート成分に由来するNCO基の、硬化ひまし油に由来するOH基に対する当量比が0.33〜0.9である粒状被覆肥料、及びその製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリウレタン樹脂により被覆された緩効性(徐放性と言うこともある)粒状被覆肥料に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、農業就労者の高年齢化、就労者数の減少、兼業農家の増加から、より省力型で植物の成長にあわせ所定の時期に溶出させるために種々の肥効調整型被覆肥料が要求され、また、被覆被膜の原料としてポリエステル結合を有する硬化ひまし油を用いた場合には、肥料施用時において被覆被膜が土壌中で自然崩壊することが期待されている。このような背景から、ひまし油とポリイソシアネートとを反応させてポリウレタン被膜とした被覆肥料が知られているが、肥料の溶出を遅延的に制御するという点では満足できるものではなかった。この点について改良された被覆肥料も提案されているものの、未だ充分なものとはいえないのが現状であった(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−213685公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、自然崩壊性を有し、肥料成分の溶出遅延性が良好で、かつ工業的製法に適用し易い自然崩壊性緩効性粒状被覆肥料を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、被覆肥料について鋭意検討を重ねた結果、前記課題が解決できることを見出し、本発明に至った。
【0006】
すなわち本発明は、粒状肥料または疎水性化合物で被覆された粒状肥料が、硬化ひまし油とポリイソシアネート成分とを反応することにより形成されるポリウレタン被膜で被覆されてなる粒状被覆肥料であって、硬化ひまし油とポリイソシアネート成分との反応における該ポリイソシアネート成分に由来するNCO基の、硬化ひまし油に由来するOH基に対する当量比が0.33〜0.9である粒状被覆肥料(以下、本粒状被覆肥料と記す。)およびその製造方法を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本粒状被覆肥料は、ポリウレタン被膜で被覆されてなる粒状被覆肥料であり、該ポリウレタン被膜は、硬化ひまし油と、ポリイソシアネート成分とを反応することにより形成されるポリウレタン被膜であり、粒状肥料の表面または疎水性化合物で被覆された粒状肥料の表面が該ポリウレタン被膜で被覆されてなる。
【0008】
本発明における粒状肥料は、肥料成分を含有する粒状物である。肥料成分は、水稲などの植物栽培において養分を与えるために土壌に施される窒素、リン、カリウム、珪素、マグネシウム、カルシウム、マンガン、ホウ素等の種々の元素を含有する成分であり、具体例としては、尿素、硝酸アンモニウム、硝酸苦土アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸ソーダ、硝酸カルシウム、硝酸カリウム、石灰窒素、ホルムアルデヒド加工尿素肥料(UF)、アセトアルデヒド加工尿素肥料(CDU)、イソブチルアルデヒド加工尿素肥料(IBDU)、グアニール尿素(GU)等の窒素質肥料;過リン酸石灰、重過リン酸石灰、熔成リン肥、腐植酸リン肥、焼成リン肥、重焼リン、苦土過リン酸、ポリリン酸アンモニウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸カルシウム、苦土リン酸、硫リン安、リン硝安カリウム、塩リン安等のリン酸質肥料;塩化カリウム、硫酸カリウム、硫酸カリソーダ、硫酸カリ苦土、重炭酸カリウム、リン酸カリウム等のカリウム質肥料;珪酸カルシウム等の珪酸質肥料;硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム等のマグネシウム質肥料;生石灰、消石灰、炭酸カルシウム等のカルシウム質肥料;硫酸マンガン、硫酸苦土マンガン、鉱さいマンガン等のマンガン質肥料;ホウ酸、ホウ酸塩等のホウ素質肥料等の肥料取締法に定められる普通肥料(複合肥料を含む)を挙げることができる。中でも窒素(N)、リン(P)およびカリウム(K)より選ばれる肥料成分の一種以上、特にこれら三種全ての肥料成分を含有するものが好ましい。その具体例としては、NPK成分型(N−P−KO)肥料が挙げられ、かかる肥料としては、例えば、5−5−7(N−P−K2Oの重量比率を意味する。以下同じ。)、12−12−16等の1型平上り型、5−5−5、14−14−14等の2型水平型、6−6−5、8−8−5等の3型平下がり型、4−7−9、6−8−11等の4型上り型、4−7−7、10−20−20等の5型上り平型、4−7−4、6−9−6等の6型山型、6−4−5、14−10−13等の7型谷型、6−5−5、18−11−11等の8型下がり平型、7−6−5、14−12−9等の9型下がり型、3−20−0、18−35−0等の10型NP型、16−0−12、18−0−16等の11型NK型、0−3−14、0−15−15等の12型PK型が挙げられる。
