JP2006256843A - エレベータの音声放送システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 騒がしい環境下であっても難聴者が放送内容を明瞭に聞き取ることができるようにすること。
【解決手段】 エレベータ利用者M1が乗りかご6内に乗り込むと、エレベータ制御装置内の音声放送制御部2は、自動音声案内情報の音声データを音声データ格納部3から取り出し、これを出力する。この音声データは、音声出力部7の他に、磁気誘導アンプ10にも送信される。そして、ループアンテナ11から電波が発信され、この電波がエレベータ利用者M1が装着した補聴器15により受信される。
【選択図】 図1
【解決手段】 エレベータ利用者M1が乗りかご6内に乗り込むと、エレベータ制御装置内の音声放送制御部2は、自動音声案内情報の音声データを音声データ格納部3から取り出し、これを出力する。この音声データは、音声出力部7の他に、磁気誘導アンプ10にも送信される。そして、ループアンテナ11から電波が発信され、この電波がエレベータ利用者M1が装着した補聴器15により受信される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、エレベータの音声放送システムに関するものである。
エレベータは不特定多数の人が利用する公共性の高いビル内交通手段であり、最近では高齢者や身体障害者も安心して利用できるような工夫がなされている。ところで、近年、高齢者や身体障害者が快適に過ごすことができる建築物及びその付帯設備の普及促進を目的とする所謂「ハートビル法」が施行されており、公共性の高いエレベータシステムについてもこれらの利用者に対する何らかの配慮が要請されている。例えば、特許文献1に開示されているエレベータシステムでは、エレベータ利用者が携帯している携帯端末から受信した利用者情報により、そのエレベータ利用者が聴覚障害者であることが認識できた場合は、エレベータの案内音声の音量を大きくして放送するようにしている。
特開2002−362838号公報
しかし、単に放送音声の音量を大きくしても、騒音が大きく騒がしい環境の場合、難聴者は必ずしも明瞭に放送内容を聞き取ることができない。また、難聴者の難聴の種類が感音声難聴である場合は、音量を大きくすることは余り有効な対策とは言えない。更に、放送音声の音量を必要以上に大きくすることは健常者に不快感を与えることになる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、騒がしい環境下であってもエレベータを利用する多くの難聴者が放送内容を明瞭に聞き取ることができ、また、健常者に対しても不快感を与えることのないエレベータの音声放送システムを提供することを目的としている。
上記課題を解決するための手段として、請求項1記載の発明は、音声データの出力を行う音声放送制御部と、前記音声放送制御部からの音声データに基づきエレベータ利用者に対して音声を出力する音声出力部と、前記音声放送制御部からの音声データを、エレベータ利用者が装着する音声受信器が受信可能な電波に変換して発信するループアンテナと、を備えたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記音声受信器は、磁気ループシステム対応型の補聴器である、ことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記音声受信器は、磁気ループシステム対応型のヘッドホン又はイヤホンである、ことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記ループアンテナは、乗りかご内の床下、天井裏、壁内部、又はかご操作盤内部の少なくともいずれかに配設されたものである、ことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記ループアンテナは、エレベータ乗場の床下、天井裏、乗降ドア周囲の壁内部、又は乗場操作盤内部の少なくともいずれかに配設されたものである、ことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、前記音声放送制御部は、前記音声出力部及び前記ループアンテナの双方に音声データを出力する第1の制御モードと、前記ループアンテナのみに音声データを出力する第2の制御モードとを有するものである、ことを特徴とする。
本発明では、ループアンテナが発信する電波の受信が可能な音声受信器を装着していれば誰でも放送内容を明瞭に聞き取ることができる。また、このような音声受信器を装着していない健常者も、音量が大きくなっているわけではないので不快感を感じることはない。
図1は、本発明の実施形態の構成を示す説明図である。この図1の構成は、磁気ループシステムを採用したものである。この磁気ループシステムは、最近、高齢者等が集まるホールや集会室等でよく用いられている補聴器サポートシステムであり、マイクなどの音声出力装置からの音声信号を磁気誘導アンプがループアンテナから電波として発信させるものである。このとき、補聴器を付けた高齢者等がループアンテナのループ内側又はその付近に位置していれば、この補聴器がクリアな音声の電波を受信することができる。ただし、この補聴器は、磁気ループシステム対応型のもの、すなわちテレホンコイルを備えたものでなければならず、ループアンテナからの電波を受信しようとする場合には、補聴器のスイッチを「T」又は「MT]に切り換えて磁気ループ対応モードにセットしておく必要がある。