【0009】
また、粒状肥料は、除草剤、殺虫剤等の農薬成分を含有させることもできる。該農薬成分は、例えば粒状肥料表面に付着した状態、あるいは粒状肥料内部または全体に分散した状態で存在し得る。農薬成分を含有する粒状肥料は、例えば含有せしめる農薬成分の水、有機溶剤等の溶液、あるいは界面活性剤等がさらに添加されたエマルジョン液を、肥料粒子表面に散布し、肥料粒子内部に浸透させ、同時、またはその後に溶媒を蒸散等により除去することによって製造できる。
粒状肥料の粒径(円形相当径)は、製造上の観点から通常1〜5mmの範囲である。
【0010】
疎水性化合物で被覆された粒状肥料における疎水性化合物は、通常、常温で固体の物質であり、工業的な製造を考慮した場合には、その融点または軟化点が、通常40〜120℃であり、好ましくは50〜100℃、さらに好ましくは60〜90℃のものである。
【0011】
疎水性化合物としては、例えば常温で固体のワックス、脂肪酸、脂肪酸塩、脂肪酸エステル、高級アルコール、シリコーン等を挙げることができ、これらは2種以上の混合物であっても良い。
【0012】
ワックスとしては、例えば、密ロウ等の動物ロウ;カルバナロウ等の植物ロウ;モンタンワックス等の鉱物ワックス;マイクロクリスタリンワックス、セミクリスタリンワックス、パラフィンワックス等の石油ワックス;石油ワックスにエチレン酢酸ビニル共重合体を加えた配合体ワックス;ポリエチレンワックス等の重合体ワックス;エチレン、プロピレン、アクリル酸等のモノマーの少なくとも2種を重合させて得られる共重合体ワックス;フィッシャー・トロプシュワックス等の合成ワックス等が挙げられる。脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ステアリン酸等のC12−18脂肪族カルボン酸等が挙げられ、脂肪酸塩としては、該脂肪カルボン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等が挙げられる。
【0013】
脂肪酸エステルとしては、例えば、C12−18脂肪族カルボン酸とグリセリンとのエステル、ひまし油に水素添加させた硬化ひまし油、牛脂に水素添加させた牛脂硬化油等の硬化油等が挙げられる。高級アルコールとしてはステアリルアルコール等のC16−20アルコールを挙げることができる。
【0014】
シリコーンとしては、例えば、ポリジメチルシロキサンなどのシリコーングリース、シリコーンゴム等が挙げられる。
【0015】
中でも、マイクロクリスタリンワックス、セミクリスタリンワックス、パラフィンワックス等の石油ワックスや石油ワックスにエチレン酢酸ビニル共重合体を加えた配合体ワックスやポリエチレンワックス等の重合体ワックスが特に好ましい。
【0016】
疎水性化合物で被覆された粒状肥料における疎水性化合物の使用量は、溶出遅延効果の点及びブロッキング防止の点から、ポリウレタン被膜100重量部に対して、通常0.01〜45重量部であり、好ましくは1〜40重量部、さらに好ましくは2〜35重量部である。
【0017】
疎水性化合物で被覆された粒状肥料の製造方法としては、疎水性化合物を軟化または溶解し、粒状肥料に均一被覆する方法があげられる。
疎水性化合物被覆時の温度条件は、疎水性化合物の軟化点または融点以上であることが好ましく、該軟化点または融点以上で、かつ粒状肥料の分解または変質しやすい温度以下であることがさらに好ましい。例えば粒状尿素の場合は、90℃以下で被覆することが好ましいため、本疎水性化合物の軟化点または融点が40〜90℃のものを使用し、該軟化または融点〜90℃の温度条件で行うことが好ましい。
【0018】
本粒状被覆肥料に使用されるポリウレタン被膜は、ポリイソシアネ−ト成分と硬化ひまし油との反応により3次元架橋することにより生成する熱硬化性樹脂被膜である。また、ポリイソシアネート成分を2種類以上混合して用いても良い。
【0019】
ポリイソシアネ−ト成分としては、例えばトルエンジイソシアネ−ト(以下、TDIと略称することがある)、ジフェニルメタンジイソシアネ−ト(MDIと略称することがある)、ナフタレンジイソシアネ−ト、トリジンイソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト等を挙げることことができ、必要に応じてこれらの混合物を用いることができる。なかでも、MDI、TDIまたはこれらから誘導されるオリゴマ−体(ポリメリックMDI、ポリメリックTDI等)が好適に用いられる。
【0020】
硬化ひまし油はひまし油を水素添加して固体の飽和脂肪酸トリグリセリドとしたものであり、平均約90%が12−ヒドロキシステアリン酸から約10%がステアリン酸からなるトリグリセリド基でできたポリエステルポリオールである。
【0021】
使用するポリイソシアネート成分に由来するNCO基と硬化ひまし油に由来するOH基の当量比、いわゆるNCO/OHは、0.33〜0.9の間で調整される。
【0022】
ポリウレタン被膜は、例えば流動状態もしくは転動状態の粒状肥料または疎水性化合物で被覆された粒状肥料に、ポリイソシアネート成分と硬化ひまし油との混合物を反応(硬化)させることにより粒状肥料の表面または疎水性化合物で被覆された粒状肥料の表面に形成させることができる。
【0023】
ここでポリイソシアネート成分と硬化ひまし油との混合物とは、両者が全く反応していないもののみならず、3次元化しない程度に予め一部が反応したものをも意味するものであり、また、ポリイソシアネート成分及び硬化ひまし油の他に後述する溶媒や触媒、その他の成分を含有するものも含まれる。本明細書においては、該混合物を未硬化ウレタン樹脂と呼ぶことがある。未硬化ウレタン樹脂の形態としては溶媒を実質的に含まない無溶剤型、溶媒にポリイソシアネート化合物が溶解した溶液型等何れでも良いが、特に無溶剤型で、かつ加工温度において液状であるものが好適である。
【0024】
未硬化ウレタン樹脂の硬化促進の目的で、触媒を未硬化ウレタン樹脂に添加し、該触媒共存下に硬化を行うことも有用な技術である。該触媒として具体的には、トリエチレンジアミン、N−メチルモルフォリン、N,N−ジメチルモルフォリン、ジアザビシクロウンデセン、イミダゾール、エチルメチルイミダゾール、ジアザビシクロオクタン、2,4,6,−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノ−ル等のアミン系触媒;尿素等のアンモニア誘導体;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ性化合物;ジブチルスズラウレート、ジブチルスズマレート等の有機スズ化合物が挙げられる。中でもアミン系触媒が好適に用いられる。該触媒はそのまま、あるいは水溶液または水懸濁液として使用に供される。固体触媒については粉砕微粉体化したものを使用するのが好ましい。
【0025】
触媒を使用する場合の触媒の量はポリイソシアネート成分と硬化ひまし油の総重量に対し、通常0.05〜5重量%程度である。
【0026】
未硬化ウレタン樹脂の調製は、例えばポリイソシアネート成分および硬化ひまし油、必要により更に触媒等の他の成分を混合することにより行うことができるが、触媒を使用する場合には、予め硬化ひまし油と触媒とを混合して予備調製物とした後、該予備調製物とポリイソシアネート成分とを混合することにより行うことが好ましい。硬化ひまし油と触媒とを混合して予備調製物とする場合、その調製方法としては、85℃〜95℃程度に加熱溶解し、均一混合する方法を挙げることができ、該予備調製物とポリイソシアネート成分との混合による未硬化ウレタン樹脂の調整は、粒状肥料または疎水性化合物で被覆された粒状肥料への被覆直前に行うことが好ましい。
【0027】
粒状肥料の表面または疎水性化合物で被覆された粒状肥料の表面に未硬化ウレタン樹脂を被覆し、次いで該未硬化ウレタン樹脂を硬化させることにより、本粒状被覆肥料が得られる。
【0028】
粒状肥料または疎水性化合物で被覆された粒状肥料への未硬化ウレタン樹脂添加、被覆及び熱硬化時の温度条件は、本疎水性化合物の軟化点または融点以上であることが好ましく、該軟化点または融点以上で、かつ粒状肥料の分解または変質しやすい温度以下であることが好ましい。例えば粒状尿素の場合は、90℃以下で被覆することが好ましいため、本疎水性化合物の軟化点または融点が40〜90℃のものを使用し、該軟化または融点〜90℃の温度条件で行うことが好ましい。また、疎水性化合物で被覆された粒状肥料を用いる場合には、疎水性化合物被覆とウレタン樹脂被覆の温度条件をほぼ同一で行うことがエネルギー効率上好ましい。
【0029】
未硬化ウレタン樹脂の該粒状肥料の表面または疎水性化合物で被覆された粒状肥料の表面への被覆方法としては、流動装置や噴流動装置により流動状態にしたり、回転パン、回転ドラムにより転動状態にした該粒状肥料または疎水性化合物で被覆された粒状肥料に未硬化ウレタン樹脂を噴霧、滴下等を行う添加および混合方法を挙げることができる。
【0030】
該粒状肥料表面に被覆された未硬化ウレタン樹脂を硬化させる方法としては、前記と同様に流動状態あるいは転動状態とした未硬化ウレタン樹脂で被覆された粒状肥料を、未硬化ウレタン樹脂被覆時と同様の温度条件下で所定時間流動もしくは転動状態を維持する方法を挙げることができる。また、未硬化ウレタン樹脂の粒状肥料の表面または疎水性化合物で被覆された粒状肥料の表面への被覆時に、粒状肥料を前記熱風に晒しつつ行うことにより被覆と硬化を速やかに行うことができるので、被膜の均一性、粒子同士の粘着による被膜破損の防止、硬化の短時間化等の点で好ましい。
【0031】
また、流動状態または転動状態とした粒状肥料の表面または疎水性化合物で被覆された粒状肥料の表面に、粒状肥料または疎水性化合物で被覆された粒状肥料に対してポリウレタン被膜の厚さが1〜10μmとなる量の未硬化ウレタン樹脂を被覆し、硬化させた後、更に該未硬化ウレタン樹脂の被覆及び硬化を1回以上繰り返して、多層被覆させ、所定被覆量となるまでポリウレタン被膜を被覆させる方法が、硬化途中の樹脂同士の増粘による粒状肥料同士の塊状物の発生防止や、被膜の剥がれ防止等の点で工業的に製造するうえでは好ましい。