図1において、エレベータ制御装置1は音声放送制御部2を有している。音声放送制御部2は、自動音声案内情報として予め録音されている音声データを音声データ格納部3から取り出して出力し、また、エレベータ監視センター4からのオペレータの音声データ、あるいは館内放送装置5からアナウンスされる音声データなどの出力も行うようになっている。そして、音声放送制御部2から出力される音声データは、乗りかご6内の音声出力部(スピーカ)7、及びエレベータ乗場8の音声出力部(スピーカ)9に送られて放送されるようになっている。
乗りかご6内には磁気ループシステムが構築されており、乗りかご6内の床下には、磁気誘導アンプ10、及びこれに接続されたループアンテナ11が配設されている。また、エレベータ乗場8にも磁気ループシステムが構築されており、乗降ドア12の前の床下には、磁気誘導アンプ13、及びこれに接続されたループアンテナ14が配設されている。そして、音声放送制御部2から出力される音声データは、上記の音声出力部7,9の他に、これらの磁気誘導アンプ10,13にも送られるようになっている。磁気誘導アンプ10,13は、送られてきた音声データをループアンテナ11,14により電波に変換して発信するようになっている。
乗りかご6内に配設されたループアンテナ11のループ内の位置には、音声受信器としての補聴器15を装着したエレベータ利用者M1が立っている。また、エレベータ乗場8の乗降ドア12の前に配設されたループアンテナ14のループ内の位置には、音声受信器としての補聴器16を装着したエレベータ利用者M2が立っている。なお、エレベータ利用者M1,M2が装着している補聴器15,16はいずれもテレホンコイルを備えた磁気ループシステム対応型のものである。そして、エレベータ利用者M1,M2は、補聴器15,16のスイッチを「T」又は「MT]に切り換えて磁気ループ対応モードにセットすることにより、ループアンテナ11,14から発信される電波を受信することができるようになっている。
ここで、ループアンテナ11,14の配設位置は、図1においては、それぞれ乗りかご6及びエレベータ乗場8の床下として示したが、床下以外の場所にも配設可能である。この配設可能な位置を図2及び図3に基づき説明する。
図2は、乗りかご6内のループアンテナ配設可能位置を示す斜視図である。乗りかご6は、床17、天井18、壁19を有しており、また、ドア20の近くにはかご操作盤21が設置されている。なお、かご操作盤21に近い方の壁19には、高齢者等の難聴者に対するメッセージ、つまり、この乗りかごには磁気ループシステムが構築されており、補聴器のスイッチを「T」又は「MT]に切り換えることにより放送音声を明瞭に聞き取ることが可能になる旨の説明が記載された銘板22が取り付けられている。
そして、床17の下にループアンテナ11を、図1に示したように配設することの他に、天井18の裏にループアンテナ11Aを、壁19の内部にループアンテナ11Bを、かご操作盤21の内部にループアンテナ11Cを配設することが可能である。但し、図2は、ループアンテナ11,11A,11B,11Cの全てを配設すべきものとして示したわけではなく、エレベータの用途などの条件を考慮して、いずれか1つもしくは複数を適宜選択可能なものとして示している。
図3は、エレベータ乗場8のループアンテナ配設可能位置を示す斜視図である。乗降ドア12の近くには乗場操作盤23が設置されており、この乗場操作盤23の下方には、先に述べた銘板22と同様の説明が記載された銘板24が取り付けられている。
そして、乗降ドア12の前の床下には、図1に示すのと同様にループアンテナ14を配設することの他に、天井裏にループアンテナ14Aを、乗降ドア12の周囲の壁内部にループアンテナ11Bを、乗場操作盤23の内部に14Cを配設することが可能である。この図3も、図2の場合と同様に、ループアンテナ14,14A,14B,14Cの全てを配設すべきものとして示したわけではなく、エレベータの用途などの条件を考慮して、いずれか1つもしくは複数を適宜選択可能なものとして示したものである。
次に、図1の動作をエレベータ利用者M1が乗りかご6内に乗り込んだ場合を例に取り説明する。いま、エレベータ利用者M1が乗りかご6内に乗り込んだとすると、利用者検知手段(図示せず)がエレベータ利用者M1の存在を検知し、その検知信号をエレベータ制御装置1に送信する。すると、これを受けてエレベータ制御装置1内の音声放送制御部2は、自動音声案内情報の音声データを音声データ格納部3から取り出し、これを出力する。なお、このとき、エレベータ利用者M1は、補聴器15のスイッチを「T」又は「MT]に切り換えて磁気ループ対応モードにセットしている。