【0032】
本粒状被覆肥料において、ポリウレタン被膜の量は粒状肥料100重量部に対して、通常6〜16重量部の割合である。尚、ポリウレタン被膜の量は添加する未硬化ポリウレタン樹脂の量と実質的に同一である。
【0033】
また、ポリウレタン被膜中には、本粒状被覆肥料の性能において許容される範囲で、必要に応じて、酸化チタン、ベンガラ等の着色のための顔料や染料;タルク、カオリン、シリカ、カ−ボンブラック、樹脂粉末、クレー等の充填剤としての無機/有機粉粒体;界面活性剤等を含有させてもよい。
本粒状被覆肥料は、水田で用いることができ、また畑で用いることもできる。
【0034】
【実施例】
以下、製造例、試験例等により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0035】
実施例1
粒状尿素(平均粒径3.1mm)5kgを、熱風発生機を付設した温度制御可能な転動型のコート装置に仕込み、20〜30RPMで回転させ粒状肥料を転動状態にした。該装置を加熱して仕込んだ粒状尿素の温度を70℃に維持し、また、転動状態を維持し、次いで90℃で溶解した硬化ひまし油[豊国製油株式会社製、商品名:硬化ひまし油 水酸基価156mg/g、19.5g]と2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノ−ル0.2gとの均一混合物と、室温状態のポリメリックMDI[住化バイエルウレタン株式会社製、商品名:スミジュール44V10、分子中のNCO基の重量百分率:31%、5.5g]とを、攪拌混合して得た未硬化ウレタン樹脂を、速やかに70℃で転動状態にある該粒状尿素に添加し、温度条件および転動状態を維持した。該未硬化ウレタン樹脂は混合、添加時において液状であった。
【0036】
なお、本実施例で用いた未硬化ウレタン樹脂のゲルタイムは70℃において2分30秒であった。また、投入した未硬化ウレタン樹脂量は、仕込み肥料に対して0.5重量%であり、この平均粒径の粒状肥料を被覆した場合、被覆ウレタン樹脂の膜厚は約3.1μmとなる。目視観察では、投入した未硬化ウレタン樹脂は約30秒でほぼ均一に粒状肥料表面を被覆していることが確認された。未硬化ウレタン樹脂投入3分後に試料の一部を取り出したところ、被膜は殆ど粘着性を失った状態であった。
【0037】
3分毎に前記ポリウレタン被膜被覆工程を15回繰り返し、粒状肥料に対して8重量%被覆を行った。その後、該粒状被覆肥料を73℃で3分維持し、樹脂を完全硬化させ、被覆肥料を得た。
【0038】
実施例2、3
硬化ひまし油、MDI、触媒量を表1に記載した以外は、実施例1と同様にして、被覆肥料を得た。
【0039】
実施例4
粒状尿素(平均粒径3.1mm)5kgを、熱風発生機を付設した温度制御可能な転動型のコート装置に仕込み、20〜30RPMで回転させ粒状肥料を転動状態にした。該装置を加熱して仕込んだ粒状尿素の温度を70℃に維持し、マイクロクリスタリンワックス[日本精鑞株式会社製、商品名:HI−MIC―1045、融点70℃]50gを速やかに添加し、10分間温度条件および転動状態を維持し、分散、溶解、均一被覆させた。次いで90℃で溶解した硬化ひまし油[豊国製油株式会社製、商品名:硬化ひまし油、水酸基価156mg/g、19.5g]と2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノ−ル0.2gとの均一混合物と、室温状態のポリメリックMDI[住化バイエルウレタン株式会社製、商品名:スミジュール44V10、分子中のNCO基の重量百分率:31%、5.5g]とを、攪拌混合して得た未硬化ウレタン樹脂を、速やかに70℃で転動状態にある該粒状尿素に添加し、温度条件および転動状態を3分間維持し、硬化させた。
【0040】
3分毎に前記ポリウレタン被膜被覆工程を15回繰り返し、粒状肥料に対して8重量%被覆を行った。その後、該粒状被覆肥料を73℃で3分維持し、樹脂を完全硬化させ、被覆肥料を得た。
【0041】
実施例5〜7
疎水性化合物、硬化ひまし油、MDI、触媒量を表1に記載した以外は、実施例1と同様にして、被覆肥料を得た。
【0042】
【表1】
Figure 2005041708
【0043】
試験例1
サンプル瓶に試験用被覆肥料7.5gを入れ、水100mlを加え、25℃で静置した。所定時間経過後、サンプル瓶中の水0.5mlを採り、尿素濃度を測定した。測定した尿素濃度から尿素の溶出率を計算した。
結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
Figure 2005041708
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、肥料成分の溶出遅延性が良好で、かつ工業的製法に適用し易い自然崩壊性緩効性粒状被覆肥料およびその製造方法を提供できる。