音声放送制御部2からの自動音声案内情報に係る音声データは、音声出力部7の他に、磁気誘導アンプ10にも送信される。磁気誘導アンプ10は、送信されてきた音声データに基づきループアンテナ11に磁界信号を出力する。このときの磁界の強弱に従って、ループアンテナ11から電波が発信され、この電波がエレベータ利用者M1が装着した補聴器15により受信される。したがって、エレベータ利用者M1は、クリアな音声の自動音声案内情報を補聴器15を介して聴くことができる。
また、このとき乗りかご6内に、補聴器を付けていない他のエレベータ利用者がいたとしても、このエレベータ利用者には、音声出力部7から放送される音声のみが通常の音量で聞こえるだけなので何ら不快感を感じることはない。
ところで、上述した例では、エレベータ利用者M1,M2が難聴者であり、音声受信器が補聴器15,16である場合につき説明したが、本発明では健常者のエレベータ利用者が磁気ループシステム対応型のヘッドホン又はイヤホンを付けている場合にも、ループアンテナからの電波をこれらのヘッドホン又はイヤホンに受信させることができる。
この場合、音声放送制御部2は、音声出力部7,9に対する出力、及び磁気誘導アンプ10,13に対する(つまりループアンテナ11,13に対する)出力の双方を行う第1の制御モードと、磁気誘導アンプ10,13に対する(つまりループアンテナ11,13に対する)出力のみを行う第2の制御モードとの2つの制御モードを持っていることが好ましい。そして、音声放送制御部2は、第1の制御モードでは全てのエレベータ利用者にとって必要なエレベータ運行情報等を出力するようにし、第2の制御モードでは軽音楽、あるいは館内放送装置5からの館内放送等を流すようにする。
上記の第1の制御モードによれば、ヘッドホン又はイヤホンを付けているエレベータ利用者、及び付けていないエレベータ利用者の双方が音声放送制御部2からの音声データの内容を聞くことができる。一方、第2の制御モードによれば、ヘッドホン又はイヤホンを付けているエレベータ利用者しか音声放送制御部2からの音声データの内容を聞くことができない。しかし、エレベータ利用者の中には、軽音楽や館内放送等を聞きたくない人もいるので、このような人にとっては第2の制御モードの方が快適な環境となる。したがって、第2の制御モードを用いてこれら双方の人が満足する環境を提供することが可能になる。
1 エレベータ制御装置
2 音声放送制御部
3 音声データ格納部
4 エレベータ監視センター
5 館内放送装置
6 乗りかご
7 音声出力部
8 エレベータ乗場
9 音声出力部
10 磁気誘導アンプ
11,11A,11B,11C ループアンテナ
12 乗降ドア
13 磁気誘導アンプ
14,14A,14B,14C ループアンテナ
15 補聴器(音声受信器)
16 補聴器(音声受信器)
17 床
18 天井
19 壁
20 ドア
21 かご操作盤
22 銘板
23 乗場操作盤
24 銘板
M1,M2 エレベータ利用者
2 音声放送制御部
3 音声データ格納部
4 エレベータ監視センター
5 館内放送装置
6 乗りかご
7 音声出力部
8 エレベータ乗場
9 音声出力部
10 磁気誘導アンプ
11,11A,11B,11C ループアンテナ
12 乗降ドア
13 磁気誘導アンプ
14,14A,14B,14C ループアンテナ
15 補聴器(音声受信器)
16 補聴器(音声受信器)
17 床
18 天井
19 壁
20 ドア
21 かご操作盤
22 銘板
23 乗場操作盤
24 銘板
M1,M2 エレベータ利用者
Claims (6)
- 音声データの出力を行う音声放送制御部と、
前記音声放送制御部からの音声データに基づきエレベータ利用者に対して音声を出力する音声出力部と、
前記音声放送制御部からの音声データを、エレベータ利用者が装着する音声受信器が受信可能な電波に変換して発信するループアンテナと、
を備えたことを特徴とするエレベータの音声放送システム。 - 前記音声受信器は、磁気ループシステム対応型の補聴器である、
ことを特徴とする請求項1記載のエレベータの音声放送システム。 - 前記音声受信器は、磁気ループシステム対応型のヘッドホン又はイヤホンである、
ことを特徴とする請求項1記載のエレベータの音声放送システム。 - 前記ループアンテナは、乗りかご内の床下、天井裏、壁内部、又はかご操作盤内部の少なくともいずれかに配設されたものである、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のエレベータの音声放送システム。 - 前記ループアンテナは、エレベータ乗場の床下、天井裏、乗降ドア周囲の壁内部、又は乗場操作盤内部の少なくともいずれかに配設されたものである、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のエレベータの音声放送システム。 - 前記音声放送制御部は、前記音声出力部及び前記ループアンテナの双方に音声データを出力する第1の制御モードと、前記ループアンテナのみに音声データを出力する第2の制御モードとを有するものである、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のエレベータの音声放送システム。
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