Claims (8)

  1. 粒状肥料または疎水性化合物で被覆された粒状肥料が、硬化ひまし油とポリイソシアネート成分とを反応することにより形成されるポリウレタン被膜で被覆されてなる粒状被覆肥料であって、硬化ひまし油とポリイソシアネート成分との反応における該ポリイソシアネート成分に由来するNCO基の、硬化ひまし油に由来するOH基に対する当量比が0.33〜0.9である粒状被覆肥料。
  2. 硬化ひまし油とポリイソシアネート成分との反応が、触媒と硬化ひまし油との予備調製物と、ポリイソシアネート成分との混合物により行われたものである請求項1に記載の粒状被覆肥料。
  3. ポリウレタン被膜が、流動状態または転動状態にある粒状肥料または疎水性化合物で被覆された粒状肥料に、請求項2に記載の混合物を添加し混合後、該流動状態または転動状態を維持することにより形成されたものである請求項2に記載の粒状被覆肥料。
  4. ポリウレタン被膜の被覆量が粒状肥料に対し6〜16重量%である請求項1〜3のいずれかに記載の粒状被覆肥料。
  5. 疎水性化合物が、ワックス、脂肪酸、脂肪酸塩、脂肪酸エステル、高級アルコールおよびシリコーンから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のいずれかに記載の粒状被覆肥料。
  6. 流動状態または転動状態にある粒状肥料または疎水性化合物で被覆された粒状肥料に、下記成分(1)、成分(2)及び成分(3)からなり、成分(2)に由来するCNO基の成分(1)に由来するOH基に対する当量比が0.33〜0.9である混合物を添加して混合し、該流動状態または転動状態を維持することにより該粒状肥料または疎水性化合物で被覆された粒状肥料に該混合物を被覆し、硬化させることを特徴とするポリウレタン被膜で被覆された粒状被覆肥料の製造方法。
    成分(1) 硬化ひまし油。
    成分(2) ポリイソシアネート。
    成分(3) 触媒。
  7. 成分(1)、成分(2)及び成分(3)からなり、成分(2)に由来するCNO基の成分(1)に由来するOH基に対する当量比が0.33〜0.9である混合物が、成分(1)と成分(3)との予備調製物に成分(2)を混合することにより得られたものである請求項6に記載の方法。
  8. 硬化させた後、さらに成分(1)、成分(2)及び成分(3)からなり、成分(2)に由来するCNO基の成分(1)に由来するOH基に対する当量比が0.33〜0.9である混合物の添加混合及び該転動状態の維持による該混合物の被覆、硬化を少なくとも1回繰り返す請求項6または7に記載の方法。
JP2003200312A 2003-07-23 2003-07-23 粒状被覆肥料およびその製造方法 Pending JP2005041708A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003200312A JP2005041708A (ja) 2003-07-23 2003-07-23 粒状被覆肥料およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003200312A JP2005041708A (ja) 2003-07-23 2003-07-23 粒状被覆肥料およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005041708A true JP2005041708A (ja) 2005-02-17

Family

ID=34260758

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003200312A Pending JP2005041708A (ja) 2003-07-23 2003-07-23 粒状被覆肥料およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005041708A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011178650A (ja) * 2010-02-08 2011-09-15 Central Glass Co Ltd 被覆粒状水溶性物質の製造方法
WO2011122238A1 (ja) 2010-03-31 2011-10-06 セントラル硝子株式会社 被覆粒状体及び該被覆粒状体の製造方法
CN105481559A (zh) * 2015-12-22 2016-04-13 成都新柯力化工科技有限公司 一种以有机硅低聚体为包膜的缓释生态肥的制备方法
CN111247001A (zh) * 2017-11-07 2020-06-05 住友化学株式会社 层叠体

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011178650A (ja) * 2010-02-08 2011-09-15 Central Glass Co Ltd 被覆粒状水溶性物質の製造方法
WO2011122238A1 (ja) 2010-03-31 2011-10-06 セントラル硝子株式会社 被覆粒状体及び該被覆粒状体の製造方法
EP2554528A4 (en) * 2010-03-31 2017-08-23 Central Glass Company, Limited Coated granular body and method for producing coated granular body
CN105481559A (zh) * 2015-12-22 2016-04-13 成都新柯力化工科技有限公司 一种以有机硅低聚体为包膜的缓释生态肥的制备方法
CN105481559B (zh) * 2015-12-22 2018-12-21 河北百禾丰化肥有限公司 一种以有机硅低聚体为包膜的缓释生态肥的制备方法
CN111247001A (zh) * 2017-11-07 2020-06-05 住友化学株式会社 层叠体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU745527B2 (en) Granular coated fertilizer and method for producing the same
CA2826752C (en) Methods and systems for coating granular substrates
US20150376077A1 (en) Polymer coated fertilizer compositions and methods of making thereof
AU768523B2 (en) Improved polymer-sulfur-polymer coated fertilizers
CA2393906C (en) Granular coated fertilizer
CA2396834C (en) Granular coated fertilizer
JP5810544B2 (ja) 被覆粒状体及び該被覆粒状体の製造方法
KR100740442B1 (ko) 입상 피복 비료의 제조방법
JP5760357B2 (ja) 被覆水溶性粒状体の製造方法
JP2005001957A (ja) 粒状被覆肥料およびその製造方法
JP2005041708A (ja) 粒状被覆肥料およびその製造方法
JP5002909B2 (ja) ポリウレタン被覆粒状肥料
JP2005067904A (ja) 被覆粒状肥料及び被覆粒状肥料の製造方法
JP2003246692A (ja) 粒状被覆肥料の製造方法
JPH09202683A (ja) 被覆肥料の製造方法
JP2010120785A (ja) 被覆粒状肥料およびその製造方法
JP2003104787A (ja) 多層被覆粒状肥料
JP2004203667A (ja) 粒状被覆肥料およびその製造方法
JP2003176194A (ja) 粒状被覆肥料およびその製造方法
JP2000044377A (ja) 粒状被覆肥料およびその製造方法
JP2004307736A (ja) 粒状肥料被覆用プレポリマーの製造法
JP2003165788A (ja) 被覆粒状硝安石灰
JP2001328891A (ja) 粒状被覆肥料の製造方法
JP2005089258A (ja) 被覆粒状肥料の製造方法
WO2022131217A1 (ja) 被覆粒状肥料の製造方法及び被覆粒状肥料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060607

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20080130

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20080513

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090724

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090728

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090820

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090915